JP5672471B2 - エチレン/α−オレフィンのインターポリマーの油性ブレンド - Google Patents

エチレン/α−オレフィンのインターポリマーの油性ブレンド Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンのインターポリマーと、少なくとも1つの油とを含むポリマーブレンド、該ブレンドの製造方法、および該ブレンドから製造された製品に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2006年3月15日出願の米国特許出願第11/376,956号の一部継続である、2006年11月30日出願の米国特許出願第11/606,657号の有益性を主張するとともに、同じく2006年3月15日に出願の米国特許出願第11/376,835号の優先権を主張するものである。米国特許制度の目的により、これらの出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
耐久財の製造は、米国だけでも年間数百万トンのプラスチック消費量を占める。耐久財は、自動車、建築、医療、食品および飲料水、電機、家庭器具、事務機械ならびに消費者市場などの様々な市場に見いだされる、長期間利用可能な製造品である。これらの市場におけるいくつかの用途では、軟質ポリマー、またはそれらと他のポリマーもしくは油とのブレンドの使用が必要とされる。これらの用途としては、玩具、取手、ソフトタッチハンドル(soft touch handle)、バンパ摩擦ストリップ、床敷き、自動車床マット、車輪、キャスタ、家具および家庭器具の脚、タグ、シール、静止型ガスケットおよび非静止型ガスケットなどのガスケット、自動車ドア、バンパフェーシャ、グリル部品、ロッカーパネル、ホース、裏張り、事務用消耗品、シール、ライナ、仕切板、チューブ、蓋、栓、プランジャーチップ、配送システム(delivery system)、台所用品、靴、靴袋ならびに靴底が挙げられるが、それらに限定されない。
耐久財用途に使用するためには、ポリマー、またはそれらと他のポリマーもしくは油とのブレンドは、望ましくは、良好な加工性(例えば、成形性)、魅力的な外観(例えば、透明または着色可能)、好適な表面特性(例えば、基板に対する良好な接着性、ゴム様感触、非粘着性および良好な彩色適性)および機械特性の良好な組合せ(例えば、柔軟性、耐熱性、耐摩耗および/または引掻き性、靱性、引張強度および圧縮歪み)を保持する。耐久財に好適な特性を保持するいくつかのポリマーとしては、軟質ポリ塩化ビニル(f−PVC)、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)(SBS)、ポリ(スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン)(SEBS)、熱可塑性加硫ゴム(TPV)、熱可塑性ポリ(ウレタン)(TPU)ならびにポリオレフィンホモポリマーおよびポリオレフィンインターポリマーなどのポリオレフィンが挙げられる。
ポリプロピレン(PP)および低密度ポリエチレン(LDPE)などのいくつかのポリオレフィンは、成形が容易で、耐熱性および機械特性が良好であるために、耐久財用途での使用に広く受け入れられてきた。また、耐久財の部品の製造に要求される需要を満たすために、ポリオレフィンと他のポリマーとのブレンドに基づく多くの配合物が開発された。例えば、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンドを使用して、人工芝用途の繊維を製造することができる。
さらに、いくつかのポリオレフィンホモポリマーまたはポリオレフィンインターポリマーを含むいくつかの軟質ポリマーは、いくつかのプロセスまたは用途において望ましくない粘着性を有することがある。概して、脂肪酸アミド、蝋または他の非粘着性ポリマーなどの添加剤を当該軟質ポリマーと混合して、それらの粘着性を低減することができる。しかし、当該添加剤は、ある程度までしか効果がなく、それら自体のいくつかの望ましくない特性を有することが知られている。
様々なポリオレフィンおよびそれらのブレンドが利用可能であるにもかかわらず、物性および性能特性が向上した新しいポリマーまたは新しいポリマーブレンドが継続的に必要とされている。
上記必要性は、本発明の様々な態様によって満たされる。一態様において、本発明は、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーと、少なくとも1つの油とを含むポリマーブレンドに関する。油は、アロマ系油、ナフテン系油、パラフィン系油、またはそれらの組合せであり得る。一実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、1.7から3.5のM/M、セルシウス度単位の少なくとも1つの融点Tm、グラム/平方センチメートルの単位の密度dを有し、Tとdの数値は、以下の関係に対応する。
≧−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、1.7から3.5のM/Mを有し、J/g単位の融解熱ΔH、および最大DSCピークと最大CRYSTAFピーク温度差で定義されるセルシウス度単位のデルタ量ΔTによって特徴づけられ、ΔTとΔHの数値は、以下の関係を有する。
ΔHが0J/gより大きく、130J/g以下である場合はΔT>−0.1299(ΔH)+62.81
ΔHが130J/gより大きい場合はΔT≧48℃
CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して測定され、ポリマーの5パーセント未満が識別可能なCRYSTAFピークである場合は、CRYSTAF温度は30℃である。
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定された300パーセント歪みおよび1サイクルにおけるパーセント単位の弾性回復率Reによって特徴づけられ、グラム/立方センチメートル単位の密度dを有し、Reおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に有さないときに以下の関係を満たす。
Re>1481−1629(d)
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、TREFを使用して分別したときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、該フラクションは、同じ温度範囲で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマーフラクションの場合より少なくとも5パーセント多いモルコモノマー含有量を有することを特徴とし、前記同等のランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを有し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの場合の10パーセント以内のメルトインデックス、密度および(全ポリマーに対する)モルコモノマー含有量を有する。
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、25℃における貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)によって特徴づけられ、G’(25℃)とG’(100℃)の比は、1:1から10:1である。
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、TREFを使用して分別したときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、該フラクションは、少なくとも0.5から約1までのブロックインデックス(block index)および約1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有することを特徴とする。別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0より大きく、約1.0までの平均ブロックインデックスを有し、約1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有する。
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおけるα−オレフィンは、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエン、またはそれらの組合せである。
別の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、全組成物の50重量パーセントから95重量パーセントの範囲で存在する。
別の実施形態において、ポリマーブレンドは、場合によっては、スリップ剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤もしくは顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流動助剤、カップリング剤、架橋剤、成核剤、界面活性剤、溶媒、難燃剤、耐電防止剤またはそれらの組合せであってもよい少なくとも1つの添加剤をさらに含む。
別の態様において、本発明は、本明細書に開示されているポリマーブレンドを含む柔軟成形品に関する。いくつかの実施形態において、柔軟成形品としては、玩具、取手、ソフトタッチハンドル、バンパ摩擦ストリップ、床敷き、自動車床マット、車輪、キャスタ、家具および家庭器具の脚、タグ、シール、静止型ガスケットおよび非静止型ガスケットなどのガスケット、自動車ドア、バンパフェーシャ、グリル部品、ロッカーパネル、ホース、裏張り、事務用消耗品、シール、ライナ、仕切板、チューブ、蓋、栓、プランジャーチップ、配送システム、台所用品、靴、靴袋、靴底ならびにそれらの組合せが挙げられる。
従来のランダムコポリマー(円で示しめされる)およびチーグラナッタコポリマー(三角形で示す)と比較した発明のポリマー(菱形で示される)の融点/密度関係を示すグラフである。 様々なポリマーについてのDSC融解エンタルピの関数としてのデルタDSC−CRYSTAFのプロットを示すグラフである。菱形は、ランダムエチレン/オクテンコポリマーを示し;正方形は、ポリマー実施例1〜4を示し;三角形は、ポリマー実施例5〜9を示し;円は、ポリマー実施例10〜19を示す。「X」符号は、ポリマー比較例A〜Fを示す。 発明のインターポリマー(正方形および円で示される)および従来のコポリマー(三角形で示され、様々なAFFINITY(登録商標)ポリマー(The Dow Chemical Company)である)から製造された無延伸フィルムについての弾性回復率に対する密度の影響を示すグラフである。正方形は、発明のエチレン/ブテンコポリマーを示し;円は、発明のエチレン/オクテンコポリマーを示す。 実施例5のポリマー(円で示される)および比較ポリマー比較例EおよびF(「X」符号で示される)についてのTREF分別エチレン/1−オクテンコポリマーフラクションのオクテン含有量と、フラクションのTREF溶出温度とのプロットを示すグラフである。菱形は、従来のランダムエチレン/オクテンコポリマーを示す。 実施例5のポリマー(曲線1)およびポリマー比較例F(曲線2)についてのTREF分別エチレン/1−オクテンコポリマーフラクションのオクテン含有量と、フラクションのTREF溶出温度とのプロットを示すグラフである。正方形は、ポリマー比較例Fを示し;三角形は、実施例5を示す。 比較エチレン/1−オクテンコポリマー(曲線2)およびプロピレン/エチレンコポリマー(曲線3)、ならびに異なる量の連鎖シャトリング剤(chain shuttling agent)で製造された本発明の2つのエチレン/1−オクテンブロックコポリマー(曲線1)についての温度の関数としての貯蔵弾性率の対数を示すグラフである。 いくつかの既知のポリマーと比較したいくつかの発明のポリマー(菱形で示される)についてのTMA(1mm)と屈曲弾性率とのプロットを示すグラフである。三角形は、様々なVERSIFY(登録商標)ポリマー(The Dow Chemical Company)を示し;円は、様々なエチレン/スチレンコポリマーを示し;正方形は、様々なAFFINITY(登録商標)ポリマー(The Dow Chemical Company)を示す。 成分A(すなわち、KRATON(登録商標)G1652、SEBS)および成分B(すなわち、AFFINITY(登録商標)EG8100(The Dow Chemical Company)または発明のポリマー19a、19bもしくは19i)を含む2成分ブレンドの張力回復率を示すグラフである。サイクルは、KRATON(登録商標)G1652およびAFFINITY(登録商標)EG8100(The Dow Chemical Company)を含むブレンド(すなわち、それぞれ0パーセント、25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのDow AFFINITY(登録商標)EG8100を有する比較例Y1〜Y5)を示す。菱形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19aを含むブレンド(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19aを有する実施例34〜37)を示す。三角形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19bを含むブレンド(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19bを有する実施例38〜41)を示す。正方形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19i(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19iを有する実施例42〜45)を示す。 成分A(すなわち、KRATON(登録商標)G1652、SEBS)および成分B(すなわち、AFFINITY(登録商標)EG8100(The Dow Chemical Company)または発明のポリマー19a、19bもしくは19i)を含む2成分ブレンドの耐熱性(すなわち、TMA温度)を示すグラフである。サイクルは、KRATON(登録商標)G1652およびAFFINITY(登録商標)EG8100(The Dow Chemical Company)を含むブレンド(すなわち、それぞれ0パーセント、25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのAFFINITY(登録商標)EG8100(The Dow Chemical Company)を有する比較例Y1〜Y5)を示す。菱形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19aを含むブレンド(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19aを有する実施例34〜37)を示す。三角形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19bを含むブレンド(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19bを有する実施例38〜41)を示す。正方形は、KRATON(登録商標)G1652および発明のポリマー19i(すなわち、それぞれ25パーセント、50パーセント、75パーセントおよび100パーセントのポリマー19iを有する実施例42〜45)を示す。 実施例58〜62および比較例AA1およびAA2についての最大油吸収量を示すグラフである。 実施例58、60および61ならびに比較例AA1についてのショアAと油含有量を示すグラフである。 実施例58、59および61ならびに実施例AA1についてのTMAとショアAを示すグラフである。 実施例58および61ならびに比較例AA1についての23℃における圧縮歪みとショアAを示すグラフである。 実施例58および61ならびに比較例AA1についての70℃における圧縮歪みとショアAを示すグラフである。 様々な油含有量の実施例58、および実施例62についての粘度と剪断速度を示すグラフである。 様々な油含有量の実施例58および比較例AA1の応力−歪み応答を示すグラフである。
一般定義
「ポリマー」は、同一種類または異なる種類にかかわらず、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。「ポリマー」という一般用語は、「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」ならびに「インターポリマー」を包括する。
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。「インターポリマー」という一般用語は、(2つの異なるモノマーから調製されたポリマーを指すように通常採用される)「コポリマー」という用語ならびに(3つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すように通常採用される)「ターポリマー」という用語を含む。それは、4つ以上の種類のモノマーを重合することによって製造されたポリマーをも包括する。
「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」という用語は、一般には、エチレン、および3個以上の炭素原子を含むポリマーを指す。好ましくは、エチレンは、全ポリマーの大半のモル分率を構成し、すなわち、エチレンは、全ポリマーの少なくとも約50モルパーセントを構成する。より好ましくは、エチレンは、少なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセントまたは少なくとも約80モルパーセントを構成し、全ポリマーの実質的な残りは、好ましくは、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含む。多くのエチレン/オクテンコポリマーでは、好ましい組成物は、全ポリマーの約80モルパーセントを超えるエチレン含有量、および全ポリマーの10から15、好ましくは15から20モルパーセントのオクテン含有量を含む。いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、低収率もしくは少量で製造されたもの、または化学プロセスの副産物としてのものを含まない。エチレン/α−オレフィンインターポリマーを1つまたは複数のポリマーとブレンドすることができるが、未精製のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、実質的に純粋であり、重合プロセスの反応生成物の主たる成分をしばしば含む。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性α−オレフィンコモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロックまたはセグメントによって特徴づけられる。すなわち、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ブロックインターポリマー、好ましくはマルチブロックインターポリマーまたはコポリマーである。本明細書において、「インターポリマー」と「コポリマー」は、区別なく用いられる。いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーを以下の式で表すことができる。
(AB)
式中、nは、少なくとも1、好ましくは、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90または100以上などの1より大きい整数であり、「A」は、硬質ブロックまたはセグメントを表し、「B」は、軟質ブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AとBは、実質的に分枝状または実質的に星形でなく、実質的に直鎖状に結合される。他の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。換言すれば、ブロックコポリマーは、以下の構造を通常有さない。
Figure 0005672471

さらに他の実施形態において、ブロックコポリマーは、異なるコモノマーを含む第3の種類のブロックを通常有さない。さらに他の実施形態において、ブロックAおよびブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマーまたはコモノマーを有する。換言すれば、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りと実質的に異なる組成を有する先端セグメントなどの異なる組成の2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)を含まない。
マルチブロックポリマーは、典型的には、様々な量の「硬質」および「軟質」セグメントを含む。「硬質」セグメントは、エチレンがポリマーの重量に対して約95重量パーセントを超える量、好ましくは約98重量パーセントを超える量で存在する重合単位のブロックを指す。換言すれば、硬質セグメントにおけるコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に対して、約5重量パーセント未満、好ましくは約2重量パーセント未満である。いくつかの実施形態において、硬質セグメントは、すべて、または実質的にすべてエチレンで構成される。他方、「軟質」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)がポリマーの重量に対して約5重量パーセントを超える、好ましくは約8重量パーセントを超える、約10重量パーセントを超える、または約15重量パーセントを超える重合単位のブロックを指す。いくつかの実施形態において、軟質セグメントにおけるコモノマー含有量は、約20重量パーセントを超える、約25重量パーセントを超える、約30重量パーセントを超える、約35重量パーセントを超える、約40重量パーセントを超える、約45重量パーセントを超える、約50重量パーセントを超える、または約60重量パーセントを超える量であり得る。
軟質セグメントは、ブロックインターポリマーの全重量の1重量パーセントから99重量パーセント、好ましくは、ブロックインターポリマーの全重量の5重量パーセントから95重量パーセント、10重量パーセントから90重量パーセント、15重量パーセントから85重量パーセント、20重量パーセントから80重量パーセント、25重量パーセントから75重量パーセント、30重量パーセントから70重量パーセント、35重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセントから60重量パーセント、または45重量パーセントから55重量パーセントでブロックインターポリマーにしばしば存在し得る。逆に、硬質セグメントは、同様の範囲で存在し得る。軟質セグメントの重量パーセントおよび硬質セグメントの重量パーセントをDSCおよびNMRから得られたデータに基づいて計算することができる。当該方法および計算は、開示内容が全体が参照により本明細書に組み込まれている、Colin L.P.Shan、Lonnie Hazlittらの名称で出願され、Dow Global Technologies Inc.に譲渡された2006年3月15日出願の「エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマー(Ethylene/α−Olefin Block Interpolymers)」という表題の同時出願された米国特許出願第11/376,835号に開示されている。
「結晶性」という用語は、採用される場合は、示差走査熱分析(DSC)または同等の技術によって測定される一次転移点または結晶融点(Tm)を保持するポリマーを指す。該用語を「半結晶」という用語と区別なく用いてもよい。「非晶質」という用語は、示差走査熱分析(DSC)または同等の技術によって測定される結晶融点を欠くポリマーを指す。
「マルチブロックコポリマー」または「セグメント化コポリマー」という用語は、好ましくは直鎖状に結合された2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と称する)を含むポリマー、すなわちペンダントまたはグラフト状でなく、重合エチレン官能基に対して両端間結合された、化学的に差別化された単位を含むポリマーを指す。好適な実施形態において、ブロックは、それらに含まれるコモノマーの量または種類、密度、結晶の量、当該組成のポリマーに帰属する結晶サイズ、立体規則性(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、レジオ規則性またはレジオ不規則性、長鎖分枝または高分枝を含む分枝の量、均質性、あるいは任意の他の化学特性または物理特性が異なる。マルチブロックコポリマーは、コポリマーを製造する独特のプロセスにより、独特の両多分散指数(PDIまたはMw/Mn)、ブロック長分布および/またはブロック数分布によって特徴づけられる。より具体的には、連続プロセスで製造されたときは、ポリマーは、望ましくは、1.7から2.9、好ましくは1.8から2.5、より好ましくは1.8から2.2、最も好ましくは1.8から2.1のPDIを保持する。バッチまたはセミバッチプロセスで製造されたときは、ポリマーは、1.0から2.9、好ましくは1.3から2.5、より好ましくは1.4から2.0、最も好ましくは1.4から1.8のPDIを保持する。
「ポリマーブレンド」という用語は、(以下に記載する)少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーおよび少なくとも1つの油、ならびに少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマー、およびエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーと異なる少なくとも1つまたは複数のポリマーを含む。
以下の説明において、本明細書に開示されているすべての数字は、それらに関して「約」または「およそ」という用語が用いられているかどうかにかかわらず、およその値である。それらは、1パーセント、2パーセント、5パーセント、またはときには10から20パーセントの差があってもよい。下限Rおよび上限Rを伴う数字範囲が開示される場合は、常に該範囲内の任意の数字が具体的に開示される。特に、該範囲内の以下の数字が具体的に開示される。R=R+k×(R−R)(式中、kは、1パーセントのインクリメントで1パーセントから100パーセントの範囲にわたる変数であり、すなわちkは、1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、...、50パーセント、51パーセント、52パーセント、...、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセンチまたは100パーセントである。さらに、以上に定義された2つのR値によって定義される任意の数値範囲も具体的に開示される。
本発明の実施形態は、(以下に開示する)少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーおよび少なくとも1つの油を含むポリマーブレンドを提供する。油は、アロマ系油、ナフテン系油、パラフィン系油、またはそれらの組合せであり得る。ブレンドの油含有量は、50重量パーセントを含めて50重量パーセントまでであってもよく、5重量パーセントから50重量パーセント、好ましくは10重量パーセントから40重量パーセント、好ましくは20重量パーセントから30重量パーセント、好ましくは10重量パーセントから20重量パーセント、好ましくは10重量パーセントから50重量パーセントであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマー、およびエチレン/α−オレフィンブロックインターポリマーと異なる1つまたは複数のポリマーを含むポリマーブレンドを提供する。さらなるポリマーとしては、ポリオレフィン、スチレンブロックコポリマー等の熱可塑性ポリマー、エラストマーおよびゴムが挙げられるが、それらに限定されない。2つのポリマーを指すときの「異なる」という用語は、2つのポリマーの組成(コモノマーの種類、コモノマー含有量等)、構造、特性、または両者の組合せが異なることを意味する。例えば、ブロックエチレン/オクテンコポリマーは、ランダムエチレン/オクテンコポリマーと、それらが同量のコモノマーを有していても異なる。ブロックエチレン/オクテンコポリマーは、エチレン/ブタンコポリマーと、後者がランダムまたはブロックコポリマーであるかにかかわらず、あるいは同じコモノマー含有量を有しているかどうかにかかわらず異なる。2つのポリオレフィンも、それらが同じ構造および組成を有していても、分子量が異なる場合は異なると見なされる。さらに、ランダム均質エチレン/オクテンコポリマーは、ランダム不均質エチレン/オクテンコポリマーと、すべての他のパラメータが同じであり得ても異なる。
該ポリマーブレンドは、軟質化合物用途、特に、低硬度、低圧縮歪みおよび高耐熱性を必要とする用途に好適である独特の物理特性および機械特性を保持する。特に、これらのブレンドは、類似の密度の油充填エチレン/オクテンコポリマーと比較して硬度の範囲が広い。これらのブレンドの上限温度を、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレンなどのより高結晶性のブレンド成分を含めることにより広げることができる。油を含むポリマーブレンドは、類似の密度およびメルトインデックスを有するポリオレフィンエラストマーと比較して、より高い油保持性を示す。
加えて、該ポリマーブレンドは、様々な用途の成形品を製造するのに好適である独特の物理特性および機械特性を保持する。該ブレンドは、比較的低い弾性率を有しながら、比較的高い耐熱性を維持する。当該特性のバランスは、該ブレンドを、軟質成形品の製造に好適なものとする。該成形品は、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも80℃または少なくとも90℃の上限使用温度を有するべきである。該ブレンドの屈曲弾性率は、20000psi未満、10000psi未満、5000psi未満、1000psi未満、500psi未満である必要がある。
エチレン/α−オレフィンインターポリマー
本発明の実施形態に使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマー(「発明のインターポリマー」または「発明のポリマー」とも称する)は、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性α−オレフィンコモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロックまたはセグメント(ブロックインターポリマー)、好ましくはマルチブロックコポリマーによって特徴づけられる。エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、以下に記載の1つまたは複数の態様によって特徴づけられる。
一態様において、本発明の実施形態に使用されるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、1.7から3.5のM/M、およびセルシウス度単位の少なくとも1つの融点T、グラム/平方センチメートル単位の密度dを有し、変数の数値は、以下の関係に対応する。
>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)、好ましくは
≧−6288.1+13141(d)−6720.3(d)、より好ましくは
≧858.91−1825.3(d)+1112.8(d)
当該融点/密度関係を図1に示す。密度が低下すると融点が低下する従来のエチレン/α−オレフィンのランダムインターポリマーと異なり、発明のインターポリマー(菱形で示される)は、特に密度が0.87g/ccから0.95g/ccであるときに、密度と実質的に無関係な融点を示す。例えば、当該ポリマーの融点は、密度が0.875g/ccから0.945g/ccであるときに110℃から130℃の範囲内にある。いくつかの実施形態において、当該ポリマーの融点は、密度が0.875g/ccから0.945g/ccであるときに115℃から125℃の範囲内にある。
別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、重合形態で、エチレンおよび1つまたは複数のα−オレフィンを含み、最大示差走査熱分析(「DSC」)ピークに対する温度から最大結晶分析分別(「CRYSTAF」)ピークに対する温度を引いた値で定義されるセルシウス度単位のΔT、およびJ/g単位の融解熱ΔHによって特徴づけられ、ΔTとΔHは、ΔHが130J/gまでの場合に、以下の関係を満たす。
AT>−0.1299(ΔH)+62.81、好ましくは
AT≧−0.1299(ΔH)+64.38、より好ましくは
AT≧−0.1299(ΔH)+65.95
さらに、ΔTは、ΔHが130J/gを超える場合に、48℃以上である。CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して測定され(すなわち、ピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを示すはずである)、ポリマーの5パーセント未満が識別可能なCRYSTAFピークを有する場合は、CRYSTAF温度は、30℃であり、ΔHは、J/g単位の融解熱の数値である。より好ましくは、最大CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも10パーセントを含む。図2は、発明のポリマーならびに比較例に対するプロットデータを示す。積分ピーク面積およびピーク温度は、計測機器メーカによって調達されたコンピュータ化製図プログラムによって計算される。ランダムエチレンオクテン比較ポリマーについて示される対角線は、式ΔT=−0.1299(ΔH)+62.81に対応する。
さらに別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、昇温溶出分別(「TREF」)を用いて分別されたときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、前記フラクションは、同じ温度範囲で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマーフラクションの場合より高い、好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10パーセント高いモルコモノマー含有量を有することを特徴とし、同等のランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを含み、ブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内のメルトインデックス、密度および(全ポリマーに対する)モルコモノマー含有量を有する。好ましくは、同等のインターポリマーのMw/Mnもブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内であり、かつ/または同等のインターポリマーは、ブロックインターポリマーの場合の10重量パーセント以内の全コモノマー含有量を有する。
さらに別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムに対して測定された300パーセント歪みおよび1サイクルにおけるパーセント単位の弾性回復率Reによって特徴づけられ、グラム/立方センチメートル単位の密度dを有し、Reおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に有さないときに以下の関係を満たす。
Re>1481−1629(d);好ましくは
Re≧1491−1629(d);より好ましくは
Re≧1501−1629(d);さらにより好ましくは
Re≧1511−1629(d)
図3は、特定の発明のインターポリマーおよび従来のランダムコポリマーから製造された無延伸フィルムについての弾性回復率に対する密度の影響を示す。密度が同じ場合は、発明のインターポリマーは、実質的により高い弾性回復率を有する。
いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、11cm/分のクロスヘッド分離速度において、10MPaを超える引張強度、好ましくは11MPa以上の引張強度、より好ましくは13MPa以上の引張強度および/または少なくとも600パーセント、より好ましくは少なくとも700パーセント、極めて好ましくは少なくとも800パーセント、最も好ましくは少なくとも900パーセントの破断伸度を有する。
他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、(1)1から50、好ましくは1から20、より好ましくは1から10の貯蔵弾性率G’(25℃)/G’(100℃);および/または(2)80パーセント未満、好ましくは70パーセント未満、特に60パーセント未満、50パーセント未満、もしくは40パーセント未満0パーセントの70℃圧縮歪みを有する。
さらに他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、80パーセント未満、70パーセント未満、60パーセント未満、または50パーセント未満の70℃圧縮歪みを有する。好ましくは、インターポリマーの70℃圧縮歪みは、40パーセント未満、30パーセント未満、20パーセント未満であり、約0パーセントまで減少し得る。
いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、85J/g未満の融解熱、および/または100ポンド/フィート(4800Pa)以下、好ましくは50lbs/ft(2400Pa)以下、特に5lbs/ft(240Pa)以下、および0lbs/ft(0Pa)程度のペレットブロッキング強度を有する。
他の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、重合形態で、少なくとも50モルパーセントのエチレンを含み、80パーセント未満、好ましくは70パーセント未満もしくは60パーセント未満、最も好ましくは40から50パーセント未満から0パーセント近くの70℃圧縮歪みを有する。
いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは、ポアソン分布よりはむしろ、シュルツフローリー分布に適合するPDIを保持する。コポリマーは、多分散ブロック分布およびブロックサイズの多分散分布の両方を有し、ブロック長の最も高確率の分布を保持するものとしてさらに特徴づけられる。好適なマルチブロックコポリマーは、末端ブロックを含む4個以上のブロックまたはセグメントを含むコポリマーである。より好ましくは、コポリマーは、末端ブロックを含む少なくとも5、10または20個のブロックまたはセグメントを含む。
任意の好適な技術を用いてコモノマー含有量を測定することができ、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術が好ましい。さらに、比較的広いTREF曲線を有するポリマーまたはポリマーのブレンドについては、ポリマーは、望ましくは、TREFを使用して、10℃以下の溶出温度範囲をそれぞれ有するフラクションに最初に分別される。すなわち、各溶出フラクションは、10℃以下の回収温度窓を有する。この技術を用いると、前記ブロックインターポリマーは、同等のインターポリマーの対応するフラクションより高いモルコモノマー含有量を有する少なくとも1つの当該フラクションを有する。
別の態様において、発明のポリマーは、好ましくは、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性コモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロック(すなわち、少なくとも2つのブロック)またはセグメント(ブロックインターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーによって特徴づけられるオレフィンインターポリマーであり、前記ブロックインターポリマーは、40℃から130℃で溶出する(ただし、個々のフラクションを回収および/または単離しない)ピーク(ただし、単なる分子フラクションでない)を有し、前記ピークは、全幅/最大半減(FWHM)面積の計算を用いて拡大された場合に赤外分光法によって推定されるコモノマー含有量を有し、同じ溶出温度における、かつ全幅/最大半減(FWHM)面積の計算を用いて拡大された同等のランダムエチレンインターポリマーピークより高い、好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10パーセント高い平均モルコモノマー含有量を有することを特徴とし、前記同等のランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを有し、ブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内のメルトインデックス、密度および(全ポリマーに対する)モルコモノマー含有量を有する。好ましくは、同等のインターポリマーのMw/Mnもブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内であり、かつ/または同等のインターポリマーは、ブロックインターポリマーの場合の10重量パーセント以内の全コモノマー含有量を有する。全幅/最大半減(FWHM)の計算は、ATREF赤外検出器からのメチルとメチレンの応答面積[CH/CH]の比に基づき、最大(最高)ピークが基線から特定され、次いでFWHM面積が測定される。ATREFピークを使用して測定される分布では、FWHM面積は、TとTの間の曲線下面積として定義され、TおよびTは、ピーク高さを2で割り、次いで、ATREF曲線の左部と右部を分割する、基線に水平な線を描くことによってATREFピークの左右に対して測定される点である。コモノマー含有量の検量線は、ランダムエチレン/α−オレフィンコポリマーを使用して、NMRからのコモノマー含有量とTREFピークのFWHM面積比とをプロットして作成される。この赤外法では、検量線は、対象となる同じコモノマータイプについて作成される。TREFピークのそのFWHMメチル:メチレン面積比[CH/CH]を使用してこの検量線を参照することによって、発明のポリマーのTREFピークのコモノマー含有量を測定することができる。
コモノマー含有量を、任意の好適な技術を用いて測定することができ、核磁気共鳴(NMR)分光法に基づく技術が好ましい。この技術を用いると、前記ブロックインターポリマーは、対応する同等のインターポリマーより高いモルコモノマー含有量を有する。
好ましくは、エチレンと1−オクテンのインターポリマーでは、ブロックインターポリマーは、Tが、℃単位で測定される比較対象のTREFフラクションのピーク溶出温度の数値である量(−0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上である、40から130℃で溶出するTREFフラクションのコモノマー含有量を有する。
図4は、エチレンと1−オクテンのブロックインターポリマーの実施形態をグラフで示し、ここでは、いくつかの同等のエチレン/1−オクテンインターポリマー(ランダムコポリマー)についてのコモノマー含有量とTREF溶出温度のプロットが、(−0.2013)T+20.07を表す直線(実線)に相応する。式(−0.2013)T+21.07に対する直線は、点線で描かれている。本発明のいくつかのブロックエチレン/1−オクテンインターポリマー(マルチブロックコポリマー)のフラクションについてのコモノマー含有量も示される。ブロックインターポリマーフラクションのすべてが、同等の溶出温度において、いずれの直線より有意に高い1−オクテン含有量を有する。この結果は、発明のインターポリマーに特有であり、結晶質および非晶質の両方を有するポリマー鎖内の差別化され多ブロックの存在によるものと考えられる。
図5は、以下に説明する実施例5および比較FについてのポリマーフラクションのTREF曲線およびコモノマー含有量をグラフで示す。両ポリマーについての40から130℃、好ましくは60℃から95℃で溶出するピークは、それぞれ10℃未満の温度範囲で溶出する3つの部分に分割される。実施例5の実際のデータは、三角形で示される。異なるコモノマーを含むインターポリマーのために適切な検量線を作成し、同じモノマーの比較インターポリマー、好ましくは、メタロセンまたは他の均質触媒組成物を使用して製造されたランダムコポリマーから得られたTREF値に相応する直線を比較として使用できることを当業者は理解できる。発明のインターポリマーは、同じTREF溶出温度で検量線から測定された値より大きい、好ましくは少なくとも5パーセント大きい、より好ましくは少なくとも10パーセント大きいモルコモノマー含有量によって特徴づけられる。
本明細書に記載の上記態様および特性に加えて、発明のポリマーを1つまたは複数のさらなる特性によって特徴づけることができる。一態様において、発明のポリマーは、好ましくは、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性コモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロックまたはセグメント(ブロックインターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーによって特徴づけられるオレフィンインターポリマーであり、前記ブロックインターポリマーは、TREFインクリメントを用いて分別されたときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、前記フラクションは、同じ温度範囲で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマーフラクションの場合より高い、好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10、15、20または25パーセント高いモルコモノマー含有量を有することを特徴とし、前記同等のランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを含み、好ましくは、それは同じコモノマーであり、ブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内のメルトインデックス、密度および(全ポリマーに対する)モルコモノマー含有量である。好ましくは、同等のインターポリマーのMw/Mwもブロックインターポリマーの場合の10パーセント以内であり、かつ/または同等のインターポリマーは、ブロックインターポリマーの場合の10重量パーセント以内の全コモノマー含有量を有する。
好ましくは、上記インターポリマーは、エチレンと少なくとも1つのα−オレフィンとのインターポリマー、特に、0.855から0.935g/cmの全ポリマー密度を有するインターポリマーであり、特に、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーでは、ブロックインターポリマーは、Tが、℃単位で測定される比較対象のTREFフラクションのピークATREF溶出温度の数値である量(−0.1356)T+13.89以上、より好ましくは量(−0.1356)T+14.93以上、最も好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上である、40から130℃で溶出するTREFフラクションのコモノマー含有量を有する。
好ましくは、エチレンと少なくとも1つのアルファ−オレフィンとの上記インターポリマー、特に、0.855から0.935g/cmの全ポリマー密度を有するインターポリマー、特に、1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーでは、ブロックインターポリマーは、Tが、℃単位で測定される比較対象のTREFフラクションのピーク溶出温度の数値である量(−0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上である、40から130℃で溶出するTREFフラクションのコモノマー含有量を有する。
さらに別の態様において、発明のポリマーは、好ましくは、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性コモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロックまたはセグメント(ブロックインターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーによって特徴づけられるオレフィンインターポリマーであり、前記ブロックインターポリマーは、TREFインクリメントを用いて分別されたときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、少なくとも約6モルパーセントのコモノマー含有量を有するすべてのフラクションが約100℃を超える融点を有することを特徴とする。3モルパーセントから6モルパーセントのコモノマー含有量を有するフラクションでは、すべてのフラクションが約110℃以上のDSC融点を有する。より好ましくは、少なくとも1モルパーセントのコモノマーを有する前記ポリマーフラクションは、以下の式に対応するDSC融点を有する。
Tm≧(−5.5926)(フラクションにおけるコモノマーのモルパーセント)+135.90
さらに別の態様において、発明のポリマーは、好ましくは、エチレンおよび1つまたは複数の共重合性コモノマーを重合形態で含み、化学特性または物理特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の多数のブロックまたはセグメント(ブロックインターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーによって特徴づけられるオレフィンインターポリマーであり、前記ブロックインターポリマーは、TREFインクリメントを用いて分別されたときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、約76℃以上のATREF溶出温度を有するすべてのフラクションが、以下の式に対応する、DSCで測定された場合の融解エンタルピ(融解熱)を有する。
融解熱(J/gm)≦(3.1718)(セルシウス度単位のATREF溶出温度)−136.58
発明のブロックインターポリマーは、TREFインクリメントを用いて分別されたときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、40℃から76℃未満のATREF溶出温度を有するすべてのフラクションが、以下の式に対応する、DSCで測定された場合の融解エンタルピ(融解熱)を有する。
融解熱(J/gm)≦(1.1312)(セルシウス度単位のATREF溶出温度)+22.97
赤外検出器によるATREFピークコモノマー組成測定
Polymer Char(Valencia、スペイン)(http://www.polymerchar.com/)から入手可能なIR4赤外検出器を使用してTREFピークのコモノマー組成を測定することができる。
検出器の「組成モード」は、2800〜3000cm−1の領域の固定狭帯域赤外フィルタである測定センサ(CH)および組成センサ(CH)が装備されている。測定センサは、(溶液中のポリマー濃度に直接関係する)ポリマー上のメチレン(CH)炭素を検出し、組成センサは、ポリマーのメチル(CH)基を検出する。組成シグナル(CH)を測定シグナル(CH)で割った数学的比率は、溶液における測定対象ポリマーのコモノマー含有量に影響され、その応答は、既知のエチレンアルファ−オレフィンコポリマー標準品を用いて較正される。
検出器は、ATREF計測器とともに使用されると、TREFプロセスを通じて、溶出したポリマーの濃度(CH)および組成(CH)の両方のシグナル応答を与える。(好ましくはNMRで測定された)既知のコモノマー含有量を有するポリマーについてのCHとCHの面積比を測定することによって、ポリマーに特異的な検量線を作成することができる。ポリマーのATREFピークのコモノマー含有量を、個々のCHおよびCH応答に対する面積比(すなわち、CH/CH面積比対コモノマー含有量)の基準検量線を適用することによって推定することができる。
適切な基線を適用して、TREFクロマトグラムから個々のシグナル応答を積分した後に、全幅/最大半減(FWHM)の計算を用いてピークの面積を計算することができる。全幅/最大半減の計算は、ATREF赤外検出器からのメチルとメチレンの応答面積の比[CH/CH]に基づき、最大(最高)ピークが基線から特定され、次いでFWHM面積が測定される。ATREFピークを用いて測定される分布では、FWHM面積は、TとTの間の曲線下面積として定義され、TおよびTは、ピーク高さを2で割り、次いで、ATREF曲線の左部と右部を分割する、基線に水平な線を描くことによってATREFピークの左右に対して測定される点である。
このATREF赤外法でポリマーのコモノマー含有量を測定するための赤外分光法の応用は、以下の参考文献に記載されているGPC/FTIRシステムの応用と原理的に類似する。いずれも全体が参照により本明細書に組み込まれているMarkovich,Ronald P.;Hazlitt,Lonnie G.;Smith,Linley;「エチレンをベースとしたポリオレフィンコポリマーの特性決定のためのゲルパーミエーションクロマトグラフィー−フーリエ変換赤外分光法の開発(Development of gel−permeation chromatography−Fourier transform infrared spectroscopy for characterization of ethylene−based polyolefin copolymers)」、Polymeric Materials Science and Engineering(1991)、65、98−100;およびDeslauriers,P.J.;Rohlfing,D.C.;Shieh,E.T.;「サイズ排除クロマトグラフィーおよびフーリエ変換赤外分光法(SEC−FTIR)を用いたエチレン−1−オレフィンコポリマーにおける短鎖分枝微細構造の定量(Quantifying short chain branching microstructures in ethylene−l−olefin copolymers using size exclusion chromatography and Fourier transform infrared spectroscopy (SEC−FTIR))」、Polymer(2002)、43、59−170。
他の実施形態において、発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0より大きく、約1.0までの平均ブロックインデックスABI、および約1.3を超える分子量分布M/Mによって特徴づけられる。平均ブロックインデックスABIは、5℃のインクリメントで20℃および110℃から調製TREFで得られたポリマーフラクションの各々に対するブロックインデックス(「BI」)の重量平均である。
ABI=Σ(wBI
式中、BIは、調製TREFで得られた発明のエチレン/アルファオレフィンインターポリマーの第i番目のフラクションのブロックインデックスであり、wは、第i番目のフラクションの重量百分率である。
各ポリマーフラクションについて、BIは、以下の2つの式(いずれも同じBI値を与える)の一方によって定義される。
Figure 0005672471

式中、Tは、第i番目のフラクション(好ましくはケルビンで表される)の調製ATREF溶出温度であり、Pは、上述のようにNMRまたはIRで測定できる第i番目のフラクションのエチレンモル分率である。PABは、やはりNMRまたはIRで測定できる全エチレン/アルファオレフィンインターポリマー(分別前)のエチレンモル分率である。TおよびPは、(インターポリマーの結晶セグメントと称する)純粋の「硬質セグメント」のATREF溶出温度およびエチレンモル分率である。「硬質セグメント」についての実際値が入手不可能である場合は、一次概略値として、TおよびP値を高密度ポリエチレンホモポリマーについての値に設定する。本明細書において実施される計算では、Tが372°Kであり、Pが1である。
ABは、組成が同じで、PABのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーのATREF温度である。TABを以下の式から計算することができる。
LnPAB=α/TAB+β
式中、αおよびβは、既知のランダムエチレンコポリマーの数を用いて検量線により求めることができる2つの定数である。αおよびβは、計測機器毎に異なり得ることに留意されたい。さらに、対象のポリマー組成を用いて、かつフラクションと類似の分子量範囲内でそれらの独自の検量線を作成することが必要になる。わずかな分子量の影響が存在する。検量線が類似の分子量範囲から得られる場合は、当該影響は実質的に無視できることになる。いくつかの実施形態において、ランダムエチレンコポリマーは、以下の関係を満たす。
LnP=−237.83/TATREF+0.639
XOは、組成が同じでPのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーのATREF温度である。TXOをLnP=α/TXO+βから計算することができる。逆に、PXOは、組成が同じで、TのATREF温度を有するランダムコポリマーのエチレンモル分率であり、LnPXO=α/T+βから計算することができる。
各調製TREFフラクションのブロックインデックス(BI)が得られると、全ポリマーの重量平均ブロックインデックス、ABIを計算することができる。いくつかの実施形態において、ABIは、0より大きく約0.3未満、または0.1から0.3である。他の実施形態において、ABIは、約0.3より大きく、約1.0までである。好ましくは、ABIは、0.4から0.7、0.5から0.7、または0.6から0.9の範囲内にある。いくつかの実施形態において、ABIは、0.3から0.9、0.3から0.8、または0.3から0.7、0.3から0.6、0.3から0.5、または0.3から0.4の範囲内にある。他の実施形態において、ABIは、0.4から1.0、0.5から1.0、または0.6から1.0、0.7から1.0、0.8から1.0、または0.9から1.0の範囲内にある。
発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーの別の特徴は、発明のエチレン/α−オレフィンが、調製TREFによって得ることができる少なくとも1つのポリマーフラクションを含み、該フラクションが約0.1より大きく約1.0までのブロックインデックス、および約1.3を超える分子量分布M/Mを有することである。いくつかの実施形態において、ポリマーフラクションは、約0.6より大きく約1.0まで、約0.7より大きく約1.0まで、約0.8より大きく約1.0まで、または約0.9より大きく約1.0までのブロックインデックスを有する。他の実施形態において、ポリマーフラクションは、約0.1より大きく約1.0まで、約0.2より大きく約1.0まで、約0.3より大きく約1.0まで、約0.4より大きく約1.0まで、または約0.4より大きく約1.0までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態において、ポリマーフラクションは、約0.1より大きく約0.5まで、約0.2より大きく約0.5まで、約0.3より大きく約0.5まで、または約0.4より大きく約0.5までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態において、ポリマーフラクションは、約0.2より大きく約0.9まで、約0.3より大きく約0.8まで、約0.4より大きく約0.7まで、または約0.5より大きく約0.6までのブロックインデックスを有する。
ブロックインデックスのさらなる説明を、以上に引用され、参照により組み込まれている2006年3月15日出願の同時に出願された特許出願第11/376,835号に見いだすことができる。
エチレンとα−オレフィンのコポリマーでは、発明のポリマーは、好ましくは、(1)少なくとも1.3、より好ましくは少なくとも1.5、少なくとも1.7、または少なくとも2.0、最も好ましくは少なくとも2.6から5.0の最大値まで、より好ましくは3.5の最大値まで、特に2.7の最大値までのPDI;(2)80J/g以下の熱融解;(3)少なくとも50重量パーセントのエチレン含有量;(4)−25℃未満、より好ましくは−30℃未満のガラス転移温度Tおよび/または(5)1つおよび唯一のTを保持する。
さらに、発明のポリマーは、単独で、または本明細書に開示されている任意の他の特性と組み合わせて、log(G’)が100℃の温度で400kPa以上、好ましくは1.0MPa以上になるような貯蔵弾性率G’を有することができる。さらに、発明のポリマーは、ブロックコポリマーに特有であり、オレフィンコポリマー、特にエチレンと1つまたは複数のC3〜8脂肪族α−オレフィンとのコポリマーについてこれまで未知である0から100℃の範囲内の温度の関数としての比較的均一な貯蔵弾性率(図6に示される)を保持する。(この文脈における「比較的均一な」という用語は、(パスカル単位の)logG’が50℃と100℃の間、好ましくは0℃と100℃の間で一桁未満低下することを意味する)。
発明のインターポリマーを、少なくとも90℃の温度における1mmの熱機械分析浸入深さ、ならびに3kpsi(20MPa)から13kpsi(90MPa)の屈曲弾性率によって特徴づけることができる。あるいは、発明のインターポリマーは、少なくとも104℃の温度における1mmの熱機械分析浸入深さ、ならびに少なくとも3kpsi(20MPa)の屈曲弾性率を有することができる。それらを、90mm未満の耐摩耗性(または容量損失)を有するものとして特徴づけることができる。図7は、他の既知のポリマーと比較した発明のポリマーについてのTMA(1mm)対屈曲弾性率を示す。発明のポリマーは、他のポリマーより有意に良好な軟質−耐熱性バランスを有する。
また、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01から2000g/10分、好ましくは0.01から1000g/10分、より好ましくは0.01から500g/10分、特に0.01から100g/10分のメルトインデックスIを有することができる。一部の実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01から10g/10分、0.5から50g/10分、1から30g/10分、1から6g/10分または0.3gから10g/10分のメルトインデックスIを有する。一部の実施形態において、エチレン/α−オレフィンポリマーのメルトインデックスは、1g/10分、3g/10分または5g/10分である。
該ポリマーは、1000g/モルから5000000g/モル、好ましくは1000g/モルから1000000、より好ましくは10000g/モルから500000g/モル、特に10000g/モルから300000g/モルの分子量Mを有することができる。発明のポリマーの密度は、0.80から0.99g/cm、好ましくはエチレン含有ポリマーについては0.85g/cmから0.97g/cmであり得る。一部の実施形態において、エチレン/α−オレフィンポリマーの密度は、0.860から0.925g/cmまたは0.867から0.910g/cmの範囲である。
該ポリマーの製造方法は、以下の特許出願に開示された。いずれも全体が参照により本明細書に組み込まれている2004年3月17日出願の米国仮出願第60/553,906号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/662,937号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/662,939号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/5662938号;2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008916号;2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008915号;および2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008917号。例えば、1つの当該方法は、エチレン、および任意にエチレン以外の1つまたは複数の付加重合性モノマーを、付加重合条件下で、
(A)高いコモノマー取込み指数(incorporation index)を有する第1のオレフィン重合触媒と、
(B)触媒(A)のコモノマー取込み指数の90パーセント未満、好ましくは50パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満のコモノマー取込み指数を有する第2のオレフィン重合触媒と、
(C)連鎖シャトリング剤とを組み合わせることにより得られる混合物または反応生成物を含む触媒組成物と接触させることを含む。
代表的な触媒および連鎖シャトリング剤は、以下の通りである。
触媒(A1)は、WO03/40195、2003US0204017、2003年5月2日出願のUSSN10/429,024およびWO04/24740の教示に従って調製された[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルである。
Figure 0005672471
触媒(A2)は、WO03/40195、2003US0204017、2003年5月2日出願のUSSN10/429,024およびWO04/24740の教示に従って調製された[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルである。
Figure 0005672471
触媒(A3)は、は、ビス[N,N”’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである。
Figure 0005672471
触媒(A4)は、US−A−2004/0010103の教示に実質的に従って調製されたビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルジルコニウム(IV)ジベンジルである。
Figure 0005672471
触媒(B1)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである。
Figure 0005672471
触媒(B2)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(2−メチルシクロヘキシル)−イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである。
Figure 0005672471
触媒(C1)は、米国特許第6,268,444号の技術に実質的に従って調製された(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルである。
Figure 0005672471
触媒(C2)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製された(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルである。
Figure 0005672471
触媒(C3)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製された(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a、8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタニウムジメチルである。
Figure 0005672471
触媒(D1)は、Sigma−Aldrichから入手可能な二塩化ビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)ジルコニウムである。
Figure 0005672471
シャトリング剤 採用されるシャトリング剤としては、ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)が挙げられる。
好ましくは、先述の方法は、相互変換が不可能な多数の触媒を使用して、2つ以上のモノマー、特にエチレンとC3〜20オレフィンまたはシクロオレフィン、特にエチレンとC4〜20α−オレフィンのブロックコポリマー、特にマルチブロックコポリマー、好ましくは直鎖状マルチブロックコポリマーを形成するための連続溶液法の形をとる。すなわち、触媒は、化学的に異なる。連続溶液重合条件下において、該方法は、高モノマー変換率でのモノマーの混合物の重合に理想的に適している。これらの重合条件下において、連鎖シャトリング剤からの触媒への輸送は、鎖成長と比較して有利になり、マルチブロックコポリマー、特に直鎖状マルチブロックコポリマーが高い効率で形成される。
発明のインターポリマーを従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、および逐次モノマー付加、可動性触媒、アニオンまたはカチオンリビング重合技術を介して調製されたブロックコポリマーと区別することができる。特に、同等の結晶性または弾性率においてモノマーおよびモノマー含有量が同じランダムコポリマーと比較して、発明のインターポリマーは、融点によって測定されたより良好な(より高い)耐熱性、より高いTMA浸透温度、より高い高温引張強度、および/または動的機械分析によって測定されたより高い高温捩り貯蔵弾性率を有する。同じモノマーおよびモノマー含有量を含むランダムコポリマーと比較して、発明のインターポリマーは、特に高温におけるより低い圧縮歪み、より低い応力緩和、より高い耐クリープ性、より高い引裂き強度、より高い耐ブロッキング性、より高い結晶化(固化)温度によるより速い硬化、(特に高温における)より高い回復率、より良好な耐摩耗性、より高い伸縮力、およびより良好な油および充填剤許容性を有する。
本発明のインターポリマーは、また、独特の結晶化と分枝分布の関係を示す。すなわち、発明のインターポリマーは、同等の全体密度で、特に、同じモノマーおよびモノマー量を含むランダムコポリマー、または高密度ポリマーと低密度コポリマーのブレンドなどのポリマーの物理的ブレンドと比較して、融解熱の関数としてCRYSTAFとDSCを用いて測定した最大ピーク温度の差が比較的大きい。発明のインターポリマーのこの独特の特徴は、ポリマー骨格内のブロックにおけるコモノマーの独特の分布によるものであると考えられる。特に、発明のインターポリマーは、コモノマー含有量が異なる交互ブロック(ホモポリマーブロックを含む)を含むことができる。発明のインターポリマーは、シュルツフローリー型の分布である、密度またはコモノマー含有量が異なるポリマーブロックの数および/またはブロックサイズの分布を含むこともできる。加えて、発明のインターポリマーは、ポリマー密度、弾性率および形態と実質的に無関係な独特のピーク融点および結晶化温度プロファイルをも有する。好適な実施形態において、ポリマーの微結晶秩序は、1.7未満、またはさらに1.5未満から1.3未満のPDI値においても、ランダムまたはブロックコポリマーと区別可能な特徴的な球晶およびラメラを示す。
さらに、ブロッキネス(blockiness)の程度またはレベルに影響を与える技術を用いて、発明のインターポリマーを調製することができる。すなわち、コモノマーの量および各ポリマーブロックまたはセグメントの長さを、触媒とシャトリング剤の割合および種類、ならびに重合の温度および他の重合変動要素を制御することによって変えることができる。この現象の驚くべき利点は、ブロッキネスの程度が高くなるに従って、得られたポリマーの光学特性、引裂き強度および高温回復特性が向上するという発見である。特に、ポリマーにおける平均ブロック数が増加するに従って、ヘイズが低下するとともに、透明性、引裂き強度および高温回復特性が高くなる。所望の連鎖移動能力(低レベルの連鎖停止を伴う高い輸送速度)を有するシャトリング剤と触媒の組合せを選択することによって、他の形態のポリマー停止が効果的に抑制される。よって、本発明の実施形態によるエチレン/α−オレフィンコモノマー混合物では、β−水素化物の排出があったとしてもほとんど観察されず、得られた結晶性ブロックは、高度に、または実質的に完全に直鎖状であり、長鎖分枝をほとんどまたはまったく保持しない。
高結晶性の鎖端を有するポリマーを本発明の実施形態に従って調製することができる。エラストマー用途において、非晶質ブロックで終端するポリマーの相対的な量を減少させることによって、結晶性領域に対する分子間希釈効果が低減される。水素または他の連鎖停止剤に対する適切な応答を有する連鎖シャトリング剤および触媒を選択することによって、この結果を得ることができる。具体的には、高結晶性ポリマーを生成する触媒が、(より多量のコモノマーの導入、レジオエラーまたはアタクチックポリマー形成などを通じて)より低結晶性のポリマーセグメントを生成することに関与する触媒より、(水素の使用などによる)連鎖停止の影響を受けやすい場合は、高結晶性ポリマーがポリマーの末端部分を優先的に占めることになる。得られた末端基が結晶性であるばかりでなく、停止すると、触媒部位を形成する高結晶性ポリマーが、ポリマー形成の再開のために再度利用可能になる。したがって、最初に形成されたポリマーは、別の高結晶性ポリマーセグメントである。よって、得られたマルチブロックコポリマーの両端は、優先的に高結晶性になる。
本発明の実施形態に使用されるエチレンα−オレフィンインターポリマーは、好ましくは、少なくとも1つのC〜C20α−オレフィンを有するエチレンのインターポリマーである。エチレンとC〜C20α−オレフィンのコポリマーが特に好ましい。インターポリマーは、C〜C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンをさらに含むことができる。エチレンを用いた重合に有用な好適な不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン不飽和モノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼン等が挙げられる。当該コモノマーの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセン等のC〜C20α−オレフィンが挙げられる。1−ブテンおよび1−オクテンが特に好ましい。他の好適なモノマーとしては、スチレン、ハロまたはアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンおよびナフテン系(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテン)が挙げられる。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、好適なポリマーであるが、他のエチレン/オレフィンポリマーを使用することもできる。本明細書に用いられているオレフィンは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和炭化水素系化合物の系列を指す。触媒の選択に応じて、任意のオレフィンを本発明の実施形態に使用することができる。好ましくは、好適なオレフィンは、ビニル不飽和を含むC〜C20脂肪族および芳香族化合物、ならびにシクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、および5および6位がC〜C20ヒドロカルビルまたはシクロヒドロカルビル基で置換されたノルボルネンを含むが、それらに限定されないノルボルネンである。当該オレフィンの混合物、ならびに当該オレフィンとC〜C40ジオレフィン化合物の混合物も含まれる。
オレフィンモノマーの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンおよび1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンを含むが、それらに限定されないC〜C40ジエン、および他のC〜C40α−オレフィンなどが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態において、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはそれらの組合せである。ビニル基を含む任意の炭化水素を本発明の実施形態に潜在的に使用することができるが、モノマーの分子量が大きくなりすぎるため、モノマー可用性、コスト、および未反応モノマーを得られたポリマーから都合よく除去する能力などの実用的事項がより大きな問題となり得る。
本明細書に記載されている重合法は、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレンおよびt−ブチルスチレン等を含むモノビニリデン芳香族モノマーを含むオレフィンポリマーの製造に十分に適する。特に、エチレンおよびスチレンを含むインターポリマーを、本明細書の教示に従うことによって調製することができる。任意に、特性が向上した、エチレン、スチレン、および任意にC〜C20ジエンを含むC〜C20アルファオレフィンを含むコポリマーを調製することができる。
好適な非共役ジエンモノマーは、6から15個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖または環式炭化水素ジエンであり得る。好適な非共役ジエンの例としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなどの直鎖非環式ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンおよびジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合異性体などの分枝鎖非環式ジエン、1,3−シクロペンタジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン、ならびにテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル、および5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB);5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンなどのシクロアルキリデンノルボルネンなどの多環脂環式縮合および架橋環ジエンが挙げられるが、それらに限定されない。EPDMを調製するのに典型的に使用されるジエンのうち、特に好適なジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。特に好適なジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および1,4−ヘキサジエン(HD)である。
本発明の実施形態に従って製造することができる望ましいポリマーの1つのクラスは、エチレンと、C〜C20α−オレフィン、特にプロピレンと、任意に1つまたは複数のジエンモノマーとのエラストマーインターポリマーである。本発明の本実施形態に使用される好適なα−オレフィンは、Rが1から12個の炭素原子の直鎖状または分枝状アルキル基である式CH=CHRで示される。好適なα−オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル-1−ペンテンおよび1−オクテンが挙げられるが、それらに限定されない。特に好適なα−オレフィンは、プロピレンである。プロピレンをベースとしたポリマーは、当該技術分野において、一般にはEPまたはEPDMポリマーと称する。当該ポリマー、特にマルチブロックEPDM型ポリマーを調製するのに使用される好適なジエンとしては、4から20個の炭素原子を含む共役または非共役、直鎖または分枝鎖、環式または多環式ジエンが挙げられる。好適なジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンおよび5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好適なジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
ポリマーを含むジエンは、より多量またはより少量のジエン(ない場合も含む)およびα−オレフィン(内場合も含む)を含む交互セグメントまたはブロックを含むため、後のポリマー特性を低下させることなくジエンおよびα−オレフィンの全量を減少させることができる。すなわち、ジエンおよびα−オレフィンモノマーは、ポリマー全体に均一またはランダムに含められるのでなく、ポリマーの1つの種類のブロックに優先的に含められるため、それらは、より効率的に利用され、後にポリマーの架橋密度をより良好に制御することができる。当該架橋性エラストマーおよび硬化物は、より高い引張強度およびより良好な弾性回復率を含む有利な特性を有する。
いくつかの実施形態において、異なる量のコモノマーを含む、2つの触媒を用いて製造された本発明のインターポリマーは、それにより形成されたブロックの重量比が95:5から5:95である。エラストマーポリマーは、望ましくは、ポリマーの全重量に対して、20から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量および10から80パーセントのα−オレフィン含有量を有する。さらに好ましくは、マルチブロックエラストマーポリマーは、ポリマーの全重量に対して、60から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量および10から40パーセントのα−オレフィン含有量を有する。好適なポリマーは、10000から2500000、好ましくは20000から500000、より好ましくは20000から350000の重量平均分子量(Mw)、および3.5未満、より好ましくは3.0未満の多分散度、および1から250のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有する高分子量ポリマーである。より好ましくは、当該ポリマーは、65から75パーセントのエチレン含有量、0から6パーセントのジエン含有量、および20から35パーセントのα−オレフィン含有量を有する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーを、そのポリマー構造に少なくとも1つの官能基を含めることによって官能化することができる。代表的な官能基としては、例えば、エチレン不飽和一官能および二官能カルボン酸、エチレン不飽和一官能および二官能無水カルボン酸、それらの塩ならびにそれらのエステルを挙げることができる。当該官能基をエチレン/α−オレフィンインターポリマーにグラフトするか、またはそれをエチレンおよび任意のさらなるコモノマーと共重合して、エチレンと官能コモノマーと任意の他のコモノマーとのインターポリマーを形成することができる。官能基をポリエチレン上にグラフトする手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,950,541号に記載されており、これらの特許の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。1つの特に有用な官能基は、無水マレイン酸である。
官能インターポリマーに存在する官能基の量は、多様であり得る。官能基は、典型的には、少なくとも約1.0重量パーセント、好ましくは少なくとも約5重量パーセント、より好ましくは少なくとも約7重量パーセントの量で、コポリマー型官能化インターポリマーに存在し得る。官能基は、典型的には、約40重量パーセント未満、好ましくは約30重量パーセント未満、より好ましくは約25重量パーセント未満の量でコポリマー型官能化インターポリマーに存在することになる。
本明細書に開示されているポリマーブレンドにおけるエチレン/α−オレフィンインターポリマーの量は、ポリマーブレンドの全重量の5から95重量パーセント、10から90重量パーセント、20から80重量パーセント、30から70重量パーセント、10から50重量パーセント、50から90重量パーセント、60から90重量パーセント、または70から90重量パーセントであり得る。
ポリオレフィン
本明細書に開示されているポリマーブレンドは、少なくとも1つのポリオレフィンを含むことができる。好ましくは、好適なポリオレフィンは、少なくとも約6cNの溶融強度(「MS」)を有するべきである。いくつかの実施形態において、ポリオレフィンのMSは、少なくとも約7cN、少なくとも約8cN、少なくとも約9cN、少なくとも約10cN、少なくとも約13cN、少なくとも約15cN、少なくとも約17cNまたは少なくとも約20cNである。一般には、ポリオレフィンのMSは、約200cN未満、好ましくは約150cN未満、約100cN未満または約50cN未満である。典型的には、当該ポリオレフィンの70℃における圧縮歪みは、約50パーセントを超える。いくつかの実施形態において、70℃における圧縮歪みは、約60パーセントを超える、約70パーセントを超える、約80パーセントを超える、または約90パーセントを超える。
ポリオレフィンは、2つ以上のオレフィン(すなわちアルケン)から誘導されるポリマーである。オレフィン(すなわちアルケン)は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素である。オレフィンは、モノエン(すなわち、単一の炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、ジエン(すなわち、2つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、トリエン(すなわち、3つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、テトラエン(すなわち、4つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン)、および他のポリエンであり得る。モノエン、ジエン、トリエン、テトラエンおよび他のポリエンなどのオレフィンまたはアルケンは、3個以上の炭素原子、4個以上の炭素原子、6個以上の炭素原子、8個以上の炭素原子を含むことができる。いくつかの実施形態において、オレフィンは、3から100個の炭素原子、4から100個の炭素原子、6から100個の炭素原子、8から100個の炭素原子、3から50個の炭素原子、3から25個の炭素原子、4から25個の炭素原子、6から25個の炭素原子、8から25個の炭素原子、または3から10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、オレフィンは、2から20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状、環式または非環式モノエンである。他の実施形態において、アルケンは、ブタジエンおよび1,5−ヘキサジエンなどのジエンである。さらなる実施形態において、アルケンの水素原子の少なくとも1つがアルキルまたはアリールで置換されている。特定の実施形態において、アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン、またはそれらの組合せである。
ポリマーブレンドにおけるポリオレフィンの量は、ポリマーブレンドの全重量の0.5から約99重量パーセント、1から95重量パーセント、10から90重量パーセント、20から80重量パーセント、30から70重量パーセント、5から50重量パーセント、50から95重量パーセント、10から50重量パーセント、10から30重量パーセント、または50から90重量パーセントであり得る。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドにおけるポリオレフィンの量は、ポリマーブレンドの全重量の1から25重量パーセント、5から15重量パーセント、7.5から12.5重量パーセント、または約10重量パーセントであり得る。
当業者に知られている任意のポリオレフィンを使用して、本明細書に開示されているポリマーを調製することができる。ポリオレフィンは、オレフィンホモポリマー、オレフィンコポリマー、オレフィンターポリマーおよびオレフィン四元重合体等、ならびにそれらの組合せであり得る。
いくつかの実施形態において、ポリオレフィンは、オレフィンホモポリマーである。オレフィンホモポリマーをオレフィンから誘導することができる。当業者に知られている任意のオレフィンホモポリマーを使用することができる。オレフィンホモポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリデセン−1、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ−1,5−ヘキサジエンが挙げられる。
他の実施形態において、オレフィンホモポリマーは、ポリエチレンである。当業者に知られている任意のポリエチレンを使用して、本明細書に記載されているポリマーブレンドを調製することができる。ポリプロピレンの非限定的な例としては、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状高密度低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高溶融強度高密度ポリエチレン(HMS−HDPE)および超高密度ポリエチレン(UHDPE)等、ならびにそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、オレフィン単独インターポリマーは、Dow CONTINUUM(登録商標)HDPE2492(Dow Chemical、ミシガン州Midlandから入手可能)などのHMS−HDPEである。他の実施形態において、ポリマーブレンドにおけるHMS−HDPEの量は、ポリマーブレンドの全重量の1から25重量パーセント、5から15重量パーセント、7.5から12.5重量パーセント、または約10重量パーセントであり得る。
他の実施形態において、オレフィンホモポリマーは、ポリプロピレンである。当業者に知られている任意のポリプロピレンを使用して、本明細書に開示されているポリマーブレンドを調製することができる。ポリプロピレンの非限定的な量としては、低密度ポリプロピレン(LDPP)、高密度ポリプロピレン(HDPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS−PP)、高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)およびシンジオタクチックポリプロピレン(sPP)等、ならびにそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、オレフィンホモポリマーは、Dow INSPIRE(登録商標)D114(Dow Chemical、ミシガン州Midlandから入手可能)、PROFAX(登録商標)PF814(Basell Polyolefins、メリーランド州Elktonから入手可能)、DAPLOY(登録商標)WB130およびWB260(Borealis A/S、デンマークLyngbyから入手可能)などのHMS−PPである。他の実施形態において、ポリマーブレンドにおけるHMS−PPの量は、ポリマーブレンドの全重量の1から25重量パーセント、5から15重量パーセント、7.5から12.5重量パーセント、または約10重量パーセントであり得る。
他の実施形態において、ポリオレフィンは、オレフィンコポリマーである。オレフィンコポリマーを2つの異なるオレフィンから誘導することができる。当業者に知られている任意のオレフィンコポリマーを本明細書に開示されているポリマーブレンドに使用することができる。オレフィンコポリマーの非限定的な例としては、エチレン、および3個以上の炭素原子を有するモノエンから誘導されるコポリマーが挙げられる。3個以上の炭素原子を有するモノエンの非限定的な例としては、プロペン;ブテン(例えば、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテン)およびアルキル置換ブテン;ペンテン(例えば、1−ペンテンおよび2−ペンテン)およびアルキル置換ペンテン(例えば、4−メチル−1−ペンテン);ヘキセン(例えば、1−ヘキセン、2−ヘキセンおよび3ヘキセン)およびアルキル置換ヘキセン;ヘプテン(例えば、1−ヘプテン、2−ヘプテンおよび3−ヘプテン)およびアルキル置換ヘプテン;オクテン(例えば、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテンおよび4−オクテン)およびアルキル置換オクテン;ノネン(例えば、1−ノネン、2−ノネン、3−ノネンおよび4−ノネン)およびアルキル置換ノネン;デセン(例えば、1−デセン、2−デセン、3−デセン、4−デセンおよび5−デセン)およびアルキル置換デセン;ドデセンおよびアルキル置換ドデセン;ならびにブタジエンが挙げられる。いくつかの実施形態において、オレフィンコポリマーは、エチレン/アルファ−オレフィン(EAO)コポリマーまたはエチレン/プロピレンコポリマー(EPM)である。
他の実施形態において、ポリオレフィンは、オレフィンターポリマーである。オレフィンターポリマーを3つの異なるオレフィンから誘導することができる。当業者に知られている任意のオレフィンターポリマーを本明細書に開示されているポリマーブレンドに使用することができる。オレフィンターポリマーの非限定的な例としては、(i)エチレン、(ii)3個以上の炭素原子を有するモノエンおよび(iii)ジエンから誘導されるターポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、オレフィンターポリマーは、エチレン/アルファ−オレフィン/ジエンターポリマー(EAODM)およびエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)である。
好適なポリオレフィンについての重要な特性のいくつかは、引張強度、引裂き強度、弾性率、上限使用温度、引掻きおよび表面損傷抵抗性等を含む。ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン−アルファ−オレフィンコポリマー、プロピレン対衝撃コポリマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよびエチレン−アルファ−オレフィンコポリマーの高引張強度、耐熱性および加工性の組合せにより、これらのポリマーが好適なブレンド成分になる。また、スチレンブロックコポリマー(スチレン−エチレン−ブテン−スチレン)を混合して、弾性回復率と耐熱性の独特のバランスを得ることができる(以下参照)。
スチレンブロックコポリマー
上記の少なくとも1つのポリオレフィンに加えて、またはその代わりに、ポリマーブレンドは、少なくとも1つのスチレンブロックコポリマーを含むこともできる。ポリマーブレンドにおけるスチレンブロックコポリマーの量は、ポリマーブレンドの全重量の0.5から99重量パーセント、1から95重量パーセント、10から90重量パーセント、20から80重量パーセント、30から70重量パーセント、5から50重量パーセント、50から95重量パーセント、10から50重量パーセント、10から30重量パーセント、または50から90重量パーセントであり得る。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドにおけるスチレンブロックコポリマーの量は、ポリマーブレンドの全重量の1から25重量パーセント、5から15重量パーセント、7.5から12.5重量パーセント、または約10重量パーセントであり得る。
概して、スチレンブロックコポリマーは、飽和共役ジエンのブロック、好ましくは飽和ポリブタジエンブロックによって隔てられた少なくとも2つのモノアルケニルアレンブロック、好ましくは2つのポリスチレンブロックを含む。好適なスチレンブロックコポリマーは、直鎖構造を有するが、分枝状または放射状ポリマーあるいは官能化ブロックコポリマーも有用な化合物を作る。スチレンブロックコポリマーの全数平均分子量は、該コポリマーが直鎖構造を有する場合は、好ましくは30000から250000である。当該ブロックコポリマーは、10重量パーセントから40重量パーセントの平均ポリスチレン含有量を有することができる。
好適な不飽和ブロックコポリマーとしては、以下の式で表されるものが挙げられるが、それらに限定されない。
Figure 0005672471

上式において、各Aは、ビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレンを含むポリマーブロックであり、各Bは、共役ジエン、好ましくはイソプレンまたはブタジエン、および任意にビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレンを含むポリマーブロックであり;Rは、多官能カップリング剤の残基であり(Rが存在する場合は、ブロックコポリマーは、星状または分枝状ブロックコポリマーであり得る);nは、1から5の整数であり;xは、0または1であり;yは、0から4の実数である。
当該ブロックコポリマーを調製するための方法は、当該技術分野で知られている。例えば、米国特許第5,418,290号を参照されたい。不飽和ゴム状モノマー単位を有する有用なブロックコポリマーを調製するための好適な触媒としては、リチウム系触媒、特にリチウム−アルキルが挙げられる。米国特許第3,595,942号には、飽和ゴム状モノマー単位を有するブロックコポリマーを形成するために、不飽和ゴム状モノマー単位を有するブロックコポリマーを水素化するための好適な方法が記載されている。ポリマーの構造は、それらの重合方法によって決定づけられる。例えば、直鎖状ポリマーは、リチウム−アルキルまたはジリチオスチルベン等の開始剤を使用する場合に所望のゴム状モノマーを反応容器に順次導入すること、あるいは2つのセグメントブロックコポリマーを二官能カップリング剤でカップリングすることによって得られる。一方、3つ以上の不飽和ゴム状モノマー単位を有するブロックコポリマーに対して官能価を有する好適なカップリング剤を使用することによって、分枝状構造を得ることができる。ジハロアルカンまたはアルケンおよびジビニルベンゼンなどの多官能カップリング剤、ならびにハロゲン化珪素、シロキサン、または一価アルコールとカルボン酸のエステルなどの特定の極性化合物を用いてカップリングを生じさせることができる。ブロックコポリマーを十分に描写するために、ポリマーにおけるカップリング残基を無視することができる。
不飽和ゴム状モノマー単位を有する好適なブロックコポリマーとしては、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−エチレン/ブタジエン(SEB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、α−メチルスチレン−ブタジエン−α−メチルスチレンおよびメチルスチレン−イソプレン−α−メチルスチレンが挙げられるが、それらに限定されない。
ブロックコポリマーのスチレン部は、好ましくは、スチレン、ならびにα−メチルスチレンおよび環置換スチレン、特に環メチル化スチレンを含むその類似体および相同体である。好適なスチレン系化合物は、スチレンおよびα−メチルスチレンであり、スチレンが特に好適である。
不飽和ゴム状モノマー単位を有するブロックコポリマーは、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマーを含むことができるか、あるいはこれらの2つのジエンの一方または両方と少量のスチレンモノマーとのコポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態において、ブロックコポリマーは、(i)アルキル基またはアリール基で置換されたC3〜20オレフィン(例えば、4−メチル−1−ペンテンおよびスチレン)および(ii)ジエン(例えば、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンおよび1,9−デカジエン)から誘導される。当該オレフィンコポリマーの非限定的な例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマーが挙げられる。
飽和ゴム状モノマー単位を有する好適なブロックコポリマーは、スチレン単位の少なくとも1つのセグメント、およびエチレン−ブテンまたはエチレン−プロピレンコポリマーの少なくとも1つのセグメントを含む。飽和ゴム状モノマー単位を有する当該ブロックコポリマーの好適な例としては、スチレン/エチレン−ブテンコポリマー、スチレン/エチレン−プロピレンコポリマー、スチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)コポリマー、スチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)コポリマーが挙げられる。
不飽和ゴム状モノマー単位を有するブロックコポリマーの水素化は、好ましくは、脂肪族二重結合の少なくとも80パーセントを実質的に完全に水素化し、スチレン芳香族二重結合の25パーセント以下を水素化するような条件下で、アルミニウムアルキル化合物とニッケルまたはコバルトカルボキシレートまたはアルコキシドとの反応生成物を含む触媒を使用することによって実施される。好適なブロックコポリマーは、脂肪族二重結合の少なくとも99パーセントが水素化され、芳香族二重結合の5パーセント未満が水素化されたブロックコポリマーである。
スチレンブロックの割合は、一般には、ブロックコポリマーの全重量の8から65重量パーセントである。好ましくは、ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの全重量に対して、10から35重量パーセントのスチレンブロックセグメントおよび90から65重量パーセントのゴム状モノマーブロックセグメントを含む。
個々のブロックの平均分子量は、一定限度内で異なり得る。たいていの場合、スチレンブロックセグメントは、5000から125000、好ましくは7000から60000の範囲内の数平均分子量を有することになり、ゴム状モノマーブロックセグメントは、10000から300000、好ましくは30000から150000の範囲内の平均分子量を有することになる。ブロックコポリマーの全平均分子量は、典型的には、25000から250000、好ましくは35000から200000の範囲内である。
さらに、本発明の実施形態での使用に好適な様々なブロックコポリマーを、当該技術分野で良く知られている方法のいずれかによって、例えば無水マレイン酸などの少量の官能基をグラフト導入することによって改質することができる。
好適なブロックコポリマーとしては、テキサス州HoustonのKRATON Polymers LLCによって供給されるKRATON(商標)、およびテキサス州HoustonのDexco Polymers,L.P.によって供給されるVECTOR(商標)などの商業的に入手可能なものが挙げられるが、それらに限定されない。
添加剤
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、ポリマーブレンドの加工性、外観、物理特性、化学特性および/または機械特性を改善および/または制御することを目的として、少なくとも1つの添加剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドは、添加剤を含まない。当業者に知られている任意のプラスチック添加剤を本明細書に開示されているポリマーブレンドに使用することができる。好適な添加剤の非限定的な例としては、スリップ剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、油、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤または顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流れ助剤、カップリング剤、架橋剤、成核剤、界面活性剤、溶媒、難燃剤、耐電防止剤、およびそれらの組合せが挙げられる。添加剤の全量は、ポリマーブレンドの全重量の約0%超から約80パーセント、0.001パーセントから70パーセント、0.01パーセントから60パーセント、0.1パーセントから50パーセント、1パーセントから40パーセント、または10パーセントから50パーセントであり得る。いくつかのポリマー添加剤は、全体が参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版(2001)に記載されている。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、スリップ剤を含む。他の実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、スリップ剤を含まない。スリップは、フィルム表面同士の滑り、またはフィルム表面のいくつかの他の基板に対する滑りである。フィルムのスリップ性能を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D1894、「プラスチックフィルムおよびシートの静および動摩擦係数(Static and Kinetic Coefficients of Friction of Plastic Film and Sheeting)」によって測定することができる。概して、スリップ剤は、フィルムの表面特性を改良すること;ならびにフィルムの層の間の摩擦、およびフィルムと、それらが接触する他の表面との間の摩擦を低減することによってスリップ特性を付与することができる。
当業者に知られている任意のスリップ剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。スリップ剤の非限定的な例としては、12から40個の炭素原子を有する一級アミド(例えば、エルカミド、オレアミド、ステアラミドおよびベヘナミド);18から80個の炭素原子を有する二級アミド(例えば、ステアリルエルカミド、ベヘニルエルカミド、メチルエルカミドおよびエチルエルカミド);18から80個の炭素原子を有する二級ビス−アミド(例えば、エチレン−ビス−ステアラミドおよびエチレン−ビス−オレアミド);およびそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドのためのスリップ剤は、以下の式(I)で表されるアミドである。
Figure 0005672471

(式中、RおよびRの各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり;Rは、それぞれ11から30個の炭素原子、13から37個の炭素原子、15から35個の炭素原子、17から33個の炭素原子または19から33個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルである)。いくつかの実施形態において、Rは、それぞれ19から39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルである。他の実施形態において、Rは、ペンタデシル、ヘプタデシル、ノナデシル、ヘネイコサニル、トリコサニル、ペンタコサニル、ヘプタコサニル、ノナコサニル、ヘントリアコンタニル、トリトリアコンタニル、ノナトリアコンタニル、またはそれらの組合せである。さらなる実施形態において、Rは、ペンタデセニル、ヘプタデセニル、ノナデセニル、ヘネイコサネニル、トリコサネニル、ペンタコサネニル、ヘプタコサネニル、ノナコサネニル、ヘントリアコンタネニル、トリトリアコンタネニル、ノナトリアコンタネニル、またはそれらの組合せである。
さらなる実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドのためのスリップ剤は、以下の式(II)で表されるアミドである。
CH−(CH−(CH=CH)−(CH−C(=O)−NR (II)
(式中、mおよびnの各々は、独立に、1から37の整数であり;pは、0から3の整数であり;RおよびRの各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり;mとnとpの合計は、少なくとも8である)。いくつかの実施形態において、式(I)および(II)のRおよびRの各々は、1から40個の炭素原子を含むアルキル基、または2から40個の炭素原子を含むアルケニル基である。さらなる実施形態において、式(I)および(II)のRおよびRの各々はHである。一部の実施形態において、mとnとpの合計は、少なくとも18である。
式(I)または(II)のアミドを、式H−NR(式中、RおよびRの各々は、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールである)のアミンと、式R−COHまたはCH−(CH−(CH=CH)−(CH−COH(式中、Rは、それぞれ少なくとも19から39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;mおよびnの各々は、独立に、1から37の整数であり;pは、0または1である)を有するカルボン酸とを反応させることによって調製することができる。式H−NRのアミンは、アンモニア(すなわち、RおよびRの各々がHである)、一級アミン(すなわち、Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり、RがHである)、または二級アミン(すなわち、RおよびRの各々が、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールである)であり得る。一級アミンのいくつかの非限定的な例としては、メチルアミン、エチルアミン、オクタデシルアミン、ベヘニルアミン、テトラコサニルアミン、ヘキサコサニルアミン、オクタコサニルアミン、トリアコンチルアミン、ドトリアコンチルアミン、テトラトリアコンチルアミン、テトラコンチルアミン、シクロヘキシルアミンおよびそれらの組合せが挙げられる。二級アミンのいくつかの非限定的な例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジエイコシルアミン、ジドコシルアミン、ジセチルアミン、ジステアリールアミン、ジアラキジルアミン、ジベヘニルアミン、二水素化牛脂アミン、およびそれらの組合せが挙げられる。一級アミンおよび二級アミンを、当業者に知られている方法によって調製するか、またはAldrich Chemicals、ウィスコンシン州Milwaukee;ICC Chemical Corporation、ニューヨーク州New York;Chemos GmbH、ドイツRegenstauf;ABCR GmbH & Co.KG、ドイツKarlsruhe;およびAcros Organics、ベルギーGeelなどの商業的供給源から得ることができる。
一級アミンまたは二級アミンを還元アミン化反応によって調製することができる。還元アミン化は、アンモニアまたは一級アミンをアルデヒドまたはケトンと縮合して、後にアミンに還元される対応するイミンを形成するプロセスである。後のイミンのアミンへの還元を、イミンと、水素ならびにラネーニッケルおよび酸化白金、アルミニウム−水銀アマルガム、または水素化アルミニウムリチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物などの好適な水素化触媒と反応させることによって遂行することができる。還元アミン化は、米国特許第3,187,047号;ならびにHaskelberg、「ケトンのアミン化還元(Aminative Reduction of Ketones)」、J.Am.Chem.Soc.、70(1948)2811−2;Mastagliら、「いくつかのケトンおよびアルデヒドのアミノ分解の研究(Study of the Aminolysis of Some Ketones and Aldehydes)」、Bull.soc.chim.France(1950)1045−8;B.J.Hazzard、有機化学の実用ハンドブック(Practical Handbook of Organic Chemistry、Addison−Wesley Publishing Co.,Inc.、458−459および686頁(1973);およびAlexanderら、「ケトンの一級アミンへの変換のための低圧還元アルキル化法(A Low Pressure Reductive Alkylation Method for the Conversion of Ketones to Primary Amines)」、J.Am.Chem.Soc.、70、1315−6(1948)の記事に記載されている。上記米国特許および記事は、参照により本明細書に組み込まれている。
カルボン酸の非限定的な例としては、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘネイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸、テトラトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、オクタトリアコンタン酸およびテトラコンタン酸などの直鎖飽和脂肪酸;16−メチルヘプタデカン酸、3−メチル−2−オクチルノナン酸、2,3−ジメチルオクタデカン酸、2−メチルテトラコサン酸、11−メチルテトラコサン酸、2−ペンタデシル−ヘプタデカン酸などの分枝鎖飽和脂肪酸;トランス−3−オクタデカン酸、トランス−11−エイコセン酸、2−メチル−2−エイコセン酸、2−メチル−2−ヘキサコセン酸、β−エレオステアリン酸、α−パリナリン酸、9−ノナデセン酸および22−トリコセン酸、オレイン酸およびエルカ酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。カルボン酸を、当業者に知られている方法によって調製するか、またはAldrich Chemicals、ウィスコンシン州Milwaukee;ICC Chemical Corporation、ニューヨーク州New York;Chemos GmbH、ドイツRegenstauf;ABCR GmbH & Co.KG、ドイツKarlsruhe;およびAcros Organics、ベルギーGeelなどの商業的供給源から得ることができる。カルボン酸を調製するためのいくつかの既知の方法としては、クロム酸金属、二クロム酸金属および過マンガン酸カリウムなどの酸化剤で対応する一級アルコールを酸化することが挙げられる。アルコールのカルボン酸への酸化は、参照により本明細書に組み込まれているCareyら、「アドバンス有機化学、パートB:反応および合成(Advance Organic Chemistry、Part B:Reactions and Synthesis)」、Plenum Press、New York、第2版、481−491頁(1983)に記載されている。
アミド化反応は、カルボン酸に対して反応性のない溶媒中で起こり得る。好適な溶媒の非限定的な例としては、エーテル(すなわち、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、ケトン(アセトンおよびメチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミド等が挙げられる。アミド化反応を塩基触媒によって促進することができる。塩基触媒の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび酢酸アンモニウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシドおよびナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン等のアミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、触媒は、アミンまたは金属アルコキシドである。
いくつかの実施形態において、スリップ剤は、18から40個の炭素原子を有する飽和脂肪族基を有する一級アミド(例えば、ステアラミドおよびベヘナミド)である。他の実施形態において、スリップ剤は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および18から40個の炭素原子を含む不飽和脂肪族基を有する一級アミド(例えば、エルカミドおよびオレアミド)である。さらなる実施形態において、スリップ剤は、エルカミド、オレアミド、ステアラミド、ベヘナミド、エチレン−ビス−ステアラミド、エチレン−ビス−オレアミド、ステアリルエルカミド、ベヘニルエルカミド、またはそれらの組合せである。特定の実施形態において、スリップ剤は、エルカミドである。さらなる実施形態において、スリップ剤は、少なくとも20個の炭素原子を有する一級アミドである。さらなる実施形態において、スリップ剤は、Uniqema、ベルギーEverbergのATMER(商標)SA;Akzo Nobel Polymer Chemicals、イリノイ州ChicagoのARMOSLIP(登録商標);Witco、コネチカット州GreenwichのKEMAMIDE(登録商標);およびCroda、ニュージャージ州EdisonのCRODAMIDE(登録商標)などの商品名を有するスリップ剤が商業的に入手可能である。使用される場合は、ポリマーブレンドにおけるスリップ剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約3重量パーセント、0.0001から2重量パーセント、0.001から1重量パーセント、0.001から0.5重量パーセント、または0.05から0.25重量パーセントであり得る。いくつかのスリップ剤が、参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第8章、601−608頁(2001)に記載されている。
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、ブロッキング防止剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、ブロッキング防止剤を含まない。特に、保管中、製造中または使用中の中程度の圧力および熱による、ポリマーブレンドから製造された製品の接触層の間の望ましくない接着を防止するために、ブロッキング防止剤を使用することができる。当業者に知られている任意のブロッキング防止剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。ブロッキング防止剤の非限定的な例としては、鉱物(例えば、クレー、チョークおよび炭酸カルシウム)、合成シリカゲル(例えば、Grace Davison、メリーランド州ColumbiaのSYLOBLOC(登録商標))、天然シリカ(例えば、Celite Corporation、カリフォルニア州Santa BarbaraのSUPER FLOSS(登録商標))、タルク(例えば、Luzenac、コロラド州CentennialのOPTIBLOC(登録商標))、ゼオライト(例えば、Degussa、ニュージャージ州ParsippanyのSIPERNAT(登録商標))、アルミノ珪酸塩(例えば、水澤化学工業株式会社、日本、東京のSILTON(登録商標))、石灰岩(例えば、Omya、ジョージア州AtlantaのCARBOREX(登録商標))、球状ポリマー粒子(例えば、株式会社日本触媒、日本、東京のポリ(メタクリル酸メチル)粒子であるEPOSTAR(登録商標)、およびGE Silicones、コネチカット州Wiltonのシリコーン粒子であるTOSPEARL(登録商標))、蝋、アミド(例えば、エルカミド、オレアミド、ステアラミド、ベヘナミド、エチレン−ビス−ステアラミド、エチレン−ビス−オレアミド、ステアリルエルカミドおよび他のスリップ剤)、分子篩、およびそれらの組合せが挙げられる。鉱物粒子は、製品間に物理的空隙を生成することによってブロッキングを低減することができるのに対して、有機ブロッキング防止剤は、表面に移動して、表面接着を制限することができる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおけるブロッキング防止剤の量は、約0超から約3重量パーセント、0.0001から2重量パーセント、0.001から1重量パーセント、または0.001から0.5重量パーセントであり得る。いくつかのブロッキング防止剤が、参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第7章、585−600頁(2001)に記載されている。
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、可塑剤を含むことができる。概して、可塑剤は、柔軟性を向上させ、ポリマーのガラス転移温度を低下させることができる化学物質である。当業者に知られている任意の可塑剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。可塑剤の非限定的な例としては、鉱油、アビエチン酸塩、アジピン酸塩、スルホン酸アルキル、アゼライン酸塩、安息香酸塩、塩素化パラフィン、クエン酸塩、エポキシド、グリコールエーテルおよびそれらのエステル、グルタル酸塩、炭化水素油、イソ酪酸、オレイン酸、ペンタエリスリトール誘導体、リン酸塩、フタル酸塩、エステル、ポリブテン、リシノール酸塩、セバシン酸塩、スルホンアミド、トリおよびピロメリット酸塩、ビフェニル誘導体、ステアリン酸塩、ジフランジエステル、フッ素含有可塑剤、ヒドロキシ安息香酸エステル、イソシアネート付加物、多環芳香族化合物、天然物誘導体、ニトリル、シロキサン系可塑剤、タール系製品、チオエーテル、ならびにそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける可塑剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の0超から約15重量パーセント、0.5から10重量パーセント、または1から5重量パーセントであり得る。いくつかの可塑剤が、参照により本明細書に組み込まれているGeorge Wypych、「可塑剤のハンドブック(Handbook of Plasticizers)」、ChemTec Publishing、オンタリオ州Toronto−Scarborough(2004)に記載されている。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、ポリマーブレンドにおけるポリマー成分および有機添加剤の酸化を防止することができる酸化防止剤を任意に含む。当業者に知られている任意の酸化防止剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な酸化防止剤の非限定的な例としては、アルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルまたはアラルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化p−フェニルジアミンおよびテトラメチル−ジアミノジフェニルアミン等などの芳香族またはヒンダードアミン;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;テトラキス[(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート))]メタン(例えば、Ciba Geigy、New YorkのIRGANOX(商標)1010);アクリロイル修飾フェノール;オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシナメート(例えば、Ciba Geigyから商業的に入手可能なIRGANOX(商標)1076);亜リン酸塩およびホスホナイト;ヒドロキシルアミン;ベンゾフラノン誘導体;ならびにそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける酸化防止剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約5重量パーセント、0.0001から2.5重量パーセント、0.001から1重量パーセント、または0.001から0.5重量パーセントであり得る。いくつかの酸化防止剤が、参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第1章、1−140頁(2001)に記載されている。
他の実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、UV放射線によるポリマーブレンドの分解を防止または低減することができるUV安定剤を任意に含む。当業者に知られている任意のUV安定剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適なUV安定剤の非限定的な例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アリールエステル、オキサニリド、アクリル酸エステル、ホルムアミジン、カーボンブラック、ヒンダードアミン、ニッケル失活剤、ヒンダードアミン、フェノール酸化防止剤、金属塩、亜鉛化合物、およびそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおけるUV安定剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約5重量パーセント、0.01から3重量パーセント、0.1から2重量パーセント、0.1から1重量パーセントであり得る。いくつかのUV安定剤が、参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第2章、141−426頁(2001)に記載されている。
さらなる実施形態において、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、人の目に対するポリマーブレンドの外見を変化させることができる着色剤または顔料を任意に含む。当業者に知られている任意の着色剤または顔料を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な着色剤または顔料の非限定的な例としては、酸化鉄、酸化亜鉛および酸化チタンなどの金属酸化物、混合金属酸化物、カーボンブラックなどの無機顔料、アントラキノン、アンタントロン、アゾおよびモノアゾ化合物、アリールアミド、ベンズイミダゾロン、BONAレーキ、ジケトピロロ−ピロール、ジオキサジン、ジアゾ化合物、ジアリリド化合物、フラバントロン、インダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、金属錯体、モノアゾ塩、ナフトール、b−ナフトール、ナフトールAS、ナフトールレーキ、ペリレン、ペリノン、フタロシアニン、ピラントロン、キナクリドンおよびキノフタロンなどの有機顔料、ならびにそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける着色剤または顔料は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約10重量パーセント、0.1から5重量パーセント、または0.25から2重量パーセントであり得る。いくつかの着色剤が、参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第15章、813−882頁(2001)に記載されている。
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、とりわけ容量、重量、コストおよび/または技術的性能を調整するのに使用できる充填剤を含むことができる。当業者に知られている任意の充填剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な充填剤の非限定的な例としては、タルク、炭酸カルシウム、チョーク、硫酸カルシウム、クレー、カオリン、シリカ、ガラス、ヒュームドシリカ、マイカ、ウォラストナイト、長石、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、アルミナ、アルミナ三水和物などの水和アルミナ、ガラス微球体、セラミック微球体、熱可塑性微球体、バライト、木粉、ガラス繊維、炭素繊維、大理石粉、セメント粉、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン、チタン酸塩、およびそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、充填剤は、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、ガラス繊維、アルミナ、二酸化チタン、またはそれらの混合物である。他の実施形態において、充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、またはそれらの混合物である。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける充填剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約80重量パーセント、0.1から60重量パーセント、0.5から40重量パーセント、1から30重量パーセント、または10から40重量パーセントであり得る。いくつかの充填剤が、いずれも参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,103,803号およびZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第17章、901−948頁(2001)に開示されている。
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、潤滑剤を含むことができる。概して、潤滑剤を、とりわけ、溶融ポリマーブレンドの流動性の改良、成形品の表面仕上げの改善、および/または充填剤または顔料の分散の促進のために使用することができる。当業者に知られている任意の潤滑剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪アルコールおよびそれらのジカルボン酸エステル、短鎖アルコールの脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石鹸、オリゴマー脂肪酸エステル、長鎖アルコールの脂肪酸エステル、モンタン蝋、ポリエチレン蝋、ポリプロピレン蝋、天然および合成パラフィン蝋、フルオロポリマー、およびそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける潤滑剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約5重量パーセント、0.1から4重量パーセント、または0.1から3重量パーセントであり得る。いくつかの好適な潤滑剤が、いずれも参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第5章、511−552頁(2001)に開示されている。
任意に、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、帯電防止剤を含むことができる。概して、帯電防止剤は、ポリマーブレンドの導電性を向上させ、静電荷の蓄積を防止することができる。当業者に知られている任意の帯電防止剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な帯電防止剤の非限定的な例としては、導電性充填剤(例えば、カーボンブラック、金属粒子および他の導電性粒子)、脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸グリセロール)、エトキシル化アルキルアミン、ジエタノールアミド、エトキシ化アルコール、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、およびそれらの組合せが挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける帯電防止剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から5重量パーセント、0.01から3重量パーセント、または0.1から2重量パーセントであり得る。いくつかの好適な帯電防止剤が、いずれも参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第10章、627−646頁(2001)に開示されている。
任意に、ポリマーブレンドを部分的または完全に架橋することができる。架橋が所望されるときは、本明細書に開示されているポリマーブレンドは、ポリマーブレンドの架橋を生じさせることによって、中でも弾性率および剛性を向上させるために使用できる架橋剤を含む。当業者に知られている任意の架橋剤を、本明細書に開示されているポリマーブレンドに添加することができる。好適な架橋剤の非限定的な例としては、有機過酸化物(例えば、過酸化アルキル、過酸化アリール、過酸化エステル、過酸化カーボネート、ジアシル化酸化物、過酸化ケタールおよび環式過酸化物)およびシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランおよび3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。使用される場合は、ポリマーブレンドにおける架橋剤の量は、ポリマーブレンドの全重量の約0超から約20重量パーセント、約0.1から15重量パーセント、または約1から10重量パーセントであり得る。いくつかの好適な架橋剤が、いずれも参照により本明細書に組み込まれているZweifel Hansら、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastic Additives Handbook)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati、第5版、第14章、725−812頁(2001)に開示されている。
架橋触媒を用いる、または用いない電子ビーム照射、ベータ照射、ガンマ照射、コロナ照射およびUV放射を含むが、それらに限定されない当該技術分野で知られている任意の放射手段によってポリマーブレンドの架橋を開始することもできる。米国特許出願第10/086,057号(US2002/0132923A1)および米国特許第6,803,014号には、本発明の実施形態に用いることができる電子ビーム照射法が開示されている。
高エネルギー、イオン化電子、紫外線、X線、ガンマ線およびベータ線等、ならびにそれらの組合せを使用することによって照射を遂行することができる。好ましくは、電子を70メガラド線量まで採用する。照射源は、所望の線量を供給することが可能な電力出力を有する、150キロボルトから6メガボルトの範囲内で動作する任意の電子ビーム発生装置であり得る。電圧を、例えば、100000、300000、1000000または2000000または3000000または6000000またはより高くより低くであってもよい適切なレベルに調整することができる。ポリマー材料に照射するための多くの他の装置が、当該技術分野で知られている。照射は、通常は、3メガラドから35メガラド、好ましくは8から20メガラドの線量で実施される。さらに、照射を便利には室温で実施することができるが、より高温および低温、例えば、0℃から60℃の温度を採用することもできる。好ましくは、照射は、製品の成形または作製後に実施される。また、好適な実施形態において、プロラド添加剤が組み込まれたエチレンインターポリマーに、8から20メガラドで電子ビーム放射線が照射される。
架橋を架橋触媒で促進することができ、この機能を提供することになる任意の触媒を使用することができる。好適な触媒としては、一般には、有機塩基、カルボン酸、ならびに鉛、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛および錫の有機チタン酸塩および錯体またはカルボン酸塩を含む有機金属化合物が挙げられる。ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫マレアート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛およびナフテン酸コバルト等。カルボン酸錫、特にジブチル錫ジラウレートおよびジオクチル錫マレアートは、本発明に特に有効である。触媒(または触媒の混合物)は、典型的には0.015から0.035phrの触媒量で存在する。
代表的なプロラド添加剤としては、例えば、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、グルタルアルデヒド、ジメタクリル酸エチレングリコール、マレイン酸ジアルブル、マレイン酸ジプロパルギル、シアヌル酸ジプロパルギルモノアリル、過酸化ジクミル、過酸化ジ−tert−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過オクタン酸t−ブチル、過酸化メチルエチルケトン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、過酸化ラウリル、過酢酸tert−ブチルおよび亜硝酸アゾビスイソブチル等のアゾ化合物、有機過酸化物および多官能ビニルまたはアリル化合物、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。本発明に使用される好適なプロラド添加剤は、C=C、C=NまたはC=Oなどの多官能(すなわち少なくとも2価)成分を有する化合物である。
少なくとも1つのプロラド添加剤を当該技術分野で知られている任意の方法によってエチレンインターポリマーに導入することができる。しかし、好ましくは、プロラド添加剤は、エチレンインターポリマーと同じまたは異なる原樹脂を含むマスターバッチ濃縮物を介して導入される。好ましくは、マスターバッチのためのプロラド添加剤濃度は、比較的高く、例えば(濃縮物の全重量に対して)約25重量パーセントである。
少なくとも1つのプロラド添加剤は、任意の有効な量でエチレンポリマーに導入される。好ましくは、少なくとも1つのプロラド添加剤の導入量は、(エチレンインターポリマーの全重量に対して)0.001から5重量パーセント、より好ましくは0.005から2.5重量パーセント、最も好ましくは0.015から1重量パーセントである。
電子ビーム照射に加えて、UV照射によっても架橋を生じさせることができる。米国特許第6,709,742号には、本発明の実施形態に使用することができるUV照射による架橋方法が開示されている。該方法は、光架橋剤を含む、または含まない光開始剤とポリマーとを、繊維を形成する前、最中または後に混合し、次いで光開始剤を含む繊維を、ポリマーを所望のレベルまで架橋するのに十分なUV放射線に曝すことを含む。本発明の実施に使用される光開始剤は、芳香族ケトン、例えば、1,2−ジケトンのベンゾフェノンまたはモノアセタールである。モノアセタールの一次光反応は、アシルおよびジアルコキシアルキルラジカルを与えるα−結合の均等開裂である。この種のα−開裂は、W.HorspoolおよびD.Armesto、Organic Photochemistry:「包括的処理(A Comprehensive Treatment)、Ellis Horwood Limited、英国Chichester、1992;J,Kopecky、「有機光化学:視覚的手法(Organic Photochemistry:A Visual Approach)」,VCH Publishers,Inc.ニューヨーク州New York、1992;N.J.Turroら、Acc.Chem.Res.、1972、5、92;およびJ.T.Banksら、J.Am.Chem.Soc.、1993、115、2473により詳細に記載されているノリッシュI型反応として知られる。1,2−ジケトンAr−CO−C(OR)−Ar’のモノアセタールの合成が、米国特許第4,190,602号およびGer.Offen.2,337,813に記載されている。この類の好適な化合物は、Irgacure651としてCiba−Geigyから商業的に入手可能な2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンC−CO−C(OCH−Cである。光開始剤としての本発明の実施に有用な他の芳香族ケトンの例は、いずれもCiba Geigyから入手可能なIrgacure184、369、819、907および2959である。
本発明の一実施形態において、光開始剤は、光架橋剤と併用される。遊離ラジカルが生成すると、骨格との共有結合の形成を通じて2つ以上のポリオレフィン骨格を結合させることになる光架橋剤を本発明に使用することができる。好ましくは、これらの光架橋剤は、多官能であり、すなわち、それらは、活性化すると、コポリマーの骨格上の部位と共有結合を形成することになる2つ以上の部位を含む。代表的な光架橋剤としては、例えば、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸エチレングリコール、マレイン酸ジアリル、マレイン酸ジプロパルギルおよびシアヌル酸ジプロパルギルモノアリル等の多官能ビニルまたはアリル化合物が挙げられるが、それらに限定されない。本発明に使用される好適な光架橋剤は、多官能(少なくとも二価)成分を有する化合物である。特に好適な光架橋剤は、トリアリルシアヌル酸塩(TAC)およびトリアリルイソシアヌル酸塩(TAIC)である。
特定の化合物は、本発明の実施において、光開始剤および光架橋剤の両方として作用する。これらの化合物は、UV光に曝されると、2つ以上の反応種(例えば、遊離ラジカル、カルベン、ニトレン等)を生成するとともに、後に2つのポリマー鎖と共有結合する能力によって特徴づけられる。これら2つの機能を果たすことができる任意の化合物を本発明の実施に使用することができ、代表的な化合物としては、米国特許第6,211,302号および同第6,284,842号に記載されているスルホニルアジドが挙げられる。
本発明の別の実施形態において、コポリマーに二次的な架橋、すなわち光架橋以外の架橋および光架橋に追加的な架橋が施される。本実施形態において、光開始剤が非光架橋剤、例えば、シランと併用されるか、またはコポリマーに二次的な架橋手順、例えば、Eビーム放射線への曝露が施される。シラン架橋剤の代表的な例が米国特許第5,824,718号に記載されており、Eビーム放射線への曝露による架橋が米国特許第5,525,257号および同第5,324,576号に記載されている。本実施形態における光架橋剤の使用は、任意である。
少なくとも1つの光添加剤、すなわち光開始剤および任意の光架橋剤を、当該技術分野で知られている任意の方法によってコポリマーに導入することができる。しかし、好ましくは、光添加剤は、コポリマーと同じまたは異なる原樹脂を含むマスターバッチ濃縮物を介して導入される。好ましくは、マスターバッチのための光添加剤濃度は、比較的高く、例えば、(濃縮物の全重量に対して)約25重量パーセントである。
少なくとも1つの光添加剤は、任意の有効な量でコポリマーに導入される。好ましくは、少なくとも1つの光添加剤導入量は、(コポリマーの全重量に対して)0.001から5、より好ましくは0.005から2.5、最も好ましくは0.015から1重量パーセントである。
繊維またはフィルム製造プロセスの異なる段階で光開始剤および任意の光架橋剤を添加することができる。光添加剤が押出温度に耐えることができる場合は、ポリオレフィン樹脂を、例えば、マスターバッチの添加を介して、押出機に供給する前に添加剤と混合することができる。あるいは、添加剤をスロットダイの直前で押出機に導入することができるが、この場合は、押出前の成分の効率的な混合が重要である。別の手法において、ポリオレフィン繊維を、光添加剤を用いずに延伸することができ、光開始剤および/または光架橋剤を、キスロール、スプレー、添加剤を含む溶液への浸漬を介して、または後処理のための他の工業的方法を用いることによって、押し出された繊維に加えることができる。次いで、得られた光添加剤を含む繊維は、連続またはバッチプロセスで電磁放射線を介して屈曲される。一軸および二軸スクリュー押出機を含む従来の混合装置を使用して、光添加剤をポリオレフィンと混合することができる。
電磁放射線の出力および照射時間は、ポリマー分解および/または寸法欠陥を生じさせずに効率的な架橋を可能にするように選択される。好適なプロセスが、EP0490854B1に記載されている。十分な熱安定性を有する光添加剤は、ポリオレフィン樹脂と予備混合され、押し出されて繊維になり、1つのエネルギー源または縦列に連結されたいくつかの装置を使用して連続プロセスで照射される。スプール上に回収される編地の繊維またはシートを硬化するためには、バッチプロセスと比較して、連続プロセスを用いることにいくつかの利点がある。
UV放射線を使用することによって照射を遂行することができる。好ましくは、100J/cmの強度までのUV放射線が採用される。照射源は、所望の線量を供給することが可能な電力出力を有する、50ワットから25000ワットの範囲内で動作する任意のUV光発生装置であり得る。ワット数を、例えば、1000ワットから4800ワット、あるいは6000ワット以上または以下であってもよい適切なレベルに調整することができる。UV照射ポリマー材料のための多くの他の装置が当該技術分野で知られている。照射は、通常は、3J/cmから500J/cm、好ましくは5J/cmから100J/cmの線量で実施される。さらに、照射を便利には室温で実施することができるが、より高温および低温、例えば、0℃から60℃の温度を採用することもできる。光架橋プロセスは、高温の方が高速である。好ましくは、照射は、製品の成形または作製後に実施される。好適な実施形態において、光添加剤が組み込まれたコポリマーは、10J/cmから50J/cmのUV放射線が照射される。
ポリマーブレンドの調製
当業者に知られている方法、好ましくは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおける成分を実質的に均一に分布させることができる方法を用いて、ポリマーブレンドの成分を混合またはブレンドすることができる。好適な混合方法の非限定的な例としては、溶融混合、溶媒混合および押出等が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドの成分を、Guerinらの米国特許第4,152,189号に記載されている方法によって溶融混合する。最初に、溶媒が存在する場合は、5トール(667Pa)から10トール(1333Pa)の圧力で100℃から200℃または150℃から175℃の適切な高温まで加熱することによって、成分からすべての溶媒を除去する。次に、成分を所望の割合で容器内に量り取り、攪拌しながら容器の内容物を溶融状態まで加熱することによってポリマーブレンドを形成する。
他の実施形態において、溶媒配合を用いて、ポリマーブレンドの成分を処理する。最初に、所望のポリマーブレンドの成分を好適な溶媒に溶解させ、次いで該混合物を混合またはブレンドする。次に、溶媒を除去してポリマーブレンドを得る。
さらなる実施形態において、分散混合、分配混合、または分散混合と分配混合の組合せを提供する物理的混合デバイスは、均質なブレンドを調製する上で有用であり得る。バッチ式および連続式物理的混合法の両方を用いることができる。バッチ式方法の非限定的な例としては、BRABENDER(登録商標)混合装置(例えば、C.W.Brabender Instruments,Inc.、ニュージャージ州South Hackensackから入手可能なBRABENDER PREP CENTER(登録商標))またはBANBURY(登録商標)内部混合およびロール粉砕(Farrel Company、コネチカット州Ansoniaから入手可能)装置を使用する方法が挙げられる。連続式方法の非限定的な例としては、一軸スクリュー押出、二軸スクリュー押出、ディスク押出、往復一軸スクリュー押出、およびピンバレル一軸スクリュー押出が挙げられる。いくつかの実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィンまたはポリマーブレンドの押出中に、供給ホッパーまたは供給スロートを介して添加剤を押出機内に加えることができる。押出によるポリマーの混合またはブレンドが、参照により本明細書に組み込まれているC.Rauwendaal、「ポリマーの押出(Polymer Extrusion)」、Hanser Publishers、ニューヨーク州New York、322−334頁(1986)に記載されている。
ポリマーブレンドに1つまたは複数の添加剤が必要とされるときは、所望量の添加剤を1回の充填または複数回の充填でエチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィンまたはポリマーブレンドに添加することができる。また、添加を任意の順序で行うことができる。いくつかの実施形態において、最初に添加剤を添加して、エチレン/α−オレフィンインターポリマーと混合またはブレンドし、次いで添加剤含有インターポリマーをポリオレフィンとブレンドする。他の実施形態において、最初に添加剤を添加して、ポリオレフィンと混合またはブレンドし、次いで添加剤含有ポリオレフィンをエチレン/α−オレフィンインターポリマーとブレンドする。さらなる実施形態において、最初にエチレン/α−オレフィンインターポリマーをポリオレフィンと混合し、次いで添加剤をポリマーブレンドと混合する。ポリマーブレンドを乾燥ブレンドとして製造装置で実現することもできる(予備混合を必要としない)。
あるいは、高濃度の添加剤を含むマスターバッチを使用することができる。概して、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィンまたはポリマーブレンドと、高濃度の添加剤とを混合することによってマスターバッチを調製することができる。マスターバッチは、ポリマーブレンドの全重量の1から50重量パーセント、1から40重量パーセント、1から30重量パーセント、または1から20重量パーセントの添加剤濃度を有することができる。次いで、最終製品における所望の添加剤濃度を与えるように決定された量でマスターバッチをポリマーブレンドに添加することができる。いくつかの実施形態において、マスターバッチは、スリップ剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤もしくは顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流動助剤、カップリング剤、架橋剤、成核剤、界面活性剤、溶媒、難燃剤、耐電防止剤またはそれらの組合せを含む。他の実施形態において、マスターバッチは、スリップ剤、ブロッキング防止剤、またはそれらの組合せを含む。他の実施形態において、マスターバッチは、スリップ剤を含む。
ポリマーブレンドの用途
本明細書に開示されているポリマーブレンドを使用して、自動車、建築、医療、食品および飲料水、電機、家庭器具、事務機械ならびに消費者市場などの耐久財を製造することができる。いくつかの実施形態において、該ポリマーブレンドは、玩具、取手、ソフトタッチハンドル、バンパ摩擦ストリップ、床敷き、自動車床マット、車輪、キャスタ、家具および家庭器具の脚、タグ、シール、静止型ガスケットおよび非静止型ガスケットなどのガスケット、自動車ドア、バンパフェーシャ、グリル部品、ロッカーパネル、ホース、裏張り、事務用消耗品、シール、ライナ、仕切板、チューブ、蓋、栓、プランジャーチップ、配送システム、台所用品、靴、靴袋ならびに靴底から選択される軟質耐久部品および耐久財を製造するのに使用される。他の実施形態において、該ポリマーブレンドを使用して、高引張強度および低圧縮歪みを必要とする耐久部品または耐久財を製造することができる。さらなる実施形態において、該ポリマーブレンドを使用して、高い上限使用温度および低い弾性率を必要とする耐久部品または耐久財を製造することができる。
該ポリマーブレンドを使用して、これらの耐久部品または耐久財を、押出(例えば、シート押出およびプロファイル押出);成形(例えば、射出成形、回転成形およびブロー成形);紡糸;ならびにインフレートフィルムおよびキャストフィルム法などの既知のポリマー処理で調製することができる。概して、押出は、ポリマーが溶融/圧縮される高温および高圧の領域を通じて、スクリューに沿ってポリマーを連続的に前進させ、最終的にダイから押し出す方法である。押出機は、一軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、ディスク押出機またはラム押出機であり得る。ダイは、フィルムダイ、インフレートフィルムダイ、シートダイ、パイプダイ、チューブダイまたはプロファイル押出ダイであり得る。ポリマーの押出は、いずれも全体が参照により本明細書に組み込まれているC.Rauwendaal、「ポリマーの押出(Polymer Extrusion)」、Hanser Publishers、ニューヨーク州New York(1986);およびM.J.Stevens、「押出機の原理および動作(Extruder Principles and Operations)」、Ellsevier Applied Science Publishers、ニューヨーク州New York(1985)に記載されている。
射出成形も様々な用途の様々なプラスチック部品を製造するのに広く使用されている。概して、射出成形は、ポリマーを溶融させ、所望の形状の逆である金型内に高圧で射出して、所望の形状および大きさの部品を形成する方法である。金型を鋼およびアルミニウムなどの金属から製造することができる。ポリマーの射出成形は、全体が参照により本明細書に組み込まれているBeaumontら、「良好な射出成形:プロセス、設計およびシミュレーション(Successful Injection molding:process,Design,and Simulation)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati(2002)に記載されている。
成形は、一般には、ポリマーを溶融させ、所望の形状の逆である金型内に導入して、所望の形状および大きさの部品を形成する方法である。成形は、常圧または加圧下であり得る。ポリマーの成形は、参照により本明細書に組み込まれているHans−Georg Elias、「プラスチック入門(An Introduction to Plastics)」、Wiley−VCH、ドイツWeinhei、161−165頁(2003)に記載されている。
回転成形は、一般には、中空プラスチック製品を製造するのに使用される。さらなる後成形処理を用いて、他の成形および押出技術と同程度に効果的に複雑な部品を製造することができる。回転成形は、加熱、溶融、成形および冷却段階がすべてポリマーを金型に入れた後に生じるため、形成中に外圧を加える必要がない点において他の処理方法と異なる。ポリマーの回転成形は、全体が参照により本明細書に組み込まれているGlenn Beall、「回転成形:設計、材料&処理(Rotational Molding:Design,Materials & Processing)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati(1998)に記載されている。
中空プラスチック容器を製造するのにブロー成形を用いることができる。該方法は、軟化ポリマーを金型の中心には位置し、ブローピンでポリマーを金型壁に対して膨張させ、冷却によって製品を固化させることを含む。3つの一般的な種類のブロー成形、すなわち押出ブロー成形、射出ブロー成形および延伸ブロー成形がある。押し出すことができないポリマーを処理するのに射出ブロー成形を用いることができる。ブローするのが困難なポリプロピレンなどの結晶性ポリマーおよび結晶化ポリマーに延伸ブロー成形を用いることができる。ポリマーのブロー成形は、全体が参照により本明細書に組み込まれているNorman C.Lee、「ブロー成形の理解(Understanding Blow Molding)」、Hanser Gardner Publications、オハイオ州Cincinnati(2000)に記載されている。
本発明の実施形態を例示するために以下の実施例を示す。すべての数値はおよその値である。数値範囲が示されているときは、指定範囲外の実施形態も本発明の範囲内にあり得ることを理解すべきである。各実施例に記載されている具体的な詳細を本発明の必要な特徴であると見なすべきではない。
試験方法
以下に示す実施例において、以下の分析技術を採用する。
サンプル1〜4およびA〜Cに対するGPC法
160℃に設定された加熱針を備えた自動化液体処理ロボットを使用して、300ppmのイオノールで安定化された十分な1,2,4−トリクロロベンゼンを各乾燥ポリマーサンプルに添加して最終濃度を30mg/mLとする。小さいガラスの攪拌棒を各チューブ内に入れ、サンプルを、250rpmで回転する加熱された軌道シェーカ上で2時間にわたって160℃まで加熱する。次いで、自動化液体処理ロボットおよび160℃に設定された加熱針を使用して、濃縮ポリマー溶液を1mg/mlまで希釈する。
Symyx高速GPCシステムを使用して、各サンプルについての分子量データを測定する。2.0ml/分の流量に設定されたGilson350ポンプを使用して、縦列に配置され、160℃に加熱された3つのPlgel10マイクロメータ(μm)の混合B300mm×7.5mmカラムを通じて、移動相として、300ppmのイオノールで安定化されたヘリウム浄化1,2−ジクロロベンゼンを注入する。エバポレータが250℃に設定され、ネブライザが165℃に設定され、窒素流量が60〜80psi(400〜600kPa)Nの圧力で1.8SLMに設定されたPolymer LabsのELS1000ディテクタを使用する。ポリマーサンプルを160℃に加熱し、液体処理ロボットおよび加熱針を使用して各サンプルを250μlのループ内に注入する。2つの切換ループおよび重複注入を使用するポリマーサンプルの逐次分析を用いる。サンプルデータを収集し、Symyx Epoch(商標)ソフトウェアを使用して解析する。ピークをマニュアルで積分し、ポリスチレン標準検量線に対して未補正の分子量情報を報告する。
標準CRYSTAF法
PolymerChar、スペインValenciaから商業的に入手可能なCRYSTAF200装置を使用した結晶化分析分別(CRYSTAF)によって分枝分布を測定する。サンプルを1時間にわたって160℃で1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解させ(0.66mg/mL)、95℃で45分間安定化させる。サンプリング温度は、0.2℃/分の冷却速度で95から30℃である。赤外検出器を使用して、ポリマー溶液濃度を測定する。温度を下げながら、ポリマーが結晶化するときの累積可溶濃度を測定する。累積プロファイルの解析派生物は、ポリマーの短鎖分枝分布を反映する。
CRYSTAFピーク温度および面積を、CRYSTAFソフトウェア(バージョン2001.b、PolymerChar、スペインValencia)に含まれるピーク分析モジュールによって特定する。CRYSTAFピーク検出ルーチンは、dW/dT曲線における最大値としてのピーク温度、派生曲線における特定されたピークのいずれかの側の最大の正の変曲点の間の面積を特定する。CRYSTAF曲線を計算するために、CRYSTAF曲線を計算するために、好適な処理パラメータは、70℃の温度限界、および0.1の温度限界を超え、0.3の温度限界を下回るスムージングパラメータを有する。
DSC標準法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
RCS冷却付属品およびオートサンプラを備えたTAIモデルQ1000DSCを使用して、示差走査熱量測定結果が確定された。50ml/分の窒素パージガスを使用する。サンプルを薄いフィルムにプレスし、約175℃にてプレスで溶融させ、次いで室温(25℃)まで冷却する。次いで、3〜10mgの材料を切断して直径6mmの円板とし、正確に重量を測定し、軽量のアルミニウムパン(約50mg)に入れ、次いで圧着する。サンプルの熱挙動を以下の温度プロファイルで調べる。サンプルを180℃に急速に加熱し、それまでの熱履歴を除去するために3分間定温に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、3分間−40℃に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の加熱速度で150℃に加熱する。冷却および第2の加熱の曲線を記録する。
DSC溶融ピークを、−30℃と溶融の終点との間に引いた直線の基線に対して熱流量(W/g)の最大値として測定する。直線の基線を用いて、融解熱を−30℃と溶融の終点との間の溶融曲線下面積として測定する。
GPC法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーシステムは、Polymer LaboratoriesモデルPL−210またはPolymer LaboratoriesモデルPL−220計測器からなる。カラムコンパートメントおよびカルーセルコンパートメントを140℃で動作させる。3つのPolymer Laboratories10ミクロン混合Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンである。200ppmのブチレン化ヒドロキシトルエン(BHT)を含む50ミリリットルの溶媒中ポリマー0.1グラムの濃度でサンプルを調製する。160℃で2時間にわたって軽く攪拌することによってサンプルを調製する。使用する射出容量は、100マイクロリットルであり、流量は、10ml/分である。
個々の分子量の間に少なくとも10の隔たりを有する6つの「カクテル」混合物に配合された、580から8400000の分子量を有する21つの狭分子量分布ポリスチレン標準品を用いてGPCカラムセットの較正を行う。それらの標準品をPolymer Laboratories(英国Shropshire)から購入する。1000000以上の分子量に対しては50ミリリットルの溶媒中0.025グラムで、1000000未満の分子量に対しては50ミリリットルの溶媒中0.05グラムでポリスチレン標準品を調製する。ポリスチレン標準品を30分間静かに攪拌しながら80℃で溶解させる。分解を最小限にするために、狭標準品混合物を最大分子量の成分から順に処理する。(Williams and Ward、J.Polym.Sci.、Polym.Let.、6、621(1968)に記載されている)以下の式を用いて、ポリスチレン標準品のピーク分子量をポリエチレン分子量に変換する。
ポリエチレン=0.431(Mポリスチレン
Viscotek TriSECソフトウェアバージョン3.0を使用して、ポリエチレン相当分子量の計算を行う。
圧縮歪み
圧縮歪みをASTM D395に従って測定する。全厚が12.7mmになるまで、3.2mm、2.0mmおよび0.25mmの直径25.4mmの丸形円板を積層することによってサンプルを調製する。190℃で3分間圧力を0とし、続いて190℃で2分間86MPaとし、続いて86MPaにて定温流水でプレスの内部を冷却するという条件下においてホットプレスで成形された12.7cm×12.7cmの圧縮成形飾り板からそれらの円板を切り出す。
密度
密度測定用サンプルをASTM D1928に従って調製する。ASTM D792、方法Bを用いて、サンプルをプレスしてから1時間以内に測定を行う。
屈曲/割線弾性率/貯蔵弾性率
ASTM D1928を用いてサンプルを圧縮成形する。屈曲および2パーセント割り線弾性率をASTM D−790に従って測定する。貯蔵弾性率をASTM D5026−01または同等の技術に従って測定する。
光学特性
ホットプレス(Carverモデル#4095−4PR1001R)を使用して、0.4mm厚さのフィルムを圧縮成形する。ペレットをポリテトラフルオロエチレンシートの間に配置し、55psi(380kPa)にて3分間、続いて1.3MPaにて3分間、次いで2.6MPaにて3分間190℃で加熱する。次いで、1分間にわたって1.3MPaにて低温流水によりプレスでフィルムを冷却する。圧縮成形フィルムを光学測定、引張挙動、回復および応力緩和のために使用する。
ASTM D1746に明記されているようにBYKガードナヘイズガードを使用して透明性を測定する。
ASTM D−2457に明記されているようにガードナ光沢計マイクログロス45°を使用して45°光沢度を測定する。
ASTM D1003手順Aに基づいてBYKガードナヘイズガードを使用して内部ヘイズを測定する。鉱油をフィルム表面に塗布して、表面傷を除去する。
機械特性−引張、ヒステリシスおよび引裂き
ASTM D1708微引張試験片を使用して、一軸引張における応力−歪み挙動を測定する。サンプルをインストロンにより21℃にて500パーセント毎分で延伸する。5つの試験片の平均から引張強度および破断伸度を報告する。
ASTM D1708微引張試験片をInstron(商標)計測器に使用して、周期的荷重から100パーセントおよび300パーセント歪みの100パーセントおよび300パーセントヒステリシスを測定する。サンプルを21℃にて3サイクルにわたって267パーセント毎分でロードおよびアンロードする。人工気候室を使用して、300パーセントおよび80℃における周期的実験を実施する。80℃の実験において、試験前に、サンプルを試験温度で45分間平衡させる。21℃、300パーセントの歪み周期的実験において、第1のアンロード周期による150パーセント歪みの収縮応力を記録する。荷重が基線に戻る応力を用いて、第1のアンロード周期から、すべての実験についての回復率を計算する。回復率は、以下のように定義される。
Figure 0005672471

式中、εは、周期的荷重に対して採用される歪みであり、εは、荷重が第1のアンロード周期中に基線に戻る歪みである。
人工気候室を備えたInstron(商標)計測器を使用して、応力緩和を50パーセント歪みおよび37℃で12時間測定する。計器の幾何構造は、76mm×25mm×0.4mmである。人工気候室において37℃で45分間平衡化した後に、サンプルを333パーセント毎分で50パーセント歪みまで延伸した。12時間にわたって応力を時間の関数として記録した。以下の式を用いて、12時間後の応力緩和率(パーセント)を計算した。
Figure 0005672471

式中、Lは、0時間の50パーセント歪みにおける荷重であり、L12は、12時間後の50パーセント歪みにおける荷重である。
Instron(商標)計測器を使用して、0.88g/cc以下の密度を有するサンプルに対して引張切欠き引裂き実験を実施する。幾何構造は、試験片長さの半分の位置において2mmの切欠きがサンプルに切り込まれた76mm×13mm×0.4mmの計器部からなる。サンプルを、それが破断するまで21℃にて508mm毎分で延伸する。引裂きエネルギーを最大荷重における歪みまでの応力−伸度曲線下面積として計算する。少なくとも3つの試験片の平均値を報告する。
TMA
180℃および10MPaの成形圧で5分間かけて成形され、次いで空気失活された直径30mm×厚さ3.3mmの圧縮成形円板に対して、熱機械分析(貫入温度)を実施する。使用する計測器は、Perkin−Elmerから入手可能なTMAブランドである。その試験では、1.5mm半径の先端を有するプローブ(P/N N519−0416)を1Nの力でサンプル円板の表面に押しつける。25℃から5℃/分で昇温させる。プローブ貫入距離を温度の関数として測定する。プローブがサンプルに1mm貫入したところで実験を終了する。
DMA
180℃、10MPa圧で5分間かけてホットプレスで成形され、次いで90℃/分でプレスにて水冷された圧縮成形円板に対して、動的機械分析(DMA)を行う。捩り試験のための二重片持梁固定具を備えたARES制御歪みレオメータ(TA instruments)を使用して試験を実施する。
1.5mmの飾り板をプレスし、32×12mmの寸法の棒に切断する。10mm(グリップ間隔ΔL)だけ隔てられた固定具の間にサンプルの両端を固定し、サンプルに−100℃から200℃までの連続的な温度ステップ(1ステップ当たり5℃)を受けさせる。各温度において、捩りを十分なものとし、測定値を直線領域に維持するために、歪み幅を0.1パーセントと4パーセントの間に維持して、10rad/sの角周波数で捩り弾性率G’を測定する。
熱膨張が生じたときのサンプルの弛みを防止するために、10gの初期静力を維持する(自動引張モード)。結果として、グリップ間隔ΔLは、特に、ポリマーサンプルの溶融点または軟化点を超える温度で、温度とともに増加する。温度が最大になったとき、または固定具間の間隔が65mmに達したときに試験を終了する。
メルトインデックス
ASTM D1238、190℃/2.16kgの条件に従ってメルトインデックス、またはIを測定する。ASTM D1238、190℃/10kgの条件に従ってメルトインデックス、またはI10をも測定する。
ATREF
全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,798,081号およびWilde,L;Ryle,T.R.;Knobeloch,D.C.;Peat,I.R.;ポリエチレンおよびエチレンコポリマーにおける分枝分布の測定(Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers)、J.Polym.Sci.、20、441−455(1982)に記載されている方法に従って、分析昇温溶出分別(ATREF)分析を実施する。分析すべき組成物をトリクロロベンゼンに溶解させ、0.1℃/分の冷却速度で温度を20℃まで徐々に低下させることによって、不活性支持体(ステンレス鋼ショット)を含むカラム内で結晶化させる。カラムは赤外線検出器を備える。次いで、溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を1.5℃/分の速度で20から120℃まで徐々に上昇させることによって、結晶化したポリマーサンプルをカラムから溶出させることによりATREFクロマトグラム曲線を作成する。
13C NMR分析
約3gのテトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を10mmのNMR管内で0.4gサンプルに添加することによってサンプルを調製する。管およびその内容物を150℃に加熱することによって、サンプルを溶解させて均質にする。100.5MHzの13C共鳴周波数に対応するJEOL ECLIPSE(商標)400MHz分光計またはVarian Unity PLUS(商標)400MHz分光計を使用してデータを収集する。6秒のパルス反復遅れを伴うデータファイル当たり4000トランシェントを用いてデータを取得する。定量分析のための信号対雑音比を最小限にするために、多数のデータファイルを一緒に追加する。最小ファイルサイズを32Kデータ点として、スペクトル幅は、25000Hzである。サンプルを10mmの広帯域プローブにて130℃で分析する。ランダルのトライアド法(全体が参照により本明細書に組み込まれているRandall、J.C.;JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.、C29、201−317(1989))を用いてコモノマー含有量を測定する。
TREFによるポリマー分別
15〜20gのポリマーを2リットルの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)に、160℃で4時間攪拌することによって溶解させることによって、大規模なTREF分別を実施する。ポリマー溶液を、15psig(100kPa)の窒素によって、30〜40メッシュ(600〜425μm)の球状技術品質ガラスビーズ(Potters Industries、HC30 Box20、テキサス州Brownwood、76801から入手可能)とステンレス鋼の直径0.028”(0.7mm)の切断ワイヤショット(Pellet,Inc.63 Industrial Drive、ニューヨーク州North Tonawanda、14120から入手可能)との60:40(v:v)混合物が充填された3インチ×4フィート(7.6cm×12cm)の鋼カラム上に塗りつける。カラムを、160℃の初期設定された熱制御油ジャケットに浸す。カラムを最初に急激に125℃まで冷却し、次いで0.44℃毎分の速度で20℃までゆっくり冷却し、1時間保持する。新たなTCBを約65ml/分で導入しながら、0.167℃毎分の速度で昇温させる。
調製TREFカラムからの溶出物の約2000ml分量を16ステーションの加熱フラクションコレクタに回収する。50から100mlのポリマー溶液が残留するまで、ロータリエバポレータを使用して、各フラクション中のポリマーを濃縮する。濃縮溶液を終夜静置させてから、余剰のメタノールを添加し、濾過し、濯ぐ(最終リンスを含む約300〜500mlのメタノール)。5.0μmのポリテトラフルオロエチレンがコーティングされた濾紙(Osmonics Inc.から入手可能、カタログ番号Z50WP04750)を使用して、3位置真空補助濾過ステーションで濾過工程を実施する。濾過したフラクションを60℃の真空炉で終夜乾燥させ、分析用秤で重量測定してから、さらなる試験を行う。
溶融強度
入口角度が約45℃の直径2.1mmの20:1ダイが装着された毛管レオメータを使用することによって溶融強度(MS)を測定する。サンプルを190℃で10分間平衡化した後、ピストンを1インチ/分(2.54cm/分)の速度で動作させる。標準的な試験温度は、190℃である。サンプルを2.4mm/secの加速度で、ダイの100mm下に位置する1組の加速ニップまで一軸延伸させる。必要な張力をニップロールの巻取り速度の関数として記録する。試験中の到達した最大張力を溶融温度と定義する。溶融したポリマーが引取共鳴を示した場合は、引取共鳴の発生前の張力を溶融強度とした。溶融強度をセンチニュートン(「cN」)で記録する。
触媒
「終夜」という用語は、用いられる場合は、約16〜18時間の時間を指し、「室温」という用語は、20〜25℃の温度を指し、「混合アルカン」という用語は、Isopar E(登録商標)の商品名でExxonMobil Chemical Companyから入手可能なC6〜9脂肪族炭化水素の商業的に入手された混合物を指す。本明細書における化合物の名称がその構造的表現に従わない場合は、構造的表現が支配するものとする。ドライボックス法を用いて、すべての金属錯体の合成およびすべての選別実験の準備を乾燥窒素雰囲気で実施した。使用したすべての溶媒は、HPLCグレードであり、使用前に乾燥した。
MMAOは、修飾メチルアルモキサン、すなわちAkzo−Noble Corporationから入手可能なトリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサンを指す。
触媒(B1)の調製を以下のように実施する。
a)(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)メチルイミンの調製
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(3.00g)を10mLのイソプロピルアミンに添加する。溶液は、急速に明黄色に変わる。室温で3時間攪拌した後、揮発物を真空下で除去して、明黄色の結晶固体(収率97パーセント)を得る。
b)1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(605mg、2.2mmol)を5mLのトルエンに溶解させた溶液を、Zr(CHPh)(500mg、1.1mmol)を50mLのトルエンに溶解させた溶液に徐々に添加する。得られた暗黄色溶液を30分間攪拌する。溶媒を減圧下で除去して、赤褐色固体として所望の製造物を得る。
触媒(B2)の調製を以下のように実施する。
a)(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミンの調製
2−メチルシクロヘキシルアミン(8.44mL、64.0mmol)をメタノール(90mL)に溶解させ、ジ−t−ブチルサリカルデヒド(10.00g、42.67mmol)を添加する。反応混合物を3時間攪拌し、次いで12時間にわたって−25℃まで冷却する。得られた黄色固体沈殿物を濾過によって回収し、低温メタノール(2×15mL)で洗浄し、次いで減圧下で乾燥させる。黄色固体の収量は、11.17gである。H NMRは、異性体の混合物としての所望の製造物と一致する。
b)ビス−(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(7.63g、23.2mmol)を200mLのトルエンに溶解させた溶液を、Zr(CHPh)(5.28g、11.6mmol)を600mLのトルエンに溶解させた溶液に徐々に添加する。得られた暗黄色溶液を25℃で1時間攪拌する。溶液をさらに680mLのトルエンで希釈して、0.00783Mの濃度を有する溶液を得る。
共触媒1 米国特許第5,919,9883号実施例2に実質的に開示されている長鎖トリアルキルアミン(Akzo−Nobel,Inc.から入手可能なArmeen(商標)M2HT)とHClとLi[B(C]との反応によって調製されたホウ酸テトラキス(ペンタフルオロフェニル)(以降ホウ酸アルメエニウム)のメチルジ(C14〜18アルキル)アンモニウム塩の混合物。
共触媒2 米国特許第6,395,671号実施例16に従って調製されたビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)−アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリドの混合C14〜18アルキルジメチルアンモニウム塩。
シャトリング剤 採用されるシャトリング剤としては、ジエチル亜鉛(DEZ、SA1)、ジ(i−ブチル)亜鉛(SA2)、ジ(n−ヘキシル)亜鉛(SA3)、トリエチルアルミニウム(TEA、SA4)、トリオクチルアルミニウム(SA5)、トリエチルガリウム(SA6)、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル)(t−ブチル)シロキサン)(SA7)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)(SA8)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)(SA9)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム(SA10)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)(SA11)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)(SA12)、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)(SA13)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキサン)(SA14)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド(SA15)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド(SA16)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド(SA17)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド(SA18)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)(SA19)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)(SA20)が挙げられる。
実施例1〜4、比較A〜C
一般的な高スループット平行重合条件
Symyx technologies,Inc.から入手可能であり、実質的に米国特許第6,248,540号、同第6,030,917号、同第6,362,309号、同第6,306,658号および同第6,316,663号に従って動作される高スループット平行重合反応器(PPR)を使用して、重合を実施する。使用する全触媒に対して1.2当量の共触媒1(MMAOが存在するときは1.1当量)を使用して、要望に応じたエチレンでエチレン共重合を130℃および200psi(1.4MPa)で実施する。予め秤量されたガラス管が装着された6×8配列の48個の個別反応器セルを含む平行圧力反応器(PPR)にて一連の重合を実施する。各反応器セルにおける使用容量は、6000μLである。個々の攪拌パドルによって行われる攪拌によって、各セルを温度および圧力制御する。モノマーガスおよび失活ガスを直接PPR装置内に流下させ、自動弁によって制御する。液体試薬をシリンジによって各反応器セルに添加し、液溜溶媒は、混合アルカンである。添加の順序は、混合アルカン溶媒(4ml)、エチレン、1−オクテンコモノマー(1ml)、共触媒1または共触媒1/MMAO混合物、シャトリング剤、そして触媒または触媒混合物である。共触媒1とMMAOの混合物、または2つの触媒の混合物を使用するときは、試薬を、反応器に添加する直前に、小さなバイアル内で予め混合する。実験で試薬を省略するときは、それ以外は上記の添加順序を維持する。所定のエチレン消費量に達するまで、重合を約1〜2分間実施する。COで失活した後、反応器を冷却し、ガラス管を取り出す。管を遠心/真空乾燥装置に移し、60℃で12時間乾燥させる。乾燥したポリマーを含む管を秤量し、この重量と風袋重量との差をポリマーの正味収量とする。結果を表1に示す。表1および本出願の他の箇所において、比較化合物を星印()で示す。
実施例1〜4は、DEZが存在するときは非常に狭いMWDの本質的に一峰性のコポリマーが形成され、DEZの不在下では二峰性の広分子量分布製造物(個別に製造されたポリマーの混合物)が形成されることによって明示される本発明の直鎖状ブロックコポリマーの合成を実証する。触媒(A1)は、触媒(B)より多量のオクテンを含むことから、本発明の得られたコポリマーの異なるブロックまたはセグメントは、分枝形成または密度に基づいて区別可能である。
Figure 0005672471
本発明に従って製造されたポリマーは、比較的狭い多分散性(Mw/Mn)、およびシャトリング剤の不在下で調製されたポリマーより大きなブロックコポリマー含有量(トリマー、テトラマー以上)を有することがわかる。
図を参照することによって表1のポリマーについてのさらなる特性決定データを求める。より具体的には、DSCおよびATREF結果は、以下のことを示す。
実施例1のポリマーのDSC曲線は、158.1J/gの融解熱による115.7℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が52.9パーセントの34.5℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafの差は、81.2℃である。
実施例2のポリマーのDSC曲線は、214.0J/gの融解熱による109.7℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が57.0パーセントの46.2℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafの差は、63.5℃である。
実施例3のポリマーのDSC曲線は、160.1J/gの融解熱による120.7℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が71.8パーセントの66.1℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafの差は、54.6℃である。
実施例4のポリマーのDSC曲線は、170.7J/gの融解熱による104.5℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が18.2パーセントの30℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafの差は、74.5℃である。
比較例AのDSC曲線は、86.7J/gの融解熱による90.0℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が29.4パーセントの48.5℃における最大ピークを示す。これらの値の両方が密度の低い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafの差は、41.8℃である。
比較例BのDSC曲線は、237.0J/gの融解熱による129.8℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が83.7パーセントの82.4℃における最大ピークを示す。これらの値の両方が密度の高い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafの差は、47.4℃である。
比較例CのDSC曲線は、143.0J/gの融解熱による125.3℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が34.7パーセントの81.8℃における最大ピーク、ならびに52.4℃におけるより低い結晶ピークを示す。それら2つのピークの隔たりは、高結晶性および低結晶性ポリマーの存在と一致する。DSC TmとTcrystafの差は、43.5℃である。
実施例5〜19、比較例D〜F、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
内部攪拌機を備えたコンピュータ制御オートクレーブ反応器にて連続溶液重合を実施する。精製された混合アルカン溶媒(ExxonMobil Chemical Companyから入手可能なISOPAR(商標))、2.70lbs/時(1.22kg/時)のエチレン、1−オクテンおよび水素(使用される場合)を、温度制御用ジャケットおよび内部温度計を備えた3.8L反応器に供給する。反応器への溶媒供給量をマスフローコントローラによって測定する。可変速度膜板ポンプは、反応器への溶媒流量および圧力を制御する。ポンプの排出時に、側流を取って、触媒および共触媒1注入ラインならびに反応器攪拌機に排水流を供給する。これらの流量を微動マスフローメータによって測定し、制御弁によって、またはニードル弁の手動調節によって制御する。残りの溶媒を1−オクテン、エチレンおよび水素(使用される場合)と混合し、反応器に供給する。マスフローコントローラを使用して、必要に応じて水素を反応器に送る。溶媒/モノマー溶液の温度を、反応器に入る前に熱交換器の使用によって制御する。この流れは、反応器の底部に入る。触媒成分溶液を、ポンプおよびマスフローメータを使用して計量し、触媒排出溶媒と混合し、反応器の底部に導入する。激しく攪拌しながら500psig(3.45MPa)で反応器を流動液で満たす。製造物を、出口ラインを通じて反応器上部から除去する。反応器からのすべての出口ラインを蒸気追跡し、絶縁する。少量の水を安定剤または他の添加剤とともに出口ラインに加え、混合物を静的混合機に通すことによって重合を停止させる。次いで、製造物の流れを、脱蔵する前に熱交換器に通すことによって加熱する。脱蔵押出機および水冷ペレタイザを使用して、ポリマー製造物を押出によって回収する。方法の詳細および結果を表2に示す。選択されたポリマー特性を表3に示す。
Figure 0005672471
Figure 0005672471
得られたポリマーを先述のDSCおよびATREFによって試験する。結果は、以下の通りである。
実施例5のポリマーのDSC曲線は、60.0J/gの融解熱による119.6℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が59.5パーセントの47.6℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、72.0℃である。
実施例6のポリマーのDSC曲線は、60.4J/gの融解熱による115.2℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が62.7パーセントの44.2℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、71.0℃である。
実施例7のポリマーのDSC曲線は、69.1J/gの融解熱による121.3℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が29.4パーセントの49.2℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、72.1℃である。
実施例8のポリマーのDSC曲線は、67.9J/gの融解熱による123.5℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が12.7パーセントの80.1℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、43.4℃である。
実施例9のポリマーのDSC曲線は、73.5J/gの融解熱による124.6℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が16.0パーセントの80.8℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、43.8℃である。
実施例10のポリマーのDSC曲線は、60.7J/gの融解熱による115.6℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が52.4パーセントの40.9℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、74.7℃である。
実施例11のポリマーのDSC曲線は、70.4J/gの融解熱による113.6℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が25.2パーセントの39.6℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、74.1℃である。
実施例12のポリマーのDSC曲線は、48.9J/gの融解熱による113.2℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃以上のピークを示さない(したがって、さらなる計算を目的としたTcrystafを30℃に設定する)。DSC TmとTcrystafのデルタは、83.2℃である。
実施例13のポリマーのDSC曲線は、49.4J/gの融解熱による114.4℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が7.7パーセントの33.8℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、84.4℃である。
実施例14のポリマーのDSC曲線は、127.9J/gの融解熱による120.8℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が92.2パーセントの72.9℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、47.9℃である。
実施例15のポリマーのDSC曲線は、36.2J/gの融解熱による114.3℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が9.8パーセントの32.3℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、82.0℃である。
実施例16のポリマーのDSC曲線は、44.9J/gの融解熱による116.6℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が65.0パーセントの48.0℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、68.6℃である。
実施例17のポリマーのDSC曲線は、47.0J/gの融解熱による116.0℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が56.8パーセントの43.1℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、72.9℃である。
実施例18のポリマーのDSC曲線は、141.8J/gの融解熱による120.5℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が94.0パーセントの70.0℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、50.5℃である。
実施例19のポリマーのDSC曲線は、174.8J/gの融解熱による124.8℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が87.9パーセントの79.9℃における最大ピークを示す。DSC TmとTcrystafのデルタは、45.0℃である。
比較例DのポリマーのDSC曲線は、31.6J/gの融解熱による37.3℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、約30℃以上のピークを示さない。これらの値の両方が密度の低い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafのデルタは、7.3℃である。
比較例EのポリマーのDSC曲線は、179.3J/gの融解熱による124.0℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が約94.6パーセントの79.3℃における最大ピークを示す。これらの値の両方が密度の高い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafのデルタは、44.6℃である。
比較例FのポリマーのDSC曲線は、90.4J/gの融解熱による124.8℃の融点(Tm)のピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、ピーク面積が約19.5パーセントの77.6℃における最大ピークを示す。それら2つのピークの隔たりは、高結晶性および低結晶性ポリマーの両方の存在と一致する。DSC TmとTcrystafのデルタは、47.2℃である。
物理特性試験
TMA温度試験、ペレットブロッキング強度、高温回復率、高温圧縮歪みおよび貯蔵弾性率G’(25℃)/G’(100℃)によって明示される高温耐熱性などの物理特性についてポリマーサンプルを評価する。いくつかの商業的に入手可能なポリマーを試験に含める。比較Gは、実質的に直鎖状のエチレン/1−オクテンコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(登録商標))、比較Hは、エラストマーの実質的に直鎖状のエチレン/1−オクテンコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(登録商標)EG8100)、比較例Iは、実質的に直鎖状のエチレン/1−オクテンコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(登録商標)PL1840)、比較例Jは、水素化スチレン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー(KRATON Polymersから入手可能なKRATON(商標)G1652)、比較例Kは、熱可塑性加硫物(TPV、分散した架橋エラストマーを含むポリオレフィンブレンド)である。結果を表4に示す。
Figure 0005672471
表4において、(触媒A1およびB1を使用した同時重合による2つのポリマーの物理的ブレンドである)比較例Fは、約70℃の1mm貫入温度を有するのに対して、実施例5〜9は、100℃以上の1mm貫入温度を有する。さらに、実施例10〜19は、いずれも85℃を超える1mm貫入温度を有し、大半が90℃を超える、またはさらには100℃を超える1mmTMA温度を有する。これは、新規のポリマーが、物理的ブレンドと比較してより高温でより良好な寸法安定性を有することを示すものである。比較例J(市販のSEBS)は、約107℃の良好な1mmTMA温度を有するが、約100パーセントの非常に劣った(高温70℃)圧縮歪みを有し、高温(80℃)300パーセント歪み回復率を通じて回復することもできなかった(サンプルが破断した)。したがって、例示されたポリマーは、いくつかの商業的に入手可能な高性能熱可塑性エラストマーでも得ることができない特性の独特の組合せを有する。
同様に、表4により、発明のポリマーは、6以下の低い(良好な)貯蔵弾性率G’(25℃)/G’(100℃)を有するのに対して、物理的ブレンド(比較例F)は、貯蔵弾性率が9であり、同様の密度のランダムエチレン/オクテンコポリマー(比較例G)は、一桁大きい貯蔵弾性率(89)を有することが示される。ポリマーの貯蔵弾性率は、可能な限り1に近いことが望ましい。当該ポリマーは、比較的温度の影響が小さく、当該ポリマーから製造された加工品を広い温度範囲で有用に採用することができる。貯蔵弾性率が小さく、温度に依存しないというこの特徴は、感圧接着性配合物などのエラストマー用途に特に有用である。
表4におけるデータは、本発明のポリマーが、向上したペレットブロッキング強度を保持することをも証明している。特に、実施例5は、0MPaのペレットブロッキング強度を有し、それは、大きなブロッキングを示す比較例FおよびGと比較して、試験条件下で自由に流動することを意味する。大きなブロッキング強度を有するポリマーのバルク出荷は、保管または出荷に際して製造物同士の凝集または粘着を生じさせることにより、取扱特性を低下させ得るため、ブロッキング強度は重要である。
発明のポリマーの高温(70℃)圧縮歪みは、全体的に良好であり、それは、約80パーセント未満、好ましくは約70パーセント未満、特に約60パーセント未満であることを意味する。対照的に、比較例F、G、HおよびJは、いずれも100パーセントの70℃圧縮歪み(回復のないことを示す最大限の値)を有する。良好な高温圧縮歪み(低い数値)は、ガスケット、窓用形材およびo−リングなどの用途に特に必要とされる。
Figure 0005672471
表5は、室温における新規のポリマーならびに様々な比較ポリマーの機械特性についての結果を示す。発明のポリマーは、ISO4649に従って試験されたときに非常に良好な耐摩耗性を有し、全体的には、約90mm未満、好ましくは約80mm未満、特に約50mm未満の容量損失を示す。この試験では、数値が大きいほど、容量損失が大きく、結果として耐摩耗性が低いことを示す。
引張切欠き引裂き強度によって測定される発明のポリマーの引裂き強度は、表5に示されるように、全体的に1000mJ以上である。発明のポリマーの引裂き強度は、3000mJ程、またはさらには5000mJ程であり得る。比較ポリマーは、全体的に、750mJ以下の引裂き強度を有する。
表5は、また、発明のポリマーがいくつかの比較サンプルより良好な150パーセント歪みにおける収縮応力(より高い収縮応力値によって証明される)を有することを示している。比較例F、GおよびHは、150パーセント歪みにおける収縮応力値が400kPa未満であるのに対して、発明のポリマーは、150パーセント歪みにおける収縮応力値が500kPa(実施例11)から1100kPa(実施例17)程である。150パーセントを超える収縮応力値を有するポリマーは、弾性繊維および布、特に不織布などの弾性材料用途に極めて有用になる。他の用途としては、タブおよび弾性バンドなどのおむつ、衛生品および医療用衣類のウエストバンドの用途が挙げられる。
表5は、また、(50パーセント歪みにおける)応力緩和も、例えば、比較例Gと比較して発明のポリマーの方が向上している(低い)ことを示している。より低い応力緩和は、身体温度での長期間にわたる弾性特性の保持が所望されるおむつおよび他の衣類などの用途においてポリマーがその力をより良好に保持することを意味する。
光学試験
Figure 0005672471
表6に報告されている光学特性は、実質的に配向が欠如した圧縮成形フィルムに基づく。重合に採用される連鎖シャトリング剤の量の差に起因する結晶サイズの差により、ポリマーの光学特性は広範囲にわたって変動され得る。
マルチブロックコポリマーの抽出
実施例5、7および比較例Eのポリマーの抽出試験を実施する。それらの実験において、ポリマーサンプルをガラスフリット抽出シンブル内に秤取り、Kumagawa型抽出器に嵌め込む。サンプルを含む抽出器を窒素でパージし、500mLの丸底フラスコに350mLのジエチレンエーテルを充填する。次いで、フラスコを抽出器に取りつける。攪拌しながらエーテルを加熱する。エーテルがシンブル内に凝縮し始めた時刻を記録し、抽出を24時間にわたって窒素下で進行させる。この時点で、加熱を停止させ、溶液を冷却させる。抽出器に残留するエーテルをフラスコに戻す。フラスコ中のエーテル室温にて真空下で蒸発させ、得られた固体を窒素で乾燥パージする。連続的なヘキサン洗浄液を使用して、残渣を、秤量したボトルに移す。次いで、一緒にしたヘキサン洗浄液を別の窒素パージで蒸発させ、残渣を40°にて終夜真空下で乾燥させる。抽出器内の残留エーテルを窒素で乾燥パージする。
次いで、350mLのヘキサンが充填された第2の清浄な丸底フラスコを抽出器に接続する。ヘキサンを攪拌しながら加熱して還流させ、ヘキサンがシンブル内に凝縮したことが最初に記録された後で24時間にわたって還流を維持する。次いで、加熱を停止し、フラスコを冷却させる。抽出器に残留するヘキサンをフラスコに戻す。ヘキサンを室温にて真空下で蒸発させ、連続的なヘキサン洗浄液を使用して、フラスコに残留する残渣を、秤量されたボトルに移す。フラスコ内のヘキサンを窒素パージによって蒸発させ、残渣を40℃で終夜真空乾燥させる。
抽出後にシンブルに残留するポリマーサンプルをシンブルから、秤量されたボトルに移し、40℃で終夜真空乾燥させる。結果を表7に示す。
Figure 0005672471
さらなるポリマー実施例19A〜F、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
連続溶液重合を、十分に混合されたコンピュータ制御反応器にて実施する。精製された混合アルカン溶媒(ExxonMobil Chemical Companyから入手可能なISOPAR(商標)E)と、エチレンと、1−オクテンと、水素(使用される場合)とを混合し、27ガロンの反応器に供給する。反応器への供給量をマスフローコントローラによって測定する。反応器に入る前に、グリコール冷却熱交換器を使用することによって、供給流の温度を制御する。ポンプおよびマスフローメータを使用して、触媒成分溶液を計量する。約550psigの圧力で反応器に流動液を満たす。反応器を出ると、水および添加剤をポリマー溶液に注入する。水は、触媒を加水分解し、重合反応を終了させる。次いで、反応器後の溶液を、二段階脱蔵に備えて加熱する。脱蔵プロセス中に溶媒および未反応モノマーを除去する。溶融したポリマーを水中ペレット切断に向けてダイまで輸送する。
方法の詳細および結果を表8に示す。選択されたポリマー特性を表9に示す。
Figure 0005672471
Figure 0005672471
実施例L〜P
比較例Lは、f−PVC、すなわち、(Wofoo Plastics、中国、香港から入手した)軟質ポリ(塩化ビニル)であった。比較例Mは、SBSコポリマー、すなわち(Dexco Polymers、テキサス州Houstonから入手した)VECTOR(商標)であった。比較例Nは、部分架橋TPV、すなわち(Advanced Elastomer Systems、オハイオ州Akronから入手した)VYRAM(商標)TPV9271−65であった。比較例Oは、SEBSコポリマー、すなわち(Kraton Polymers、テキサス州Houstonから入手した)KRATON(登録商標)G2705であった。比較例Pは、SBSコポリマー、すなわち(Kraton Polymers、テキサス州Houstonから入手した)KRATON(登録商標)G3202であった。
実施例20〜26
実施例20は、100パーセントの実施例19fであった。実施例21は、30パーセントの実施例19fを高密度ポリエチレン(HDPE)、すなわち(The Dow Chemical Company、ミシガン州Midlandの)DMDA−8007で置換した点を除いては、実施例20と同様であった。実施例22は、20パーセントの実施例19fをDMDA−8007で置換した点を除いては実施例20と同様であった。実施例23は、10パーセントの実施例19fをDMDA−8007で置換した点を除いては実施例20と同様であった。実施例24は、30パーセントの実施例19fをホモポリマーポリプロピレン、すなわち(The Dow Chemical Company、ミシガン州Midlandの)H700−12で置換した点を除いては実施例20と同様であった。実施例25は、20パーセントの実施例19fをH700−12で置換した点を除いては実施例20と同様であった。実施例26は、10パーセントの実施例19fをH700−12で置換した点を除いては実施例20と同様であった。
比較例Q〜X
比較例Qは、実施例19fをポリオレフィンエラストマー、すなわち(DuPont Dow Elastomers、デラウェア州Wilmingtonの)ENGAGE(登録商標)ENR7380で置換した点を除いては実施例21と同様であった。比較例Rは、実施例19fをENGAGE(登録商標)ENR7380で置換した点を除いては実施例24と同様であった。比較例Sは、実施例19fをポリオレフィンエラストマー、すなわち(DuPont Dow Elastomers、デラウェア州Wilmingtonの)ENGAGE(登録商標)8407で置換した点を除いては実施例20と同様であり、サンプルは、厚さが30mil(0.762mm)である。比較例Tは、実施例19fをポリオレフィンエラストマー、すなわち(DuPont Dow Elastomers、デラウェア州Wilmingtonの)ENGAGE(登録商標)8967で置換した点を除いては実施例20と同様であった。比較例Uは、実施例19fをプロピレン−エチレンコポリマー、すなわち(The Dow Chemical Company、ミシガン州Midlandの)VERSIFY(登録商標)DE3300で置換した点を除いては実施例24と同様であった。比較例Vは、実施例19fをプロピレン−エチレンコポリマー、すなわち(The Dow Chemical Company、ミシガン州Midlandの)VERSIFY(登録商標)DE3400で置換した点を除いては実施例24と同様であった。比較例Wは、実施例19fをVERSIFY(登録商標)DE3300で置換した点を除いては実施例22と同様であった。比較例Xは、実施例19fをVERSIFY(登録商標)DE3400で置換した点を除いては実施例322と同様であった。
実施例27〜33
実施例27は、56パーセントの実施例19fと、16パーセントのH700−12と、28パーセントのRENOIL(登録商標)625(Renkert Oil、ペンシルベニア州Elversonyの油)との混合物であった。実施例28は、該混合物が、33パーセントの実施例19f、17パーセントのH700−12および50パーセントのRENOIL(登録商標)625である点を除いては実施例27と同様であった。実施例29は、該混合物が56パーセントの実施例19f、16パーセントのDMDA−8007および28パーセントのRENOIL(登録商標)625である点を除いては実施例27と同様であった。実施例30は、該混合物が33パーセントの実施例19f、17パーセントのDMDA−8007および50パーセントのRENOIL(登録商標)625である点を除いては実施例27と同様であった。実施例31は、該混合物が17パーセントの実施例19f、16パーセントのH700−12、16パーセントのKRATON(登録商標)G2705および50パーセントのRENOIL(登録商標)625である点を除いては実施例27と同様であった。実施例32は、1パーセントのAMPACET(登録商標)10090(Ampacet Corporation、ニューヨーク州Tarrytownのエルカミド濃縮物)をスリップ/ブロッキング防止剤として添加した点を除いては実施例20と同様であった。実施例33は、5パーセントのAMPACET(登録商標)10090をスリップ/ブロッキング防止剤として添加した点を除いては実施例32と同様であった。
機械特性および物理特性の測定
比較例L〜Xおよび実施例20〜33の熱機械(TMA)特性、硬度、圧縮歪み特性、屈曲弾性率、ガルウィング引裂き強度(gull wing tear strength)、ビカー軟化点、ブロッキング特性、引掻き表面損傷抵抗、極限伸度、100パーセント弾性率、300パーセント弾性率、極限引張強度および降伏強度を測定し、それらの結果を以下の表10および11にしめす。
熱機械分析(TMA)技術による貫入温度を、180℃および10MPa成形圧力で5分間にわたって形成され、次いで急冷された直径30mm厚さ3.3mmの圧縮成形円板に対して測定した。使用した計測器は、Perkin−Elmer TMA7であった。TMA試験では、半径1.5mmの先端を有するプローブ(P/N N519−0416)をサンプル円板の表面に1Nの力で押しつけた。25℃から5℃/分の速度で昇温させた。プローブ貫入距離を温度の関数として測定した。プローブがサンプルにそれぞれ0.1mmおよび1mm貫入したときに実験を終了した。各サンプルの0.1mmおよび1mm貫入温度を以下の表10に記載する。
各サンプルのショアD硬度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D2240に従って測定した。
23℃および70℃における各サンプルの圧縮歪み特性を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D4703に従って測定した。
各サンプルの屈曲弾性率を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D790に記載の方法に従って測定した。
各サンプルのガルウィング引裂き強度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D1004に記載の方法に従って測定した。
各サンプルのビカー軟化点を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D1525に記載の方法に従って測定した。
それぞれ4”×4’×0.125”の6つの射出成形飾り板を積み重ね、それらの飾り板を雰囲気条件(73F)で24時間放置し、次いで飾り板を取り出すことによって、各サンプルのブロッキングを測定した。ブロッキング評価は、1から5で、5を優(すべての飾り板が容易に取り出された)とし、1を不合格(6つの飾り板が、どの飾り板も手で分離できないほど互いに強く接着されていた)とする。
手で丸形プラスチック触針を用いて4×4×0.125インチの飾り棚上にXを対角線状に刻みつけることによって、各サンプルの引掻き表面損傷抵抗を測定した。引掻き表面損傷抵抗評価は、1から5とし、5を優(Xの形跡が見えない)とし、1を不合格(Xがはっきりと見ることができ、擦り取ることができない)とする。
各サンプルの100パーセント弾性率、300パーセント弾性率、極限引張強度、極限伸度および降伏強度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D412に従って測定した。
Figure 0005672471
Figure 0005672471
比較例L、M、N、OおよびPは、オレフィン系でない市販の軟質成形品樹脂である。実施例20〜26は、低弾性率と高上限使用温度のバランスの向上を実証する(原樹脂、または原樹脂とPPおよび/またはHDPEとのブレンドとしての)本発明の様々な実施形態である。比較例Q〜Xは、オレフィン系である市販の軟質成形品樹脂である。実施例20〜26は、比較例Q〜Xと比較した低弾性率と高上限使用温度のバランスの向上を実証する。
SEBS/発明のインターポリマーブレンド
エチレン/α−オレフィンブロックコポリマーと水素化スチレンブロックコポリマーのブレンド(OBC/SEBS)を、Haake Rheomix300レオメータを使用して調製した。サンプルボウルの温度を190℃に設定し、ロータ速度を40rpmとした。すべての成分を添加した後、約5分間にわたって、または安定した捩りが確立されるまで混合を継続させた。さらなる試験および評価のためのサンプルを3分間にわたって44.45kNの力により190℃にてGarver自動プレスで圧縮成形した。続いて、電子冷却バスを使用して、室温で平衡化されたプレスで溶融材料を急冷した。
比較例Y1〜Y5
比較例Y1は、100パーセントのKRATON(登録商標)G1652、すなわちShell Chemical Company、テキサス州Houstonから入手可能なスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマーであった。比較例Y1は、比較例Jと同じであった。比較例Y2は、75パーセントのKRATON(登録商標)G1652と25パーセントのAFFINITY(登録商標)EG8100とのブレンドであった。比較例Y3は、50パーセントのKRATON(登録商標)G1652と50パーセントのAFFINITY(登録商標)EG8100とのブレンドであった。比較例Y4は、25パーセントのKRATON(登録商標)G1652と75パーセントのAFFINITY(登録商標)EG8100とのブレンドであった。比較例Y5は、100パーセントAFFINITY(登録商標)EG8100であった。比較例Y5は、比較例Hと同じであった。
実施例34〜45
実施例34は、75パーセントのKRATON(登録商標)G1652と25パーセントの実施例またはポリマー19aとのブレンドであった。実施例35は、50パーセントのKRATON(登録商標)G1652と50パーセントの実施例19aとのブレンドであった。実施例36は、25パーセントのKRATON(登録商標)G1652と75パーセントの実施例19aとのブレンドであった。実施例37は、実施例19aと同じであった。実施例38は、75パーセントのKRATON(登録商標)G1652と25パーセントの実施例19bとのブレンドであった。実施例39は、50パーセントのKRATON(登録商標)G1652と50パーセントの実施例19bとのブレンドであった。実施例40は、25パーセントのKRATON(登録商標)G1652と75パーセントの実施例19bとのブレンドであった。実施例41は、実施例19bと同じであった。実施例42は、75パーセントのKRATON(登録商標)G1652と25パーセントのポリマー19iとのブレンドであった。ポリマー19iは、実施例1〜19および実施例19a〜19hと実質的に同様に調製されたインターポリマーであった。本出願に既に詳述したプロセス条件を用いて、目標のポリマーを製造するために、シャトリング剤の割合、水素流量、モノマー濃度等のプロセス条件をどのように操作するかを当業者は知っている。実施例43は、50パーセントのKRATON(登録商標)G1652と50パーセントのポリマー19iとのブレンドであった。実施例44は、25パーセントのKRATON(登録商標)と75パーセントのポリマー19iとのブレンドであった。実施例45は、100パーセントのポリマー19iであった。
機械特性および物理特性の測定
本明細書に記載の方法および当業者に知られている方法によって、比較例Y1〜Y5および実施例34〜45の熱機械(TMA)特性、300パーセント歪みにおける弾性回復率、破断伸度、引張強度およびエレメンドル引裂き強度を測定し、それらの結果を以下の表12に示す。
Figure 0005672471
ブレンド中のSEBS(すなわちKRATON(登録商標)G1652)の量がそれぞれ異なる代表的なブレンド(すなわち、実施例34〜45)および比較例Y1〜Y5の弾性回復特性を図8に示す。ブレンド中のSEBSの量がそれぞれ異なる代表的なブレンドおよび比較例1〜5のTMA温度を図9に示す。表12および図8〜9に見られるように、代表的なブレンド(すなわち、実施例34〜45)は、対応する比較例Y1〜Y5と比較して耐熱性および弾性回復特性の向上を示す。
HMS−HDPE/発明のインターポリマーまたはHMS−PP/発明のインターポリマーのブレンド
比較例Z1〜Z4
比較例Z1は、100パーセントのポリマー19jであった。ポリマー19jは、Zn量が517ppmであり、密度が0.877g/ccであり、メルトインデックス(I)が5である発明のエチレン/オクテンコポリマーであった。比較例Z2は、100パーセントのポリマー19kであった。ポリマー19kは、Zn量が693ppmであり、密度が0.877g/ccであり、メルトインデックス(I)が5である発明のエチレン/オクテンコポリマーであった。比較例Z3は、100パーセントのポリマー19lであった。ポリマー19lは、密度が0.877g/ccであり、メルトインデックス(I)が30である発明のエチレン/オクテンコポリマーであった。比較例Z4は、100パーセントのポリマー19mであった。ポリマー19mは、Zn量が255ppmであり、密度が0.866g/ccであり、メルトインデックス(I)が5である発明のエチレン/オクテンコポリマーであった。ポリマー19j、19k、19lおよび19mを実施例1〜19および実施例19a〜19hと実質的に同様に調製した。本出願に既に詳述したプロセス条件を用いて、目標のポリマーを製造するために、シャトリング剤の割合、水素流量、モノマー濃度等のプロセス条件をどのように操作するかを当業者は知っている。
実施例46〜57
実施例46は、90パーセントのポリマー19mと10パーセントのPROFAX(登録商標)PF814、すなわちBasell Polyorefins、メリーランド州ElktonのHMS−PPとのブレンドであった。実施例47は、85パーセントのポリマー19mと15パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例48は、95パーセントのポリマー19mと5パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例49は、95パーセントのポリマー19jと5パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例50は、90パーセントのポリマー19jと10パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例51は、85パーセントのポリマー19jと15パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例52は、85パーセントのポリマー19kと15パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例53は、90パーセントのポリマー19kと10パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例54は、95パーセントのポリマー19kと5パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例55は、95パーセントのポリマー19lと5パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例56は、90パーセントのポリマー19lと10パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。実施例57は、85パーセントのポリマー19lと15パーセントのPROFAX(登録商標)PF814とのブレンドであった。
比較例Z1〜Z4および実施例46〜57を(ブレンドの場合は)乾燥混合し、次いで80トンのArburg370C射出成形機(ARBURG GmbH+Co KG、ドイツLossburgから入手可能)を使用して、4インチ×6インチ×0.125インチの試験飾り板に射出成形した。金型は、研磨された平滑な表面を有し、ファンゲートを介する低温扇車を使用していた。(迅速に固化する樹脂の能力を試験するために)成形条件を23秒の全サイクル時間一定に保持した。
比較例Z1〜Z4および実施例46〜57を上述のように飾り板または部品に射出成形し、続いてそれらに対して「金型への部品の粘着」試験、「部品同士の初期粘着」試験、ショアA硬度、「部品品質」試験および「熟成部品粘着」試験を行った。
「金型への部品の粘着」試験は、成形部品が金型表面に接着し、金型から射出されなくなるかどうかを観察することを含んでいた。「イエス」評価は、好ましくなく、成形部品が金型に粘着し、手動抽出が必要であったことを意味する。「ノー」は、好ましく、成形部品が金型に粘着せず、手動抽出せずにコンベヤシステムに落下したことを意味する。「部品同士の初期粘着」試験では、各サンプルの2つの成形部品を射出成形直後に重ね;手圧をかけ;次いで成形部品を互いに引き離した。2つの部品を互いに引き離すのに必要な力を測定した。各対の評価としては、3(最良、粘着なし、2つのサンプルを引き離すのに必要な力は0)から1(最悪、過度の粘着、2つのサンプルを引き離すのに実質的な手力が必要であった)を与えた。次いで、成形部品を脇に置き、24時間寝かせた。24時間後、各成形部品のショアA硬度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D2240に従って測定した。各サンプルに対する2つのショアA硬度測定値の平均を記録した。さらに、各成形部品を「部品の品質」および「熟成部品の粘着」について格付けした。「部品の品質」を5(最良、空隙、反り、収縮のない完璧な部品)から1(最悪、過度の空隙、部品の反り、過度の収縮)で評価した。2つの成形部品を重ね;手圧をかけ、部品を互いに引き離すことによって「熟成部品の粘着」を試験した。2つの部品を互いに引き離すのに必要な力の量を測定した。各対の評価としては、5(最良、粘着なし、2つのサンプルを引き離すのに必要な力は0)から1(最悪、過度の粘着、2つのサンプルを引き離すのに実質的な手力が必要であった)を与えた。比較例Z1〜Z4および実施例46〜57の試験結果を以下の表13に示す。
Figure 0005672471
表13の試験データは、発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマー(例えば、ポリマー19j、19k、19lおよび19m)の粘着性および硬度を、それらの各々をPROFAX(登録商標)PF814などのHMS−PPと混合することによって向上させることができることを示している。
本明細書に開示されているポリマーブレンドのいくつかは、いずれの単独のポリマーブレンドの成分より良好な組合せの成形性、外観的魅力、非粘着性および機械特性を提供することができる。例えば、ポリマー19fと少なくとも1つの他のポリマーとのポリマーブレンドである実施例21〜26は、単独のポリマー19f(すなわち実施例20)またはポリマーブレンドでない比較例M〜Pより良好なバランスの屈曲弾性率、引裂き強度およびTMAによる0.1mm貫入温度を示す。同様に、ポリマー19a、19bまたは19iを含むポリマーブレンド(すなわち、実施例34〜36、38〜40および42〜44)は、KRATON(登録商標)G1652、AFFINITY(登録商標)EG8100、または対応する単独のポリマー19a、19bまたは19iより良好なバランスのTMAによる1mm貫入温度および弾性回復率を有する。同様に、ポリマー19j、19k、19lまたは19mを含むポリマーブレンド(すなわち実施例46〜57)は、対応する単独のポリマー19j、19k、19lまたは19mより良好なバランスの粘着性(すなわち、より低い粘着性)および硬度(すなわち、より高い硬度)を有する。
さらなる実施例
連続溶液重合を、十分に混合されたコンピュータ制御反応器にて実施する。精製された混合アルカン溶媒(ExxonMobile Chemical Companyから入手可能なISOPAR(商標)E)と、エチレンと、1−オクテンと、水素(使用される場合)とを混合し、27ガロンの反応器に供給する。反応器への供給量をマスフローコントローラによって測定する。反応器に入る前に、グリコール冷却熱交換器を使用することによって、供給流の温度を制御する。ポンプおよびマスフローメータを使用して、触媒成分溶液を計量する。約550psigの圧力で反応器に流動液を満たす。反応器を出ると、水および添加剤をポリマー溶液に注入する。水は、触媒を加水分解し、重合反応を終了させる。次いで、反応器後の溶液を、二段階脱蔵に備えて加熱する。脱蔵プロセス中に溶媒および未反応モノマーを除去する。溶融したポリマーを水中ペレット切断に向けてダイまで輸送する。
方法の詳細および結果を表14に示す。選択されたポリマー特性を表15に示す。
Figure 0005672471
Figure 0005672471
比較例AA1は、0.868g/cmの密度および0.5g/10分(190C/2.16kg)のメルトインデックスを有するエチレン/オクテンコポリマーである。それは、商品名ENGAGE(商標)8150(The Dow Chemical Company)で商業的に入手可能である。比較例AA2は、0.864g/cmの密度および13g/10分(190C/2.16kg)のメルトインデックスを有するエチレン/オクテンコポリマーである。それは、商品名ENGAGE(商標)8130(The Dow Chemical Company)で商業的に入手可能である。
実施例58〜63ならびに比較例AA1およびAA2と油のブレンドをZSK30mm二軸スクリュー押出機で調製した。ロスインウェイトフィーダを使用してニート樹脂を供給し、モータ動力スクリューポンプを用いて油を供給した。1つのホールダイを有する実験室規模の水中ペレタイザを使用して、化合物を粒状化した。
滲出による油の損失を6”×4”×0.12”の射出成形飾り板上で分析した。成形後、飾り板を試験温度(23℃および−5℃)で48時間調湿し、一定の重量が達成されるまで48時間毎に吸収性ティッシュで拭いて再度重量測定することによって油の損失を監視した。最大油吸収量を、油滲出がまったくまたは非常にわずかしか生じない油含有量として定義した。
比較例AA1およびAA2ならびに実施例58〜63、およびこれらのポリマーと油のブレンドについて、熱機械(TMA)特性、硬度、圧縮歪み特性、引裂き強度、引張強度、流動特性、屈曲弾性率およびDSCを測定した。
熱機械分析(TMA)技術による貫入温度を以上に示したように測定した。プローブがサンプルにそれぞれ0.1mmおよび1mm貫入したときに実験を終了した。
各サンプルのショアA硬度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D2240に従って測定した。
23℃および70℃における各サンプルの圧縮歪み特性を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D395に従って測定した。
各サンプルの屈曲弾性率を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D790に従って測定した。
各サンプルの引裂き強度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D624に従って測定した。
各サンプルの引張強度を、参照により本明細書に組み込まれているASTM D638に従って測定した。
流動特性を、190℃および230℃で、毛管流動計を介して測定した。
DSC測定を以上に示すように行った。
ブレンドに使用した油は、ParaLux(登録商標)6001R(Chevron Corp.)、すなわち中粘度(ASTM D445による粘度@100℃が12.5cSt)パラフィン油(ASTM D1250による比重@60°Fが0.8747)であった。油含有量を油充填ブレンドに存在する油の重量パーセントで表す。
図10は、室温、5℃および10℃における実施例58〜63ならびに比較例AA1およびAA2についての最大油吸収量を示す。わかるように、実施例58〜63は、類似した密度およびメルトインデックスの比較例AA1およびAA2と比較して、各温度において同等以上の油保持率を示す。表16は、実施例58〜63ならびに比較例AA1およびAA2についての室温、5℃および10℃における最大油保持率を示す。何らかの特定の理論に縛られることを望むことなく、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、非晶質ブロックがより大きい膨張および油含有を可能にするそれらの独特のブロック構造の性質により優れた油吸収性を示すと考えられる。
Figure 0005672471
以下の図17〜22は、実施例58〜63および比較例AA1についての様々な油量における圧縮歪み、ショアAおよびTMA(すべての実施例ではない)を示す。
Figure 0005672471
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図11は、実施例58、60および61ならびに比較例AA1について、油含有量(重量パーセント)に対してプロットしたショアAを示す。図12は、実施例58、59および61ならびに比較例AA1について、ショアAに対してプロットしたTMAを示す。図13は、実施例58および61ならびに比較例AA1について、ショアAに対してプロットした23℃の圧縮歪みを示す。図14は、実施例58および62ならびに比較例AA1について、ショアAに対してプロットした70℃の圧縮歪みを示す。何らかの特定の理論に縛られることを望むことなく、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、それらの独特のブロック構造により、より高い油含有量における優れた低圧縮歪み値の維持を示す。
以下の表23は、実施例58および油が充填されていない実施例62についての異なる油量における毛管流動データ(粘度対剪断速度)を示す。図15は、このデータについての剪断速度に対してプロットした粘度を示す。
Figure 0005672471
表24は、異なる油量における実施例58および比較例AA1についての引張強度および伸度データを示す。図16は、0重量パーセント、20重量パーセントおよび50重量パーセントの油を含む実施例58、ならびに0重量パーセント、30重量パーセントおよび40重量パーセントの油を含む比較例AA1についてのパーセント単位の伸度に対してプロットしたpsi単位の引張強度を示す。
Figure 0005672471
以下の表25および26は、異なる油量における実施例58および比較例AA1のDSC分析を示す。表25は、実施例58が50重量パーセントの油含有量までその溶融エンタルピを維持することを示す。しかし、表26は、比較例AA1が30パーセントの油含有量までしかその溶融エンタルピを維持しないことを示す。
Figure 0005672471
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以上に実証したように、本発明の実施形態は、様々な用途の成形品を製造するのに好適である独特の物理特性および機械特性を保持する様々なポリマーブレンドを提供する。該ブレンドは、比較的低い弾性率を有しながら、比較的高い耐熱性を維持する。当該特性のバランスは、該ブレンドを、軟質成形品を製造するのに好適なものとする。さらに、いくつかのブレンドは、表面の粘着がほとんどまたはまったくない。
限定された数の実施形態に関して本発明を説明したが、一実施形態の具体的な特徴を本発明の他の実施形態に帰するべきでない。単一の実施形態が、本発明のすべての態様を代表することはない。いくつかの実施形態において、該組成物または方法は、本明細書に記載されていない多くの化合物または工程を含むことができる。他の実施形態において、該組成物または方法は、本明細書に列挙されていない化合物または工程を含まない、または実質的に含まない。記載の実施形態の変更および修正が存在する。最後に、数字を記載するのに「約」または「およそ」という用語が用いられているかどうかにかかわらず、本明細書に開示されているいずれの数字もおよその数字を指すものと見なされるべきである。添付の請求項は、本発明の範囲内に含まれるものとしてそれらすべての修正および変更を包括することを意図する。

Claims (20)

  1. (i)(a)1.7から3.5のMw/Mn、セルシウス度単位の110℃〜130℃の少なくとも1つの融点Tm、グラム/平方センチメートルの単位の0.80g/cm〜0.877g/cmの密度dを有し、Tmとdの数値が関係:
    Tm≧−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
    に対応する少なくとも1つのエチレン/α−オレフィンインターポリマーと、
    (ii)少なくとも1つの油からなるポリマーブレンド
    であって、前記ブレンドが10パーセントから40パーセントの範囲の量の油を含む、
    ブレンド。
  2. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、1.7から3.5のMw/Mn、セルシウス度単位の少なくとも1つの融点Tm、およびグラム/平方センチメートルの単位の密度dを有し、Tmとdの数値が関係:
    Tm>858.91−1825.3(d)+1112.8(d)
    に対応する、請求項1に記載のポリマーブレンド。
  3. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、1.7から3.5のMw/Mnを有し、J/g単位の融解熱ΔH、および最大DSCピークと最大CRYSTAFピークの温度差として定義されるセルシウス度単位のデルタ量ΔTによって特徴づけられ、ΔTおよび
    ΔHの数値が以下の関係:
    ΔHが0J/gより大きく、130J/g以下である場合はΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
    ΔHが130J/gより大きい場合はΔT≧48℃を有し、CRYSTAFピークが、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して測定され、ポリマーの5パーセント未満が識別可能なCRYSTAFピークである場合は、CRYSTAF温度が30℃である、請求項1または2に記載のポリマーブレンド。
  4. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定された300パーセント歪みおよび1サイクルにおけるパーセント単位の弾性回復率Reによって特徴づけられ、グラム/立方センチメートル単位の密度dを有し、Reおよびdの数値が、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に有さないときに以下の関係:
    Re>1481−1629(d)
    を満たす、請求項1から3のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  5. Reおよびdの数値が以下の関係:
    Re>1491−1629(d)を満たす、請求項4に記載のポリマーブレンド。
  6. Reおよびdの数値が以下の関係:
    Re>1501−1629(d)を満たす、請求項4に記載のポリマーブレンド。
  7. Reおよびdの数値が以下の関係:
    Re>1511−1629(d)を満たす、請求項4に記載のポリマーブレンド。
  8. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、TREFを使用して分別したときに40℃から130℃で溶出する分子フラクションを有し、該フラクションが、同じ温度範囲で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマーフラクションの場合より少なくとも5パーセント多いモルコモノマー含有量を有することを特徴とし、前記同等のランダムエチレンインターポリマーが、同じコモノマーを有し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの場合の10パーセント以内のメルトインデックス、密度および(全ポリマーに対する)モルコモノマー含有量を有する、請求項1から7のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  9. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、25℃における貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)によって特徴づけられ、G’(25℃)とG’(100℃)の比が1:1から10:1である、請求項1から8のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  10. エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおけるα−オレフィンが、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエン、またはそれらの組合せである、請求項1から9のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  11. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、全組成物の50重量パーセントから95重量パーセントの範囲で存在する、請求項1から10のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  12. 油が、アロマ系油、ナフテン系油、パラフィン系油、またはそれらの組合せである、請求項1から11のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  13. 50重量パーセントを含む50重量パーセントまでの量の油を含む、請求項1から12のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  14. 20重量パーセントから30重量パーセントの範囲の量の油を含む、請求項13に記載のポリマーブレンド。
  15. 10重量パーセントから20重量パーセントの範囲の量の油を含む、請求項1から13のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  16. 10重量パーセントから50重量パーセントの範囲の量の油を含む、請求項1から13のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  17. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、TREFを使用して分別したときに40℃から130℃で溶出する少なくとも1つの分子フラクションを有し、該フラクションが少なくとも0.5から1までのブロックインデックスおよび1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有することを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  18. エチレン/α−オレフィンインターポリマーが、0より大きく、1.0までの平均ブロックインデックス、および1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有する、請求項1から17のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載のポリマーブレンドを含む軟質成形品。
  20. 玩具、取手、ソフトタッチハンドル、バンパ摩擦ストリップ、床敷き、自動車床マット、車輪、キャスタ、家具および家庭器具の脚、タグ、シール、静止型ガスケットおよび非静止型ガスケットなどのガスケット、自動車ドア、バンパフェーシャ、グリル部品、ロッカーパネル、ホース、裏張り、事務用消耗品、シール、ライナ、仕切板、チューブ、蓋、栓、プランジャーチップ、配送システム、台所用品、靴、靴袋、靴底ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の軟質成形品。
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