JP5672170B2 - 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5672170B2
JP5672170B2 JP2011140182A JP2011140182A JP5672170B2 JP 5672170 B2 JP5672170 B2 JP 5672170B2 JP 2011140182 A JP2011140182 A JP 2011140182A JP 2011140182 A JP2011140182 A JP 2011140182A JP 5672170 B2 JP5672170 B2 JP 5672170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mark
pressed object
mother block
pressing
pressed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011140182A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012028762A (ja
Inventor
文雄 成瀬
文雄 成瀬
多田 直哉
直哉 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2011140182A priority Critical patent/JP5672170B2/ja
Publication of JP2012028762A publication Critical patent/JP2012028762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5672170B2 publication Critical patent/JP5672170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、例えば、マザーブロックなどの被プレス物がプレスされた際の被プレス物の密度変化を評価する方法及び積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
従来、セラミックコンデンサなどの積層セラミック部品は、一般的に、表面に電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを適宜積層し、適宜プレスすることにより形成したマザーブロックを、分割し、焼成することにより作製されている。ここで、セラミックグリーンシートの積層体をプレスするのは、セラミックグリーンシートの剥離を抑制するためである。
例えば、下記の特許文献1には、セラミックグリーンシートの積層体のプレスに関する発明が記載されている。具体的には、特許文献1には、積層体の密度が面内において均一になり、かつ歪みが生じにくい積層体の圧着方法が記載されている。
特開2003−133171号公報
上述のように、セラミックグリーンシートの表面には、電極パターンが形成されている。このため、積層体のうち、電極パターンが設けられている部分と、電極パターンが設けられていない部分とで厚み差が生じる。従って、プレス工程においては、電極パターンが設けられている部分から、電極パターンが設けられていない部分へ、セラミックグリーンシートが流動し、歪みが発生することがある。歪みが生じたマザーブロックを次工程である分割工程で分割した場合、所望しない部分で切断してしまうこととなり、良品率が低下してしまう。
例えば、上記特許文献1には、積層体に生じる歪みを低減し得るプレス方法が記載されているが、このプレス方法により積層体に生じる歪みを十分に抑制しようとすると、積層体の内部の密度変化を正確に評価し、その結果に基づいて圧着条件などを設定する必要がある。
しかしながら、被プレス物がプレスされた際の、被プレス物の密度変化を正確に評価する方法がなかった。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被プレス物の密度変化を正確に評価し、プレス方法を提供することにある。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法は、被プレス物をプレスした際の被プレス物の密度変化を評価する方法に関する。本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法は、被プレス物のプレス前に、被プレス物のプレス方向に沿った面の密度変化を評価しようとする評価部分に複数のマークを形成する工程と、前記マークの面積と前記マークの間の距離をモニタリングしながら前記評価部分の密度変化を評価する評価工程とを備えている。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法のある特定の局面では、評価工程において、被プレス物のプレス前におけるマークの面積をS0とし、被プレス物のプレス後におけるマークの面積をS1としたときに、S0/S1により評価部分の面積変化率を算出し、面積変化率に基づいて密度変化を評価する。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法の他の特定の局面では、評価工程において、被プレス物のプレス前におけるマークの面積と被プレス物のプレス後におけるマークの面積とを比較することで密度変化を評価するとともに、被プレス物のプレス前とプレス後とにおけるマークの位置及び形状の少なくとも一方を比較することにより、プレスによる被プレス物の変形をさらに評価する。この場合、評価部分の密度変化を正確に評価できると共に、評価部分の移動や傾きなどの変形も正確に評価することができる。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法の別の特定の局面では、被プレス物のプレス方向に沿った面に、金属膜を蒸着することによりマークを形成する。この場合、例えばスクリーン印刷法によりマークを形成する場合とは異なり、マークを形成するための部材などがマークを形成する面に接触することを抑制することができる。従って、マークを形成する面が損傷することを抑制することができる。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法のさらに他の特定の局面では、評価工程において、被プレス物のプレス前におけるマークの面積と被プレス物のプレス途中のマークの面積とを比較することでプレス中の密度変化を評価する。これによれば、プレス工程が進行するにつれて、評価部分の密度が経時的にどのように変化するかを評価することができる。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法のさらに別の特定の局面では、被プレス物は、表面に電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートが複数枚積層されてなるマザーブロックである。
本発明に係る被プレス物の密度変化評価方法のさらにまた他の特定の局面では、マークを形成する工程は、マザーブロックのプレス方向に沿った面に、セラミックグリーンシートの積層方向にわたって電極パターンが露出した複数の電極形成領域と、電極形成領域の間に位置する電極非形成領域とを形成し、電極非形成領域にマークを形成する。電極形成領域の間に位置している電極非形成領域においては、マザーブロックのプレスによって密度が大きく変化しやすいため、この部分の密度変化を評価することにより、マザーブロックの密度変化を好適に評価することができる。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、表面の一部の上に複数の電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層することによりマザーブロックを作製するマザーブロック作製工程と、マザーブロックをプレスするマザーブロックプレス工程と、プレスされたマザーブロックを複数に分断することにより、内部に複数の電極を有する積層セラミック電子部品を得るためのチップを複数作製する分断工程とを備え、マザーブロックプレス工程に先立ち、マザーブロック作製工程で作製された被プレス物を用意し、当該被プレス物のプレス方向に沿った面にマークを複数形成した後、被プレス物におけるマークの面積の変化と前記マーク間の距離をモニタリングしながら被プレス物をプレスし、前記マークの面積が変化せず、且つ、前記マーク間の距離が変化し始める最低プレス圧を得る工程を実施し、その結果に基づき、その後に実施されるマザーブロックプレス工程でのプレスを前記最低プレス圧以下の圧力で行う。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法のある特定の局面では、マザーブロックの一側面に複数のセラミックグリーンシートのそれぞれの上に形成された電極パターンが露出し、且つ、マザーブロックの一側面において、電極パターンが露出した露出領域が複数形成されると共に、隣り合う露出領域の間に電極パターンが露出していない非露出領域が形成されるようにマザーブロックを形成する。このマザーブロックの非露出領域にマークを形成する。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の他の特定の局面では、プレスされたマザーブロックの分断をダイシングにより行う。
本発明によれば、プレスによる被プレス物の密度変化を正確に評価することができる。
本発明を実施した一実施形態におけるマザーブロックの略図的斜視図である。 本発明を実施した一実施形態におけるマザーブロックの一部分の略図的平面図である。 表面に電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートの略図的平面図である。 セラミックグリーンシート積層体の略図的平面図である。 マークの形成工程を説明するための略図的斜視図である。 マークの形成工程を説明するための略図的側面図である。 図6のVII部分の模式的拡大図である。 マザーブロックのプレス後のマークの形状を説明するための模式図である。 マザーブロックのプレス後のマークの形状を説明するための模式図である。 マザーブロックのプレス後のマークの姿勢を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は、単なる一例である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
本実施形態では、被プレス物が積層セラミック電子部品を作製するためのマザーブロックを例にして本発明の密度変化評価方法を説明する。但し、本発明において、被プレス物は、マザーブロックに限定されない。本発明は、どのような被プレス物に対しても好適に適用できる。もっとも、本発明は、積層構造を有する被プレス物に対して特に好適に適用される。
(マザーブロック1の形態)
図1は、本発明を実施した一実施形態におけるマザーブロックの略図的斜視図である。図2は、本発明を実施した一実施形態におけるマザーブロックの一部分の略図的平面図である。
まず、図1及び図2を参照しながら、被プレス物であるマザーブロック1の構成について説明する。図1及び図2に示すように、マザーブロック1は、複数のセラミック層11がz方向に沿って積層されてなるブロック本体10を備えている。
図2に示すように、ブロック本体10の内部には、マトリクス状に配列された複数の電極12a(図2においては、一点破線で示している。)と、マトリクス状に配列された複数の電極12b(図2においては、破線で示している。)が設けられている。複数の電極12aと複数の電極12bとは、z方向において異なる位置に設けられている。複数の電極12aと複数の電極12bは、それぞれ同じピッチでマトリクス状に配列されており、y方向において1/2だけピッチがずらされている。このため、複数の電極12aの一部と、複数の電極12bの一部とはz方向においてセラミック層11を介して対向している。また、図1に示すように、マザーブロック1の積層方向に沿った面(x方向)には、電極12a、12bが設けられている複数の電極形成領域A1と、電極12a、12bが設けられていない複数の電極非形成領域A2とが設けられている。電極非形成領域A2は、x方向において、隣接する電極形成領域A1の間に位置している。
なお、電極12a、12bは、マザーブロック1から作製される積層セラミック電子部品の電極を構成するものである。
また、マザーブロック1の側面1aには、第2の電極12bが露出している。
(マザーブロック1の製造方法)
次に、マザーブロック1の製造方法の一例について、図3及び図4を参照しながら説明する。
まず、セラミック層11を構成するためのセラミックグリーンシート13(図3を参照)を用意する。セラミックグリーンシート13の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以下とすることができる。
セラミックグリーンシート13の作製方法は、特に限定されない。セラミックグリーンシート13は、例えば以下のような方法で作製することができる。まず、セラミック粉末を、溶剤、バインダ、可塑剤などと共に混合することによりスラリーを作製する。スラリーの作製に用いる溶媒の具体例としては、例えば、水、エステル系またはアルコール系化合物が挙げられる。また、これらの溶媒のうちの2種以上を混合して使用してもよい。スラリーの作製に用いるバインダの具体例としては、例えば、ポリビニルブチラール系化合物やアクリル系化合物が挙げられる。また、これらのバインダーのうちの2種以上を併用してもよい。
次に、ドクターブレード法やリバースロール法などを用いてスラリーを樹脂フィルムに塗布し、乾燥させることによりセラミックグリーンシート13を作製することができる。
次に、セラミックグリーンシート13の表面上に電極パターン14を形成する。電極パターン14は、第1または第2の電極12a,12bがマトリックス状に配列されたものである。電極の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1μm〜2μm程度とすることができる。電極パターン14は、例えばスクリーン印刷法などにより形成することができる。なお、電極パターン14の形成方法は、特に限定されない。
次に、電極パターン14が形成されていないセラミックグリーンシート13を複数枚積層し、その後、電極パターン14が形成されたセラミックグリーンシート13を電極パターン14がy方向にピッチが1/2だけずれるように複数枚積層し、最後に、電極パターン14が形成されていないセラミックグリーンシート13を複数枚積層することにより、図4に示すセラミックグリーンシート積層体15を作製する。その後、図4に示すカッティングラインLで切断することにより、図1に示す、電極形成領域A1と電極非形成領域A2が、側面1aに露出したマザーブロック1を得る。複数の電極形成領域A1は、電極12bが露出した領域であり、複数の電極非形成領域A2は、電極12bが露出していない領域である。電極非形成領域A2は、x方向において、隣接する電極形成領域A1の間に位置している。なお、セラミックグリーンシート積層体15の切断は、ダイシングや押切により行うことができる。
(マザーブロック1の局所的密度変化評価方法)
次に、被プレス物としてのマザーブロック1をz方向(すなわち、積層方向)にプレスする際の密度変化評価方法について説明する。
上述のように、マザーブロック1の側面1aにおいては、電極形成領域A1と電極非形成領域A2とが設けられている。そして、電極形成領域A1と電極非形成領域A2とでは、プレス前において電極の厚みだけ電極形成領域A1の方が電極非形成領域A2より厚みが厚くなっている。よって、マザーブロック1をz方向にプレスすると、電極12は、セラミックグリーンシート13より硬いため、電極形成領域A1内のセラミック層11は、電極非形成領域A2へ流動しやすい。従って、マザーブロック1においては、電極非形成領域A2における密度変化を正確に評価することが重要となる。このため、ここでは、電極非形成領域A2における密度変化を評価する方法について説明する。
まず、マザーブロック1のプレス前に、マザーブロック1の側面1aの電極非形成領域A2に、密度変化測定用のマーク21(図6を参照)を形成する。具体的には、マーク21を形成する方法として、まず、図5に示すように、側面1aの上に、側面1aの少なくとも電極非形成領域A2に位置している部分を覆うように、側面1aの全体にわたり形成し、例えば、レーザなどにより、金属膜20の一部を除去することにより、図6に示すように、側面1aにマーク21を形成する。なお、金属膜20の種類は特に限定されない。金属膜20は、例えば、PtやAl、Cr、Au、Agなどの金属や、これらの金属の一種以上を含む合金などにより形成することができる。また、マークを金属膜以外の染料で形成してもよい。
金属膜20は、例えば、スクリーン印刷法などの各種印刷法や、蒸着法やスパッタリング法などの薄膜形成法により形成することができる。なかでも、真空蒸着法やスパッタリング法などの薄膜形成法により金属膜20を形成することが好ましい。この場合、金属膜20の形成に際して、治具等がマザーブロック1の側面1aに直接接触しないため、側面1aが損傷しにくいためである。
なお、マスクを用いて、マークを側面1aの上に直接形成してもよい。その場合には、例えば、マスクを要さないインクジェット法などによりマークを容易に形成することができる。
本実施形態では、上記マーク21を、電極非形成領域A2に、x方向及びz方向に沿ってマトリクス状に複数形成する例について説明する。但し、本発明において、マークの数は任意である。
マーク21の大きさは、例えば、一辺の大きさが50μm程度とすることができる。マーク21が大きすぎると、マーク21自体がセラミックグリーンシート13の流動を阻害するため、マーク21がない状態の流動態様を正確に把握できなくなる。一方、マーク21が小さすぎると、マーク21の面積変化などが正確に検出することが困難になるため、密度変化を正確に評価することが困難となる。
本実施形態では、具体的には、図7に示すように正方形状のマーク21を形成した。以下、説明の便宜上、マザーブロック1のプレス前のマーク21を、「プレス前マーク21a」とし、プレス後のマーク21を「プレス後マーク21b」とすることとする。
マーク21の厚みは、例えば、10nm以上50nm以下であることが好ましい。マーク21が厚すぎると、マーク21の強度が高まるため、マーク21が変形しにくくなり、また、セラミックグリーンシート13の流動を阻害するため、マーク21がない状態の流動態様を正確に把握できなくなる。一方、マーク21が薄すぎると、マーク21が不明瞭になり、マーク21の面積などの測定精度が悪化する場合がある。
次に、マザーブロック1のプレスを行う。具体的には、上金型と下金型でマザーブロックを挟み、上金型と下金型の間に圧力をかけることでプレスを行う。プレス条件は、マザーブロック1に応じて適宜設定することができる。マザーブロック1は、例えば、80℃で100MPaで行うことができる。
そして、カメラなどを用いて、マザーブロック1のプレス前とプレス後とにおいて、マークを撮影する。プレス前マーク21aの一例を図7、プレス後マーク21bの一例を図8に示す。
そして、プレス前マーク21aの個々の面積と、プレス後マーク21bの個々の面積とを比較することにより、評価部分である領域A2の密度変化を評価する。
ここで、
プレス前マーク21aの面積:S0、
プレス後マーク21bの面積:S1、
プレス前マーク21aを奥行き方向へ透過したときのセラミック部分の重量を:M0、
プレス後マーク21bを奥行き方向へ透過したときのセラミック部分の重量を:M1、とする。
プレスにおいて重量の変化は生じないため、M0=M1となる。
このため、理論上、プレス後の密度M1/S1を、プレス前の密度M0/S0で除算して得られる密度変化率は、(M1/S1)/(M0/S0)=S0/S1となる。従って、S0/S1を求めることにより、マーク21が形成されている部分のプレスによる局所的な密度変化を正確に評価することができる。
また、プレス前マーク21aの位置、形状をカメラにて撮影し、プレス後マーク21bの位置、形状をカメラにて撮影し、プレズ前後において、マークの位置及び形状の少なくとも一方を比較することによって、プレスによるマザーブロック1の変形を評価することができる。
具体的には、例えば、図8に示すように、図7に示す正方形状のマーク21が長方形状に変形した場合は、マーク21が形成されている部分がz方向に圧縮されたことが分かる。
一方、図9に示すように、プレス後マーク21bが平行四辺形になった場合は、マーク21が形成された部分がz方向に圧縮されると共に、x方向に歪んだことが分かる。
また、図10に示すように、プレス後マーク21bがプレス前マーク21aに対して回転している場合は、マーク21が形成された部分がy軸を中心とする回転方向に歪んだことが分かる。
また、マーク21の面積、位置、形状などを、カメラを用いて撮像し、マザーブロック1のプレス開始時からプレス終了時にわたって時間毎の変化を捉えることによって、マーク21から測定された密度や歪みが、プレス中においてどのように変化していくかを経時的に評価することができる。すなわち、プレス工程における、マーク21が形成されている部分の密度や歪みの挙動解析を行うことができる。
なお、本実施形態では、上記マーク21を側面1aに形成する例について説明したが、本発明において、マークの位置は限定されない。本発明において、マークは、密度変化を評価したい部分に形成すればよい。
上記実施形態に係る被プレス物の密度変化評価方法は、例えば以下のようなの積層セラミック電子部品の製造方法に応用することができる。
積層セラミック電子部品の製造に際しては、まず、上記実施形態で説明したマザーブロック1を作製する。具体的には、表面の一部の上に複数の一定の厚みを持つ電極12aがマトリックス状に形成された複数のセラミックグリーンシートと、表面の一部の上に複数の一定の厚みを持つ電極12bが形成された複数のセラミックグリーンシートとを交互に積層することにより、マザーブロック1を作製するマザーブロック作製工程を行う。次に、マザーブロック1を積層方向に所定の圧力でプレスする。その後、プレスされたマザーブロック1を直線状の切断線で複数に采の目状に分断する分断工程を行うことにより、内部に複数の電極を有する積層セラミック電子部品を得るためのチップを複数作製する。その後、必要に応じてチップを焼成したり、めっき法などにより外部電極を形成したりすることにより積層セラミック電子部品を完成させる。
なお、プレスされたマザーブロックの分断はダイシングにより行うことが好ましい。例えば、マザーブロックの分断を押切りにより行うと、押切り刃との間の摩擦抵抗によりセラミックグリーンシートが層間剥離が起こる虞があるが、ダイシングによる分断であればセラミックグリーンシートが層間剥離しにくいためである。
上記積層セラミック電子部品の製造方法においては、マザーブロック1のプレス条件を被プレス物の密度変化評価方法を用いて決定する。
具体的には、積層セラミック電子部品の製造に用いるマザーブロックと同じマザーブロック1を評価用として作成する。次に、マザーブロック1の電極12a及び電極12bを含む位置でx方向に切断することで、マザーブロック1の一側面において、電極12a、12bが露出した露出領域が複数形成されると共に、隣り合う露出領域の間に電極12a、12bが露出していない非露出領域が形成されるようにする。次いで、マーク21を上記マザーブロック1の密度変化を評価しようとする一側面の非露出領域にマーク21を形成する。マーク21は、被露出領域を覆うように複数個形成する。その後、被プレス物であるマザーブロック1をプレスし、被プレス物におけるマークの面積の変化と前記マーク間の距離をモニタリングし、評価部分の密度変化を評価する評価工程を行う。この評価工程にて、前記マークの面積が変化せず、且つ、前記マーク間の距離が変化し始める際のプレス圧を最低プレス圧とする。
そして、積層セラミック電子部品の製造に際しては、マザーブロック1のプレスを、上記評価方法に基づく最低プレス圧以下の圧力で行う。
ところで、プレス前のマザーブロック1では、図2のように電極12a、12bが共に重なり合っている領域、及び電極12aと電極12bのそれぞれが重なり合っている領域があり、電極12aおよび電極12bが設けられていない領域と、電極12aと電極12bのそれぞれが重なり合っている領域に密度の低い領域が存在する。このため、マザーブロック1のプレス工程においては、まず、その密度の低い領域が押しつぶされることにより、密度変化が生じる。より具体的には、図2において、積層方向から視て、電極12aと電極12bがそれぞれ重なり合っている領域密度の低い領域がまず消滅し、その後、電極12aと電極12bとの両方が存在しない領域の密度の低い領域が消滅する。マザーブロック1のプレスが進行し、密度の低い領域が完全に押しつぶされて消滅した後は、実質的な密度変化は生じない。密度の低い部分が完全に押しつぶされた後もマザーブロック1のプレスを継続すると、マザーブロック1においてセラミックの流動により電極の位置ズレが生じ、采の目状に直線状の切断線で切断した場合、得られる積層セラミック電子部品の中で電極の位置精度が低下してしまう結果となる。このように、電極の位置ズレが生じる場合は、被露出領域に形成された複数のマーク間の距離が変化することになるので、マーク間の距離の変化をモニタリングすることで、電極の位置ズレを把握することが可能となる。すなわち、マザーブロック1内の密度の低い領域が押しつぶされるまでは、マザーブロック1において電極の位置ズレが生じ難く、密度の低い領域が完全に押しつぶされた後もマザーブロック1のプレスを継続すると、マザーブロック1において電極の位置ズレが生じ、直線状の切断線で采の目状に切断した場合、得られる積層セラミック電子部品の中の電極の位置精度が低下してしまう結果となり、電極が積層セラミック電子部品の外郭に近い位置にある場合、外気からの水分侵入に弱くなり信頼性が低下する。
ここで、本実施形態では、予め製造に用いるものと同じマザーブロック1を用いて評価工程を行うことにより、最低プレス圧を見積もる。この最低プレス圧は、密度の低い領域が実質的に消滅するために必要な最低圧力である。そして、積層セラミック電子部品の製造に際しては、マザーブロック1のプレスを上記最低プレス圧以下の圧力で行う。よって、分断工程における電極の位置精度の低下を効果的に抑制することができる。その結果、電極の位置がずれていない高い位置精度の積層セラミック電子部品を製造することが可能となる。また、高い位置精度で積層セラミック電子部品を製造できるため、積層セラミック電子部品内で電極を大きくとることができるため各ギャップを小さくすることができる。従って、積層セラミック電子部品の小型化を図ることもできる。
なお、マザーブロック1のプレス圧を低くしすぎると、得られる積層セラミック電子部品内に多くの密度の低い領域が残存してしまう場合がある。このため、マザーブロック1のプレス圧は、積層方向から視て、一層おきに電極12aまたは電極12bが位置する領域の密度の低い領域が消滅するのに必要な圧力以上であることが好ましく、実質的に最低プレス圧と同じであることがより好ましい。
なお、マザーブロック1のプレスは、第1の狭持部材と第2の狭持部材とで狭持した状態で第1の狭持部材と第2の狭持部材とを近づけることにより行うことができる。第1及び第2の狭持部材の少なくとも一方とマザーブロック1との間にポリエチレンテレフタレートフィルム等の樹脂フィルムを介在させてもよい。
具体的には、厚み3.0μmのセラミックグリーンシート上に厚み1μmの内部電極を1900μm×1150μmの大きさで複数形成し、図2のような配置で330枚積層して、内部電極が印刷されていない厚み10μmのセラミックグリーンシートを上下に20枚積層する積層構造で、マザーブロックを製作した。
このマザーブロックを切断して、断面に内部電極の被露出領域と露出領域を露出させる。次に、被露出領域にマークを形成して、マークを観察しながら積層方向にプレスするプレス工程を行った。プレスする過程でマークの面積が減少し、マーク間の距離が変化するが、約30Mpaのプレス圧を境にマーク間の距離が広がるのみとなる。ここで、同様の積層構造でマザーブロックを作製し、約30Mpaの圧力でプレスを行い、ダイシングにより采の目状に個々のチップに分割した。すると、チップ内での内部電極位置のずれが10μm以下に抑制することが可能となった。
なお、マザーブロックをy方向に切断することで、電極12aと電極12bとが共に露出している領域と、電極12aと電極12bのどちらかが露出している領域とが露出する。マーク21を、これらの領域のいずれの領域に形成してもよい。但し、電極12aと電極12bのどちらかが露出している領域にマーク21を形成した場合は、密度変化が生じなくなるタイミングを検知するのが困難となるので、電極12aと電極12bとが共に露出している領域にマーク21を形成することが好ましい。
1…マザーブロック
1a…マザーブロックの側面
10…ブロック本体
11…セラミック層
12a…第1の電極
12b…第2の電極
13…セラミックグリーンシート
14…電極パターン
15…セラミックグリーンシート積層体
20…金属膜
21…マーク
21a…プレス前マーク
21b…プレス後マーク
S0…プレス前マーク21aの面積
S1…プレス後マーク21bの面積

Claims (10)

  1. 被プレス物をプレスした際の前記被プレス物の密度変化を評価する方法であって、
    前記被プレス物のプレス前に、前記被プレス物のプレス方向に沿った面の密度変化を評価しようとする評価部分に複数のマークを形成する工程と、
    前記マークの面積と前記マークの間の距離をモニタリングしながら前記評価部分の密度変化を評価する評価工程と、
    を備える、被プレス物の密度変化評価方法。
  2. 前記評価工程において、前記被プレス物のプレス前における前記マークの面積をS0とし、前記被プレス物のプレス後における前記マークの面積をS1としたときに、S0/S1により前記評価部分の面積変化率を算出し、前記面積変化率に基づいて密度変化を評価する、請求項1に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  3. 前記評価工程において、前記被プレス物のプレス前における前記マークの面積と前記被プレス物のプレス後における前記マークの面積を比較することで密度変化を評価するともに、前記被プレス物のプレス前とプレス後とにおける前記マークの位置及び形状の少なくとも一方を比較することにより、プレスによる前記被プレス物の変形をさらに評価する、請求項1または2に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  4. 前記被プレス物のプレス方向に沿った面に、金属膜を蒸着することにより前記マークを形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  5. 前記評価工程において、前記被プレス物のプレス前における前記マークの面積と前記被プレス物のプレス途中の前記マークの面積とを比較することでプレス中の密度変化を評価する請求項1〜3のいずれか一項に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  6. 前記被プレス物は、表面に電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートが複数枚積層されてなるマザーブロックである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  7. 前記マークを形成する工程は、前記マザーブロックのプレス方向に沿った面に、前記セラミックグリーンシートの積層方向にわたって前記電極パターンが露出した複数の電極形成領域と、前記電極形成領域の間に位置する電極非形成領域とを形成し、前記電極非形成領域に前記マークを形成する、請求項6に記載の被プレス物の密度変化評価方法。
  8. 表面の一部の上に複数の電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層することによりマザーブロックを作製するマザーブロック作製工程と、
    前記マザーブロックをプレスするマザーブロックプレス工程と、
    前記プレスされたマザーブロックを複数に分断することにより、内部に複数の電極を有する積層セラミック電子部品を得るためのチップを複数作製する分断工程と、
    を備え、
    前記マザーブロックプレス工程に先立って、
    前記マザーブロック作製工程で作成された被プレス物を用意し、
    当該被プレス物のプレス方向に沿った面にマークを複数形成した後、被プレス物におけるマークの面積の変化と前記マーク間の距離をモニタリングしながら被プレス物をプレスし、前記マークの面積が変化せず、且つ、前記マーク間の距離が変化し始める最低プレス圧を得る工程を予め行い、
    前記マザーブロックプレス工程を前記最低プレス圧以下の圧力で行う、積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記マザーブロックの一側面に前記複数のセラミックグリーンシートのそれぞれの上に形成された電極パターンが露出し、且つ、前記マザーブロックの一側面において、前記電極パターンが露出した露出領域が複数形成されると共に、隣り合う露出領域の間に前記電極パターンが露出していない非露出領域が形成されるように前記マザーブロックを形成し、
    前記被プレス物の前記非露出領域に前記マークを形成する、請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記プレスされたマザーブロックの分断をダイシングにより行う、請求項8または9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
JP2011140182A 2010-06-24 2011-06-24 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法 Active JP5672170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011140182A JP5672170B2 (ja) 2010-06-24 2011-06-24 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010143959 2010-06-24
JP2010143959 2010-06-24
JP2011140182A JP5672170B2 (ja) 2010-06-24 2011-06-24 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012028762A JP2012028762A (ja) 2012-02-09
JP5672170B2 true JP5672170B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=45781272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011140182A Active JP5672170B2 (ja) 2010-06-24 2011-06-24 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5672170B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03246917A (ja) * 1990-02-24 1991-11-05 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2950008B2 (ja) * 1992-02-24 1999-09-20 三菱マテリアル株式会社 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2860849B2 (ja) * 1992-10-19 1999-02-24 太陽誘電株式会社 積層電子部品の積層ずれ検出用チェックマーク、および積層ずれ検出用チェックマークが形成されている積層電子部品、並びに積層電子部品の積層ずれ検査方法
JP2001217139A (ja) * 2000-01-31 2001-08-10 Kyocera Corp 積層型電子部品の製法
JP2005136205A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2005191409A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP4639707B2 (ja) * 2004-09-13 2011-02-23 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4471924B2 (ja) * 2005-11-28 2010-06-02 京セラ株式会社 電子部品の製造方法
JP4506992B2 (ja) * 2007-03-23 2010-07-21 Tdk株式会社 シート積層体の切断方法
JP4793412B2 (ja) * 2008-07-17 2011-10-12 Tdk株式会社 積層型電子部品の不良品判別方法および積層型電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012028762A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5590054B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004047707A (ja) 積層セラミックコンデンサアレイ
JP7148343B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法及び積層セラミック電子部品
JP2009135322A (ja) 積層型電子部品の不良検出方法および積層型電子部品の製造方法
JP5672170B2 (ja) 被プレス物の密度変化評価方法及び積層セラミック電子部品の製造方法
JP5315987B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JPH0878273A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2010238991A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4539489B2 (ja) 積層コンデンサの製造方法
JP2007035715A (ja) 積層電子部品の製造方法
JP4466610B2 (ja) 加速度センサおよび加速度センサの製造方法
JP4692539B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
WO2014125930A1 (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JPH03123010A (ja) 積層電子部品の製造方法
JP2005259964A (ja) セラミック積層体の製造方法
JP4816348B2 (ja) セラミック積層体の製造方法
JP2006013245A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP4973077B2 (ja) セラミック積層体の製造方法
JP5810501B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4576900B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2014060259A (ja) セラミック積層体のカット方法、セラミック積層体のカット装置、および積層セラミック電子部品の製造方法
JP4106122B2 (ja) 積層圧電素子の製造方法
JPH03151615A (ja) 積層電子部品の製造方法
JP2009111256A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4793412B2 (ja) 積層型電子部品の不良品判別方法および積層型電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141208

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5672170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150