JP5810501B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関し、特に内部電極を有する例えば積層セラミックコンデンサ、積層LC複合部品、積層圧電アクチュエータおよび多層基板などの積層セラミック電子部品を製造する積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する際には、通常、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層、圧着してセラミックグリーンブロックを作製し、セラミックグリーンブロックを所定のサイズに切断して多数のセラミックグリーンチップを作製する工程を経る。ここで、セラミックグリーンブロックを切断する際には、内部電極パターン間のマージン部を精度よく切断する必要があるが、内部電極パターンは外からは見えないため、切断の基準となるカットマークがセラミックグリーンブロックの表面に設けられることが多い。
このような積層セラミック電子部品の製造方法が、例えば特開平07−335479号公報に記載されている(特許文献1参照)。
特開平07−335479号公報
上述のような積層セラミック電子部品の製造方法おいて、セラミックグリーンブロックを切断する手段としてはダイサーが存在する。
しかしながら、ダイサーによる切断を行う場合、カットマークを基準として位置合わせを行っているにも関わらず、セラミックグリーンブロックを狙い通りに切断することができないことがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、セラミックグリーンブロックをダイサーで切断する際に位置ずれが生じにくい積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、積層された複数のセラミックグリーンシートを含み、表面にカットマークを有するセラミックグリーンブロックを準備する工程と、セラミックグリーンブロックをテーブル上に載置する工程と、カットマークを基準にして、セラミックグリーンブロックに切削水をかけながら、ダイサーによりセラミックグリーンブロックを所定の寸法に切断する工程とを備えた積層セラミック電子部品の製造方法において、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づけることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、例えば、切断前のセラミックグリーンブロックに切削水をかけてセラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めることにより、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、例えば、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルに切削水をかけてセラミックグリーンブロックおよびテーブルを冷却しまたは温めることにより、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品では、例えば、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることにより、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度を、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることを特徴とする。
この発明を完成するにあたり、本発明者が鋭意研究したところ、ダイサー使用時の切断精度の低下は、切削水にあることがわかった。切削水とは、切断時の熱を抑えたり、切りくずを除去したりする目的で、ダイサー使用時にセラミックグリーンブロックにかけられる水である。すなわち、この切削水により、セラミックグリーンブロックが例えば冷却されて収縮し、位置合わせ時に比べてカットマークの位置がずれてしまうのである。
そこで、この発明では、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づける。より具体的には、あらかじめセラミックグリーンブロックに例えば切削水などの水をかけてセラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めるか、あらかじめセラミックグリーンブロックおよびテーブルに例えば切削水などの水をかけてセラミックグリーンブロックおよびテーブルを冷却しまたは温めるか、または、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づける。
なお、この発明において、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度とは、セラミックグリーンブロックが切断される前に、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークを基準として位置合わせを行う時のセラミックグリーンブロックの表面の温度である。
また、この発明において、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とは、セラミックグリーンブロックに切削水をかけながらセラミックグリーンブロックをダイサーで切断する時のセラミックグリーンブロックの表面の温度である。
この発明によれば、積層セラミック電子部品の製造方法において、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づけるので、例えば、セラミックグリーンブロックが切断時のセラミックグリーンブロックの大きさに対応してすでに収縮しまたは膨張した状態で位置合わせされることになり、または、セラミックグリーンブロックが切断前のセラミックグリーンブロックの大きさに対応した状態で切断されることになる。そのため、この発明によれば、セラミックグリーンブロックの切断時に切削水による影響を受けにくくなり、セラミックグリーンブロックをダイサーで切断する際に位置ずれが生じにくくなる。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切断前のセラミックグリーンブロックを切削水で冷却しまたは温めると、切削水以外の水を切断前のセラミックグリーンブロックにかけるための設備がいらない。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルに切削水をかけると、セラミックグリーンブロック以外にセラミックグリーンブロックが載置されたテーブルにも切削水がかけられるので、セラミックグリーンブロックの表面の温度が早く安定になる。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけると、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を調整する必要がなくなる。そのため、切断前のセラミックグリーンブロックに切削水などの水をかける必要がなくなる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明が適用される積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図である。 図1の線II−IIにおける断面図解図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサを製造するためのこの発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法の一例においてダイサーによりセラミックグリーンブロックを切断する工程を示す要部図解図である。 実験例においてブロックを21℃から13℃に冷却した際のカットマークの座標変化量を示すグラフであり、(A)は、X方向(ブロックの長手方向と同じ方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、(B)は、Y方向(平面的に見てX方向に直交する方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、横軸は、測定座標(mm)を示し、縦軸は、座標変化量(μm)(移動前後のカットマークの座標の差(μm))を示す。 実験例における対策の後にブロックに対して切削水をかけた際のカットマークの座標変化量を示すグラフであり、(A)は、X方向(ブロックの長手方向と同じ方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、(B)は、Y方向(平面的に見てX方向に直交する方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、横軸は、測定座標(mm)を示し、縦軸は、座標変化量(μm)(移動前後のカットマークの座標の差(μm))を示す。
図1は、この発明が適用される積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図であり、図2は、図1の線II−IIにおける断面図解図である。図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、例えば直方体状のセラミック素体12を含む。
セラミック素体12は、積層された複数のセラミック層14からなり、互いに対向する第1の主面16aおよび第2の主面16bと、互いに対向する第1の側面18aおよび第2の側面18bと、互いに対向する第1の端面20aおよび第2の端面20bとを有する。なお、セラミック素体12は、角部22および稜部24にそれぞれ丸みがつけられていることが好ましい。
セラミック素体12を形成するためのセラミック層14のセラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、セラミック層14のセラミック材料としては、それらの主成分にMn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分を添加したものが用いられてもよい。セラミック素体12の各セラミック層14の厚みは、0.5μm〜10μmであることが好ましい。
セラミック素体12の内部には、セラミック層14間に、複数の第1の内部電極26aおよび複数の第2の内部電極26bが交互に配置される。第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26bの材料としては、それぞれ、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどを用いることができる。各第1の内部電極26aの厚みまたは各第2の内部電極26bの厚みは、それぞれ、0.3μm〜2.0μmであることが好ましい。
第1の内部電極26aは、第1の対向部28aと、第1の引出し部30aと、第1の露出部32aとを有する。第1の対向部28aは、第2の内部電極26bと対向する。第1の引出し部30aは、第1の対向部28aからセラミック素体12の第1の端面20aに引出される。第1の露出部32aは、セラミック素体12の第1の端面20aに露出する。
第2の内部電極26bは、第1の内部電極26aと同様に、第1の内部電極26aと対向する第2の対向部28bと、第2の対向部28bからセラミック素体12の第2の端面20bに引出された第2の引出し部30bと、セラミック素体12の第2の端面20bに露出する第2の露出面32bとを有する。
セラミック素体12の外表面には、第1の外部電極34aおよび第2の外部電極34bが第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26bにそれぞれ電気的に接続されるように形成される。第1の外部電極34aおよび第2の外部電極34bの材料としては、それぞれ、例えば、Ag、Cu、AuおよびSnからなる群から選ばれる1種の金属、または、当該金属を含む合金を用いることができる。第1の外部電極34aの厚みおよび第2の外部電極34bの厚みは、それぞれ、5μm〜200μmであることが好ましい。
第1の外部電極34aは、第1の内部電極26aの第1の露出部32aを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である第1の端面20a上と第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面18aおよび第2の側面18bのそれぞれの一端部分上とに形成される。
同様に、第2の外部電極34bは、第2の内部電極26bの第2の露出部32bを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である第2の端面20b上と第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面18aおよび第2の側面18bのそれぞれの他端部分上とに形成される。
なお、第1の外部電極34aの表面および第2の外部電極34bの表面には、それぞれ、1層または複数層のめっき膜が形成されてもよい。このようなめっき膜の材料としては、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Al、BiおよびZnからなる群から選ばれる1種の金属、または、当該金属を含む合金を用いることができる。
次に、図1に示す積層セラミックコンデンサ10を製造するための積層セラミックコンデンサの製造方法の一例について説明する。
まず、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペーストおよび外部電極用導電性ペーストを準備する。セラミックグリーンシートや各種導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
次に、セラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷などにより所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。このとき、内部電極用導電性ペーストと同じ導電性ペーストを用いて、内部電極パターンの周囲にカットマーク用パターンを印刷して形成する。
そして、内部電極パターンおよびカットマーク用パターンが印刷されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンおよびカットマーク用パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを順次積層し、その上に外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層することによって、セラミックグリーンブロックを作製する。
それから、セラミックグリーンブロックを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスする。
そして、プレスしたセラミックグリーンブロックをテーブル上に載置し、セラミックグリーンブロックおよびテーブルに水をかけて、セラミックグリーンブロックおよびテーブルをたとえば冷却する。このときの水の温度は、ダイサーによる切断時に用いる切削水の温度と同じ温度であることが好ましい。より具体的には、セラミックグリーンブロックおよびテーブルに、ダイサーによる切断時に用いる切削水をかけてやればよい。
また、テーブルの冷却は、必ずしも必須ではない。しかしながら、周囲の温度状況によっては、テーブルの温度の影響により切削水などの水だけではセラミックグリーンブロックの表面が十分に冷却されない場合がある。(例えば、ダイサー設備が長時間停止していた後に稼働したとき、テーブル温度は常温に近づいている。)このような場合には、テーブルも冷却することが好ましい。このとき、テーブルの温度は、ダイサーによる切断時に用いる切削水の温度と同じ程度に調節することが好ましい。
なお、ダイサーによる切断を行う場所は、室温調節されていることが多く、通常、年間を通じて20℃程度に維持されている。一方、切削水として用いられる工業用水の温度は、年間を通じて13℃〜25℃程度の範囲で変化し得る。つまり、切削水などの水によって必ずしも切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルを冷却するとは限らず、夏場などにおいては、切削水の温度がダイサーによる切断を行う場所の室温より高くなることがあるので、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルを若干温めることもあり得る。
そして、セラミックグリーンブロックの外周縁を切り落とし、セラミックグリーンブロックの側面(表面)にカットマーク用パターンで形成されたカットマークを露出させる。
それから、カットマークを基準にして位置合わせを行う。この場合、CCDカメラなどの撮像機構によりセラミックグリーンブロックの側面から露出したカットマークを撮影し、演算機構によりカットマークなどの画像データを解析し、カット位置を決定する。
そして、図3に示すように、セラミックグリーンブロックに切削水をかけながら、ダイサーによりセラミックグリーンブロックを所定の寸法に切断し、多数のセラミックグリーンチップを得る。その後、バレル研磨などによりセラミックグリーンチップの角部や稜部に丸みをつけてもよい。
それから、セラミックグリーンチップをセラミックチップに焼成する。焼成温度は、セラミック素体や内部電極の材料にもよるが、900℃〜1300℃であることが好ましい。焼成後のセラミックチップは、積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体12、第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26bとなる。
そして、焼成後のセラミックチップの両端面に外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼き付け、第1の外部電極34aおよび第2の外部電極34bを形成する。なお、第1の外部電極34aの表面および第2の外部電極34bの表面には、それぞれ、必要に応じてめっきを施すことによって1層または複数層のめっき膜を形成してもよい。
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
上述の積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけるので、セラミックグリーンブロックが切断時のセラミックグリーンブロックの大きさに対応してすでに収縮しまたは膨張した状態で位置合わせされることになる。そのため、上述の積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、セラミックグリーンブロックの切断時に切削水による影響を受けにくくなり、セラミックグリーンブロックをダイサーで切断する際に位置ずれが生じにくくなる。このようにセラミックグリーンブロックをダイサーで切断する際に位置ずれが生じにくくなると、製造される積層セラミックコンデンサにおいて、不良発生率が低減し、歩留まりがよくなる。
また、上述の積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断前のセラミックグリーンブロックを切削水で冷却しまたは温めるので、切削水以外の水を切断前のセラミックグリーンブロックにかけるための設備がいらない。
さらに、上述の積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルに切削水をかけるので、すなわち、セラミックグリーンブロック以外にセラミックグリーンブロックが載置されたテーブルにも切削水がかけられるので、セラミックグリーンブロックの表面の温度が早く安定になる。
(実験例)
この実験例は、切削水の温度の作用によるセラミックグリーンブロック表面のカットマークの位置ずれについて、本発明を適用することによる効果を検証するものである。
<位置ずれの現象について>
既述に基づいて所定の仕様で作製されたセラミックグリーンブロック(以下、ブロックと省略する)を準備し、ダイサーのテーブル上にセットした。この直後のブロックの温度は、室温と同等の21℃であった。
しかしながら、位置合わせを行った後、カット動作においてブロックに切削水がかけられると、ブロックは13℃まで冷却された。この温度低下によりブロックが収縮し、位置合わせの際に認識したカットマークの位置と切断時のカットマークの位置とにずれが生じた。
<ずれ量について>
21℃のブロックに対して、切削水をかけてブロックを13℃に冷却させた際のカットマークの座標の変化量を図4に示す。図4は、ブロックを21℃から13℃に冷却した際のカットマークの座標変化量を示すグラフであり、(A)は、X方向(ブロックの長手方向と同じ方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、(B)は、Y方向(平面的に見てX方向に直交する方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、横軸は、測定座標(mm)を示し、縦軸は、座標変化量(μm)(移動前後のカットマークの座標の差(μm))を示す。図4(A)および図4(B)に示すグラフより、ブロックを21℃から13℃に冷却すると、ブロックの外周部が中心に向けて収縮し、カットマークの位置ずれが発生していることがわかる。
<位置ずれの対策について>
上記と同じ仕様のブロックを準備し、以下の2つの対策(1)および(2)を行った。
(1)位置合わせ前のブロックの冷却
位置合わせ前にブロックに13℃の冷却水(切削水)を当てて冷却する動作を追加した。このとき、ブロックの冷却時間を60秒間とした。
(2)位置合わせ前のテーブルの冷却
位置合わせ前にテーブルに13℃の冷却水(切削水)を当てて冷却する動作を追加した。このとき、テーブルの冷却時間を15分間とした。
上述の対策の後にブロックに対して切削水をかけた際のカットマークの座標の変化量を図5に示す。図5は、上述の対策の後にブロックに対して切削水をかけた際のカットマークの座標変化量を示すグラフであり、(A)は、X方向(ブロックの長手方向と同じ方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、(B)は、Y方向(平面的に見てX方向に直交する方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、横軸は、測定座標(mm)を示し、縦軸は、座標変化量(μm)(移動前後のカットマークの座標の差(μm))を示す。図5(A)および図5(B)に示すグラフより、上述の対策の後にブロックに対して切削水をかけても、位置ずれがほとんど発生していないことがわかる。
次に、図1に示す積層セラミックコンデンサ10を製造するための積層セラミックコンデンサの製造方法の他の例について説明する。
上述の積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断時に用いる切削水の温度を基準として、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を近づけるというアプローチをとったが、次の積層セラミックコンデンサの製造方法では、逆に、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を基準として、切削水の温度を調整している。
すなわち、この積層セラミックコンデンサの製造方法では、上述の積層セラミックコンデンサの製造方法と比べて、切断前のセラミックグリーンブロックやテーブルに切削水などの水をかけない。その代わりに、この積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断時のセラミックグリーンブロックにかける切削水の温度を切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることにより、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度を、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけている。
この積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度を切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけるので、セラミックグリーンブロックが切断前のセラミックグリーンブロックの大きさに対応した状態で切断されることになる。そのため、この積層セラミックコンデンサの製造方法によっても、セラミックグリーンブロックの切断時に切削水による影響を受けにくくなり、セラミックグリーンブロックをダイサーで切断する際に位置ずれが生じにくくなる。
また、この積層セラミックコンデンサの製造方法では、切削水の温度を切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけるので、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を調整する必要がなくなる。そのため、切断前のセラミックグリーンブロックに切削水などの水をかける必要がなくなる。
上述の実施の形態では、積層セラミックコンデンサの製造方法を例にして説明したが、この発明は、積層セラミックコンデンサ以外に、特に内部電極を有する例えば積層LC複合部品、積層圧電アクチュエータおよび多層基板などの他の積層セラミック電子部品を製造する積層セラミック電子部品の製造方法にも適用され得る。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、特に内部電極を有する例えば積層セラミックコンデンサ、積層LC複合部品、積層圧電アクチュエータおよび多層基板などの積層セラミック電子部品を製造するために好適に用いられる。
10 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック素体
14 セラミック層
16a 第1の主面
16b 第2の主面
18a 第1の側面
18b 第2の側面
20a 第1の端面
20b 第2の端面
22 隅部
24 稜部
26a 第1の内部電極
26b 第2の内部電極
28a 第1の対向部
28b 第2の対向部
30a 第1の引出し部
30b 第2の引出し部
32a 第1の露出部
32b 第2の露出部
34a 第1の外部電極
34b 第2の外部電極

Claims (4)

  1. 積層された複数のセラミックグリーンシートを含み、表面にカットマークを有するセラミックグリーンブロックを準備する工程と、
    前記セラミックグリーンブロックをテーブル上に載置する工程と、
    前記カットマークを基準にして、前記セラミックグリーンブロックに切削水をかけながら、ダイサーにより前記セラミックグリーンブロックを所定の寸法に切断する工程とを備えた積層セラミック電子部品の製造方法において、
    前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づけることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 切断前の前記セラミックグリーンブロックに前記切削水をかけて前記セラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めることにより、前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 切断前の前記セラミックグリーンブロックおよび前記テーブルに前記切削水をかけて前記セラミックグリーンブロックおよび前記テーブルを冷却しまたは温めることにより、前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記切削水の温度を前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることにより、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度を、前の前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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