JP5810501B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
このような積層セラミック電子部品の製造方法が、例えば特開平07−335479号公報に記載されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ダイサーによる切断を行う場合、カットマークを基準として位置合わせを行っているにも関わらず、セラミックグリーンブロックを狙い通りに切断することができないことがあった。
この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、例えば、切断前のセラミックグリーンブロックに切削水をかけてセラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めることにより、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法では、例えば、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルに切削水をかけてセラミックグリーンブロックおよびテーブルを冷却しまたは温めることにより、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品では、例えば、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることにより、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度を、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることを特徴とする。
そこで、この発明では、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づける。より具体的には、あらかじめセラミックグリーンブロックに例えば切削水などの水をかけてセラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めるか、あらかじめセラミックグリーンブロックおよびテーブルに例えば切削水などの水をかけてセラミックグリーンブロックおよびテーブルを冷却しまたは温めるか、または、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づける。
なお、この発明において、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度とは、セラミックグリーンブロックが切断される前に、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークを基準として位置合わせを行う時のセラミックグリーンブロックの表面の温度である。
また、この発明において、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度とは、セラミックグリーンブロックに切削水をかけながらセラミックグリーンブロックをダイサーで切断する時のセラミックグリーンブロックの表面の温度である。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切断前のセラミックグリーンブロックを切削水で冷却しまたは温めると、切削水以外の水を切断前のセラミックグリーンブロックにかけるための設備がいらない。
さらに、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切断前のセラミックグリーンブロックおよびテーブルに切削水をかけると、セラミックグリーンブロック以外にセラミックグリーンブロックが載置されたテーブルにも切削水がかけられるので、セラミックグリーンブロックの表面の温度が早く安定になる。
また、この発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法において、切削水の温度をセラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけると、セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を調整する必要がなくなる。そのため、切断前のセラミックグリーンブロックに切削水などの水をかける必要がなくなる。
この実験例は、切削水の温度の作用によるセラミックグリーンブロック表面のカットマークの位置ずれについて、本発明を適用することによる効果を検証するものである。
既述に基づいて所定の仕様で作製されたセラミックグリーンブロック(以下、ブロックと省略する)を準備し、ダイサーのテーブル上にセットした。この直後のブロックの温度は、室温と同等の21℃であった。
しかしながら、位置合わせを行った後、カット動作においてブロックに切削水がかけられると、ブロックは13℃まで冷却された。この温度低下によりブロックが収縮し、位置合わせの際に認識したカットマークの位置と切断時のカットマークの位置とにずれが生じた。
21℃のブロックに対して、切削水をかけてブロックを13℃に冷却させた際のカットマークの座標の変化量を図4に示す。図4は、ブロックを21℃から13℃に冷却した際のカットマークの座標変化量を示すグラフであり、(A)は、X方向(ブロックの長手方向と同じ方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、(B)は、Y方向(平面的に見てX方向に直交する方向)におけるカットマークの座標変化量(収縮量)を示し、横軸は、測定座標(mm)を示し、縦軸は、座標変化量(μm)(移動前後のカットマークの座標の差(μm))を示す。図4(A)および図4(B)に示すグラフより、ブロックを21℃から13℃に冷却すると、ブロックの外周部が中心に向けて収縮し、カットマークの位置ずれが発生していることがわかる。
上記と同じ仕様のブロックを準備し、以下の2つの対策(1)および(2)を行った。
位置合わせ前にブロックに13℃の冷却水(切削水)を当てて冷却する動作を追加した。このとき、ブロックの冷却時間を60秒間とした。
位置合わせ前にテーブルに13℃の冷却水(切削水)を当てて冷却する動作を追加した。このとき、テーブルの冷却時間を15分間とした。
上述の積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断時に用いる切削水の温度を基準として、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を近づけるというアプローチをとったが、次の積層セラミックコンデンサの製造方法では、逆に、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度を基準として、切削水の温度を調整している。
すなわち、この積層セラミックコンデンサの製造方法では、上述の積層セラミックコンデンサの製造方法と比べて、切断前のセラミックグリーンブロックやテーブルに切削水などの水をかけない。その代わりに、この積層セラミックコンデンサの製造方法では、切断時のセラミックグリーンブロックにかける切削水の温度を切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることにより、切断時のセラミックグリーンブロックの表面の温度を、切断前のセラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけている。
12 セラミック素体
14 セラミック層
16a 第1の主面
16b 第2の主面
18a 第1の側面
18b 第2の側面
20a 第1の端面
20b 第2の端面
22 隅部
24 稜部
26a 第1の内部電極
26b 第2の内部電極
28a 第1の対向部
28b 第2の対向部
30a 第1の引出し部
30b 第2の引出し部
32a 第1の露出部
32b 第2の露出部
34a 第1の外部電極
34b 第2の外部電極
Claims (4)
- 積層された複数のセラミックグリーンシートを含み、表面にカットマークを有するセラミックグリーンブロックを準備する工程と、
前記セラミックグリーンブロックをテーブル上に載置する工程と、
前記カットマークを基準にして、前記セラミックグリーンブロックに切削水をかけながら、ダイサーにより前記セラミックグリーンブロックを所定の寸法に切断する工程とを備えた積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度と切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度とを近づけることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。 - 切断前の前記セラミックグリーンブロックに前記切削水をかけて前記セラミックグリーンブロックを冷却しまたは温めることにより、前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 切断前の前記セラミックグリーンブロックおよび前記テーブルに前記切削水をかけて前記セラミックグリーンブロックおよび前記テーブルを冷却しまたは温めることにより、前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度を、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記切削水の温度を前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることにより、切断時の前記セラミックグリーンブロックの表面の温度を、前の前記セラミックグリーンブロックの表面にカットマーク用パターンで形成されたカットマークの位置を決定する際の温度に近づけることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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