JP5668888B1 - パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物の分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を分離する方法を提供すること。【解決手段】 パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物;および、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物;を含む混合物から、上記カルボン酸化合物を分離する方法であって、この方法が、混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、非極性移動相を用いて、極性固定相からパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、次いで極性移動相を用いて、極性固定相から上記カルボン酸化合物を分離することを包含し、ここで非極性移動相は、フッ素原子含有非極性溶媒を含み、極性移動相は、フッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む、方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を分離する方法に関する。
パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物は、優れた撥水性、撥油性、防汚性、耐熱性、低温特性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性、潤滑性、低摩擦性、耐摩耗性、離型性などを提供し得ることが知られている。パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を含む機能性薄膜は、例えばガラス、プラスチック、繊維、金属、建築資材など種々多様な基材に使用されている。パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を含むフッ素系エラストマーは、例えば自動車、航空機、半導体、宇宙分野などの厳しい環境下において、耐久性、信頼性を保つ材料として使用されている。パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物は、他にも、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、積層樹脂などの樹脂、および塗料、化粧品などの中間体化合物、または添加剤として使用することによって、優れた性能を付与させ発現させることが可能となる。そのため、様々な構造を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を合成する手法の探索が精力的に行われている。このようなパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の合成において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物は、原料化合物または中間体として重要な化合物である。パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物として、片末端のみにカルボン酸基を有する、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物と、両末端にカルボン酸基を有する、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物とが挙げられる。
原料化合物または中間体は一般に、より高い純度を有していることが望まれる。より高い純度を有していることによって、反応によって得られた生成物の精製が容易となり、さらに、反応において生じうる副生成物・未同定物の生成を低減することができ、より良好な性能を有する目的物を得ることができるためである。このため、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物において原料化合物または中間体として用いられる化合物の分離方法として、これまでにも様々な検討が行われてきた。
例えば特開平6−145339号公報(特許文献1、対応米国特許:米国特許第5262057号明細書)には、ペルフルオロポリオキシアルキレンを構成する高分子の一つ以上の非官能性、単官能性および二官能性種を分離する方法が記載されている。また特開平6−145340号公報(特許文献2、対応米国特許:米国特許第5246588号明細書)には、ペルフルオロポリオキシアルキレンの非官能性、単官能性および二官能性種を分離あるいは濃縮する方法が記載されている。また特開平10−077341号公報(特許文献3、対応米国特許:米国特許第5910614号明細書)には、パーフルオロポリオキシアルキレンに混合物として含まれる非官能性高分子および/またはヒドロキシル末端を有する一官能性高分子からのヒドロキシル末端を有する二官能性高分子を分離する方法が記載されている。また特開2006−022334号公報(特許文献4、対応欧州特許出願:欧州特許出願第1614703号)には、−CHOH末端を有する二官能パーフルオロポリエーテルの、−CHOH単官能パーフルオロポリエーテルとの混合物からの分離方法が記載されている。
ところで、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を含む混合物から、それぞれの化合物を分離するのは容易ではない。その理由として、末端のカルボン酸基部分のみ相違する、これらのパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物において、これらの化合物を化学的に区別することが困難であることが挙げられる。
上記特許文献1〜4は、種々のパーフルオロポリエーテル化合物の分離方法について記載している。その一方で、これら特許文献1〜4はいずれも、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物の分離方法については記載していない。この点について、特表2009−532432号公報(特許文献5)の[0010]段落には「単官能性ペルフルオロポリエーテルを対応する二官能性と中性の物から、クロマトグラフ法またはシリカへの吸着を使用して分離することも知られている。例えばUSP5,246,588、USP5,262,057、USP5,910,614とEP1,614,703参照。しかし、これらの方法は、PFPEの官能性がアルコール性またはアミン性のとき用いることができ、カルボキシル系官能性には応用できない(比較例参照)。」と記載されている。この記載において、USP5,246,588は上記特許文献1の対応米国特許であり、USP5,262,057は上記特許文献2の対応米国特許であり、USP5,910,614は上記特許文献3の対応米国特許であり、EP1,614,703は上記特許文献4の対応欧州特許出願である。そしてこの特許文献5の[0056]段落には、「実施例5(比較)」として、カルボキシル系単官能性化合物のシリカゲルによる分離において「USP5,910,614で示唆されたように、弗素化溶剤と極性溶剤との混合物での溶出は、中性成分(96重量%の収率で2.4g)の分離をしたが、シリカゲルカラムに吸収されて残存するので、酸成分(単官能性と二官能性)は回収も分離もできない。」と記載されている。
これらの特許文献に記載されるように、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を含む混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離精製する方法は、当業者において必要とされている一方で、未だ有効な方法を見いだすことができずにいた。さらには、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物と、例えばパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジエステル化合物などのパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を含む混合物の精製方法において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を取り出す手段自体が見いだされていなかった。
特許文献5に記載される、高純度のモノカルボキシル系ペルフルオロポリエーテルの製法は、部分フッ素化、エステル化、加水分解といった各種工程中において蒸留操作を行うことを特徴としている。しかしながら、部分フッ素化、エステル化、加水分解といった各種工程中において蒸留操作を行うことは、製造設備費用の面において非常に負担が大きい。このような方法はまた、製造手順が極めて煩雑となるという不利益もある。
特開平6−145339号公報 特開平6−145340号公報 特開平10−077341号公報 特開2006−022334号公報 特表2009−532432号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を分離し取り出す方法を提供することにある。
本発明者らは、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を良好に分離し取り出すことができる手段について鋭意検討した。その結果、以下に記載する手順によって、混合物中から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物をより簡易な手順で分離し取り出すことができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記態様を提供する。
[1]
下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物;および、
下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物または下記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物;
Figure 0005668888
Figure 0005668888
Figure 0005668888
[式(1)〜(3)中、Pf基は、
Figure 0005668888
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
を含む混合物から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物とを分離する方法であって、
上記方法が、
上記混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、
非極性移動相を用いて、極性固定相から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、
次いで極性移動相を用いて、極性固定相から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離すること、
を包含し、
ここで、上記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択され、
上記非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含み、
上記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む、
方法。
[2]
下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物、下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および下記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物
Figure 0005668888
Figure 0005668888
Figure 0005668888
[式(1)〜(3)中、Pf基は、
Figure 0005668888
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
を含む混合物から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離する方法であって、
上記方法が、
上記混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、
非極性移動相を用いて、極性固定相から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、
次いで極性移動相を用いて、極性固定相から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を分離し、次いでパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離すること、
を包含し、
ここで、上記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択され、
上記非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含み、
上記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む、
方法。
[3]
上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、上記極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たす、上記方法。
[4]
上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、上記極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たす、上記方法。
[5]
上記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒であるか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせである、上記方法。
[6]
上記式(1)〜(3)中、
はC1−4アルキル基であり、WおよびXは、それぞれ独立して、結合手、C1−4アルキレン基、C1−4フルオロアルキレン基またはC1−4パーフルオロアルキレン基である、上記方法。
[7]
上記式(1)〜(3)中、a、b、cおよびdの和は、5以上200以下である、上記方法。
[8]
上記式(1)〜(3)中におけるPf基の平均分子量が500〜100,000である、上記方法。
[9]
上記フッ素原子含有非極性溶媒が、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロモノエーテル、パーフルオロモノエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアミン、フッ素原子含有アルケンおよびフッ素原子含有芳香族溶媒、フッ素原子含有ケトン、フッ素原子含有エステルからなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、上記方法。
[10]
上記フッ素原子含有非極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内である、上記方法。
[11]
上記フッ素原子含有極性溶媒が、フッ素原子含有アルコール、フッ素原子含有カルボン酸およびフッ素原子含有スルホン酸からなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、上記方法。
[12]
上記フッ素原子含有極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内である、上記方法。
[13]
上記フッ素原子非含有極性溶媒が、カルボン酸溶媒、フェノール溶媒およびスルホン酸溶媒からなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、上記方法。
[14]
下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物;および、
下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物;
Figure 0005668888
Figure 0005668888
[式(1)〜(2)中、Pf基は、
Figure 0005668888
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
を含む混合物から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物とを分離する方法であって、
上記方法が、
フッ素原子含有非極性溶媒から選択される少なくとも1種の溶媒、上記混合物、および極性固定相を混合し、
フッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルから選択される少なくとも1種の溶媒を用いて、極性固定相から、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、次いで上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を分離すること、
を包含し、
ここで、上記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択される、
方法。
[15]
上記混合物が、下記式(1)
Figure 0005668888
[式(1)中、Pf基は、
Figure 0005668888
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基またはRO−CO−W−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表す。]
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を、アルカリ金属水酸化物を含む水溶液の存在下で加水分解することによって得られる混合物である、
上記方法。
本発明の方法によって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を含む混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を良好に分離することができる。さらには本発明の方法によって、上記混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を、室温条件下でも取り出すことができる。本発明の方法は、種々の構造を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の合成において有用性が高いパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、より純度が高い状態で提供することができる利点がある。
薄層クロマトグラフィーにより得られるクロマトグラムのモデル図である。
本発明は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を含む混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物を分離する方法に関する。本発明の方法によって、上記混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、室温条件下でも取り出すことが可能となる。本発明におけるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有カルボン酸化合物として、片末端のみにカルボン酸基を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物と、両末端にカルボン酸基を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物とが挙げられる。
本発明の方法は、
下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と;
下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または下記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物と;
を含む混合物から、下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物とを分離する方法である。本発明の方法によって、上記混合物から、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、室温条件下でも取り出すことが可能となる。
Figure 0005668888
Figure 0005668888
Figure 0005668888
[式(1)〜(3)中、Pf基は、
Figure 0005668888
で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
上記式(1)〜(3)の化合物のPf基における上記繰り返し単位において、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよい。−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−であるのが好ましい。
上記式(1)〜(3)中、WおよびXは、それぞれ独立して、結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表す。
上記「結合手」とは、本明細書において用いられる場合、原子などを有しない単なる結合を意味する。例えば、Zが−X−Y基である場合において、Xが結合手である場合、Zは−Y基を表すこととなる。
上記「1〜4の炭素を含有する2価の有機基」の具体例として、C1−4アルキレン基、C1−4フルオロアルキレン基またはC1−4パーフルオロアルキレン基などが挙げられる。
1−4アルキレン基として、−CH−、−C−、−C−、−C−が挙げられる。ここで−C−および−C−は、直鎖状であってもよく、分枝状であってもよい。C1−4フルオロアルキレン基として、上記C1−4アルキレン基における水素原子の一部がフッ素原子に置換された基が挙げられる。C1−4パーフルオロアルキレン基として、上記C1−4アルキレン基における全ての水素原子がフッ素原子に置換された基が挙げられる。
上記XおよびWは、それぞれ独立して、−CF−、−CFCF−、−CHCF−、−CFCH−、−CF(CF)CF−、−CF(CF)CH−、−CFCFCH−、−CHCFCF−または−CHCF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(1)、(2)中、RはC1−4アルキル基であるのが好ましい。C1−4アルキル基として、直鎖状または分枝状C1−4アルキル基が挙げられる。C1−4アルキル基の具体例として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。Rはより好ましくは、メチル基またはエチル基である。なお、これらのアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基として、例えば、フッ素原子または塩素原子などのハロゲン原子、アミノ基、スルホニル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(1)、(2)中、Vは、C1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基(gは0〜15の整数)を表す。C1−16パーフルオロアルキル基は、直鎖状または分枝状の炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基であり、好ましくは直鎖状または分枝状の炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、より具体的には−CF、−CFCFまたは−CFCFCFである。
上記式(1)〜(3)中、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上100以下の整数であるのが好ましい。また、a、b、cおよびdの和は、5以上200以下であるのが好ましく、5以上100以下であるのがより好ましい。なおいずれの態様においても、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
上記式(1)〜(3)中のPf基の具体的な1態様として、Pf基は、−(OCF−(OCFCF−(OC−(OC−(式中、aおよびbはそれぞれ独立して0以上200以下であって但しaおよびbの和が1以上であることを条件とする、好ましくはaおよびbはそれぞれ独立して0以上100以下であって但しaおよびbの和が10以上であることを条件とする。cおよびdは、それぞれ独立して0以上または1以上30以下、好ましくは0以上10以下の整数である。a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)である態様が挙げられる。より好ましい態様として、−(OCF−(OCFCF−(OCFCFCF−(OCFCFCFCF−(式中、a〜dは上記と同意義であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。)である態様が挙げられる。さらに好ましくは、例えば、Pf基は、−(OCF−(OCFCF−(式中、aおよびbは上記と同意義であり、添字aまたはbを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であってもよい。
上記式(1)〜(3)中のPf基の具体的な他の1態様として、Pf基は−(OCFCFCF−で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでcは5以上50以下である態様が挙げられる。cは10以上30以下であるのがより好ましい。
上記式(1)〜(3)中におけるPf基の平均分子量は、500〜100,000であるのが好ましく、1,000〜50,000であるのがより好ましく、1,500〜20,000であるのがさらに好ましい。なお、本発明において「平均分子量」は数平均分子量を言い、「平均分子量」は、19F−NMRにより測定される値とする。
上記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の好ましい具体例として、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 0005668888
上記式中、Pf、R、WおよびVは、上記定義と同様である。
上記式(1−a)中、RはC1−4アルキル基であるのが好ましく、Wは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(1−b)中、Wは−CHCF−、−CFCH−、−CFCFCH−、−CHCFCF−、−CF(CF)CH−または−CHCF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(1−c)中、Vは−CF、−CFCF、−CFCFCF3、−CFH、−CFCFHまたは−CFCFCFHであるのが好ましい。
上記式(1−d)中、RはC1−4アルキル基であるのが好ましく、Wは−CF−、−CFCF−、−CF(CF)CF−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCFCH−、−CHCFCF−、−CF(CF)CH−または−CHCF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物の好ましい具体例として、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 0005668888
上記式中、Pf、R、WおよびVは、上記定義と同様である。
上記式(2−a)中、RはC1−4アルキル基であるのが好ましく、Wは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましく、Xは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(2−b)中、Wは−CHCF−、−CHCFCF−または−CHCF(CF)−であるのが好ましく、Xは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(2−c)中、Vは−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CFH、−CFCFHまたは−CFCFCFHであるのが好ましく、Xは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(2−d)中、RはC1−4アルキル基であるのが好ましく、Wは−CF−、−CFCF−、−CF(CF)CF−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCFCH−、−CHCFCF−、−CF(CF)CH−または−CHCF(CF)−であるのが好ましく、Xは−CF−、−CFCF−または−CF(CF)−であるのが好ましい。
上記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物との混合物が生成する反応の例として、例えば下記態様などが挙げられる。
・上記式(1−a)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の加水分解反応
・上記式(1−b)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の酸化反応
・上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のフッ素化反応
・上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸の脱炭酸反応
・上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸の還元反応
・上記式(1−c)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の分解反応
・テトラフルオロエチレンおよび酸素を用いた光酸化反応、これにより得られた過酸化物の分解反応および加水分解反応
・テトラフルオロオキセタンのオリゴメリ化反応、これにより得られたオキセタンポリマーのフッ素化反応および加水分解反応
・ポリエチレングリコールのフッ素化反応および加水分解反応
・ヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴメリ化反応、これにより得られた生成物の加水分解反応。
上記の混合物生成反応は、当業者において通常用いられる反応条件などにより、行うことができる。
上記式(1−a)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の加水分解反応によって混合物を生成する場合は、式(1−a)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を、アルカリ金属水酸化物を含む水溶液の存在下で加水分解する態様が、より好ましい。
アルカリ金属水酸化物として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記水溶液は、アルカリ金属水酸化物に加えて、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アンモニウムなどの他の塩基を含んでもよい。この加水分解において、上記式(1−a)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物 1モル(エステル基としては2当量)に対して、アルカリ金属水酸化物を含む塩基の当量数が0.1〜1.5となる量で用いるのが好ましい。塩基の当量数は0.2〜1.0であるのがより好ましく、0.3〜0.8であるのがさらに好ましい。
上記加水分解は、必要に応じて、有機溶媒の存在下で行ってもよい。好ましい有機溶媒として、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。上記加水分解は、分散助剤がさらに存在する条件下で行ってもよい。ここで、分散助剤として、−10〜50℃において液状であって、水に対して難溶性または不溶性であるフッ素原子含有溶媒などが挙げられる。フッ素原子含有溶媒として、パーフルオロヘキサン、キシレンヘキサフルオリドなどがさらに好ましく用いられる。上記フッ素原子含有溶媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加水分解は、例えば−10〜50℃で、0.5〜12時間撹拌して反応させるのが好ましい。
本発明の方法の第1の態様は、上記式(1)の化合物と;上記式(2)の化合物または(3)の化合物と;を含む混合物から、上記式(1)の化合物と、上記式(2)または上記式(3)の化合物とを分離する方法であって、
分離する手段としては、ろ過、洗浄、抽出、ソックスレイ抽出、カラムクロマトグラフィなどが挙げられ、
この方法が、
上記混合物;フッ素原子含有非極性溶媒;および極性固定相;を混合し、
非極性移動相を用いて、上記分離手段により、極性固定相から、上記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、
次いで極性移動相を用いて、上記分離手段により、極性固定相から、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離すること、
を包含する。
そしてこの方法において、極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲル、珪藻土からなる群から選択され、
非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含み、
極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む。
本発明の方法においては、最初に非極性移動相を用い、次いで極性移動相を用いて、極性固定相からの化合物の分離を行う。式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物は、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物と比べて極性が低い。そのため、式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物は、極性固定相に対する保持力が弱く、非極性移動相を用いた分離(例えばろ過など)において、溶出などによって分離することとなる。本発明において、非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含む非極性移動相を用いる。
そして本発明においては、極性移動相として、
・1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含む極性移動相、
・フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含む極性移動相、または、
・フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む極性移動相、
のいずれかを用いる。このような非極性移動相および極性移動相を用いることによって、上記式(1)の化合物と、式(2)のモノカルボン酸化合物および/または式(3)のジカルボン酸化合物とを、極性固定相からより良好に分離させることができ、そして式(2)および/または式(3)のカルボン酸化合物を、還流などの加熱操作を必要とすることなく、室温条件下でも取り出すことができる。さらに本発明の方法は、種々の構造を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の合成において有用性が高い、式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、より純度が高い状態で提供することができるという利点がある。なお、分離された上記式(1)の化合物は上記加水分解反応の原料として、再利用することができる。
本明細書において「極性固定相」とは、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲル、珪藻土からなる群から選択される固定相であって、その固定相表面に、−OH基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、フルオロアルキル基などの極性基を有する固定相をいう。極性固定相であるシリカゲルとして、例えば、非修飾シリカゲル、アミノ基含有シリカゲル、シアノ基含有シリカゲルなどが挙げられる。
本発明において、極性固定相として、シリカゲルを用いるのが好ましい。
極性固定相は、市販品を用いてもよい。市販の極性固定相として、例えば、シリカゲルである、富士シリシア化学社製、クロマトレックス(PSQ−100B)、和光純薬工業株式会社製、Wakogel(商標)C−200、Merck社製、115111シリカゲル60などが挙げられる。
本明細書において「フッ素原子含有非極性溶媒」とは、フッ素原子を含み、かつ、非極性または低極性である溶媒をいう。フッ素原子含有非極性溶媒として、例えば、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロモノエーテル、パーフルオロモノエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアミン、フッ素原子含有アルケン、フッ素原子含有芳香族溶媒、フッ素原子含有ケトン、フッ素原子含有エステルなどが挙げられる。
クロロフルオロカーボンとして、例えば、R−113(CCl)、2,2,3,3−テトラクロロヘキサフルオロブタンなどの、炭素数2〜4のクロロフルオロカーボンが挙げられる。
ハイドロクロロフルオロカーボンとして、HCFC225(CFCFCHCl、CClFCFCHClF)などの、炭素数3〜6のハイドロクロロフルオロカーボンが挙げられる。
ハイドロフルオロモノエーテルとして、例えば、COCH、COCH、COC、CCF(OCH)C、CFCHOCFCHF、CHFCFCFCFCHOCH、CFCHFCFOCHCFCHF、CHFCFCHOCHFCF、CHFOCHCFCHFCF、CFCHFCFOCHCFCF、CHFOCHCFCHF、CFCHFCFOCHCF、CHFCFOCHCFCF、CFCHOCHCF、CFCHOCFCHF、CFCHFCFOCH、CHFOCHCFCF、HCFCFOCなどの、炭素数3〜7のハイドロフルオロモノエーテルが挙げられる。
パーフルオロモノエーテルとして、例えば、パーフルオロジプロピルエーテル、パーフルオロジブチルエーテル、パーフルオロ−2−トリフルオロメチル−4−オキサノナン、パーフルオロジペンチルエーテルなどの、炭素数6〜10のパーフルオロモノエーテルが挙げられる。
パーフルオロアルカンとして、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタンパーフルオロウンデカン、パーフルオロドデカンなどの、炭素数3〜12のパーフルオロアルカンが挙げられる。
ハイドロフルオロアルカンとして、例えば、CFCHCFCH、CFCHFCHFC、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、CFCFCFCFCHCH、CFCFCFCFCFCFCHCH、CFCFCFCFCFCHFなどの、炭素数3〜8のハイドロフルオロアルカンが挙げられる。
パーフルオロポリエーテルとして、例えば、Galden SV−90、HGalden ZV100、Galden HT55、Galden HT70、GaldenHT90、Galden HT110、Galden HT135、CFOCFCFOCF、CFOCFOCFCFOCF、CFOCFCFOCFCFOCF、CFOCFCFOCFOCFCFOCF、CFOCFOCFCFOCFCFOCFなどの、炭素数3〜10のパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
パーフルオロアミンとして、例えば、パーフルオロトリエチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリアミルアミンなどの、炭素数3〜15のパーフルオロアミンが挙げられる。
フッ素原子含有アルケンとして、例えば、C13CH=CH、CCH=CH、C15CH=CHなどの、炭素数3〜10のフッ素原子含有アルケンが挙げられる。
フッ素原子含有芳香族溶媒として、例えば、m−キシレンヘキサフルオリド、パーフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、モノフルオロベンゼンなどの、炭素数6〜12のフッ素原子含有芳香族溶媒が挙げられる。
フッ素原子含有ケトンとして、例えば、メチルペンタデカフルオロヘプチルケトン、トリフルオロメチルエチルケトン、フェニルヘプタフルオロプロピルケトン、メチルヘプタフルオロプロピルケトン、フェニルトリフルオロメチルケトンなどの、炭素数2〜10のフッ素原子含有ケトンが挙げられる。
フッ素原子含有エステルとして、例えば、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸メチル、CFCFCOOCH、CFCFCOOCHCHなどの、炭素数3〜10のフッ素原子含有エステルが挙げられる。
これらのフッ素原子含有非極性溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素原子含有非極性溶媒として市販品を用いてもよい。市販品として、例えば、
3M社製、Novec(商標)シリーズのハイドロフルオロモノエーテル、例えばNovec(商標)7000(COCH)、Novec(商標)7100(COCH)、Novec(商標)7200(COC)、Novec(商標)7300(CCF(OCH)C)、Novec(商標)71IPAなど;
AGC旭硝子社製のハイドロフルオロエーテル、例えばAE−3000など;
AGC旭硝子社製のハイドロフルオロアルカン、例えばAC−6000(C13)、AC−2000(CFCFCFCFCFCHF)、AC−4000(CFCFCFCFCHCH)など;
Solvay社製のパーフルオロポリエーテル、例えばGaldenSV−90、HGalden ZV100、Galden HT55、Galden HT70、GaldenHT90、Galden HT110、Galden HT135など;
3M社製のパーフルオロアルカン、例えばパーフルオロヘキサン、Fluorinert(商標)FC−40、Fluorinert(商標)FC−72、Fluorinert(商標)FC−75、Fluorinert(商標)FC−77、Fluorinert(商標)FC−84、Fluorinert(商標)FC−104など;
上記のクロロフルオロカーボン(R−113)およびハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC225)など;
が挙げられる。
また、上記フッ素原子含有非極性溶媒は、沸点が20〜200℃の範囲内であるものがより好ましい。フッ素原子含有非極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内であることによって、上記化合物を分離した後の溶媒留去操作を容易に行うことができる利点がある。
本明細書において「フッ素原子含有極性溶媒」とは、フッ素原子を含み、かつ、極性を有する溶媒をいう。フッ素原子含有極性溶媒として、例えば、フッ素原子含有アルコール、フッ素原子含有カルボン酸、フッ素原子含有スルホン酸などの溶媒が挙げられる。
フッ素原子含有アルコールとして、例えば、CFCHOH、CFCFCHOH、CFCFCFCHOH、ヘキサフルオロイソプロパノール、HCFCFCHOH、HCFCHOH、CFCFCFCFCHCHOH、CFCFCFCFCFCFCHCHOH、CFCFCFCH(OH)CH、CFOCFCFOCFCHOH、CFOCFCFOCFOCFCHOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、CFOCF(CF)CFOCFOCF(CF)CHOH、CFOH、HOCH(CFCHOH、CCHCHCHOHなどの、炭素数2〜10のフッ素原子含有アルコールが挙げられる。
フッ素原子含有カルボン酸として、例えば、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、CFCFCOH、CFCFCFCOH、HOC(CFCOH、HOC(CFCOH、H(CFCOH、CFOCFCFOCFCOH、CFOCFCFOCFOCFCOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COH、CFOCF(CF)CFOCFOCF(CF)COHなどの、炭素数2〜10のフッ素原子含有カルボン酸が挙げられる。
フッ素原子含有スルホン酸として、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロエトキシエタンスルホン酸などの、炭素数1〜10のフッ素原子含有スルホン酸が挙げられる。
これらのフッ素原子含有極性溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また上記フッ素原子含有極性溶媒は、沸点が20〜200℃の範囲内であるものがより好ましい。フッ素原子含有極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内であることによって、上記化合物を分離した後の溶媒留去操作を容易に行うことができる利点がある。
なお、フッ素原子含有極性溶媒において用いられるフッ素原子含有カルボン酸には、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物、および式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物は含まれないものとする。
本明細書において「フッ素原子非含有極性溶媒」とは、極性を有する溶媒であって、かつフッ素原子を含まない溶媒、すなわち、極性を有する溶媒であって上記フッ素原子含有極性溶媒に該当しないもの、をいう。フッ素原子非含有極性溶媒として、例えば、酢酸などのカルボン酸溶媒;フェノール、クレゾールなどのフェノール溶媒;メタンスルホン酸などのスルホン酸溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど;が挙げられる。これらのフッ素原子非含有極性溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素原子非含有極性溶媒として、カルボン酸溶媒およびスルホン酸溶媒からなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上で用いるのが好ましい。
なお、本発明におけるフッ素原子非含有極性溶媒において、メタノールは含まれない。メタノールは、極性固定相を用いるカラムクロマトグラフィーにおいて、極性移動相として一般的に用いられる溶出溶媒である。一方で、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物は、極性溶媒としてメタノールを含む極性移動相を用いる場合においては、極性固定相から分離させ溶出させることができない。そのため本発明においては、極性移動相として、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒(但しメタノールは含まれない)の組み合わせを含むものを用いることを特徴とする。
本発明においては、非極性移動相として、フッ素原子含有非極性溶媒であるハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロモノエーテル、フッ素原子含有芳香族溶媒、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルケン、パーフルオロポリエーテルから選択される少なくとも1種を用いるのがより好ましく、ハイドロフルオロモノエーテル、フッ素原子含有芳香族溶媒、ハイドロフルオロアルカンから選択される少なくとも1種を用いるのがさらに好ましい。
上記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むものであるか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むものが好ましい。ここで、フッ素原子含有非極性溶媒は、ハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロモノエーテル、フッ素原子含有芳香族溶媒およびハイドロフルオロアルカンから選択される少なくとも1種であるのが好ましく、フッ素原子含有極性溶媒は、フッ素原子含有アルコールおよびフッ素原子含有カルボン酸から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。また上記極性移動相が、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含むものである場合は、フッ素原子含有非極性溶媒は、ハイドロフルオロモノエーテル、フッ素原子含有芳香族溶媒およびハイドロフルオロアルカンから選択される少なくとも1種であるのが好ましく、フッ素原子非含有極性溶媒がカルボン酸溶媒であるのが好ましい。
上記極性移動相のより好ましい具体的な態様として、下記例が挙げられる。
Figure 0005668888
本発明の方法において用いられる極性移動相は、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たすものであるのが好ましい。
薄層クロマトグラフィーは、支持体上に、薄い層状に設けられた微粉末を固定相とし、溶媒を移動相として用いて行う、クロマトグラフィーである。本明細書においては、薄層クロマトグラフィーに使用する固定相として、シリカゲルを用いる。シリカゲルとして、例えば、Merck社製、105715 TLCガラスプレートシリカゲル60F254などが挙げられる。
前記薄層クロマトグラフィーに使用する支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持体として、例えば、ガラス板、アルミシート、プラスチックシートなどが挙げられる。
薄層クロマトグラフィーにおける具体的な手順の一例は、以下の通りである。薄層クロマトグラフィーの固定相として、縦方向5cmを有する、シリカゲル薄層プレートを準備する。上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物0.1gを、上述したフッ素原子含有非極性溶媒(例えば、m−キシレンヘキサフルオリド)1mlに溶解して、サンプル液を調製する。次いで、薄層プレートの下端から5mmの位置に、ガラスマイクロキャピラリを用いて、2〜10μlのサンプル液をスポットする。このスポット位置が、展開スタート地点(原点)となる。サンプル液をスポットした後、しばらく放置するなどして、薄層プレートを十分に乾燥させる。
薄層クロマトグラフィー用展開槽に、展開溶媒を、0.2〜3.5mmの深さになるまで予め入れておき、展開槽中において展開溶媒の蒸気が飽和するまで放置しておく。
サンプルをスポットした薄層プレートを、原点が展開溶媒に直接浸らないように静かに入れる。展開槽に蓋をし、薄層プレート上に上昇してくる溶媒の先端が、薄層プレートの上端から約5mmの位置に到達するまで静置する。
次いで、薄層プレートを展開槽から取りだし、その後、ホットプレート上で加熱し、展開溶媒を十分に乾燥させる。乾燥した薄層プレートを、5%過マンガン酸カリウム水溶液中に浸漬し、その後、ホットプレート上で再度加熱する。
5%過マンガン酸カリウム水溶液は赤紫色であるため、この水溶液中に薄層プレートを浸漬することによって、薄層プレート全体が赤紫色となる。その中で、この操作によって、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のスポットは白色となる。
図1は、薄層クロマトグラフィーにより得られるクロマトグラムのモデル図である。本明細書における、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値は、原点から、化合物のスポットの中心までの距離Lを、溶媒の展開距離Lで除した値である。
Rf値=L/L
パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物の上記Rf値について、Rf値が0.1以上であれば、極性固定相からの分離が可能である。つまり、極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物のRf値が0.1以上であることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を、極性固定相から分離し取り出すことができる。また、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上であることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、極性固定相から分離し取り出すことができる。なお上記Rf値は0.1〜0.8であるのがより好ましい。
本発明において、例えば、極性移動相として、フッ素原子含有非極性溶媒であるハイドロフルオロモノエーテルとフッ素原子含有極性溶媒とを組み合わせて用いる場合は、フッ素原子含有極性溶媒を単独で極性移動相として用いる場合と比べて、Rf値がより大きくなることがある。これは、フッ素原子含有極性溶媒が、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物の極性移動相からの脱離を促し、一方でフッ素原子含有非極性溶媒であるハイドロフルオロモノエーテルが、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/または上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物との親和性が高いことから良好に溶解させるためであると考えられる。そしてこのような組み合わせの極性移動相を用いることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物をより良好に分離することができるという利点がある。
本発明の方法の第2の態様は、上記式(1)の化合物、上記式(2)の化合物および上記式(3)の化合物を含む混合物から、式(1)の化合物、式(2)の化合物および式(3)の化合物を分離する方法であって、
この方法が、
上記混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、
非極性移動相を用いて、上記分離手段により、極性固定相から、上記式(1)の化合物を分離し、
次いで極性移動相を用いて、上記分離手段により、極性固定相から、上記式(2)の化合物を分離し、次いで上記式(3)の化合物を分離すること、
を包含する。
この方法において、極性固定相、非極性移動相、極性移動相など上述のものを用いることができる。
なお、分離された上記式(1)の化合物は上記加水分解反応の原料として、再利用することができる。
この第2の態様において、極性移動相として、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせ、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを用いる場合は、これらの溶媒の濃度を変化させて(グラジエントをかけて)用いてもよい。
第2の態様における好ましい1例として、上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、前記極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たす態様が挙げられる。この条件を満たす極性移動相を用いることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、極性固定相から良好に分離し取り出すことができる。なお上記Rf値は0.1〜0.5であるのがより好ましく、0.1〜0.4であるのがさらに好ましい。
第2の態様における好ましい他の1例として、分離段階に応じて、用いる極性移動相を変える態様が挙げられる。例えば、極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となり、かつ、上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1未満となる条件を満たす極性移動相を用いることによって、上記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物をより良好に分離することができる。次いで、上記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる極性移動相を用いることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を得ることができる。
本発明において、式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物、および式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離する、とは、下記に示す状態で取り出された状態をいう。例えば、モノカルボン酸化合物を分離し取り出すとは、本発明の方法によって、上記混合物から分離し取り出された状態において、モノカルボン酸化合物のモル比が、分離する前の状態よりも向上していることをいい、好ましくは、モノカルボン酸:ジカルボン酸=100:0〜90:10、より好ましくは100:0〜99:1の範囲内である場合をいう。また例えば、ジカルボン酸化合物を分離し取り出すとは、本発明の方法によって上記混合物から分離し取り出された状態において、ジカルボン酸化合物のモル比が、分離する前の状態よりも向上している事をいい、好ましくは、モノカルボン酸:ジカルボン酸=0:100〜10:90、より好ましくは0:100〜1:99の範囲内である場合をいう。
本発明の方法の第3の態様は、上記式(1)の化合物および上記式(2)の化合物を含む混合物から、式(1)の化合物および式(2)の化合物を分離する方法であって、この方法が、
フッ素原子含有非極性溶媒から選択される少なくとも1種の溶媒、上記混合物、および極性固定相を混合し、
フッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルから選択される少なくとも1種の溶媒を用いて、上記分離手段により、極性固定相から、上記式(1)の化合物を分離し、次いで上記式(2)の化合物を分離すること、
を包含する。
この方法において、極性固定相およびフッ素原子含有非極性溶媒は、上述のものを用いることができる。
この第3の態様においては、極性固定相から、上記式(1)の化合物および上記式(2)の化合物を分離する溶媒として、フッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルから選択される少なくとも1種の溶媒を用いることを特徴とする。フッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルはいずれも、本明細書において、フッ素原子含有非極性溶媒として分類される溶媒である。一方で、これらのフッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルはいずれも、完全に非極性ではなく、低極性溶媒として分類することができる。そしてこれらの溶媒は低極性であることによって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を分離(例えば溶出)させる能力を有している。そのため、これらフッ素原子含有ケトンおよび/またはフッ素原子含有エステルを、極性固定相からの分離溶媒として最初から用いることによって、上記式(1)の化合物および上記式(2)の化合物を段階的に分離させることができ、その結果、上記式(1)の化合物および上記式(2)の化合物を分離し取り出すことができる。なお、分離された上記式(1)の化合物は上記加水分解反応の原料として、再利用することができる。
なお、この第3の態様において、分離する混合物中にさらに上記式(3)の化合物が含まれる場合は、上記式(1)の化合物および上記式(2)の化合物を分離した後に、フッ素原子含有カルボン酸、フッ素原子含有アルコールおよび/またはフッ素原子含有スルホン酸などの、より溶出能力の高い極性溶媒を用いて、上記式(3)の化合物を分離することにより、式(1)の化合物、式(2)の化合物および式(3)の化合物を分離し取り出してもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。なお、本実施例において、パーフルオロポリエーテルを構成する繰り返し単位(CFO)、(CFCFO)、(CF(CF)CFO)、(CFCFCFO)、(CFCF(CF)O)および(CFCFCFCFO)の存在順序は任意である。また、以下に示される化学式はすべて平均組成を示す。
実施例1〜26および比較例1〜13
薄層クロマトグラフィーの固定相として、縦方向5cm、横方向1.5cmのシリカゲル薄層プレート(Merck社製、105715 TLCガラスプレートシリカゲル60F254)を準備した。
パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物であるCFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 0.1g、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物であるHOCCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 0.1gを、フッ素原子含有非極性溶媒であるm−キシレンヘキサフルオリド 1mlに溶解して、サンプル液を調製した。
得られたサンプル液を、シリカゲル薄層プレートの下端から5mmの位置に、ガラスマイクロキャピラリを用いて、2〜10μlの量でスポットし、乾燥させた。このスポット位置は、展開スタート地点(原点)となる。
薄層クロマトグラフィー用展開槽に、以下の表に示す極性移動相を、展開溶媒として、2〜3mmの深さになるまで予め入れておき、展開槽中において展開溶媒の蒸気が飽和するまで放置しておいた。
サンプルをスポットした薄層プレートを、原点が展開溶媒に直接浸らないように静かに入れ、展開槽に蓋をし、薄層プレート上に上昇してくる溶媒の先端が、薄層プレートの上端から約5mmの位置に到達するまで静置した。
次いで、薄層プレートを展開槽から取りだし、その後、ホットプレート上で加熱し、展開溶媒を十分に乾燥させた。乾燥した薄層プレートを、5%過マンガン酸カリウム水溶液中に浸漬し、その後、ホットプレート上で再度加熱した。
5%過マンガン酸カリウム水溶液中に薄層プレートを浸漬することによって、薄層プレート全体が赤紫色となった。その中で、上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のスポットは、白色スポットとなって現れた。パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物の白色スポットの中心に印をつけ、原点からスポット中心までの距離Lを、溶媒の展開距離Lで除して、Rf値を求めた。
Figure 0005668888
上記表中における溶媒などの表記は以下の通りである。
非極性溶媒
AC−6000:CFCFCFCFCFCFCHCH
ゼオローラH:ヘプタフルオロシクロペンタン
14:パーフルオロヘキサン
Galden SV−90:CFO(CF(CF)CFO)(CFO)CF
HCFC−225:CFCFCHCl
365mfc:CFCHCFCH
バートレルXF:CFCHFCHFC
Novec(商標)7100:COCH
Novec(商標)7200:COC
Novec(商標)7300:CCF(OCH)CF(CF
AE−3000:CFCHOCFCHF
13CH=CH:C13CH=CH
m−XHF:m−キシレンヘキサフルオリド
:パーフルオロベンゼン(C
トリフルオロ酢酸エチル:CFCO
メチルペンタデカフルオロヘプチルケトン:C15COCH

極性溶媒
トリフルオロエタノール:CFCHOH
5FP:CFCFCHOH
ヘキサフルオロイソプロパノール:(CFCHOH
トリフルオロメタンスルホン酸:CFSO
トリフルオロ酢酸:CFCO
MeOH:メタノール
分離状態の評価は、視認により、下記基準に基づいて行った。
◎:モノカルボン酸化合物のスポットおよびジカルボン酸化合物のスポットが分離していると認められる。
○:モノカルボン酸化合物のスポットおよびジカルボン酸化合物のスポットにおいて重複部分が認められる。
△:モノカルボン酸化合物のスポットおよびジカルボン酸化合物のスポットが僅かに分離している。
×:モノカルボン酸化合物のスポットおよびジカルボン酸化合物のスポットが全く分離していない。
上記実施例に示される通り、実施例で示される極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となった。これは、実施例で示される極性移動相は、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、極性固定相から分離させる能力があることを示している。
特に、フッ素原子含有非極性溶媒であるハイドロフルオロモノエーテル(Novec(商標)7200)およびフッ素原子含有極性溶媒であるフッ素原子含有カルボン酸(CFCOOH)の組み合わせである極性移動相を用いた場合において、フッ素原子含有非極性溶媒/フッ素原子含有極性溶媒=2/1である場合よりも、フッ素原子含有非極性溶媒/フッ素原子含有極性溶媒=3/1である場合の方が、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸のいずれにおいてもRf値が高くなっている。シリカゲルなどの極性固定相を用いる場合において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸などの極性化合物は、一般に、より極性が高い移動相を用いる場合においてRf値が高くなる。しかしながら、本発明の実施例においては、フッ素原子含有非極性溶媒がより多い、つまり極性が高くない極性移動相を用いる場合であっても、これらのRf値が上昇したことが示されている。このように、本発明の方法においては、極性溶媒および非極性溶媒の組み合わせについて、単に溶媒の極性のみではなく、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸の分離により適した組み合わせが存在することが分かる。
一方で、比較例1〜9に示されるように、展開溶媒としてフッ素原子含有非極性溶媒のみを用いる場合においては、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸のRf値はいずれも0.1未満であった。
また、比較例10〜13に示されるように、極性溶媒としてメタノールを用いる場合においては、メタノールを単独で展開溶媒として用いた実験例、そして、ハイドロフルオロモノエーテルとメタノールとを組み合わせて展開溶媒として用いた実験例のいずれにおいても、Rf値は0であった。メタノールは一般に、クロマトグラフィーにおける溶出溶媒として汎用される極性溶媒である。しかしながら、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸の分離においては、メタノールは、適した溶媒ではないことがわかる。
実施例27
温度計、及び攪拌機を取り付けた50mlの3つ口フラスコに、平均組成CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH、HOCCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCFで表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸混合物7g、パーフルオロヘキサン35ml、シリカゲル(富士シリシア製、PSQ−100B)20gを仕込み、25℃で1時間撹拌した。その後、反応液中のシリカゲルをセライト濾過し、シリカゲルをパーフルオロヘキサン100mlで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮することで、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCF 1.69g(24.1%)を得た。
引き続きシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(6/4)100mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することでCFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 4.53g(64.7%)を得た。最後にシリカゲルを、Novec(商標)7200/CFCOH(10/1)200mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで、HOCCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 0.77g(11.0%)を得た。
実施例28
温度計、及び攪拌機を取り付けた50mlの3つ口フラスコに、平均組成CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH、HOCCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCFで表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸混合物7g、パーフルオロヘキサン35ml、シリカゲル(富士シリシア製、PSQ−100B)20gを仕込み、25℃で1時間撹拌した。その後、反応液中のシリカゲルをセライト濾過し、シリカゲルをパーフルオロヘキサン100mlで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮することで、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCF 1.69g(24.1%)を得た。
引き続きシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCFCHOH(6/4)100mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 4.89g(69.8%)を得た。最後にシリカゲルを、Novec(商標)7200/CFCOH(20/1)100mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで、HOCCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCOH 0.40g(5.7%)を得た。
実施例29
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた100mL4つ口フラスコ中に、化学式CHOCOCFO−(CFCFO)−CFCOOCHで表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物(式中、m=13〜17、数平均分子量:2000)10gをパーフルオロヘキサン30gに溶解したもの、アセトニトリル3.3mL、イオン交換水33mLを仕込み、充分に系内を窒素置換したのち、25℃で0.5時間撹拌した。その後、あらかじめ0.25Mに調製した水酸化ナトリウム水溶液15mL(3.75ミリモル)を、滴下ロートより滴下した。滴下終了後、25℃で1時間反応させた。反応終了後、分液操作を行い減圧下揮発分を完全に留去し、混合物9.94gを得た。
得られた混合物の内9.46gをパーフルオロヘキサン60mLに溶解し、シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製:PSQ 100B)30.75gを加え、25℃で1時間撹拌しシリカゲルに吸着させた。その後、反応液中のシリカゲルをセライト濾過し、シリカゲルをパーフルオロヘキサン200mlで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮することでCHOCOCFO−(CFCFO)−CFCOOCH 3.84g(40.6%)を得た。引き続きシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(6/4)200mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで、CHOCOCFO−(CFCFO)−CFCOH 5.22g(55.2%)を得た。最後にシリカゲルを、Novec(商標)7200/CFCOH(10/1)200mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで、HOCCFO−(CFCFO)−CFCOH 0.4g(4.2%)を得た。
実施例30
下記平均組成の化合物(1a)48.3モル%、(1b)41.2モル%および(1c)10.5モル%よりなる混合物を以下に実施例にて使用した。この混合物は、テトラフルオロエチレンの光酸化反応、過酸化パーフルオロポリエーテルの分解およびメチルエステル化、分子蒸留による分画、加水分解での両末端カルボン酸の合成、およびフッ素ガスを用いたフッ素化により合成したものである。各化合物の含有比率(モル比率)はシリカゲル分離を実施し、19F−NMRにて決定したものである。

平均組成:
CFO(CFO)(CFCFO)CFCOH (1a)
HOC(CFO)(CFCFO)CFCOH(1b)
CFO(CFO)(CFCFO)CF (1c)
(上記式中、n=26(平均値)およびm=27(平均値)である。)

分離操作
攪拌機を取り付けた50mlの3つ口フラスコに、平均組成CFO(CFO)(CFCFO)CF3、CFO(CFO)(CFCFO)CFCOH、HOC(CFO)(CFCFO)CFCOHで表されるパーフルオロポリエーテルカルボン酸混合物13.36g、パーフルオロヘキサン50ml、シリカゲル(富士シリシア製、PSQ−100B)41.2gを仕込み、25℃で1時間撹拌した。その後、反応液中のシリカゲルをセライト濾過し、シリカゲルをパーフルオロヘキサン200mlで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮することで、CFO(CFO)(CFCFO)CF1.40gを得た。
引き続きシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(100/1)300mlで洗浄後、ろ液を減圧下濃縮することで平均組成CFO(CFO)(CFCFO)CFCOH:HOC(CFO)(CFCFO)CFCOH=99.8:0.2のモル比率である混合物0.82gを得た。
引き続きシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(50/1)1000mlで洗浄したのち、次いでシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(1/1)300mlで洗浄し、最後にシリカゲルをNovec(商標)7200/CFCHOH(1:1)500mlで洗浄後、最後のろ液を減圧下濃縮することで、HOC(CFO)(CFCFO)CFCOH 3.03gを得た。
比較例14
実施例27で用いたパーフルオロポリエーテルカルボン酸混合物7g、パーフルオロヘキサン35ml、シリカゲル(富士シリシア製、PSQ−100B)20gを仕込み、25℃で1時間撹拌した。その後、反応液中のシリカゲルをセライト濾過し、次いで、HFE7200/メタノール=1/1の混合溶液300mlを用いてシリカゲルを洗浄後、洗浄液を濃縮したところ、CFCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCF 1.69g(24.1%)を得たが、パーフルオロポリエーテルカルボン酸は溶出されなかった。
本発明によって、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を良好に分離し取り出すことができる。本発明の方法によって、種々の構造を有するパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物の合成において有用性が高いパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および/またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、より純度が高い状態で提供することができるという、産業上の利点がある。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物;および、
    下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物または下記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物;
    Figure 0005668888
    Figure 0005668888
    Figure 0005668888
    [式(1)〜(3)中、Pf基は、
    Figure 0005668888
    で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
    Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
    を含む混合物から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物とを分離する方法であって、
    前記方法が、
    前記混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、
    非極性移動相を用いて、極性固定相から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、
    次いで極性移動相を用いて、極性固定相から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物またはパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離すること、
    を包含し、
    ここで、前記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択され、
    前記非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含み、
    前記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む、
    方法。
  2. 下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物、下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物および下記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物
    Figure 0005668888
    Figure 0005668888
    Figure 0005668888
    [式(1)〜(3)中、Pf基は、
    Figure 0005668888
    で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
    Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
    を含む混合物から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物、パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物およびパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離する方法であって、
    前記方法が、
    前記混合物、フッ素原子含有非極性溶媒および極性固定相を混合し、
    非極性移動相を用いて、極性固定相から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、
    次いで極性移動相を用いて、極性固定相から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を分離し、次いでパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を分離すること、
    を包含し、
    ここで、前記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択され、
    前記非極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有非極性溶媒を含み、
    前記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒を含むか、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせを含むか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子非含有極性溶媒の組み合わせを含む、
    方法。
  3. 前記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、前記極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たす、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物を、シリカゲルを担体とする薄層クロマトグラフィーによって、前記極性移動相を展開溶媒として用いて展開した場合、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有ジカルボン酸化合物のRf値が0.1以上となる条件を満たす、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. 前記極性移動相は、1またはそれ以上のフッ素原子含有極性溶媒であるか、または、フッ素原子含有非極性溶媒およびフッ素原子含有極性溶媒の組み合わせである、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 前記式(1)〜(3)中、
    はC1−4アルキル基であり、WおよびXは、それぞれ独立して、結合手、C1−4アルキレン基、C1−4フルオロアルキレン基またはC1−4パーフルオロアルキレン基である、
    請求項1〜5いずれかに記載の方法。
  7. 前記式(1)〜(3)中、a、b、cおよびdの和は、5以上200以下である、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  8. 前記式(1)〜(3)中におけるPf基の平均分子量が500〜100,000である、請求項1〜7いずれかに記載の方法。
  9. 前記フッ素原子含有非極性溶媒が、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロモノエーテル、パーフルオロモノエーテル、パーフルオロアルカン、ハイドロフルオロアルカン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアミン、フッ素原子含有アルケンおよびフッ素原子含有芳香族溶媒、フッ素原子含有ケトン、フッ素原子含有エステルからなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、請求項1〜8いずれかに記載の方法。
  10. 前記フッ素原子含有非極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内である、請求項9記載の方法。
  11. 前記フッ素原子含有極性溶媒が、フッ素原子含有アルコール、フッ素原子含有カルボン酸およびフッ素原子含有スルホン酸からなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、請求項1〜10いずれかに記載の方法。
  12. 前記フッ素原子含有極性溶媒の沸点が20〜200℃の範囲内である、請求項11記載の方法。
  13. 前記フッ素原子非含有極性溶媒が、カルボン酸溶媒、フェノール溶媒およびスルホン酸溶媒からなる群から選択される溶媒を1種またはそれ以上含む、請求項1〜4、6〜12いずれかに記載の方法。
  14. 下記式(1)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物;および、
    下記式(2)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物;
    Figure 0005668888
    Figure 0005668888
    [式(1)〜(2)中、Pf基は、
    Figure 0005668888
    で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基、RO−CO−W−O−基、HO−W−基、HO−W−O−基、R−O−W−基、V−基またはV−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、VはC1−16パーフルオロアルキル基またはHCF(CF−で表される基を表し、ここでgは0〜15の整数であり、
    Zは、−X−Y基または−O−X−Y基を表し、ここでXは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表し、Yはカルボン酸基を表す。]
    を含む混合物から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物と、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物とを分離する方法であって、
    前記方法が、
    フッ素原子含有非極性溶媒から選択される少なくとも1種の溶媒、前記混合物、および極性固定相を混合し、
    フッ素原子含有ケトンおよびフッ素原子含有エステルから選択される少なくとも1種の溶媒を用いて、極性固定相から、前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を分離し、次いで前記パーフルオロ(ポリ)エーテル基含有モノカルボン酸化合物を分離すること、
    を包含し、
    ここで、前記極性固定相は、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化マグネシウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケート、化学修飾シリカゲルおよび珪藻土からなる群から選択される、
    方法。
  15. 前記混合物が、下記式(1)
    Figure 0005668888
    [式(1)中、Pf基は、
    Figure 0005668888
    で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基であって、ここでa、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    Aは、それぞれ独立して、RO−CO−W−基またはRO−CO−W−O−基を表し、ここでRはアルキル基を表し、Wは結合手または1〜4の炭素を含有する2価の有機基を表す。]
    で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル基含有化合物を、アルカリ金属水酸化物を含む水溶液の存在下で加水分解することによって得られる混合物である、
    請求項1〜14いずれかに記載の方法。
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