JP5667392B2 - 積層体、及びその利用 - Google Patents

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本発明は、透明性、耐熱性に優れるポリイミドと無機基板の積層体、及びそれを用いたフラットパネルディスプレイ用部材、およびフレキシブルデバイスに関する。
現在、フラットパネルディスプレイ、電子ペーパーなどの電子デバイスの分野では、主としてガラス基板が用いられているが、ガラス基板には重く壊れやすいという問題があるため、必ずしも理想的な基板と言えない。そこで、基板をガラスからポリマー材料へと置き換えたフレキシブルデバイスを実現しようとする検討が盛んに行われてきた。しかしながら、これらの技術の多くは新しい生産技術や装置を必要とするため、大量生産されるには至っていない。
近年、フラットパネルディスプレイの製造方法としては、軽量化や壊れにくさを具備する材料として薄いガラス基板にポリイミド層を設けた材料を用いる方法が提案されている。即ち、ガラス基板にポリイミド層を形成した積層体を作製し、ポリイミド表面上に薄膜トランジスタ(以下、TFT)や透明電極等を形成し、ディスプレイ部材として用いることができる。また、フレキシブルデバイス用の部材を製造する方法として、前記積層体のポリイミド表面上に薄膜トランジスタや透明電極等を形成した後にガラス基板を剥離除去する方法が提案されている。(非特許文献1)。
これらで用いられる積層体またはポリイミドは、ディスプレイ用途としての十分な透明性や製造時の高温プロセスに耐えうる耐熱性が求められる。特に薄膜トランジスタや透明導電膜の形成では、300℃以上の耐熱性が求められる。具体的には300℃におけるポリイミドからのアウトガスが0.5%未満であることが求められている。
また、透明性としては、ヘイズが低く、全光線透過率が高い事が求められており、更には、波長が400nmの光の透過率が50%以上であることが求められている。
良好な透明性や耐熱性を有する材料として3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られるポリイミド材料が提案されている。(特許文献1、特許文献2)。特許文献1には、化学転換法(触媒溶液の添加する方法)により得られたフィルムは、全光線透過率も70%以上と透明性に優れ、また低熱膨張係数を有している事が記載されているが、アウトガスについて記載がない。
また、特許文献2には、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンをm−クレゾール中で反応させて得られたポリアミド酸を、300℃まで徐々に加熱することでポリイミドを得たことが記載されているが、熱物性以外の詳細は記載されていない。
また、非特許文献1には、同じく両モノマーを用いて得られた溶液に、脱水触媒及びイミド化剤を添加してポリイミドが得られたことが記載されているが、ここには得られたゲルの熱物性が記載されているだけであって、フィルムの物性については記載されていない。
上述のように、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを用いて製造したポリイミドは従来知られていたが、ガス発生や前述の用途に使用する記載もない。さらに、上記のポリイミドは、高い温度で加熱すると結晶化によりフィルムが白濁してしまう傾向が有り、高い温度プロセスへ適用は困難であると考えられたため、本用途には使用されていなかった。
特開2007−046054 米国特許5071997
日経FPD2008vol.1 トレンド・戦略編、144〜151頁、日経BP社(2008)
本発明の目的は、フラットパネルディスプレイ用部材やフレキシブルデバイスに好適に用いることのできるポリイミドフィルムと無機基板からなる積層体を提供することを目的とする。具体的には優れた透明性と耐熱性に優れるポリイミドフィルムと無機基板との積層体を提供することを目的とし、更には、ポリイミド上に、電子素子が形成されたフラットパネルディスプレイ用部材やフレキシブルデバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造のポリイミド前駆体の溶液を無機基板上に流延し、特定の温度範囲で乾燥およびイミド化することにより、結晶化によるフィルムの白化(高ヘイズ)をさせず、300℃におけるガス発生が低減されたポリイミドと無機基板との積層体を簡便に製造できることを見出し、本発明を為すに至った。すなわち、本発明は以下に関する。
1)化合物群(1)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物類と化合物群(2)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のジアミン類から得られるポリイミド前駆体の溶液を無機基板上に流延し、乾燥およびイミド化して得られるポリイミドフィルムと無機基板とからなる積層体であって、該乾燥およびイミド化する工程における最高温度が、300℃を超え400℃以下であって、該ポリイミドフィルムの厚みが10μmにおいてヘイズが2%未満、全光線透過率が85%以上であり、かつ300℃におけるポリイミドフィルムからのアウトガスが0.5%未満であることを特徴とする積層体。
2)上記乾燥およびイミド化する工程における最高温度が、310℃を超え350℃以下であること特徴とする1)に記載の積層体。
3)前記無機基板がガラス基板であることを特徴とする1)または2)に記載の積層体
4)1)〜3)のいずれかに記載の積層体のポリイミドフィルム上に、電子素子を形成したことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用部材。
5)1)〜3)のいずれかに記載の積層体のポリイミドフィルム上に、電子素子を形成し、その後、該ポリイミドフィルムを無機基板から剥離したことを特徴とするフレキシブルデバイス。
本発明の積層体は、300℃におけるガス発生が低減され、優れた透明性と耐熱性を有し、フラットパネルディスプレイ用部材やフレキシブルディスプレイの製造に好適に用いることができる。また、本発明のポリイミドフィルム上に電子素子が形成されたフラットパネルディプレー用部材やフレキシブルデバイスは、軽量性、耐衝撃性に優れる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、特定構造のポリイミド前駆体溶液を無機基板上に流延し、乾燥およびイミド化して得られるポリイミドフィルムと無機基板とからなる積層体であって、該ポリイミドの厚みが10μmにおいてヘイズが2%未満、全光線透過率が85%以上であり、かつ300℃におけるポリイミドからのアウトガスが0.5%未満であることを特徴とする積層体である。
(A)ポリイミド前駆体溶液
本発明に用いられるポリイミド前駆体溶液は、化合物群(1)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物類と化合物群(2)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のジアミン類から得られるポリイミド前駆体溶液である。
上記テトラカルボン酸二無水物類およびジアミン類は、それぞれ1種または2種以上混合して用いる事ができる。
また、化合物群(1)のテトラカルボン酸二無水物類において、特に波長が400nmの光の透過度が50%以上のポリイミドを得られ易い点や、耐熱性、入手性に優れる点で、化合物群(3)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物類を用いる事が好ましい。
また、化合物群(2)のジアミン類において、透明性や耐熱性、入手性に優れる点で、化合物群(4)
Figure 0005667392
より選択される少なくとも1種のジアミン類を用いる事が好ましい。
ポリイミド前駆体溶液の溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物やジアミン類が溶解し反応させることが出来れば特に限定されないが、溶解性に優れる、反応を促進する、ポリイミド前駆体溶液を無機基板状に流延しやすいなどの点で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホリルアミド、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランなどの溶剤を単独または混合物として用いることができ、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を好ましく用いる事ができる。
(ポリイミド前駆体溶液の製造方法)
ポリイミド前駆体溶液は、少なくとも1種の酸二無水物を含んでなる酸二無水物成分と、少なくとも1種のジアミンを含んでなるジアミン成分とを有機溶媒中で、上記酸二無水物とジアミンとが、実質的に等モルとなるようにして、反応させれば得ることができる。あるいは、2種以上の酸二無水物成分および2種以上のジアミン成分を用いる場合、複数のジアミン成分全量のモル比と複数の酸二無水物成分全量のモル比とを、実質的に等モルとなるように調整しておけば、ポリアミド酸共重合体を任意に得ることもできる。
上記反応の代表的な手法としては、上記ジアミン成分を有機溶媒に溶解し、その後、上記酸二無水物成分を添加して、ポリアミド酸が溶解してなる溶液(以下、ポリアミド酸溶液と記載する)を得る方法が挙げられる。なお、ここで「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解した状態、及び、溶質が溶媒中に均一に分散又は拡散して、実質的に溶解している状態と同じ状態となる場合を含むものとする。 なお、上記ジアミン成分及び酸二無水物成分の添加順序は上記に限定されるものではなく、当業者であれば、その添加方法を適宜変更・修正・改変することができる。すなわち、例えば、上記添加方法は、酸二無水物成分を有機溶媒に溶解又は拡散させ、その後、ジアミン成分を加えて、ポリイミド前駆体溶液とする方法であってもよい。あるいは、まず、有機溶媒中に適量のジアミン成分を加え、続いて、ジアミン成分中のジアミンに対して過剰となる酸二無水物を含む酸二無水物成分を加え、該酸二無水物の過剰量に相当する量のジアミンを含むジアミン成分を添加して、ポリイミド前駆体溶液とする方法であってもよい。
上記酸二無水物とジアミンとの反応(ポリアミド酸の合成反応)の温度条件は、該酸二無水物とジアミンとを重合させることができれば特に限定されないが、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは0〜50℃の範囲内がよい。また、反応時間は、酸二無水物とジアミンとの重合反応を完了させることができれば特に限定されないが、30分〜50時間の範囲内で任意に設定すればよい。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量としては、加熱により得られるポリイミドの機械的強度の点で、3千〜100万の範囲である事が好ましく、5千〜50万がより好ましく、1万〜50万が更に好ましい。重量平均分子量が3千未満であると得られるポリイミドの機械的強度が十分でなくもろくなる傾向がある。また重量平均分子量が100万を超えると前駆体の溶液としての取り扱い性が困難になる傾向がある。
ポリイミド前駆体溶液の濃度や粘度は、無機基板に溶液をコーティングする方法コーティング厚み等に適切な固形分濃度や粘度に調整することが好ましい。
例えば、10μmのポリイミドを作製する場合には、固形分濃度が5〜30%、粘度が20℃〜25℃の温度領域で、10cP(センチポイズ)〜100000cP(センチポイズ)の範囲で調整することが好ましい。
(積層体の製造方法)
ポリイミド前駆体溶液を無機基板に流延し、乾燥およびイミド化することにより本発明の積層体を製造することができる。
本発明の積層体において、該ポリイミドフィルムの厚みが10μmでヘイズが2%未満、全光線透過率が85%以上かつ300℃におけるポリイミドフィルムからのアウトガスが0.5%未満とするためには、乾燥およびイミド化の加熱条件が重要である。
アウトガスを低減するためには、加熱温度を上げることが有効であるがポリイミドの結晶性や着色等により、ヘイズが上昇したり全光線透過率が低下してしまう傾向がある。逆に透明性の低下や着色の抑制のため比較的緩やかな温度で加熱するとアウトガスの低減が出来なくなる、イミド化が十分に進まずポリイミドの機械的強度が不足する傾向がある。
透明性を損なうことなくアウトガスを低減する有効な方法としては、加熱する条件として、温度と加熱時間を適切に設定する必要がある。
加熱する条件(乾燥およびイミド化条件)としては、鋭意検討した結果、10μm〜50μmのフィルムを製造する場合は、流延後に100℃〜150℃の温度範囲で10分〜30分、次いで150℃〜200℃で10分〜30分、更に200℃〜250℃で5分〜10分、最後に最高温度で5〜10分加熱することが好ましい。特に200℃以下の温度で加熱する時間を200℃を越える加熱時間に比較して長くする事が好ましいことを見出した。
上記の最高温度は、フィルムの厚さに関係なく、300℃を超え400℃以下である必要があり、310℃を超え350℃以下で加熱することが好ましい。
最高温度が300℃以下であると、アウトガスが低減できない、イミド化が不十分となる傾向がある。逆に400℃を超えるとポリイミドの結晶化などにより白化が顕著となる傾向がある。
また、厚みが50μmを超えるフィルムを製造する場合は、上記時間に厚み比を掛け合わせた時間を採用する事が好ましい。例えば100μmのフィルムを製造する場合は、上記時間の2倍の時間を加熱することが好ましい。
上記の様に製造された積層体は、透明性に優れ、TFTや透明導電膜の形成における高温プロセスでもアウトガスを発生しないため、TFTや透明導電膜を良好に形成できる。
また、流延直前に、イミド化を促進するための触媒溶液をポリイミド前駆体溶液に添加することもできる。触媒溶液としては、イミド化を促進する機能を有していれば特に限定されないが、例えば、(1)脂肪族または芳香族酸無水物等の1種又は2種以上の脱水剤と(2)トリエチルアミン等の脂肪族3級アミン、ジメチルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン等の複素環3級アミン等の1種又は2種以上の触媒を混合した溶液を好ましく用いる事ができる。
本発明の積層体に用いられる無機基材としては、高温プロセスへの耐性を有していれば特に限定されないが、ハンドリング性や透明性を有する点でガラスを好ましく用いる事ができる。
(ポリイミドフィルムの光学特定)
本発明の積層体において、該ポリイミドフィルムの厚みが10μmでヘイズが2%未満、全光線透過率が85%以上である。
ヘイズが2%以上であるとフィルムの白濁が強くなるため、ディスプレイに使用した場合、画質の鮮明さが低下する傾向がある。
全光線透過率が85%未満であると、光が透過し難くなるため、ディスプレイに使用した場合、全体が暗くなる傾向がある。明るくするために光源の発光を強くすることになり、消費電力が増大することになる。
また、光の透過性においては、特に波長が400nmの透過率が50%以上であることが好ましい。透過性が50%未満であると、ディスプレイに使用した場合、黄色が他の色と比較し強くなり、色のバランスが悪くなる傾向がある。
(電子素束子形成・剥離)
本発明の積層体は、ポリイミドフィルム上に、電子素子を形成することにより、フラットパネルディスプレイ用部材に好ましく使用できる。
この積層体は、ポリイミドフィルムにより無機基材の耐衝撃性を向上させることが出来るため、ガラス等の無機基材を薄くしても割れ難くなる傾向がある。無機基材を薄くする事によりフラットパネルディスプレイの軽量化、薄型化が可能となる。ポリイミドフィルム以外の材料は、耐衝撃性は向上できるものの、フィルム上に電子素子を形成する際の高いプロセス温度に耐えることができない。
ポリイミド前駆体溶液を無機基板上に流延またはコーティングする方法としては、公知の方法を用いる事ができる。例えば、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等、ポリイミド前駆体溶液の性状や塗布厚、無機基材の種類等により好適な方法を選択、用いる事ができる。
また本発明の積層体は、ポリイミドフィルム上に、電子素子を形成し、その後、該ポリイミドフィルムを無機基板から剥離することにより、優れた特性を有するフレキシブルデバイスを得ることができる。さらに、上記工程は、既存のガラス基板を使用した生産装置をそのまま使用できるという利点があり、フラットパネルディスプレイ、電子ペーパーなどの電子デバイスの分野で有効に使用でき、大量生産にも適している。無機基板から剥離する方法には、公知の方法を用いることができる。例えば、人が引き剥がしても良いし、駆動ロール、ロボット等の機械装置を用いて引き剥がしても良い。更には、無機基板とポリイミドフィルムの間に剥離層を設ける方法も公知である。例えば、多数の溝を有するガラス基板上に酸化シリコン膜を形成し、エッチング液を浸潤させることによって剥離する方法、及びガラス基板上に非晶質シリコン層を設けレーザー光によって分離させる方法を挙げることが出来る。
また、ポリイミドフィルムを無機基板に積層するのではなく、ポリイミド前駆体の溶液を無機基板上に流延し、乾燥およびイミド化してポリイミドフィルムを形成することにより、既存の電子デバイス生産装置を効率よく使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
〔アウトガス量の測定〕
セイコーインスツルメンツ(株)製、TG/DTA220を用い下記条件にて重量減少量を測定し、100℃における重量を100%とした時の300℃における重量減少率(%)をアウトガス量とした。
(測定条件)
試料量:約10mg
測定温度範囲:室温〜400℃
昇温速度:5℃/min
雰囲気:窒素(流量50ml/min)。
〔全光線透過率、ヘイズの測定〕
日本電色工業(株)製 NDH−300Aを用いてフィルムのヘイズ及び全光線透過率(T.T.)を測定した。
〔UV−VIS吸収スペクトルの測定〕
日本分光(株)社製、V650DSを用いて、220〜800nmのUV−VIS吸収スペクトルを測定し、波長が400nmの光の透過率を測定した。
(実施例1)
(ポリイミド前駆体溶液の調整)
500mlセパラブルフラスコに、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下、TFMB)22.1g(69.1mmol)を投入し、175gのジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させ25℃の水浴中で撹拌した。そこへ、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDA)22.4g(73.4mmol)を加えて室温で3時間撹拌して均一溶液とした。更に、この溶液に2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン1.1g(3.4mmol)を6gのDMAcに溶解させた溶液を添加した。2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン溶液を溶液に添加してから約4時間攪拌し固形分濃度は15.0重量%のポリイミド前駆体溶液1を得た。
(ポリイミドフィルムと無機基板の積層体の作製)
得られたポリイミド前駆体溶液1を無機基板のガラス(松浪硝子工業(株)製、マイクロスライドグラスS9111、0.8〜1mm厚)に流延し、110℃で15分、170℃で15分、230℃で8分、320℃で8分加熱し、ガラス上に厚みが10μのポリイミドが形成された積層体を作製した。
得られた積層体よりポリイミドを剥離し、アウトガス量、全光線透過率(T.T)、ヘイズ、波長が400nmの光の透過率を測定し、結果を表1に示した。
(実施例2)
BPDAに代えて、4,4’‐(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(以下、6FDA)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液2、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
BPDAに代えて、4、4’-オキシジフタル酸二無水物(以下、ODPA)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液3、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
BPDAに代えて、2,2ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート3、3’、4、4’テトラカルボン酸二無水物(以下、ESDA)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液4、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例5)
BPDAと6FDAのモル比1:1で混合して使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液5、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例6)
ODPAと6FDAのモル比1:1で混合して使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液6、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例7)
TFMBに代えて、9、9ビス(4アミノフルオロフェニル)フルオレン(以下、BFAF)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液7、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
BPDAに代えて、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDA)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体溶液8、および積層体を作製し、ポリイミドの各種特性を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリイミド前駆体溶液1を無機基板のガラス(松浪硝子工業(株)製、マイクロスライドグラスS9111、0.8〜1mm厚)に流延し、100℃で15分、150℃で15分、200℃で30分、300℃で30分加熱し、ガラス上に厚みが10μのポリイミドが形成された積層体を作製した。
得られた積層体よりポリイミドを剥離し、アウトガス量、全光線透過率(T.T)、ヘイズ、波長が400nmの光の透過率を測定し、結果を表1に示した。
Figure 0005667392

Claims (5)

  1. 化合物群(1)
    Figure 0005667392
    より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物類と化合物群(2)
    Figure 0005667392
    より選択される少なくとも1種のジアミン類から得られるポリイミド前駆体の溶液を無機基板上に流延し、乾燥およびイミド化して得られるポリイミドフィルムと前記無機基板とからなる積層体であって、該乾燥およびイミド化する工程における最高温度が、300℃を超え400℃以下であって、該ポリイミドフィルムの厚みが10μmにおいてヘイズが2%未満、全光線透過率が85%以上であり、かつ300℃におけるポリイミドフィルムからのアウトガスが0.5%未満であることを特徴とする積層体。
  2. 上記乾燥およびイミド化する工程における最高温度が、310℃を超え350℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無機基板がガラス基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体のポリイミドフィルム上に、電子素子を形成したことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用部材。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体のポリイミドフィルム上に、電子素子を形成し、その後、該ポリイミドフィルムを前記無機基板から剥離したことを特徴とするフレキシブルデバイス。
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