JP5665681B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤ放電加工装置に関する。
ワイヤ放電加工装置は、ワイヤを回収するための回収モータを動作させてワイヤを走行させるとともに、ワイヤの張力を制御するための張力制御モータを動作させて加工中のワイヤの張力を制御している。このようなワイヤ放電加工装置においてワイヤがたわんだ状態でワイヤ走行を開始すると、回収モータによってワイヤを巻き取られるものの、張力制御モータはワイヤのたわみを取るために逆転方向に回転する。そして、ワイヤのたわみが無くなった際、ワイヤボビンや張力制御モータで駆動されるローラの慣性が影響して、ワイヤの張力が意図した値よりも過大になり、ワイヤの断線を引き起こす可能性があった。
これに対し、特許文献1には、一方のモータを一定速度で回転させておき、他方のモータに対しては、ワイヤの張力が安定するまではトルク制御を行い、張力が安定してからは速度制御による張力制御を行う技術が開示されている。
特開2008−221343号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、張力を検出するための機構や、トルク制御および速度制御の両方が可能なモータなど、複雑な構成が必要となるため、製造コストの点で不利となる。
また、単純にワイヤ走行の開始時における回収モータの加速度を緩やかにすることでたわみ解消時の張力を制御する方法も考えられるが、当該方法によれば、ワイヤ走行速度や張力が意図した値に到達して加工可能となる状態に至るまでにかかる時間が長くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工可能となる状態に至るまでにかかる時間の増大を抑制しつつワイヤ走行開始直後の断線を防止できるワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ワイヤ電極を収納するワイヤボビンと、前記ワイヤボビンからワイヤ電極を引き出す第1モータと、前記第1モータと前記ワイヤボビンとの間のワイヤ電極の経路に配設され、ワイヤ電極に対して前記第1モータとは逆の向きに力を付与する第2モータと、を備え、前記第1モータにより設定送り速度で引き出され、前記第2モータにより加工位置におけるワイヤ電極の張力を制御し、直線状態に維持されたワイヤ電極を用いて被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、前記第2モータによる張力を印加する位置におけるワイヤ電極の走行速度またはモータ速度にローラ径を乗じたワイヤ走行速度に換算した速度を検出する速度検出手段と、前記第1モータの回転を開始してからワイヤ電極の直線状態が実現するまでの間、前記速度検出手段による速度検出値に予め定められた設定差分値を加算して前記第1モータの速度指令を生成するモータ速度演算部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、加工可能となる状態に至るまでにかかる時間の増大を抑制しつつワイヤ走行開始直後の断線を防止できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1のワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1のワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。 図3は、比較例1のワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。 図4は、比較例2のワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。 図5は、実施の形態2のワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。 図6は、実施の形態2のワイヤ放電加工装置におけるモータ速度指令演算部の動作を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態3のワイヤ放電加工装置におけるモータ速度指令演算部の動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかるワイヤ放電加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる実施の形態1のワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。ワイヤ放電加工装置100は、ワイヤ(ワイヤ電極)1と被加工物8との間で放電を発生させることで被加工物8を加工することができるようになっている。ワイヤ1は、ワイヤ1を収納するワイヤボビン2から2個のプーリ3Aおよび張力制御ローラ5を経由して被加工物8の加工位置に供給され、更に、プーリ3B、回収ローラ7を経由して回収されるようになっている。ワイヤ1の走行の駆動力は主として回収ローラ7の回転により生じせしめられる。
NC装置10は、電流指令を生成し、モータ電流制御系11は、当該電流指令に基づいて張力制御モータ(第2モータ)4に供給する駆動電流を制御する。張力制御モータ4は、当該駆動電流により駆動され、張力制御ローラ5を回転させるトルクを発生する。
なお、ここでは、モータ電流制御系11は、NC装置10からの電流指令に基づいて、張力制御モータ4に一定電流を供給し、張力制御モータ4は、ワイヤ1の走行の向きとは反対向きにトルクを発生させるものとする。当該トルクの大きさは供給された電流に応じたものとなるので、ここではトルクの大きさは常に一定となる。すなわち、ワイヤ1がたわんだ状態で走行が開始されると、張力制御モータ4はワイヤ1が走行せしめられる向きとは逆向きに回転する。そして、ワイヤ1のたわみが無くなった瞬間に、張力制御ローラ5がワイヤ1に引っ張られることによって張力制御モータ4の回転の向きが逆転するが、張力制御モータ4は、モータ電流制御系11からの一定電流の駆動電流により依然として走行の向きとは逆向きのトルクを発生し続ける。この逆向きのトルクにより、張力制御ローラ5と回収ローラ7との間に予め設定された張力が与えられ、被加工物8の加工位置にてワイヤ1の直線状態が維持される。
また、NC装置10は、モータ速度指令演算部12に対してワイヤ1の加工時の送り速度を指定する第1速度指令を供給する。モータ速度指令演算部12は、現在の送り速度と指令された送り速度との間を補間するように、NC装置10からの第1速度指令よりも時間的および空間的に粒度の細かい第2速度指令を生成する。モータ速度制御系13は、モータ速度指令演算部12が生成した第2速度指令により指令された速度に回収モータ(第1モータ)6のモータ速度が追従するように回収モータ6を駆動する。すなわち、回収モータ6は、モータ速度を検出する機能を備えており、検出したモータ速度(回収モータ速度検出値)を出力する。モータ速度制御系13は、当該回収モータ速度検出値がモータ速度指令演算部12からの第2速度指令に一致するように回収モータ6の駆動電流を制御する。回収モータ6は、回収ローラ7を回転させてワイヤ1を走行させる。
ここで、ワイヤ1がたわんだ状態でワイヤ1の走行が開始されると、前述のように、張力制御モータ4と回収モータ6とは互いに逆方向の回転を開始する。そして、たわみが解消されて(言い換えると加工位置においてワイヤ1の直線状態が実現して)張力制御モータ4の回転の向きが逆転するとき、ワイヤ1に過大な張力が発生し、ワイヤ1が断線する事態を引き起こす。そこで、本発明の実施の形態1では、張力制御モータ4のモータ速度と回収モータ6のモータ速度との間の相対速度がワイヤ1の断線を引き起こすことがない予め設定された値(設定差分値)となるように回収モータ6の速度を制御することとした。
具体的には、張力制御モータ4は、モータ速度を検出する機能(速度検出手段)を具備し、モータ速度の検出値(張力制御モータ速度検出値)を出力する。モータ速度指令演算部12は、回収モータ6が回転を開始してからNC装置10から指令された速度に到達するまでの過渡状態において、張力制御モータ4が出力する張力制御モータ速度検出値に設定差分値を加算した値を第2速度指令とする。ここでは、張力制御ローラ5と回収ローラ7の径が同じ場合で説明したが、各モータ速度にローラ径を乗じたワイヤ走行速度に換算して制御してもよい。
図2は、実施の形態1のワイヤ放電加工装置100の動作を示す図である。なお、本図においては、説明を分かりやすくするために、ワイヤ1が走行する向きを正の向きとし、第2速度指令、張力制御モータ速度検出値、および回収モータ速度検出値をワイヤ1の送り速度に変換して示している。また、一例として、第2速度指令の初期値を10mm/s、第2速度指令の最低値を5mm/s、NC装置10からの第1速度指令を150mm/s、設定差分値を送り速度に換算した値を10mm/sとしている。
図示するように、ワイヤ走行が開始されると、張力制御モータ4は、負の方向に回転を開始する。第2速度指令は、ワイヤ走行の開始直後は10mm/sであるものの、設定差分値が10mm/sであるので、張力制御モータ速度検出値が負の方向に絶対値が増加するのに応じて減少し、張力制御モータ速度検出値が−5mm/s以下となると、最小送り速度の5mm/sで一定となる。回収モータ速度検出値は、0mm/sから加速し始め、やがて第2速度指令と同じ5mm/sで一定となっている。
そして、時刻t1においてワイヤ1のたわみが解消すると、張力制御モータ4はワイヤ1に引っ張られることによって負の向きの回転にブレーキがかけられ、回転の向きが逆転せしめられる。したがって、時刻t1で張力制御モータ速度検出値が−10mm/sから急激に立ち上がってゼロ値を越えている。第2速度指令は、張力制御モータ速度検出値の立ち上がりに応じて急激に立ち上がる。回収モータ速度検出値は、第2速度指令値の立ち上がりに応答して増加を開始する。そして、第2速度指令は最終的にNC装置10からの速度指令を150mm/sに到達して一定となり、その後、回収モータ速度検出値が速度指令に追従して150mm/sで一定となる。
なお、張力制御ローラ5と回収ローラ7との間で直線状態が維持されたワイヤ1は張力制御ローラ5と回収ローラ7との間の張力およびその間で張られるワイヤ1の長さに応じた伸び量で伸びるため、常に回収ローラ7の送り速度は張力制御ローラ5の送り速度よりも速くなっている。したがって、回収モータ速度検出値が150mm/sで一定となった後、張力制御モータ速度検出値は、150mm/sよりワイヤ1の伸び量に応じた速度だけ小さい速度で一定となる。
図3は、本実施の形態1との比較の一例として、回収モータの速度指令を単純に一定加速度で増加させた場合のワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。本図に示す例を比較例1ということとする。図示するように、比較例1によれば、張力制御モータ速度検出値が負の値となっているにも関わらず回収モータに対する第2速度指令が加速し続けているので、ワイヤ走行直後は、回収モータ速度検出値と張力制御モータ速度検出値との差分値が単調増加することとなる。したがって、ワイヤ1のたわみの程度によっては、たわみが解消する時刻(図中時刻t2)においてワイヤボビンや張力制御ローラを急加速させるため、ワイヤ張力が断線差分値を上回り、結果としてワイヤ1の断線が発生する可能性が生じる。
図4は、本実施の形態1との比較の別の例として、図3の例で示したワイヤ1の断線が発生する可能性を低減するために、第2速度指令の加速度を図3に示した例よりも小さくした場合のワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。なお、図4に示した例を比較例2ということとする。図示するように、比較例2によれば、比較例1よりも第2速度指令の加速度が小さいので、回収モータ速度検出値と張力制御モータ速度検出値との間の差分値が比較例1よりも小さい。したがって、たわみが解消する時刻(図中時刻t3)が比較例2と同じであったとしても、比較例1に比べてワイヤ張力が断線差分値を上回る可能性が小さいため、断線が発生する可能性が小さくすることができる。しかしながら、回収モータの加速度を比較例1よりも小さくしているため、回収モータのモータ速度が第1速度指令に到達するまでにかかる時間が比較例1に比べて増大し、結果としてユーザが加工を開始できるまでに待たされる時間が長くなってしまう。
これに対して、本発明の実施の形態1によれば、モータ速度指令演算部12は、張力制御モータ速度検出値に設定差分値を加算した値を第2速度指令とするので、ワイヤ走行が開始されてから回収モータ6のモータ速度が第1速度指令により指令された値に到達するまで、常に、
(第2速度指令)≧(回収モータ速度検出値)>(張力制御モータ速度検出値)=(第2速度指令)− 設定差分値
の関係を保ったまま回収モータ6を加速する。すなわち、回収モータ6の速度と張力制御モータ4の速度との差は設定差分値を越えることがない。したがって、ワイヤ1が断線する張力が発生する張力制御モータ4と回収モータ6との間の相対速度の最低値(以下、断線差分値という)を事前に求めておき、設定差分値が当該断線差分値を下回るようにすることで、たわみがどれだけ大きい場合でもワイヤ走行開始直後のワイヤ1の断線を防止することができる。また、比較例2のように回収モータ6の加速度を小さくすることによって断線を防止するようにしているのではないので、断線の防止と引き換えにユーザが加工を開始できるまでの待ち時間をいたずらに長くしてしまうことを防ぐことができる。すなわち、加工可能となる状態に至るまでにかかる時間の増大を抑制しつつワイヤ走行開始時の断線を防止できる。
なお、以上の説明においては、たわみが解消した後も、モータ速度指令演算部12は、張力制御モータ速度検出値に設定差分値を加算した値を第2速度指令とするとして説明したが、たわみが解消した後はどのように第2速度指令を生成するようにしても構わない。例えば、張力制御モータ速度検出値に所定の定数を乗じて、さらに乗じた値にオフセットを加算して第2速度指令を生成するようにしてもよい。また、たわみが解消したか否かをどのように検出するようにしてもよい。例えば張力制御モータ速度検出値の符号を監視し、符号が負の値から正の値に変わったとき、モータ速度指令演算部12は、たわみが解消したことを認識するようにしてよい。
また、以上の説明においては、張力制御モータ4はワイヤ1がたわんでいるときはワイヤ1の走行方向とは逆の方向に張力制御ローラ5を回転させ、ワイヤ1のたわみが解消した後、ワイヤ1に引っ張られて張力制御モータ4の回転の向きが逆転するとして説明したので、張力制御モータ速度検出値はワイヤ1の張力制御ローラ5の位置のワイヤ1の送り速度に対応した値となるので、モータ速度指令演算部12は、張力制御モータ速度検出値に設定差分値を加算した値を第2速度指令とすることによってワイヤ1の断線を防止することができる。張力制御ローラ5がワイヤ1に対してスリップを許容する構成になっている場合には、張力制御モータ速度検出値はワイヤ1の張力制御ローラ5の位置のワイヤ1の送り速度に対応した値とならない。その場合、張力制御ローラ5の近辺に張力制御ローラ5の位置のワイヤ1の送り速度を検出する手段を設け、モータ速度指令演算部12は、当該手段による速度検出値を張力制御モータ速度検出値の替わりに使用するようにするとよい。
また、以上の説明においては、ワイヤ1がたわんでいるか、直線状態かで説明したが、直線状態を維持していても、ワイヤ張力を大きくするとワイヤ1が伸びるため、この場合にも同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図5は、本発明にかかる実施の形態2のワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。図示するように、ワイヤ放電加工装置200は、ワイヤ1と被加工物8との間で放電を行うことで被加工物8を加工することができるようになっている。ワイヤ1は、ワイヤボビン2から2個のプーリ3Aおよび張力制御ローラ5を経由して被加工物8の加工位置に供給され、更に、プーリ3B、回収ローラ7を経由して回収されるようになっている。ワイヤ1の走行の駆動力は主として回収ローラ7の回転により生じせしめられる。
NC装置10は、電流指令を生成し、モータ電流制御系11は、当該電流指令に基づいて張力制御モータ9に供給する駆動電流を生成する。張力制御モータ9は、当該駆動電流により駆動され、張力制御ローラ5を回転させるトルクを発生する。なお、モータ電流制御系11は、NC装置10からの電流指令に基づいて、張力制御モータ9に一定電流を供給し、張力制御モータ9は、張力制御ローラ5をワイヤ1の走行の向きとは反対向きに回転させるトルクを発生させるものとする。
また、NC装置10は、モータ速度指令演算部21に対してワイヤ1の加工時の送り速度を指定する速度指令(第1速度指令)を供給する。モータ速度指令演算部21は、現在の送り速度と指令された送り速度との間を補間するように、NC装置10からの第1速度指令よりも時間的および空間的に粒度の細かい速度指令(第2速度指令)を生成する。モータ速度制御系13は、モータ速度指令演算部21が生成した第2速度指令により指令された速度に回収モータ6のモータ速度が追従するように回収モータ6を駆動する。すなわち、回収モータ6は、モータ速度を検出する機能を備えており、検出したモータ速度(回収モータ速度検出値)を出力する。モータ速度制御系13は、当該回収モータ速度検出値がモータ速度指令演算部21からの第2速度指令に一致するように回収モータ6の駆動電流を発生させる。
実施の形態2においては、ワイヤ1のたわみが解消される際にワイヤ1の断線が発生させることを防止するために、ワイヤ放電加工装置200は、ワイヤ1のたわみを検出するたわみ検出器(検出器)20を具備し、モータ速度指令演算部21は、ワイヤ走行が開始されてから回収モータ6が第1速度指令の速度に到達するまでの過渡状態において、たわみ検出器20がワイヤ1がたわんでいることを検出している状態(たわみ検出状態)では回収モータ6の速度を上げないようにし、たわみ検出器20がワイヤ1がたわんでいないことを検出している状態(非たわみ検出状態)では回収モータ6の速度を上げるように第2速度指令を生成する。
なお、たわみ検出器20の検出方式は特に限定されない。例えば、たわんだワイヤ1がセンサに接触したときに接触を検知してたわみ検出状態を出力し、非接触であるときに非たわみ検出状態を出力する接触式の検出器を採用することができる。また、光学式のセンサでたわみを検出するタイプの検出器を採用することができる。
また、被加工物8の加工位置においてワイヤ1がたわんでいる場合、張力制御ローラ5と回収ローラ7との間に意図した張力がかかっていないため、張力制御ローラ5と回収ローラ7との間のどの位置においてもワイヤ1はたわむ。したがって、たわみ検出器20のセンサは、張力制御ローラ5と回収ローラ7との間のどの位置に配設するようにしても構わない。
図6は、実施の形態2のワイヤ放電加工装置200におけるモータ速度指令演算部21の動作を示すフローチャートである。NC装置10が第1速度指令(例えば150mm/s)を出力すると、モータ速度指令演算部21は、まず、予め設定された初期速度(例えば10mm/s)を指令する第2速度指令を出力する(ステップS1)。そして、モータ速度指令演算部21は、たわみ検出器20がたわみ検出状態であるか否かを判定する(ステップS2)。たわみ検出器20がたわみ検出状態である場合(ステップS2、Yes)、モータ速度指令演算部21は、ステップS2の判定処理を再度実行する。
たわみ検出器20が非たわみ検出状態である場合(ステップS2、No)、モータ速度指令演算部21は、予め設定された加速度(例えば100mm/s)で前回の演算周期で出力された第2速度指令から指令値を増加させた第2速度指令を出力し(ステップS3)、第2速度指令が第1速度指令に到達したか否かを判定する(ステップS4)。第2速度指令が第1速度指令に到達していない場合(ステップS4、No)、モータ速度指令演算部21は、ステップS2の処理を実行する。第2速度指令が第1速度指令に到達した場合(ステップS4、Yes)、モータ速度指令演算部21は、以降の演算周期において第1速度指令の指令値を第2速度指令として出力する(ステップS5)。なお、ステップS5の処理が開始されると、ユーザは被加工物8の加工が可能となる。
なお、以上の説明においては、回収モータ6の初期速度を10mm/sなどゼロ値を越える値としたが、初期速度はゼロ値とし、ワイヤ1のたわみは張力制御モータ4によって解消するようにしてもよい。
また、張力制御モータ4はワイヤ1の走行の向きとは逆方向のトルクを発生させるとして説明したが、張力制御モータ4、張力制御ローラ5、モータ電流制御系11を省略し、替わりにパウダーブレーキなど、抵抗を付与する手段を設けるようにしてもよい。その場合は、ワイヤ1のたわみを解消するために、回収モータ6の初期速度はゼロ値を越える正の値を設定する必要がある。
このように、本発明の実施の形態2によれば、ワイヤ1が被加工物8の加工位置におけるたわみを検出するたわみ検出器20を備え、モータ速度演算部21は、回収モータ6の回転を開始してから第2速度指令が第1速度指令に至るまでの間において、たわみ検出器20が非たわみ検出状態の場合、回収モータ6の速度を増加させず、たわみ検出器20がたわみ検出状態の場合、回収モータ6の速度を増加させるように第2速度指令を生成するように構成したので、ワイヤ1のたわみがどれだけ大きい場合でもワイヤ走行開始時のワイヤ1の断線を防止することができる。また、比較例2のように回収モータ6の加速度を小さくすることによって断線を防止するようにしているのではないので、断線の防止と引き換えにユーザが加工を開始できるまでの待ち時間をいたずらに長くしてしまうことを防ぐことができる。すなわち、加工可能となる状態に至るまでにかかる時間の増大を抑制しつつワイヤ走行開始時の断線を防止できる。
実施の形態3.
実施の形態3のワイヤ放電加工装置の構成はモータ速度指令演算部を除いて実施の形態2と同等であるので、実施の形態3のワイヤ放電加工装置に符号300、実施の形態3のワイヤ放電加工装置が備えるモータ速度指令演算部に符号31を夫々付して、実施の形態2と区別することとし、他の構成要素に関しては実施の形態2と同一の名称および符号を用いて説明する。
実施の形態3のモータ速度指令演算部31は、たわみ検出器20がたわみ検出状態では回収モータ6の速度を下げ、たわみ検出器20が非たわみ検出状態では回収モータ6の速度を上げるように第2速度指令を生成する。
図7は、実施の形態3のワイヤ放電加工装置300におけるモータ速度指令演算部31の動作を示すフローチャートである。NC装置10が第1速度指令を出力すると、モータ速度指令演算部31は、まず、予め設定された初期速度を指令する第2速度指令を出力する(ステップS11)。そして、モータ速度指令演算部31は、たわみ検出器20がたわみ検出状態であるか否かを判定する(ステップS12)。たわみ検出器20がたわみ検出状態である場合(ステップS12、Yes)、モータ速度指令演算部31は、後述するステップS16の処理を実行する。
たわみ検出器20が非たわみ検出状態である場合(ステップS12、No)、モータ速度指令演算部31は、予め設定された第1の加速度(例えば100mm/s)で前回の演算周期で出力された第2速度指令から指令値を増加させた第2速度指令を出力し(ステップS13)、第2速度指令が第1速度指令に到達したか否かを判定する(ステップS14)。第2速度指令が第1速度指令に到達していない場合(ステップS14、No)、モータ速度指令演算部31は、ステップS12の処理を実行する。第2速度指令が第1速度指令に到達した場合(ステップS14、Yes)、モータ速度指令演算部31は、第1速度指令の指令値を第2速度指令として出力する(ステップS15)。なお、ステップS15の処理が開始されると、ユーザは被加工物8の加工が可能となる。
たわみ検出器20がたわみ検出状態である場合(ステップS12、Yes)、モータ速度指令演算部31は、予め設定された第2の加速度(例えば−50mm/s)で前回の演算周期で出力された第2速度指令から指令値を増加させた第2速度指令を出力し(ステップS16)、第2速度指令が初期速度の値に等しいかまたは越える値であるか否かを判定する(ステップS17)。第2速度指令が初期速度の値に等しいかまたは越える値である場合(ステップS17、Yes)、モータ速度指令演算部31はステップS12の判定処理を実行する。第2速度指令が初期速度の値を下回る場合(ステップS17、No)、モータ速度指令演算部31はステップS11の処理を実行する。
このように、本発明の実施の形態3によれば、モータ速度指令演算部31は、たわみ検出器20がたわみ検出状態では回収モータ6の速度を下げ、たわみ検出器20が非たわみ検出状態では回収モータ6の速度を上げるように第2速度指令を生成するように構成したので、実施の形態2と同様に、加工可能となる状態に至るまでにかかる時間の増大を抑制しつつワイヤ走行開始時の断線を防止することができる。
1 ワイヤ
2 ワイヤボビン
3A、3B プーリ
4 張力制御モータ
5、9 張力制御ローラ
6 回収モータ
7 回収ローラ
8 被加工物
10 NC装置
11 モータ電流制御系
12、21、31 モータ速度指令演算部
13 モータ速度制御系
20 たわみ検出器
100、200、300 ワイヤ放電加工装置

Claims (5)

  1. ワイヤ電極を収納するワイヤボビンと、前記ワイヤボビンからワイヤ電極を引き出す第1モータと、前記第1モータと前記ワイヤボビンとの間のワイヤ電極の経路に配設され、ワイヤ電極に対して前記第1モータとは逆の向きに力を付与する第2モータと、を備え、前記第1モータにより設定送り速度で引き出され、前記第1モータと前記第2モータにより印加された張力により加工位置において直線状態に維持されたワイヤ電極を用いて被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記第2モータがワイヤ電極に張力を印加する位置におけるワイヤ電極の走行速度またはモータ速度にローラ径を乗じたワイヤ走行速度に換算した速度を検出する速度検出手段と、
    前記第1モータの回転を開始してからワイヤ電極の直線状態が実現するまでの間、前記速度検出手段による速度検出値に予め定められた設定差分値を加算して前記第1モータの速度指令を生成するモータ速度演算部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記モータ速度演算部は、前記ワイヤ電極の直線状態が実現してから前記第1モータの速度指令が前記設定送り速度に至るまでの間、前記速度検出手段による速度検出値に前記設定差分値を加算して前記第1モータの速度指令を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記モータ速度演算部は、前記ワイヤ電極の直線状態が実現してから前記第1モータの速度指令が前記設定送り速度に至るまでの間、前記速度検出手段による速度検出値を定数倍し、前記定数倍された速度検出値にオフセットを加算して前記第1モータの速度指令を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. ワイヤ電極を収納するワイヤボビンと、前記ワイヤボビンからワイヤ電極を引き出すモータと、前記モータと前記ワイヤボビンとの間のワイヤ電極の経路に配設され、ワイヤ電極の走行に対して抵抗を与える抵抗付与手段と、を備え、前記モータにより設定送り速度で引き出され、前記抵抗付与手段により加工位置において直線状態に維持されたワイヤ電極を用いて被加工物を加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記抵抗付与手段と前記モータとの間のワイヤ電極の経路に配設され、ワイヤ電極が前記加工位置において直線状態であるか非直線状態であるかを検出する検出器と、
    前記モータの回転を開始してから前記モータの速度指令が前記設定送り速度に至るまでの間において、前記検出器が非直線状態を検出している場合、前記モータの速度を増加させず、前記検出器が直線状態を検出している場合、前記モータの速度を増加させるように前記モータの速度指令を生成するモータ速度演算部と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  5. 前記モータ速度演算部は、前記検出器が非直線状態を検出している場合、前記モータの速度を減少させるように前記モータの速度指令を生成する、
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
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