JP5845853B2 - 金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法 - Google Patents

金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法に関し、特に金属ストリップの製造ライン内のトルク電流によって制御されるブライドルロール間の処理セクションにおいて、張力がかけられている金属ストリップが破断した状態であることを検知する金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法に関する。
金属ストリップを製造する製造ライン内には、トルク電流によって張力制御されるブライドルロール間に処理セクションが設けられている。このブライドルロール間の処理セクションにおいては、金属ストリップに張力がかかっている。このため、ブライドルロール間の処理セクションで金属ストリップが破断してしまうと、例えば破断した部分を接合しなければならず、復旧作業に手間がかかる。また、破断が発生してからできる限り短時間で、製造ラインを停止することができれば良いが、製造ラインが停止するまでに時間がかかり過ぎると、金属ストリップがロールに巻きついてしまうことがある。さらに、金属ストリップの破断が発生すると、製造ラインを一時的に停止しなければならないため、生産性が低下してしまう。
このため、ブライドルロール間の張力やロールを駆動するモータの電流速度等の実績値、各種センサを用いることによって、金属ストリップが破断した状態であることを検知する装置・方法として、例えば下記の特許文献1〜3の破断検知装置・方法がある。
まず、特許文献1の破断検出方法においては、金属ストリップの張力実績値や、張力実績値の変動幅、変動時間をそれぞれの設定値と比較して、それらが所定値以上になった時に、金属ストリップが破断した状態であると判定する。
また、特許文献2の破断検出装置においては、上流側のロールと下流側のロールとの各電流値を検出し、上流側のブライドルロールの電流値が所定値以上になるとともに、下流側のブライドルロールの電流値が所定値以上になった時に、加工処理材が破断した状態であると判定する。
また、特許文献3の破断検出方法・装置においては、縦型焼鈍炉セクションの入口側の搬送ロールの回転速度と、入口側と反対側の出口側にある各搬送ロールの回転速度とが所定値以上になった時に、金属ストリップが破断した状態であると判定する。さらに、この破断検出方法・装置においては、光センサを併用しており、金属体が破断した状態になったことによって金属体により遮光されなくなった時に、金属ストリップが破断した状態であると判定する。
特開平6−255853号公報 特開昭58−112486号公報 特開平10−239247号公報
まず、特許文献3の破断検出方法・装置のような、光センサを用いて金属体が破断した状態であることを検知する方法であるが、金属体が破断してから短時間で金属体が破断した状態であることを検知するためには、製造ライン上に、短い間隔で複数の光センサを設けておく必要があり、多くのコストを要した。
また、焼鈍炉等においては、光センサを用いることができない。つまり、製造ラインの環境下によって、各種センサを用いることが難しい場合があった。
さらに、金属体が破断した瞬間に、トルク電流によって張力制御されるブライドルロールの速度が、各ロールの張力設定値によって加速したり、または減速したりする場合がある。このため、特許文献3の破断検出方法・装置では、金属ストリップが破断した状態であることを正しく検知することができない場合があった。
また、特許文献1の破断検出方法のような、張力実績値を用いて金属ストリップが破断した状態であることを検知する方法であるが、張力実績値を取得するための張力計等の計測機器を有していない製造ラインにはそもそも用いることができない。
また、特許文献2の破断検出方法のように、上流側のロールと下流側のロールとの各電流値を用いて金属ストリップが破断した状態であることを検知する方法であるが、各電流値データに基づいて検知処理を行う上で膨大なデータ処理を要した。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、張力実績値を取得することが難しく、また各種センサを設置することが難しい環境下にある製造ラインの処理セクションであっても、金属ストリップが破断した状態であることを検知することができる金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法を提供することを目的とする。
本発明による金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明のある態様による金属ストリップの破断検知システムは、金属ストリップの製造ライン内に設けられた処理セクションにおいて、トルク電流によって前記金属ストリップの張力制御を行う少なくとも1つのロールを駆動するモータのトルク電流実績値を検出するトルク電流実績値検出部と、前記ロールの回転速度実績値を検出する回転速度実績値検出部と、少なくとも前記トルク電流実績値検出部によって検出されたトルク電流実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第1回転速度変化率算出部と、前記回転速度実績値検出部によって検出された回転速度実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第2回転速度変化率算出部と、前記第1回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率と、前記第2回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率との差の絶対値が、破断状態判定閾値を超えた場合に、前記金属ストリップが破断した状態であると判定する破断状態判定部とを備えることを特徴とする。
上記の金属ストリップの破断検知システムによれば、破断状態判定部が、トルク電流実績値から得られるロールの回転速度変化率と、ロールの回転速度実績値とから得られる回転速度変化率との差の絶対値が、破断状態判定閾値を超えた場合に、金属ストリップが破断した状態であると判定する。
これにより、張力実績値を取得する必要がなく、また光センサ等のセンサを設置する必要もなく、製造ラインの各種の処理セクションにおいて金属ストリップが破断した状態であることを検知することが可能となる。
本発明のある態様による金属ストリップの破断検知システムは、前記破断状態判定閾値を記憶する破断状態判定閾値記憶部をさらに備えることを特徴とする。
上記の金属ストリップの破断検知システムによれば、経験値として、製造ラインの駆動停止の減速率の2〜3倍程度の破断状態判定閾値を破断状態判定閾値記憶部に設定しておくことで、金属ストリップの破断検知時間を従来よりも飛躍的に短縮することが可能となる。
本発明のある態様による金属ストリップの破断検知システムは、前記第1回転速度変化率算出部は、前記トルク電流実績値検出部によって検出されたトルク電流実績値に加えて、前記ロールを駆動するモータの定格トルク、定格電流および定格出力と、前記ロールのうちの製造ライン上の上流側ブライドルロールの張力設定値と、前記ロールのうちの製造ライン上の下流側ブライドルロールの張力設定値とに基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出することを特徴とする。
上記の金属ストリップの破断検知システムによれば、第1回転速度変化率算出部が、トルク電流実績値検出部によって検出されたトルク電流実績値に加えて、ロールを駆動するモータの各定格値と、ロールのうちの製造ライン上の上流側ブライドルロールの張力設定値と、ロールのうちの製造ライン上の下流側ブライドルロールの張力設定値とに基づいて、ロールの回転速度変化率を精度良く算出する。
回転速度変化率は、破断状態判定部において金属ストリップが破断した状態であると判定する際の一要素であるため、上記の回転速度変化率を精度良く算出しておくことにより、破断状態判定部における判定精度を高めることが可能となる。
本発明のある態様による金属ストリップの破断検知システムは、前記破断状態判定部は、前記金属ストリップが破断した状態であると判定した際、前記金属ストリップの製造ライン内のロールを駆動するモータを駆動停止するための破断検出信号を出力することを特徴とする。
上記の金属ストリップの破断検知システムによれば、ロールを駆動するためのモータの駆動を制御する制御部が、破断状態判定部から出力された破断検出信号を受けて、ロールを駆動するモータを即座に駆動停止することが可能となる。
本発明のある態様による金属ストリップの破断検知方法は、トルク電流実績値検出部が、金属ストリップの製造ライン内に設けられた処理セクションにおいて、トルク電流によって前記金属ストリップの張力制御を行う少なくとも1つのロールを駆動するモータのトルク電流実績値を検出するトルク電流実績値検出ステップ、回転速度実績値検出部が、前記ロールの回転速度実績値を検出する回転速度実績値検出ステップ、第1回転速度変化率算出部が、少なくとも前記トルク電流実績値検出ステップによって検出されたトルク電流実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第1回転速度変化率算出ステップ、第2回転速度変化率算出部が、前記回転速度実績値検出ステップによって検出された回転速度実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第2回転速度変化率算出ステップ、破断状態判定部が、前記第1回転速度変化率算出ステップにより算出された回転速度変化率と、前記第2回転速度変化率算出ステップにより算出された回転速度変化率との差の絶対値が、破断状態判定閾値を超えた場合に、前記金属ストリップが破断した状態であると判定する破断状態判定ステップを有することを特徴とする。
上記の金属ストリップの破断検知方法によれば、上記の各部が処理ステップを実行することによって、上記の破断検知システムと同様に、張力実績値を取得することが難しく、また光センサ等のセンサを設置することが難しい環境下にある製造ラインの各種の処理セクションにおいても、金属ストリップが破断した状態であることを検知することが可能となる。
本発明の金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法によれば、トルク電流実績値から得られるロールの回転速度変化率と、ロールの回転速度実績値とから得られる回転速度変化率との差の絶対値が、予め決めておいた破断状態判定閾値を超えた場合に、金属ストリップが破断した状態であると判定する。
これにより、張力実績値を取得することが難しく、また光センサ等のセンサを設置することが比較的難しい環境下にある製造ラインの各種の処理セクションにおいても、金属ストリップが破断した状態であることを検知することができる。同時に、金属ストリップSの破断検知時間を飛躍的に短縮することができる。
本発明の実施形態に係る破断検知システム20を用いた製造ライン10の装置構成を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る破断検知システム20の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る破断検知システム20における金属ストリップが破断した状態であることを検知する破断検知処理の流れを示すフローチャートである。 破断検知システム20によって得られた回転速度変化率Δαとロールの回転速度実績値V(mpm)とを示すグラフである。
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の金属ストリップの破断検知システムおよび破断検知方法の好適な実施の形態を詳細に説明にする。
(破断検知システム20を用いた製造ライン10の装置構成)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る破断検知システム20を用いた製造ライン10の装置構成を説明する。
図1に示す製造ライン10は、制御部11と、上流側ブライドルロール12と、下流側ブライドルロール13と、処理セクション14と、破断検知システム20とを備えて構成される。
制御部11は、主に、トルク電流によって上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各モータの回転を駆動制御する。
上流側ブライドルロール12は、製造ライン10の上流側(図1中の左側)にあるブライドルロールであり、下流側ブライドルロール13は、製造ライン10の下流側(図1中の右側)にあるブライドルロールである。上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13とは、制御部11からのトルク電流によってロール内部に設けられているモータの回転駆動が制御されている。
処理セクション14は、上記の上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との間に設けられている。この処理セクション14では、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13とによって、金属ストリップSに張力をかける張力制御が行われている。従って、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との間に設けられている処理セクション14が、張力がかけられている金属ストリップSが破断した状態であることを検知する破断検知セクションになる。
なお、この処理セクション14とは、一例として、金属ストリップSに対して焼鈍を行う熱処理セクションであったり、金属ストリップSを洗浄する洗浄処理セクションであったりする。勿論、製造ライン10には、処理セクション14以外にも、複数の張力制御セクションが設けられていても良い。
上記で説明した製造ライン10上を、金属ストリップSが、図1中に示す各矢印A〜Cの方向に、一定の速度で移動している。そして、その製造ライン10には、トルク電流実績値検出部21や回転速度実績値検出部22、PLC(Programmable Logic Controller)23等を有する破断検知システム20が設けられている。その破断検知システム20によって、金属ストリップSが破断した状態であると判定されると、製造ライン10の制御部11に対して、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各モータを駆動停止するための破断検出信号Sが出力される。
(破断検知システム20の機能構成)
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る破断検知システム20の機能構成を説明する。
図2は、破断検知システム20の機能構成を示すブロック図である。図2に示す破断検知システム20は、トルク電流実績値検出部21と、回転速度実績値検出部22と、第1回転速度変化率算出部23と、PLC23とを備えて構成される。
トルク電流実績値検出部21は、上流側ブライドルロール12のモータの回転を駆動制御するためのトルク電流実績値I(A)を検出する。
回転速度実績値検出部22は、上流側ブライドルロール12の回転速度実績値Vを検出する。
なお、本実施形態の説明においては、トルク電流実績値検出部21がトルク電流実績値I(A)を検出する対象のロール、また回転速度実績値検出部22が回転速度実績値Vを検出する対象のロールを上流側ブライドルロール12としているが、これに限定されない。例えば、上記の対象のロールは、下流側ブライドルロール13であったり、これ以外の別のブライドルロールがあれば、そのブライドルロールであっても良い。また、複数のロールであっても良い。
PLC23は、第1回転速度変化率算出部24と、第2回転速度変化率算出部25と、破断状態判定閾値記憶部26と、破断状態判定部27とを備えて構成される。
第1回転速度変化率算出部24は、トルク電流実績値検出部21によって検出されたトルク電流実績値I(A)に基づいて、上流側ブライドルロール12の回転速度変化率α´(mpm/s)を算出する。なお、第1回転速度変化率算出部24は、回転速度変化率α´(mpm/s)を算出する際に、トルク電流実績値I(A)に加えて、例えば、ロールを駆動するモータの定格トルク、定格電流および定格出力、処理セクション14の上流側ブライドルロール12側の張力設定値、処理セクション14の下流側ブライドルロール13の張力設定値を参酌する。回転速度変化率α´(mpm/s)は、破断状態判定部27において金属ストリップSが破断した状態であると判定する際の一要素であるため、回転速度変化率α´(mpm/s)を精度良く算出することで、破断状態判定部27における判定精度を高めることができる。
第2回転速度変化率算出部25は、回転速度実績値検出部22によって検出された回転速度実績値Vに基づいて、上流側ブライドルロール12の回転速度変化率α(mpm/s)を算出する。
破断状態判定部27は、第1回転速度変化率算出部24によって算出された回転速度変化率α´(mpm/s)と、第2回転速度変化率算出部25によって算出された回転速度変化率α(mpm/s)とを入力する。そして、トルク電流実績値Iから得られるロールの回転速度変化率α´(mpm/s)と、ロールの回転速度実績値V(mpm)とから得られる回転速度変化率α(mpm/s)との差の絶対値(回転速度変化率Δα(mpm/s))が、破断状態判定閾値記憶部26に記憶されている破断状態判定閾値Kを超えた場合に、金属ストリップSが破断した状態であると判定する。
また、破断状態判定部27は、金属ストリップSが破断した状態であると判定すると、製造ライン10の制御部11に対して、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各モータを駆動停止するための破断検出信号Sを出力する。
金属ストリップSを製造する製造ライン10においては、処理セクション14毎に張力値が設定されている。張力計等の機器を用いずに張力制御を行う方法としては、例えば、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各モータの回転をトルク電流によって制御し、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各張力設定値の差分のトルクをブライドルロールとは別の、処理セクション14内の本ロール等で補う。これにより、上流側ブライドルロール12側の張力を基準にして、下流側ブライドルロール13側の張力を相対的に制御することができる。
なお、張力制御されている処理セクション14にあっては、製造ライン10の金属ストリップSの移動速度に関わらず、常に上流側ブライドルロール12の張力設定値と下流側ブライドルロール13の張力設定値との差分や、メカロス分および加減速時の慣性分を補うように、トルク電流の大きさによってブライドルロール間の張力が制御されている。
また、金属ストリップSに破断が発生した瞬間も、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13とには同様に一定のトルク電流によってブライドルロール間の張力が制御されている。しかしながら、金属ストリップSに破断が発生した瞬間、金属ストリップSの拘束力が急激に弱まるため、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との間の速度が大きく変化する。その速度変化にあっては、上流側ブライドルロール12の張力設定値と下流側ブライドルロール13の張力設定値との差分に依存する。例えば、処理セクション14の上流側ブライドルロール12側の張力設定値が、処理セクション14の下流側ブライドルロール13の張力設定値よりも大きい場合には、破断が発生した瞬間に速度が急激に加速する。これとは逆に、下流側ブライドルロール13の張力設定値が、上流側ブライドルロール12の張力設定値よりも大きい場合には、破断が発生した瞬間に速度が急激に減速する。このため、本実施形態に係る破断検知システム20においては、トルク電流実績値I(A)とロールの回転速度実績値V(mpm)とを検出し、以下で説明するように、金属ストリップSが破断した状態であることを検知する。
ある時刻tにおけるロール回転速度の単位時間Δt当たりの変化率をα(t)(mpm/s)を、
Figure 0005845853
のように表すことができる。
また、上流側ブライドルロールを駆動するモータのトルク定数をKφ(Nm/A)とし、モータの定格トルクをτ(Nm)とし、モータの定格電流をτ(Nm)とし、モータの定格出力をP(W)とし、ベース回転数をN(min−1)とする。すると、トルク電流実績値I(A)によって、上流側ブライドルロール12のモータで発生するトルクτ(Nm)を、
Figure 0005845853
のように表すことができる。
なお、金属ストリップSが破断した直後、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13とのモータは、上流側ブライドルロール12の張力設定値と下流側ブライドルロール13の張力設定値との差分を補うために、トルクτrefを出力し続ける。
このため、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との間の張力に変動がない場合には、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13とは、一定の速度で回転し続ける。この回転によって、モータのトルクτを、
Figure 0005845853
のように表すことができる。
つまり、モータ全体が発するトルク分τがわかったため、上記の式(3)を用いて、ロールの回転速度変化率α´(mpm/s)を算出することができる。そこで、モータと機械分のはずみ車効果をGD(kgf・m)とし、ロール半径をD(m)とし、ロールとモータとのギア比をGRとする。すると、ロールの回転速度変化率α´(mpm/s)を、
Figure 0005845853
のように表すことができる。
上記の式(4)とを用いて、トルク電流実績値検出部21によって検出されたトルク電流実績値Iから得られるロールの回転速度変化率α´(mpm/s)と、回転速度実績値検出部22によって検出されたロールの回転速度実績値V(mpm)とから得られる回転速度変化率α(mpm/s)の差の絶対値(回転速度変化率Δα(mpm/s))を、
Figure 0005845853
のように表すことができる。なお、上記の式(5)の各パラメータについては、ロールを駆動するモータの各定格値、処理セクション14の上流側ブライドルロール12側の張力設定値、処理セクション14の下流側ブライドルロール13の張力設定値を用いている。従って、各パラメータは、例えば使用するモータ等によって異なるものである。なお、本実施形態の説明においては、一例として、上流側ブライドルロール12側の張力設定値を1.5(kgf/mm)とし、下流側ブライドルロール13の張力設定値を1.6(kgf/mm)としている。
そして、破断状態判定部27は、上記の式(5)で表される回転速度変化率α´(mpm/s)と回転速度変化率α(mpm/s)との差の絶対値(回転速度変化率Δα(mpm/s))が、破断状態判定閾値記憶部26に記憶されている破断状態判定閾値Kを超えた場合には、金属ストリップSが破断した状態であると判定することができる。これを、上記の式(1)と式(4)とを用いてまとめると、
Figure 0005845853
のように表すことができる。
なお、上記の破断状態判定閾値Kについては、図4を参照して詳しく説明するが、経験値として、製造ライン10の駆動停止の減速率の2〜3倍程度が望ましい。これにより、金属ストリップSが破断した状態であることを精度良く検知することがきる。
(破断検知システム20における破断検知処理の流れ)
続いて、図3を参照して、破断検知システム20における破断検知処理の流れを説明する。
図3に示すように、まず、トルク電流実績値検出部21は、上流側ブライドルロール12のモータを駆動制御するためのトルク電流実績値I(A)を検出する(ステップS101)。さらに、回転速度実績値検出部22は、上流側ブライドルロール12の回転速度実績値V(mpm)を検出する(ステップS102)。
そして、第1回転速度変化率算出部24は、トルク電流実績値検出部21によって検出されたトルク電流実績値I(A)に基づいて、上流側ブライドルロール12の回転速度変化率α´(mpm/s)を算出する(ステップS103)。さらに、第2回転速度変化率算出部25は、回転速度実績値検出部22によって検出された回転速度実績値V(mpm)に基づいて、上流側ブライドルロール12の回転速度変化率α(mpm/s)を算出する(ステップS104)。
そして、破断状態判定部27は、第1回転速度変化率算出部24によって算出された回転速度変化率α´(mpm/s)と、第2回転速度変化率算出部25によって算出された回転速度変化率α(mpm/s)とを入力する。破断状態判定部27は、トルク電流実績値Iから得られるロールの回転速度変化率α´(mpm/s)と、ロールの回転速度実績値V(mpm)とから得られる回転速度変化率α(mpm/s)の差の絶対値が、破断状態判定閾値記憶部26に記憶されている破断状態判定閾値Kを超えていない場合には(ステップS105のNO)、破断検知システム20の各部は、引き続きステップS101からの処理ステップを上記の手順で繰り返す。
また、ステップS105において、破断状態判定部27は、トルク電流実績値Iから得られるロールの回転速度変化率α´(mpm/s)と、ロールの回転速度実績値V(mpm)とから得られる回転速度変化率α(mpm/s)との差の絶対値が、破断状態判定閾値記憶部26に記憶されている破断状態判定閾値Kを超えた場合には(ステップS105のYES)、金属ストリップSが破断した状態であると判定する。
また、破断状態判定部27は、製造ライン10の制御部11に対して、上流側ブライドルロール12と下流側ブライドルロール13との各モータを駆動停止するための破断検出信号Sを出力して、破断検知処理を終了する。
(破断検知システム20における破断検知処理による破断検知時間)
最後に、図4を参照して、破断検知システム20における破断検知処理による破断検知時間を説明する。
図4は、破断検知システム20によって得られた回転速度変化率Δαとロールの回転速度実績値V(mpm)とを示すグラフである。図4のグラフ中の左側の縦軸は実線で示している回転速度変化率Δα(mpm/s)を示し、右側の縦軸は破線で示しているロールの回転速度実績値V(mpm)を示す。また、グラフ中の横軸は、時間(s)を示す。
上記で説明した通り、上記の式(5)の各パラメータは、ロールを駆動するモータの各定格値を用いている。また、処理セクション14の上流側ブライドルロール12側の張力設定値を1.5(kgf/mm)とし、処理セクション14の下流側ブライドルロール13の張力設定値を1.6(kgf/mm)としている。
このような時、金属ストリップSが破断した瞬間(図4中に矢印Xで示す箇所)、トルク電流は回生であるため、その直後、ロールの回転速度実績値V(mpm)が急激に減速する。その結果、回転速度変化率Δα(mpm/s)も急激に変化し、回転速度変化率Δα(mpm/s)は約0.5(s)経過後(図4中に矢印Yで示す箇所)にピーク値になる。
本実施形態では、製造ライン10を駆動停止する際の減速率を20(mpm/s)、つまり、速度変化率を−20(mpm/s)としていることから、破断状態判定閾値Kを50(mpm/s)としている。すると、図4を参照するとわかるように、破断検知システム20は、金属ストリップSが破断してから0.4(s)程度で、金属ストリップSが破断した状態であることを検知することができる。
背景技術で説明したような従来技術における破断検知方法を用いて金属ストリップSが破断した状態であることを検知する場合、破断する箇所によっては、金属ストリップSが破断してから3.0(s)程度かかることがあった。これに対して、本実施形態に係る破断検知システム20においては、金属ストリップSが破断した状態であることを、1.0(s)以内に確実に検知することができる。このように、破断検知システム20は、金属ストリップSの破断検知時間を、従来よりも飛躍的に短縮することができる。
(破断検知システム20のまとめ)
本実施形態に係る破断検知システム20は、トルク電流実績値Iから得られるロールの回転速度変化率α´(mpm/s)と、ロールの回転速度実績値V(mpm)とから得られる回転速度変化率α(mpm/s)との差の絶対値(回転速度変化率Δα(mpm/s))が、破断状態判定閾値記憶部26に記憶されている破断状態判定閾値Kを超えた場合に、金属ストリップSが破断した状態であると判定する。
これにより、張力実績値を取得することが難しく、また光センサ等の各種センサを設置することが比較的難しい環境下にある製造ラインの各種の処理セクションにおいても、金属ストリップSが破断した状態であることを検知することができる。
以上説明したように、トルク電流によって張力制御されるブライドルロール間の各種の処理セクション(熱処理セクションや洗浄処理セクション等)において、張力がかけられている金属ストリップが破断した状態であることを検知することのできる破断検知システムとして、金属ストリップの製造ライン内に利用することができる。
10……製造ライン
11……制御部
12……上流側ブライドルロール
13……下流側ブライドルロール
14……処理セクション
20……破断検知システム
21……トルク電流実績値検出部
22……回転速度実績値検出部
23……PLC
24……第1回転速度変化率算出部
25……第2回転速度変化率算出部
26……破断状態判定閾値記憶部
27……破断状態判定部

Claims (4)

  1. 金属ストリップの製造ライン内に設けられた処理セクションにおいて、トルク電流によって前記金属ストリップの張力制御を行う少なくとも1つのロールを駆動するモータのトルク電流実績値を検出するトルク電流実績値検出部と、
    前記ロールの回転速度実績値を検出する回転速度実績値検出部と、
    少なくとも前記トルク電流実績値検出部によって検出されたトルク電流実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第1回転速度変化率算出部と、
    前記回転速度実績値検出部によって検出された回転速度実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第2回転速度変化率算出部と、
    前記第1回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率と、前記第2回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率との差の絶対値が、破断状態判定閾値を超えた場合に、前記金属ストリップが破断した状態であると判定する破断状態判定部と
    を備え
    前記第1回転速度変化率算出部は、
    前記トルク電流値検出部によって検出されたトルク電流値に加えて、前記ロールを駆動するモータの定格トルク、定格電流および定格出力と、前記ロールのうちの製造ライン上の上流側ブライドルロールの張力設定値と、前記ロールのうちの製造ライン上の下流側ブライドルロールの張力設定値とに基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出することを特徴とする金属ストリップの破断検知システム。
  2. 前記破断状態判定閾値を記憶する破断状態判定閾値記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の金属ストリップの破断検知システム。
  3. 前記破断状態判定部は、
    前記金属ストリップが破断した状態であると判定した際、前記金属ストリップの製造ライン内のロールを駆動するモータを駆動停止するための破断検出信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の金属ストリップの破断検知システム。
  4. トルク電流実績値検出部が、金属ストリップの製造ライン内に設けられた処理セクションにおいて、トルク電流によって前記金属ストリップの張力制御を行う少なくとも1つのロールを駆動するモータのトルク電流実績値を検出するトルク電流実績値検出ステップ、
    回転速度実績値検出部が、前記ロールの回転速度実績値を検出する回転速度実績値検出ステップ、
    第1回転速度変化率算出部が、少なくとも前記トルク電流実績値検出部によって検出されたトルク電流実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第1回転速度変化率算出ステップ、
    第2回転速度変化率算出部が、前記回転速度実績値検出部によって検出された回転速度実績値に基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出する第2回転速度変化率算出ステップ、
    破断状態判定部が、前記第1回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率と、前記第2回転速度変化率算出部により算出された回転速度変化率との差の絶対値が、破断状態判定閾値を超えた場合に、前記金属ストリップが破断した状態であると判定する破断状態判定ステップ
    を有し、
    前記第1回転速度変化率算出部は、前記第1回転速度変化率算出ステップにおいて、前記トルク電流値検出部によって検出されたトルク電流値に加えて、前記ロールを駆動するモータの定格トルク、定格電流および定格出力と、前記ロールのうちの製造ライン上の上流側ブライドルロールの張力設定値と、前記ロールのうちの製造ライン上の下流側ブライドルロールの張力設定値とに基づいて、前記ロールの回転速度変化率を算出することを特徴とする金属ストリップの破断検知方法。
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