JP2010240731A - 圧延装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧延装置Sは、被圧延材1の荷重検出手段8と、入側・出側の被圧延材速度検出手段6、7と、入側・出側の被圧延材1の張力検出手段9、10と、作業ロールRs1、Rs2を駆動する電動機21の電動機速度検出手段31と、入側・出側の被圧延材1の張力又は電動機21の速度指令の張力・速度指令演算手段62と、速度実績と速度指令から電動機21の速度を制御する速度制御手段41と、ロール位置演算手段61と、被圧延材1を停止せず、荷重を増加又は減少させ、被圧延材1が弾性変形状態に到達した状態で、荷重を一定の状態に保持し、入側・出側の被圧延材1の少なくとも張力および板速度のうちの何れかが等しい状態で作業ロールの開放・閉め込みの制御を行う走間ロール開放・閉め込み指令演算装置60とを備える。
【選択図】図1
Description
なお、本願に係る文献公知発明としては、下記の特許文献1、2がある。
そこで、圧延操業を継続しながら、作業ロールを被圧延材から開放、被圧延材に接触させることができれば、圧延機を停止させる必要が無くなり、歩留まりと生産効率が向上する。また、走間での作業ロール組替(交換)や、圧延で使用するスタンド数の変更など、連続圧延機の操作性を著しく向上させることができる。
圧延中に作業ロールを開放、閉め込みする場合の問題点としては、作業ロール開放、閉め込みの過程で、圧延状態が不安定になり、被圧延材が破断すること、または、作業ロールを被圧延材から開放、接触させる際に作業ロールが被圧延材とスリップし、被圧延材および作業ロールに傷が発生することが挙げられる。
圧延の状態において、被圧延材は、作業ロール前後の張力と作業ロールで印加される荷重によって、塑性変形しており、圧延機入側の板厚より圧延機出側の板厚が薄い状態となっている。この圧延機入側と出側の板厚の差を圧下量という。
また弾性変形の状態から、作業ロールの荷重を増加させると、ある点で、降伏点を超え、塑性変形状態に移行する。
通常の圧延速度において、被圧延材の張力が急激に変動すると、圧延が不安定になり、絞りと呼ばれる形状不良が発生したり、板端部の張力が上昇するなどして、被圧延材が破断したりする。
また、作業ロールを被圧延材から引き離す場合には、作業ロールを駆動するモータのトルクが変動するために作業ロールの速度が変化する、また、被圧延材の速度が変化し、被圧延材と作業ロールがスリップする。一方、作業ロールを被圧延材へ接触させる際には、作業ロールと被圧延材の速度差により、作業ロールと被圧延材がスリップする。
また、作業ロールを開放、閉め込みする段階で、被圧延材が塑性変形から弾性変形、または弾性変形から塑性変形へ急激に移行するため、張力が大きく変動したり、形状が悪化したりして、絞りや板破断の原因となる。
従って、圧延材および作業ロールに傷を発生させることなく、作業ロールの開放、閉め込みができることが技術課題となっている。
本発明は上記実状に鑑み、被圧延材および作業ロールにスリップおよび傷を発生させること無く、作業ロールの開放、閉め込みが可能となる圧延装置およびその制御方法の提供を目的とする。
図1は、本発明に係る実施形態の走間ロール開放、閉め込みシステムの簡単な構成例のシングルスタンドの圧延装置Sを示す概念図である。
本発明に係る実施形態の圧延装置Sは、被圧延材1の溶接部が圧延を担う上・下作業ロールRs1、Rs2を通過する際に、60mpm(メートル/分)以下の低速操業中に被圧延材1から作業ロールRs1、Rs2を予め決められた手順に従って離脱させ、被圧延材1が塑性変形状態から弾性変形状態に至ったかを判定し、上・下作業ロールRs1、Rs2と被圧延材1とを非接触状態とする。その後、被圧延材1が60mpm以下の低速の操業中に上・下作業ロールRs1、Rs2を被圧延材1に接触させ、被圧延材1が弾性変形状態から塑性変形状態に至ったかを判定し、予め決められた手順に従って段階的に圧延状態へ遷移させることで、圧延操業中に上・下作業ロールRs1、Rs2の開放、閉め込みを行う。
具体的には、被圧延材1が60mpm以下の低速状態へスムーズに移行するように、ラインの加速・減速レートの変更、被圧延材1の張力、および圧延荷重を段階的に変化させることにより、被圧延材1が塑性変形状態から弾性変形状態へスムーズに移行し、また、被圧延材1が弾性変形状態から塑性変形状態へスムーズに移行することが可能である。
この被圧延材1の弾性変形および塑性変形の圧延状態は、圧延機3の入側または出側の張力実績値の変動、または圧延機入側および出側の被圧延材1速度比の実績により、検出することができる。
<<圧延装置Sの全体構成>>
圧延装置Sは、被圧延材1に対して圧延を行う圧延機3の被圧延材1の入側に、被圧延材1を圧延機3に向けて繰り出すとともにその速度を制御する入側速度制御ロール2が設置され、また、圧延機3の被圧延材1の出側に被圧延材1をコイル5として巻き取るテンションリール4が設置されている。
なお、入側速度制御ロール2は、被圧延材1の速度を制御できる機構であればよく、被圧延材1をロールで挟むピンチロールのような機構や、速度制御機能の付いた巻き出しリール、または巻き取り側リールに速度制御機能がついている形態などでもよい。
また、圧延機3の被圧延材1の出側には、圧延機3の出側の被圧延材1の張力を検出する圧延機出側張力検出器10と、圧延機3の出側の被圧延材1の速度を検出する圧延機出側速度検出器7とが設置されている。
圧延機入側・出側張力検出器9、10は、例えば、被圧延材1にそれぞれロール9r、10rをあてて、被圧延材1からロール9r、10rに加わる荷重から被圧延材1の張力を読み取る装置等が用いられる。なお、圧延機入側・出側速度検出器6、7および圧延機入側・出側張力検出器9、10は、上記構成に限定されないことは勿論である。
上ロール位置制御装置51、下ロール位置制御装置52は、それぞれロール位置指令演算装置61の制御指令によって、独立して制御される。
走間ロール開放・閉め込み指令演算装置60は、圧延装置Sを統括的に制御する演算装置であり、後記する走間(被圧延材1が走行中)の上・下作業ロールRs1、Rs2の被圧延材1からの開放、閉め込みの制御等を統括的に行っている。
ここで、走間ロール開放・閉め込み指令演算装置60、ロール位置指令演算装置61、張力・速度指令演算装置62、および電流指令演算装置63は、例えば、PLC(programmable logic controller)において、制御ソフトウェアによって具現化される。また、速度制御装置40、41、電流制御装置42、上・下ロール位置制御装置51、52は、例えば、PLCにおいて、制御ソフトウェア、電子回路等によって具現化される。
次に、走間(被圧延材1が走行中)に作業ロールRs1、Rs2を被圧延材1から開放する動作について、図2、図3を用いて説明する。
なお、図2(a)は、走間(被圧延材1が走行中)の上・下作業ロールRs1、Rs2の被圧延材1からの開放動作時の圧延機3の電動機21による上・下作業ロールRs1、Rs2の速度である圧延機速度を示す図であり、図2(b)は、走間(被圧延材1が走行中)の被圧延材1に対する圧延荷重、上・下作業ロールRs1、Rs2のベンダ圧力を示す図であり、図2(c)は、走間(被圧延材1が走行中)の圧延機3の入側および出側の被圧延材1の張力実績を示す図であり、図2(d)は、走間(被圧延材1が走行中)の圧延機3の入側および出側の被圧延材1の速度実績を示す図である。
図3は、走間(被圧延材1走行中)の上・下作業ロールRs1、Rs2の被圧延材1からの開放の動作フローの例を示す図である。
ミル速度が低速領域(30〜50mpm)になっていない場合(図3のS102でNo)、図3のS101に移行し、圧延機(ミル)の作業ロールRs1、Rs2を減速する。
一方、ミル速度が低速領域(30〜50mpm)に達した場合(図3のS102でYes)、図3のS103aにおいて、圧延機3の減速レートを変更し(図2(a)の(2)参照)、緩やかに減速させ、極低速状態(30mpm未満)とする。
ミル速度が低速時においては、被圧延材1の板厚を一定に保持しようとすると、被圧延材1に加える荷重が上昇することがあるため、図3のS103bにおいて、低速状態にて、荷重一定または荷重が一定値以上にならないよう、下ロール位置制御装置51を操作する(図2(b)の(3)参照)。
ミル速度(圧延機3の速度)が極低速状態になった場合(図3のS104でYes)、図3のS105において、ミル速度(圧延機3の速度)を一定に制御し、図3のS106aにおいて、荷重目標値を変更、または下ロール位置制御装置を操作して下ロール位置を下方へ操作し、被圧延材1にかかる圧延荷重を減少させる(図2(b)の(4)参照)。同時に、図3のS106bにおいて、上作業ロールRs1、下作業ロールRs2のベンダ圧力も減少させる(図2(b)の(5a)参照)。
なお、上作業ロールRs1、下作業ロールRs2のベンダ圧力とは、上作業ロールRs1、下作業ロールRs2の撓み(中央部に被圧延材1が挟まれるために中央部が外方に変形するとともに両端部が内方に変形する撓み)を抑制するため、上作業ロールRs1、下作業ロールRs2のそれぞれの両端部に外方に向けて加える圧力をいう。
図3のS109において、上・下作業ロールRs1、Rs2のベンダ圧力実績がバランス圧力以上に上昇しないか、または圧延機3の入側および出側の被圧延材1の張力実績が等しくまたはその差がある一定値の範囲内にないと判断された場合(図3のS109でNo)、図3のS108a、S108bに移行する。
同時に、図3のS110bにおいて、圧延荷重がある一定値以下に減少したら、上ロール位置制御装置51を操作し、上作業ロールRs1の位置を上昇させる(図2(b)の(9)参照)。
下作業ロールRs2が被圧延材1が搬送されるパスライン位置より所定値Xmm以上の位置に到達しないと判断される場合(図3のS111でNo)、図3のS110aに移行する。
また、図3のS112において、上作業ロールRs1の位置が、被圧延材1が搬送されるパスライン位置より所定値Xmm以上の位置に到達したか否か判断される。なお、Xは、被圧延材1と上作業ロールRs1が接触しない値であれば良い。
一方、上作業ロールRs1の位置がパスラインよりXmm以上の位置に到達したと判断された場合(図3のS112でYes)、終了する(図2(b)の(10)参照)。
以上が、図3に示す走間(被圧延材1走行中)の上・下作業ロールRs1、Rs2の被圧延材1からの開放の動作フローである。
次に、圧延装置Sの走間(被圧延材1の走行中)に上・下作業ロールRs1、Rs2を被圧延材1に閉め込む動作について、図5に従って説明する。
図5は、被圧延材1走行中(走間)に上作業ロールRs1、下作業ロールRs2を被圧延材1に閉め込む際の動作フローを示す図である。
圧延機3(上作業ロールRs1、下作業ロールRs2)と被圧延材1の速度差が零または一定範囲内に入っていないと判断された場合(図5のS202でNo)、図5のS201に移行する。
圧延荷重が一定値以上になっていない場合(図5のS204でNo)、図5のS203a、S203bに移行する。
一方、圧延荷重が一定値以上になった場合(図5のS204でYes)、図5のS205において、ロール位置指令演算装置61(図1参照)が、圧延荷重が一定になるよう、下ロール位置制御装置52に位置指令を出力し、荷重一定制御を行う(図4(b)の(3)参照)。
図5のS207において、上・下作業ロールRs1、Rs2のベンダ圧力のバランス圧力からの減少が完了したか判断される。
図5のS207において、上・下作業ロールRs1、Rs2のベンダ圧力のバランス圧力からの減少が完了しないと判断された場合(図5のS207でNo)、図5のS206に移行する。
被圧延材1への圧延荷重が目標荷重に到達していないか、または、走間ロール開放・閉め込み指令演算装置60の張力変更が完了していない場合(図5のS209でNo)、図5のS208a、図5のS208b、図5のS208cに移行する。
一方、圧延荷重が目標荷重に到達し、かつ、走間ロール開放・閉め込み指令演算装置60の張力変更が完了した場合(図5のS209でYes)、図5のS210において、圧延機3の加速レートを低下させた状態から圧延機3の加速を開始する(図4(a)の(8)参照)。
圧延機3(上作業ロールRs1、下作業ロールRs2)の速度がある一定の速度以上に達していない場合((図5のS211でNo)、図5のS210に移行する。
一方、圧延機3の速度がある一定の速度以上に達した場合(図5のS211でYes)、図5のS212において、加速レートを通常の加速レートへ戻して更に加速して(図4(a)の(9)参照)、通常の圧延状態へ移行する(図4(a)の(10)参照)。
以上が、図5に示す圧延装置Sの走間(被圧延材1の走行中)に上・下作業ロールRs1、Rs2を被圧延材1に閉め込む動作のフローである。
本実施形態の圧延装置S(図1参照)では、被圧延材1の圧延から上・下作業ロールRs1、Rs2の開放まで、各々の状態を段階的に遷移させて、走間(被圧延材1の走行中)に上・下作業ロールRs1、Rs2の被圧延材1からの開放、被圧延材1への閉め込みを行う。また、これらの動作を、被圧延材1の送りが60mpm以下で行うことにより、製品(圧延品)のオフゲージを最小限に抑え、さらに上・下作業ロールRs1、Rs2と被圧延材1に傷を発生させること無く、上・下作業ロールRs1、Rs2を開放、閉め込みさせることができる。
このとき、安定した圧延状態を保持しながら減速するため、段階的に減速しても良い。
被圧延材1の送りを30mpm未満の極低速とすれば、さらに安全に上・下作業ロールRs1、Rs2の開放、閉め込み処理が可能となる。被圧延材1の送りが低速(30mpm以上)の圧延状態から、極低速(30mpm未満)へ減速する際には、減速レートが大きい、すなわち早く減速させると、圧延機3の上・下作業ロールRs1、Rs2が停止してしまうため、圧延機3の上・下作業ロールRs1、Rs2の速度指令の減速レートを段階的に変化させ、緩やかに減速させる。
そこで、低速圧延状態から極低速圧延状態に移行する場合には、上・下作業ロールRs1、Rs2にかかる荷重(圧延荷重)が一定の値になるように上・下作業ロールRs1、Rs2間のギャップを制御する。このとき、被圧延材1は、圧延機3の入側の板厚より、出側の板厚が薄くなっており、被圧延材1が上・下作業ロールRs1、Rs2の荷重によって圧延され塑性変形する状態となっている。
同時に、圧延機3の入側と出側の被圧延材1の張力が等しくなるように、入側、出側のロール(入側速度制御ロール2、テンションリール4)の速度または、巻き取りリールであるテンションリール4のトルクを変更する。
また、上・下作業ロールRs1、Rs2の荷重を減少させる際には、上・下作業ロールRs1、Rs2の撓み量が変化し、被圧延材1の形状も変化するため、被圧延材1の板形状の変化が最小になるよう、上・下作業ロールRs1、Rs2の撓み量を補正する上・下作業ロールRs1、Rs2のベンダの圧力を減少させる。
このように、低速状態で段階的に上・下作業ロールRs1、Rs2を被圧延材1から開放することにより、上・下作業ロールRs1、Rs2と被圧延材1に擦り傷などを発生させることなく、操業中に上・下作業ロールRs1、Rs2を開放することができる。
したがって、被圧延材1が弾性変形状態から塑性変形状態へ遷移する状態は、圧延機3の入側の圧延機入側速度検出器6および出側の圧延機出側速度検出器7で被圧延材1の速度差(或いは速度比)を測定することにより、検出することができる。
圧延機3の入側および出側の被圧延材1の張力を設定張力へ変更するように入側および出側のロール速度(入側速度制御ロール2の速度およびテンションリール4の速度)、または巻き取りリール(テンションリール4)のトルクを変更する。
被圧延材1の圧延状態が塑性変形状態に移行して、張力変動がある一定範囲内に収束してから、圧延機3の上・下作業ロールRs1、Rs2を加速し、通常の圧延の運転状態にする。
上記圧延装置Sによれば、被圧延材1が低速操業中に圧延状態を段階的に遷移させることで、作業ロールRs1、Rs2や被圧延材1に擦り傷やスリップを発生させることなく、作業ロールRs1、Rs2を開放、締め込みすることが可能である。
従って、圧延を続けながら、上・下作業ロールRs1、Rs2の開放、閉め込みを行うことができる。
こうして、操業モードの変更、および溶接部のある被圧延材1のスケジュール変更の自由度が大きくなる。
また、被圧延材1にロールマークが発生しないことから、歩留まりが向上するとともに、圧延機3を停止せずに操業を継続することが可能となり、操業効率が飛躍的に向上する。
3 圧延機
6 圧延機入側速度検出器(入側の被圧延材速度検出手段)
7 圧延機出側速度検出器(出側の被圧延材速度検出手段)
8 荷重検出器(荷重検出手段)
9 圧延機入側張力検出器(入側の張力検出手段)
10 圧延機出側張力検出器(出側の張力検出手段)
21 電動機(作業ロールを駆動する電動機)
31 速度検出器(電動機速度検出手段)
41 速度制御装置(速度制御手段、制御装置)
51 上ロール位置制御装置(ロールギャップ制御装置)
52 下ロール位置制御装置(ロールギャップ制御装置)
60 走間ロール開放・閉め込み指令演算装置(制御装置)
61 ロール位置指令演算装置(ロール位置演算手段、速度比圧延判定手段、張力圧延判定手段、制御装置)
62 張力・速度指令演算装置(張力・速度指令演算手段、制御装置)
Rs1 上作業ロール
Rs2 下作業ロール
S 圧延装置
Claims (10)
- 走行中の被圧延材を上下から圧下して圧延する上下の作業ロールと、前記上下の作業ロールのギャップを制御するロールギャップ制御装置を有する1台以上の圧延機を備える圧延装置であって、
前記作業ロールが前記被圧延材に加える荷重を検出する荷重検出手段と、
前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の速度を検出する被圧延材速度検出手段と、
前記圧延機入側および出側の被圧延材の張力を測定する張力検出手段と、
前記圧延機の作業ロールを駆動する電動機の速度を検出する電動機速度検出手段と、
前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の張力または前記電動機の速度指令を演算する張力・速度指令演算手段と、
前記電動機速度検出手段により測定された速度実績と前記速度指令から、前記電動機の速度を制御する速度制御手段と、
前記作業ロールの位置を演算するロール位置演算手段と、
前記被圧延材の走行中に前記作業ロールの前記被圧延材に対する開放・閉め込みを行う制御を担う走間ロール開放・閉め込み指令演算装置とを備え、
該走間ロール開放・閉め込み指令演算装置は、
前記被圧延材を停止することなく、前記荷重を増加または減少させ、前記被圧延材が弾性変形状態に到達した状態で、前記荷重を一定の状態に保持し、前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の少なくとも張力および板速度のうちの何れかが等しい状態で、前記ロールギャップ制御装置を用いて、前記作業ロールの前記被圧延材に対しての閉め込み状態からの前記被圧延材に対しての開放または前記作業ロールの前記被圧延材に対しての開放状態からの前記被圧延材への閉め込み制御を行う
ことを特徴とする圧延装置。 - 請求項1に記載の圧延装置において、
前記走間ロール開放・閉め込み指令演算装置は、前記荷重の増減時および前記作業ロールの開放、閉め込み時、前記作業ロールのベンダ圧力を補正する制御を行う
ことを特徴とする圧延装置。 - 請求項1または請求項2に記載の圧延装置において、
前記走間ロール開放・閉め込み指令演算装置は、前記被圧延材の速度が30メートル/分未満の状態で前記作業ロールの開放、閉め込みの制御を行う
ように制御することを特徴とする圧延装置。 - 請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の圧延装置において、
前記走間ロール開放・閉め込み指令演算装置は、前記被圧延材速度検出手段によって検出される前記被圧延材の圧延機入側と出側の速度から、前記圧延機入側と出側の被圧延材の速度比を求め、前記被圧延材が塑性変形状態かまたは弾性変形状態かを判定する速度比圧延判定手段を有する
ことを特徴とする圧延装置。 - 請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の圧延装置において、
前記走間ロール開放・閉め込み指令演算装置は、前記張力検出手段によって検出された前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の張力の変動から、前記被圧延材の塑性変形から弾性変形への遷移または前記被圧延材の弾性変形から塑性変形への遷移を検出する張力圧延判定手段を有する
ことを特徴とする圧延装置。 - 走行中の被圧延材を上下から圧下して圧延する上下の作業ロールと、前記上下の作業ロールのギャップを制御するロールギャップ制御装置を有する1台以上の圧延機を備える圧延装置の制御方法であって、
制御装置が、
前記被圧延材を停止することなく、前記上下の作業ロールが前記被圧延材に加える荷重を増加または減少させる第1工程と、
前記被圧延材が弾性変形状態に到達した状態で、前記荷重を一定の状態に保持する第2工程と、
前記圧延機入側及び出側の前記被圧延材の少なくとも張力および板速度のうちの何れかが等しい状態で、前記ロールギャップ制御装置を用いて、前記作業ロールの前記被圧延材に対しての閉め込み状態からの前記被圧延材に対しての開放または前記作業ロールの前記被圧延材に対しての開放状態からの前記被圧延材への閉め込みを行う第3工程とを
含むことを特徴とする圧延装置の制御方法。 - 請求項6に記載の圧延装置の制御方法において、
前記荷重の増減時および前記作業ロール開放、閉め込み時に、前記上下の作業ロールのベンダ圧力を補正する第4工程を含む
ことを特徴とする圧延装置の制御方法。 - 請求項6または請求項7に記載の圧延装置の制御方法において、
前記第1工程は、前記被圧延材の速度が30メートル/分未満の時、前記被圧延材を停止することなく、前記荷重を増加または減少させる
ことを特徴とする圧延装置の制御方法。 - 請求項6から請求項8のうちの何れか一項に記載の圧延装置の制御方法において、
前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の速度を検出し、前記圧延機入側と出側の被圧延材の速度比を算出し、前記被圧延材が塑性変形状態かまたは弾性変形状態かを判定する第5工程を含む
ことを特徴とする圧延装置の制御方法。 - 請求項6から請求項9のうちの何れか一項に記載の圧延装置の制御方法において、
前記圧延機入側および出側の前記被圧延材の張力を検出し、該張力の変動を検出することで、前記被圧延材の塑性変形から弾性変形への遷移または前記被圧延材の弾性変形から塑性変形への遷移を検出する第6工程を含む
ことを特徴とする圧延装置の制御方法。
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