JP5566524B2 - 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム - Google Patents

圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラムに関し、特に、被圧延材の板厚が局部的に変化する場合における張力変動の抑制に関する。
圧延機においては、被圧延材にかかる張力および圧延荷重を、上下作業ロール間の間隔であるロールギャップと、当該圧延機前後設備のロール速度を用いて制御することで圧延操業が行われる。圧延操業においては、圧延機の制御操作量であるロールギャップとロール速度を予め設定したパターンに従って操作し、圧延機の制御状態量である被圧延材の板厚や張力、圧延荷重を設定値に維持するためのフィードバック制御が実施されている。
このような圧延機において圧延される板状の被圧延材は、円筒形のコイル状に巻き取られて保管され若しくは運搬される。このコイル状に巻かれた被圧延材(以降、圧延コイルとする)を圧延機で圧延する場合、圧延コイルから被圧延材を巻き出し、圧延機にて圧延して板厚を薄くして、再度被圧延材をコイル状に巻き取る。これを行なう装置として、テンションリールと呼ばれる機械装置が通常用いられる。
上述したような圧延コイルから圧延材が巻き出されて圧延操業が実行されると、いずれ被圧延材の終端に到達することとなる。しかしながら、操業効率を考えると、装置を停止させることなく連続して圧延操業を行うことが好ましい。そのため、圧延中の圧延コイルにおける被圧延材の終端に、他の圧延コイルの被圧延材の先端を溶接することにより、連続して圧延操業を行う場合がある。
図23(a)〜(c)は、上述したように溶接された被圧延材の例を示す図である。図23(a)は、板状の被圧延材を板長方向に接続し、範囲Mに示すように板の端面同士を溶接した場合を示す図である。また、図23(b)は、板状の被圧延材の端部の板面を重ねて、範囲Mに示すようにその接触面を溶接した場合を示す図である。更に、図23(c)は、図23(b)の状態から、圧延機の圧延を考慮してグラインダー等により板面をある程度整えた状態を示す図である。
図23(a)、(c)における状態であれば、溶接点において被圧延材の板厚が大きく変動することはないため、そのまま圧延機に搬送して圧延を行うことが可能である。しかしながら、図中の範囲Mを含む被圧延材は他の部分とは被圧延材の硬度が異なり、圧延機のフィードバック制御に影響する。また被圧延材表面の状態も他の部分とは異なり、被圧延材と接触して圧延を行うワークロールが破損してしまう可能性もある。
そのような課題は、図23(d)に示すように、範囲Mを含む部分が圧延機スタンドを通過する際は、ワークロールのロールギャップを広くし、ワークロールと被圧延材とが接触しないようにして圧延を回避することにより、解決することができる。しかしながら、被圧延材は、テンションリールの円筒状の機械装置に巻きつけて巻き取られるため、被圧延材の一部分の板厚が他の部分に比べて厚い場合、図24の凸部Pに示すように、その部分のみテンションリールの半径が変動するコイル径変動が発生する。
このコイル径変動は、テンションリールの偏心と同様に作用し、リールの回転速度が一定の場合、圧延機に供給される被圧延材の板速度変動となる。圧延機の入側および出側の板速度変動は出側板厚変動を発生させる。例えば、被圧延材の原板厚が3mmで、製品仕様の仕上板厚が0.5mmである場合、テンションリールの半径が円周方向の一部分において2.5mm程度厚くなる部分があるということである。例えばリール半径が0.5mの場合であっても、0.5%のリール径変動となる。リール回転速度が一定とすると、被圧延材の板速度が0.5%変動するため出側板厚も0.5%変動することとなる。
従って、テンションリールのリール偏心ができるだけ小さくなるように、従来より操業上、機械構成上種々の対策が行われてきた。テンションリールのリール偏心による出側板厚変動を除去する方法としては、作業ロール間隔を操作する方法と、テンションリールの電流を操作する方法がある(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平2−11219号公報 特開平3−47621号公報 特開平8−39245号公報 特開2005−193256号公報
しかしながら、従来技術として開示されているような圧延機の作業ロール間隔を変化させる方法では、圧延現象として張力変動が増大するため、操業の安定性に問題があり、また出側板厚の抑制効果も張力変動のため小さい。また、テンションリールの電流を変化させる方法は、リールの半径変動が局在化(角度にして10〜30度位)に限定されるため、大きな加減速電流を流さないと板厚変動を抑制できず実用的でない。
更に、リール偏心に起因する被圧延材の板速度変動を、リール速度を変化させて抑制する場合、テンションリールは大きな慣性モーメントを持ち、電動機からリール速度までは時間応答が存在するため板速度変動を抑制する事は困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被圧延材の一部において圧延することなくロールギャップを開放する必要があり、その結果板厚が局部的に変化する場合に、それに起因するコイル径の変動を抑制することを目的とする。
本発明の一態様は、板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御装置であって、前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識する圧延回避認識部と、前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を取得する巻き取り周長取得部と、圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得するロール開放タイミング取得部と、前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するロール開放制御部とを含むことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御方法であって、前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を示す情報を取得して記憶媒体に記憶し、圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得して記憶媒体に記憶し、前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識し、前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するように制御することを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御プログラムであって、前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を示す情報を取得して記憶媒体に記憶するステップと、圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得して記憶媒体に記憶するステップと、前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識するステップと、前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するように制御するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、被圧延材の一部において圧延することなくロールギャップを開放する必要があり、その結果板厚が局部的に変化する場合に、それに起因するコイル径の変動を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る圧延装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る被圧延材の溶接の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係る走間ロール開放・締込制御の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係る走間ロール開放・締込制御の制御プロックを示す図である。 本発明の実施形態に係る走間ロール開放・締込制御における圧延機速度、圧延荷重、圧延機出側板厚の例を示す図である。 本発明の実施形態が課題とするコイル径の局部的な増大の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧延機によって圧延されて巻き取られた被圧延材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る走間ロール開放・締込制御の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係るリバース圧延によるリール周長を示す図である。 本発明の実施形態に係るリール周長と被圧延材の板厚分布との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧延機によって圧延されて巻き取られた被圧延材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る板厚厚部長さ設定装置の機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る巻き出し前の圧延コイルの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧延回数毎の圧延コイルの例を示す図である。 本発明の実施形態に係るリール周長と被圧延材の板厚分布との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る変更長・補正長設定装置703の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る変更長・補正長設定データベースのデータ形式を示す図である。 本発明の実施形態に係る被圧延材の板厚分布と圧延荷重との例を示す図である。 本発明の実施形態に係るリール周長と圧延荷重との関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延機によって圧延されて巻き取られた被圧延材の例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延機によって圧延されて巻き取られた被圧延材の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 従来技術に係る被圧延材の溶接態様を示す図である。 従来技術に係る圧延コイルの状態を示す図である。
本実施形態においては、シングルスタンド圧延機において、溶接によって先行材と後行材とが接続された被圧延材を圧延する場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係るシングルスタンド圧延機の全体構成をしめす図である。図1に示すように、本実施形態に係るシングルスタンド圧延機は、圧延スタンド1の圧延方向に対して入側に入側TR(Tension Reel:テンションリール)2、出側に出側TR3が設置されており、圧延は、入側TR2から巻き出された被圧延材を圧延スタンド1で圧延した後、出側TR3で巻き取ることにより行われる。
圧延スタンド1には、ロールギャップを変更する事で被圧延材の板厚を制御する事を可能とするためのロールギャップ制御装置7と圧延スタンド1の速度を制御するためのミル速度制御装置4が接続される。入側TR2および出側TR3は電動機にて駆動されるが、その電動機と電動機を駆動するための装置として、入側TR制御装置5および出側TR制御装置6が接続される。なお、シングルスタンド圧延機においては、後述するようにリバース圧延が行われるため、圧延方向によって、入側、出側は反転するが、機械構成上の定義として、図1においては、圧延機左側を入側テンションリール、圧延機右側を出側テンションリールとする。
圧延動作時は、圧延速度設定装置10より速度指令がミル速度制御装置4に対して出力され、ミル速度制御装置4は、圧延スタンド1の速度を一定とするような制御を実施する。圧延スタンド1の入側、出側では、被圧延材に張力をかける事で圧延を安定かつ効率的に実施する。そのために必要な張力を計算するのが入側張力設定装置11および出側張力設定装置12である。
入側TR制御装置5および出側TR制御装置6は、入側TR2および出側TR3を駆動するための駆動電流を生成して出力する。入側TR制御装置5および出側TR制御装置6が生成するべき駆動電流の電流値は、入側張力電流変換装置15および出側張力電流変換装置16が計算する。入側張力電流変換装置15および出側張力電流変換装置16は、張力設定装置11および12にて計算された入側および出側張力設定値に対応した電流値を求め、入側TR制御装置5および出側TR制御装置6に入力する。
これにより、張力設定装置11および12にて計算された入側および出側張力設定値に応じた電動機トルクが入側TR2および出側TR3に与えられ、その結果、入側TR2および出側TR3により、被圧延材に所定の張力が与えられる。
張力電流変換装置15、16は、TR機械系およびTR制御装置のモデルに基き、張力設定装置11および12にて計算された張力設定値となるような電流設定値(電動機トルク設定値)を演算する。その際、制御モデルに誤差を含むため、入側張力制御13および出側張力制御14が、圧延スタンド1の入側および出側に設置された入側張力計8および出側張力計9で測定された実績張力を用いて補正を加えた張力設定値を張力電流変換装置15、16に与えることにより、入側TR制御装置5および出側TR制御装置6へ設定する電流値を変更する。
また、被圧延材の板厚は製品品質上重要であるため、板厚制御が実施される。圧延スタンド1の出側の板厚は、出側板厚計17にて検出された実績板厚より出側板厚制御装置18が圧延スタンド1のロールギャップをロールギャップ制御装置7を用いて操作することで制御される。
このように、シングルスタンド圧延機においては、巻取および巻出に用いられるTRは、電動機が発生するトルクを一定とするトルク一定制御が用いられ、張力計で検出した実績張力を用いて電動機電流指令を補正することで被圧延材にかかる張力を一定とする制御が行われている。電動機トルクは、電動機電流により得られるので、トルク一定制御を電流一定制御とする場合も有る。
このような圧延機においては、入側テンションリール2より巻出した被圧延材の先端部を、圧延スタンド1を通過させて出側テンションリール3で巻取るようにする必要が有るが、この作業はオペレータが手動で行う必要があり、異なる被圧延材毎にそのような作業を行うと操業効率が悪いため、溶接装置で2本または、複数本の被圧延材を溶接して1本の被圧延材としてコイル状に巻取ることが行われる。本実施形態においては、入側テンションリールから巻き出される圧延コイル内には、図23(a)、(c)に示すように、上工程で2本の被圧延材を溶接した溶接点が有る場合を考える。
図2(a)〜(c)は、上述した上工程の例を示す図である。図2(a)に示すような、溶接機35と巻取り装置36を備えた溶接装置を用いて、先行材31と後行材32の2本の被圧延材を溶接し、図2(b)に示すような溶接点30を作成して、溶接点30を含む1本の被圧延材として巻取り装置36で巻き取る。この結果、巻取り装置36には、図2(c)に示す、溶接装置で巻取られたコイル33のように、溶接点30をはさんで、内側に先行材31、外側に後行材32が存在する圧延コイルが出来る。ここで、溶接装置で巻取られたコイル33での先行材31を被圧延材A、後行材32を被圧延材Bとする。
溶接装置で巻取られたコイル33は、図1に示す圧延機にて圧延されるが、溶接点30の強度が不足する場合や、溶接点前後の被圧延材が傷ついていることにより、圧延を行うと圧延スタンド1の上下作業ロールに傷がつく可能性がある。そのため、本実施形態においては、上述したような溶接点前後で圧延機の上下作業ロール間を開放し、溶接点30が圧延スタンド1を通過した後、再び上下作業ロール間を締込み圧延を再開する走間ロール開放・締込制御を行う必要がある。
図3(a)〜(c)に、走間ロール開放・締込制御の方法を示す。まず、入側TR2に圧延コイル33を挿入して出側TR3まで被圧延材Bを通板し、図3(a)に示すようにして圧延を実施する。そして、溶接点30が圧延機を通過するときは、図3(b)に示すように、圧延スタンド1の上下作業ロール間隔を開放して、被圧延材と作業ロールが接触しない状態とした上で被圧延材を搬送することにより、溶接点30に圧延スタンド1内を通過させる。溶接点30通過後は、図3(c)に示すように、再度作業ロール間隔を閉じて被圧延材と上下作業ロールを接触状態とし、被圧延材A40を圧延して、出側テンションリールに巻き取る。この状態で、出側テンションリール3には、内側に被圧延材B41、外側に被圧延材A40が溶接点30を境に巻かれた、圧延機で1回圧延されたコイル34ができる。
以上の様な、圧延機の上下作業ロールを開放して、被圧延材と作業ロールとを非接触の状態とした上で溶接点に圧延機を通過させることを、圧延機を停止させずに実施するのが走間ロール開放・締込制御である。これにより、図23(d)に示すように、圧延操業が回避されて圧延前の板厚を残す部分(以降、板厚厚部とする)が生じる。
このようなシングルスタンド圧延機において、上述した走間ロール開放・締込制御によって生じる板厚厚部の長さ、即ち被圧延材搬送方向における板厚厚部の範囲を、テンションリールの外周に応じて調整することにより、被圧延材がテンションリールに巻き取られた際に図24に示すような局部的な径の変動が起こらないようにすることが、本実施形態に係る要旨である。
図4は、本実施形態に係る出側板厚制御装置18に含まれる機能として、本実施形態の要旨に係る機能である溶接点におけるロールギャップの開放および締込機能の機能ブロックを示す図である。図4に示す板厚厚部長さ設定装置104が、圧延実績および被圧延材の製品仕様から、板厚厚部の長さを設定する。溶接点通過処理タイミング設定装置102は、上記設定された板厚厚部の長さに応じて、溶接点通過処理の開始および終了タイミングを決定する。
溶接点通過処理設定値演算装置103は、溶接点通過処理を実施するための設定値を計算する。具体的に、溶接点通過処理設定値演算装置103は、板厚厚部長さ設定装置104からの板厚厚部の長さの設定値に基づき、ロール開放操作時間、ロール締込操作時間およびロール開放時間を決定すると共に、その際の圧延荷重を決定し、ロール開放・締込制御装置101に設定する。ここで、ロール開放操作時間は、圧延スタンド1がロールを締めた状態から解放状態に遷移する時間である。また、ロール締込操作時間は、圧延スタンド1がロールを解放した状態から締めた状態に遷移する時間である。また、ロール開放時間は、圧延スタンド1がロールを開放している状態の時間である。
ロール開放・締込制御装置101は、溶接点通過処理タイミング設定装置102から入力される溶接点通過処理の開始および終了タイミングに従い、溶接点通過処理設定値演算装置103から入力される上記夫々の時間に基づいてロール開放・締込処理を行う。
図5は、走間ロール開放・締込制御実施時の、圧延速度、圧延荷重、圧延機出側板厚をに示す図である。図5に示すように、走間ロール開放・締込制御においては、圧延機速度は一定である。そして、ロール開放操作時間50において、通常圧延時の状態からロール開放状態まで、作業ロール間隔を開放することで圧延荷重が減少する。ロール開放時間51の間、作業ロール間隔は開放された状態を維持する。
その後、ロール締込操作時間52において、作業ロール間隔を閉じて通常圧延時の状態とすることにより、通常圧延荷重に戻る。ここで、通常圧延荷重とは、予め定められた製品仕様(入側板厚と出側板厚の関係)を満足する様な圧延荷重であり、図1において説明したフィードバック制御により実現される圧延荷重である。
ロール開放・締込制御を実施した場合の溶接点30前後の板厚は、図5最下段のように、板厚が製品仕様の板厚より徐々に厚くなる板厚増大部53、板厚が原板厚となる板厚厚部54、板厚が徐々に製品仕様の板厚まで減少する板厚減少部55の様な分布となる。
図5下段に示す様な板厚分布の被圧延材を出側テンションリール3で巻取った場合の、出側テンションリール3の状態を図6(a)、(b)に示す。図示が困難なため、リールの曲率を無視して平面として図示する。図6(a)は、上述したような板厚厚部54を含む部分がテンションリールに巻き取られた状態である。板厚厚部54のため、出側テンションリール3の円周方向の一部において局部的にリール半径が大となる部分が発生する。板厚厚部54に起因するリール半径変動は、リール偏心となることより、圧延機出側板厚変動および圧延機入側および出側の張力変動の原因となる。通常は、図6(b)に示すように、板厚が均一な被圧延材が巻かれることにより、半径方向変動はリール1回転毎に、出側板厚分が増大するのみとなり、局部的なリール半径の変動は発生しない。
これに対して、図7は、本実施形態に係るロール開放・締込制御を実施した場合において、被圧延材がテンションリールに巻き取られたコイルおよび一部を拡大した状態を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係るロール開放・締込制御においては、板厚厚部54の長さを、テンションリールに巻き取られた際の円周の長さに近付けることにより、図6(a)に示すようなコイル径が大となる部分を、リールの1周にわたって発生させ、図6(a)に示すようなコイル径の変動を回避する。
図7に示すように、n回転目の被圧延材の上に、n+1回転目の板厚厚部54が巻かれる。本実施形態に係るロール開放・締込制御においては、この板厚厚部54がリール1周分に少し不足する長さで作成され、n+1周目の板厚増大部53とn+2周目の板厚減少部55とをある間隔をおいて重ね合わせることで、板厚厚部54がテンションリールに巻き取られた際のコイル径の変動がリール1周にわたって生じるようにする。換言すると、被圧延材の搬送方向における板厚厚部54の長さが、図7に示すように、溶接点30が巻き取られる際の巻き取り周長の略一周分に相当する状態となるように、板厚厚部54の長さが設定される。これにより、圧延スタンド1で1回圧延されたコイル34のリール半径変動を低減する事ができる。
一般に、被圧延材を製品仕様に従った出側板厚とするには、複数回の圧延が必要となる。そのため、シングルスタンド圧延機においては、リバース圧延が行われている。図8(a)〜(c)に、図3(a)〜(c)において、入側テンションリール2より出側テンションリール3に、左側から右側に(右行)圧延した被圧延材を、リバース圧延した場合について示す。この場合、出側テンションリール3から巻出した被圧延材を、入側テンションリール2で巻取ることになり、右側から左側に(左行)圧延することとなる。結果として、圧延機左側にある、入側テンションリール2上に、圧延機で2回圧延されたコイル35ができるが、このコイルにおいては、内側が被圧延材A40、外側が被圧延材B41となる。
圧延方向を再度右行として、図3(a)〜(c)と同様の圧延を実施すると、圧延機右側の出側テンションリールには、圧延機で3回圧延されたコイル36が作成される事になる。この場合、図3(a)〜(c)と同様に、内側が被圧延材B41、外側が被圧延材A40となる。このように、リーバス圧延を行う場合、各回数圧延されたコイルは、内側が被圧延材A40のものと、被圧延材B41のものの2種類が存在する。
被圧延材の重量は圧延前後で変化せず、板幅も変化しないとすると、コイルの内側が被圧延材A40のものと、被圧延材B41のものでは、2つの被圧延材の重量が異なる場合、溶接点30を含む板厚厚部54がテンションリールに巻き取られる際の、各コイルで存在するリール半径方向の位置が異なる場合がある。そのため、リール半径変動を抑えるための板厚厚部54の長さが異なる事になる。
図9は、上述したようなリバース圧延を繰り返すことにより4回の圧延を行う場合における溶接点巻取時のリール周長を示す。圧延機で1回圧延されたコイル34と、圧延機で3回圧延されたコイル36とでは、被圧延材を巻き取る方向が同一であるため、溶接点巻取時のリール周長A61は等しい。同様にして、圧延機で2回圧延されたコイル35と、圧延機で4回圧延されたコイル37とでは、被圧延材を巻き取る方向が同一であるため、溶接点巻取時のリール周長B62は等しい。以降、図9に示すように、リール周長Aがリール周長Bよりも長い場合を例として説明する。
板厚厚部54は、上記2種類のリール周長に対応するように生成する必要がある。本実施形態における圧延機においては、圧延前の被圧延材の元の厚さ、即ち、板厚厚部54の厚さと、圧延された後の被圧延材の厚さ、即ち、製品板厚の厚さとの間の厚さである中間板厚部を設けることにより、上記2種類のリール周長に対応する。
図10(a)、(b)は、板厚厚部55に加えて、上述したように中間板厚部56を設ける場合の態様を示す図である。図10(a)は、被圧延材の長さ方向における板厚厚部および中間板厚部の位置を模式的に示す図である。図10(a)に示すように、中間板厚部56は、長い方のリール周長であるリール周長Aに応じてその長さが設定される。他方、板厚厚部55は、短い方のリール周長であるリール周長Bよりも短くなるようにその長さが設定される。
図10(a)に示すように板厚厚部55および中間板厚部56の長さを設定することにより、図10(b)に示すように、被圧延材における溶接点30の周囲は、製品板厚部57と、中間板厚部56と、板厚厚部55との三段階の板厚分布となる。板厚厚部55は、当初の目的から被圧延材の原板板厚である。中間板厚部56は、上述したように、溶接点30がテンションリールに巻き取られる場合の、リール周長の違いに対応するために、原板板厚と製品板厚の間の板厚として生成される。製品板厚は、圧延機でn回圧延されたコイルにおける出側板厚である。ここで、n回は、被圧延材の製品仕様上必要な圧延回数(最大圧延回数)とすると、n=1から最大圧延回数までの数となる。
図11(a)、(b)に、2種類の溶接点巻取時のリール周長に対応した板厚厚部の重なり方を模式的に示す。図11(a)は、リール周長Aの場合において溶接点30を含む被圧延材の部分がテンションリールに巻き取られた場合の例を示す図である。上述したように、中間板厚部56の長さはリール周長Aに応じて決定されているため、リール周長Aの場合、図11(a)に示すように、中間板厚部56における製品板厚部57側の端部同士が接する。
他方、図11(b)は、リール周長Bの場合において溶接点30を含む被圧延材の部分がテンションリールに巻き取られた場合の例を示す図である。上述したように、板厚厚部55の長さはリール周長Bよりも短めに設定されておいる。また、リール周長Bはリール周長Aよりも短いため、リール周長Bの場合、n+1回転目の中間板厚部56と、n+2回転目の中間板厚部とが重なる範囲は広くなり、図11(b)に示すように、中間板厚部56の途中同士が接する。
図11(a)、(b)に示すように、リール周長A、B何れの場合においても被圧延材がテンションリールに巻き取られた状態において、板厚厚部55の両側に形成された中間板厚部56同士が接触するように板厚厚部55および中間板厚部56の長さを設定することにより、図6(a)に示すような、局部的にリール半径が大となるような課題を解決することができる。
図12に、板厚厚部長さ計算の概要を示す。圧延機による圧延を行うため、被圧延材Aおよび被圧延材Bの2本の被圧延材を溶接し、図13(a)に示すような圧延前のコイル601を作成する。図13(a)に示す圧延前のコイル601は、半径rTROのテンションリールに先に被圧延材B603が巻き取られ、その後被圧延材Bと端部同士が溶接点605において溶接された被圧延材A602が巻き取られて構成されている。
図13(a)に示す状態の場合、溶接点605の位置の半径rは、被圧延材Bの長さをLとし、圧延前の被圧延材の板厚をHとすると、以下の式(1)で求められる。
Figure 0005566524
他方、図13(b)に示す圧延前のコイル601は、半径rTROのテンションリールに先に被圧延材A602が巻き取られ、その後被圧延材Aと端部同士が溶接点605において溶接された被圧延材B603が巻き取られて構成されている。
図13(b)に示す状態の場合、溶接点605の位置の半径rは、被圧延材Aの長さをLとすると、以下の式(2)で求められる。
Figure 0005566524
そして、図13(a)、(b)の場合におけるリール径rABは、以下の式(3)で求められる。
Figure 0005566524
まず、図12の溶接点位置コイル径演算装置701が、溶接点位置のコイル径を上記式(1)、(2)に基づいて演算する。なお、図12に示すL、L、H、h〜hは、オペレータによって入力される。圧延前のコイル601では、内巻きに被圧延材B、外巻きに被圧延材Aがあり、コイル外半径はrAB[mm]、溶接点の位置は、半径r[mm]の位置にある。この被圧延材は、原板の板厚がH[mm]であり、圧延機にて4回の圧延を行って最終的に製品板厚がh[mm]となる。その間、圧延1回目の出側板厚はh[mm]、圧延2回目の出側板厚がh[mm]、圧延3回目の出側板厚がh[mm]となる。
図14に圧延後のコイルの状態を示す。この被圧延材においては、圧延前においては、圧延前のコイル601に示すように、溶接点位置が、リール半径r[mm]の位置に有る。圧延を1回行った後においては、圧延1回後のコイル611に示すように、リール半径r[mm]の位置にある。圧延を2回行った後においては、圧延2回後のコイル612に示すように、リール半径r[mm]の位置にある。以下同様に、圧延3回後のコイル613、圧延4回後のコイル614のようになる。つまり、溶接点の位置は、リール半径r[mm]とr[mm]の2種類の地点に位置することになる。
溶接点位置コイル径演算部701においては、製品仕様から被圧延材Aの長さと、被圧延材Bの長さと、どちらが圧延前のコイルの内巻きにあるか(本実施例では、被圧延材B)の情報を受け取り、圧延n(本実施例においてはn=1〜4)回目における溶接点605のリール半径方向位置を計算する。今回の場合は、圧延1回目および3回目がリール半径r[mm]であり、圧延2回目および4回目がリール半径r[mm]である。
被圧延材Aの長さLと被圧延材Bの長さLとが一般的に異なるため、圧延1回目、3回目と圧延2回目、4回目における溶接点605の半径方向位置rとrとは一般的に異なる。従って、図10に示すような異なるリール周長に対応した板厚厚部を作成する必要がある。そこで、図10(b)に示すように、板厚厚部板厚58、中間板厚部板厚59を決定する必要がある。製品板厚60については、圧延4回目の出側板厚hとなる。
また、板厚厚部板厚58については、ロール開放時の板厚であることから、原板板厚 となる。中間板厚部板厚59については、種々の取り方が可能であるが、圧延により板厚が変わると長さも変化するため、1回板厚を決めたら、その後の圧延において変更しないようにする。
ここで、図10(b)に示す中間板厚部板厚59は、母材板厚Hと、製品板厚である圧延4回目の出側板厚hの中間板厚hを求め、求められたhに最も近い圧延n回目の出側板厚設定、即ち、上述したh〜hのいずれかとする。これにより、中間板厚部板厚59を設けるためだけにロールギャップの制御等をする必要がなくなり、リバース圧延を繰り返す上で生成された出側板厚をそのまま用いることができる。尚、中間板厚hは以下の式(4)によって求められる。
Figure 0005566524
板厚厚部の板厚設定装置702においては、圧延n回目の出側板厚設定値h、h、h、hと、中間板厚hを比較して、絶対偏差|h−h|(i=1、2、3、4)の最も小さな出側板厚設定値hを選択する。その結果、圧延2回目の出側板厚hが、中間板厚hに最も近いと選択されたとする。
この場合の、圧延n回目の出側における被圧延材の板厚分布を図15に示す。上述したように、溶接点位置のリール半径は、圧延回数に応じてrおよびrのいずれかであり、その際のリール周長は2πr、2πrである。板厚厚部の板厚設定装置702は、この2πrと2πrとのうち値の大きい方に基づき、リール周長Aを決定する。即ち、溶接点位置コイル径演算装置701及び板厚厚部の板厚設定装置702が、溶接点30がテンションリールに巻き取られる際の巻き取り周長を取得する巻き取り周長取得部として機能する。
まず、2πrが2πrよりも大きい場合を考える。この場合、圧延1回後の状態は、図11(a)、(b)のうち、図11(a)の状態に対応する。圧延1回後における溶接点巻取時のリール周長はリール周長Aであるのに対し、圧延1回目を経ることによって形成されるのは圧延1回目の板厚に対応したhの部分とリール周長Bに対応した板厚厚部55である。従って、図15に示すように、圧延1回目を経た状態では、図11(a)に示すようなリール回転方向半径変動を回避するような板厚分布にはならず、その結果、圧延2回目のための巻き出しの際にリール径変動が発生してしまう可能性がある。しかしながら、圧延1回目の出側板厚hと原板板厚Hとの差異が少ないことと、たとえリール半径方向の板厚変動が発生したとしても、次の圧延で板厚制御により除去可能である事から、製品板厚である圧延4回目の出側板厚にはほとんど影響しない。
圧延2回目における圧延後の状態は、図11(b)に対応する。この場合、溶接点巻取時のリール周長2πrは、溶接点巻取時のリール周長Bであり、ここでは、圧延2回目の板厚に対応したhの部分とリール周長Bに対応した板厚厚部55が形成される。即ち、圧延2回目を経た後も、図15に示すように、中間板厚部56が形成されず、図11(b)に示すようなリール回転方向半径変動を回避するような板厚分布にはならない。これについても、上記と同様の理由により、製品板厚である圧延4回目の出側板厚にはほとんど影響しない。
圧延3回目、4回目については、圧延2回目の圧延板厚であるhによって、図15に示すように、中間板厚部56が形成される。そのため、圧延3回目を経て巻き取られたコイルは、図11(a)に示すような状態となり、圧延4回目を経て巻き取られたコイルは図11(b)に示すような状態となるため、リール半径方向変動に起因する出側板厚変動の発生量を抑制する事が可能となる。このように、本実施形態においては、リバース圧延によって複数回の圧延を行う際に、圧延の回数によってロール開放のタイミングを変えることにより中間板厚部56を形成する。
次に、2πrが2πrよりも小さい場合を考える。この場合、圧延1回後の状態は、図11(a)、(b)のうち、図11(b)の状態に対応する。この場合も、形成されるのは、圧延1回目の板厚に対応したhの部分とリール周長Aに対応した板厚厚部55である。従って、圧延1回目を経た状態では、図11(b)に示すようなリール回転方向半径変動を回避するような板厚分布にはならず、圧延2回目のための巻き出しの際にリール径変動が発生してしまう。しかしながら、上記と同様の理由により、製品板厚である圧延4回目の出側板厚にはほとんど影響しない。
圧延2回目における圧延後の状態は、図11(a)に対応する。この場合、溶接点巻取時のリール周長2πrは、溶接点巻取時のリール周長Bであり、ここでは、圧延2回目の板厚に対応したhの部分とリール周長Aに対応した板厚厚部55が形成される。即ち、圧延2回目を経た後も、中間板厚部56が形成されず、図11(a)に示すようなリール回転方向半径変動を回避するような板厚分布にはならない。これについても、上記と同様の理由により、製品板厚である圧延4回目の出側板厚にはほとんど影響しない。
圧延3回目、4回目については、圧延2回目の圧延板厚であるhによって、中間板厚部56が形成されるそのため、圧延3回目を経て巻き取られたコイルは、図11(b)に示すような状態となり、圧延4回目を経て巻き取られたコイルは図11(a)に示すような状態となるため、リール半径方向変動に起因する出側板厚変動の発生量を抑制する事が可能となる。
図7または、図11(a)、(b)に示すようにリール半径方向変動をできるだけ小さくするようにリール回転方向板厚分布を作成する場合、図10(a)に示す板厚厚部55の様子に示すように、実際の溶接点巻取時のリール周長より短め(または長め)に板厚段差を作成する必要が有る。また、板厚段差部の長さもリール半径方向変動に影響する。従って、図10(b)に示すように、補正長A63、補正長B64、変更長A65、変更長B66を設定する必要が有る。これらの値は、被圧延材の板厚、溶接点巻取時のリール半径によっても変動する。そのため、ある程度実験的に求める必要が有る。
本実施形態においては、板厚厚部の板厚設定装置702が、リール周長2πr、2πr、元板厚H、中間板厚hおよび製品板厚hを変更長・補正長設定装置703に入力し、変更長・補正長設定装置703が、図10(a)、(b)に示すように板厚厚部55および中間板厚部56が形成されるように、圧延機スタンド1のロールギャップを制御するためのロールギャップの制御タイミングについての情報を変更長・補正長設定データベース704から取得する。
図16に、変更長・補正長設定装置703の動作概要を示す。図16に示すように、変更長・補正長設定装置703は、まず、変更長、補正長データベース704より、板厚および溶接点巻取時のリール周長に対応する変更長および補正長を取り出し(S1601)、溶接点通過処理タイミング設定装置102に入力する。変更長、補正長データベース704は、図17に示すような構造となっており、検索キーである、溶接点巻取時のリール周長A61、溶接点巻取時のリール周長B62、原板厚H、中間板厚h、製品板厚hを用いて、補正長A63、補正長B64、変更長A65、変更長B66を引き出すことが可能な構成となっている。
溶接点通過処理タイミング設定装置102およびロール開放・締込処理装置101は、入力された変更長および補正長を用いて、図15に示すような4回の圧延操業を実施する。そして、最終の圧延時、本実施例においては、圧延4回目における張力変動が測定され、変更長・補正長設定装置703がそれを取得する(S1602)。
変更長・補正長設定装置703は、上記取得した張力変動の測定値と、予め定められた閾値閾値とを比較する(S1603)。比較の結果、測定値が閾値よりも大きい場合(S1603/YES)、補正長設定装置703は、使用した設定値は不良であると判断して、設定値を修正する(S1604)。修正方法としては、予め定めた上下限値内でランダムに選択することで実施する。修正結果は、該当する検索キーのデータベースに書き込まれ、次回同様の被圧延材を圧延時に使用される。このような処理により、補正長データベースのデータを実験的に求めて構築することができる。そして、S1604の処理が終了するか、張力変動の測定値が閾値以下であった場合(S160/NO)、変更長・補正長設定装置703はそのまま処理を終了する。
本実施形態においては、補正長および変更長は、被圧延材の板厚、溶接点巻取時のリール半径によって変動するとしたが、被圧延材の鋼種や板幅によっても変動する事が考えられる。その場合は、変更長、補正長設定データベースの分類方法を変更すればよい。また、対象とする圧延機に張力計が設置されていない場合においては、圧延4回目における張力変動の代わりに板厚変動を測定して閾値と比較する事で設定値の不良を判定しても良い。また、圧延4回目だけでなく、任意の圧延回数で判定しても良い。
実際の、走間ロール開放・締込制御に必要な長さは、図18に示すように、溶接点30を起点とするロール開放長A67およびロール開放長B68である。これらは、以下の式(5)、式(6)に従い、溶接点通過処理設定値演算装置103が求める。即ち、変更長・補正長設定装置703と溶接点通過処理設定値演算装置103とが連動することにより、ロール開放タイミング取得部として機能する。
Figure 0005566524
Figure 0005566524
変更長・補正長設定装置703、ひいては板厚厚部長さ設定装置104からは、溶接点通過処理タイミング設定装置102に対して、変更長A及び補正長Aと、変更長B及び補正長Bのいずれかを変更長および補正長として出力する。どちらを出力するかは、圧延n回目において実施するロール開放処理が、溶接点巻取時のリール周長Aに対応するのか、溶接点巻取時のリール周長Bに対応するのかによって切り分ける。
溶接点通過処理タイミング設定装置102においては、溶接点30の位置を圧延中監視し、溶接点30が圧延機を通過する場合、板厚厚部長さ設定装置104から入力されるロール開放長および変更長の設定値を元に、圧延荷重を変更するタイミングを作成し、ロール開放・締込処理装置101へ出力する。また、溶接点通過処理タイミング設定装置102は、変更長及び補正長を溶接点通過処理設定値演算装置103に出力する。これにより、溶接点通過処理設定値演算装置103が、上記式(5)、(6)に基づいてロール開放操作時間、ロール締込操作時間及びロール開放時間を決定し、ロール開放・締込制御装置101に設定する。尚、溶接点30の位置を監視する方法としては、圧延スタンド1の入側に光学的な検知装置を設ける等、従来用いられている検知方法を用いることが可能であり、詳細な説明を省略する。
尚、上記光学的な検知装置を用いる場合、溶接点通過処理タイミング設定装置102は、上記光学的な検知装置による検知結果に基づいて溶接点30が圧延スタンド1に到達するタイミングである到達タイミングを認識する。ロール開放・締込処理装置101においては、被圧延材の製品仕様から溶接点通過処理設定値演算装置103により決定される圧延荷重等の設定値を用いて、溶接点通過処理タイミング設定装置102よりのタイミング信号により圧延荷重を変更する。
即ち、溶接点通過処理タイミング設定装置102及びロール開放・締込処理装置101が、圧延を回避するべき圧延回避部である溶接点30の到達タイミング及び溶接点通過処理設定値演算装置103を認識する圧延回避認識部として機能すると共に、ロール開放制御部として機能する。
図19は、図15のような被圧延材板厚分布を作成する場合の圧延荷重の変更態様を示す図である。図19に示すように、圧延1回目、2回目は、板厚厚部55を生成するための圧延荷重変更制御が実行される。他方、圧延3回目、4回目は、中間板厚部56を生成するための圧延荷重変更制御が実行される。
以上説明したように、圧延n回目の被圧延材の板厚分布を図15のようにすることにより、被圧延材の一部において圧延することなくロールギャップを開放する必要があり、その結果として圧延後の板厚が局部的に変化する場合に、それに起因するコイル径の変動を抑制することができ、リール半径変動に起因する出側板厚変動を最小限とすることができる。
尚、上記実施形態においては、溶接点をテンションリール上のコイルに巻付る場合におけるリール径に応じて、2種類の板厚厚部の長さが必要となる事から、両方に対応するため、2種類の板厚厚部を作成する方法について説明した。別な方法として、圧延スタンド1における最後の圧延時における出側板厚が重要である事から、最後の圧延を行う圧延方向の出側における溶接点巻取時のリール周長に合わせて、図7に示すように板厚厚部54を作成する事も考えられる。
例えば、ある被圧延材を、圧延スタンド1において2回の圧延を実施する場合は、圧延機で2回圧延されたコイル35が、最後の圧延における出側リール上に作成されるコイルであることから、溶接点巻取時のリール周長Bにあわせて、板厚厚部54を作成する。この方法でも、最終の圧延(最大圧延回数時)における板厚変動を抑制することができ、製品精度の向上が可能である。
また、上記実施形態においては、図11に示すように、板厚厚部55および中間板厚部56を設けることにより、入側TRにおいて溶接部30が巻き取られる際のリール周長と、出側TRにおいて溶接部30が巻き取られる際のリール周長との違いに対応する場合を例として説明した。しかしながら、テンションリールの弧は局部的には直線とみなすことが可能であり、入側、出側におけるリール周長の差が上記直線とみなすことが可能な範囲内であれば、図11に示すような中間板厚部56は不要であり、図7に示すような板厚厚部54のみを設けるだけで対応可能である。
この場合、板厚厚部54の搬送方向の長さは、リール周長Aおよびリール周長Bのうち、短い方のリール周長に応じて決定される。図20(a)、(b)は、このような場合において、被圧延材がテンションリールに巻き取られたコイルの部を拡大した状態を示す図であり、図20(a)は、リール周長が短い方のリールに被圧延材が巻き取られた状態、図20(b)は、リール周長が長い方のリールに被圧延材が巻き取られた状態を夫々示す。
図20(a)、(b)に示すように、リール周長の差が、弧を直線とみなすことが可能な範囲内であれば、板厚厚部54の長さを、入側、出側夫々のテンションリールにおいて溶接部30が巻き取られる際のリール周長のうち短い方に応じて設定することにより、コイル径の変動を抑制することが可能である。
また、上記実施形態においては、圧延前のコイル601内に溶接点が1つ入っている場合について述べたが、2つ以上入っている場合も本実施例と同様に考える事ができる。その場合であっても、図19に示すような圧延荷重の制御を夫々の溶接点に応じて実行すれば容易に実現可能である。
更に、上記実施形態においては、シングルスタンド圧延機を例に説明したが、圧延機を複数台連続的に並べたタンデム圧延機においても同様に考える事ができる。
また、上記実施形態においては、圧延機を停止することなく被圧延材が動いている状態でロール開放・締込処理を実施する場合について説明したが、溶接点通過時は圧延機を停止させ、ロールを開放後、圧延機を溶接点を通過させ、通過後圧延機を停止させてロール締込みを行う場合についても同様に考える事ができる。
また、上記実施形態においては、図11において説明したように、被圧延材がテンションリールに巻き取られた状態において、板厚厚部55の両側に形成された中間板厚部56同士が接触するように板厚厚部55および中間板厚部56の長さを設定することを例として説明した。これに対して、図21(a)は、中間板厚部56同士が接触しないように設定された場合の例を示す図である。
図21(a)に示す例の場合、中間板厚部56同士が接触せずに空間が形成されており、この空間が広いとその部分において圧延コイルが窪んでしまう可能性がある。その結果、コイル径の変動が発生することとなる。従って、上述したように、板厚厚部55の両側に形成された中間板厚部56同士が接触するように板厚厚部55および中間板厚部56の長さを設定することが好ましい。
他方、図21(b)は、板厚厚部55の両側に形成された中間板厚部56同士が、搬送方向の長さの全体にわたって接触するように設定された場合の例を示す図である。この場合、図21(b)に示すように、中間板厚部56同士が接触する部分において圧延コイルが盛り上がることとなり、これによっても、コイル径の変動が発生することとなる。
従って、溶接点30が巻き取られる際のリール周長が短い方のテンションリールに被圧延材が巻き取られた状態において、板厚厚部55の両側に形成された中間板厚部56同士が接触する搬送方向の幅は、例えば図11(b)に示すように、中間板厚部56の搬送方向の幅の半分以下となるように設定することが好ましい。
尚、上述した中間板厚部56同士が接触する搬送方向の幅は、中間板厚部56の板厚によって好適な値が異なる。従って、中間板厚部56同士が接触する搬送方向の幅は、中間板厚部56の板厚も考慮して好適に決定されることが好ましい。
尚、図11(a)の状態は、リール周長Aの場合において、中間板厚部56における製品板厚部57側の端部同士が接する状態を示している。中間板厚部56における製品板厚部57側の端部とは、図11(a)に示すように、板厚が中間板厚部板厚59の部分の板面上の端部を示すが、中間板厚部56と製品板厚部57との間の板厚が変動している部分同士が接するようにしても良い。
また、図21(a)において説明したコイル周の窪みや、図21(b)において説明したコイル周の盛り上がりによる影響は、図6(a)に示すようなコイル径の局部的な増大による張力変動、出側板厚への影響よりも小さいことも考えられる。従って、図21(a)、(b)に示すような状態となるような板厚厚部55および中間板厚部56の長さ設定も採用可能である。
尚、図4および図12に示す各機能ブロックは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現される。ここで、図4および図12に示す各機能ブロックを構成するハードウェアについて、図22を参照して説明する。図22は、本実施形態に係る図4および図12に示す各機能ブロック(以降、制御装置とする)のハードウェア構成を示すブロック図である。図22に示すように、本実施形態に係る制御装置は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成を有する。
即ち、本実施形態に係る制御装置は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204およびI/F205がバス208を介して接続されている。また、I/F205にはLCD(Liquid Crystal Display)206および操作部207が接続されている。
CPU201は演算手段であり、制御装置全体の動作を制御する。RAM202は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU201が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM203は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
HDD204は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F205は、バス208と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD206は、ユーザが制御装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部207は、キーボードやマウス等、ユーザが制御装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM203やHDD204若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM203に読み出され、CPU201の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る制御装置の機能が実現される。
即ち、本実施形態に係る溶接点位置コイル径演算装置701及び板厚厚部の板厚設定装置702は、巻き取り周長取得部として機能して取得した巻き取り周長をRAM202に格納する。また、本実施形態に係る変更長・補正長設定装置703は、ロール開放タイミング取得部として機能して、変更長・補正長設定データベース704からロール開放タイミングの情報である変更長、補正長を取得すると、取得した情報をRAM202に格納する。
このように、本実施形態に係る制御装置はソフトウェアによって実現可能であるため、圧延機として既存の装置を利用すると共に、圧延機を制御する制御装置のソフトウェアを更新するのみで実現することが可能であり、導入時の手間やコスト面において非常にメリットがある。
1 圧延機スタンド
2 入側TR
3 出側TR
4 ミル速度制御装置
5 入側TR制御装置
6 出側TR制御装置
7 ロールギャップ制御装置
8 入側張力計
9 出側張力計
10 圧延速度設定装置
11 入側張力設定装置
12 出側張力設定装置
13 入側張力制御
14 出側張力制御
15 入側張力電流変換装置
16 出側張力電流変換装置
17 出側板厚計
18 出側板厚制御装置
101 ロール開放・締込処理装置
102 溶接点通過処理タイミング設定装置
103 溶接点通過処理設定値演算装置
104 板厚厚部長さ設定装置
701 溶接点位置コイル径演算装置
702 板厚厚部の板厚設定装置
703 変更長・補正長設定装置

Claims (12)

  1. 板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御装置であって、
    前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識する圧延回避認識部と、
    前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を取得する巻き取り周長取得部と、
    圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得するロール開放タイミング取得部と、
    前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するロール開放制御部とを含み、
    前記ロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記巻き軸に巻き取られた状態において、圧延が回避された元板厚のままの部分が巻き取りの略一周分に相当する状態となるように定められていることを特徴とする圧延制御装置。
  2. 前記被圧延材は、2つの被圧延材を搬送方向に接続して構成されたものであり、
    前記圧延回避部は、前記2つの被圧延材の接続部であり、
    前記巻き取り周長取得部は、前記接続された2つの被圧延材のうち先に前記ロールに供給される先行材の元板厚、搬送方向の長さおよび前記巻き軸の半径に基づいて前記巻き取り周長を求めることを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  3. 前記圧延機は2つの巻き軸を備え、第一の巻き軸から第二の巻き軸に前記被圧延材を搬送して圧延を行った後、前記第二の巻き軸から前記第一の巻き軸に前記被圧延材を搬送して再度圧延を行うリバース圧延を行う圧延機であって、
    前記巻き取り周長取得部は、前記圧延回避部が前記第一の巻き軸に巻き取られる際の第一の巻き取り周長と、前記圧延回避部が前記第二の巻き軸に巻き取られる際の第二の巻き取り周長とを夫々取得し、
    前記ロール開放タイミング取得部は、圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記第一の巻き取り周長および第二の巻き取り周長のうち短い方に応じた長さになるように、前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の圧延制御装置。
  4. 前記圧延機は、前記リバース圧延によって複数回の圧延を行う際に、圧延の回数によって前記ロールを開放するタイミングを変えることにより、前記圧延が回避される部分と目標の板厚まで圧延される部分との間に、中間の板厚となる中間板厚部を形成するように圧延を行う圧延機であり、
    前記ロール開放タイミング取得部は、複数回の圧延のうち最後よりも前の圧延において生成された板厚が残ることによって前記中間板厚部が形成され、前記中間板厚部の搬送方向の長さが、前記第一の巻き取り周長および第二の巻き取り周長のうち長い方に応じた長さになるように第一のロール開放タイミングを取得すると共に、圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記第一の巻き取り周長および第二の巻き取り周長のうち短い方に応じた長さになるように第二のロール開放タイミングを取得し、
    前記第一のロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記第一の巻き軸および第二の巻き軸のうち長い方に巻き取られた状態において、前記圧延が回避された元板厚のままの部分および前記中間板厚部の合計の搬送方向の長さが巻き取りの略一周分に相当する状態となるように定められており、
    前記第二のロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記第一の巻き軸および第二の巻き軸のうち短い方に巻き取られた状態において、前記圧延が回避された元板厚のままの部分および前記中間板厚部の一部の合計の搬送方向の長さが巻き取りの略一周分に相当する状態となるように定められていることを特徴とする請求項3に記載の圧延制御装置。
  5. 前記第一のロール開放タイミングおよび第二のロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記第一の巻き軸および第二の巻き軸のいずれに巻き取られた状態においても、前記圧延が回避された元板厚のままの部分の一端側に形成された中間板厚部と他端側に形成された中間板厚部との2つの中間板厚部が互いに接触する状態となるように定められていることを特徴とする請求項4に記載の圧延制御装置。
  6. 前記第一のロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記第一の巻き軸および第二の巻き軸のうち前記巻き取り周長が長い方に巻き取られた場合に、前記中間板厚部における前記目標の板厚まで圧延された部分側の端部同士が接触する状態となるように定められていることを特徴とする請求項5に記載の圧延制御装置。
  7. 前記第二のロール開放タイミングは、前記被圧延材が前記第一の巻き軸および第二の巻き軸のうち前記巻き取り周長が短い方に巻き取られた場合に、前記圧延が回避された元板厚のままの部分の一端側に形成された中間板厚部と他端側に形成された中間板厚部との2つの中間板厚部が互いに接触する範囲の前記被圧延材の搬送方向の長さが、前記中間板厚部の搬送方向の長さの半分以下となるように定められていることを特徴とする請求項5または6に記載の圧延制御装置。
  8. 前記ロール開放タイミング取得部は、第一の巻き軸から第二の巻き軸に前記被圧延材が搬送される際のロール開放タイミングおよび前記第二の巻き軸から前記第一の巻き軸に前記被圧延材が搬送される際のロール開放タイミングと、前記第一の巻き取り周長および前記第二の巻き取り周長とが関連付けて記憶されたデータベースから、前記取得された前記第一の巻き取り周長および前記第二の巻き取り周長に基づいて前記ロール開放タイミングを取得することを特徴とする請求項3乃至7いずれか1項に記載の圧延制御装置。
  9. 前記ロール開放タイミング取得部は、前記ロール開放制御部によって制御された圧延処理における前記被圧延材の張力の変動及び圧延後の被圧延材の板厚の変動のうち少なくとも一方の情報に基づき、前記データベースに記憶されているロール開放タイミングを修正することを特徴とする請求項8に記載の圧延制御装置。
  10. 前記ロール開放タイミングは、前記リバース圧延によって複数回行われるうちの最後の圧延の際に、前記被圧延材を巻き取る巻き軸において前記圧延が回避された元板厚のままの部分が巻き取りの略一周分に相当する状態となるように前記ロール開放タイミングを求めることを特徴とする請求項3乃至9いずれか1項に記載の圧延制御装置。
  11. 板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御方法であって、
    前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を示す情報を取得して記憶媒体に記憶し、
    圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになり、前記被圧延材が前記巻き軸に巻き取られた状態において、圧延が回避された元板厚のままの部分が巻き取りの略一周分に相当する状態となるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得して記憶媒体に記憶し、
    前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識し、
    前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するように制御することを特徴とする圧延制御方法。
  12. 板状の被圧延材を搬送して少なくとも一対のロールで挟むことによって圧延した後に巻き軸によって巻き取ると共に、前記被圧延材において圧延を回避するべき圧延回避部については、前記ロールを開放することによって圧延を回避するように圧延機を制御する圧延制御プログラムであって、
    前記圧延回避部が前記巻き軸に巻き取られる際の巻き取り周長を示す情報を取得して記憶媒体に記憶するステップと、
    圧延が回避される部分の搬送方向の長さが、前記取得された巻き取り周長に応じた長さになり、前記被圧延材が前記巻き軸に巻き取られた状態において、圧延が回避された元板厚のままの部分が巻き取りの略一周分に相当する状態となるように前記ロールを開放する制御のタイミングであるロール開放タイミングを取得して記憶媒体に記憶するステップと、
    前記圧延回避部が前記一対のロールに到達するタイミングである到達タイミングを認識するステップと、
    前記取得されたロール開放タイミングおよび前記認識された到達タイミングに基づいて前記ロールを開放するように制御するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする圧延制御プログラム。
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