JP5665137B2 - 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ - Google Patents

有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP5665137B2
JP5665137B2 JP2011538498A JP2011538498A JP5665137B2 JP 5665137 B2 JP5665137 B2 JP 5665137B2 JP 2011538498 A JP2011538498 A JP 2011538498A JP 2011538498 A JP2011538498 A JP 2011538498A JP 5665137 B2 JP5665137 B2 JP 5665137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
organic semiconductor
organic
general formula
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011538498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011052721A1 (ja
Inventor
結 市川
結 市川
直毅 平田
直毅 平田
寿夫 河野
寿夫 河野
尚実 小熊
尚実 小熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Shinshu University NUC
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Shinshu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd, Shinshu University NUC filed Critical Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority to JP2011538498A priority Critical patent/JP5665137B2/ja
Publication of JPWO2011052721A1 publication Critical patent/JPWO2011052721A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5665137B2 publication Critical patent/JP5665137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/06Peri-condensed systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B5/00Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings
    • C09B5/62Cyclic imides or amidines of peri-dicarboxylic acids of the anthracene, benzanthrene, or perylene series
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/615Polycyclic condensed aromatic hydrocarbons, e.g. anthracene
    • H10K85/621Aromatic anhydride or imide compounds, e.g. perylene tetra-carboxylic dianhydride or perylene tetracarboxylic di-imide
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/466Lateral bottom-gate IGFETs comprising only a single gate

Description

本発明は、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド環からなる環状共役系骨格構造の両窒素原子に、2価の酸素原子、セレン原子または硫黄原子を有するアルキル基が結合された3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を含んでいる有機半導体材料、該材料からなる有機半導体薄膜、該有機半導体薄膜を利用した有機薄膜トランジスタに関する。
近年の高度情報化社会の進展は、目覚ましく、デジタル技術の発展は、コンピュータ、コンピュータ・ネットワークなどの通信技術を日常生活に浸透させている。それとともに、薄型テレビやノートパソコンの普及が進んでおり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの、表示ディスプレイへの要求も高まりつつある。特に近年、ディスプレイの大型化とともに精細化も進みつつあり、これまで以上に画素数に対応した多数の電界効果トランジスタの組み込みが要求される。液晶ディスプレイにおいては、電界効果トランジスタをアクティブ素子として各画素に配置し、信号のオン/オフ制御を行うことにより、液晶を駆動できる。
アクティブ素子に使用されている電界効果トランジスタとしては、薄膜トランジスタを用いることができる。薄膜トランジスタの性能は、用いられる半導体材料の種類や構造によって決まるが、特に、大きなキャリア移動度および高いオン/オフ比を得ることは、大きな電流を得ることを可能とする。大きな電流を得ることができれば、有機ELなどの駆動がより高精度で可能となるばかりでなく、薄膜トランジスタの微細化およびコントラストの向上ができる。
アクティブ素子に使用されている薄膜トランジスタには、アモルファスシリコンやポリシリコンなどのシリコン系の半導体を用いることができる。これらのシリコン半導体を多層化し、ソース、ドレインおよびゲート電極を基板上に形成していくことで薄膜トランジスタが製造されている。
しかし、シリコン半導体を用いた薄膜トランジスタの製造には、大規模で高価な製造設備が必要であり、また、フォトリソグラフィを用いるため多くの工程を経る必要があり、製造コストが高くなるという経済的な課題がある。また、その製造温度は300℃から500℃以上の高温を必要とするため、製造コストが高くなるばかりでなく、プラスチック基板やフレキシブルなプラスチックフィルムへの形成が困難となるという技術的な課題がある。
一方、有機半導体材料からなる有機半導体薄膜を使用した有機薄膜トランジスタは、蒸着法、印刷法、塗布法など各種の製膜法により作成され、低コスト化、大面積化、軽量化の可能性がある。また、有機半導体薄膜は、無機半導体層に比べ低温で作成が可能となり低コスト化がなされるとともに、プラスチック基板やフレキシブルなプラスチックフィルムへの形成が可能となり、軽量化およびフレキシブルな電子デバイスなどへの適用が可能となる。
このようなことから、これまで、多くの有機半導体材料が研究されており、共役高分子化合物や低分子化合物を有機半導体薄膜として利用したものが知られている。半導体には、n型半導体とp型半導体があり、より優れたトランジスタ特性等を示すn型半導体材料及びp型半導体材料の開発が待望されている。n型半導体材料では、電子が主たるキャリアとして移動することにより電流が生じ、p型半導体材料ではホール(正孔)が主たるキャリアとして移動することで電流が生じる。
有機薄膜トランジスタとして高い性能を示す有機半導体材料として、ペンタセン系材料やチオフェン系材料が知られているが、これらはp型特性を示す半導体材料である。これに対し、高性能のn型有機半導体材料についての報告は限られており、高性能のn型有機半導体材料の開発が望まれている。有機エレクトロニクスが、さらに発展するためには、低電力消費、より単純な回路などが必須であり、n型およびp型の両方の有機半導体材料が必要とする相補型金属酸化物半導体(CMOS)のような有機相補型MOS回路が必要となる。このため、以前にもまして、高性能のn型有機半導体材料の開発が望まれている。
これまで、n型有機半導体材料として、ナフタレンイミド、ナフタレンジイミドおよびこれらの誘導体が知られている。しかし、これらのn型有機半導体材料では、薄膜トランジスタとしての高い性能の報告はされていない。また、非特許文献1では、ペリレン骨格を有する低分子化合物が、高い性能を発現する有機薄膜トランジスタに使用できる可能性を記載している(非特許文献1:電子移動度1.7cm2/Vs)。
真空蒸着法により形成されたペリレンテトラカルボン酸誘導体からなる有機半導体膜を用いた有機薄膜トランジスタについては、例えば、下記の開示がある。特許文献1には、フッ素含有基で置換された炭素環式または複素環式芳香環系を有するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を含む有機半導体材料層からなる薄膜トランジスタが、移動度0.05〜0.2cm2/Vs、オン/オフ比は104〜105であり、空気中の安定性、および優れた再現性を示すことが記載されている。また、特許文献2には、置換型または非置換型フェニルアルキル基を有するペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む有機半導体材料層からなる薄膜トランジスタが移動度0.04〜0.7cm2/Vs、オン/オフ比は104〜105であり、空気中の安定性、および優れた再現性を示すことが記載されている。
一方、上述した各種の製膜法により形成された有機半導体薄膜は、一般に微結晶が集合した多結晶構造であり、いずれの材料を用いた場合も、有機半導体薄膜内には多くの粒界(微結晶の接点)、欠損、欠陥が存在するが、これらの結晶粒界や欠陥は電荷の輸送を阻害する。そのため、これらの製膜法により形成された有機半導体薄膜は、大面積にわたり均一に作成することが困難であり、安定したデバイス性能を有する有機半導体デバイスを作成することは事実上困難であるという、製造上の課題があった。各種の製膜法の中でも、特に蒸着法によって形成した薄膜は、有機半導体膜内の結晶粒界、欠損、欠陥が生じる傾向が強い。
このような課題に対し、本発明者らは、これまでに下記の提案をしている。すなわち、真空蒸着法により形成したN,N’−ジトリデシル−3,4:9,10−ペリレンジカルボン酸イミド有機半導体薄膜を、スメチック液晶相を呈する温度近傍で熱処理した有機薄膜トランジスタを提供し、上記の課題を解決している(非特許文献2:電子移動度2.1cm2/Vs)。すなわち、熱処理により液晶状態を経ることで、前記した結晶粒界、欠損、欠陥が減少し、均一膜の形成が可能になる。
特表2008−524846号公報 特表2008−524869号公報
Reid J Chesterfield et al,J.Phys. Chem.B,108(50)19281,(2004) Ichikawa et al,Appl, Phys,Lett, 89(11), 112108 (2006)
しかしながら、上述したn型有機半導体材料は、溶媒への溶解度が低く、製膜には真空蒸着法を用いる必要があり、印刷法や、スピンコート法等の溶液塗布法を利用することはできなかった。すなわち、現状では、溶媒への十分な溶解性を有し、印刷法や溶液塗布法による製膜が可能な有機半導体材料であり、かつ、従来困難であった有機半導体薄膜を大面積にわたり均一に作成することが容易である有機半導体材料は見いだされていない。
また、前述したペリレンテトラカルボキシジイミドおよびその誘導体を有機半導体材料として用いて作成された有機薄膜トランジスタは、高いトランジスタ性能を得るために、フッ素などのハロゲン基を導入する必要があり、製造工程の複雑化や多段化により、有機半導体材料は高価なものとなり、安価なデバイスの作成が困難になるという、工業生産上の課題を有する。このため、有機半導体材料の製造が容易であり、より安価であり、かつ、有機半導体材料としての高い性能と、スピンコート法等の溶液塗布法、印刷法による製膜を可能とし、しかも有機半導体薄膜を大面積にわたり均一に作成することが容易であり、優れた電子移動度、オン/オフ比を有する有機薄膜層や有機薄膜トランジスタの提供を可能にする有機半導体材料の開発が望まれている。
従って、本発明の目的は、蒸着法、印刷法、塗布法など各種の製膜法により有機半導体薄膜を大面積にわたり均一に作成することが容易であり、高い電子移動度および高いオン/オフ比を有するとともに、さらには、溶媒を用いたスピンコート法等の溶液塗布法、印刷法により有機半導体薄膜を形成することのできる有機半導体材料を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記有機半導体材料を用いて製造される、特性に優れた有機半導体薄膜、および有機薄膜トランジスタを提供することにある。また、本発明の目的は、熱処理により、より均一化された有機半導体薄膜からなる有機薄膜トランジスタを提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体からなることを特徴とする有機半導体材料を提供する。
Figure 0005665137
(ただし、一般式(1)中、R1は炭素数が1〜20である分岐してもよいアルキル基を、R2は炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基を、R3は炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基を、X1およびX2は酸素原子、硫黄原子およびセレン原子から選択されるヘテロ原子を、Yはハロゲン原子あるいはシアノ基を、mは0〜4の数を、そしてnは0〜2の数を、それぞれ示す。さらに、R1およびR2のアルキル基は、フッ素で置換されていてもよい。)
上記本発明においては、前記一般式(1)中、R1が炭素数1〜20の直鎖アルキル基を、R2が炭素数2〜6の直鎖アルキル基を、R3が炭素数2〜6の直鎖アルキル基を、X1およびX2が酸素原子を、Yがハロゲン原子あるいはシアノ基を、mが0〜4の数を、そしてnは0〜2の数である有機半導体材料が好ましい。
また、本発明は、前記一般式(1)で表わされる誘導体のより具体的なものとして、下記一般式(2)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−エチル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体からなることを特徴とする有機半導体材料を提供する。
Figure 0005665137
(ただし、一般式(2)中のR1は炭素数1〜20の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を示す。)
また、本発明は、前記一般式(1)で表わされる誘導体の別のより具体的なものとして、下記一般式(3)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体からなることを特徴とする有機半導体材料を提供する。
Figure 0005665137
(ただし、一般式(3)中のR1は炭素数1〜20の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を示す。)
また、本発明は、前記一般式(3)で表わされる誘導体のより具体的なものとして、下記式(4)で示されるN,N’−ビス(3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドからなることを特徴とする有機半導体材料を提供する。
Figure 0005665137
また、本発明は、前記本発明の有機半導体材料からなることを特徴とする有機半導体薄膜;前記本発明の有機半導体材料からなり、かつ、100℃から250℃の温度領域において液晶状態へ相転移することを特徴とする有機半導体薄膜を提供する。
また、本発明は、基板上に形成され、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体薄膜ならびにソース電極およびドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタにおいて、上記有機半導体薄膜が、前記本発明の有機半導体薄膜からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタを提供する。該有機薄膜トランジスタの電子移動度は、0.01〜5.0cm2/Vsであることが好ましい。
また、本発明は、基板上に形成され、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体薄膜ならびにソース電極およびドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタにおいて、上記有機半導体薄膜が、前記本発明の有機半導体薄膜からなり、かつ、該有機半導体薄膜が100℃から250℃の間の温度において、熱処理されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタを提供する。該有機薄膜トランジスタの電子移動度は、0.01〜5.0cm2/Vsであることが好ましい。
本発明によれば、高い電子移動度および高いオン/オフ比を有するとともに、溶媒(溶液)を用いたスピンコート法等の溶液塗布法によっても有機半導体薄膜を形成することのできる有機半導体材料が提供される。また、本発明によれば、上記有機半導体材料を用いることで、特性に優れ、かつ、安価な有機薄膜トランジスタの提供が可能になる。
本発明のボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造の1例を表す断面図。 本発明のトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造の1例を表す断面図。 実施例1の有機薄膜トランジスタの出力特性(ドレイン電流とゲート電圧)の関係を示す図。 実施例1の有機薄膜トランジスタの伝達特性(ドレイン電流とドレイン電圧)の関係を示す図。 本発明の有機薄膜トランジスタの移動度および熱処理温依存性を表す図。 熱処理による有機半導体薄膜のグレインサイズの成長を示す図。 本発明の有機半導体のX線回折パターンを示す図。
次に、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、実施することができる。先ず、本発明の一般式(1)で表される有機半導体材料について説明する。尚、本件にて使用する「溶媒」は、目的を達成する為の溶質の分散媒としての使用と、溶質を溶解するものの双方の効果を含めるものである。
本発明の有機半導体材料は、特定の構造を有するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体からなる。具体的には、下記一般式(1)に示すように、ペリレンテトラカルボキシジイミドの両末端窒素原子に、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子から選ばれたヘテロ原子を有するアルキル基を有し、該ペリレンテトラカルボキシジイミド環構造は、酸素原子が二重結合により炭素と結合しているカルボニル基2個を両末端に有している。このため、該カルボニル基による強い電子吸引性が生じることによりn型有機半導体材料となる。
Figure 0005665137
(式中、R1は炭素数が1〜20である分岐してもよいアルキル基を、R2、R3は独立に、炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基を、X1およびX2は、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子から選択されるヘテロ原子を、Yはハロゲン原子あるいはシアノ基を、mは0〜4の数を、nは0〜2の数を示す。さらに、R1およびR2のアルキル基は、フッ素で置換されていてもよい。)
また、上記一般式(1)で表わされる誘導体は、電子吸引性基であるカルボニル基を4個持つことにより、深いHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高被占軌道)を有しており、大気中に含まれる酸素や水などの不純物の存在にもかかわらず、安定したトランジスタ性能を発現する有機薄膜トランジスタを提供できる可能性がある。また、この材料は、多環芳香族炭化水素であるペリレン骨格構造の強い分子間の相互作用により、電子輸送性材料として特性を発現することができる。すなわち、ペリレン骨格構造は、蒸着法、印刷法、塗布法など各種の製膜法により形成された有機半導体薄膜において、強いスタックを形成し、高い電子移動度を達成すると考えられる。
また、上記一般式(1)で表わされる誘導体の有機溶媒への溶解性は、ペリレンテトラカルボキシジイミドの両末端窒素原子に、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子から選ばれたヘテロ原子を有するアルキル基を有することにより、優れた溶解性を示す。このため、該誘導体では、印刷法、溶液塗布法によって有機半導体薄膜を安定して形成することができる。特に好ましい形態として、酸素原子を有するアルキルエーテル基を有するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体が挙げられる。本発明者らの検討によれば、該誘導体は、有機溶媒に対する大きな溶解性を示し、溶液塗布法による有機半導体薄膜の形成を可能とする。
上記一般式(1)で表わされる誘導体を構成するアルキル鎖長としては、下記に挙げるものが好ましい。優れた溶解性の観点から、上記一般式(1)中のR2、R3は独立に、炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基であることが好ましい。更に溶解性に優れた誘導体としては、上記一般式(1)中のR2が、エチル基、または、プロピル基であることが挙げられる。また、上記一般式(1)中のR1は、炭素数が1から20のアルキル基であれば、該誘導体は、本発明の目的達成のために問題なく使用できるが、中でも、R1の炭素数が4から18である誘導体は、溶解性に特に優れ、かつ、容易に100℃から250℃の温度領域において液晶状態へ相転移し、より優れたトランジスタ性能を発現することができる。特に優れたトランジスタ性能を発現できるものとしては、一般式(1)中のR1が、炭素数が8から18のアルキル基である誘導体、さらには、R1が炭素数10〜14のアルキル基である誘導体が挙げられる。
また、本発明者らの検討によれば、上記一般式(1)で表される誘導体において、ペリレン骨格構造へのフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン元素やシアノ基の導入は、該誘導体の有機溶媒への溶解性をさらに向上させることができる。したがって、このような構造を有する誘導体を用いれば、印刷法、溶液塗布法による均一な膜の形成を可能とし、さらに大気中において、トランジスタ特性を安定して実現することが可能となる。
また、本発明者らの検討によれば、前記一般式(1)で表わされる誘導体において、該式中のR1およびR2に、フッ素で置換されたアルキル基を用いることにより、水、酸素、空気などの不純物が有機半導体薄膜へ浸入することを防ぐことが可能となり、より安定したn型半導体特性を発現できる。
本発明の有機半導体材料を構成するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体は、公知の方法で合成できる。例えば、高沸点有機溶媒中でペリレンテトラカルボン酸無水物を該当するアミン類と反応させる、あるいはペリレンテトラカルボキシジイミドを一旦カリウム塩にした後、該当するハロゲン化アルキルと反応させることにより、本発明で使用するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を得ることができる。
本発明の有機半導体材料を構成するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を合成する際に、使用するアミン成分としては、以下のものが挙げられる。例えば、3−メトキシ−n−エチルアミン、3−メトキシ−n−プロピルアミン、3−エトキシ−n−プロピルアミン、4−エトキシ−n−ブチルアミン、5−(n−ブチルオキシ)−n−ペンチルアミン、3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−ブチルオキシ)−n−ヘキシルアミン、3−(n−ヘプチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(iso−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(sec−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(tert−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−オクチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−デシルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−テトラデカオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−エイコサオキシ)−n−プロピルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−n−ブチルオキシ)エチルアミン、2−(2−n−ヘキシルオキシ)エチルアミン、2−(2−n−オクチルオキシ)エチルアミン、2−(2−sec−オクチルオキシ)エチルアミン、2−(2−ブトキシプロピルオキシ)プロピルアミン、2−(2−(ドデシルオキシ)プロピルオキシ)プロピルアミン、3−(n−ブチルチオ)プロピルアミン、3−(エチルチオ)プロピルアミン、3−(n−ドデシルチオ)プロピルアミン、3−(n−ドデシルセラニル)プロピルアミンなどである。
これらの中でも、原材料の入手しやすさや、反応の容易さ、そして合成されたペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体の半導体特性などを考慮すると、以下のものが好ましい。例えば、3−メトキシ−n−プロピルアミン、3−エトキシ−n−プロピルアミン、5−(n−ブチルオキシ)−n−ペンチルアミン、3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−ブチルオキシ)−n−ヘキシルアミン、3−(n−ヘプチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−オクチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−デシルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−テトラデカオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−エイコサオキシ)−n−プロピルアミン、中でも3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン、3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミンが好ましい。
本発明の有機半導体材料を構成するペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を合成する際に使用するペリレンテトラカルボン酸無水物としては、以下のものが挙げられる。例えば、無置換の3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物、1,7−ジシアノ−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物、1,7−ジクロロ−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物、1,7−ジフルオロ−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物、1,6,7,10−テトラフルオロ−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、原材料の入手しやすさや反応の容易さ、そして合成されたペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体の半導体特性などを考慮すると、ペリレン骨格に置換基を導入していない、無置換のペリレンテトラカルボン酸無水物の使用が好ましい。
有機薄膜トランジスタに使用するには、純度を高めた有機半導体材料(誘導体)を使用することが好ましい。材料中の不純物を減らすことは、これを用いて形成される有機半導体薄膜における電子の移動を妨げる要因を減らし、有機薄膜トランジスタの電子移動度を高め、トランジスタの性能を向上させることにつながる。材料の純度を高める方法としては、特に限定されるものではないが、分取クロマト法、再結晶法、昇華精製法などの精製方法、あるいはこれらの方法を併用することで、純度を高めた材料とすることができる。
本発明においては、上記した一般式(1)で表わされる誘導体の中でも、以下の一般式(2)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−エチル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体、以下の一般式(3)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体が、より好ましい。
Figure 0005665137

Figure 0005665137

(これらの式中のR1は、炭素数1〜20の分岐してもよいアルキル基を示す。)
さらに、本発明においては、下記式(4)で示されるN,N’−ビス(3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドが特に好ましい。
Figure 0005665137
上述した本発明を特徴づける一般式(1)で表される誘導体は、n型有機半導体材料としての特性を発現し、これを有機半導体薄膜として利用することにより、性能に優れた有機薄膜トランジスタを製造することができる。
以下、本発明による有機系の有機薄膜トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれら構造には限られない。
一般に、有機薄膜トランジスタの構造は、ゲート電極が絶縁膜で絶縁されているMIS構造(Metal-Insulator-Semiconductor構造)がよく用いられる。本発明で用いることができる有機薄膜トランジスタは、有機半導体薄膜よりなる有機半導体層を有しており、さらに、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極とゲート絶縁層からなるものである。本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体薄膜が、ペリレンテトラカルボン酸ジイミドからなる骨格構造の両末端にアルキルエーテル基を有する化合物(一般式(1)で表される誘導体)よりなる有機半導体材料からなることを特徴とする。
次に、本発明の有機薄膜トランジスタの形態について説明する。図1、2は、本発明の有機薄膜トランジスタの構造の1例をそれぞれ表す断面図である。図1に示した有機薄膜トランジスタの形態では、基板16の上にゲート電極14が設けられ、ゲート電極上に絶縁層11が積層されており、その上に所定の間隔で形成されたソース電極12およびドレイン電極13が形成されており、さらにその上に有機半導体薄膜15が積層されており、いわゆるボトムゲートボトムコンタクト型を示す。図2に示した有機薄膜トランジスタの形態においては、基板16の上にゲート電極14が設けられ、ゲート電極上に絶縁層11が積層されており、その上に有機半導体薄膜15が積層され、さらにその上に所定の間隔で形成されたソース電極12およびドレイン電極13が形成されており、いわゆるボトムゲートトップコンタクト型を示す。
このような構成を有するトランジスタ素子では、ゲート電極とソース電極の間に電圧を印加し、印加される電圧により有機半導体薄膜がチャネル領域を形成し、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってスイッチング動作する。
本発明の有機半導体材料からなる有機半導体薄膜は、真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成することができるが、これに限定されず、有機半導体材料を溶媒に溶解した溶解液を塗布することにより有機半導体薄膜を形成する溶液塗布法、印刷法を利用することもできる。溶液塗布法、印刷法の利用は、さらなる装置の簡素化と、さらなるコストの低減化がなされ、大面積において有機半導体薄膜が形成されると同時に、蒸着法によって形成した場合に特に顕著であった、有機半導体膜内の結晶粒界、欠損、欠陥がもともと少ない膜が形成される可能性があるので有用である。同様に、有機半導体材料を溶媒・水に分散した分散液を塗布することにより、有機半導体薄膜を形成することも有用である。本発明の有機半導体材料を用いることで、例えば、スピンコート法などの溶液塗布方法、インクジェット法、スクリーン印刷法、平版印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法などの印刷方法で有機半導体薄膜を形成することができる。
本発明の有機半導体薄膜を溶液塗布法、印刷法によって形成する場合に使用する溶媒としては、適当な濃度の溶解液が得られるものであれば、特に制限はなく使用できる。例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレンなどのハロゲン系炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族系炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、スルフォラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは複数を併用してもよい。
上記のようにして形成した本発明の有機半導体薄膜は、100〜250℃の温度で熱処理することにより、トランジスタ特性を向上させることができる。以下、この点について説明する。
本発明の有機半導体薄膜の温度変化による相変化は、これを形成する前記した特定の誘導体の構造に起因して生じると考えられる。すなわち、該誘導体のペリレンテトラカルボキシジイミド基に結合しているアルキル鎖中にヘテロ原子を有することにより、100℃から200℃の温度領域において、液晶相(スメチック液晶)へ相転移を示す。長鎖アルキルペリレンテトラカルボキシジイミドの相変化については、既に公知の文献(C. W. Struijk et al., J. Am. Chem. Soc. 122 (2000))に記載されている。
図7に、本発明の有機半導体材料として特に好適なN,N’−ビス(3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドの、25℃、80℃、140℃、160℃における粉末回折X線の回折パターンを示した。
図7に示したように、25℃、80℃においては、積層構造や結晶構造による回折パターンが確認されるが、140℃、160℃においては、積層構造によるピークは確認されるものの、積層構造内の結晶構造からのピークは非常に弱く、なだらかとなる。さらに、図5に、該有機半導体材料の示差走査熱量測定の結果を示した。図5に示されているように、135℃〜145℃付近に吸熱ピークが確認されたが、該温度領域において結晶状態から液晶状態へと相変化(相転移)すると考えられる。
本発明者らは、ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体により形成された有機半導体薄膜を、相変化温度付近で熱処理することにより、有機薄膜トランジスタのトランジスタ性能が向上することを報告している(前記した非特許文献2参照)。
本発明の有機半導体材料により形成した有機半導体薄膜を熱処理することにより、トランジスタ性能が向上する原理について、本発明者らは、以下のように考えている。蒸着製膜法や溶液製膜法により形成された有機半導体薄膜は、微結晶が集合した多結晶構造であり、多くの結晶粒界や欠陥が存在し、これらの存在が電荷の輸送を阻害していた。これに対し、本発明の有機半導体材料により形成された薄膜は、熱処理することにより該膜が液晶状態になり、冷却され再び結晶状態になる。この再び結晶状態になる際に、[1]分子の再配列による強いスタック状態の形成、[2]結晶化する際に不純物が排出、[3]グレインサイズが増大し、結晶粒界、欠陥および欠損の減少、[4]電極との密着性の向上など、の複合的な作用によりトランジスタ特性の向上、すなわち、電子移動度が増加したものと考えている。
本発明の有機半導体薄膜の熱処理温度は、100℃から250℃の温度領域が好ましい。100℃以下では、トランジスタ性能の向上が十分ではなく、また、トランジスタを使用する温度環境によりトランジスタ性能にばらつきが生じる。一方、250℃以上では、各原材料の劣化が起こる可能性があり、コスト面でも不利となるので好ましくない。特に好ましい温度としては、フレキシブルなプラスチック基板上に有機トランジスタが形成される可能性もあり、特に、100℃〜200℃での熱処理が好ましい。
熱処理を行う環境雰囲気としては、大気中、不活性ガス中または減圧下で行うことができる。減圧雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことは、各材料の劣化や酸化などを防げるので好ましい。
また、熱処理の方法としては、特に限定されないが、オーブン、熱ロールまたは熱プレスなどが利用できる。また、印刷法により有機半導体薄膜を形成後、乾燥ゾーンにおいて、熱処理と乾燥を兼ねることもできる。また、熱処理の時間は、有機半導体薄膜が所定の温度に達すれば特に限定されないが、長時間の熱処理は基材の劣化を促進するので、24時間以内が望ましい。
次に、有機半導体薄膜を用いて本発明の有機薄膜トランジスタを形成する際に用いる基材について説明する。基板としては、絶縁性のある材料であればよく、ガラス、アルミナなどの無機材料、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどのプラスチック基板を用いて作製することができる。プラスチック基板を用いた場合は、軽量で耐衝撃性に優れたフレキシブルな有機薄膜トランジスタを作製することができる。これら基板は、単独で使用してもよく、あるいは併用してもよい。なお、導電性のある基板、例えば、シリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることもできる。
次に、本発明の有機薄膜トランジスタを形成する絶縁体層について説明する。本発明において、ゲート絶縁層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、SiO2、ZrO2、Ta25、La23、Al23、HfO2などの無機材料が挙げられる。また、高分子系絶縁膜材料としては、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどの有機材料が利用できる。ゲート絶縁層に使用する絶縁材料は、単独で使用してもよく、あるいは併用してもよい。
これら、絶縁体層の形成方法は、特に限定するものではないが、例えば、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセス、さらには、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、エアーナイフ法、スライドホッパー法、エクストリュージョン法などの塗布法、各種印刷法やインクジェット法などのウェットプロセスを挙げることができ、使用する材料の特性に応じて適宜選択して適用することができる。例えば、シリコン基板上に、熱酸化、水蒸気酸化またはプラズマ酸化でSiO2を層形成させたものでもよい。
なお、ゲート絶縁膜は、化学的表面処理により疎水化することにより、絶縁体層と有機半導体薄膜の親和性が向上し、均一な有機半導体薄膜の形成を可能とし、リーク電流も抑制することが可能となる。特に制限されるものではないが、例えば、OTS(オクタデシルトリクロロシラン)、ODS(オクタデシルトリメトキシシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)などのシランカップリング剤をゲート絶縁膜上に溶液塗布または真空成膜し、形成される。
次に、本発明の有機薄膜トランジスタを形成する電極材料について説明する。ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極に用いる電極材料は、導電性を有する材料が用いられる。例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、インジウム、パラジウム、マンガンモリブデン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、コバルト、銅、鉄、鉛、錫などの金属材料、およびこれらの合金、InO2、ZnO2、SnO2、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの導電性酸化物、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの炭素材料、導電性高分子化合物などが使用できる。なお、有機半導体薄膜との接触面において電気抵抗が小さい金、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ITO、IZO、金/クロム合金がより好ましい。
これらの電極の形成方法としては、特に限定するものではないが、例えば、導電性材料を溶液に分散させた分散液を用いた印刷法、導電性材料を溶液に溶解させた溶解液を用いた印刷法、蒸着法やスパッタリング法などの方法を用いて形成することができる。
また、ソース電極とドレイン電極は、互いに対向して配置されるが、電極間の距離(チャネル長)がトランジスタ特性を決める要因のひとつとなる。電極間の距離(チャネル長)は、通常100μm以下であれば問題なく使用できるが、好ましくは50μm以下であり、また、ソースとドレイン電極間の幅(チャネル幅)は特に制限なく使用できるが、好ましくは1mm以下である。また、このチャネル幅は電極の構造がくし型の構造になる時などは、さらに長いチャネル幅を形成してもよい。形成されたソース電極、ドレイン電極の厚さは、数nmから数百μmの範囲であれば問題なく使用できるが、30nmから30μmがより好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタは、有機半導体薄膜に、前記した本発明を特徴づける特定のペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体を少なくとも1種含有してなるものであり、該誘導体は、単独で使用してもよく、複数併用してもよい。また、ペリレンおよびその誘導体、ナフタレンジイミドおよびその誘導体と併用して使用することもできるが、本発明の有機半導体材料の含有量は90質量%以上が好ましい。
また、本発明の有機薄膜トランジスタは、大気中の酸素や水分などの影響を軽減する目的で、有機薄膜トランジスタの外周面の全面、または一部にガスバリア層を設けることもできる。ガスバリア層を形成する材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
なお、本発明の有機薄膜トランジスタは、電子移動度(cm2/Vs)、オン/オフ比、しきい値電圧(V)により、トランジスタ特性を評価できる。特に、電子移動度は有機薄膜トランジスタにおいて、大きな電流を得られるなど、大きな値であることが重要である。電子移動度は、0.01cm2/Vs以上であることが望ましい。また、0.01cm2/Vsであれば、メモリ、電子ペーパー用駆動素子として使用できるが、0.1cm2/Vs以上であれば、アモルファスシリコンの代替品として、アクティブマトリックスの駆動素子などへの使用が可能となる。
以下、本発明の実施例について説明し、本発明をより詳細に説明する。
[合成例1:化合物Aの合成]
ペリレンテトラカルボン酸無水物3.92gと、3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミン9.72gとを、イミダゾール40g中に分散させ、窒素気流下160℃で4時間攪拌した。冷却後、濾過し、濾物を、メタノール・希塩酸次いで水の順に洗浄した。その後、濾物を乾燥して5.90gの、下記式(4)で示されるN,N’−ビス(3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドを得た(収率70%)。上記で得た化合物は、カラムクロマトを用いて分取し、再結晶により精製を行って、これを化合物Aとした。該化合物Aの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、81℃、144.3℃であった。なお、以下、化合物AをPTCDI−C3−O−C12と呼ぶことがある。
Figure 0005665137
[合成例2:化合物Bの合成]
合成例1で使用した3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミン9.72gを、3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピルアミン5.24gに代えた以外は合成例1と同様の方法で、4.95gのN,N’−ビス(3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドを得た(収率80%)。上記で得た化合物は、カラムクロマトを用いて分取し、再結晶により精製を行って、これを化合物Bとした。該化合物Bの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、168℃であった。なお、以下、化合物Bを、PTCDI−C3−O−C4と呼ぶことがある。
[合成例3:化合物Cの合成]
合成例1で使用した3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミンを、3−(2−エチルヘキシルオキシ)−n−プロピルアミンに代えた以外は合成例1と同様の方法で、化合物Cとして、N,N’−ビス(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドを得た(収率85%)。上記で得た化合物は、カラムクロマトを用いて分取し、再結晶により精製を行って、これを化合物Cとした。該化合物Cの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、159℃であった。なお、以下、化合物Cを、PTCDI−C3−O−C2C6と呼ぶことがある。
[合成例4:化合物Dの合成]
下記の1)〜3)のような手順で合成した。
1)ペリレンテトラカルボン酸のモノカリウム塩(I)の合成
500mlの3口フラスコに、85%のKOH水溶液を280g、ペリレンテトラカルボン酸無水物20gを加え、90℃で3時間撹拌し、10%のH3PO4水溶液を滴下し、90℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、析出物を濾過し、得られた濾物を水洗後、1日乾燥し、収率95%(収量21g)でペリレンテトラカルボン酸のモノカリウム塩(I)(3,4,9,10-perylenetetracarboxylic acid monopotassium salt)を得た。なお、該化合物を、単にモノカリウム塩(I)と呼ぶ。
2)モノイミド(II)の合成
200mlの3口フラスコに、上記で得たモノカリウム塩(I)を4.5g、3−ドデシルオキシプロピルアミンを7.3g、プロパノールと水の混合溶液60mlを加えた後に撹拌し、室温にて6時間反応させた。その後、さらに90℃にて6時間の反応を行った。反応終了後、室温に冷却し、10%HCl水溶液80gを加え、室温にて1時間撹拌を行った。その後、析出物を濾過し、得られた濾物を水にて洗浄した。得られた濾物に、10%KOH水溶液を400ml加え、60℃で1時間、撹拌した後、8%のKCl水溶液を40g加え、沈殿物を濾過にて集めた。得られた濾物を、水・希塩酸、次いで水の順に洗浄し、その後に乾燥し、収率70%で、モノイミド(II)(N-(3-Dodecyloxypropyl)-perylenetetracarboxylic monoanhydride monoimide)を得た。
3)ジイミド(III)の合成
100mlの3口フラスコに、上記で得たモノイミド(II)を3.1g、3−ブトキシプロピルアミン(3-Butoxypropylamine)を2.0g、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を40ml加えて、160〜170℃で6時間加熱撹拌した。室温に戻して、濾過した後、濾物を、メタノール、続いて水で洗浄した後、乾燥した。得られた化合物は、カラムクロマトフィーにて単離精製し、再結晶を行って、収率75%で、化合物Dとして、ジイミド(III)(N-(3-Dodecyloxypropyl)-N’-(3-butoxypropyl)perylenetetracarboxylic diimide)を得た。以下に、以上の反応をまとめて示した。なお、以下、化合物Dを、PTCDI−C3−O−C4,C12と呼ぶことがある。
Figure 0005665137
上記のようにして得られた化合物Dの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、124.5℃であった。
[合成例5:混合物Eの合成]
合成例1の3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミンを、3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミンと、3−(n−テトラデシルオキシ)−n−プロピルアミンとの1:1(モル比)の混合物に代えた以外は、合成例1と同様の方法で、混合物Eを得た(収率85%)。該混合物Eについては、カラムクロマトを用いて分取し、再結晶により精製を行って、化合物E1、E2、E3をそれぞれ単離し、これらが下記の構造であることを特定した。また、その結果、混合物E中のそれぞれの割合は、化合物E1:化合物E2:化合物E3=1:2:1であることを確認した。混合物Eの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、122℃、140℃であった。なお、以下、この混合物Eを、PTCDI−C3−O−C12,C14と呼ぶことがある。
Figure 0005665137
[合成例6:化合物Fの合成]
合成例1の3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピルアミンを、2−エチルヘキシルアミンに代えた以外は合成例1と同様の方法で、構造中にヘテロ原子を有さないN,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドを得た(収率85%)。上記で得た化合物は、カラムクロマトを用いて分取し、再結晶により精製を行って、これを化合物Fとした。該化合物Fの示差走査熱量測定熱分析(DSC)による吸熱ピーク(室温〜250℃まで測定)は、観測されなかった。なお、以下、化合物FをPTCDI−C2−C8と呼ぶことがある。
[薄膜トランジスタの評価]
薄膜トランジスタの電気特性は、Agilent社製半導体デバイスアナライザー(B1500A)で室温・真空下にて測定した。ID(ドレイン電流)−VD(ソース−ドレイン間電圧)特性:伝達特性は、VG(ゲート電圧)を、100V、80V、60V、40V、20V、それぞれ印加した各条件において、ドレイン電圧VDを0から100Vへと掃引して測定した。また、ID−VG特性:出力特性は、VD=100Vにおいて、VGを0から100Vまで掃引して測定した。
(ID1/2−VG特性の直線領域と式(1)から移動度を算出した。
Figure 0005665137
上記式(1)中、Ciはゲート誘電体の静電容量(nF/cm2)、VTはしきい電圧である。電界効果移動度(μ)は、(ID1/2−VG特性の傾きから式(1)を用いて求め、フィッティング直線のX切片から、しきい電圧(VT)を算出した。
[実施例1]
「化合物A(PTCDI−C3−O−C12)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
ゲート絶縁体層となる酸化シリコン膜(厚さ200nm)を表面に有するシリコン基板を用意した。合成例1で得た化合物Aからなる有機半導体薄膜は、上記の酸化シリコン膜上に、真空蒸着法(蒸着レート2[nm/sec])によって、厚さ30nmとなるように成膜した。次に、シャドーマスクを介して、ソース/ドレイン電極として金電極のパターンを形成し(30nm)、トップコンタクト型有機薄膜トランジスタを作成した。このときの、チャネル長、チャネル幅は、それぞれ100μm、2,000μmとした。
上記で得られたトランジスタについて、ID−VD特性は、VG(ゲート電圧)を100V、80V、60V、40V、20Vでそれぞれ印加した各条件において、ソース−ドレイン電圧(VD)を0から100Vへと掃引して測定した。また、ID−VG特性は、VD=100Vにおいて、VGを、0から100Vまで掃引して測定した。測定の結果得られた、ドレイン電流とゲート電圧の関係:出力特性を図3に示し、ドレイン電流とドレイン電圧の関係:伝達特性を図4にそれぞれ示した。その結果、ID−VD特性において、ドレイン電流−ドレイン電圧曲線に明澄な飽和領域が認められたことから、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。(ID1/2−VG特性から算出した電子移動度は、3.3×10-2cm2/Vs、しきい電圧値は15V、ON/OFF比:105であった。
[実施例2]
「化合物B(PTCDI−C3−O−C4)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
本実施例では、実施例1で使用した化合物Aに代えて、合成例2で得た化合物B(N,N’−ビス(3−(n−ブチルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド)を使用した。そして、実施例1と同様の方法で、上記化合物Bよりなる有機半導体薄膜を有するトップコンタクト型有機薄膜トランジスタを作成した。このトランジスタについて、実施例1と同様にID−VD特性、ID−VG特性をそれぞれ測定した。その結果、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。また、(ID1/2−VG特性から算出した電子移動度は、3.8×10-3cm2/Vs、しきい電圧値は10V、ON/OFF比:105であった。
[実施例3]
「化合物A(PTCDI−C3−O−C12)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
本実施例では、ゲート絶縁体層となる酸化シリコン膜(厚さ200nm)を表面に有するシリコン基板を用意し、ITO(150nm)をスパッタ製膜し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを用いて、ソース電極、およびドレイン電極をパターニングした。このときのチャネル長、チャネル幅は100μm、2,000μmであった。その後、実施例1で用いた化合物Aをクロロホルムに濃度0.25%となるように溶解し、該溶液を用いて、スピンコーター(1,500r.p.m./60s)にてシリコン基板上に有機半導体薄膜を形成し、真空中において1時間の減圧乾燥を行った。
上記で得たトランジスタについて、トランジスタ特性を実施例1と同様に測定した。その結果、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。また、(ID1/2−VG特性から算出したトランジスタ特性値は、2.4×10-2cm2/Vs、しきい電圧値は56V、ON/OFF比:105であった。
[実施例4〜8]
実施例1で作成した複数のデバイスを用い、真空雰囲気下において、表1に示した所定の温度でそれぞれ熱処理を2時間行い、処理したものを実施例4〜8のデバイスとした。得られた各デバイスの(ID1/2−VG特性より算出したトランジスタ特性を表1および図5に示した。
Figure 0005665137
また、このときの、熱処理による有機半導体薄膜のグレインサイズの成長を図6に示した。
[実施例9〜13]
実施例3で作成した複数のデバイスを用い、真空雰囲気下において、表2に示した所定の温度でそれぞれ熱処理を1時間行い、処理したものを実施例9〜13のデバイスとした。得られた各デバイスの(ID1/2−VG特性より算出したトランジスタ特性を表2に示した。
Figure 0005665137
[実施例14〜17]
「化合物C(PTCDI−C3−O−C2C6)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
ゲート絶縁体層となる酸化シリコン膜(厚さ200nm)を表面に有するシリコン基板を用意し、ITO(150nm)をスパッタ製膜し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを用いてソース電極、およびドレイン電極をパターニングした。このときのチャネル長、チャネル幅は100μm、2,000μmであった。その後、合成例3で得た化合物Cをクロロホルムに濃度1.0%となるように溶解し、スピンコーター(1,500r.p.m./60s)にてシリコン基板上に有機半導体薄膜を形成した。そして、真空中において表3に示した所定の温度で、それぞれ2時間の乾燥・熱処理を行った。
上記で得た各トランジスタについて、異なるゲート電圧毎でのドレイン電圧とドレイン電流とを測定した。ドレイン電流−ドレイン電圧曲線に明澄な飽和領域が認められたことから、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。各熱処理温度と、および(ID1/2−VG特性から算出したトランジスタ特性値を表3に示した。
Figure 0005665137
[実施例18]
「化合物D(PTCDI−C3−O−C4,C12)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
ゲート絶縁体層となる酸化シリコン膜(厚さ200nm)を表面に有するシリコン基板を用意し、ITO(150nm)をスパッタ製膜し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを用いてソース電極、およびドレイン電極をパターニングした。このときのチャネル長、チャネル幅は100μm、1,500μmであった。その後、合成例4で得た化合物Dをクロロホルムに濃度2.0%となるように溶解し、スピンコーター(1,500r.p.m./40s)にてシリコン基板上に有機半導体薄膜を形成し、真空中において、1時間の減圧乾燥を行った。
得られたトランジスタについて、トランジスタ特性を実施例1の場合と同様に測定した。その結果、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。また、(ID1/2−VG特性から算出したトランジスタ特性値は、1.3×10-3cm2/Vs、しきい電圧値は62V、ON/OFF比:105であった。結果を表4に示した。
[実施例19〜24]
「混合物E(PTCDI−C3−O−C12,C14)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
ゲート絶縁体層となる酸化シリコン膜(厚さ200nm)を表面に有するシリコン基板を用意し、ITO(150nm)をスパッタ製膜し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを用いてソース電極、およびドレイン電極をパターニングした。このときのチャネル長、チャネル幅は100μm、1,500μmであった。その後、合成例4で得た混合物Eをクロロホルムに濃度2.0%となるように溶解し、スピンコーター(1,500r.p.m./40s)にてシリコン基板上に有機半導体薄膜を形成し、真空中において、1時間の減圧乾燥を行った。
上記で得たトランジスタについて、トランジスタ特性を実施例1と同様に測定した。その結果、典型的なn型特性を有する電界効果トランジスタとして駆動することが示された。(ID1/2−VG特性から算出したトランジスタ特性値は、8.3×10-3cm2/Vs、しきい電圧値は60V、ON/OFF比:105であった。結果を表4に示した。また、得られた電界効果トランジスタを真空中において、表4に示した各温度でそれぞれ熱処理した後に、トランジスタ特性値を測定した。この時の熱処理温度、および、トランジスタ特性を表4に示した。
Figure 0005665137
[比較例1〜4]
「化合物F(PTCDI−C2−C8)を用いた有機薄膜トランジスタの作製」
実施例1の化合物Aを化合物F(ヘテロ原子を有さない化合物)に代えた以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機薄膜トランジスタを作製した。得られた有機薄膜トランジスタを真空オーブンで2時間、温度をそれぞれに変えて熱処理をした。比較例2〜4の熱処理温度は、それぞれ、100℃、140℃、160℃に設定した。得られた各トランジスタについて、トランジスタ特性を実施例1と同様に測定した。その結果、実施例と比較すると、移動度及びオン/オフ比の値は、共に小さかった。表5に、熱処理温度、および(ID1/2−VG特性から算出したトランジスタ特性値を示した。
Figure 0005665137
[評価結果]
本発明を特徴づける、一般式(1)で表わされるペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体によれば、真空蒸着製膜法又は簡便な方法である溶液印刷法によって、良好な有機半導体薄膜の形成が可能となった。本発明の有機半導体薄膜により作成された有機薄膜トランジスタは、良好なトランジスタ特性を示し、さらに、液晶状態への転移温度付近での熱処理を行うことで、電子移動度を一桁以上増大させることが確認された。
一方、比較例のヘテロ原子を含有しないペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体によって作製された有機薄膜トランジスタは、移動度、ON/OFF比ともに値が低く、加温により相転移することがないために、熱処理の効果はまったく現れなかった。
以上、本発明を好ましい実施例を挙げて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではない。
本発明によれば、高い電子移動度および高いON/OFF比が得られるとともに、簡便な溶液を用いた溶液塗布法によって有機半導体薄膜を形成することのできる、有用な有機半導体材料を提供することができる。また、該有機半導体材料を用いて製造される特性に優れる有用な有機薄膜トランジスタを提供することができる。
11:絶縁層
12:ソース電極
13:ドレイン電極
14:ゲート電極
15:有機半導体薄膜
16:基板

Claims (11)

  1. 型有機半導体材料であって、下記一般式(1)で表されるペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体からなることを特徴とする有機半導体材料。
    Figure 0005665137
    (ただし、一般式(1)中、R1は炭素数が4〜18である分岐してもよいアルキル基を、R2は炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基を、R3は炭素数が2〜6である分岐してもよいアルキル基を、X1およびX2は、2価の酸素原子、硫黄原子およびセレン原子から選択されるヘテロ原子を、Yはハロゲン原子あるいはシアノ基を、mは0〜4の数を、そしてnは0〜2の数を、それぞれ示す。さらに、R1およびR2のアルキル基は、フッ素で置換されていてもよい。)
  2. 前記一般式(1)中、R1が炭素数4〜18の分岐してもよいアルキル基を、R2が炭素数2〜6の直鎖アルキル基を、R3が炭素数2〜6の直鎖アルキル基を、X1およびX2が酸素原子を、Yがハロゲン原子あるいはシアノ基を、mが0〜4の数を、そしてnは0〜2の数を、それぞれ示す請求項1に記載の有機半導体材料。
  3. 前記一般式(1)中、nは0で、R1が炭素数8〜18の直鎖アルキル基を、R2が炭素数2〜6の直鎖アルキル基を、X1が酸素原子を、Yがハロゲン原子あるいはシアノ基を、mが0〜4の数を、それぞれ示す請求項1に記載の有機半導体材料。
  4. 前記一般式(1)で表わされる誘導体が、下記一般式(2)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−エチル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体である請求項1に記載の有機半導体材料。
    Figure 0005665137
    (ただし、一般式(2)中のR1は炭素数4〜18の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を示し、該アルキル基はフッ素で置換されていてもよい。)
  5. 前記一般式(1)で表わされる誘導体が、下記一般式(3)で示されるN,N’−ビス(3−(R1オキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミド誘導体である請求項1に記載の有機半導体材料。
    Figure 0005665137
    (ただし、一般式(3)中のR1は炭素数4〜18の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を示し、該アルキル基はフッ素で置換されていてもよい。)
  6. 前記一般式(3)で表わされる誘導体が、下記式(4)で示されるN,N’−ビス(3−(n−ドデシルオキシ)−n−プロピル)−3,4:9,10−ペリレンテトラカルボキシジイミドである請求項5に記載の有機半導体材料。
    Figure 0005665137
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された有機半導体材料からなることを特徴とする有機半導体薄膜。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された有機半導体材料からなり、かつ、100℃から250℃の温度領域において液晶状態へ相転移することを特徴とする有機半導体薄膜。
  9. 基板上に形成され、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体薄膜ならびにソース電極およびドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタにおいて、上記有機半導体薄膜が、請求項7に記載された有機半導体薄膜からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  10. 基板上に形成され、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体薄膜ならびにソース電極およびドレイン電極を有する有機薄膜トランジスタにおいて、上記有機半導体薄膜が、請求項8に記載された有機半導体薄膜からなり、かつ、該有機半導体薄膜が100℃から250℃の間の温度において、熱処理されていることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  11. 電子移動度が、0.01〜5.0cm2/Vsである請求項9または10に記載の有機薄膜トランジスタ。
JP2011538498A 2009-10-29 2010-10-29 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ Active JP5665137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011538498A JP5665137B2 (ja) 2009-10-29 2010-10-29 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009249141 2009-10-29
JP2009249141 2009-10-29
JP2011538498A JP5665137B2 (ja) 2009-10-29 2010-10-29 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ
PCT/JP2010/069279 WO2011052721A1 (ja) 2009-10-29 2010-10-29 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011052721A1 JPWO2011052721A1 (ja) 2013-03-21
JP5665137B2 true JP5665137B2 (ja) 2015-02-04

Family

ID=43922142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011538498A Active JP5665137B2 (ja) 2009-10-29 2010-10-29 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9133193B2 (ja)
EP (1) EP2495780B1 (ja)
JP (1) JP5665137B2 (ja)
KR (1) KR101429370B1 (ja)
CN (1) CN102714276B (ja)
WO (1) WO2011052721A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8530270B2 (en) * 2010-04-30 2013-09-10 Eastman Kodak Company Methods of preparing semiconductive compositions and devices
JP2014529728A (ja) * 2011-08-02 2014-11-13 アルマ・マテール・ストゥディオルム・ウニベルシータ・ディ・ボローニャAlma Mater Studiorum Universita Di Bologna 電離放射線のイントリンジックな直接検出器およびその検出器の製造方法
CN103159764A (zh) * 2011-12-16 2013-06-19 宁波大学 一种光电功能材料-苝酰亚胺类衍生物及其制备方法
CN103570713A (zh) * 2012-07-20 2014-02-12 宁波大学 一种可聚合苝酰亚胺类光电受体材料及其合成方法
JP6272242B2 (ja) * 2013-02-12 2018-01-31 国立研究開発法人科学技術振興機構 有機薄膜を用いた電子デバイス、及びそれを含有してなる電子機器
CN103302002B (zh) * 2013-06-27 2015-05-13 厦门大学 可加热自动对心匀胶机
EP3183250B1 (en) 2014-08-18 2023-10-04 CLAP Co., Ltd. Process for preparing crystalline organic semiconductor material
CN107207492A (zh) * 2014-08-28 2017-09-26 巴斯夫欧洲公司 含有小分子半导体化合物和非导电聚合物的薄膜半导体
EP3214655A4 (en) * 2014-10-29 2018-07-11 Toppan Printing Co., Ltd. Thin-film transistor and method for producing same
CN105862133B (zh) * 2015-01-23 2021-04-13 国家纳米科学中心 一种n型有机半导体晶体材料及其制备方法和用途
TWI703746B (zh) * 2015-08-28 2020-09-01 國立大學法人千葉大學 有機半導體裝置的製造方法及粉體
CN107068886B (zh) * 2017-05-12 2019-01-25 京东方科技集团股份有限公司 有机电致发光器件及其制作方法、发光装置
CN109301067B (zh) * 2018-08-01 2020-12-22 华南师范大学 一种六甲基二硅氮烷修饰有机薄膜晶体管及其制备方法
JP2023505062A (ja) * 2019-11-27 2023-02-08 キュービックピーブイ インコーポレイテッド ペロブスカイト半導体装置における界面層としての非フラーレン受容体(nfa)
JP7464397B2 (ja) 2020-01-31 2024-04-09 保土谷化学工業株式会社 ペリレン誘導体化合物、該化合物を用いた有機半導体用組成物、該有機半導体用組成物を用いた有機薄膜トランジスタ
CN112500591A (zh) * 2020-08-05 2021-03-16 清华大学 苝四甲酰二亚胺类改性的聚酰亚胺聚合物材料的制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5167328A (en) * 1974-10-31 1976-06-10 Basf Ag Periren 3*4*9100 tetorakarubonsanjiimidokei no shinkisenryonoseiho
JPS6089485A (ja) * 1983-08-27 1985-05-20 バスフ アクチェン ゲゼルシャフト テトラクロルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド
JP2002502893A (ja) * 1998-02-09 2002-01-29 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 染料含有水性ポリマー分散液の製法
WO2003067667A1 (fr) * 2002-02-08 2003-08-14 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Structure de semiconducteur organique, procede de production et dispositif a semiconducteur organique
JP2009081265A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜トランジスタ
JP2009088483A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Fujifilm Corp 有機半導体膜およびその製造方法
JP2009532436A (ja) * 2006-04-07 2009-09-10 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 液晶性のリレンテトラカルボン酸誘導体及びそれらの使用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2636421A1 (de) * 1976-08-13 1978-02-16 Basf Ag Elektrisch leitfaehige perylenderivate
US7026643B2 (en) * 2001-05-04 2006-04-11 International Business Machines Corporation Organic n-channel semiconductor device of N,N' 3,4,9,10 perylene tetracarboxylic diimide
US7326956B2 (en) 2004-12-17 2008-02-05 Eastman Kodak Company Fluorine-containing N,N′-diaryl perylene-based tetracarboxylic diimide compounds as N-type semiconductor materials for thin film transistors
US7198977B2 (en) * 2004-12-21 2007-04-03 Eastman Kodak Company N,N′-di(phenylalky)-substituted perylene-based tetracarboxylic diimide compounds as n-type semiconductor materials for thin film transistors
KR100786865B1 (ko) * 2005-12-26 2007-12-20 삼성에스디아이 주식회사 광전변환 소자
JP5172178B2 (ja) * 2007-03-15 2013-03-27 三菱電機株式会社 薄膜トランジスタ、それを用いた表示装置、及びそれらの製造方法
KR101319944B1 (ko) * 2007-03-29 2013-10-21 삼성디스플레이 주식회사 유기 박막 트랜지스터 기판의 제조 방법
WO2009034971A1 (ja) 2007-09-12 2009-03-19 Fujifilm Corporation 置換基脱離化合物の製造方法、有機半導体膜およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5167328A (en) * 1974-10-31 1976-06-10 Basf Ag Periren 3*4*9100 tetorakarubonsanjiimidokei no shinkisenryonoseiho
JPS6089485A (ja) * 1983-08-27 1985-05-20 バスフ アクチェン ゲゼルシャフト テトラクロルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド
JP2002502893A (ja) * 1998-02-09 2002-01-29 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 染料含有水性ポリマー分散液の製法
WO2003067667A1 (fr) * 2002-02-08 2003-08-14 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Structure de semiconducteur organique, procede de production et dispositif a semiconducteur organique
JP2009532436A (ja) * 2006-04-07 2009-09-10 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 液晶性のリレンテトラカルボン酸誘導体及びそれらの使用
JP2009088483A (ja) * 2007-09-12 2009-04-23 Fujifilm Corp 有機半導体膜およびその製造方法
JP2009081265A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜トランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011052721A1 (ja) 2011-05-05
EP2495780A1 (en) 2012-09-05
EP2495780A4 (en) 2014-05-14
US20120199824A1 (en) 2012-08-09
JPWO2011052721A1 (ja) 2013-03-21
US9133193B2 (en) 2015-09-15
EP2495780B1 (en) 2016-12-14
CN102714276B (zh) 2016-06-01
KR20120083498A (ko) 2012-07-25
CN102714276A (zh) 2012-10-03
KR101429370B1 (ko) 2014-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5665137B2 (ja) 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ
JP5477978B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JP5308532B2 (ja) 有機半導体材料、有機半導体薄膜および有機薄膜トランジスタ
JP2007266285A (ja) 電界効果トランジスタ
JP5613948B2 (ja) 有機半導体微粒子材料、有機半導体薄膜、有機半導体膜形成用分散液および有機半導体薄膜の製造方法
JP5733612B2 (ja) 有機半導体薄膜用材料、該材料を用いた有機半導体薄膜の形成方法および有機薄膜トランジスタ
JP2005079204A (ja) 電界効果型トランジスタおよびその製造方法
JP2015199716A (ja) 多環縮環化合物、有機半導体材料、有機半導体デバイス及び有機トランジスタ
JP4868825B2 (ja) 有機系電界効果トランジスタ
JP5428113B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JP2005259875A (ja) 電界効果型トランジスタおよびその製造方法
US9123899B2 (en) Semiconductor compound
JP5638319B2 (ja) 有機薄膜形成材料、有機薄膜、該薄膜の製造方法、有機薄膜素子およびn型の有機薄膜トランジスタ
JP2005277029A (ja) 電界効果型トランジスタおよびその製造方法
JP6210510B2 (ja) 有機半導体膜、有機半導体膜の形成方法および有機トランジスタ素子
JP5252508B2 (ja) 有機半導体材料およびその製造方法、並びに有機半導体材料の利用
WO2021054161A1 (ja) 縮合多環芳香族化合物
JP2006013182A (ja) 有機トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5665137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250