JP5664407B2 - メンテナンス装置および液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイパーをクリーニングする機能を有するメンテナンス装置、およびこのメンテナンス装置を備えた液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドに設けられたノズルの開口部から液体の一種としてのインクを用紙などの媒体に噴射して印刷を行うインクジェット式のプリンターが広く知られている。
こうしたプリンターにおいて、媒体に対して液体噴射ヘッドから適切にインクを噴射するために、液体噴射ヘッドにおいてノズルの開口部が形成されたノズル形成面に付着した不要なインクを拭き取るワイパーが備えられている。すなわち、ワイパーを液体噴射ヘッドに押し当てながら相対移動させることによってノズル形成面上の不要なインクをワイパーに捕捉させて拭き取るようになっている。
この拭き取りに際して、拭き取り面が汚れていない綺麗なワイパーが液体噴射ヘッドを払拭してノズル形成面からインクを確実に拭き取ることができるように、ワイパーを洗浄してメンテナンスするメンテナンス装置が例えば特許文献1に提案されている。すなわち、特許文献1には、ワイパー(ワイピングブレード)を、液体噴射ヘッドを払拭する払拭領域(ワイピング領域)と、ワイパーを洗浄処理するための洗浄領域との間で、周回移動させる構成が提案されている。
特開2007−163751号公報
しかしながら、例えば1つのワイパーが一度に多数の液体噴射ヘッドを払拭するような場合では、液体噴射ヘッドの複数のノズル形成面を拭き取ることによって多量のインクがワイパーに捕捉されたり、あるいは捕捉されたインクがワイパーにおいて残って乾燥固化したりする場合がある。このような場合、洗浄液によってワイパーを洗浄してもワイパーからインクを取り除くことができずにインクがワイパーに付着したまま残ってしまうことが生ずる。このため、特許文献1には、洗浄槽内においてワイパーをクリーニングするブレードクリーナーを更に備えることが提案されているが、洗浄槽が大型化したり、装置の構造が複雑になったりするなどの課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、液体噴射ヘッドから液体を払拭したワイパーが洗浄液による洗浄を経た後に再び液体噴射ヘッドの払拭に使用される場合においてワイパーの表面に液体が残留しないようにできるメンテナンス装置を簡易に実現することを主な目的とする。さらに、このようなメンテナンス装置を備えた液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のメンテナンス装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを払拭する払拭位置と洗浄液に浸漬される浸漬位置との間で移動するワイパーと、前記ワイパーの移動経路上において前記ワイパーと当接するとともに前記ワイパーに対してその表面を擦るように相対移動する糸状部材と、
を備え、前記糸状部材は、前記ワイパーが前記払拭位置から前記浸漬位置へ移動する際の移動経路と、前記浸漬位置から前記払拭位置へ移動する際の移動経路の双方において、前記ワイパーと当接することを特徴とする
上記構成によれば、洗浄液への浸漬だけでは洗浄されずにワイパーの表面に残留することがある液体を、ワイパーが払拭位置と浸漬位置との間を移動するときに、糸状部材という簡易な構成によって装置全体を大型化させることなくワイパーの表面から擦り取ることができる。したがって、液体噴射ヘッドから液体を払拭したワイパーが洗浄液による洗浄を経た後に再び液体噴射ヘッドの払拭に使用される場合においてワイパーの表面に液体が残留しないようにできる構成を簡易に実現することができる。
本発明のメンテナンス装置において、前記糸状部材は、その一端に当該糸状部材を巻き出す巻き出し部を備えると共に、その他端に当該糸状部材を巻き取る巻き取り部を備え、前記巻き出し部と前記巻き取り部との間において、前記ワイパーと当接するように配設され、前記ワイパーと当接した後に前記巻き取り部によって巻き取られる。
上記構成によれば、糸状部材において液体を捕捉して汚れた部分を巻き取り、汚れていない綺麗な部分を巻き出すようにすることができる。従って、汚れた糸状部材を装着位置から取り外した後に、その装着位置に綺麗な糸状部材を装着するなどという面倒な取り替え作業をすることなく、同じ糸状部材を装着したままで連続的に使用することができるとともに、巻き出された綺麗な糸状部材によってワイパーに付着した液体を払拭することができる。
本発明のメンテナンス装置において、前記糸状部材は張架されており、前記糸状部材の張架力は前記ワイパーを撓ませる力より強い。
上記構成によれば、糸状部材の張架力(張力)によって、糸状部材がワイパーとの当接時に受けるワイパーからの力による変位を抑制するので、ワイパーの表面を確実に擦ることができる。
本発明のメンテナンス装置において、前記ワイパーが前記払拭位置から前記浸漬位置へ移動する際は前記糸状部材の上面側に当接し、前記浸漬位置から前記払拭位置へ移動する際は前記糸状部材の下面側に当接する。
上記構成によれば、糸状部材の比較的汚れていない面側によってワイパーの表面を擦ることができるので、ワイパーに捕捉されて付着したインクを確実に擦り取ることができる。
本発明のメンテナンス装置は、前記浸漬位置において前記洗浄液を貯留する貯留容器と、前記貯留容器内に一端が連通し、前記貯留容器に前記洗浄液を供給可能であるとともに、前記貯留容器から前記洗浄液を排出可能である給排用配管と、前記給排用配管の他端に設けられ、前記給排用配管に前記洗浄液を供給可能である給液用配管および前記給排用配管から前記洗浄液を排出可能である廃液用配管のいずれかと前記給排用配管とを連通させる弁機構と、前記給排用配管の途中に設けられ、当該給排用配管を通して前記洗浄液を前記貯留容器と前記弁機構との間で流動させるときに駆動される給排用ポンプと、を備えた。
上記構成によれば、給排用配管を通して洗浄液を貯留容器に供給したり貯留容器から排出したりする。従って、給排用配管は洗浄液を排出後、新たに供給される洗浄液が流れることによって給排用配管内が洗浄されるので、給排用配管を通して貯留容器に洗浄液が確実に供給される。また、給排用配管には常時洗浄液が存在することによって液体の乾燥が抑制されるので、給排用配管を通して廃液を確実に排出することができる。この結果、ワイパーは貯留容器において常に綺麗な洗浄液に浸漬することができる。また、洗浄液を貯留する貯留容器(洗浄槽)も大きくする必要がなく小型で済む。
本発明のメンテナンス装置において、前記糸状部材によって擦られる前記ワイパーの表面は、前記液体噴射ヘッドを払拭する払拭面である。
上記構成によれば、ワイパーによって払拭された液体は、主として払拭面に捕捉されて残留する。従って、糸状部材が払拭面を擦ることによって、洗浄後にワイパーの表面に残留する液体を擦り取る確率が高くなる。この結果、ワイパーは表面が綺麗な払拭面によって液体噴射ヘッドを払拭することができる。
本発明の液体噴射装置は、媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成を有するメンテナンス装置と、を備えた。
上記構成によれば、表面に液体が残留しないようにクリーニングされたワイパーによって払拭された液体噴射ヘッドにより、媒体に適切に液体を噴射する液体噴射装置が得られる。
本発明に係る実施形態のメンテナンス装置を有するプリンターの概略構成を示す斜視図。 実施形態のメンテナンス装置の機能構成図。 メンテナンス装置におけるワイパーのクリーニング機構の概略構成を示す斜視図。 メンテナンス装置においてワイパーのクリーニング作用を説明する動作図。 変形例のメンテナンス装置の部分構成を示す斜視図。
本発明を、メンテナンス装置を備えた液体噴射装置の一種であるインクジェット式のプリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)において具体化した実施形態について、以下、図を参照して説明する。なお、以降の説明を容易にするため、図1に示したように、鉛直方向における重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、これと交差する方向であって、プリンターに給送された用紙Pが画像の形成時において搬送される搬送方向を前方向、搬送方向と反対方向を後方向とする。さらに鉛直方向および搬送方向の双方と交差する方向であってキャリッジ16が往復移動する方向すなわち走査方向を、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶことにする。
図1に示すように、プリンター11における略矩形箱状をなすフレーム12内の下部には、その長手方向である左右方向に沿って支持台13が延設されるとともに、フレーム12の後方面の下部において紙送りモーター14が設けられている。そして、この紙送りモーター14の駆動を通じて図示しない紙送り機構により、支持台13上にその後方側から用紙Pが給送されるようになっている。
フレーム12内における支持台13の上方には、該支持台13の長手方向である左右方向に沿ってガイド軸15が架設されている。このガイド軸15にはその軸線方向において往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。詳しくは、キャリッジ16に左右方向において貫通する支持孔16aが形成されるとともに、この支持孔16aにガイド軸15が挿通されている。
フレーム12の後壁内面において上記ガイド軸15の両端の近傍にあたる位置には、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとがそれぞれ回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジモーター18の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとの間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が巻き掛けられている。上記プリンター11は、キャリッジモーター18を駆動することにより、タイミングベルト17を介してキャリッジ16をガイド軸15によってガイドしつつ左右方向において往復移動させることの可能な構造になっている。
上記キャリッジ16の下面側には液体噴射ヘッド19が設けられている。この液体噴射ヘッド19には、インク噴射用のノズルが複数設けられているとともに、その下面は各ノズルの開口部が形成されたノズル形成面19aとなっている。一方、キャリッジ16には液体噴射ヘッド19に対して液体の一種としてのインクを供給するインクカートリッジ20が1つないし複数着脱可能に装着されている。そして、液体噴射ヘッド19に対してインクカートリッジ20から供給されたインクは、液体噴射ヘッド19内に設けられた複数のノズルから支持台13上に給送された用紙Pに噴射されることによって、用紙Pに印刷が行われるようになっている。
さて、プリンター11には、フレーム12の内部における支持台13よりも右側の領域、すなわち印刷時において使用されない領域(ホームポジション領域)HPに、液体噴射ヘッド19からインクが適切に噴射するようにメンテナンスするメンテナンス装置100が設けられている。
メンテナンス装置100には、領域HPにおいてフレーム12に固定されたメンテナンス枠体30と、このメンテナンス枠体30に回転自在に軸支されたワイパー21と、このワイパー21に対して当該ワイパー21を回転駆動可能に連結されたモーター23とが備えられている。ワイパー21は、液体噴射ヘッド19(ノズル形成面19a)を払拭可能な略直方体の板形状を有するとともに弾性材料(例えばゴム材料やエラストマー)で形成されている。また、メンテナンス枠体30において、ワイパー21の右側の位置には、液体噴射ヘッド19に当接した状態で図示しない吸引ポンプの作動によってノズルからインクを吸引したり、あるいはノズルから噴射されるインクを受容したりするキャップ60が備えられている。これらの構成によって、メンテナンス装置100は液体噴射ヘッド19のノズルからインクが適切に噴射されるようにメンテナンスするようになっている。
さらに、メンテナンス装置100には、ワイパー21を擦ってクリーニングする糸状部材51、インクを溶解して洗浄するための未使用の新しい洗浄液を収容する洗浄液タンク41、および使用済みの洗浄液(つまり廃液)を回収する廃液タンク42を備えている。また、メンテナンス枠体30には、ワイパー21が回転することによってワイパー21が浸漬される洗浄液を貯留するための空間が貯留容器30A(図2参照)として設けられている。そして、洗浄液タンク41からその貯留容器30Aへの洗浄液の供給と、貯留容器30Aから廃液タンク42への洗浄液の排出とを行うために駆動される給排用ポンプ33を備えている。このような構成によって、メンテナンス装置100は、ワイパー21をクリーニングするメンテナンス装置として機能するようになっている。
次に、プリンター11に備えられ、このような構成部品を有するメンテナンス装置100におけるワイパー21のクリーニングに関する具体的な構成について、図2および図3を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、本実施形態のワイパー21は、その基端部が直方体状をなすワイパー保持部22によって保持されている。このワイパー保持部22は、その前後両面から各々突出された回転軸22aがメンテナンス枠体30に対して回転自在に軸支されている。そして、その回転軸22aを中心にワイパー保持部22がモーター23の回転駆動に伴い回転することによって、ワイパー21は回転軸22aを中心に回転するようになっている。
すなわち、ワイパー21は、回転軸22aを中心に回転することによって、回転軸22aよりも上方に位置したときは液体噴射ヘッド19を払拭する払拭位置PA(図中実線)となり、回転軸22aよりも下方に位置したときは貯留容器30Aに供給される洗浄液SEに浸漬される浸漬位置PC(図中二点鎖線)となる。そして、ワイパー21が前から見て反時計方向に回転したとき、この浸漬位置PCから払拭位置PAへのワイパー21の移動経路上においてワイパー21と当接する位置に糸状部材51が前後方向へ直線状に延びるように配設されている。この糸状部材51に関する構成について、先に図3を参照して説明する。
図3に示すように、メンテナンス装置100には、メンテナンス枠体30の前側において糸状部材51が複数回巻きつけられた巻き出し部51aを有するボビン52と、メンテナンス枠体30の後側において糸状部材51を巻き取る巻き取り部51bを有するボビン54とが備えられている。さらに、ボビン52を回転制御するモーター53とボビン54を回転制御するモーター55とが備えられている。これらの2つのモーター53,55によって、糸状部材51はボビン52の巻き出し部51aから所定のタイミングで所定の長さが巻き出されるとともに、ボビン54の巻き取り部51bにおいて巻き出された長さ分の糸状部材51が巻き取られるようになっている。
なお、糸状部材51は、ボビン52とボビン54との間で撓むことがないのが望ましい。そのため、巻き取られる量より巻き出される量が多くならないことが望ましい。従って、2つのモーター53,55はこのように糸状部材51が撓まないようにボビン52,54を回転制御するようになっている。あるいは、モーター53を無くし、ボビン52に摩擦やバネなどで回転負荷を与え、モーター55によりボビン54を回転して巻き取り部51b側だけを駆動することによって、前記糸状部材がボビン52とボビン54との間で張架された状態を維持しつつ巻き取られるようにしてもよい。
糸状部材51は、繊維(天然繊維や化学繊維)を引き揃えて撚りをかけた物が用いられている。繊維は、繊維自体が液体の吸収性を有しており、さらに撚りをかけた場合、撚りの間にできる空間も液体を保持するため、より吸収性が良くなる。もとより、撚りがかかることなく長細い一本の繊維からなる形状の物も採用できる。さらに、繊維以外の材料であって細長い形状の物(例えば金属ワイヤーを撚ったもの)であれば採用可能である。また、太さも一般的に紐と呼ばれる程度の物でも糸状部材51として採用することが可能である。
さて、本実施形態では、ワイパー保持部22に設けられた回転軸22aはメンテナンス枠体30の前後両側において上下左右方向に延設された壁部30bに形成された軸受け孔30aに挿通され、回転自在に軸支されている。そして、この回転軸22aがモーター23によって回転されることによって、ワイパー21は、図中一点鎖線矢印で示したように回転軸22aを中心にして前方から見て反時計方向に回転して先端部が周回移動するようになっている。一方、糸状部材51は、回転軸22aに対して右側に配設され、この反時計方向に回転して移動するワイパー21に対して、前述するように、貯留容器30A内の洗浄液SEに浸漬される浸漬位置PCから払拭位置PAまでの移動経路の途中においてワイパー21に当接するようになっている。ここで、回転軸22aと糸状部材51は平行である。
なお、本実施形態では、ワイパー21は払拭位置PAにおいて右方向に移動する液体噴射ヘッド19と上下方向において係合するようになっていることから、払拭位置PAに位置するワイパー21において液体噴射ヘッド19を払拭する払拭面21Sは左側の面となる。従って、ワイパー21は、反時計方向に回転することによって、糸状部材51に対して払拭面21Sが当接するようになっている。
図2に戻り、メンテナンス枠体30の底部には下方に突出する突出部31が設けられている。この突出部31には、メンテナンス枠体30の内部に形成された貯留容器30Aと連通するように上下方向に貫通する貫通孔が形成され、突出部31にその一端が固定された可撓性を有するチューブ32と貯留容器30Aとが連通するようになっている。チューブ32の他端は、弁機構34に接続されている。また、チューブ32の途中には、チューブ32を押し潰しながら回転するチューブポンプが給排用ポンプ33の一種として設けられている。
さらにメンテナンス装置100には、その一端が弁機構34に接続され他端が洗浄液タンク41の収容部41Aの底面側に配設された供給用配管としての供給チューブ38が設けられている。また、同じく一端が弁機構34に接続され他端が廃液タンク42の収容部42Aの上面側に配設された排出用配管としての排出チューブ39が設けられている。
弁機構34は、本実施形態では電磁弁を備え、この電磁弁の動作によって、チューブ32が供給チューブ38と連通する状態および排出チューブ39と連通する状態のうちいずれかの状態となるように構成されている。あるいは、チューブ32が、供給チューブ38および排出チューブ39のうちいずれとも連通しない状態となるように構成されている。
すなわち、弁機構34は、その原理的な構造例を図2において模式的に示すように、電磁石などのアクチュエーター37によって移動する移動体37aと連動して移動部材36が固定部材35に対して相対移動する。そして、この相対移動によって、固定部材35に貫通されて一端側をチューブ32に接続された貫通孔35aが、移動部材36に各々貫通されて一端側を供給チューブ38に接続された貫通孔36aおよび排出チューブ39に接続された貫通孔36bのうち、いずれかと連通する状態を呈するようになっている。また、弁機構34は、貫通孔35aが、貫通孔36aおよび貫通孔36bのいずれとも連通しない状態、すなわち、チューブ32が供給チューブ38および排出チューブ39のいずれとも連通しない状態を呈することもあり得る。
次に、このように構成されたメンテナンス装置100の作用、すなわちワイパー21のクリーニング動作について図4および図2を参照して説明する。本実施形態では、洗浄液SEによってワイパー21がクリーニングされたのち、糸状部材51によってワイパー21をクリーニングするように動作する。また、洗浄液SEは汚れた場合に未使用の綺麗な洗浄液に交換するように動作する。
図4に示すように、ワイパー21は払拭位置PAにおいて、右方向へ移動する液体噴射ヘッド19に当接して、例えば、図中二点鎖線で示したように先端部が右側に反る変形を伴いながら液体噴射ヘッド19を払拭する。この払拭によって、液体噴射ヘッド19のノズル形成面19aに付着したインクIKがワイパー21の左側の払拭面21Sに捕捉される。
次に、モーター23(図3参照)の回転によってワイパー21は反時計方向に回転し、その払拭面21SにインクIKを捕捉した状態の先端部が貯留容器30Aに貯留された洗浄液SEに浸漬される位置、すなわち浸漬位置PCに移動する。この浸漬位置PCにおいてワイパー21の先端部が洗浄液SEに浸漬されることによってワイパー21において払拭面21Sに捕捉されたインクIKが洗浄液SEによって溶解されて洗い落とされる。なお、本実施形態では浸漬位置PCにおいて洗浄液に浸漬されるワイパー21の表面の面積が最大となるように、浸漬位置PCに位置するときワイパー21の払拭面21Sは鉛直方向に沿う鉛直平面となっている。
次に、ワイパー21は、液体噴射ヘッド19を払拭する場合、浸漬位置PCから払拭位置PAに先端部を移動させる。すなわち、モーター23の回転によってワイパー21は再び反時計方向に回転して液体噴射ヘッド19を払拭するための払拭位置PAに先端部が移動する。
本実施形態では、この払拭位置PAへの移動経路において、ワイパー21は払拭面21Sが糸状部材51と当接する当接開始位置PD(図中二点鎖線)に到達する。そして、この当接開始位置PDからさらに反時計方向に回転すると、ワイパー21は、糸状部材51と回転方向において当接状態が維持されるために、その払拭面21Sは湾曲しながら糸状部材51によって擦られる。すなわち、ワイパー21の形状は図4において符号21aで示す形状(図中一点鎖線)から符号21bで示す形状(図中破線)に順次湾曲しながら変化する。この結果、ワイパー21において払拭面21Sは湾曲しながらワイパー保持部22側から先端側方向へ糸状部材51によってその表面が擦られる。
このとき、糸状部材51は当接する払拭面21Sの湾曲変形に伴って生ずる力(撓み力)をワイパー21から反力として受けることになるが、本実施形態では、ボビン52とボビン54との間に張架された糸状部材51の張力(張架力)はワイパー21の撓み力よりも強くなっている。従って、ここでは、図4に示したように、この反力による糸状部材51の変位は生じていないものとして説明している。なお、張架力によって糸状部材51を全く変位しない状態にしておくことは実際には難しく、糸状部材51がワイパー21からの反力によって少し変位する場合であっても、ワイパー21における払拭面21Sは、上記説明と同様に、糸状部材51によってその表面が擦られることは言うまでもない。また、糸状部材51は、ワイパー21と当接するときのワイパー21(払拭面21S)における位置が、洗浄後においてワイパー21の払拭面21Sに付着するインクIKを擦り取ることができる位置となるように、メンテナンス装置100において配設されている。
この結果、ワイパー21の払拭面21Sに捕捉され、洗浄液SEによる洗浄では洗い落とされずに残留しているインクIKや洗浄液SEは、糸状部材51によって擦り取られて糸状部材51に付着する。この結果、糸状部材51との当接状態が終了する当接終了位置PEに移動したワイパー21は、その払拭面21SにおいてインクIKや洗浄液SEが殆ど残留しない状態となる。その後、更に反時計方向に回転して払拭位置PAに移動したワイパー21は、綺麗な払拭面21Sによって液体噴射ヘッド19を払拭する。
そして、糸状部材51は、ワイパー21と当接して表面を擦った当接終了後に、モーター55とモーター53の回転によってボビン52からボビン54へ巻き取られる。ところで、糸状部材51とワイパー21が当接したときには、ワイパー21に付着していたインクIKや洗浄液SEは吸収されるが、糸状部材51内で拡散するため、ワイパー21の幅よりも広い範囲において糸状部材51に保持される。このため、ボビン52とボビン54の中心間距離はワイパー21の幅より長くなっており、糸状部材51の巻き取り量もボビン52とボビン54の中心間距離より長くなっている。
なお、糸状部材51は、ワイパー21との当接終了後に巻き取られず、糸状部材51とワイパー21の当接前に巻き取られるようにしてもよい。また、糸状部材51はワイパー21と1度当接しても巻き取られず、複数回当接後に巻き取られるようになっていてもよい。例えば直径1mm以下の糸状部材であればワイパー21との1度の当接による表面の擦りでインクIKや洗浄液SEの更なる吸収が困難な状態になることが考えられるが、直径が2mm程度なら複数回ワイパー21と当接してその表面を擦ってもインクIKや洗浄液SEを吸収することが可能になる。
また、本実施形態では、ワイパー21の洗浄によって貯留された洗浄液SEが汚れてきた場合、貯留容器30A内の洗浄液SEを綺麗な洗浄液に交換するように動作するようになっている。この洗浄液の交換動作について、図2を参照して説明する。なお、洗浄液の交換動作は、例えば洗浄液の汚れ具合に応じて予め定められた間隔で定期的行われるなど、液体噴射ヘッド19のノズル構成(例えばノズル数)や、プリンター11の使用状態などに応じて設定されている。
図2に示すように、汚れた洗浄液SEを未使用の綺麗な洗浄液SEに交換する場合、図中破線矢印で示したように、弁機構34および給排用ポンプ33が動作する。すなわち、弁機構34において、移動体37aが図2で示される位置から図面右方向に移動してチューブ32と排出チューブ39とを連通させるとともに、給排用ポンプ33を所定の方向(ここでは反時計方向)に回転させる。これによって、貯留容器30A内の汚れた洗浄液SEは、弁機構34においてチューブ32と連通する排出チューブ39に流れ、廃液HEとなって廃液タンク42に排出される。
次に、貯留容器30Aから汚れた洗浄液SEが排出されたのち、図2において実線矢印で示したように、弁機構34および給排用ポンプ33が動作する。すなわち、弁機構34において、移動体37aが図面左方向に移動して図2で示される位置となり、チューブ32と供給チューブ38とを連通させるとともに、給排用ポンプ33を所定の方向と反対方向(ここでは時計方向)に回転させる。これによって、洗浄液タンク41に収容された未使用の洗浄液SEは、弁機構34において供給チューブ38と連通するチューブ32に流れ、給排用ポンプ33を介して貯留容器30Aに供給される。従って、チューブ32は、貯留容器30Aに綺麗な洗浄液SEを供給するとともに貯留容器30Aから汚れた洗浄液SEを排出する給排用配管として機能する。
なお、本実施形態において、貯留容器30Aに綺麗な洗浄液SEが供給された状態において、弁機構34は、チューブ32が供給チューブ38および排出チューブ39のうちいずれとも連通しないように移動体37aを移動させるように動作する。こうすることによって、貯留容器30A内に綺麗な洗浄液SEが供給された状態で、チューブ32内において綺麗な洗浄液SEが満たされた状態を維持することができるようになっている。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)洗浄液SEへの浸漬だけでは洗浄されずにワイパー21の表面に残留することがあるインクIKを、ワイパー21が払拭位置PAと浸漬位置PCとの間を移動するときに、糸状部材51という簡易な構成によって装置全体を大型化させることなくワイパー21の表面から擦り取ることができる。したがって、液体噴射ヘッド19からインクを払拭したワイパー21が洗浄液SEによる洗浄を経た後に再び液体噴射ヘッド19の払拭に使用される場合においてワイパー21の表面にインクIKや洗浄液SEが残留しないようにできる構成を簡易に実現することができる。
(2)糸状部材51においてインクIKを捕捉して汚れた部分を巻き取り、汚れていない綺麗な部分を巻き出すようにすることができる。従って、糸状部材51は、細いためにインクIKや洗浄液SEを吸収できる液量が少ない場合であっても、巻き取り、巻き出しにより新たに巻き出された奇麗な部分を用いることによって、細い糸でもインクIKや洗浄液SEを吸収することは可能である。従って、汚れた糸状部材51を装着位置から取り外した後に、その装着位置に綺麗な糸状部材51を装着するなどという面倒な取り替え作業をすることなく、同じ糸状部材51を装着したままで連続的に使用することができるとともに、巻き出された綺麗な糸状部材51によってワイパー21に付着したインクIKを払拭することができる。また、糸状部材51は細い糸状であるためワイパー21の移動途中に容易に配置することができる。また、糸状部材51を巻き出したり巻き取ったりするための部材(例えばモーター53,55)は、ワイパー21の両側に配置するなど、メンテナンス装置100において空いているスペースを有効に利用できる。
(3)糸状部材51の張力によって、糸状部材51がワイパー21との当接時に受けるワイパー21からの力(反力)による変位を抑制するので、ワイパー21の払拭面21S(表面)を確実に擦ることができる。
(4)チューブ32を通して洗浄液SEを貯留容器30Aに供給したり貯留容器30Aから排出したりする。従って、チューブ32は汚れた洗浄液SEを排出後、新たに供給される綺麗な洗浄液SEが流れることによってチューブ32内が洗浄されるので、チューブ32を通して貯留容器30Aに綺麗な洗浄液SEが確実に供給される。また、このとき、チューブ32には洗浄液タンク41から供給された綺麗な洗浄液SEが常時存在することによってチューブ32内における詰まり(例えばインクIKの乾燥)が抑制されるので、チューブ32を通して汚れた洗浄液SEを廃液タンク42に確実に排出することができる。この結果、ワイパー21は貯留容器30Aにおいて常に綺麗な洗浄液SEに浸漬することができるので、洗浄液SEを貯留する貯留容器30A(すなわち洗浄槽)も大型化せずに済む。
(5)ワイパー21によって払拭されたインクIKは、主として払拭面21Sに捕捉されて残留する。従って、糸状部材51が払拭面21Sを擦ることによって、洗浄後にワイパー21の表面に残留するインクIKを擦り取る確率が高くなる。この結果、ワイパー21は表面が綺麗な払拭面21Sによって液体噴射ヘッド19を払拭することができる。
(6)表面にインクIKが残留しないようにクリーニングされたワイパー21によって払拭された液体噴射ヘッド19により、用紙Pに適切にインクを噴射するプリンター11が得られる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、糸状部材51は、ワイパー21が浸漬位置PCから払拭位置PAへ移動する際の回転方向と同じ方向に回転して払拭位置PAから浸漬位置PCへ移動する際にも、糸状部材51と当接してワイパー21の払拭面21Sを擦るよう配設されていてもよい。
本変形例について、その具体的構成を、図5を参照して説明する。なお、図5においてメンテナンス枠体30については図示を省略している。また、上記実施形態と同じ構成部品については同符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、本変形例の糸状部材51は、反時計方向に回転するワイパー21に対して浸漬位置PCから払拭位置PAへの移動経路において当接するとともに、払拭位置PAから浸漬位置PCへの移動経路においても当接する位置に、糸状部材51が折れ曲がるようにして配設されている。
すなわち、メンテナンス装置100には、ワイパー21よりも後方側に、それぞれ左右方向の回転軸を中心に回転するボビン52とボビン54とが設けられている。本変形例では、ボビン52はワイパー21の回転軸22aに対して右側に配設されるとともに、糸状部材51が複数回巻きつけられた巻き出し部51aを備えている。また、ボビン54は、ワイパー21の回転軸22aに対して左側に配設されるとともに、糸状部材51を巻き取る巻き取り部51bを備えている。そして、ボビン52はモーター53によって回転制御されるとともに、ボビン54はモーター55によって回転制御されるようになっている。
一方、ワイパー21よりも前方側に、ワイパー21の回転中心となる回転軸22aから左右方向においてほぼ同じ長さ離れた位置に、それぞれ上下方向の回転軸を中心に回転するプーリー56とプーリー57とが設けられている。そして、本変形例では、糸状部材51は、巻き出し部51aと巻き取り部51bとの間において2つのプーリー56,57に巻き掛けられることによって、ボビン52とボビン54との間で張架されて配設されている。
このように糸状部材51が配設されることによって、本変形例におけるワイパー21のクリーニング作用は、上記実施形態におけるクリーニング作用に対して、払拭位置PAから浸漬位置PCに回転移動するワイパー21を擦る動作が加えられる。
すなわち、糸状部材51は、モーター23の駆動力によって前から見て反時計方向に回転するワイパー21に対して、液体噴射ヘッド19を払拭する払拭位置PAから洗浄液に浸漬される浸漬位置PCに移動するまでの移動経路途中となる当接開始位置PB(図中二点鎖線)において、ワイパー21に当接する。そして、ワイパー21は、回転軸22aを中心に回転を継続することによって、当接状態が終了するまで、図4において符号21a,21bで示した状態と同様に変形して、その表面すなわち払拭面21Sが擦られる。
このとき払拭面21Sを擦る糸状部材51は、2つのモーター53,55によるボビン52,54の回転制御に伴って、巻き出し部51aから巻き取り部51bへの方向に移動する。従って、回転軸22aに対して左側の当接開始位置PBに位置する糸状部材51は、回転軸22aに対して右側の当接開始位置PDにおいてワイパー21の払拭面21Sを擦った糸状部材51が移動して、再びワイパー21の払拭面21Sを擦るようになっている。
上記変形例によれば、上記実施形態における効果(1)〜(5)に加えて次の効果を奏する。
(7)洗浄液SEに浸漬する前に糸状部材51によってワイパー21(払拭面21S)に捕捉されたインクIKを擦り取ることによって、洗浄液SEに浸漬する際のワイパー21において残留するインクIKを少なくすることができる。この結果、洗浄液SEへの浸漬によって洗浄すべきインクIKの量が抑制されるので、洗浄液SEの汚れを低減することができる。そのため、洗浄液SEを交換する頻度を少なくすることができる。一方、洗浄液SEに浸漬させた後に糸状部材51によってワイパー21の表面から残留するインクIKを擦り取る場合は、洗浄液SEへの浸漬によりワイパー21から残留するインクIKが離れやすくなっているので、より確実に残留するインクIKを擦り取ることができる。
なお、本変形例における糸状部材51は、当接開始位置PDにおいて擦るワイパー21の表面が洗浄後の表面であることから、付着したインクIKの量が少ない綺麗な状態で当接開始位置PBにおいてワイパー21の表面を擦るようになっている。従って、既に一度ワイパー21の表面(払拭面21S)を擦っていても、当接開始位置PBにおいて、払拭面21Sに捕捉されたインクを糸状部材51によって擦り取ることができる。また、ワイパー21が浸漬位置PCから払拭位置PAへ移動する際と、払拭位置PAから浸漬位置PCへ移動する際の糸状部材51とワイパー21の当接を、2つのプーリー56,57に巻き掛けることで、1本の糸で行うことができる。
また、図5に示すように、ワイパー21(払拭面21S)は、当接開始位置PDでは糸状部材51の下面側に当接する一方、当接開始位置PBでは糸状部材51の上面側に当接する。従って、例えば、糸状部材51の上面及び下面が捩れることなく平行に移動するようになっている場合は、糸状部材51は、当接開始位置PDにおいて擦り取られたインクが付着していない面(上面)を用いて、当接開始位置PBにおいてワイパー21を擦る。この結果、糸状部材51は当接開始位置PDにおいて、比較的汚れていない面側によってワイパー21の表面(払拭面21S)を擦るので、ワイパー21に捕捉されて付着したインクを確実に擦り取ることができる。
・上記実施形態において、洗浄液SEに先端部を浸漬させた状態のワイパー21は、モーター23の往復回転によって、先端部を洗浄液SEに浸漬させた状態を維持しながら反時計方向及び時計方向に往復回転するようにしてもよい。こうすれば、ワイパー21に付着したインクIKを洗浄液SEによって効果的にワイパー21から洗い落とすことができる。
・上記実施形態において、ワイパー21は必ずしも前から見て回転軸22aを中心に反時計方向へ回転して糸状部材51によって擦られる構成に限定されない。例えば、ワイパー21の払拭面21Sが払拭位置PAにおいて前から見て右側の面である場合は、ワイパー21を前から見て回転軸22aを中心に時計方向に回転することによって、払拭面21Sを糸状部材51によって払拭することが好ましい。なお、この場合は、糸状部材51は回転軸22aに対して左側に配設することが好ましい。
・上記実施形態において、ワイパー21は糸状部材51に対して必ずしも一方向(ここでは前から見て反時計方向)への回転により糸状部材51によって付着したインクが擦られる構成に限定されない。例えば、糸状部材51に対して前から見て反時計方向および時計方向の双方に回転して、糸状部材51によって擦られるようにワイパー21を回転させるようにしてもよい。こうすれば、例えばインクがワイパー21において払拭面21Sから反対側の面(ここでは右面)に回り込んで両面に付着した状態であっても、ワイパー21に捕捉されて付着したインクを確実に擦り取ることができる確率が高くなる。
・上記実施形態において、糸状部材51は、必ずしもボビン52の巻き出し部51aからボビン54の巻き取り部51bへ移動する構成ではなくてもよい。例えば、糸状部材51の両端のいずれにおいても巻かれた状態が存在しない所謂一本の糸状部材51としてもよい。この場合、ワイパー21から擦り取ったインクによる汚れ具合に応じて、糸状部材51が交換できるようにすることが好ましい。
・上記実施形態において、弁機構34は、チューブ32が供給チューブ38および排出チューブ39のいずれかと必ず連通する状態になるように構成されていてもよい。例えば、給排用ポンプ33が回転停止したとき、チューブ32を押し潰した状態が維持されるなど、貯留容器30Aに収容された洗浄液SEが給排用ポンプ33を介して流れないようになっている場合は、このような弁機構34を採用できる。
・上記実施形態において、メンテナンス枠体30の貯留容器30Aに対してチューブ32が連通した状態に接続されていなくてもよい。例えば、交換する頻度が少ない場合は、交換の都度、チューブ32の一端を貯留容器30Aに挿入して洗浄液の交換を行えばよい。
・上記実施形態において、供給チューブ38と排出チューブ39とをそれぞれポンプを介して別々に貯留容器30Aと連通するようにしてもよい。こうすれば、使用するポンプの数は増えるものの弁機構34が不要になる。
・上記実施形態において、ワイパー21は払拭位置PAと浸漬位置PCとの間を回転によって移動するように構成されているが、これに限らず、回転することなく平行に移動するように構成されていてもよい。すなわち、ワイパー保持部22を平行移動させることによって、ワイパー21は、洗浄液SEに浸漬された状態から平行に移動して、糸状部材51と当接したのち払拭位置PAに移動するように構成されていてもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式のプリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…液体噴射装置としてのプリンター、19…液体噴射ヘッド、19a…ノズル形成面、21…ワイパー、21S…払拭面、30A…貯留容器、33…給排用ポンプ、34…弁機構、51…糸状部材、51a…巻き出し部、51b…巻き取り部、100…メンテナンス装置、SE…洗浄液、PA…払拭位置、PC…浸漬位置。

Claims (7)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドを払拭する払拭位置と洗浄液に浸漬される浸漬位置との間で移動するワイパーと、
    前記ワイパーの移動経路上において前記ワイパーと当接するとともに前記ワイパーに対してその表面を擦るように相対移動する糸状部材と、
    を備え
    前記糸状部材は、前記ワイパーが前記払拭位置から前記浸漬位置へ移動する際の移動経路と、前記浸漬位置から前記払拭位置へ移動する際の移動経路の双方において、前記ワイパーと当接することを特徴とするメンテナンス装置。
  2. 請求項1に記載のメンテナンス装置において、
    前記糸状部材は、
    その一端に当該糸状部材を巻き出す巻き出し部を備えると共に、その他端に当該糸状部材を巻き取る巻き取り部を備え、
    前記巻き出し部と前記巻き取り部との間において、前記ワイパーと当接するように配設され、前記ワイパーと当接した後に前記巻き取り部によって巻き取られることを特徴とするメンテナンス装置。
  3. 請求項1または2に記載のメンテナンス装置において、
    前記糸状部材は張架されており、前記糸状部材の張架力は前記ワイパーを撓ませる力より強いことを特徴とするメンテナンス装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のメンテナンス装置において、
    前記ワイパーが前記払拭位置から前記浸漬位置へ移動する際は前記糸状部材の上面側に当接し、前記浸漬位置から前記払拭位置へ移動する際は前記糸状部材の下面側に当接することを特徴とするメンテナンス装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のメンテナンス装置は、
    前記浸漬位置において前記洗浄液を貯留する貯留容器と、
    前記貯留容器内に一端が連通し、前記貯留容器に前記洗浄液を供給可能であるとともに、前記貯留容器から前記洗浄液を排出可能である給排用配管と、
    前記給排用配管の他端に設けられ、前記給排用配管に前記洗浄液を供給可能である給液用配管および前記給排用配管から前記洗浄液を排出可能である廃液用配管のいずれかと前記給排用配管とを連通させる弁機構と、
    前記給排用配管の途中に設けられ、当該給排用配管を通して前記洗浄液を前記貯留容器と前記弁機構との間で流動させるときに駆動される給排用ポンプと、
    を備えたことを特徴とするメンテナンス装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のメンテナンス装置において、
    前記糸状部材によって擦られる前記ワイパーの表面は、前記液体噴射ヘッドを払拭する払拭面であることを特徴とするメンテナンス装置。
  7. 媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載のメンテナンス装置と、
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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