JP5663786B2 - モールド金型及び樹脂モールド装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、樹脂量が増えると溶融時間が長くなり生産性向上が困難であったり、樹脂タブレットの均一な溶融が困難になり、十分に溶融する前にキャビティへ充填されると、フィラー(シリカなど)を含有しているため、金型が摩耗したりボイドが発生したりして成形品質が低下するおそれがある。
上型ベースと、前記上型ベースに支持された上型チェイスと、下型ベースと、前記下型ベースに支持された下型チェイスを備えたモールド金型であって、
前記下型チェイスには、複数のポットから同一のキャビティ凹部に接続する金型ランナゲートが形成されたポット列が複数列形成されたセンターインサートと、前記キャビティ凹部が形成されたキャビティインサートとが、前記センターインサートの平面視で両側に金型ランナゲートが接続するように組み付けられており、前記下型ベースに設けられたヒータは、平面視でセンターインサートのポット列の間に配置されており、下型ベースのヒータ位置の上部に設けられたサポートピラーから等間隔で配置されたポットを含む下型チェイスに熱伝導されることを特徴とする。
上記構成によれば、複数のポットから共通の金型ランナゲートを通じて同一のキャビティ凹部に樹脂を充填できるので、小径の樹脂タブレットをポット内で溶融させて短時間で充填することができ、生産性を向上させることができるうえに、金型面の摩耗も軽減できる。
また、センターインサートに複数のポットが形成されていても下型ベースのヒータ上部に設けられたサポートピラーを通じて等間隔で配置されたポットに効率よく熱伝導してポット内の樹脂を短時間で効率よく溶融させることができる。また、サポートピラーは下型ベースにセンターインサートを支持するので剛性を維持して樹脂漏れが発生することもない。
これによれば、下型チェイスが平面視で手前側と奥側に分離可能に組み付けられているので、メンテナンス作業を行いやすくなる。
これにより、金型ランナからキャビティ凹部の周囲に至る金型面がサポートピラーによって支持されているので、キャビティ凹部の面積が広がっても十分なクランプ圧が作用するため樹脂漏れが生ずることはなくなる。
これによれば、金型メンテナンスにより手前側の下型チェイスと奥側の下型チェイスを下型ベースより外した後に再度組み付け順が入れ替わるといずれかの凸部により手前側と奥側の下型チェイス間若しくはエンドブロックとの間に隙間が発生して組み付けることができなくなるため、誤った組み付けを防ぐことができる。
これによれば、比較的パッケージ部の大型の製品を効率よくしかも成形品質を維持したまま樹脂モールドすることができる。
図1は、本発明に係る樹脂モールド装置の一実施形態の各部の平面配置を示す。本実施形態の樹脂モールド装置は、被成形品を供給する被成形品供給部A、被成形品を樹脂モールドするプレス部B、樹脂モールド後の成形品を収納する成形品収納部C及び被成形品を搬送するローダー及び成形品を搬送するアンローダーを備えた搬送機構Dを備える。被成形品供給部A、プレス部B、成形品収納部Cはユニット化されており、被成形品供給部Aと成形品収納部Cとの間に設けられるプレス部Bは、単数であっても複数であってもよく、適宜増減することができるようになっている。また、プレスBにはプリヒート部Eが設けられている。また、被成形品は、一例としてインバータ等のような車載用の大型パッケージを想定している。以下各部の構成について具体的に説明する。
被成形品供給部Aは、被成形品1をスリット内に収納した供給マガジン2と、供給マガジン2から2個ずつを1組で切り出された被成形品1を送りだす送り出し部2aと、送り出し部2aより被成形品1を一回のモールド分だけ一旦ストックするバッファ部3と、バッファ部3にストックされた被成形品1を整列する整列部4を備えている。バッファ部3から整列部4に移載された被成形品1はプレヒートされていても良い。
プレス部Bは、被成形品1をクランプして樹脂モールドするモールド金型9が装着されたプレス装置10が設けられている。プレス装置10は、下型を型開閉方向に押動するプレス機構、モールド金型のポット内で溶融した樹脂をポットからキャビティに充填するトランスファー機構を備える。プレス装置10におけるプレス機構(金型開閉機構)及びトランスファー機構は、公知の樹脂モールド装置に用いられているプレス部の機構と同様である。モールド金型9は後述するように上型ベース及び下型ベースと、上型ベースにサポートピラーを介して支持された上型チェイスと下型ベースにサポートピラーを介して支持された下型チェイスを備えたチェイスユニットが手前側と奥側とで分離されて設けられている。
整列部4に載置された被成形品1はローダー12によって保持されてプレス部Bへ搬送される。プレス部Bにおいて被成形品1はモールド金型9へ直接搬入されずに手前側に設けられたプレヒート部Eに受け渡される。プレヒート部Bにはヒータを内蔵した上下ヒート部が設けられている。下ヒート部がローダー12より被成形品1を受け渡されると、該下ヒート部の上方を開閉する上ヒート部を閉じて被成形品1を上下で挟みこんでプレヒートするようになっている。ローダー12は被成形品1をプレヒートしている間に被成形品供給部Aへ戻ってホルダー8より樹脂タブレットを受け取って再度プレヒート部Eへ移動する。そして、上ヒート部を開放して170°程度にプレヒートされた被成形品1をローダー12が受け取って樹脂タブレットとともに型開きしたモールド金型9へ搬入される。このとき、モールド金型9も予め成形温度に昇温されている。
成形品収納部Cは、アンローダー13によって樹脂モールド後の成形品14を移載する取り出し部15、取り出された成形品14からゲート等の不要樹脂を除去するゲートブレイク部16、不要樹脂が除去された製品17を載置するバッファ部18、バッファ部18より製品17を整列して載置する整列部19、整列部19より送り出された製品17は図示しないハンドにチャックされて収納マガジン20へ収納される。
搬送機構Dは被成形品供給部Aから被成形品1と樹脂タブレットを受け取ってプリヒート部Eを経由してプレス部Cへ搬送するローダー12と、プレス部Bから成形品を取り出し部15へ搬送するアンローダー13を備えている。ローダー12及びアンローダー13は、直列に配置された被成形品供給部A、プレス部B、成形品収納部C間に連結されたガイドレール44を共用して装置奥側を移動し、プレス部Bに対して各々進退移動可能に設けられている。ローダー12は、被成形品供給部Aから被成形品1を受け取ってプリヒート部Eへ受け渡し、樹脂タブレットを受け取ってからプリヒート部Eでプリヒートされた被成形品1を受け取って、これらをプレス部Bの型開きしたモールド金型9へ搬入する動作を繰り返す。また、アンローダー13は、樹脂モールド後に離型した成形品14をモールド金型9より受け取って、成形品収納部Cの取り出し部15へ移載する動作を繰り返す。
ここで、プレス装置10に備えたモールド金型9の具体的な構成例について、図2乃至図6を参照して説明する。
下型9Aの構成について説明する。図2(A)(B)(C)は下型の平面図、正面図、左側面図である。下型ベース21には下型ヒータ21aが水平方向に複数個所に設けられている。この下型ベース21には下型チェイス22a,22bが手前側と奥側とで分離可能に組み付けられている。下型チェイス22a,22bは、図3に示すように当該下型チェイス22a,22bに立設された下型サポートピラー23によって下型ベース21に支持されている。下型チェイス22a,22bには、複数列(2列)のポット24と複数(2個で一対)のポット24から同一の下型キャビティ凹部25に接続する共通の下型ランナゲート26が形成されたセンターインサート27と、下型キャビティ凹部25が形成された下型キャビティインサート28がセンターインサート27の両側にポット24側の金型ランナゲート26と接続するように組み付けられている。
これにより、下型ランナゲート26から下型キャビティ凹部25の周囲に至る下型面がサポートピラー23によって支持されているので、下型キャビティ凹部25の面積が広がっても十分なクランプ圧が作用するため樹脂漏れが生ずることはなくなる。
また、上型チェイス34a,34b及び下型チェイス22a,22bが手前側と奥側に分離可能に組み付けられているので、メンテナンス作業を行いやすくなる。
これにより、リリースフィルム43を金型クランプ面より浮き上がったり破れたりすることなく吸着保持させることができる。
Claims (5)
- 上型ベースと、
前記上型ベースに支持された上型チェイスと、
下型ベースと、
前記下型ベースに支持された下型チェイスを備えたモールド金型であって、
前記下型チェイスには、複数のポットから同一のキャビティ凹部に接続する金型ランナゲートが形成されたポット列が複数列形成されたセンターインサートと、前記キャビティ凹部が形成されたキャビティインサートとが、前記センターインサートの平面視で両側に金型ランナゲートが接続するように組み付けられており、前記下型ベースに設けられたヒータは、平面視でセンターインサートのポット列の間に配置されており、下型ベースのヒータ位置の上部に設けられたサポートピラーから等間隔で配置されたポットを含む下型チェイスに熱伝導されることを特徴とするモールド金型。 - 前記下型ベースに支持された下型チェイスは平面視で手前側と奥側とで分離されて組み付けられている請求項1記載のモールド金型。
- 前記下型ベースには、前記キャビティインサートに形成された金型ランナの平面視で両側を含むキャビティ凹部の周囲及び中央部にサポートピラーが設けられている請求項1又は2記載のモールド金型。
- 平面視で前記奥側の下型チェイスと平面視で前記手前側の下型チェイスとは凹凸嵌合により下型ベースに組み付けられている請求項2記載のモールド金型。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかのモールド金型を備えたプレス部を備えたことを特徴とする樹脂モールド装置。
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