JP2004090371A - モールド金型およびそれを用いた混成集積回路装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モールド金型20の周辺部に並列してキャビティ25を設ける。1つのキャビティ25に対して、2つのポット27を設ける。ポット27とキャビティ25とはランナー26を介して連続している。各ポット27に2つずつタブレット29を投入する。プランジャーを用いて2つのポット27に投入されたタブレット29を同時に加圧する。各キャビティ25から、ポット27までの距離は等しいので、安定した樹脂成形を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモールド金型およびそれを用いた混成集積回路装置の製造方法に関し、特に、使用する絶縁性樹脂の量が多い大型の混成集積回路装置に使用するモールド金型およびそれを用いた混成集積回路装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10を参照して、従来の混成集積回路装置の構成を説明する。図10(A)は混成集積回路装置30の斜視図であり、図10(B)は図10(A)のX−X‘線に於ける断面図である。
【0003】
図10(A)および図10(B)を参照して、従来の混成集積回路装置30は次のような構成を有する。矩形の基板36と、基板36の表面に設けられた絶縁層37上に形成された導電パターン38と、導電パターン38上に固着された回路素子34と、回路素子34と導電パターン38とを電気的に接続する金属細線35と、導電パターン38と電気的に接続されたリード31とで、混成集積回路装置30は構成されている。
【0004】
以上のように、混成集積回路装置30は基板36の裏面を除いて、全体が絶縁性樹脂32で封止されている。絶縁性樹脂32で封止する方法としては、熱可塑性樹脂を用いたインジェクションモールドと、熱硬化性樹脂を用いたトランスファーモールドとがある。
【0005】
図11を参照して、トランスファーモールドにより樹脂封止を行う工程を説明する。同図は金型40を用いて樹脂封止を行う状態を示す断面図である。ここでは、基板36は、リード31が導出する辺を紙面方向にして載置されている。そしてリード31が上下金型により狭持されることにより、基板36の位置は固定されている。
【0006】
基板36の表面には、回路素子34等から成る電気回路が表面に形成されている。この基板36は下金型40Bに載置される。上金型40Aを下金型40Bに接合させることにより、樹脂が封入される空間であるキャビティが形成される。ゲート41から熱硬化性樹脂である絶縁性樹脂32を注入することにより、基板36は、裏面を除いて封止される。ここでは、ゲート41に対向する部分には、エアベント42が設けられており、この箇所以外の部分にもエアベント42が設けられる場合もある。そして、エアベント42からキャビティ内部の空気を外部に放出させることにより、樹脂の注入は確実に行われる。
【0007】
以上の工程で封止された混成集積回路装置30は、熱硬化性樹脂を硬化させるアフターキュアの工程等を経て、製品として完成する。
【0008】
図12を参照して、上記したモールドの工程に使用するモールド金型40に関して説明する。同図は、複数のキャビティ45が形成されるモールド金型40の平面図であり、対向する周辺部付近に複数個のキャビティ45が並列して設けられている。そして、各々のキャビティ45からは、絶縁性樹脂の経路であるランナー46が連続している。
【0009】
ポット47は、モールド金型40の中央部付近に設けられており、各々のキャビティ45に連続したランナー46がポットにも接続している。このポット47は、固形状の絶縁性樹脂が固められたタブレットが投入される。同図に示しような金型40では、複数個の基板を封止する絶縁性樹脂の量に対応する大型のタブレットが投入される。そして、タブレットを加熱しつつプランジャーで加圧することにより、融解した絶縁性樹脂は、ランナー46を介して各々のキャビティ45に圧送される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなモールド金型40は以下に示すような問題を有していた。
【0011】
第1に、ポット47は、複数個のキャビティ45に圧送される絶縁性樹脂の量に応じた大きさのタブレットを収納しなければ成らないので、大型のものになってしまう。このことから、モールド金型40に於いて、ポット47の占める領域が大きくなり、1つのモールド金型40に形成できるキャビティ45の数が限られてしまい、生産性が低下してしまう問題があった。
【0012】
第2に、ポット47から各々のキャビティ45までの距離が異なるので、安定した樹脂の圧送を行うのが難しく、このことにより安定した樹脂成形を行うのが難しかった。
【0013】
本発明は、上記した問題を鑑みて成されたものである。従って、本発明の主な目的は1つの金型に多数個のキャビティを形成するモールド金型およびそれを用いた混成集積回路装置の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、並列して設けられた複数個のキャビティと、前記キャビティの各々に連続するランナーと、前記ランナーの各々に接続されたポットとを備え、前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて前記各キャビティに供給することを特徴とする。
【0015】
本発明は、第2に、前記キャビティには、前記ランナーを介して複数個のポットが接続することを特徴とする。
【0016】
本発明は、第3に、前記ポットは、樹脂から成るタブレットが複数個投入されるように形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明は、第4に、前記キャビティの整列方向と、前記ポットの整列方向を平行にすることを特徴とする。
【0018】
本発明は、第5に、並列して設けられた複数個のキャビティと、前記キャビティの各々に連続するランナーと、複数個の前記ランナーに接続された複数のポットとを備え、前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて複数個の前記キャビティに供給することを特徴とする。
【0019】
本発明は、第6に、複数個の前記ポット内の樹脂を、対向する2つのキャビティに供給することを特徴とする。
【0020】
本発明は、第7に、表面に部品が組み込まれた基板を下金型に載置する工程と、上金型と下金型とを噛み合わせることにより前記基板が収納されるキャビティを密閉する工程と、前記キャビティに連続するランナーに接続された複数個のポットに、絶縁性樹脂から成るタブレットを投入する工程と、複数個の前記ポットに投入された前記タブレットをプランジャーで同時に加圧することにより、前記ランナーを介して、融解した絶縁性樹脂を前記キャビティに圧送する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明は、第8に、複数個のタブレットを1つの前記ポットに投入することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(モールド金型の構成を説明する第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明のモールド金型20の構成を説明する。図1(A)はモールド金型20の平面図であり、図1(B)は図1(A)のX−X’線での断面図である。
【0023】
本発明のモールド金型20は、並列して設けられた複数個のキャビティと、前記キャビティの各々に連続するランナーと、前記ランナーの各々に接続されたポットとを備え、前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて前記各キャビティに供給する構成と成っている。以下にてこの各構成要素を説明する。
【0024】
キャビティ25は、絶縁性樹脂による基板の封止が行われる領域であり、モールド金型20の対向する周辺部に並列して設けられている。キャビティ25を形成する空洞部は、上金型20Aおよび下金型20Bの両方に設けられており、両金型を噛み合わせることにより、キャビティ25は形成されている。
【0025】
ランナー26は、ポット27で融解された絶縁性樹脂をキャビティ25まで輸送するための経路であり、各々のキャビティ25に1つのランナーが連続するように設けられている。従来例に於いては、1つのポットに複数個のランナーが連続していたが、本発明では、ランナー26はそれぞれ独立した構成となっている。即ち、本発明では、各々のキャビティ25に対して複数のポット27が用意され、両者をランナーが接続している。
【0026】
ポット27は、絶縁性樹脂が固化された円筒形のタブレットが投入される箇所である。本発明では、1つのキャビティ25に対して2つのポット27が形成されている。ここでは、2つのタブレットがポット27に投入されるので、ポット27の高さは、2つのタブレットに対応する高さ以上に形成される。そして、2つのポット27は、例えば直列に接続され、ランナー26を介してキャビティ25に連続している。このポットの個数は、樹脂封止される装置の大きさにより変化する。即ち、樹脂封止される装置が大型である場合は、より多数個(例えば4個)のポット27が形成され、ランナー26を介してキャビティ25に接続する。また、ポット27は、ここでは下金型20Bに形成されている。
【0027】
図1(B)を参照して、各々のキャビティ25に対応する箇所の下金型には、モールド時に絶縁性樹脂が基板の裏面に回り込むのを防止するために、空洞部21と凸部22が設けられている。
【0028】
空洞部21は、下金型20Bのキャビティ25に対応する箇所に於いて、金属基板が載置される領域に設けられている。空洞部21の平面的な大きさは、金属基板16の平面的な大きさよりも小さく形成されている。従って、モールドの工程に於いては、空洞部21を覆うようにして、金属基板16は載置される。
【0029】
凸部22は、空洞部21内部に設けられている。そして、凸部22の頂部の高さは、下金型20Bと金属基板16が接する面と同一の高さである。
【0030】
更に、キャビティ25に圧送される絶縁性樹脂の量に応じた内部の空気をその外部に放出するために、各々のキャビティ25には、エアベント24が設けられている。
【0031】
本発明の特徴は、各々のキャビティ25に対して、個別にポット27を設けることにある。具体的には、ここでは、並列して設けたキャビティ25に、個別にポット27が設けられ、キャビティ25とポット27とはランナー26で接続されている。このことにより、ポット27からキャビティ25までの距離を均一にすることが可能となり、圧送する樹脂の量や圧力を適正にすることができるので、安定した樹脂成形を行うことができる。
【0032】
更に、本発明の特徴は、従来例よりも径の小さいポット27を複数個形成することにある。具体的には、個々のキャビティ25に対して2つのポット27が形成され、このポット27はランナー26を介してキャビティ25に接続されている。このことにより、モールド金型20に於いてキャビティ25が占める面積を小さくすることができるので、より多数個のキャビティ25を1つのモールド金型20に形成することができる。
【0033】
図2(A)を参照して、他の形態のモールド金型20Aに関して説明する。本発明のモールド金型20Aは、並列して設けられた複数個のキャビティ25と、キャビティ25の各々に連続するランナー26と、ランナー26の各々に接続されたポット27とを備え、前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて前記各キャビティに供給する構成と成っており、キャビティ25の整列方向と、ポット27の整列方向は平行に成っている。このように、同図に示すモールド金型20Aの構成は、図1に示したモールド金型20と同様であるが、キャビティ25の整列方向と、ポット27の整列方向とが平行であることに特徴を有する。
ポット27Aおよびポット27Bは、ランナー26を介して1つのキャビティ25に連続しており、これら2つのポットに投入されたタブレットは、ランナー26を介して1つのキャビティ25に供給される。キャビティ25はモールド金型20Aの対向する2辺の周辺部に、8個が形成されている。そして、キャビティ25から成る列に挟まれた領域に、一列に複数個のポット27が形成されている。ここでは、1つのキャビティ25に付いて2つのポット27が形成されているので、合計16個のポット27が一列に形成されている。このように複数個のポット27を一列に形成することにより、ポット27が占有する面積を低減させることができるので、より多くのキャビティ25を1つのモールド金型20Aに形成することができる。
【0034】
図2(B)を参照して、他の形態のモールド金型20Bに関して説明する。本発明のモールド金型20Bは、並列して設けられた複数個のキャビティ25と、キャビティ25の各々に連続するランナー26と、複数個のランナー26に接続された複数のポットとを備え、ポット27内の樹脂を各ランナー26を通じて複数個のキャビティ25に供給する構成と成っている。このように、同図に示すモールド金型20Aの構成は、図1に示したモールド金型20と同様であるが、複数個のポット27が複数個のキャビティ25に連続することに特徴を有する。
【0035】
ここでは、複数個のポット27A、27Bおよび27Cがランナー26を介して連続している。そして、これら3つのポット27から、対向する2つのキャビティ25に樹脂が同時に供給されている。ここで、形成されるキャビティ25の大きさは、図2(A)で示したものと比較すると小型のものであるので、3つのポット27から供給される樹脂で、対向する2つのキャビティ25を樹脂で封止することができる。このことにより、ポット27の個数を低減することができるので、ポット27が占有する面積を低減することができる。
【0036】
(混成集積回路装置10の製造方法を説明する第2の実施の形態)
図3から図7を参照して、混成集積回路装置10の製造方法を説明する。混成集積回路装置10は、表面に部品が組み込まれた基板を下金型に載置する工程と、上金型と下金型とを噛み合わせることにより前記基板が収納されるキャビティを密閉する工程と、前記キャビティに連続するランナーに接続された複数個のポットに、絶縁性樹脂から成るタブレットを投入する工程と、複数個の前記ポットに投入された前記タブレットをプランジャーで同時に加圧することにより、前記ランナーを介して、融解した絶縁性樹脂を前記キャビティに圧送する工程とを有している。このモールドの工程を以下にて説明する。
【0037】
図3を参照して、表面に部品が組み込まれた基板を下金型に載置する工程を説明する。ここでは、金属基板16は、リード11が導出する辺を紙面方向にして下金型20Bに載置されている。ここで、金属基板16は、下金型20Bに設けた空洞部21を覆うように載置される。
【0038】
更に、同図を参照して、ポット27に固形化した絶縁性樹脂から成るタブレット29を投入する。ここでは、キャビティ25に連続するランナー26には、2個のポット27が接続されており、各ポット27に2個ずつタブレット29を投入する。ここで、各ポット27に投入するタブレット29の個数は、製造される混成集積回路装置の大きさにより変化する。例えば、製造する混成集積回路装置が比較的小型のものであれば、各ポットに1つずつのタブレット29が投入されても良い。
【0039】
図4を参照して、上金型20Aと下金型20Bとを噛み合わせることにより金属基板16が収納されるキャビティ25を密閉する工程を説明する。上金型20Aと下金型20Bを噛み合わせることにより、キャビティ25は密閉される。更に、このことにより、上金型20Aに設けたランナー26も経路として形成される。また、金属基板16の少なくとも1辺からは、リードが導出されており、このリードが上下金型により狭持されることにより、金属基板16の位置は固定されている。
【0040】
図5を参照して、複数個のポット27に投入されたタブレット29を、プランジャー28で同時に加圧する工程を説明する。具体的には、2つのポット27に投入されたタブレット29を、プランジャー28で同時に加圧する。このことにより、流動樹脂がランナー26を介してキャビティ25に圧送され、金属基板16は絶縁性樹脂で封止される。本実施例では、絶縁性樹脂として熱硬化性樹脂を採用している。熱硬化性樹脂を用いるトランスファーモールドでは、絶縁性樹脂を注入する際の圧力が非常に大きい。このことから、従来例では、金属基板16の裏面と下金型20Bとのわずかな隙間に、絶縁性樹脂が侵入してしまう問題があった。本発明では、上述したように下金型20Bに空洞部21が設けられている。従って、金属基板16の裏面と下金型20Bとのわずかな隙間に、絶縁性樹脂が侵入しても、絶縁性樹脂は空洞部21に貯留される。即ち、金属基板16の裏面に侵入した絶縁性樹脂が、金属基板16の裏面に付着しない。
【0041】
また、上述したように、金属基板16は空洞部21を覆うように下金型20Bに載置されている。従って、金属基板16の周辺部のみが下金型20Bに当接しているので、金属基板16の裏面が下金型20Bに接する面積が小さい。このことから、キャビティ25に絶縁性樹脂を高圧力で注入すると、金属基板16が下金型20Bに当接する圧力が非常に大きくなる。また、金属基板16と下金型20Bが当接する面積が小さいので、金型に熱が伝導することにより、絶縁性樹脂の温度が低下することを防止できる。
【0042】
金属基板16が比較的大型のものである場合、絶縁性樹脂をキャビティ内に高圧で注入されると、注入圧力による大きな曲げ応力が金属基板16に作用する。従って、本発明では、空洞部21の内部に凸部22を設けている。上述したように凸部22の高さは、下金型20Bと金属基板16の裏面が当接する面と同じ高さをである。従って、下金型20Bに金属基板16を載置すると、凸部22の上面も金属基板16の裏面に接触する。このことから、注入圧力により作用する金属基板16の曲げ応力は半分以下になる。
【0043】
モールド工程を経た混成集積回路装置10は、炉を用いて加熱するアフターキュアの工程により、熱硬化性樹脂が硬化される。
【0044】
図6を参照して、アフターキュアの工程が終了した後に、上金型20Aと下金型20Bを離すことにより、絶縁性樹脂で封止された混成集積回路装置を取り出すことができる。
【0045】
図7に、上記したような工程を経てモールドされた混成集積回路装置10を示す。この混成集積回路装置は、リードカットの工程等を経て、製品として完成する。
【0046】
(混成集積回路装置10を説明する第3の実施の形態)
図8を参照して、本発明に斯かる混成集積回路装置10の構成を説明する。混成集積回路装置10は次のような構成を有している。即ち、矩形の金属基板16と、金属基板16の表面に設けられた絶縁層17上に形成された導電パターン18と、導電パターン18上に固着された回路素子14と、回路素子14と導電パターン18とを電気的に接続する金属細線15と、導電パターン18と電気的に接続されたリード11とで、混成集積回路装置10は構成されている。このような各構成要素を以下にて説明する。
【0047】
金属基板16は、アルミや同等の金属から成る基板である。1例として金属基板16としてアルミより成る基板を採用した場合、金属基板16とその表面に形成される導電パターン18とを絶縁させる方法は2つの方法がある。1つは、アルミ基板の表面を酸化させてアルマイト処理する方法である。もう1つの方法は、アルミ基板の表面に絶縁層17を形成して、絶縁層17の表面に導電パターン18を形成する方法である。また、金属基板は、プレス機による「打ち抜き」により形成される。このことから、金属基板の片面の周辺部には「バリ」が形成される。本発明では、金属基板に於いて、「バリ」が周端部に形成される面を「バリ面」と呼び、「バリ」が形成されない面を「ダレ面」と呼ぶ。更に、金属基板16の側面とダレ面16Bとが連続する部分の断面は、直角には形成されない。具体的には、金属基板16の側面とダレ面16Bとが連続する部分の断面は、丸みを帯びた断面である。従って、ダレ面16Bの周端部にはバリは全く形成されない。
【0048】
導電パターン18は銅等の金属から成り、絶縁層17上に形成される。また、リード11が導出する辺に、導電パターン18からなるパッドが形成される。
【0049】
回路素子14は、半田等のロウ材を介して導電パターン18上の所定の位置に実装される。回路素子14としては、受動素子や能動素子を全般的に採用することができる。更に、樹脂封止型の回路装置等も回路素子14として使用することも可能である。ここで、フェイスアップで実装される能動素子等は、金属細線15を介して、導電パターン18と電気的に接続される。
【0050】
リード11は、金属基板16の周辺部に設けられたパッドに固着され、外部との入力・出力を行う働きを有する。ここでは、対向する2辺に多数個のリード11が設けられている。リード11は金属基板16の4辺から導出させることも可能であり、1辺のみから導出させることも可能である。
【0051】
絶縁性樹脂12は、熱硬化性樹脂を用いるトランスファーモールドにより形成される。そして、絶縁性樹脂12は、金属基板16のダレ面16Bを下部に露出させて装置全体を封止している。上述したように、金属基板16の側面とダレ面16Bとが連続する部分の断面は、丸みを帯びた断面である。従って、トランスファーモールドを行うことにより、金属基板16の側面とダレ面16Bとが連続する部分に、熱硬化性樹脂が回り込む構造となる。具体的には、金属基板16のダレ面16Bが有する4辺の周端部に、熱硬化性樹脂が回り込む構造となる。
【0052】
溝13は、絶縁性樹脂12の上面に設けられる。具体的には、溝13は、絶縁性樹脂12の周辺部付近に於いて、金属基板16の長手方向に設けられている。溝13をこのように形成することにより金属基板16の反り上がりを防止することが可能になる。具体的にいうと、第1に、金属基板16の反り上がりに対して金属基板16の上面部では薄く形成された部分が早く硬化し基板と一体になることで対抗することができる。第2に、溝13を設けることにより、金属基板16上の絶縁性樹脂12の上面には、金属基板16の実装面に対して様々な角度を有する面を有している。そのため、それらの面の組み合わせることにより金属基板16の反り上がらせる応力に対して、その応力を低減させる辺が形成され、金属基板16の反り上がらせる応力に対抗することができる。従って、装置全体の長手方向の剛性が向上し、応力が作用しても変形しにくい構造となる。また、溝13は絶縁性樹脂12の上面に於いて、周辺部以外の箇所に形成することも可能である。更に、絶縁性樹脂12の上面に於いて、四方の周辺部に溝13を設けることも可能である。
【0053】
ここでは、金属基板16の長手方向の対向する周辺部に於いて、リード11が導電パターン18に固着されている。そして、溝13は、リード11が導電パターン18に接続する箇所の上方に対応する絶縁性樹脂12の上面に設けられている。リード11は水平に延在しているので、リード11の高さは、回路素子14と比較すると低くなっている。このことから、リード11が導電パターン18に接続する箇所の上方は、絶縁性樹脂12より成るマージンと成っている。従って、このマージンの箇所に溝13を設けることによって、絶縁性樹脂12の厚みを増すことなく、溝13を形成させることができる。
【0054】
図9を参照して、絶縁性樹脂12の熱膨張係数と、アフターキュア時に於ける基板の反りとの関係を説明する。本発明では、絶縁性樹脂12として熱硬化性樹脂を採用することができる。そして熱硬化性樹脂を採用する場合は、モールドの工程の後に、炉を用いて装置全体を熱硬化性樹脂のガラス転移温度付近まで加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させている。このように、加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させる工程をアフターキュアの工程と言う。従来に於いては、アフターキュアの工程に於いて、混成集積回路装置全体に反りが発生していた。このため、重ね合わされた複数個の混成集積回路装置に圧力を加える圧着の工程により、アフターキュアの工程において混成集積回路装置に反りが発生するのを防止していた。
【0055】
このことから、熱硬化性樹脂の熱膨張係数と、アフターキュアの工程における混成集積回路装置の反りとの関係を明らかにするために実験を行った。具体的には、金属基板16としてアルミ基板を採用した。そして、熱膨張係数の異なる熱硬化性樹脂にて封止した複数の混成集積回路装置を用意し、それぞれに付いて発生する反りの量を計測した。具体的には、使用する熱硬化性樹脂の熱膨張係数を10×10−6/℃から17×10−6/℃の間で異ならせた8個の混成集積回路装置を用いて実験を行った。なお、金属基板16の材料であるアルミの熱膨張係数は、23×10−6/℃である。
【0056】
ここで、上述したように、金属基板16の材料であるアルミの熱膨張係数は23×10−6/℃である。従って、単純な考え方を行うと、金属基板16を封止する樹脂として、アルミと同等の熱膨張係数(23×10−6/℃)を有する熱硬化性樹脂を用いると、アフターキュアの工程に於いて基板の反りが発生しないように思える。しかしながら、混成集積回路装置10の構成要素としては、金属基板16と絶縁性樹脂12以外にも、金属基板16の表面には回路素子や絶縁層17等が設けられている。従って、金属基板と同等の熱膨張係数(23×10−6/℃)を有する熱硬化性樹脂を使用しても、回路素子や絶縁層等が相互に影響を及ぼすので、結果的に装置全体に反りが生じてしまう事が判明した。
【0057】
図9のグラフは、上記の条件で実験を行った結果を示している。同グラフに於いて、横軸は熱硬化性樹脂の熱膨張係数を示しており、縦軸はアフターキュアの工程において混成集積回路装置に発生する反りの量を示している。このグラフから明らかなように、熱膨張係数が13×10−6/℃の熱硬化性樹脂を用いた混成集積回路装置の反りの量が、最も小さく成っている。このことから、熱膨張係数が13×10−6/℃の熱硬化性樹脂を用いてトランスファーモールドを行うと、アフターキュアの工程に於いて、金属基板16に反りが発生するのを防止することができる。従って、基板を形成する材料の半分程度の熱膨張係数を有する熱硬化性樹脂を使用すると、アフターキュアの工程に於ける装置全体の反りを極力防止できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明では、以下に示すような効果を奏することができる。
【0059】
第1に、モールド金型20に並列して設けたキャビティ25の各々に対して、ランナー26を介して接続されたポット27を備えたので、キャビティ25からポット27までの距離を均一にすることができる。従って、樹脂成形を安定して行うことができる。
【0060】
第2に、1つのキャビティ25に対して、断面積の小さいポット27が2つ形成されるので、モールド金型20におけるポット27が占める面積を小さくすることができる。従って、1つのモールド金型20に多数個のキャビティ25を形成することができ、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモールド金型を説明する平面図(A)、断面図(B)である。
【図2】本発明のモールド金型を説明する平面図(A)、平面図(B)である。
【図3】本発明の混成集積回路装置の製造方法を説明する断面図である。
【図4】本発明の混成集積回路装置の製造方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の混成集積回路装置の製造方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の混成集積回路装置の製造方法を説明する断面図である。
【図7】本発明の混成集積回路装置の製造方法を説明する斜視図である。
【図8】本発明の混成集積回路装置の斜視図(A)、断面図(B)である。
【図9】樹脂の熱膨張係数と基板の反りとの関係を示す特性図である。
【図10】従来の混成集積回路装置の斜視図(A)、断面図(B)である。
【図11】従来の混成集積回路装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】従来のモールド金型を説明する平面図である。
Claims (8)
- 並列して設けられた複数個のキャビティと、前記キャビティの各々に連続するランナーと、前記ランナーの各々に接続されたポットとを備え、
前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて前記各キャビティに供給することを特徴とするモールド金型。 - 前記キャビティには、前記ランナーを介して複数個のポットが接続することを特徴とする請求項1記載のモールド金型。
- 前記ポットは、樹脂から成るタブレットが複数個投入されるように形成されることを特徴とする請求項1記載のモールド金型。
- 前記キャビティの整列方向と、前記ポットの整列方向を平行にすることを特徴とする請求項1記載のモールド金型。
- 並列して設けられた複数個のキャビティと、前記キャビティの各々に連続するランナーと、複数個の前記ランナーに接続された複数のポットとを備え、
前記ポット内の樹脂を前記各ランナーを通じて複数個の前記キャビティに供給することを特徴とするモールド金型。 - 複数個の前記ポット内の樹脂を、対向する2つのキャビティに供給することを特徴とする請求項5記載のモールド金型。
- 表面に部品が組み込まれた基板を下金型に載置する工程と、上金型と下金型とを噛み合わせることにより前記基板が収納されるキャビティを密閉する工程と、
前記キャビティに連続するランナーに接続された複数個のポットに、絶縁性樹脂から成るタブレットを投入する工程と、
複数個の前記ポットに投入された前記タブレットをプランジャーで同時に加圧することにより、前記ランナーを介して、融解した絶縁性樹脂を前記キャビティに圧送する工程とを有することを特徴とする混成集積回路装置の製造方法。 - 複数個のタブレットを1つの前記ポットに投入することを特徴とする請求項7記載の混成集積回路装置の製造方法。
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JP2012131142A (ja) * | 2010-12-22 | 2012-07-12 | Apic Yamada Corp | モールド金型及び樹脂モールド装置 |
KR20160084975A (ko) * | 2015-01-07 | 2016-07-15 | 세메스 주식회사 | 반도체 소자 몰딩 장치 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002253986A patent/JP2004090371A/ja active Pending
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