JP5663659B2 - 導光体用ポリカーボネート樹脂組成物、並びにそれからなる導光体および面光源体 - Google Patents
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Description
しかしながら、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の液晶表示装置や照明器具等の用途によっては、ポリカーボネートの透明性が充分で無い場合がある。すなわち光源から受光し面発光するような面光源体においては、端面まで均一・効率的に面発光させる上で、材質には光源からの光の減衰が少ない特性すなわち導光性が求められる。
また軽量で加工性に優れたものが望まれているという観点からも、従来は、熱可塑性樹脂の中で、ポリメチルメタアクリレート(以下「PMMA」と称することがある)が最も適した材料として用いられてきた。しかしながら、PMMAは、耐熱性、耐衝撃性、難燃性等が必ずしも十分でなく、前述の用途においては使用環境が制限されるという問題点がある。
ポリカーボネートの導光性を改良した例としては、芳香族ポリカーボネート樹脂と透明性のより高いアクリル系樹脂を混合してなる組成物が挙げられる(特許文献1−4)。また、粘度平均分子量が13,000〜15,000であるポリカーボネート樹脂に安定剤と離型剤を配合した導光体用樹脂組成物が報告されている(特許文献5)。これらは、いずれもポリカーボネートの導光性を改良しているが、難燃性については述べられていない。難燃性を有し、かつ透明性を有するポリカーボネート樹脂組成物についても報告されている。(特許文献6−9)、しかしながら、これらの報告については、透明性については述べられているものの、導光性については述べられていない。
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂に、従来、難燃剤として用いられてきた金属塩系化合物を含有させると、光拡散剤を用いなくても、ポリカーボネート樹脂の導光性を向上させることができ、導光性に優れ、難燃性にも優れる樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
樹脂組成物は、A成分100重量部に対し、0.001〜0.1重量部のトリアルキルホスフェート(C成分)および0.001〜1.0重量部のトリアルキルホスフェート以外の熱安定剤(D成分)を含有することが好ましい。
D成分が、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、および下記式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
D成分が、下記式(4)で表される化合物であることが好ましい。
D成分が、下記式(5)で表される化合物であることが好ましい。
B成分が、パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、および芳香族系イミドのアルカリ(土類)金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機アルカリ(土類)金属塩であることが好ましい。アルカリ(土類)金属塩とは、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩のことである。
A成分が、構造粘性指数(N)1.5〜2.5であるポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
本発明は、前記導光体、反射板および光源を含む面光源体を包含する。
前記方法は、(i)100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物を用意し、
(ii)該樹脂組成物を用いて成形体を成形する,
各工程を含むことが好ましい。
本発明の導光体用樹脂組成物は、光拡散剤を含有しないが、優れた導光性を示し、かつ難燃性を有する。
本発明の導光体とは、板状の形態のいわゆる導光板や棒状の形態のものを含む。いずれも成形体中に光を導く光学製品のことをいう。本発明の導光体は、レンズ、レンズカバーのように成形体の面に垂直に光を通過させるものにも用いることはできるが、むしろ成形体の面方向に沿って光を導く液晶表示装置に用いられる導光板のような表示光学製品に用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、光拡散剤を含有しないことを特徴とする。ここで、光拡散剤とは、ポリカーボネート樹脂(A成分)との屈折率の差が0.001以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更により好ましくは0.08以上である微粒子のことを言う。
該微粒子としては、高分子微粒子に代表される有機系微粒子、無機系微粒子などが挙げられる。その中でも、高分子微粒子が好ましく、特に非架橋性モノマーと架橋性モノマーとを重合して得られる架橋粒子が好適に使用できる。
かかる架橋粒子において、非架橋性モノマーとして使用されるモノマーとして、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー等の非架橋性ビニル系モノマーおよびオレフィン系モノマー等を挙げることができる。
また、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、およびエチルスチレン等のアルキルスチレン、並びにブロモ化スチレンの如きハロゲン化スチレンを使用することができる。特にスチレンが好ましい。
アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルを使用することができる。また、オレフィン系モノマーとしては、エチレンおよび各種ノルボルネン型化合物等を使用することができる。さらに、他の共重合可能な他のモノマーとして、グリシジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、および無水マレイン酸等を例示することができる。本発明の有機架橋粒子は結果としてN−メチルグルタルイミドの如き単位を有することもできる。
本発明の樹脂組成物は、光拡散剤を含有させなくても、導光性を発揮する。その理由は、検証中であるが、ポリカーボネート樹脂中で金属塩系化合物(B成分)による微細な気泡が発生し導光性が発現することが考えられる。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、通常、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたもの、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
ここで使用されるジヒドロキシ成分としては、通常、芳香族ポリカーボネートのジヒドロキシ成分として使用されているものであればよく、ビスフェノール類でも脂肪族ジオール類でも良い。
R9〜R10の炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。R9〜R10の炭素原子数1〜10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
Xの炭素原子数2〜8の二価脂肪族基として、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素原子数2〜10のアルキレン基が挙げられる。
殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’−スルホニルジフェノール、および9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、上記式(5)で表されるビスフェノール化合物が好ましい。
中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A成分)を分岐化ポリカーボネート樹脂とした場合、その構造粘性指数(N)は1.5〜2.5の範囲であることが好ましく、1.5〜2.2の範囲がより好ましく、1.6〜2.2の範囲がさらに好ましく、1.7〜2.2の範囲が最も好ましい。なお本発明でいう構造粘性指数(N)とは溶融流動特性を特徴付ける指標として用いられ、下記式〔1〕で表される。
これらのポリカーボネート樹脂は、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えば芳香族ジヒドロキシ成分にホスゲンや炭酸ジエステル等のカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。その製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
式(7)中、炭素原子数1〜9のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等が挙げられる。アルキルフェニル基、フェニルアルキル基のアルキル部分として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
上記式(7)で表される単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クレゾール、p−クミルフェノール、2−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、およびイソオクチルフェノール等が挙げられる。
また、上記式(8)〜(9)で表される単官能フェノール類は、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族エステル基を置換基として有するフェノール類であり、これらを用いてポリカーボネート樹脂の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、樹脂の吸水率を低くする効果があり好ましく使用される。
上記式(8)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
ポリカーボネート樹脂(A成分)の粘度平均分子量は、13,000〜50,000の範囲が好ましく、16,000〜30,000がより好ましく、18,000〜28,000の範囲がさらにより好ましく、19,000〜26,000の範囲が最も好ましい。分子量が50,000を越えると溶融粘度が高くなりすぎて成形性に劣る場合があり、分子量が13,000未満であると機械的強度に問題が生じるだけでなく、難燃性が発揮しにくくなる場合がある。なお、本発明でいう粘度平均分子量は、まず次式にて算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、樹脂中の全Cl(塩素)量が好ましくは0〜200ppm、より好ましくは0〜150ppmである。ポリカーボネート樹脂中の全Cl量が200ppmを越えると、熱安定性が悪くなるので好ましくない。
金属塩系化合物(B成分)として、有機酸の金属塩が好ましく用いられる。有機酸の金属塩を構成する金属は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が好ましく、より好ましくはアルカリ金属である。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。特に好ましくはナトリウム、カリウム、セシウムである。これらは単独の使用だけでなく、2種以上を混合して使用することも可能である。
有機酸の金属塩を構成する有機酸としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、脂肪族リン酸、脂肪族亜リン酸、脂肪族イミド酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族リン酸、芳香族亜リン酸、芳香族イミド酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルリン酸、パーフルオロアルキル亜リン酸、パーフルオロアルキルイミド酸等が挙げられる。中でも脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、脂肪族リン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族リン酸、芳香族イミド酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルリン酸が好ましい。より好ましくは芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族イミド酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸である。更に好ましくは芳香族スルホン酸、芳香族イミド酸、パーフルオロアルキルスルホン酸である。これらは単独の使用だけでなく、2種以上を混合して使用することも可能である。
最も好ましくはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウムである。これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。
金属塩系化合物(B成分)の含有量は、A成分100重量部に対し、0.001〜0.1重量部であり、好ましくは0.01〜0.1重量部であり、より好ましくは0.01〜0.08重量部であり、さらに好ましくは0.03〜0.08重量部である。B成分が0.1重量部を超えると本発明の特徴である導光性が損なわれ、0.001重量部より少ないと導光性が損なわれるだけでなく、難燃性にも充分では無くなる。
トリアルキルホスフェート(C成分)としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェノール、トリイソプロピルホスフェート、トリ−tert−ブチルホスフェート、ジメチルイソプロピルホスフェート、ジブチルメチルホスフェート等が挙げられる。中でもトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェートが好ましく用いられる。これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。
トリアルキルホスフェート(C成分)の含有量は、A成分100重量部に対し、好ましくは0.001〜0.1重量部であり、より好ましくは0.001〜0.08重量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.05重量部であり、最も好ましくは、0.005〜0.05重量部である。C成分がこの範囲内にあると、本発明の導光体用樹脂組成物を成形する際の分子量低下やそれに伴う色相悪化や難燃性低下等を抑えることができ、導光性を向上させることができるため好ましい。
トリアルキルホスフェート以外の熱安定剤(D成分)として、下記式(1)〜(5)で表されるリン系熱安定剤が好ましく用いられる。
Ar1、Ar2の芳香族基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。Ar1、Ar2のアルキル置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
Ar3の芳香族基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。Ar3のアルキル置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
式(4)中、アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基に置換するアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
アリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基に置換するアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。アリール基に置換するアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
式(5)中、R3〜R11の炭素原子数1〜12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。アリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基として、ベンジル基等が挙げられる。
式(5)中、R7の炭素原子数1〜4のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等が挙げられる。
これらのうち、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましい。具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの1種もしくは2種を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる2種の混合物である。
上記式(4)で表されるリン系熱安定剤の好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオクタデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。特にジオクタデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
なお、式(5)のリン系熱安定剤は公知の方法で製造できる。例えば下記式(10)に示されるビスフェノール化合物と三塩化リンとを反応させて相当する塩化リン酸を得て、その後、それと下記式(11)で示されるフェノールとを反応させる方法等がある。
式(10)中、R12〜R15の炭素原子数1〜12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等が挙げられる。シクロアルキル基として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基として、ベンジル基等が挙げられる。
式(10)中、R16の炭素原子数1〜4のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等が挙げられる。
式(11)中、R18〜R20の炭素原子数1〜12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル等が挙げられる。シクロアルキル基として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数4〜10のシクロアルキル基が挙げられる。アリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基として、ベンジル基等が挙げられる。
これらのうち、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好ましい。
トリアルキルホスフェート以外の熱安定剤(D成分)の含有量は、A成分100重量部に対し、好ましくは0.001〜1.0重量部であり、より好ましくは0.001〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.1重量部であり、特に好ましくは、0.01〜0.1重量部であり、最も好ましくは0.03〜0.1重量部である。D成分がこの範囲内にあると、本発明の導光体用ポリカーボネート樹脂組成物を成形する際の分子量低下や色相悪化等を抑えることができ、導光性を向上させることができるため好ましい。
一方、本発明の導光体用樹脂組成物には、透明性・導光性を損なうことがない限り、他の樹脂や充填剤は配合しても差し支えないが、他の樹脂や充填剤の多くは透明性に支障を来すので、その種類や量の選択は、その点を考慮すべきである。
本発明の導光体用樹脂組成物には、透明性を損なうことがない限り、成形体の機械的物性、化学的性質または電気的性質の改良のために、A成分以外の他の熱可塑性樹脂を配合することができる。この他の熱可塑性樹脂の配合量は、その種類および目的によって変わるが、通常、A成分100重量部当たり、0.01〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部、更により好ましくは1〜20重量部が適当である。
かかる添加剤としては、ドリップ防止剤(フィブリル形成能を有する含フッ素ポリマー等)、C成分およびD成分以外の熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子等)、着色剤(顔料、染料)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤またはフォトクロミック剤が挙げられる。
本発明の導光体用樹脂組成物の難燃性、酸化防止性、光安定性(紫外線安定性)、離型性および金型腐食の改良のために、ポリカーボネート樹脂において、これらの改良に使用されている添加剤が有利に使用される。以下これら添加剤について具体的に説明する。
かかるシリコーン化合物は好ましくはSi−H基を含有するシリコーン化合物である。特に、分子中にSi−H基および芳香族基を含有するシリコーン化合物であって、
(1)Si−H基が含まれる量(Si−H量)が0.1〜1.2mol/100g
(2)下記式(12)で示される芳香族基が含まれる割合(芳香族基量)が10〜70重量%、かつ
(3)平均重合度が3〜150
であるシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物であることが好ましい。
さらに好ましくは、Si−H基含有単位として、下記式(13)および(14)で示される構成単位のうち、少なくとも一種以上の式で示される構成単位を含むシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物である。
より好ましくは、Mを1官能性シロキサン単位、Dを2官能性シロキサン単位、Tを3官能性シロキサン単位とするとき、MD単位またはMDT単位からなるシリコーン化合物である。
前記式(13)および(14)で示される構成単位のうち、少なくとも一種以上の式で示される構成単位を含むシリコーン化合物において、複数のシロキサン結合の繰返し単位を有する場合は、それらはランダム共重合、ブロック共重合、テーパード共重合のいずれの形態を取ることも可能である。
また、ここで言うSi−H基量とは、シリコーン化合物100gあたりに含まれるSi−H構造のモル数を言うが、これはアルカリ分解法により、シリコーン化合物の単位重量当たり発生した水素ガスの体積を測定することにより求めることができる。例えば、25℃においてシリコーン化合物1g当たり122mlの水素ガスが発生した場合、下記計算式により、Si−H量は0.5mol/100gとなる。
122×273/(273+25)÷22400×100≒0.5
なお、ここで芳香族基量とは、シリコーン化合物において、前述した式(12)で示される芳香族基が含まれる割合のことを言い、下記計算式によって求めることができる。
芳香族基量=〔A/M〕×100(重量%)
ここで、上記式におけるA、Mはそれぞれ以下の数値を表す。
A=シリコーン化合物1分子中に含まれる、全ての式(12)で示される芳香族基部分の合計分子量
M=シリコーン化合物の分子量
さらに本発明で使用されるシリコーン化合物は、105℃/3時間における加熱減量法による揮発量が18%以下であることが好適である。さらに好ましくは揮発量が10%以下であるシリコーン化合物である。揮発量が18%より大きいと本発明の樹脂組成物を押出してペレット化を行う際に、樹脂からの揮発物の量が多くなる問題が生じ、さらに、本発明の導光体中に生じる気泡が多くなりやすいという問題がある。
シリコーン化合物としては、上記の条件を満たすものであれば直鎖状であっても分岐構造を持つものであっても良く、Si−H基を分子構造中の側鎖、末端、分岐点の何れか、または複数の部位に有する各種の化合物を用いることが可能である。
一般的に分子中にSi−H基を含有するシリコーン化合物の構造は、以下に示す4種類のシロキサン単位を任意に組み合わせることによって構成される。
M単位:(CH3)3SiO1/2、H(CH3)2SiO1/2、H2(CH3)SiO1/2、(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2、(CH3)2(C6H5)SiO1/2、(CH3)(C6H5)(CH2=CH)SiO1/2等の1官能性シロキサン単位
D単位:(CH3)2SiO、H(CH3)SiO、H2SiO、H(C6H5)SiO、(CH3)(CH2=CH)SiO、(C6H5)2SiO等の2官能性シロキサン単位
T単位:(CH3)SiO3/2、(C3H7)SiO3/2、HSiO3/2、(CH2=CH)SiO3/2、(C6H5)SiO3/2等の3官能性シロキサン単位
Q単位:SiO2で示される4官能性シロキサン単位
(上記示性式中の係数m、n、p、qは各シロキサン単位の重合度を表す整数である。またm、n、p、qのいずれかが2以上の数値である場合、その係数の付いたシロキサン単位は、結合する水素原子やヘテロ原子含有官能基を有しても良い炭素原子数1〜20の炭化水素基が異なる2種以上のシロキサン単位とすることができる。)
(ただし M:(CH3)3SiO1/2、
MH:H(CH3)2SiO1/2、
D:(CH3)2SiO、
DH:H(CH3)SiO、
Dφ2:(C6H5)2Si、
T:(CH3)SiO3/2、
Tφ:(C6H5)SiO3/2)
を有しており、1分子あたりに有する各シロキサン単位の平均数をそれぞれm、mh、d、dh、dp2、t、tpとした場合、下記関係式のすべてを満足することが好ましい。
2 ≦ m+mh ≦ 40
0.35 ≦ d+dh+dp2 ≦ 148
0 ≦ t+tp ≦ 38
0.35 ≦ mh+dh ≦ 110
この範囲を外れると本発明の導光体用樹脂組成物において良好な難燃性と優れた光学特性を同時に達成することが困難となり、場合によってはSi−H基を含有するシリコーン化合物の製造が困難となる。
本発明の導光体用樹脂組成物に配合することができる酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。フェノール系酸化防止剤により熱暴露時の変色を抑制できると共に、導光性の向上に対してもある程度の効果を発揮する。かかるフェノール系酸化防止剤としては種々のものを使用することができる。
上記に挙げたフェノール系酸化防止剤、およびイオウ含有酸化防止剤はそれぞれ単独または2種以上併用することができる。
これらのフェノール系酸化防止剤、またはイオウ含有酸化防止剤はそれぞれA成分100重量部に対し、0.0001〜1重量部であることが好ましい。より好ましくは0.0005〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.2重量部である。
さらに紫外線吸収剤としては例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール、2−(4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール等のヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤および光安定剤の含有量は、それぞれA成分100重量部当たり0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量部である。
本発明の導光体用樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばA〜D成分および任意に他の成分をそれぞれV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機等の予備混合手段を用いて充分に混合した後、必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーン等により造粒を行い、その後ベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する方法が挙げられる。別法として、A〜D成分および任意に他の成分をそれぞれ独立にベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機に供給する方法、A成分および他の成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法、B成分を水または有機溶剤で希釈混合した後、溶融混練機に供給、またはかかる希釈混合物を他の成分と予備混合した後、溶融混練機に供給する方法等も挙げられる。なお、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融混練機への供給にいわゆる液注装置、または液添装置を使用することができる。
本発明の導光体は、優れた導光性を有する。光源からの距離が離れても輝度の減少する割合が小さい。すなわち、本発明の導光体の導光性は、実施例に記載した輝度が光源からの距離が離れても高い場合に導光性が良好であると定義する。具体的には、該輝度が、光源そのものの輝度に対し50%以上である場合に導光性が良好であると定義する。
本発明の導光体は、前記導光体用樹脂組成物から形成される。本発明の導光体を製造するには、任意の方法が採用される。例えば前記導光体用該樹脂組成物を押出機、バンバリーミキサーおよびロール等で混練した後、射出成形、押出成形または圧縮成形等従来公知の方法で成形し、導光体を得ることができる。導光体の形状は板状、円柱状、球状など使用する用途によっていかようの形状であっても良い。また表面をプリズム状に加工しても良い。
本発明の面光源体は、本発明の導光体(導光板)、反射板および光源を含む。反射板は、該導光体の片面に設置する。反射板は、導光体を成形する際に、片面を、プリズム状に加工しても良い。また導光体を成形した後、反射板を積層しても良い。
光源は、導光体の少なくとも一方の側面に設ける。光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED、レーザーダイオード、有機EL等の自己発光体を使用できる。
本発明の導光体および面光源体は、携帯電話、携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、ディスプレイ、照明、信号、自動車のランプ、家電・光学機器の表示部品等に使用される。特には電機製品としてのLEDを光源とする場合のように、周辺機器に難燃性が求められる場合等には、本発明の導光体および面光源体が好適に使用される。
本発明は、光拡散剤を用いることなく樹脂組成物から形成された成形体の輝度を光源の輝度に対して50%以上に向上させる方法であって、但し、輝度は、縦150mm、横150mm、厚さ5.0mm、Raが0.03μmの成形体の一辺(照射辺)の端面に光源を配置し、照射辺と対面にある端面で測定する、樹脂組成物として、100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物を用いることを特徴とする方法を包含する。
前記方法は、(i)100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物を用意し、
(ii)該樹脂組成物を用いて成形体を成形する,
各工程を含むことが好ましい。
本発明方法によれば、光拡散剤を用いることなく樹脂組成物から形成された成形体の導光性を向上させることができる。光源そのものの輝度に対し、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上の輝度にすることが好ましい。
尚、評価としては以下の項目について実施した。
実施例の各組成から得られたペレットを120℃で6時間、熱風乾燥機にて乾燥し、射出成形機[住友重機械工業(株)SG150U・S−M IV]により、シリンダー温度320℃、金型温度80℃で縦150mm×横150mm、厚さ5.0mm、Raが0.03μmのプレートを成形し、導光板とした。この導光板の一辺(照射辺)の端面側に光源(冷陰極管)を配置し、照射辺と対面にある端面の輝度をトプコン社製BM−7にて測定した。この際、導光板の両面を黒色の光吸収板で挟み、また照射辺からの漏れ光がないようにした。光源の輝度は4850cd/m2であった。
(ii)Haze
得られた導光板のHazeをJIS K7105に準じて測定した。ヘーズが2%以下のものを○、2%より大きく20%未満のものを△、20%以上のものを×とした。
(iii)難燃性
実施例の各組成から得られたペレットを120℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[東芝機械(株)IS150EN−5Y]によりシリンダー温度320℃、金型温度80℃で難燃性評価用の試験片を成形した。UL規格94の垂直燃焼試験を、厚み2.0mmで行いその等級を評価した。なお、判定がV−0、V−1、V−2のいずれの基準も満たすことが出来なかった場合「notV」と示すこととする。
[樹脂組成物の調製]
表1記載の配合割合からなる樹脂組成物を以下の要領で作成した。尚、説明は以下の表中の記号にしたがって説明する。表1の割合の各成分を計量して、タンブラーを用いて均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。押出機としては径30mmφのベント式二軸押出機((株)神戸製鋼所KTX−30)を使用した。スクリュー構成はベント位置以前に第1段のニーディングゾーン(送りのニーディングディスク×2、送りのローター×1、戻しのローター×1および戻しニーディングディスク×1から構成される)を、ベント位置以後に第2段のニーディングゾーン(送りのローター×1、および戻しのローター×1から構成される)を設けてあった。シリンダー温度およびダイス温度が290℃、およびベント吸引度が3000Paの条件でストランドを押出し、水浴において冷却した後ペレタイザーでストランドカットを行い、ペレット化した。
なお、表1及び表2に記載の使用した原料等は以下の通りである。
A−1:分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(分岐率0.97mol%、分子量25,100、構造粘性指数(N)2.03)
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水2340部、25%水酸化ナトリウム水溶液947部、ハイドロサルファイト0.7部を仕込み、攪拌下にビスフェノールA710部を溶解した(ビスフェノールA溶液)後、塩化メチレン2299部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液112部、14%濃度の水酸化ナトリウム水溶液に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを25%濃度で溶解した水溶液38.1部(1.00mol%)を加えて、15〜25℃でホスゲン354部を約90分かけて吹き込みホスゲン化反応を行った。
ホスゲン化終了後、11%濃度のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液219部と48.5%水酸化ナトリウム水溶液88部を加えて、攪拌を停止し、10分間静置分離後、攪拌を行い乳化させ5分後、ホモミキサー(特殊機化工業(株))で回転数1200rpm、パス回数35回で処理し高乳化ドープを得た。該高乳化ドープを重合槽(攪拌機付き)で、無攪拌条件下、温度35℃で3時間反応し重合を終了した。
反応終了後、塩化メチレン5728部を加えて希釈した後、反応混合液から塩化メチレン相を分離し、分離した塩化メチレン相にイオン交換水5000部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。
次に水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで水洗浄を繰返し、精製ポリカーボネート樹脂溶液を得た。次に、該精製ポリカーボネート樹脂溶液を、イオン交換水100Lを投入した1000Lニーダーで、液温75℃にて塩化メチレンを蒸発させて粉粒体を得た。該粉粒体25部と水75部を攪拌機付熱水処理槽に投入し、水温95℃で30分間攪拌混合した。次いで、該粉粒体と水の混合物を遠心分離機で分離して、塩化メチレン0.5重量%、水45重量%を含む粉粒体を得た。
次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/hr(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥して、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂粉粒体を得た。
このようにして得られた分岐構造を有するポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量25,100、分岐率0.97mol%、構造粘性指数(N)2.03であった。
A−2:分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(分岐率0.95mol%、分子量20,300、構造粘性指数(N)1.72)
11%濃度のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液261部に変更した以外は、A−1の製造方法と同様に行い、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂粉粒体を得た。このようにして得られた分岐構造を有するポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量20,300、分岐率0.95mol%、構造粘性指数(N)1.72であった。
A−3:分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(分岐率0.98mol%、分子量16,200、構造粘性指数(N)1.50)
11%濃度のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液315部に変更した以外は、A−1の製造方法と同様に行い、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂粉粒体を得た。このようにして得られた分岐構造を有するポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量16,200、分岐率0.98mol%、構造粘性指数(N)1.50であった。
A−4:直鎖状ポリカーボネート樹脂(ホスゲン法で作成されたビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールからなるポリカーボネート樹脂。かかるポリカーボネート樹脂はアミン系触媒を使用せず製造され、芳香族ポリカーボネート樹脂末端中、末端水酸基の割合は10mol%であり、粘度平均分子量は25,500、構造粘性指数(N)1.48であった。)
A−5:直鎖状ポリカーボネート樹脂(ホスゲン法で作成されたビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールからなるポリカーボネート樹脂。かかるポリカーボネート樹脂はアミン系触媒を使用せず製造され、芳香族ポリカーボネート樹脂末端中、末端水酸基の割合は10mol%であり、粘度平均分子量は19,700、構造粘性指数(N)1.27であった。)
B−1:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ(株)製メガファックF−114P)
B−2:パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩(大日本インキ(株)製メガファックF−114S)
B−3:ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム塩(ユーシービージャパン製KSS)
C−1:トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製TMP)
D−1:リン系熱安定剤(クラリアントジャパン(株)製ホスタノックスP−EPQ、主成分テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト)
D−2:リン系熱安定剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製Irgafos168、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト))
D−3:リン系熱安定剤(旭電化工業(株)製アデカスタブPEP−36、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)
D−4:リン系熱安定剤(旭電化工業(株)製アデカスタブPEP−8、ジオクタデシルペンタエリスリトールジホスファイト)
(その他成分)
SIH:Si−H基および芳香族基を含有するシリコーン化合物
(SIHの製造)
IRG:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irganox1076)
G250:エポキシ基を有する化合物(日油(株)製:マープルーフG−0250S)
SL:グリセリントリステアレートを主成分とする脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製SL−900)
LD:ビーズ状架橋シリコーン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社(株)製:TSR9002)
実施例1に記載の樹脂組成物を120℃で6時間、熱風乾燥機にて乾燥し、射出成形機[住友重機械工業(株)SG150U・S−M IV]により、シリンダー温度320℃、金型温度80℃で縦150mm×横150mm、厚さ2.0mm(片面に凹凸パターンが印刷されている)のプレートを成形し、導光板とした。
該導光板、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部および酸化チタン10重量部よりなる樹脂組成物製の白色板である反射板(厚さ1.0mm)、および冷陰極管である光源(輝度3,300cd/m2)を使用し、図1の面光源体を作成した。該面光源体は、光源から20mmの位置における輝度(L1)と130mmの位置における輝度(L2)の比(L2/L1)が0.93であり、輝度が低下することがなく均一な面発光性を示した。
実施例1に記載の樹脂組成物を120℃で6時間、熱風乾燥機にて乾燥し、射出成形機[住友重機械工業(株)SG150U・S−M IV]により、シリンダー温度320℃、金型温度80℃で直径10mm、長さ200mmの円柱形状の成形品を成形し、導光体とした。
該導光体、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部および酸化チタン10重量部よりなる樹脂組成物製の白色板である反射層(最厚み部分が1.5mm)、およびLED光源(輝度4,850cd/m2)を使用し、図2の面光源体を作成した。該面光源体は、光源から20mmの位置における輝度(L1)と180mmの位置における輝度(L2)の比(L2/L1)が0.9であり、輝度が低下することがなく均一な面発光性を示した。
B.導光板
C.反射板
Claims (19)
- 100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物より形成され、輝度が光源の輝度に対し50%以上である導光体、但し、輝度は、縦150mm、横150mm、厚さ5.0mm、Raが0.03μmの成形体の一辺(照射辺)の端面に光源を配置し、照射辺と対面にある端面で測定する。
- 樹脂組成物は、A成分100重量部に対し、0.001〜0.1重量部のトリアルキルホスフェート(C成分)および0.001〜1.0重量部のトリアルキルホスフェート以外の熱安定剤(D成分)を含有する請求項1に記載の導光体。
- D成分が、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、および下記式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項2に記載の導光体。
- D成分が、下記式(4)で表される化合物である請求項2に記載の導光体。
- D成分が、下記式(5)で表される化合物である請求項2に記載の導光体。
- B成分が、有機アルカリ金属塩および/または有機アルカリ土類金属塩である請求項1に記載の導光体。
- B成分が、パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、および芳香族系イミドのアルカリ(土類)金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機アルカリ(土類)金属塩である請求項6に記載の導光体。
- A成分が、構造粘性指数(N)1.5〜2.5であるポリカーボネート樹脂である請求項1に記載の導光体。
- 請求項1に記載の導光体、反射板および光源を含む面光源体。
- 100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物であって、該樹脂組成物から形成された成形体の輝度が光源の輝度に対し50%以上である導光体用樹脂組成物、但し、輝度は、縦150mm、横150mm、厚さ5.0mm、Raが0.03μmの成形体の一辺(照射辺)の端面に光源を配置し、照射辺と対面にある端面で測定する。
- A成分100重量部に対し、0.001〜0.1重量部のトリアルキルホスフェート(C成分)および0.001〜1.0重量部のトリアルキルホスフェート以外の熱安定剤(D成分)を含有する請求項10に記載の導光体用樹脂組成物。
- D成分が、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、および下記式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項11に記載の導光体用樹脂組成物。
- D成分が、下記式(4)で表される化合物である請求項11に記載の導光体用樹脂組成物。
- D成分が、下記式(5)で表される化合物である請求項11に記載の導光体用樹脂組成物。
- B成分が、有機アルカリ金属塩および/または有機アルカリ土類金属塩である請求項10に記載の導光体用樹脂組成物。
- B成分が、パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩および芳香族系イミドのアルカリ(土類)金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機アルカリ(土類)金属塩である請求項15に記載の導光体用樹脂組成物。
- A成分が、構造粘性指数(N)1.5〜2.5であるポリカーボネート樹脂である請求項10に記載の導光体用樹脂組成物。
- 光拡散剤を用いることなく樹脂組成物から形成された成形体の輝度を光源の輝度に対して50%以上に向上させる方法であって、但し、輝度は、縦150mm、横150mm、厚さ5.0mm、Raが0.03μmの成形体の一辺(照射辺)の端面に光源を配置し、照射辺と対面にある端面で測定する、樹脂組成物として、100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物を用いることを特徴とする方法。
- (i)100重量部のポリカーボネート樹脂(A成分)および0.001〜0.1重量部の金属塩系化合物(B成分)を含有し、光拡散剤を含有しない樹脂組成物を用意し、
(ii)該樹脂組成物を用いて成形体を成形する,
各工程を含む請求項18記載の方法。
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