JP5663482B2 - ピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法及びその合成中間体 - Google Patents

ピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法及びその合成中間体 Download PDF

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Description

本発明は、ピリミジニルアセトニトリル誘導体を製造する方法及びその合成中間体に関するものである。
ピリミジニルアセトニトリル誘導体である(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルについては、この化合物を酸化して得られる(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンを経て、除草剤の合成中間体である(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールに誘導できることが知られている(特許文献1参照)。
この(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルを得る方法として、塩基存在下、4−ハロゲノ−2−アルコキシメチルニトロベンゼンと置換フェノキシ基で置換されたアセトニトリルを反応させて、5−ハロゲノ−3−アルコキシメチル−2−ニトロフェニルアセトニトリルを得た後、塩基存在下に4,6−ジメトキシ−2−メチルスルホニルピリミジンと反応させる方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、特許文献1の実施例2によれば4−クロロ−2−メトキシメチルニトロベンゼンと4−クロロフェノキシアセトニトリルとの反応を、−50℃乃至−20℃の低温下で行っている上、目的物収率も23%であり、従って工業的実施により適した方法の開発が望まれていた。
特開2003−212861号公報
本発明は、上記従来の技術の持つ欠点を解決し、工業的に入手可能な原料から、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルに代表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体を、簡便に効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされた。
上記のような状況に鑑み、本発明者が(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルに代表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体を製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物を4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジンと反応させることにより、上記課題を解決できること、及び、2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、工業的に入手容易な3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物か、又は3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物から誘導できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。尚、2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物、及び、その前駆体である2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物は新規化合物である。
即ち、本発明は、下記〔1〕乃至〔7〕に記載の発明を提供することにより前記課題を解決したものである。
〔1〕塩基存在下、一般式(1)
Figure 0005663482

(式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物を、式(2)
Figure 0005663482

(式中、Meはメチル基を示す。)
で表される4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジンと反応させることを特徴とする、一般式(3)
Figure 0005663482

(式中、X、R、Meは前記と同じ意味を示す。)
で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
〔2〕一般式(1)
Figure 0005663482

(式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物が、一般式(4)
Figure 0005663482

(式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を塩基存在下にアルキル化することにより(A法)、又は、一般式(5)
Figure 0005663482

(式中、R’はアルキル基を示し、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物をニトロ化することにより(B法)、一般式(6)
Figure 0005663482

(式中、X、R’は前記と同じ意味を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を得た後、得られた3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を還元して、一般式(7)
Figure 0005663482

(式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物とし、更に、得られた2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物を塩基存在下にアルキル化することにより製造されるものである、〔1〕に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
〔3〕一般式(6)
Figure 0005663482

(式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物が、一般式(4)
Figure 0005663482

(式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を塩基存在下にアルキル化すること(A法)により製造されるものである、〔2〕に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
〔4〕一般式(6)
Figure 0005663482

(式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物が、一般式(5)
Figure 0005663482

(式中、R’、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物をニトロ化すること(B法)により製造されるものである、〔2〕に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
〔5〕一般式(1)
Figure 0005663482

(式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物。
〔6〕一般式(7)
Figure 0005663482

(式中、Xは塩素原子を示す。)
で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物。
〔7〕一般式(1)
Figure 0005663482

(式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物が、一般式(6)
Figure 0005663482

(式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を還元して、一般式(7)
Figure 0005663482

(式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物とし、更に、得られた2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物を塩基存在下にアルキル化することにより製造されるものである、〔1〕に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
本発明方法により、ピリミジニルアセトニトリル誘導体の新規な工業的製造方法が提供される。本発明方法によれば、原料として、入手容易な3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸か、又は、3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物を用いて、特殊な反応装置を用いることなく、穏やかな条件下で目的とするピリミジニルアセトニトリル誘導体を高選択的に効率よく、しかも簡便な操作で製造できる。又、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物と3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物は、単純な構造の対称物質である3,5−ジクロロ安息香酸化合物から製造可能であることから、本発明方法により、入手容易な原料物質から、選択的に(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルのような非対称なフェニル基を有するピリミジニルアセトニトリル誘導体を収率よく製造できるようになった。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物について説明する。
一般式(1)中の置換基Xは、塩素を示す。
一般式(1)中の置換基Rは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1乃至6(以下、置換基の炭素数については、この場合では「C1〜C6」のごとく略記することがある。)のアルコキシ基が置換したメチル基{即ち(C1〜C6アルコキシ)−メチル基}を示し、具体的には例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基やヘキソキシメチル基等を挙げることができる。
従って、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物としては、具体的には例えば、2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルニトロベンゼン、2,4−ジクロロ−6−エトキシメチルニトロベンゼン、2,4−ジクロロ−6−プロポキシメチルニトロベンゼン、2,4−ジクロロ−6−イソプロポキシメチルニトロベンゼン、2,4−ジクロロ−6−ブトキシメチルニトロベンゼンを挙げることができる。尚、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は新規化合物である。
本発明方法は、塩基存在下、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物を、式(2)で表される4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジンと反応させることを特徴とする、一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法である。
式(2)で表される4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジン及び一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体における置換基Meはメチル基を示し、一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体における置換基X及びRは、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物におけるX及びRと同じ意味を示している。
従って、当反応で得られる、一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体としては、置換基X及びRとして上記一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物について例示した置換基の組み合わせを有するものを挙げることができる。
当反応においては、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物の2位の塩素のみを選択的に求核置換反応させて、一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体を選択的に得ることができる。
当反応における、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物と、式(2)で表される2−シアノメチル−4,6−ジメトキシピリミジンの使用モル比は、如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物1モルに対して、式(2)で表される2−シアノメチル−4,6−ジメトキシピリミジンは、通常0.1〜10.0モル、好ましくは0.5〜2.0モル、より好ましくは0.8〜1.2モルの範囲を例示することができる。
当反応は塩基の存在下で進行する。当反応に用いる塩基としては、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等に代表されるアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等に代表されるアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等に代表されるアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等に代表されるアルカリ金属炭酸水素塩等の無機塩基或いはこれら無機塩基の水溶液;水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物;ピリジン;N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン化合物等の有機塩基を挙げることができる。これらの塩基は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の使用が好ましく、水酸化ナトリウムの使用がより好ましい。
当反応における、塩基の使用モル比は、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物1モルに対して、0.2〜10.0モル、好ましくは1.0〜4.0モルの範囲を、より好ましくは2.0〜3.0モルの範囲を例示できる。
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン等の含ハロゲン溶媒;フェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類を用いるのがよく、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用いると特に好ましい。
溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であればよいが、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物1モルに対して通常0〜10l、好ましくは0.05〜10l、より好ましくは0.2〜2lの範囲であればよい。
当反応の反応温度は、0℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは0〜100℃の範囲がよい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜30時間がよい。
本発明方法の原料として用いる、前記一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、対称性を有する簡単な構造であって、工業的にも入手容易な3,5−ジクロロ安息香酸化合物から誘導可能な、前記一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物か、又は、前記一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物から容易に誘導することができる。
より具体的には、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を塩基存在下にアルキル化する(A法)か、又は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物をニトロ化する(B法)ことにより得られる、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を還元することにより、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物へと変換し、更に得られる2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物をアルキル化することにより得ることができる。
ここで、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物について説明する。
一般式(4)中の置換基Xは、前記と同じ意味を示す。
一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物は、公知の化合物であるか、或いは、例えば対称化合物である、対応する3,5−ジクロロ安息香酸化合物をニトロ化する方法か、対応する3,5−ジクロロ−2−アミノ安息香酸化合物のアミノ基を酸化させる方法か、又は、対応する3,5−ジクロロ−2−アミノ安息香酸化合物を原料としてアミノ基をジアゾ化した後、亜硝酸塩と反応させる方法等により製造することができる。
続いて、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物について説明する。
一般式(5)中の置換基R’はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC1〜C6アルキル基を示し、置換基Xは、前記と同じ意味を示す。
従って、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物としては、具体的には例えば、3,5−ジクロロ安息香酸メチル、3,5−ジクロロ安息香酸エチル、3,5−ジクロロ安息香酸n−プロピル、3,5−ジクロロ安息香酸n−ヘキシル等を挙げることができる。
一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物は公知の化合物であるか、或いは、対応する3,5−ジクロロ安息香酸を原料としてアルキル化する方法か、又は、対応する3,5−ジクロロ安息香酸を原料として慣用の方法(例えばハロゲン化チオニルと反応させる方法)で酸ハライドとした後に、アルキルエステル化する方法等により製造することができる。
続いて、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物の製造方法について説明する。
一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物は、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を、塩基存在下にアルキル化剤でアルキル化する(A法)か、又は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物を、ニトロ化剤でニトロ化する(B法)ことにより製造することができる。
A法
一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物の当アルキル化反応は、メチル化剤に代表されるアルキル化剤を用いる。当反応に用いるアルキル化剤としては、当反応が可能なアルキル化剤であればいずれでも構わず、アルキル化剤は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。
従って、当反応に使用できるアルキル化剤としては、具体的には例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジn−プロピル硫酸、ジイソプロピル硫酸に代表されるジアルキル硫酸;メタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸n−プロピル、トルエンスルホン酸n−プロピル、メタンスルホン酸イソプロピル、トルエンスルホン酸イソプロピル、メタンスルホン酸n−ブチル、メタンスルホン酸n−ペンチル、メタンスルホン酸n−ヘキシルに代表されるアルキルスルホン酸アルキルやアリールスルホン酸アルキル;ヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化プロピル、臭化プロピル、塩化プロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化イソプロピル、塩化イソプロピル、臭化ブチル、臭化ペンチル、臭化ヘキシル等に代表されるハロゲン化アルキル;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールに代表されるアルコール等の、「C1〜C6アルキル基」を導入できるアルキル化剤を挙げることができる。導入されるアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を例示することができる。尚、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点からジアルキル硫酸やアルキルスルホン酸アルキルの使用が好ましく、ジメチル硫酸、メタンスルホン酸メチルのようなメチル化剤がより好ましく、ジメチル硫酸の使用が特に好ましい。
当反応における、アルキル化剤の使用モル比は、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸1モルに対して、通常0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示できる。
当反応は塩基の存在下で進行する。当反応に用いる塩基としては、具体的には例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムに代表されるアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムに代表されるアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物等の無機塩基;ピリジン;N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン化合物等の有機塩基を挙げることができる。これらの塩基は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、無機塩基の使用が好ましく、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩の使用がより好ましく、具体的には炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムの使用が好ましく、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムの使用が特に好ましい。
当反応における、塩基の使用モル比は、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物1モルに対して、0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜2.5モルの範囲を例示できる。
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;フェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン等の含ハロゲン溶媒;ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。好ましくはアセトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類を用いるのがよく、アセトン、メチルイソブチルケトンを溶媒として用いると特に好ましい。
溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であればよいが、一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物1モルに対して通常0〜10l、好ましくは0.05〜10l、より好ましくは0.2〜2lの範囲であればよい。
当反応の反応温度は、0℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは10〜100℃の範囲がよい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜30時間がよい。
B法
一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物のニトロ化反応は、ニトロ化剤を用いる通常慣用の方法で実施することができる。当反応に用いるニトロ化剤としては、当反応が可能なニトロ化剤であればいずれでも構わず、ニトロ化剤は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。
当反応に使用できるニトロ化剤としては、具体的には例えば、硝酸、濃硝酸、発煙硝酸等が挙げられる。これらのニトロ化剤及びその濃度は、例えば「新実験化学講座」第14巻−III、1261−1267頁(昭和53年2月20日発行、丸善株式会社)に記載されている濃度にて用いることが可能である。具体的には例えば、20%硝酸、98%発煙硝酸等が挙げられ、この他に硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸アルカリ金属塩や、ニトロニウムトリフルオロメタンスルホナート等を使用してもよい。
当反応におけるニトロ化剤の使用モル比は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して、通常、0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示できる。
当反応は無触媒でも実施可能であるが、触媒を用いることもできる。当反応に用いる触媒としては、具体的には例えば、硫酸、濃硫酸、発煙硫酸等を挙げることができる。これらの濃度は、例えば前記「新実験化学講座」に記載されている濃度でよく、具体的には例えば、96%硫酸、30%発煙硫酸(SO%)等が挙げられる。これらの触媒は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。
当反応における、触媒の使用モル比は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して、0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲を例示できる。ただし、後述する溶媒を兼ねて使用する場合は、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量を用いても差し支えない。
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、硫酸、酢酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性溶媒類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等の含ハロゲン溶媒;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ニトロメタン等のニトロアルカン類等が挙げられる。好ましくは硫酸、酢酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸性溶媒類かジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類を用いるのがよく、ジクロロメタンを溶媒として用いると特に好ましい。
溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であればよいが、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して通常0〜10l、好ましくは0.05〜10l、より好ましくは0.2〜2lの範囲であればよい。
当反応の反応温度は、−20℃〜250℃の範囲を例示できるが、好ましくは0〜100℃の範囲がよい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは10分〜30時間がよい。
一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物、又は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物から上述のごとくして得られる、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物について説明する。
一般式(6)中の置換基R’、Xは前記と同じ意味を示すので、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物としては、具体的には例えば、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチル、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸エチル、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸n−プロピル、3,5−ジクロロ安息香酸n−ヘキシル等を挙げることができる。
続いて、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物の製造方法について説明する。尚、一般式(7)中の置換基Xは前記と同じ意味を示す。
一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼンは、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキルを還元することにより製造することができる。
当反応は還元剤を用いる。当反応に用いる還元剤としては、当反応が可能な還元剤であればいずれでも構わず、還元剤は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。
当反応に使用できる還元剤としては、具体的には例えば、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物;水素化リチウムアルミニウム等の水素化アルミニウム化合物等を挙げることができる。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物の使用がより好ましい。
当反応における、還元剤の使用モル比は、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して、通常0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲を例示できる。
当反応において、水素化ホウ素化合物を用いる場合にはアルコールを用いることが好ましい。当反応に用いるアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールに代表されるC1〜C6アルカノール;エチレングリコールに代表されるアルカンジオール等を挙げることができる。これらのアルコールは単独で、又は任意の割合で用いてもよい。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、メタノール、エタノールの使用が好ましく、メタノールの使用がより好ましい。
当反応における、アルコールの使用モル比は、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して、0.2〜20.0モル、好ましくは0.66〜6.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜4.0モルの範囲を例示できる。ただし、後述する溶媒を兼ねて使用する場合は、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量を用いても差し支えない。
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;フェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン等の含ハロゲン溶媒;ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。好ましくはフェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類又はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類を用いるのがよく、テトラヒドロフラン(THF)又はメタノールを溶媒として用いると特に好ましい。
溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であればよいが、一般式(6)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物1モルに対して通常0〜10l、好ましくは0.05〜10l、より好ましくは0.2〜2lの範囲であればよい。
当反応の反応温度は、0℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは10〜100℃の範囲がよい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜30時間がよい。
上述のごとく得られる、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼンは新規化合物である。
続いて一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン誘導体の製造方法について説明する。
一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、前述のごとくして得られる、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物をアルキル化することにより製造することができる新規化合物である。
当反応はアルキル化剤を用いる。当反応に用いるアルキル化剤としては当反応が可能なアルキル化剤であればいずれでも構わず、アルキル化剤は単独で、又は任意の割合で用いてもよい。具体的には例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジn−プロピル硫酸、ジイソプロピル硫酸に代表されるジアルキル硫酸;メタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸n−プロピル、トルエンスルホン酸n−プロピル、メタンスルホン酸イソプロピル、トルエンスルホン酸イソプロピル、メタンスルホン酸n−ブチル、メタンスルホン酸n−ペンチル、メタンスルホン酸n−ヘキシルに代表されるアルキルスルホン酸アルキルやアリールスルホン酸アルキル;ヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化エチル、ヨウ化プロピル、臭化プロピル、塩化プロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化イソプロピル、塩化イソプロピル、臭化ブチル、臭化ペンチル、臭化ヘキシル等に代表されるハロゲン化アルキル;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールに代表されるアルコール等の、「C1〜C6アルキル基」を導入できるアルキル化剤を挙げることができる。導入されるアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を例示することができる。尚、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点からはジアルキル硫酸、アルキルスルホン酸アルキル、ハロゲン化アルキルの使用が好ましく、より好ましいものとしてジメチル硫酸、ジエチル硫酸、メタンスルホン酸メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化イソプロピル、臭化ブチルを挙げることができる。
当反応における、アルキル化剤の使用モル比は、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物1モルに対して、0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示できる。
当反応は無触媒でも実施することができるが、反応を円滑に進めるために相間移動触媒を用いることが好ましい。当反応に用いる相間移動触媒としては、具体的には例えば、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB)等の四級アンモニウム塩、18−クラウン−6等の環状エーテル類(クラウンエーテル類)等を挙げることができる。これらの相間移動触媒は単独で、又は任意の割合で用いてもよい。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB)等の四級アンモニウム塩の使用が好ましく、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB)の使用がより好ましい。
当反応における、相間移動触媒の使用モル比は、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物1モルに対して、通常、0〜1.0モル、好ましくは0.001〜1.0モル、より好ましくは0.01〜0.5モルの範囲を、特に好ましくは0.02〜0.1モルの範囲を例示できる。
当反応は塩基の存在下で進行する。当反応に用いる塩基としては、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムに代表されるアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムに代表されるアルカリ金属炭酸水素塩等の無機塩基及びその水溶液;ピリジン;N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン化合物等の有機塩基を挙げることができる。これらの塩基は単独で、又は任意の割合で混用してもよい。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の水溶液の使用が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液の使用がより好ましい。
当反応における、塩基の使用モル比は、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物に対して如何なるモル比でも反応が進行するが、通常一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物1モルに対して、0.1〜10.0モル、好ましくは0.33〜3.0モルの範囲を、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示することができる。
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いうる溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン等の含ハロゲン溶媒;フェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素を用いるのがよく、トルエンを溶媒として用いると特に好ましい。
溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
溶媒量としては、反応系の攪拌が充分にできる量であればよいが、一般式(7)で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物1モルに対して通常0〜10l、好ましくは0.05〜10l、より好ましくは0.2〜2lの範囲であればよい。
当反応の反応温度は、0℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは0〜100℃の範囲がよい。
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜30時間がよい。
上述の通り得られる、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、入手容易な一般式(4)で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物か、又は、一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物から製造することができる新規化合物である。一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物は、入手容易な原料から簡便に誘導できるので、一般式(1)で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物を、式(2)で表される4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジンと反応させることにより、一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体を簡便に製造することが可能となった。
本発明によれば、原料として、入手容易な3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物か、又は、3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物を用いて、特別な反応装置を用いることなく、穏やかな条件下で高選択的に目的とするピリミジニルアセトニトリル誘導体を高選択的に効率よく、しかも簡便な操作で製造することができる。又、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物と3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物は、単純な構造の対称物質である3,5−ジクロロ安息香酸から製造可能であることから、本発明方法により、入手容易な原料物質から、選択的に(5−クロロ―3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルのような非対称なフェニル基を有するピリミジニルアセトニトリル誘導体を収率よく製造することができる。得られる一般式(3)で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体は、除草剤の合成中間体として有用な化合物である。
次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1:3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
メカニカルスターラー、温度計、還流管を備えた1lの四つ口フラスコに、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸129.0g(547mmol)、炭酸カリウム76g(550mmol)、アセトン550ml、ジメチル硫酸76.3g(600mmol)を加え、50℃で5時間攪拌した。減圧下にアセトンを回収した後、酢酸エチル400ml、水500mlを加え分液し、酢酸エチル200mlで再抽出した。酢酸エチル相を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、148.8gの淡黄色オイルを得た。このオイルにジイソプロピルエーテル300ml、n−へキサン150mlを加え晶析し、得られた結晶をろ過してn−へキサン300mlで洗浄し、111.7gの白色結晶を得た。ろ液の残渣から更に晶析を2回繰り返し、19.4gの白色結晶として3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチルを得た。HPLC純度>99.8%、収率96%。
実施例2:3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
メカニカルスターラー、温度計、還流管を備えた300mlの四つ口フラスコに、3,5−ジクロロ安息香酸メチル41.0g(200mmol)、ジクロロメタン100mlを加え、氷浴下に発煙硝酸15.4g(240mmol)を滴下した後、氷浴下に30%発煙硫酸(SO%)22.4g(含有されるHSOは160mmol)を滴下し、室温下で2時間攪拌した。反応液を、200mlの氷中に滴下した後に分液し、ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した。ジクロロメタン層に溶解した状態で3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチルを得た。GC内部標準法(内部標準物質:ドデカン)から求めた収率は97.0%であり、HPLC純度は95.4%であった。
融点 71〜72℃
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:7.96(d,J=2.1Hz,1H),7.71(d,J=2.1Hz,1H),3.93(s,3H)ppm
13C NMR(300MHz,CDCl)δ値:161.8,136.8,134.4,130.0,127.6,125.7,53.9ppm
GC−MS M=249
実施例3:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼンの製造
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた100mlのナス型フラスコに、3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸メチル3.6g(14.4mmol)、水素化ホウ素ナトリウム0.65g(17.3mmol)、THF8mlを加え、還流させながらメタノール0.92g(28.8mmol)を30分かけて滴下した後、3時間攪拌した。減圧下にTHFを回収した後、酢酸エチル50ml、2%塩酸50mlを加え分液した。酢酸エチル相を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、3.4gの淡褐色粗結晶を得た。HPLC純度95.2%、粗収率107%。この淡褐色粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−へキサン)で精製した後、トルエン−へキサンで再結晶し、2.1gの2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼンの白色結晶が得られた。HPLC純度99.8%、収率65.7%。
融点 133〜134℃
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:7.56(d,J=2.1Hz,1H),7.48(d,J=2.1Hz,1H),4.71(s,2H)ppm
GC−MS M=221
実施例4:2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルニトロベンゼンの製造
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた100mlのナス型フラスコに、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼンの粗結晶2.22g(10mmol)、トルエン10ml、50%臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB)0.64g(1mmol)を加え、氷浴下に25%水酸化ナトリウム水溶液2.4g(15mmol)を加えた。氷浴下にジメチル硫酸1.89g(15mmol)を滴下した後、室温下で2.5時間攪拌した。系に水75ml、トルエン50mlを加え分液し、トルエン30mlで再抽出した。トルエン相を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下にトルエンを留去し、2.33gの赤色オイル状粗生成物として2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルニトロベンゼンを得た。HPLC純度90.3%、粗収率98.7%。
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:7.48(d,J=1.8Hz,1H),7.46(d,J=1.8Hz,1H),4.45(s,2H),3.40(s,3H)ppm
GC−MS M=235
実施例5:(5−クロロ―3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルの製造
メカニカルスターラー、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、粗2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルニトロベンゼン71g(300mmol相当)、2−シアノメチル−4,6−ジメトキシピリミジン53.8g(300mmol)、DMF150mlを加え、均一溶液となるまで攪拌した。氷浴下、ビーズ状の水酸化ナトリウム26.4g(660mmol)を加え、徐々に室温まで戻しながら4時間攪拌した。反応系に2%塩酸640ml、酢酸エチル300mlを加えて分液し、酢酸エチル200mlで水層を再抽出した。得られた酢酸エチル相を、水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、115.3gの褐色粗結晶を得た。HPLC純度88.2%、粗収率101.5%。この得られた粗結晶のうち、40gをメタノールで再結晶し、27.5gの淡褐色結晶(HPLC純度99.7%)が得られた。ろ液残渣を更にメタノールで再結晶し、5gの淡褐色結晶(HPLC純度97.0%)として(5−クロロ―3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルが得られた。収率80%。
融点 85〜87℃
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:7.81(d,J=2.4Hz,1H),7.63(d,J=2.4Hz,1H),5.93(s,1H),5.74(s,1H),4.51(ABq,JAB=13.5Hz,2H),3.90(s,6H),3.42(s,3H)ppm
LC−MS (M+1)=379.1
(参考例1):3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸の製造
メカニカルスターラー、滴下ロート、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、濃硫酸490g(5mol)、3,5−ジクロロ安息香酸95.5g(0.5mol)を加え、濃硝酸37.8g(d=1.52、0.6mol)を系の温度が20℃以下になるように滴下した後、室温下で2.5時間攪拌した。反応液を、1000gの氷中に投入し、攪拌した後ろ過した。得られた結晶を2lの水で洗浄し、乾燥させ、112.4gの白色結晶として3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸を得た。HPLC純度96.8%、収率95.3%。
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:.8.02(d,J=2.1Hz,1H),7.76(d,J=2.1Hz,1H)ppm
GC−MS M=235
(参考例2):(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの製造
メカニカルスターラー、滴下ロート、温度計を備えた200mlの四つ口フラスコに、粗(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリル26.5g(70mmol相当)、DMF70mlを加え溶解させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液11.2g(70mmol)を系の温度が10℃以下になるように加えた。35%過酸化水素20.4g(210mmol)を10℃以下になるように滴下した後、室温下で2.5時間攪拌した。反応液に、水200ml、酢酸エチル200ml、35%塩酸約50gを加え、分液し、更に200mlの酢酸エチルで再抽出した。酢酸エチル相を併せ、水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、27.5gの粗結晶を得た。この粗結晶にジイソプロピルエーテル70mlを加え、懸濁させた後にろ過し、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンが淡褐色の結晶として得られた。HPLC純度99.3%、収率77.7%。
融点 130〜131℃
H NMR(300MHz,CDCl)δ値:7.90(d,J=2.4Hz,1H),7.54(d,J=2.4Hz,1H),6.14(s,1H),4.75(s,2H),3.89(s,6H),3.50(s,3H)ppm
LC−MS (M+1)=368.0
(参考例3):(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの製造
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた50mlのナス型フラスコに、粗2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルニトロベンゼン2.36g(10mmol相当)、2−シアノメチル−4,6−ジメトキシピリミジン1.79g(10mmol)、DMF10mlを加え、均一溶液となるまで攪拌した。氷浴下、ビーズ状の水酸化ナトリウム0.84g(21mmol)を加え、徐々に室温まで戻しながら4時間攪拌した。HPLCにて(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アセトニトリルの生成を確認した後、系に35%過酸化水素2.92g(30mmol)を10℃以下になるように滴下した後、室温下で3時間攪拌した。この反応液を、水50mlに35%塩酸2g(20mmol)を加えた水溶液に投入し、充分に攪拌した後にろ過し、30mlの水で洗浄した。得られた結晶を乾燥し、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンが3.42gの淡褐色結晶として得られた。HPLC純度95.5%、収率93.0%。
LC−MS (M+1)=368.0
ピリミジニルアセトニトリル誘導体の新規な工業的製造法が提供される。本発明方法によれば、原料として、入手容易な一般式(4)で表される3,5−ジクロロ2−ニトロ安息香酸化合物又は一般式(5)で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物を用いることが可能で、特殊な反応装置或いは高価な触媒若しくは遷移金属を用いることなく、穏やかな条件下で目的とするピリミジニルアセトニトリル誘導体を高選択的に、しかも簡便な操作で製造できる上、触媒若しくは遷移金属に由来する有害な廃棄物も出ないので、廃棄物処理が容易で環境にも優しく、工業的な利用価値が高い。

Claims (7)

  1. 塩基存在下、一般式(1)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物を、式(2)
    Figure 0005663482

    (式中、Meはメチル基を示す。)
    で表される4,6−ジメトキシ−2−シアノメチルピリミジンと反応させることを特徴とする、一般式(3)
    Figure 0005663482

    (式中、X、R、Meは前記と同じ意味を示す。)
    で表されるピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
  2. 一般式(1)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物が、一般式(4)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を塩基存在下にアルキル化することにより(A法)、又は、一般式(5)
    Figure 0005663482

    (式中、R’はアルキル基を示し、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物をニトロ化することにより(B法)、一般式(6)
    Figure 0005663482

    (式中、X、R’は前記と同じ意味を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を得た後、得られた3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を還元して、一般式(7)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物とし、更に、得られた2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物を塩基存在下にアルキル化することにより製造されるものである、請求項1に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
  3. 一般式(6)
    Figure 0005663482

    (式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物が、一般式(4)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸化合物を塩基存在下にアルキル化すること(A法)により製造されるものである、請求項2に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
  4. 一般式(6)
    Figure 0005663482

    (式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物が、一般式(5)
    Figure 0005663482

    (式中、R’、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ安息香酸アルキル化合物をニトロ化すること(B法)により製造されるものである、請求項2に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
  5. 一般式(1)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物。
  6. 一般式(7)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは塩素原子を示す。)
    で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物。
  7. 一般式(1)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは塩素原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表される2,4−ジクロロニトロベンゼン化合物が、一般式(6)
    Figure 0005663482

    (式中、R’はアルキル基を示し、Xは塩素原子を示す。)
    で表される3,5−ジクロロ−2−ニトロ安息香酸アルキル化合物を還元して、一般式(7)
    Figure 0005663482

    (式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
    で表される2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物とし、更に、得られた2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチルニトロベンゼン化合物を塩基存在下にアルキル化することにより製造されるものである、請求項1に記載のピリミジニルアセトニトリル誘導体の製造方法。
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