JP5662883B2 - 剛性中子 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤの内腔からの剛性中子の取り外し、および取り外された剛性中子の再組み立てを精度良くかつ効率よく行いうる剛性中子に関する。
近年、空気入りタイヤの形成精度を高めるため、図11(A)に示すように、加硫済みの仕上がりタイヤのタイヤ内面形状に相当する外形形状を有する剛性中子aを用い、この剛性中子a上に、インナーライナ、カーカスプライ、ベルトプライ、サイドウォールゴム、トレッドゴム等のタイヤ構成部材を順次貼り付けて未加硫タイヤtを形成するとともに、この未加硫タイヤtを剛性中子aごと加硫金型b内に投入し、内型である剛性中子aと外型である加硫金型bとの間で空気入りタイヤを加硫成形する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
この剛性中子aでは、加硫成形後、空気入りタイヤの内腔から分解して取り外せるように、図11(B)に示すように、中子本体a1を、タイヤ周方向に分割される複数の中子セグメントcから形成している。詳しくは、周方向両端の分割面が、半径方向内方に向かって周方向巾が減じる向きに傾斜する第1の中子セグメントc1と、この第1の中子セグメントc1とは周方向に交互に配されしかも周方向両端の分割面が、半径方向内方に向かって周方向巾が増す向きに傾斜する第2の中子セグメントc2とから構成し、第2の中子セグメントc2から順次半径方向内方に一つずつ移動させて取り出すことで、中子本体a1を分解して加硫済みタイヤから取り外すことができる。
又各中子セグメントcは、その半径方向内端部が、円環状のコア部d1を有するフレームdの前記コア部d1にボルト固定されることにより、環状に組み立てられる。なお前記フレームdは、前記コア部d1の一端側が開口することにより、この開口部fからボルトeの着脱操作を行うことができる。
しかしこのような構造では、ボルトeの自動脱着が難しく、しかもボルト固定箇所が多いため、剛性中子aの分解、組立てに多くの労力を要するなど作業性に劣る。又各中子セグメントcの位置決めが難しく、組み立て精度を損ねるなど、剛性中子aを高精度でかつ安定して組み立てることも難しい。
特開2006−160236号公報
そこで本発明は、ボルトを用いることなく、高精度かつ安定して効率よく組み立て分解することができ、この組み立て分解の自動化に大きく貢献しうる剛性中子を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、空気入りタイヤの内腔面を成形する成形面を外表面に設けた円環状の中子本体を具える剛性中子であって、
タイヤ周方向に分割されかつ半径方向内側に移動可能な複数の中子セグメントからなる前記中子本体と、
前記中子本体の中心孔に内挿されて各中子セグメントの半径方向内側への移動を阻止する円筒状のコアと、
前記中子本体の軸心方向両側に配され、内側面間で前記中子本体を挟んで保持することにより各中子セグメントの軸心方向への移動を阻止する一対の側板とを具え、
しかも前記コアの外周面に、軸心方向と平行にのびる蟻溝又は蟻ほぞの一方からなる第1の蟻継ぎ部が形成され、かつ各中子セグメントの内周面に、軸心方向と平行にのびかつ前記第1の蟻継ぎ部に係合する蟻溝又は蟻ほぞの他方からなる第2の蟻継ぎ部が形成されるとともに、
軸心方向一方側の側板は、前記コアの一方側の端部が固定され、かつ軸心方向他方側の側板と前記コアの他方側の端部とは、ボールロック機構を有する連結手段により着脱自在としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記連結手段は、前記他方側の側板の内側面に突設されかつ前記コアの中心孔に挿入される連結筒部、および前記コアと連結筒部との間をロックするボールロック手段を具えるとともに、
前記ボールロック手段は、
前記連結筒部に周方向に分散配置されかつ半径方向内外に貫通する複数の貫通孔に保持される剛性ボールと、
前記連結筒部内に配されかつ軸心方向外側に移動することにより各前記剛性ボールを半径方向外側に押し上げ、各剛性ボールを前記コアの中心孔に設ける周溝に押し付けてロックさせるプランジャと、
該プランジャを軸心方向外側に付勢する付勢バネと、
該プランジャを軸心方向内側に移動させ、前記剛性ボールの半径方向外側への押し上げを解除させることにより前記コアと連結筒部との間のロックを解除させる解除棒とを具えることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記中子セグメントは、周方向巾が大、かつ周方向両端の分割面を、半径方向内方に向かって周方向巾が減じる向きに傾斜させた第1の中子セグメントと、前記第1の中子セグメントとは周方向に交互に配され、しかも周方向巾が小、かつ周方向両端の分割面を、半径方向内方に向かって周方向巾が増す向きに傾斜させた第2の中子セグメントとから構成されることにより、半径方向内側に移動可能としたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記軸心方向一方側、他方側の側板は、それぞれ軸心方向外側に突出する支持軸部を具えることを特徴としている。又請求項5の発明では、請求項4に記載された剛性中子の外側に加硫された空気入りタイヤが装着された空気入りタイヤ付きの剛性中子から前記剛性中子を取り出すための方法であって、空気入りタイヤ付きの剛性中子を、タイヤ回転軸を上下方向とし、かつ、前記他方側の側板を上側として、下の保持軸に移載する工程と、上方から上の保持軸を下降させ、この上の保持軸とその下方に位置する前記他方側の側板の支持軸部とを連結する工程と、前記上の保持軸に設けた操作バーを操作し、前記コアと前記他方側の側板との間の前記ボールロック機構のロックを解除して前記他方側の側板を前記コアから取り外す工程と、下方から環状の中子本体受けを上昇させ、前記中子本体を下方から支える工程と、前記下の保持軸が前記一方側の側板とともに下降することにより、剛性中子から前記一方側の側板と前記コアとを一体に取り外す工程と、前記中子本体受け上に保持された中子本体から、前記中子セグメントを取り出す工程とを含むことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、中子本体に内挿される円筒状のコアと、前記中子本体の軸心方向両側に配される一対の側板とを具えるとともに、前記コアの一方側の端部は、一方側の側板に固定されている。
又前記コアの外周面には、軸心方向にのびる第1の蟻継ぎ部が形成されるとともに、各前記中子セグメントの内周面には、軸心方向にのびる第2の蟻継ぎ部が形成されている。従って各中子セグメントを、前記第1の蟻継ぎ部によって案内しながら、コアの周囲に、順次配置させることができる。このとき第1、第2の蟻継ぎ部が互いに係合するため、中子セグメントの位置ズレを防止でき、高精度かつ安定して能率良く組み立てることができる。
又剛性中子は、軸心方向他方側の側板とコアの他方側の端部とを着脱自在に取り付けるボールロック機構を有する連結手段を具える。従って、ボルトを用いることなく前記他方側の側板をコアにワンタッチで着脱自在に取り付けることが可能となり、組み立て作業効率、および分解作業効率を大幅に高めうるとともに、この組み立て、分解の自動化に大きく貢献することができる。
又前記側板間では、中子本体を狭持して各中子セグメントの軸心方向への移動を阻止できる。従って、前記第1、第2の蟻継ぎ部間の係合と、前記コアによる中子セグメントの半径方向内側への移動阻止と、前記側板間の狭持による中子セグメントの軸心方向への移動阻止とによって、組み立てた中子セグメント間を固定でき、中子本体を高精度のまま維持することができる。
本発明の剛性中子の一実施例を示す断面図である。 中子本体をコアとともに示す平面図である。 剛性中子の分解斜視図である。 第1、第2の蟻継ぎ部の係合状態を示す拡大図である。 (A)、(B)は、連結手段を説明する断面図である。 中子連結手段を説明する断面図である。 (A)〜(C)は、剛性中子を分解する順序を説明する断面図である。 中子本体のタイヤからの取り出し、組み立てを説明する断面図である。 中子本体のタイヤからの取り出し、組み立てを説明する平面図である。 他方側の側板のコアへの取り付けを説明する断面図である。 (A)は剛性中子を用いた空気入りタイヤの形成方法を示す断面図、(B)は剛性中子の軸心方向の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の剛性中子1は、空気入りタイヤTの内腔面Tsを成形する成形面2を外表面に設けた円環状の中子本体3を具える。そしてこの中子本体3の前記成形面2上に、インナーライナ、カーカスプライ、ベルトプライ、サイドウォールゴム、トレッドゴム等のタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより未加硫タイヤが形成されるとともに、該未加硫タイヤを剛性中子1ごと加硫金型内に投入することにより空気入りタイヤTが加硫成形される。図1には、前記剛性中子1が、加硫済みの空気入りタイヤTとともに加硫金型から取り出され、保持軸4上に移載された状態が示される。
前記剛性中子1は、前記中子本体3と、この中子本体3の中心孔3Hに内挿される円筒状のコア5と、前記中子本体3の軸心方向両側に配される一対の側板6L、6Uとを具える。
前記中子本体3は、前記成形面2を有する主部3Aの半径方向内側に、半径方向内方に向かって軸心方向外側に傾斜するテーパ面7を有して軸心方向外側に膨出する膨出部3Bを具えるとともに、前記中子本体3の内部には、この中子本体3と同心をなす凹部8が形成される。本例では、加硫加熱用の熱媒体であるスチームが前記コア5に設けた流路(図示しない。)を通って前記凹部8内に供給される場合が示されるが、例えば電気ヒータ等の加硫加熱用の熱源を凹部8内に収容することもできる。又この凹部8は、中子本体3を分解してタイヤTから釣り下げて取り出す際の引っ掛け部としても使用される。
又前記中子本体3は、図2、3に示すように、タイヤ周方向に分割された複数の中子セグメント9からなるとともに、この中子セグメント9は、周方向両端の分割面9Sを、半径方向内方に向かって周方向巾が減じる向きに傾斜させた第1の中子セグメント9Aと、前記第1の中子セグメント9Aとは周方向に交互に配され、かつ周方向両端の分割面9Sを、半径方向内方に向かって周方向巾が増す向きに傾斜させた第2の中子セグメント9Bとから構成される。これにより中子セグメント9は、第2の中子セグメント9Bを半径方向内側に移動させることができ、又それに伴って第1の中子セグメント9Aも半径方向内側に順次移動させることができる。又中子本体3では、図8、9に示すように、第2の中子セグメント9Bから順次半径方向内方に一つずつ移動させて、タイヤTの内腔THから順次取り出すことができる。
次に、前記コア5は円筒状をなし、前記中子本体3の中心孔3Hに内挿されることにより、各中子セグメント9の半径方向内側への移動を阻止することができる。そしてこのコア5の軸心方向の一方側の端部は、軸心方向一方側の側板6Lの内側面に固定されている。本例では、前記側板6Lとコア5とがボルト10(図1に示す。)を用いて固定される場合が示されている。しかし、前記剛性中子1を分解してタイヤTから取り出す際、前記一方側の側板6Lとコア5との間は分解する必要がなく、従って、このボルト固定は、剛性中子の分解組み立て作業には何ら影響を与えるものではない。従ってこの側板6Lとコア5とは、例えば溶接などによって固定することもできる。
又前記一方側の側板6Lは、円盤状の基板部11Aと、その周方向外縁に設けられかつ前記中子本体3のテーパ面7と当接するフランジ部11Bとを有する側板本体11を具えるとともに、前記基板部11Aの外側面には、軸心方向外側に突出する支持軸部12が同心に設けられる。なお前記フランジ部11Bは、前記テーパ面7と同傾斜をなし、これにより側板6Lと中子本体3とを同心に位置合わせしうるとともに、このフランジ部11Bとコア5との間で、前記中子本体3の前記膨出部3Bを挟み込んで保持しうる。
又前記コア5の外周面には、軸心方向に連続してのびる蟻溝14又は蟻ほぞ15の一方からなる第1の蟻継ぎ部16が形成される。又各前記中子セグメント9の内周面には、軸心方向にのびかつ前記第1の蟻継ぎ部16に係合する蟻溝14又は蟻ほぞ15の他方からなる第2の蟻継ぎ部17が形成される。本例では、第1の蟻継ぎ部16として蟻溝14が形成され、かつ第2の蟻継ぎ部17として蟻ほぞ15が形成される場合が示されるが、逆に第1の蟻継ぎ部16として蟻ほぞ15が形成され、かつ第2の蟻継ぎ部17として蟻溝14が形成されても良い。図4に示すように、前記蟻溝14および蟻ほぞ15は、周知の如く、両側面が、溝底及びほぞ先に向かって巾を増す向きに傾斜する断面略台形状をなし、一方他方が互いに填り合うことにより軸心方向にのみ相対移動可能に連結される。
次に、軸心方向他方側の側板6Uは、円盤状の基板部20Aと、その周方向外縁に設けられかつ前記中子本体3のテーパ面7と当接するフランジ部20Bとを有する側板本体20を具える。又前記側板本体20には、その外側面から軸心方向外側に突出する支持軸部21と、内側面から軸心方向内側に突出しかつ前記コア5の中心孔5Hに挿入される連結筒部22とが同心に設けられる。
そして、前記他方側の側板6Uと前記コア5の他方側の端部との間は、ボールロック機構を有する連結手段23により着脱自在に連結される。この連結手段23は、前記他方側の側板6Uに突設される前記連結筒部22、および該連結筒部22と前記コア5との間をロックするボールロック手段24を具える。
具体的には、図5に示すように、前記ボールロック手段24は、前記連結筒部22に周方向に分散配置される複数の剛性ボール25と、前記連結筒部22内に配されかつ軸心方向外側に移動することにより各前記剛性ボール25を半径方向外側に押し上げるプランジャ26と、該プランジャ26を軸心方向外側に付勢する付勢バネ27と、該プランジャ26を軸心方向内側に移動させて前記剛性ボール25の半径方向外側への押し上げを解除させる解除棒28とを具える。
具体的には、前記連結筒部22は、半径方向内外に貫通する複数の貫通孔30を有し、前記剛性ボール25は、前記連結筒部22の外周面から出没可能に前記貫通孔30内に保持される。なお前記剛性ボール25の直径は、連結筒部22の厚さよりも大であり、かつ連結筒部22の外周面上における貫通孔30の直径よりも小に設定されている。
又前記プランジャ26は、本例では、前記連結筒部22内に軸心方向に摺動可能に内挿される筒状の基筒部26Aと、その軸心方向内外に配される側板部26B、26Cとを具える。前記基筒部26Aの外周面には、押し上げ面部26A1と、その軸心方向外側に配される落ち込み凹部26A2とが配される。前記押し上げ面部26A1は、前記剛性ボール25を半径方向外側に押し上げ、前記コア5の中心孔5Hに設ける周溝5Haに押し付けることで、前記連結筒部22を前記コア5にロックさせうる。又落ち込み凹部26A2は、前記剛性ボール25を落ち込ませることにより、前記押し上げを解除させ、連結筒部22とコア5との間のロックを解除させうる。
又本例では、前記側板本体20の内側面に、前記連結筒部22と同心な内筒部31が突設されるとともに、その軸心方向内端には、前記基筒部26Aに向かって半径方向にのびるストッパ片32が固定される。そしてこのストッパ片32と前記外の側板部26Cとの間に、前記付勢バネ27が配される。本例のプランジャ26は、前記外の側板部26Cが前記側板本体20の内側面と当接する、或いは前記内の側板部26Cが前記ストッパ片32と当接する軸心方向外側への移動限界状態Y1(図5(A)に示す。)と、前記基筒部26Aの内周面に設ける段差部33が、前記ストッパ片32と当接する軸心方向内側への移動限界状態Y2(図5(B)に示す。)との間を移動しうる。そして、前記付勢バネ27は、プランジャ26を軸心方向外側に付勢し、常時は、前記プランジャ26を、前記軸心方向外側への移動限界状態Y1に位置させる。
又前記解除棒28は、前記外の側板部26Cから、前記支持軸部21に設ける挿通孔34を通って軸心方向外側にのびる。そして、この解除棒28を軸心方向内側に押し込むことで前記プランジャ26を前記移動限界状態Y2に移動させ、前記剛性ボール25を前記落ち込み凹部26A2内に落ち込ませる。これにより、前記連結筒部22とコア5との間のロックを解除させうる。又この解除棒28の押し込みを解除することで、前記プランジャ26は、前記付勢バネ27によって移動限界状態Y1に復帰できる。
又本例では、前記他方側の側板6Uを着脱するために、前記他方側の側板6Uの支持軸部21には、保持軸35が、中子連結手段36を介して連結されるとともに、前記解除棒28は、前記保持軸35に設ける操作バー35Aを介して操作される。
前記中子連結手段36は、本例では、ボールロック機構を有する。具体的には、図6に示すように、前記中子連結手段36は、前記支持軸部21の外端部に同心に凹設されかつ内周面に周溝46Aを設けた連結孔部46、前記保持軸35の外端部に同心に突設されかつ前記連結孔部46に挿入される中子連結筒部47、および前記連結孔部46と中子連結筒部47との間をロックするボールロック手段48を具える。
前記ボールロック手段48は、前記中子連結筒部47に周方向に分散配置されかつ半径方向内外に貫通する複数の貫通孔49に保持される剛性ボール50と、前記保持軸35内に設けるシリンダ室51内に収納されかつこのシリンダ室51への圧縮空気の給排によって前記シリンダ室51内で軸心方向内外に移動しうるピストン片53と、前記中子連結筒部47の中心孔47H内に配されかつ前記ピストン片53と一体移動可能に連結されるプランジャ54とを具える。
前記プランジャ54は、前記ピストン片53により前記中子連結筒部47の中心孔47H内で軸心方向外側に移動しうる。そしてこの移動によって、プランジャ54の外周面が、各前記剛性ボール50を半径方向外側に押し上げ、各剛性ボール50を前記周溝46Aに押し付けてロックさせうる。又前記プランジャ54は、前記ピストン片53により前記中子連結筒部47の中心孔47H内で軸心方向内側に移動でき、これにより前記剛性ボール50の半径方向外側への押し上げを解除させ、前記連結孔部46と中子連結筒部47との間のロックを解除させる。なおプランジャ54の外周面は、軸心方向外側に向かって先細状となるコーン面を有する。
なお前記一方側の側板6Lの支持軸部12と前記保持軸4との間も、本例では前記中子連結手段36を介して連結されている。
次に、本実施形態の剛性中子1の、空気入りタイヤTからの取り出し、再組み立てを説明する。
図1は、加硫金型から取り出された空気入りタイヤ付きの剛性中子1が、下の保持軸4上に移載された状態を示す。そして上方から上の保持軸35を下降させ、図7(A)、(B)に示すように、この保持軸35とその下方に位置する側板6Uの支持軸部21とを前記中子連結手段36を用いてワンタッチで連結させる。しかる後、前記保持軸35に設けた操作バー35Aを操作し、前記連結手段23の解除棒28を押し込むことで前記プランジャ26を軸心方向内側に移動させ、コア5と連結筒部22との間のロックを解除させることができる。これにより、剛性中子1から一方側の側板6Uを取り外すことができる。なお前記操作バー35Aによる操作は、手動及びシリンダなどによる遠隔操作など適宜の手段で行いうる。又取り外された側板6Uは、中子連結手段36に保持されたまま前記保持軸35とともに他所に移送される。
又下方からは環状の中子本体受け40が上昇し、前記中子本体3を下方から支えた後、前記保持軸4が他方側の側板6Lとともに下降する。これにより、剛性中子1から側板6Lとコア5とが一体に取り外される。なお取り外された側板6Lとコア5とは、中子連結手段36に保持されたまま保持軸4とともに組み立て場所K(図8に示す。)に移送される。
その後、図8、9に示すように、例えばロボットアームに取り付く保持治具41を用い、前記中子本体受け40上に保持された中子本体3から、中子セグメント9を1つづつ取り出すとともに、取り出された中子セグメント9は、前記組み立て場所Kに移送されて、前記コア5の周囲に順次取り付けられる。本例では、前記保持治具41はフック状をなし、前記凹部8に引っ掛けて各中子セグメント9を半径方向内側に移動させた後、その中子セグメント9を釣り下げて組み立て場所Kまで移送する。なお中子セグメント9の取り出し、及び組み立て場所Kでの再組み立ては、前述の如く、前記第2の中子セグメント9Bから1つづつ行われ、全ての第2の中子セグメント9Bが取り出された後、前記第1の中子セグメント9Aが1つづつ取り出される。
そして、全ての第1、第2の中子セグメント9A、9Bがコア5の周囲の装着された後、図10に示すように、前記コア5上に、前記側板6Uを保持した保持軸35を下降させ、コア5内に側板6Uの連結筒部22を挿入させることで、連結手段23を介して両者が固定され、剛性中子1を再組み立てることができる。なお前記挿入時には、解除棒28の操作によって剛性ボール25への押し上げを解除させる。
ここで、前記コア5及び各中子セグメント9に、それぞれ第1、第2の蟻継ぎ部16、17が形成されるため、各中子セグメント9を、前記第1の蟻継ぎ部16によって案内しながらコアの周囲に順次配置させることができる。しかも第1、第2の蟻継ぎ部16、17が互いに係合するため、中子セグメント9の位置ズレを防止でき高精度かつ安定して組み立てることができる。
又剛性中子1は、軸心方向他方側の側板6Uとコア5の他方側の端部とを着脱自在に取り付けるボールロック機構を有する連結手段23を具える。従って、ボルトを用いることなく前記他方側の側板6Uをコア5にワンタッチで着脱自在に取り付けることが可能となり、組み立て作業効率、および分解作業効率を大幅に高めうるとともに、この組み立て、分解の自動化に大きく貢献することができる。
又前記側板6U、6L間では、中子本体3を狭持して各中子セグメント9の軸心方向への移動を阻止できる。従って、前記第1、第2の蟻継ぎ部16、17間の係合と、前記コア5による中子セグメント9の半径方向内側への移動阻止と、前記側板6L、6U間の狭持による中子セグメント9の軸心方向への移動阻止とによって、組み立てた中子セグメント9、9間を固定でき、中子本体3を高精度のまま維持することができる。又ボールロック機構の採用により、組み立てによる側板6U、6L間の距離のバラツキを防止することができ、剛性中子1をより高精度に安定して組み立てることが可能となる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 剛性中子
2 成形面
3 中子本体
3H 中心孔
5 コア
5H 中心孔
5Ha 周溝
6L、6U 側板
9 中子セグメント
9A 第1の中子セグメント
9B 第2の中子セグメント
9S 分割面
14 蟻溝
15 蟻ほぞ
16 第1の蟻継ぎ部
17 第2の蟻継ぎ部
12 支持軸部
21 支持軸部
22 連結筒部
23 連結手段
24 ボールロック手段
25 剛性ボール
26 プランジャ
27 付勢バネ
28 解除棒
30 貫通孔
T 空気入りタイヤ
Ts 内腔面

Claims (5)

  1. 空気入りタイヤの内腔面を成形する成形面を外表面に設けた円環状の中子本体を具える剛性中子であって、
    タイヤ周方向に分割されかつ半径方向内側に移動可能な複数の中子セグメントからなる前記中子本体と、
    前記中子本体の中心孔に内挿されて各中子セグメントの半径方向内側への移動を阻止する円筒状のコアと、
    前記中子本体の軸心方向両側に配され、内側面間で前記中子本体を挟んで保持することにより各中子セグメントの軸心方向への移動を阻止する一対の側板とを具え、
    しかも前記コアの外周面に、軸心方向と平行にのびる蟻溝又は蟻ほぞの一方からなる第1の蟻継ぎ部が形成され、かつ各中子セグメントの内周面に、軸心方向と平行にのびかつ前記第1の蟻継ぎ部に係合する蟻溝又は蟻ほぞの他方からなる第2の蟻継ぎ部が形成されるとともに、
    軸心方向一方側の側板は、前記コアの一方側の端部が固定され、かつ軸心方向他方側の側板と前記コアの他方側の端部とは、ボールロック機構を有する連結手段により着脱自在としたことを特徴とする剛性中子。
  2. 前記連結手段は、前記他方側の側板の内側面に突設されかつ前記コアの中心孔に挿入される連結筒部、および前記コアと連結筒部との間をロックするボールロック手段を具えるとともに、
    前記ボールロック手段は、
    前記連結筒部に周方向に分散配置されかつ半径方向内外に貫通する複数の貫通孔に保持される剛性ボールと、
    前記連結筒部内に配されかつ軸心方向外側に移動することにより各前記剛性ボールを半径方向外側に押し上げ、各剛性ボールを前記コアの中心孔に設ける周溝に押し付けてロックさせるプランジャと、
    該プランジャを軸心方向外側に付勢する付勢バネと、
    該プランジャを軸心方向内側に移動させ、前記剛性ボールの半径方向外側への押し上げを解除させることにより前記コアと連結筒部との間のロックを解除させる解除棒とを具えることを特徴とする請求項1記載の剛性中子。
  3. 前記中子セグメントは、周方向巾が大、かつ周方向両端の分割面を、半径方向内方に向かって周方向巾が減じる向きに傾斜させた第1の中子セグメントと、前記第1の中子セグメントとは周方向に交互に配され、しかも周方向巾が小、かつ周方向両端の分割面を、半径方向内方に向かって周方向巾が増す向きに傾斜させた第2の中子セグメントとから構成されることにより、半径方向内側に移動可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の剛性中子。
  4. 前記軸心方向一方側、他方側の側板は、それぞれ軸心方向外側に突出する支持軸部を具えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の剛性中子。
  5. 請求項4に記載された剛性中子の外側に加硫された空気入りタイヤが装着された空気入りタイヤ付きの剛性中子から前記剛性中子を取り出すための方法であって、
    空気入りタイヤ付きの剛性中子を、タイヤ回転軸を上下方向とし、かつ、前記他方側の側板を上側として、下の保持軸に移載する工程と、
    上方から上の保持軸を下降させ、この上の保持軸とその下方に位置する前記他方側の側板の支持軸部とを連結する工程と、
    前記上の保持軸に設けた操作バーを操作し、前記コアと前記他方側の側板との間の前記ボールロック機構のロックを解除して前記他方側の側板を前記コアから取り外す工程と、
    下方から環状の中子本体受けを上昇させ、前記中子本体を下方から支える工程と、
    前記下の保持軸が前記一方側の側板とともに下降することにより、剛性中子から前記一方側の側板と前記コアとを一体に取り外す工程と、
    前記中子本体受け上に保持された中子本体から、前記中子セグメントを取り出す工程とを含むことを特徴とする剛性中子の取り出し方法。
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