以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ加硫用金型を装着した加硫成形機を示す断面図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るタイヤ加硫用金型2は、加硫成形機1に装着され、加硫成形機1の上プレート3及び上プラテン4と下プラテン5との間にコンテナ6を介して取り付けられる。
上プレート3は、昇降シリンダ7の下端部に固定されている。昇降シリンダ7の中心には、昇降ロッド8が配置されている。昇降ロッド8の下端部には、上プレート3の下方に配置される上プラテン4が固定されている。昇降シリンダ7は、図示しないシリンダ駆動装置によって昇降可能に構成されている。昇降ロッド8は、図示しないロッド駆動装置によって昇降可能に構成されている。上プラテン4には、オイルなどの熱交換媒体が流動する流路4aが形成され、熱交換媒体によって温調できるようになっている。
下プラテン5には、上プラテン4と同様に、オイルなどの熱交換媒体が流動する流路5aが形成され、熱交換媒体によって温調できるようになっている。タイヤ加硫用金型2は、熱交換媒体の温度を調整することにより上プラテン4及び下プラテン5を介して所望の加硫温度に加熱されるようになっている。
下プラテン5の中心には、ブラダユニット9が配置されている。ブラダユニット9は、図示しない上下移動装置によって昇降可能な支軸10に固定した上クランプ11及び下クランプ12にブラダ13を取り付けたものである。上クランプ11、下クランプ12及びブラダ13によって囲まれた空間内には、図示しない給排気装置によって空気が供給及び排出されるようになっている。ブラダ13は、空気が供給されて外周側に膨らみ、グリーンタイヤGTを内側から支持する。
コンテナ6は、セグメント14、ジャケットリング15、上コンテナプレート16及び下コンテナプレート17によって構成されている。
セグメント14は、複数のセクタ30、本実施形態では7個のセクタ30をそれぞれ図示しない締結ボルトによって固定して保持するものであり、タイヤ周方向に沿って環状に配置される複数のセグメント14、本実施形態では7個のセグメント14によって構成されている。
セグメント14のタイヤ径方向内面は、セクタ30のタイヤ径方向外面に沿って形成され、セグメント14のタイヤ径方向外面は、下側に向かうにつれてタイヤ径方向外側に徐々に傾斜する傾斜面である外周側円錐面14aによって構成されている。セグメント14はそれぞれ、上スライド18にタイヤ径方向に往復移動可能に支持されている。
ジャケットリング15は、中空円筒状に形成され、上端部が上プレート3に固定されている。これにより、ジャケットリング15は、昇降シリンダ7の昇降動作に従って昇降する。ジャケットリング15の内面は、下側に向かうにつれてタイヤ径方向外側に徐々に傾斜する傾斜面である内周側円錐面15aによって構成されている。
ジャケットリング15の内周側円錐面15aは、セグメント14の外周側円錐面14aに対応して形成されてセグメント14の外周側円錐面14aに沿って移動可能に形成されている。ジャケットリング15の内周側円錐面15aとセグメント14の外周側円錐面14aとは、例えばほぞと蟻溝のような構成によって互いに離れないように形成されている。
これにより、ジャケットリング15が降下されると、内周側円錐面15aがセグメント14の外周側円錐面14aを押圧し、径方向外側に位置するセグメント14が径方向内側に環状に連なった状態に移動される。また、ジャケットリング15が上昇されると、径方向内側に位置するセグメント14が径方向外側に移動される。複数のセグメント14に保持された複数のセクタ30はそれぞれ、セグメント14の径方向移動に伴って径方向に移動可能に構成されている。
上コンテナプレート16は、外周側の下面に支持体としての上スライド18が固定されると共に内周側の下面に上側サイドプレート21が固定されている。上コンテナプレート16は、上プラテン4の下面に固定されている。これにより、昇降ロッド8が昇降すれば、上プラテン4及び上コンテナプレート16と共に、上側サイドプレート21、セグメント14及びセクタ30が昇降される。
下コンテナプレート17は、外周側の上面に下スライド19が固定されると共に内周側の上面に下側サイドプレート22が固定されている。下スライド19には、型閉じ時にセグメント14が載置され、下スライド19は、セグメント14をタイヤ径方向に移動可能に支持する。下コンテナプレート17は、下プラテン5の上面に固定されている。
タイヤ加硫用金型2は、タイヤ周方向に沿って環状に配置されて空気入りタイヤのトレッド部及びショルダ部を成形するタイヤ成形面を有する複数のセクタ30と、複数のセクタ30のタイヤ径方向内側に配置されて空気入りタイヤのサイドウォール部を成形するタイヤ成形面を有する上下一対のサイドプレート21,22とを備えている。
上下一対のサイドプレート21,22はそれぞれ、環状に形成されている。上下一対のサイドプレート21,22のタイヤ径方向内側には、空気入りタイヤのビード部を成形するタイヤ成形面を有する上下一対のビードリング23,24が配置されている。上側サイドプレート21には上側ビードリング23が固定されて型合わせされ、下側サイドプレート22には、図示しないビードリング移動装置によって上下方向に移動可能な下側ビードリング24が型合わせされる。
上側サイドプレート21は、上コンテナプレート16に固定されて昇降ロッド8の昇降動作に従って昇降される。上側サイドプレート21は、降下される際に上側ビードリング23によってグリーンタイヤGTのビード部を押さえるようになっている。上側サイドプレート21のタイヤ成形面と上側ビードリング23のタイヤ成形面とによって、空気入りタイヤの一方のサイドウォール部とビード部とが成形される。
下側サイドプレート22は、下コンテナプレート17に固定されている。下側サイドプレート22のタイヤ成形面と下側ビードリング24のタイヤ成形面とによって空気入りタイヤの他方のサイドウォール部とビード部とが成形される。
図2は、タイヤ加硫用金型の型閉じ動作を示す概略説明図である。タイヤ加硫用金型2を装着した加硫成形機1によってグリーンタイヤGTを加硫成形して空気入りタイヤを製造する際には、図2(a)に示すように、タイヤ加硫用金型2の型開き状態において、グリーンタイヤGTの軸心方向が上下方向になるようにグリーンタイヤGTが下側サイドプレート22及び下側ビードリング24上に載置される。このとき、グリーンタイヤGTの下側に位置するビード部が下側ビードリング24に位置決めされる。
次に、ブラダ13内に空気が供給されてブラダ13が膨張され、図2(b)に示すように、ブラダ13の外面にグリーンタイヤGTの内面が保持される。これにより、グリーンタイヤGTは、下側ビードリング24とブラダ13とによって支持されて下側サイドプレート22とは非接触状態にされる。
そして、前記ロッド駆動装置及び前記シリンダ駆動装置をそれぞれ駆動することにより、昇降ロッド8及び昇降シリンダ7を降下させて型閉じ動作が開始される。昇降ロッド8及び昇降シリンダ7が降下されると、図2(c)に示すように上側ビードリング23がグリーンタイヤGTの上側に位置するビード部に当接され、図2(d)に示すように、上側ビードリング23によってグリーンタイヤGTが変形されて上側サイドプレート21がグリーンタイヤGTに当接される。
図2(e)に示すように、上側サイドプレート21がグリーンタイヤGTに当接してから型閉じを完了する所定の型閉じ完了位置で昇降ロッド8の降下動作が停止されて上側サイドプレート21の降下が停止される。上側サイドプレート21が型閉じ完了位置まで降下されることによって、グリーンタイヤGTが上側サイドプレート21と下側サイドプレート22とによって挟持される。
上側サイドプレート21が型閉じ完了位置まで降下した後も昇降シリンダ7による降下が行われ、上プレート3と共にジャケットリング15が下側へ移動される。ジャケットリング15が下側へ移動されるとき、内周側円錐面15aがセグメント14の外周側円錐面14aを押圧してセグメント14に固定されたセクタ30が径方向内側に移動される。
図2(f)に示すように、タイヤ周方向に配置される複数のセクタ30がそれぞれタイヤ周方向に隣接して配置されるセクタ30と型合わせられて複数のセクタ30が環状に形成され、複数のセクタ30がそれぞれ上側サイドプレート21及び下側サイドプレート22と型合わせられると、昇降シリンダ7による降下が終了されて型閉じ動作が終了される。
このとき、グリーンタイヤGTは、外面が上下一対のサイドプレート21,22及びセクタ30によって押圧されて内面がブラダ13によって押圧された状態となる。上プラテン4及び下プラテン5には常時、グリーンタイヤGTを所定の加硫温度で加硫できるように温調された熱交換媒体が流動されている。これにより、グリーンタイヤGTが加硫成形されて空気入りタイヤTが製造される。
空気入りタイヤTは、後述する図3に示すように、路面に接するトレッド部T1と、トレッド部T1のタイヤ幅方向両側のショルダ部T2と、両側のショルダ部T2からそれぞれタイヤ径方向内側に延びる両側のサイドウォール部T3と、両側のサイドウォール部T3のタイヤ径方向内側にそれぞれ位置すると共に図示しないホイールのリムに固定される両側のビード部T4とを有している。
空気入りタイヤTが製造されると、昇降シリンダ7を上昇させて型開き動作が開始される。昇降シリンダ7の上昇によりジャケットリング15が上側に移動されるとき、セグメント14がタイヤ径方向外側に移動され、セグメント14に固定されたセクタ30がタイヤ径方向外側に移動される。
図3は、タイヤ加硫用金型の型開き動作を示す概略説明図である。ジャケットリング15がセグメント14に対して所定上昇位置まで移動されると、図3に示すように、昇降シリンダ7と共に昇降ロッド8が上昇されて上側サイドプレート21、上側ビードリング23及びセクタ30が所定の型開き完了位置まで移動される。次に、ブラダ13内の空気が排出されてブラダ13が縮径され、ブラダ13が空気入りタイヤTよりタイヤ径方向内側に移動される。これにより、空気入りタイヤTは、下側サイドプレート22及び下側ビードリング24によって保持される。
そして、下側ビードリング24が、ビードリング移動装置によって上側に移動される。これにより、空気入りタイヤTは、下側ビードリング24のみによって保持され、図示しないタイヤ取出し装置によって下側ビードリング24から取り出される。
空気入りタイヤTが取り出されると、下側ビードリング24は、ビードリング移動装置によって下側に移動され、下側サイドプレート22と型合わせされる。そして、新たなグリーンタイヤGTが下側サイドプレート22及び下側ビードリング24上に載置され、ブラダ13内に空気が供給されてブラダ13が膨張され、ブラダ13の外面にグリーンタイヤGTの内面が保持される。
次に、本実施形態に係るタイヤ加硫用金型についてさらに説明する。
図4は、型閉じ状態にあるサイドプレート及びビードリングの断面図である。図4に示すように、下側サイドプレート22は、サイドウォール部T3を成形するタイヤ成形面22aを有し、下側ビードリング24は、ビード部T4を成形するタイヤ成形面24aを有している。
下側サイドプレート22は、下コンテナプレート17に固定されている。下側ビードリング24は、上下方向に移動可能に下側サイドプレート22に型合わせされる。下側ビードリング24は、空間入りタイヤTが取り出される際に上側に移動され、空間入りタイヤTが取り出されると下側に移動されて下側サイドプレート22に型合わせされる。下側サイドプレート22及び下側ビードリング24は、例えばアルミニウム材料から形成される。
タイヤ加硫用金型2では、下側サイドプレート22の型合わせ面22bと下側ビードリング24の型合わせ面24bとの間におけるタイヤ成形面22a,24a側に弾性部材45が配置されている。
下側サイドプレート22は、環状に形成されている。下側サイドプレート22の型合わせ面22bは、タイヤ成形面22aの径方向内端部から径方向内側に向かうにつれて下側に傾斜する傾斜面22cと、傾斜面22cの下端部から径方向内側に水平方向に延びる水平面22dとを備えている。型合わせ面22bには、傾斜面22cのタイヤ成形面側に凹部40が形成されている。
凹部40は、型合わせ面22bに平行に延びる底面部41と、底面部41から型合わせ面22bに延びる側面部42とを備えている。凹部40には、弾性部材45が接着剤等によって底面部41に取り付けられている。弾性部材45は、断面略矩形状に形成されて型合わせ面22bに沿って環状に配置されている。
下側サイドプレート22のタイヤ成形面22aにおける径方向内端部には、リムラインなどの突部を成形するためにタイヤ幅方向外側に窪む突部用段部22eが形成されている。突部用段部22eの底面部は、凹部40に取り付けられた弾性部材45によって形成される。なお、タイヤ成形面22aに突部用段部22eを設けないようにすることも可能である。
下側ビードリング24は、環状に形成されている。下側ビードリング24の型合わせ面24bは、タイヤ成形面24aの径方向外端部から下側に向かうにつれて径方向内側に傾斜する傾斜面24cと、傾斜面24cの下端部から径方向内側に水平方向に延びる水平面24dとを備えている。下側ビードリング24の型合わせ面24bの傾斜面24c及び水平面24dは、下側サイドプレート22の傾斜面22c及び水平面22dに対向して平行に設けられている。
下側サイドプレート22と下側ビードリング24とが型合わせされるとき、下側サイドプレート22の傾斜面22cと下側ビードリング24の傾斜面24cとが型合わせられる。下側サイドプレート22と下側ビードリング24とが型合わせされるとき、下側サイドプレート22の型合わせ面22bに形成された凹部40に取り付けられた弾性部材45が下側ビードリング24の型合わせ面24bに接触して弾性変形されて下側サイドプレート22の傾斜面22cと下側ビードリング24の傾斜面24cとが型合わせられる。
図5は、タイヤ取出し状態にあるサイドプレート及びビードリングの断面図である。図5では、下側ビードリング24が上側に移動されて空気入りタイヤTが取り出される状態を示している。図5に示すように、弾性部材45は、下側サイドプレート22に対して下側ビードリング24が上側に移動されたとき、型合わせ面22bより突出するように凹部40に取り付けられている。
下側ビードリング24が下側に移動されて下側サイドプレート22と下側ビードリング24とが型合わせされるとき、弾性部材45が下側ビードリング24の型合わせ面24bに接触して弾性変形されて下側サイドプレート22と下側ビードリング24とが型合わせられる。
これにより、下側サイドプレート22の型合わせ面22bと下側ビードリング24の型合わせ面24bとが接触して摩耗することを抑制し、下側サイドプレート22及び下側ビードリング24の型合わせ面22b,24bの摩耗による成形不良の発生を抑制することができる。
下側ビードリング24が下側に移動されるときに下側サイドプレート22に対して芯ずれしている場合、下側ビードリング24が弾性部材45に接触してから芯ずれを補正して下側サイドプレート22と下側ビードリング24とを精度良く型合わせさせることができ、グリーンタイヤGTを精度良く加硫成形することができる。
弾性部材45は、図5に示すように、凹部40の深さD1より大きい厚さD2を有している。弾性部材45が下側サイドプレート22の型合わせ面22bより突出する突出量(D2-D1)は、好ましくは0.2mm以上0.5mm以下に設定される。弾性部材45は好ましくは、下側ビードリング24の型合わせ面24bによって弾性変形されて凹部40内に収容される。凹部40の深さD1は、例えば1.0~1.5mmに設定され、弾性部材45の厚さD2は、例えば1.5~2.0mmに設定される。
弾性部材45は、型合わせ面22bのタイヤ成形面側に配置されている。図4に示すように、弾性部材45の長さL2は、10.0mm以上に設定される。弾性部材45の長さL2は好ましくは、型合わせされる傾斜面22cの長さL1の二分の一以上の長さを有するように形成される。弾性部材45は、型合わせされる傾斜面22c全体に配置するようにしてもよい。
弾性部材45は、130度~200度などの所定加硫温度に対する耐熱性を有するシリコンゴムなどの弾性部材が用いられる。下側サイドプレート22と下側ビードリング24とはグリーンタイヤGTを加硫成形するたびに型合わせされるので、弾性部材45は好ましくは、130度~200度などの所定温度に対して4~14MPaなどの所定弾性係数を確保するものが用いられる。弾性部材45は、700個などの所定数のグリーンタイヤGTの加硫成形後、あるいは金型メンテナンス時などに新たな弾性部材45に交換するようにしてもよい。
タイヤ加硫用金型2では好ましくは、下側サイドプレート22の型合わせ面22bに凹部40が形成され、凹部40に弾性部材45が取り付けられるが、下側ビードリング24の型合わせ面24bにおけるタイヤ成形面側に凹部が形成され、前記凹部に弾性部材を取り付けるようにすることも可能である。
本実施形態では、下側サイドプレート22の型合わせ面22bと下側ビードリング24の型合わせ面24bとの間に配置される弾性部材45は、型合わせ面22b又は型合わせ面24bに形成された凹部に取り付けられるが、凹部を形成することなく、型合わせ面22b又は型合わせ面24bに取り付けることも可能である。かかる場合、弾性部材45の厚さは、例えば0.2mm以上0.5mm以下に設定される。
このように、本実施形態に係るタイヤ加硫用金型2は、タイヤ成形面24aを有する第1成形型24と、第1成形型24に型合わせされると共にタイヤ成形面22aを有する第2成形型22と、第1成形型24の型合わせ面24bと第2成形型22の型合わせ面22bとの間におけるタイヤ成形面側に配置される弾性部材45とを備える。第1成形型24及び第2成形型22の少なくとも一方は、移動可能に構成される。
これにより、少なくとも一方が移動可能に構成された第1成形型24及び第2成形型22の型合わせ面24b,22b間のタイヤ成形面側に弾性部材45が配置されるので、第1成形型24と第2成形型22とが型合わせされるときに第1成形型24の型合わせ面24bと第2成形型22の型合わせ面22bとが接触して摩耗することを抑制し、第1成形型24及び第2成形型22の型合わせ面224b,22bの摩耗による成形不良の発生を抑制することができる。
また、弾性部材45は、第1成形型24及び第2成形型22の一方に取り付けられる。これにより、第1成形型24と第2成形型22とが型合わせされるとき、第1成形型24及び第2成形型22の一方に取り付けられた弾性部材45と第1成形型24及び第2成形型22の他方とが接触されるので、第1成形型24及び第2成形型22の両方に弾性部材が取り付けられる場合に比して精度良く型合わせさせることができ、精度良く加硫成形することができる。
また、弾性部材45が取り付けられる第1成形型24及び第2成形型22の一方の型合わせ面22bにおけるタイヤ成形面側に凹部40が形成され、弾性部材45は、型合わせ面22bから突出するように凹部40に取り付けられる。これにより、摩耗が発生し易い型合わせ面22bにおけるタイヤ成形面側に形成された凹部40に弾性部材45が配置されるので、弾性部材が凹部に配置されない場合に比して精度良く型合わせさせることができ、精度良く加硫成形することができる。
また、弾性部材45は、シリコンゴムである。これにより、弾性部材45としてシリコンゴムを用い、比較的容易に第1成形型24の型合わせ面24bと第2成形型22の型合わせ面22bとが接触して摩耗することを抑制し、第1成形型24及び第2成形型22の型合わせ面24b,22bの摩耗による成形不良の発生を抑制することができる。
また、第1成形型24は、ビード部T4を成形するタイヤ成形面24aを有すると共に移動可能に構成される下側ビードリング24であり、第2成形型22は、サイドウォール部T3を成形するタイヤ成形面22aを有する下側サイドプレート22である。これにより、サイドプレート22は、摩耗が発生し易い下側ビードリング24との型合わせ面22bにおけるタイヤ成形面側に弾性部材45が配置されるので、下側ビードリング24と下側サイドプレート22とが型合わせされるときに下側ビードリング24の型合わせ面24bと下側サイドプレート22の型合わせ面22bとが接触して摩耗することを抑制することができる。
また、弾性部材45は、下側サイドプレート22の型合わせ面22bに取り付けられる。これにより、弾性部材45は、固定された下側サイドプレート22の型合わせ面22bに取り付けられるので、移動される下側ビードリング24の型合わせ面24bに取り付けられる場合に比して、弾性部材45が型合わせ面22bからはずれることを抑制することができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ加硫用金型の型閉じ状態にある2つのセクタの断面図である。図7は、図6のY7-Y7方向から見たセクタの側面図である。図6は、図7のY6-Y6線に沿ったセクタの断面に対応するセクタの断面を示している。第2実施形態に係るタイヤ加硫用金型2´は、第1実施形態に係るタイヤ加硫用金型2と、タイヤ周方向に隣接して配置される2つのセクタの間に弾性部材が配置されること以外は同様であるので、同様の構成について説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態に係るタイヤ加硫用金型2´についても、タイヤ周方向に配置される複数のセクタ30´はそれぞれ、二点鎖線で示すタイヤ径方向外側位置と実線で示すタイヤ径方向内側位置との間でタイヤ径方向に移動可能に構成されている。複数のセクタ30´は、型合わせ時にタイヤ径方向内側に移動され、隣接して配置されるセクタ30´どうしが接触して型合わせられて環状に形成される。セクタ30´は、例えばアルミニウム材料から形成される。
図7に示すように、セクタ30´は、タイヤ径方向内側におけるタイヤ幅方向中央側に空気入りタイヤのトレッド部及びショルダ部を成形するタイヤ成形面31を有すると共に、タイヤ径方向内側におけるタイヤ幅方向外側に上下一対のサイドプレート21,22との型合わせ面32,32を有している。
セクタ30´のタイヤ成形面31は、タイヤ幅方向中央側がタイヤ幅方向外側に比してタイヤ径方向外側に膨出するように形成され、タイヤ幅方向中央側及びタイヤ幅方向外側がそれぞれトレッド部及びショルダ部の形状に応じて形成されている。
図6に示すように、複数のセクタ30´はそれぞれ、タイヤ周方向に円弧状に形成されている。複数のセクタ30´はそれぞれ、タイヤ周方向両側の端面がタイヤ周方向に直交する方向に延び、タイヤ周方向一方側及びタイヤ周方向他方側にそれぞれ隣接して配置されるセクタ30´との型合わせ面33及び34を有している。
セクタ30´のタイヤ周方向一方側の型合わせ面33は、隣接して配置されるセクタ30´のタイヤ周方向他方側の型合わせ面34と型合わせされ、型合わせ面33のタイヤ成形面側に凹部50が形成されている。セクタ30´のタイヤ周方向他方側の型合わせ面34には凹部が形成されていない。
凹部50は、タイヤ成形面31aの周縁部に設けられ、型合わせ面33に平行に延びる底面部51と、底面部51から型合わせ面33に延びる側面部52とを備えている。凹部50には、弾性部材55が接着剤等によって底面部51に取り付けられている。弾性部材55は、断面略矩形状に形成されて型合わせ面33に沿って配置されている。
隣接して配置される2つのセクタ30´が型合わせされるとき、一方のセクタ30´の型合わせ面33に形成された凹部50に取り付けられた弾性部材55が他方のセクタ30´の型合わせ面34に接触して弾性変形されてセクタ30´の型合わせ面33とセクタ30´の型合わせ面34とが型合わせられる。
弾性部材55についても、弾性部材45と同様に、セクタ30´の型合わせ面33より突出するように凹部50に取り付けられている。セクタ30´が型合わせられるとき、弾性部材55がセクタ30´の型合わせ面34に接触して弾性変形されて隣接して配置される2つのセクタ30´が型合わせられる。
これにより、隣接して配置される2つのセクタ30´が型合わせされるときに一方のセクタ30´の型合わせ面33と他方のセクタ30´の型合わせ面34とが接触して摩耗することを抑制し、セクタ30´の型合わせ面33,34の摩耗による成形不良の発生を抑制することができる。
弾性部材55は、弾性部材45と同様に、凹部50の深さより大きい厚さを有している。弾性部材55が型合わせ面33より突出する突出量は、好ましくは0.2mm以上0.5mm以下に設定される。弾性部材55は好ましくは、型合わせ面34によって弾性変形されて凹部50内に収容される。
弾性部材55は、型合わせ面33のタイヤ成形面側に配置されている。弾性部材55は、タイヤ成形面31の周縁部に10mm以上の幅W1を有するように形成される。弾性部材45は、型合わせ面33b全体に配置するようにしてもよい。弾性部材55として、弾性部材45と同様に、130度~200度などの所定加硫温度に対する耐熱性を有するシリコンゴムなどの弾性部材が用いられる。弾性部材45は好ましくは、130度~200度などの所定温度に対して4~14MPaなどの所定弾性係数を確保するものが用いられる。
このように、本実施形態に係るタイヤ加硫用金型2´についても、タイヤ成形面31を有する第1成形型30´と、第1成形型30´に型合わせされると共にタイヤ成形面31を有する第2成形型30´と、第1成形型30´の型合わせ面33と第2成形型30´の型合わせ面34との間におけるタイヤ成形面側に配置される弾性部材55とを備える。第1成形型30´及び第2成形型30´の少なくとも一方は、移動可能に構成される。
これにより、少なくとも一方が移動可能に構成された第1成形型30´及び第2成形型30´の型合わせ面33、34間のタイヤ成形面側に弾性部材55が配置されるので、第1成形型30´と第2成形型30´とが型合わせされるときに第1成形型30´の型合わせ面33と第2成形型30´の型合わせ面34とが接触して摩耗することを抑制し、第1成形型30´及び第2成形型30´の型合わせ面33,34の摩耗による成形不良の発生を抑制することができる。
また、第1成形型30´及び第2成形型30´は、トレッド部T1を成形するタイヤ成形面31を有すると共に移動可能に構成され、且つ隣接して配置される2つのセクタ30´,30´である。これにより、摩耗が発生し易い隣接して配置される2つのセクタ30´の型合わせ面33,34間のタイヤ成形面側に弾性部材55が配置されるので、2つのセクタ30´,30´が型合わせされるときに2つのセクタ30´,30´の型合わせ面33,34が接触して摩耗することを抑制することができる。
タイヤ加硫用金型2は、第1成形型としての下側ビードリング24の型合わせ面24bと第2成形型としての下側サイドプレート22の型合わせ面22bとの間におけるタイヤ成形面側に弾性部材45が配置されている。タイヤ加硫用金型2´は、第1成形型及び第2成形型としての2つのセクタ30´の型合わせ面33,34の間におけるタイヤ成形面側に弾性部材55が配置されている。タイヤ加硫用金型2において、タイヤ加硫用金型2´のように、2つのセクタ30の型合わせ面の間におけるタイヤ成形面側に弾性部材を配置することも可能である。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。