JP5660954B2 - 繊維質断熱材ブロック、これを用いた炉内被加熱面のライニング施工方法 - Google Patents

繊維質断熱材ブロック、これを用いた炉内被加熱面のライニング施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鉄所の製銑、製綱、圧延工程等で使用される加熱炉、均熱炉、熱処理炉等の各種の耐火炉において、その炉壁、炉蓋、カバー、天井、スキッドポストの表面などの、炉の稼働時に加熱にさらされる面(以下、「炉内被加熱面」ともいう)に施工される耐火断熱ライニングに使用される繊維質断熱材ブロック、及びこの繊維質断熱材ブロックを用いた炉内被加熱面のライニング施工方法、並びに繊維質断熱材ブロック用梱包材に関する。
近年、省エネや断熱等を目的として、加熱炉等の各種窯炉設備における炉壁などのライニング施工には、セラミックファイバーなどの繊維質断熱材が使用されている。繊維質断熱材は、熱伝導率が低いのみならず、軽量かつ低嵩比重であるため、熱慣性に優れ、炉の降温、昇温時間が短縮できる等の利点がある。そのため、繊維質断熱材は、加熱炉等のスケールや溶融金属と接触しない部位における主なライニング材として使用されている。
代表的な繊維質断熱材であるセラミックファイバー(CF)を例に説明すると、従来においては、当初、セラミックファイバーを用いて各種炉にライニング施工する場合、セラミックファイバーを毛布状に成形したセラミックファイバーブランケット(CFブランケット)を、鉄皮(炉壁)などの被加熱面に溶接した支持ピンに対して幾層にも積層していく、いわゆるペーパーライニング法が採用されていた。ところが、CFブランケットには、高温に曝されたときの厚み方向の収縮が大きい、支持ピン等の取付金具が炉内に露呈して酸化損傷を受け易い、また、CFブランケットが広い面積を有し、層間に間隙が生じたりすることから、ライニング施工が比較的難しい等の問題があった。
そこで、近年においては、帯状に形成されたCFブランケットを所定の長さに折り畳んで加圧下に積層し、あるいは、CFブランケットから所定の大きさに切り出された複数枚のCFブランケット片を加圧下に積層し、縫製、接着、内蔵金具等の手段でブロック状に形成した単位ブロックが用いられるようになった。この単位ブロックは、その圧縮された形状を所定の梱包材と結束バンドで維持した状態でライニング施工に用いられる(非特許文献1及び2参照)。
このようなCFブロックとして、例えば、図7(a)、(b)に示すようなCFブロック31が知られている。このCFブロック31は、帯状に形成したCFブランケットを所定の長さで山折りと谷折りを繰り返しながら交互に折り畳み、加圧下に積層して例えば300mm×300mm×300mm程度の大きさの単位ブロック32を形成して作製される。単位ブロック32は、ライニング施工に用いられるブロック材を最終的に形成するための加圧処理をうける一対の加圧面32aと、炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面32bを有する。左右の加圧面32aから加熱面32bにかけて、加圧面32aと加熱面32bとが接する角部を保護するように、一対の梱包部材33a、33bからなる梱包材33でブロック32被覆し、梱包材33を介して単位ブロック32を2本の結束バンド34で結束している。梱包材33を構成する梱包部材33a、33bは、ブロック32の加圧面32aを覆う加圧面当接部35と、加熱面32bの一部を覆って保護する加熱面保護部36と、加圧面当接部35と加熱面保護部36との間に形成される折曲げ部37とで構成されている。図7(b)中の符号38は、繊維質断熱材ブロック31のライニング施工時に鉄皮(炉壁)に単位ブロック32を取り付けるための取付金具を示している。図7(a)中の符号39は、繊維質断熱材ブロック31のライニング施工時に取付金具38を操作するための紙管製ガイドパイプである。
CFブランケットは、繊維が良く絡み合っていることから、長手方向には加熱収縮率が小さく、厚み方向については加熱収縮率が相対的に大きい。そのため、CFブランケットの表面が加熱面となって、CFブランケットの厚みを利用して熱の移動を防ぐペーパーライニングに比べると、CFブロックを用いるライニングでは、CFブランケットの長手方向を熱の主な移動方向に向けて使用することができることから、熱の遮断効率が優れている。しかも、CFブロックにおいては、その形状を保持するための金具(内蔵金具)が単位ブロックに内挿され、また、単位ブロックを鉄皮へ取り付けるためのチャンネル等の取付金具(図7(b)の符号38参照)はライニングにおける冷面(加熱面と反対側の面)にのみ露出するため、取付金具の酸化による損傷も抑えることができ、飛躍的な寿命延長効果をもたらす。加えて、CFブロックには、鉄皮に溶接した支持ボルトと単位ブロックとを接合させるためのナット締めを行うガイドパイプ(図7(a)の符号39参照)が設けられているので、その取付作業が容易である。更に、CFブロックの大きさを取り扱い易いサイズにできることから、ライニング施工の作業性を大幅に向上させることもできる。
CFブロックによるライニング施工においては、CFブランケットを折り畳んで積層された、あるいは所定の形状のCFブランケット片を積み重ねて積層された単位ブロックが、1つの単位体として用いられる。CFブロックは、ライニング施工時までこの単位ブロックの形状を維持し、また、ライニング施工時までの取扱性を向上させるために、単位ブランケットの積層方向に垂直な加圧面に梱包材としてカードボード(紙製)を設置し、積層方向に圧縮した後、これを結束バンドで結束することにより所定の寸法に固定されている。CFブランケットを折り畳んでCFブロックとする場合、これに用いる梱包材には、結束バンドの締め付けによりCFブランケットの折山が損傷しないように、図7(a)、(b)に示すように、単位ブロック32の加圧面32aを覆う加圧面当接部35から加熱面32b側にかけて加熱面保護部36を延長して設け、単位ブロック32の加圧面32a、この加圧面32aと加熱面32bとの境目の角部、更には加熱面にかけてファイバーを保護するようになっている。加熱面保護部36は、通常、その端部がCFブランケットの折山に接触せず、かつコストが下がるように、加圧面32aと加熱面32bとの境目の角部から2つ目の折山を越えた位置に配置されている。
CFブロックを用いて炉壁の内面をライニングする場合、隣接するCFブロック間の目地に隙間が生じないようにすることが重要である。CFブロックは、その単位ブロックにおいて、CFブランケットが一対の加圧面の間で加圧下に積層圧縮して成形されている。このため、CFブロックおいては、CFブランケットの積層方向に対して直交する方向には殆ど復元力がないが、積層方向には復元力が働く。そこで、CFブロックの積層方向に作用する復元力を利用した幾つかのライニング施工方法が、従来から提案されている。
例えば、特許文献1には、チャンネル等の取付金具(図7(b)の符号38で示された部材参照)が設置された冷面(加熱面の反対側に位置する面)を炉壁の内面側に向けて配置しながら、隣り合う単位ブロックをそれらのCFブランケット積層方向が一致しないように、それらを加熱面側から見て90°回転させながら交互にライニングする、いわゆる市松工法が提案されている。この市松工法によれば、CFブランケットの積層方向の復元力によって各単位ブロックには、そのCFブランケット積層方向(単位ブロック自体が復元力を発現する方向)に対して直行する方向から押圧力が作用し、単位ブロック間の目地には隙間が生じ難くなる。しかしながら、この市松工法によっても、幾つかの単位ブロックの配置に位置ズレが生じると、隣り合う単位ブロック間の目地に隙間ができることがある。なかでも、隣接する4つの単位ブロックの角部が集まる部位には、4つの単位ブロックの角部を正確に一点に集めることが難しいため、いわゆる三角目地が形成されてしまうことがある。これを補うためには、目地の隙間へフォールドを挿入する、あるいは三角目地へバルク状のセラミックファイバーを充填する等の目字詰め作業が行われる。
市松工法の他には、例えば、特許文献2に示すように、複数の単位ブロックの加圧面を互いに向い合わせに一列に並べて単位ブロック配列を形成し、単位ブロック配列の列間に形成された目地にはCFブランケットを挿入して目地埋めを行う、いわゆるソルジャー工法も提案されている。
特許文献3には、CFブランケットを圧縮状態として施工するのを可能にする圧縮モジュールであって、CFブランケットの変形や局部破壊を防ぎ、耐用寿命の延長を図ることができるとされた圧縮モジュールが記載されている。図8(a)〜(c)に示したように、特許文献3の圧縮モジュール41は、300×300mm大のCFブランケット42を複数枚積層した単位ブロックを、剛性材料の添板44で挟んで圧縮し、複数本のバンド45で結束して作製されている。図8(a)、(c)の添板44は、モジュール41の加熱面46から突出した部分を有し、図8(a)の添板はその突出部の一部を加熱面側に折曲して形成した手掛け部48を備え、図8(c)の添板は突出部に手掛け部として用いられる孔49を備えている。図8(b)の添板は、圧縮モジュール41の加熱面46と一致する端部からその一部を内側に折曲して形成した手掛け部48を備えている。
特開昭53-18609号公報 特公平5-71870号公報 実開平6-22895号公報
新日本サーマルセラミックス社の高温用耐火断熱繊維及びセラミックファイバー製品のカタログ「エスファイバーSC」 「セラミックファイバと断熱施工」編集委員会編、財団法人 省エネルギーセンター発行の新版「セラミックファイバと断熱施工」26〜29頁、63〜79頁
例えば上述した市松工法によるライニング施工時には、チャンネル等の取付金具を介して単位ブロックを炉壁の内面へ取り付けた後、これら単位ブロックの梱包(圧縮状態の維持)に使用した結束バンドと梱包材を引き抜く作業が必要である。この結束バンド及び梱包材の抜取り作業では、先ず、隣り合う各単位ブロックを固定している結束バンドをカッター等で切ってから引き抜く。すると各単位ブロックを構成するCFブランケットの復元力で、隣り合う単位ブロック間の隙間がCFブランケットによって埋められる。このとき、梱包材が隣り合う単位ブロック間に加圧下に挟み込まれて残る。そこで次に、この梱包材を、例えばペンチ等を用いて手作業により引き抜く。300mm×300mm×300mmの大きさの単位ブロックにおいてCFブランケットは約0.5MPaもの圧縮力で加圧されているので、梱包材の抜取り作業は重筋作業になり、その作業効率も悪い。
しかも、梱包材が紙製の場合は、引き抜く際に梱包材が破断して隣接単位ブロック間に残り、回収できなくなることがある。単位ブロック間に梱包材が残っていると、目字詰め作業を行うことさえできないため、残存した梱包材を除去するには、炉内を加熱して梱包材を焼失させる必要があり、築炉工程全体として作業時間及び費用に大きな損失を与える。更に、単位ブロック間から梱包材が回収できない(再利用できない)ことは、環境保全上も好ましくない。
梱包材が、特許文献3に記載されたような剛性材料(鉄板、アルミニウム板、アルミ合金板、プラスチック板など)製の場合は、引き抜きによる破断は避けられる。しかし、図8(a)、(c)に示した特許文献3の単位ブロック(圧縮モジュール)の場合は、積層したCFブランケット42を圧縮している梱包材(添板44)の一部がモジュール41の加熱面46から突出しているため、バンド45による結束時にモジュール41の加熱面46側を過剰に締めることによってモジュール41の寸法精度を損ないかねない。また、モジュール41の加熱面46が全く保護されていないため、保管、輸送、ライニング施工時などに加熱面46が損傷しかねない。図8(b)に示した特許文献3の単位ブロック(圧縮モジュール)の場合は、バンド45による局所的な過剰の締め付けは回避されるが、添板を引き抜く際にモジュール41の加熱面46と添板44の手掛け部48との間に何らかの器具を強制的に差し込む必要があり、加熱面46を損傷しやすい。その上、加熱面46が手掛り部48の部分を除いてむき出しになっているため、特にバンド45での結束時に、単位ブロックの角部も損傷を受けやすい。
従って、本発明の目的は、梱包材を引き抜く際に作業者の負荷を軽減するとともに、梱包材を破断することなく回収して繰り返して使用することができ、単位ブロック間に残った梱包材の除去等の余分な作業をなくしてライニング施工の作業効率を改善することができる繊維質断熱材ブロックを提供することにある。
本発明の他の目的は、このような繊維質断熱材ブロックを用いて行う作業効率に優れた炉壁のライニング施工方法を提供することにある。
本発明は、以下の構成によって上記課題を解決するものであり、繊維質断熱材ブロック及びこれを用いた炉内被加熱面のライニング施工方法、並びに繊維質断熱材ブロック用梱包材を提供する。
[1]炉内被加熱面のライニング施工に用いられる繊維質断熱材ブロックであって、
・繊維質断熱材ブランケットを加圧下に積層して形成された、ライニング施工のための単位体として用いられる単位ブロックと、
・前記単位ブロックのブランケット積層方向側面である加圧面のそれぞれの少なくとも一部を覆う加圧面当接部、及び前記加圧面当接部と繋がり、且つ繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面の少なくとも一部を覆う加熱面保護部を有し、前記加圧面当接部と前記加熱面保護部との境界部が、前記加圧面と前記加熱面とがなす前記単位ブロックの角部を覆っている梱包材と、
・前記梱包材を介して前記単位ブロックの形状を維持する結束バンドと、
を備え、
前記梱包材の前記加熱面保護部は、前記結束バンドの除去によって可動して、前記加圧面当接部と同一平面上に配置することができ、且つ、前記梱包材の前記加熱面保護部には手掛り部が設けられている維質断熱材ブロックであって、
前記梱包材は、前記単位ブロックのブランケット積層方向側面に配置された一対の梱包部材で構成され、当該梱包部材は、前記加圧面当接部とそれに繋がる前記加熱面保護部と前記境界部とから構成され、
前記梱包部材の加熱面保護部は、前記結束バンドが除去されると、当該梱包部材を構成する材料自体の弾性によって前記断熱材ブロックの加熱面から離隔することを特徴とする繊維質断熱材ブロック
]前記梱包部材は、前記境界部で折曲げられることを特徴とする、前記[]に記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記梱包部材が一体品であり、前記境界部に沿って設けた切り込みを有することを特徴とする、前記[]に記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記梱包材の前記加圧面当接部と前記加熱面保護部が別個に形成されており、それらが蝶番により、または両者に結合したシート材によって繋がっていることを特徴とする、前記[]に記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記梱包材が合成樹脂材料で製作されていることを特徴とする、前記[1]記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記合成樹脂材料が硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレン製のシート又はプラスチック段ボールであることを特徴とする、前記[]に記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記手掛り部が鳩目穴、リング、又は鉤状の係止部として作製されていることを特徴とする、前記[1]記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記一対の梱包部材には、それぞれの前記加熱面保護部に、一対の前記手掛り部を有することを特徴とする、前記[記載の繊維質断熱材ブロック。
]前記単位ブロックが一辺200〜400mmの立方体あるいは直方体状であり、前記梱包部材の引張強度が5〜90MPa、前記梱包部材の前記繊維質断熱材に対する静摩擦係数が0.1〜1であることを特徴とする、前記[記載の繊維質断熱材ブロック。
10]炉内被加熱面のライニング施工方法であり、
・繊維質断熱材ブランケットを加圧下に積層して形成された、ライニング施工のための単位体として用いられる単位ブロックと、
・前記単位ブロックのブランケット積層方向側面である加圧面のそれぞれの少なくとも一部を覆う加圧面当接部、及び、繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面を覆う加熱面保護部を有する梱包材と、
・前記梱包材を介して前記単位ブロックの形状を維持する結束バンドと、
からなる、複数の繊維質断熱材ブロックを炉内被加熱面の所定箇所に配置し、繊維質断熱材ブロックの結束バンドを切断、除去後に、隣り合った繊維質断熱材ブロック間に残留している梱包材を引き抜くことにより隣り合った繊維質断熱材ブロックどうしを密着させることによるライニング施工方法であって、前記繊維質断熱材ブロックとして、前記[1]記載の繊維質断熱材ブロックを使用することを特徴とする炉内被加熱面のライニング施工方法。
11]前記隣り合った繊維質断熱材ブロック間に残留している前記梱包材を引き抜く際に、一端が前記単位ブロックに当接されて略垂直に立設される脚部と、前記梱包材に設けられた手掛り部に係脱可能に係止されるとともに前記脚部に沿って移動する可動部と、前記脚部の他端側に設けられ、前記脚部に沿って前記可動部を移動させる牽引手段とを備えた引き抜き冶具を使用することを特徴とする、前記[10]に記載の炉内被加熱面のライニング施工方法。
12]前記牽引手段は、その駆動手段としてモーターを備えているとともに、一端が前記可動部に連結された牽引ワイヤを備えた電動式の巻取り機であることを特徴とする、前記[11]に記載の炉内被加熱面のライニング施工方法。
本発明によれば、繊維質断熱材ブロックを用いて炉内被加熱面のライニング施工を行う際に、梱包材の加熱面保護部が結束バンドの除去によって可動となることにより、隣り合う単位ブロック間に挟み込まれた梱包材を引き抜くために加熱面保護部にかける力の方向を梱包材の引き抜き方向を一致させることができる。また、加熱面保護部に引き抜きのための手掛り部が設けてある。これらの相乗効果によって、本発明によれば、隣り合う単位ブロック間に挟み込まれた梱包材を容易に回収することができるとともに、引き抜き時の梱包材の破断や変形を防ぐことができる。このため、従来しばしば行われていた破断して隣接ブロック間に残存している梱包体の除去作業を必要とせず、炉壁のライニング施工における作業効率を改善できるほか、梱包材を繰り返して使用することもできる。更に、ライニング施工における梱包材の抜取り作業において、冶具の使用が可能になり、梱包材の抜取り作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
本発明による一実施形態の繊維質断熱材ブロックを説明するための斜視図であり、(a)は正面(加熱面)側からみた斜視図、(b)は背面(冷面)側からみた斜視図である。
図1の繊維質断熱材ブロックに用いられる一対の梱包部材からなる梱包材を説明する図であり、(a)は梱包部材の正面図、(b)は折り曲げた梱包部材を示す斜視図である。
本発明による他の実施形態の繊維質断熱材ブロックを説明するための斜視図である。
本発明の繊維質断熱材ブロックを用いてライニング施工を行う際に梱包材を隣接ブロック間から引き抜く際に使用する引抜き冶具を示す図であり、(a)は引抜き冶具の側面図、(b)は引抜き冶具の正面図である。
図4の引抜き冶具を用いた梱包材の抜取り作業を説明するための図である。
スキッドポストに対して適用した本発明の繊維質断熱材ブロックにより形成したライニング層を示す図である。
従来の繊維質断熱材ブロックを説明するための斜視図であり、(a)は正面(加熱面)側からみた斜視図、(b)は背面(冷面)側からみた斜視図である。
特許文献3に開示されたCFブランケットを使用する圧縮モジュールを説明する図であって、(a)はモジュールの加熱面から突出した部分とこの突出部の一部を内側に折曲して形成した手掛け部を有する添板を用いた圧縮モジュール、(b)はモジュールの加熱面と一致する端部からその一部を加熱面側に折曲して形成した手掛け部を備えた圧縮モジュール、(c)はモジュールの加熱面から突出した部分を有しこの突出部に手掛け部として用いられる孔を備えた圧縮モジュールを示している。
梱包材の引張強度と隣接ブロック間からの引き抜き時の回収率及び再利用率との関係を示すグラフである。
以下、添付図面に示す実施形態の一例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1(a)、(b)に、本発明が適用された繊維質断熱材ブロックの一例が示されている。本発明の繊維質断熱材ブロックで使用する繊維質断熱材は、繊維質材料により構成された断熱材を使って形成されたブロックであって、炉内被加熱面のライニング施工に用いられるものである。ここでの「炉内被加熱面」とは、製鉄所の製銑、製綱、圧延工程等で使用される加熱炉、均熱炉、熱処理炉等の各種の耐火炉において、その炉壁、炉蓋、カバー、天井、スキッドポストの表面などの、炉の稼働時に加熱にさらされる面のことをいう。本発明では、ブランケット状の繊維質断熱材を加圧下に積層して、単位ブロックを形成する。繊維質断熱材の代表例は、セラミックファイバー(アルミナ(Al23)とシリカ(SiO2)を主成分とした人造無機繊維)、グラスウール、ロックウールなどの無機繊維質材料である。以下では、繊維質断熱材の一例としてセラミックファイバー(CF)を取り上げることにする。
図1(a)、(b)に示した本発明の繊維質断熱材ブロック1は、前述の図7(a)、(b)に示された繊維質断熱材ブロックと同様の構成を有する。具体的には、帯状に形成したCFブランケットを所定の長さで山折りと谷折りを繰り返しながら交互に折り畳み、加圧下に積層して形成された単位ブロック2と、単位ブロック2のブランケット積層方向側面である加圧面2a、2bを覆う加圧面当接部5、及び加圧面当接部5と繋がり、且つ繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面2cを覆う加熱面保護部6を有し、加圧面当接部5と加熱面保護部6との境界部が、単位ブロック2の加圧面2a、2bと加熱面2cとがなす角部を覆っている梱包材3と、単位ブロック2を梱包材3とともに結束して単位ブロック2の形状を維持する結束バンド4とからなる。梱包材3の加熱面保護部6には、ライニング施工時に繊維質断熱材ブロック1を所定箇所に配置後、結束バンド4を除去することにより隣接単位ブロック2間に挟み込まれた梱包材3を引き抜くための手掛り部10が設けられている。繊維質断熱材ブロック1は、例えば、厚さ25mmのCFブランケットを交互に折り畳んで16層に積層し、圧縮して、300mm×300mm×300mmの大きさに成形した単位ブロック2を用いて製作される。図1(a)、(b)の繊維質断熱材ブロック1は、図7(a)、(b)を参照して説明した従来技術のブロックと同様に、ライニング施工時に単位ブロック2を炉内被加熱面に取り付けるための取付金具8(図1(b))と、ライニング施工時に取付金具8を操作するためのガイドパイプ9(図1(a))を備えている。ガイドパイプ9は、紙管などを利用して製作される。
本発明の繊維質断熱材ブロック1においては、ライニング施工時に複数の繊維質断熱材ブロック1を所定箇所に配置後、結束バンド4を除去し隣接ブロック間の梱包材3を引き抜く際に、挟み込まれた梱包部材3a、3bの加圧面当接部5に対して可動性の加熱面保護部6を加圧面当接部5と同一平面に配置することができる。これにより、梱包部材3a、3bの引き抜き時にそれらに作用する力の方向を、加圧面当接部の引き抜きの方向と一致させることができ、引き抜きを容易に行うことができる。
本発明の繊維質断熱材ブロック1では、図1(a)に示したように、梱包部材3a、3bの加圧面当接部5と加熱面保護部6との境界部7が、単位ブロック2の加熱面2cの左右の角部を保護することもできる。
図1(a)、(b)の繊維質断熱材ブロック1において、梱包材3は、一方の加圧面2a(又は2b)の略全部を覆う加圧面当接部5と加熱面2cの一部を覆う加熱面保護部6とを有する一対の梱包部材3a、3bで構成されている。各梱包部材3a、3bは、一体品として作製されており、加圧面当接部5と加熱面保護部6との間には、境界部7が位置している。また、各梱包部材3a、3bの加熱面保護部6には、ライニング施工時に繊維質断熱材ブロック1を所定箇所に配置後、結束バンド4を除去することにより隣接単位ブロック2間に挟み込まれた梱包材3を引き抜くための手掛り部10として、一対の鳩目穴が設けられている。手掛り部10は、一対の鳩目穴に限られるものではなく、後述する梱包材の引抜き冶具に設けられる可動部の例えば鉤状の係止部(フック)と係脱可能に係止するものであればよい。例えば、加熱面保護部6の自由端縁部に取り付けられたリング、鉤状の係止部(フック)等であってもよい。
図1(a)、(b)の繊維質断熱材ブロック1において、梱包材3の加圧面当接部5は、単位ブロック2の加圧面2a、2bの略全部を覆うように形成されている。加圧面当接部5は、単位ブロック2の加圧面2a、2bの全部を覆うように形成してもよい。とは言え、この場合には、ライニング施工時に繊維質断熱材ブロック1を所定箇所に配置する際に、隣り合うブロック1の加圧面当接部5の端部どうしが接触して干渉しあい、作業の妨げとなることがある。従って、加圧面当接部5は、図1(a)、(b)に示したように、単位ブロック2の加圧面2a、2bの端部を除いて、一部だけ覆うように形成するのが好ましい。
図1(a)、(b)の繊維質断熱材ブロック1では、帯状のCFブランケットを所定の長さで山折りと谷折りを繰り返しながら交互に折り畳んで積層することにより単位ブロック2を形成している。しかし、単位ブロック2の形成はこれに限られるものではなく、CFブランケットから所定の大きさの複数枚のCFブランケット片を切り出し、これらを加圧下に積層して形成してもよい。
単位ブロック2の形状も、図1(a)、(b)に示した立方体に限らない。例えば図3に示すように、加熱面2c側の後方部に切込段差11を有するとともに、その反対側の冷面側の前方部にやはり切込段差11’を有する形状であってもよい。また、炉壁のコーナー部に施工されるL型ブロック、スキッドポスト等の円柱状部位に施工されるリンテルブロック等のように、各種の異形状に形成されていてもよい。更に、単位ブロック2のサイズや単位ブロック2を形成するCFファイバーの種類等についても、特に制限されるものではない。
梱包材3は、一対の梱包部材3a、3bにより構成され、梱包部材3a、3bは、図2(a)に示したように、加圧面当接部5、加熱面保護部6、それらの境目に位置する境界部7を有する。図2(a)の梱包部材3a、3bは、境界部7で折曲げ可能な一体品として形成されている。図2(b)は、境界部7で折り曲げた梱包部材3a、3bを示している。梱包材3は、図1(a)、(b)に例示した繊維質断熱材ブロック1において、単位ブロック2の加圧面2a、2bに加圧面当接部5を当接し、境界部7で折り曲げて加熱面保護部6を単位ブロック2の加熱面2cに当接して配置され、結束バンド4によって単位ブロック2とともに結束されて単位ブロック2を圧縮状態に維持する。いわゆる市松工法によるライニング施工により炉内被加熱面の所定箇所に配置された隣り合う繊維質断熱材ブロック1の間から梱包材3を引き抜く場合に、結束バンド4を切断して除去すると、境界部7を境に可動な加熱面保護部6は束縛を解かれ、例えば梱包部材自体の弾性によって、加熱面2cから自由に離すことができるようになる。加熱面保護部6には、図2に示したように、隣り合うブロック間から梱包材3を引き抜く際に利用できる手掛り部として、一対の鳩目が設けてある。
例えば、梱包材3は、単位ブロック2の加圧面2aと同じ大きさか、それより小さい矩形状に形成された加圧面当接部5を有する一対の梱包部材3a、3bから構成される。梱包部材3a、3bの大きさは、加圧面当接部5の各辺の寸法La及びLcが単位ブロック2(図1)の加圧面2aの寸法の85%以上97%以下(単位ブロック2の加圧面が300×300mmの正方形の場合に255〜291mm)であるのが好ましい。加圧面当接部5の各辺の寸法La及びLcが単位ブロック2の加圧面2aの寸法の97%を超えると、炉内被加熱面の所定箇所に配置された状態において、隣り合う単位ブロックの梱包部材どうしが干渉し、三角目地ができ易くなる。反対に、85%より小さいと単位ブロック2に対する加圧効果が損なわれる。より好ましくは、加圧面当接部5の各辺の寸法La及びLcは単位ブロック2の加圧面2aの寸法の90%以上97%以下(単位ブロック2の加圧面が300×300mmの正方形の場合に270〜291mm)である。
炉内被加熱面の所定箇所に配置された状態での隣り合う単位ブロックの梱包部材どうしの干渉に関して言うと、干渉の原因は隣り合う単位ブロックの梱包部材どうしの接触が原因である。従って、干渉の防止の観点からは、梱包部材は、単位ブロックの端部に梱包部材の厚み分だけの非当接部をもたらすような寸法であればよい。例えば、単位ブロックの加圧面の寸法が300mm×300mm、梱包部材の厚みが5mmの場合には、図2の梱包部材3a、3bの加圧面当接部5の横寸法Laは、最大で290mmとすることができる。この例から理解されるように、上述の加圧面当接部5の各辺の寸法La及びLcの単位ブロック2の加圧面2aの寸法に対する比率の上限97%は、隣り合う単位ブロックの梱包部材どうしの干渉を防ぐことを主な目的としており、従って梱包部材の厚みによっては、上記比率が97%を超えることがあっても差し支えない。
図2(a)、(b)に示した梱包部材3a、3bの可動部である加熱面保護部6の大きさは、梱包部材3a、3bの端部が単位ブロック2(図1)において積層・圧縮されたCFブランケットの折山と接触しないように、隣接する折山の間に来るようにするのがよい。加熱面保護部6には、手掛り部10の鳩目穴を設ける領域を確保することも必要である。そのため、例えば厚み25mmのCFブランケットを用いる場合には、加熱面保護部6の寸法Lbを通常は56mm以上94mm以下の範囲とするのが好ましい。
手掛り部10として設けられる鳩目穴は、後述する梱包材の引抜き冶具が用いられる場合、引抜き冶具による作業性が損なわれないようにするためと、梱包部材が繰返し利用に耐える強度を持てるようにするため、10mm以上30mm以下、好ましくは15mm程度の直径であるのが好ましい。鳩目穴を加熱面保護部6の2箇所に設置することにより、梱包部材3a、3bの引抜方向を単位ブロック2の配列面(炉内被加熱面)から垂直方向に安定させることができる。鳩目穴10を取り付ける位置は、梱包部材3a、3bの抜取り作業の際に荷重が掛かる作用点と支点の位置を考慮して、例えば300mm×300mm×300mm大の単位ブロックの場合、図2に示した鳩目穴10の中心から加熱面保護部6の自由端までの距離l1が10mm以上30mm以下、好ましくは20mm程度となり、鳩目穴10の中心間距離l2が50mm以上200mm以下、好ましくは100mm程度となるように設定するのがよい。
梱包材3は、加圧面当接部5に関して可動の加熱面保護部6を設けることができる任意の材料で製作することができる。使用可能な材料の例として、硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂に代表される合成樹脂材料が挙げられるほか、ABS樹脂、ポリアミド等を用いることもできる。好ましくは、硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン等の繰返し使用可能な合成樹脂シートやプラスチック段ボールが用いられる。このような合成樹脂シートやプラスチック段ボールを形成する合成樹脂そのものが再生して利用することができるものであると、より好ましい。このようなプラスチック材料で製作される梱包材は、炉内被加熱面へのライニング施工後に回収して再使用するために、好ましくは、厚さが2mm以上10mm以下、より好ましくは4mm以上6mm以下であって、その単位面積当たりの重量が500g/m2以上10000g/m2以下、好ましくは1000g/m2以上5000g/m2以下であるのがよい。
ライニング施工時には複数の繊維質断熱材ブロック1を所定箇所に配置するため、梱包材3は隣接単位ブロック2間に挟み込まれることになる。梱包材3は、その後結束バンド4を除去することにより隣接単位ブロック2間から引き抜かれる。梱包材3の引き抜き作業をより容易にするため、梱包材3を構成する一対の梱包部材3a、3bは、結束バンドが除去されると当該梱包部材3a、3bを構成する材料自体の弾性によって加熱面保護部から離隔するのが好ましい。境界部7で折曲げた加熱面保護部6を加圧面当接部5に対して可動にするのを容易にするために、必要ならば、境界部7に沿って切り込みを設けるなどの手段を講じてもよい。場合によっては、加圧面当接部5と加熱面保護部6を別個に形成して、蝶番や、あるいは加圧面当接部5と加熱面保護部6の両者に結合した(例えば接着剤などにより)シート材などで連結して組み立てた梱包部材も可能であるが、製作には相応の手間がかかることになる。
本発明の繊維質断熱材ブロックによるライニング施工においては、繊維質断熱材ブロックを炉内被加熱面の所定箇所に配置し結束バンドを除去後に、それまで圧縮されていた単位ブロックのCFブランケットがその積層方向に復元しようとする力を利用して、隣接ブロックどうし密着させる。そのため、結束バンドの除去後には隣り合うブロック間に梱包部材が強い力で挟み込まれて残留している。隣接ブロック間に挟み込まれた梱包部材は、回収して再利用するために、破断も変形もすることなく引き抜くことが必要とされる。これを可能にするために、梱包材には、適度の強度を有するとともに、適度の滑り性を有することが求められる。これらの特性は、ブロックの大きさ、繊維質断熱材の種類、梱包部材の材質を含めた様々な因子に左右される。一例として、厚さ25mmのCFブランケットを16層積層し圧縮して形成した300×300×300mmの単位ブロックを用いた繊維質断熱材ブロック間から、上に例示したようなプラスチック材料製の梱包部材を引き抜く場合には、梱包部材は、10MPa以上の引張強度、CFブランケットに対して1.0以下の静摩擦係数を有するのが好ましい。引張強度が10MPaより低いと、炉内被加熱面に取り付けた繊維質断熱材ブロック間から引き抜く際に梱包材が破断してブロック間に残って、これを除去するための余分な作業が必要となり、また梱包材を繰り返し利用できないという問題がある。破断に至らずに変形した場合にも、梱包材はやはり繰り返し利用ができないという問題がある。一方、実用上は、引張強度を70MPaより高くしても、それ以上の利点は得られない。CFブランケットに対する静摩擦係数が1.0より高くなると、繊維質断熱材ブロック間から梱包材を引き抜くのに長時間が必要になったり、引き抜くことができない梱包材が発生するという問題があり、0.1より低くしてもそれ以上の利点は得られない。より好ましくは、梱包部材の引張強度は10MPa以上70MPa以下、CFブランケットに対する静摩擦係数は0.9以下0.25以上である。
梱包部材に求められるCFブランケットに対する静摩擦係数は、単位ブロックの大きさに依存しない。一方、梱包部材に求められる引張強度は、単位ブロックの大きさに依存する。具体的には、隣接ブロックどうしの接触面積が大きくなるほど、大きな引張強度が必要となる。一例として、上記の300×300×300mmの単位ブロックの場合、梱包部材の引張強度と隣接単位ブロック間からの引き抜きによる回収率の関係は、図9に示したようになる。梱包部材の回収率(単位ブロック間に残存することなく回収された梱包部材の割合)は、引張強度5MPa以上で100%となるが、回収した一部の梱包部材に変形が生じることがあり、変形した梱包部材は再利用できない。図9に示した再利用率(破断も変形もすることなく引き抜くことができた梱包材の割合)のデータから明らかなとおり、引張強度10MPa以上で、回収した梱包材の全てを再利用することができる。
より一般的に言えば、取り扱い性と作業性の観点から好ましい一辺が200〜400mm程度の立方体あるいは直方体の単位ブロックの場合、梱包部材の好ましい引張強度は5〜90MPa、より好ましくは10〜70MPaである。一方、梱包部材の好ましい静摩擦係数は、使用する繊維質断熱材の種類に依存するとは言え、繊維質断熱材ブランケットに対して0.1〜1、より好ましくは0.25〜0.9である。
上に例示したプラスチック材料製の梱包部材は、一般に、これらの条件を満たすことができる。従って、そのようなプラスチック材料で製作した梱包部材は、例えば表面に潤滑剤を塗布するなどの余分な処理を必要とすることなく、本発明の繊維質断熱材ブロックで使用することができる。
従来の繊維質断熱材ブロックでは、紙製のカードボードや厚さ2〜6mm程度のシナ製の合板を梱包材として用いるのが主流であった。カードボードで作製した梱包材の場合には、カードボードを構成するライナ及び中芯の引張強度が10〜50kPa程度であるため強度が不足し、隣接ブロック間から引き抜く際にしばしば破断してしまうことがあった。シナ製の合板を用いた場合には、そのCFブランケットに対する静摩擦係数が約2.0であって滑りにくく、隣接ブロック間から引き抜くのが容易でなかった。
一方、特許文献3に記載されたような剛性材料製の梱包材(図8(a)、(c)参照)では、引き抜きによる破断や変形は避けられる。しかし、図8(a)、(c)に示した単位ブロックの場合は、梱包材44の一部がブロック41の加熱面46から突出しているため、バンド45による結束時にブロック41の加熱面46側を過剰に締めることなどによってブロック41の寸法精度を損ないかねない。その上、モジュール41の加熱面46が全く保護されていないため、保管、輸送、ライニング施工時などに加熱面46が損傷しかねない。図8(b)の単位ブロックでは、バンド45による局所的な過剰の締め付けは回避されるが、梱包材44を引き抜く際にブロック41の加熱面46と梱包材44の手掛り部48との間に何らかの器具を強制的に差し込む必要があり、加熱面46を損傷しやすい。その上、加熱面46が手掛り部48の部分を除いてむき出しになっているため、特にバンド45での結束時に、単位ブロックの角部も損傷を受けやすい。図8(b)の手掛り部48に、例えばフックなどを付加したとしても、引抜き時にフックに作用する力の方向を梱包材44を引き抜く方向に一致させなければ円滑な引抜きを行うことができず、作業性が低下するのを避けられない。
図1(a)、(b)に示した本発明の繊維質断熱材ブロック1において、単位ブロック2を梱包材3とともに結束している結束バンド4は、結束に必要な強度を有し、且つライニング施工時に隣り合って配置したブロック間から梱包材3を引き抜く際に容易に切断可能である任意の材料で製作することができる。結束バンド4の材料の例としては、特に限定するものでは無いが、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
本発明はまた、本発明の繊維質断熱材ブロックを用いて炉内被加熱面のライニング施工を行う方法も提供するものである。この方法は、
・繊維質断熱材ブランケットを加圧下に積層して形成された、ライニング施工のための単位体として用いられる単位ブロックと、
・前記単位ブロックのブランケット積層方向側面である加圧面のそれぞれの少なくとも一部を覆う加圧面当接部、及び、繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面を覆う加熱面保護部を有する梱包材と、
・前記梱包材を介して前記単位ブロックの形状を維持する結束バンドと、
からなる、複数の繊維質断熱材ブロックを炉内被加熱面の所定箇所に配置し、繊維質断熱材ブロックの結束バンドを切断、除去後に、隣り合った繊維質断熱材ブロック間に残留している梱包材を引き抜くことにより隣り合った繊維質断熱材ブロックどうしを密着させることによるライニング施工方法であって、前記繊維質断熱材ブロックとして、本発明による繊維質断熱材ブロックを使用することを特徴とする。
複数の繊維質断熱材ブロックを炉内被加熱面の所定箇所に配置する方法は特に制限されず、市松工法、ソルジャー工法等を利用することができる。
隣接繊維質断熱材ブロック間に残留している梱包材は、手作業で引き抜いてもよく、あるいは図4(a)、(b)に例示するような梱包材引抜き冶具を用いて引き抜くこともできる。図4(a)、(b)の引抜き冶具12は、一端が単位ブロック2(図1(a)、(b))に当接されて略垂直に立設される脚部13と、梱包材3の各梱包部材3a、3bに設けられた手掛り部の鳩目穴10(図1(a)、(b))に係脱可能に係止される一対のフック14aを備え、且つ、脚部13に沿って単位ブロック2に対して接近する方向及びそれから離れる方向に移動する可動部14と、脚部13の他端側に設けられ、脚部13に沿って可動部14を移動させるためのモーター(駆動手段)15a及び牽引ワイヤ15bを備えた電動式の巻取り機(牽引手段)15とを備えている。
ライニング施工により炉内被加熱面(例えば、天井面)に配設された隣り合う繊維質断熱材ブロック間から、図4(a)、(b)の引抜き冶具12を用いて梱包材を引き抜く際には、図5に示すように、結束バンドの除去により自由になった梱包材3の加熱面保護部6に設けられた鳩目穴10に、引抜き冶具12の可動部14のフック14aを引っ掛け、脚部13を単位ブロック2に当接し、巻取り機15を駆動して梱包材3を引っ張って、梱包材3を引き抜けばよい。この引抜き冶具12を用いることにより、梱包材の抜取り作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
本発明の繊維質断熱材ブロックは、加熱炉等のスケールや溶融金属と接触しない部位(炉内被加熱面)の断熱処理に使用できる。本発明の繊維質断熱材ブロックを適用可能な炉内被加熱面は、図4(a)、(b)を参照して説明した天井面を始めとして、仕切り壁やスキッドポストの表面でよい。図6に、スキッドポスト21に対して適用した本発明の繊維質断熱材ブロックを例示する。スキッドポスト21の周囲に形成したキャスタブル層22を取り囲んで、本発明の繊維質断熱材ブロックを配列して形成したライニング層23が設けられている。ライニング層23は、当然ながら多数のブロックを集成して形成されているが、図6には、簡単にするため個々のブロックは表示していない。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、各梱包部材の素材の引張強度及びCFブランケットに対する静摩擦係数は、以下のようにして測定した。
[梱包材の素材の引張強度の測定]
梱包部材の素材の引張強度の測定は万能試験機を用いてJIS K 7113に基づいて行い、梱包部材の材料がプラスチック段ボールの場合にはその合成樹脂シートの引張降伏強さを測定し、梱包部材がカードボードの場合にはそのライナの引張降伏強さを測定した。なお、ライナなど紙素材の引張強度は、一般的に、単位幅当りの応力で表されるが、ここでは合成樹脂シートやシナ製合板の値と比較するために、ライナの厚みを測定して断面積当りの応力に換算した。
[梱包材のCFブランケットに対する静摩擦係数の測定]
CFブランケットに対する静摩擦係数の測定は、JIS P 8147の傾斜法に基づき、傾斜台に各梱包部材を取り付け、試験片をCFブランケットとしてこの上に設置し、梱包部材が滑り始める傾斜角を測定して求めた。
[実施例1]
先ず、厚さ6mm、目付1600g/m2、素材の引張強度30MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.38のポリプロピレン製プラスチック段ボール(市販品:住化プラスチック社製商品名:サンプライ)から大きさ幅290mm×長さ590mmの板材を切り出し、加熱加圧処理を施すプレス成形により、長さ方向一端縁から76mmのところに加圧面当接部と加熱面保護部とを区画すると共に、加熱面保護部を加圧面当接部に関して最大90度まで折曲げ可能になるように境界部を形成し、また、前記加熱面保護部の自由端からの距離l1(図2(a))が20mm及び中心間距離l2(図2(a))が150mmの位置に2個のアルミニウム製鳩目穴(内径15mm)を設け、梱包部材を形成した。単位ブロックの梱包材としては、このようにして形成された2枚の梱包部材を1組として用いた。
次に、厚さ25mm×長さ4800mmの帯状のCFブランケット(新日本サーマルセラミックス社製:SCブランケット1260)を長さ300mmで交互に折り畳み、16層に積層した後、CFブランケットの積層面(加圧面)に上記一対の梱包部材を配置し、これら梱包部材を介してCFブランケットの積層方向に圧縮し、次いで結束バンドで固定して300mm×300mm×300mmの大きさの単位ブロックに成形した。
このようにして調製した繊維質断熱材ブロックの48個を用い、製鉄所の熱延加熱炉における広さ1.8m×2.4mの天井面に市松工法によるブロック配列によりライニング施工を行った。そして、この際に、図4に示すような梱包材の引抜き冶具を用い、図5に示すようにして、梱包材の抜取り作業を行った。この梱包材の抜取り作業において、抜取り作業に要した時間(分/m2)を測定すると共に、ライニング施工後の単位ブロック間に残存することなく回収された梱包部材の回収率を求め、また、全ての梱包材が回収された場合において、回収された梱包材の破断又は変形の程度を観察し、繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例2]
梱包材(一対の梱包部材からなる)を製造するための材料として、厚さ5mm、目付7000g/m2、素材の引張強度50MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.39の硬質塩化ビニルシート(JIS K 6745、グループ1に属する汎用品)を用いた以外は、実施例1と同様にして梱包材を製造し、また、実施例1と同様にして炉壁の天井面に市松工法によるライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例3]
繊維質断熱材ブロックによる炉壁の天井面へのライニング施工において、ブロック配列をソルジャー工法に変えた以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例4]
梱包材の抜取り作業において、引抜き冶具に代えて先端にフックを有する抜取り棒を用いた以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例5]
梱包材(一対の梱包部材からなる)を製造するための材料として、厚さ5mm、目付6750g/m2、素材の引張強度15MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.80の軟質塩化ビニルシートを用いた以外は、実施例1と同様にして梱包材を製造し、また、実施例1と同様にして炉壁の天井面に市松工法によるライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例6]
梱包材(一対の梱包部材からなる)を製造するための材料として、厚さ5mm、目付6000g/m2、素材の引張強度67MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.25のポリカーボネートシートを用いた以外は、実施例1と同様にして梱包材を製造し、また、実施例1と同様にして炉壁の天井面に市松工法によるライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[実施例7]
梱包材(一対の梱包部材からなる)を製造するための材料として、厚さ5mm、目付5500g/m2、素材の引張強度75MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.25のポリスチレンシートを用いた以外は、実施例1と同様にして梱包材を製造し、また、実施例1と同様にして炉壁の天井面に市松工法によるライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[比較例1]
厚み5mm、目付950g/m2、素材の引張強度0.05MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.73の紙製カードボードを用い、鳩目穴を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[比較例2]
厚み6mm、目付3000g/m2、及びCFブランケットに対する静摩擦係数1.96のシナ製合板を用い、鳩目穴を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。なお、この合板の引張強度は測定限界を超えていた。
結果を表1に示す。
[比較例3]
厚み5mm、目付7000g/m2、素材の引張強度50MPa、及び表面に摩耗処理を施しCFブランケットに対する静摩擦係数を1.20にした硬質塩化ビニルシートを用い、鳩目穴を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
[比較例4]
厚み5mm、目付5500g/m2、素材の引張強度5MPa、及びCFブランケットに対する静摩擦係数0.80の軟質塩化ビニルシートを用い、鳩目穴を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、梱包材(一対の梱包部材からなる)の製造及びライニング施工を行い、梱包材の抜取り作業(実施例4で用いた抜取り棒を使用)において、抜取り作業に要した時間(分/m2)、ライニング施工後に単位ブロック間から回収できた梱包部材の回収率、及び回収した梱包部材の繰返し使用の可能性を調べた。
結果を表1に示す。
Figure 0005660954
表1に示す結果から明らかなように、従来の紙製のカードボードからなる梱包材(比較例1)を用いた場合には、その引張強度が低くて抜取り作業時に破断が起り、回収率が50%に留まり、また、シナ製合板からなる梱包材(比較例2)を用いた場合には、その静摩擦係数が高くて抜取り作業時にライニング施工された単位ブロック間から引抜くことができないものが多く、回収率が20%となった。また、引張強度5MPaである軟質塩化ビニルシートからなる梱包材(比較例4)を用いた場合には、作業後の梱包部材に変形がみられた。CFブランケットとの静摩擦係数が1.2である表面を摩耗処理した硬質塩化ビニルシート(比較例3)を用いると、単位ブロック間から抜き取ることができないものがあった。
これに対して、本発明の梱包材を用いた実施例の場合には、梱包材の抜取り作業における回収率が100%であり、また、抜取り作業に要した時間も比較例に比べて大幅に短縮された。
また、実施例4〜7と比較例1〜4との比較から明らかなように、共に同じ抜取り棒を用いた手作業であっても、その抜取り作業における所要時間が有意に減少しており、更に、引抜き冶具を用いた場合には、抜取り作業における所要時間が顕著に減少した。
[比較例5]
特許文献3に示される図8(a)の形状の梱包材をプラスチック板と鉄板で作成し、同様に評価した。この結果ブロックの加熱面46と背面の圧縮方向の寸法が、270mmと300mmになり、ブロックが異型となり、ライニング施工時のセットに時間がかかった。又手掛かり部48をペンチで挟み梱包材の引き抜きを試みた。プラスチック板はペンチで挟んだ部分が折損し、鉄板は変形し、引き抜きできないものが発生した。
[比較例6]
特許文献3に示される図8(b)の形状の梱包材をプラスチック板と鉄板で作成し、同様に評価した。この結果ブロックの加熱面46と背面の圧縮方向の寸法ほとんど同じであった。手掛かり部48に作用する冶具を用いて、梱包材の引き抜きを試みた。プラスチック板、鉄板共に手掛かり部に冶具をセットする際、ファィバ−表面46を損傷させる結果となった。又梱包材側面44の面積に対し、手掛かり部48の面積が小さく、引き抜くのに大きな力が必要となり、重筋作業となった。
[比較例7]
特許文献3に示される図8(c)の形状の梱包材をプラスチック板と鉄板で作成し、同様に評価した。この結果ブロックの加熱面46と背面の圧縮方向の寸法が、270mmと300mmになり、ブロックが異型となり、ライニング施工時のセットに時間がかかった。又手掛かり部48の孔に冶具を引っかけ、梱包材の引き抜きを試みた。プラスチック板、鉄板共に、梱包材がまっすぐ引き抜きできず、回収率は70%となった。
1 繊維質断熱材ブロック
2 単位ブロック
2a、2b 加圧面
2c 加熱面
3 梱包材
3a,3b 梱包部材
4 結束バンド
5 加圧面当接部
6 加熱面保護部
7 境界部
8 取付金具
9 ガイドパイプ
10 手掛り部(鳩目穴)
11,11’ 切込段差
12 引抜き冶具
13 脚部
14 可動部
14a フック
15 巻取り機(牽引手段)
15a モーター(駆動手段)
15b 牽引ワイヤ

Claims (12)

  1. 炉内被加熱面のライニング施工に用いられる繊維質断熱材ブロックであって、
    ・繊維質断熱材ブランケットを加圧下に積層して形成された、ライニング施工のための単位体として用いられる単位ブロックと、
    ・前記単位ブロックのブランケット積層方向側面である加圧面のそれぞれの少なくとも一部を覆う加圧面当接部、及び前記加圧面当接部と繋がり、且つ繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面の少なくとも一部を覆う加熱面保護部を有し、前記加圧面当接部と前記加熱面保護部との境界部が、前記加圧面と前記加熱面とがなす前記単位ブロックの角部を覆っている梱包材と、
    ・前記梱包材を介して前記単位ブロックの形状を維持する結束バンドと、
    を備え、
    前記梱包材の前記加熱面保護部は、前記結束バンドの除去によって可動して、前記加圧面当接部と同一平面上に配置することができ、且つ、前記梱包材の前記加熱面保護部には手掛り部が設けられている維質断熱材ブロックであって、
    前記梱包材は、前記単位ブロックのブランケット積層方向側面に配置された一対の梱包部材で構成され、当該梱包部材は、前記加圧面当接部とそれに繋がる前記加熱面保護部と前記境界部とから構成され、
    前記梱包部材の加熱面保護部は、前記結束バンドが除去されると、当該梱包部材を構成する材料自体の弾性によって前記断熱材ブロックの加熱面から離隔することを特徴とする繊維質断熱材ブロック
  2. 前記梱包部材は、前記境界部で折曲げられることを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  3. 前記梱包部材が一体品であり、前記境界部に沿って設けた切り込みを有することを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  4. 前記梱包材の前記加圧面当接部と前記加熱面保護部が別個に形成されており、それらが蝶番により、または両者に結合したシート材によって繋がっていることを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  5. 前記梱包材が合成樹脂材料で製作されていることを特徴とする、請求項1に記載の繊維質断熱材ブロック。
  6. 前記合成樹脂材料が硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリスチレン製のシート又はプラスチック段ボールであることを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  7. 前記手掛り部が鳩目穴、リング、又は鉤状の係止部として作製されていることを特徴とする、請求項1に記載の繊維質断熱材ブロック。
  8. 前記一対の梱包部材には、それぞれの前記加熱面保護部に、一対の前記手掛り部を有することを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  9. 前記単位ブロックが一辺200〜400mmの立方体あるいは直方体状であり、前記梱包部材の引張強度が5〜90MPa、前記梱包部材の前記繊維質断熱材に対する静摩擦係数が0.1〜1であることを特徴とする、請求項に記載の繊維質断熱材ブロック。
  10. 炉内被加熱面のライニング施工方法であり、
    ・繊維質断熱材ブランケットを加圧下に積層して形成された、ライニング施工のための単位体として用いられる単位ブロックと、
    ・前記単位ブロックのブランケット積層方向側面である加圧面のそれぞれの少なくとも一部を覆う加圧面当接部、及び、繊維質断熱材ブロックが炉内にライニング施工された状態で加熱を受ける加熱面を覆う加熱面保護部を有する梱包材と、
    ・前記梱包材を介して前記単位ブロックの形状を維持する結束バンドと、
    からなる、複数の繊維質断熱材ブロックを炉内被加熱面の所定箇所に配置し、繊維質断熱材ブロックの結束バンドを切断、除去後に、隣り合った繊維質断熱材ブロック間に残留している梱包材を引き抜くことにより隣り合った繊維質断熱材ブロックどうしを密着させることによるライニング施工方法であって、前記繊維質断熱材ブロックとして、請求項1に記載の繊維質断熱材ブロックを使用することを特徴とする炉内被加熱面のライニング施工方法。
  11. 前記隣り合った繊維質断熱材ブロック間に残留している前記梱包材を引き抜く際に、一端が前記単位ブロックに当接されて略垂直に立設される脚部と、前記梱包材に設けられた手掛り部に係脱可能に係止されるとともに前記脚部に沿って移動する可動部と、前記脚部の他端側に設けられ、前記脚部に沿って前記可動部を移動させる牽引手段とを備えた引き抜き冶具を使用することを特徴とする、請求項10に記載の炉内被加熱面のライニング施工方法。
  12. 前記牽引手段は、その駆動手段としてモーターを備えているとともに、一端が前記可動部に連結された牽引ワイヤを備えた電動式の巻取り機であることを特徴とする、請求項11に記載の炉内被加熱面のライニング施工方法。
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