JP7345942B2 - 断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット - Google Patents

断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット Download PDF

Info

Publication number
JP7345942B2
JP7345942B2 JP2022530775A JP2022530775A JP7345942B2 JP 7345942 B2 JP7345942 B2 JP 7345942B2 JP 2022530775 A JP2022530775 A JP 2022530775A JP 2022530775 A JP2022530775 A JP 2022530775A JP 7345942 B2 JP7345942 B2 JP 7345942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulating
block
fixing jig
furnace shell
heat insulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022530775A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022158532A1 (ja
Inventor
雄作 秦
光雄 鈴木
友幸 小林
祐介 木村
晃啓 矢野
昌邦 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maftec Co Ltd
Original Assignee
Maftec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maftec Co Ltd filed Critical Maftec Co Ltd
Publication of JPWO2022158532A1 publication Critical patent/JPWO2022158532A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7345942B2 publication Critical patent/JP7345942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D1/00Casings; Linings; Walls; Roofs
    • F27D1/14Supports for linings
    • F27D1/144Supports for ceramic fibre materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D1/00Casings; Linings; Walls; Roofs
    • F27D1/0003Linings or walls
    • F27D1/0006Linings or walls formed from bricks or layers with a particular composition or specific characteristics
    • F27D1/0009Comprising ceramic fibre elements
    • F27D1/0013Comprising ceramic fibre elements the fibre elements being in the form of a folded blanket or a juxtaposition of folded blankets
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D1/00Casings; Linings; Walls; Roofs
    • F27D1/0003Linings or walls
    • F27D1/0006Linings or walls formed from bricks or layers with a particular composition or specific characteristics
    • F27D1/0009Comprising ceramic fibre elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D1/00Casings; Linings; Walls; Roofs
    • F27D1/16Making or repairing linings increasing the durability of linings or breaking away linings
    • F27D1/1621Making linings by using shaped elements, e.g. bricks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D1/00Casings; Linings; Walls; Roofs
    • F27D1/16Making or repairing linings increasing the durability of linings or breaking away linings
    • F27D2001/1605Repairing linings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

本発明は、断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセットに関する。
従来、加熱炉などの炉殻鉄皮の内面に断熱壁を形成するには、キャスタブルと呼ばれる耐熱コンクリートが使用されていた。近年、断熱壁の施工性、形成した断熱壁の強度の点から、キャスタブルに替えて、耐火性および断熱性を有する無機繊維からなる断熱材を内張することが行われている。
無機繊維からなる断熱材によって断熱壁を形成する方法としては、無機繊維マットを炉殻(鉄皮面)に平行に積層し、炉殻に直角に設けたスタッドによって固定するペーパーライニング法、無機繊維マットを炉殻に直角に積層し、炉殻に直角に固定された固定金具及びこの固定金具に固定され無機繊維マットを炉殻に平行に貫通するロンドによって固定するスタックライニング法(いわゆるHアンカー工法)、無機繊維マットをブロック化しその一つの面に断熱ブロック固定用取付金具(以下、「ブロック固定金具」という場合がある。)を取付けてなる断熱ブロックを、炉殻に直角に設けたスタッドにブロック固定金具を介して取り付けるモジュール法(例えば、特許文献1)等がある。
特開2011-226771
これらのうち、スタックライニング法は、施工が早く、ブロックの製造コストが安いという利点があるが、無機繊維マットにロンドを横串にするという構造から、ロンドが無機繊維マットを点で支える構造であるため、固定金具が無機繊維のマットを支えきれないという問題があり、炉殻(特に天井)から無機繊維のマットが落ちる、または、無機繊維マットと炉殻との間に隙間ができるといった問題点があった。また、施工する現場にて、無機繊維マットに横串を刺す位置が施工者に委ねられており、この位置がずれることがあり、施工精度が悪いという問題点があった。
また、モジュール法は、ビームによって、無機繊維マットを面で支える構造であるため、無機繊維マットを炉壁に強固に固定することができる構造であるが、固定金具を備えた断熱ブロックの作製に時間とコストを要するものであり、その点で改良が要望されていた。
以上より、本発明は、断熱ブロックを炉壁に強固に固定することができると共に、断熱ブロックの作製に時間とコストを要さず、さらに、現場での施工性が良好である、断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、該方法による断熱壁の製造方法、該方法により施工された断熱壁、該断熱壁を備える工業炉、断熱ブロック取り付けセットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の事項を見出した。
・無機繊維集合体のマットを折りたたんで形成した断熱ブロックの折り目の内側に固定治具のビームを挿入することで、無機繊維集合体のマットをビームが面で支えることになり、無機繊維集合体のマットを強固に炉殻に固定することができる。
・断熱ブロックを作製する段階では、固定治具を断熱ブロックに設置しない構造として、断熱ブロックと固定治具とを別体として形成することで、断熱ブロックの製造に要する時間とコストを削減できる。
・上記の方法により作製した断熱壁においては、固定治具のビームが断熱ブロックを支持する支持点が、断熱ブロックの外側に位置しており、この点で、従来の断熱壁とは異なる構造を備えるものである。
・また、上記固定治具が異なる長さのビームを備えており、まず長いビームを一つの断熱ブロックに挿入し取り付け、その後、短いビームを他の一つの断熱ブロックに挿入し取り付けるようにするとで、断熱壁の施工性を向上できる。
・また、上記固定治具が、一つの断熱ブロックに挿入するビームを備えており、該固定治具を断熱ブロックの二方向から挿入して、これら固定治具を炉殻に固定することにより、断熱壁の施工性をより向上することができる。
以上の事項を元に、本発明者は以下の発明を完成させた。
[1] 折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロックにおける前記無機繊維集合体マットの折り目の内側に、固定治具のビームを挿入する工程、前記固定治具と炉殻とを固定する工程、を備え、前記ビームが前記断熱ブロックを支持する支持点が、前記断熱ブロックの外側にある、断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[2] 折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、ビームを備えてなる固定治具を準備する工程、前記断熱ブロックにおける前記無機繊維集合体マットの折り目の内側に、前記固定治具の前記ビームを挿入する工程、前記固定治具と炉殻とを固定する工程、を備えた、断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[3] 前記断熱ブロックが、炉殻に設置する側の面に、少なくとも2つ以上の折り目を有する、[1]または[2]に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[4] 前記固定治具が少なくとも2つ以上のビームを備え、前記ビームの位置が、前記断熱ブロックの折り目の位置に対応している、[3]に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[5] 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けられる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、
前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さを異なるものとする、[1]~[4]のいずれか1項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[6] 取り付けた隣接する前記断熱ブロック間の間隙が1mm以上となるように取り付ける、[1]~[5]のいずれか1項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[7] 隣接する前記断熱ブロック間の間隙に無機繊維集合体のマットを挿入する、[6]に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
[8] [1]~[7]のいずれか1項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法により、炉殻に断熱壁を形成する断熱壁の製造方法。
[9] 炉殻に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、少なくとも2つ以上のビームを有する固定治具、を備え、前記固定治具の前記ビームが断熱ブロックの折り目の内側に挿入されており、前記固定治具が炉殻に固定されることで、前記断熱ブロックが、炉壁に取り付けられており、前記ビームが前記断熱ブロックを支持する支持点が、前記断熱ブロックの外側にある、断熱壁。
[10] 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けれる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さが異なる、[9]に記載の断熱壁。
[11] 前記炉殻に取り付けられた隣接する前記断熱ブロック間の間隙が、1mm以上である、[9]または[10]に記載の断熱壁。
[12] [9]~[11]のいずれか1項に記載の断熱壁を備える、工業炉。
[13] 炉壁に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、少なくとも2つ以上のビームを有する固定治具を別部材として備える、断熱ブロック取り付けセットであって、
前記断熱ブロックの折り目の位置と、前記固定治具のビームの位置とが対応している、断熱ブロック取り付けセット。
[14] 前記断熱ブロックが、前記無機繊維集合体のマットの積層方向に圧縮されており、圧縮状態でバンドで固定されている、[13]に記載の断熱ブロック取り付けセット。
[15] 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けれる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さが異なる、[13]または[14]に記載の断熱ブロック取り付けセット。
本発明の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法によれば、断熱ブロックを炉殻に強固に固定することができ、現場での施工性が良好である。また、断熱ブロックの作製に時間とコストを要さない。
図1は、本発明の方法において使用する、断熱ブロック10の斜視図である。 図2は、本発明の方法において使用する、固定治具20の斜視図である。 図3(a)は、固定治具20の斜視図であり、(b)は、固定治具20の正面図であり、(c)は、固定治具20の平面図である。 図4は、固定治具20のビーム24を、断熱ブロック10の折り目の内側に挿入する様子を示す図である。 図5(a)~(c)は、固定治具20の各実施形態を示す斜視図である。 図6は、固定治具20の別の実施形態を示す斜視図である。 図7(a)、(b)は、固定治具20の別の実施形態を示す斜視図である。 図8(a)、(b)は、本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法の各工程を示す概念図である。 図9(a)、(b)は、本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法の各工程を示す概念図である。 図10は、固定治具20Aを断熱ブロック10に取り付ける様子を示す概念図である。 図11(a)、(b)は、本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法の各工程を示す概念図である。 図12は、固定治具20Aおよび断熱ブロック10の別の実施形態を示す斜視図である。 図13(a)~(c)は、ビームが断熱ブロックを支持する支持点の位置を説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態の一例としての、断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセットについて説明する。ただし、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、数値範囲を示す「a~b」の記述は、特にことわらない限り「a以上b以下」を意味すると共に、「好ましくはaより大きい」及び「好ましくはbより小さい」の意を包含するものである。
また、本明細書における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものとする。
<断熱ブロックの炉殻への取り付け方法>
本発明の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法は、断熱ブロックにおける無機繊維集合体マットの折り目の内側に、固定治具のビームを挿入する工程、および、固体治具と炉殻とを固定する工程、を備える。以下、各工程について説明する。
なお、本発明の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法は、断熱ブロックを作成する段階では、固定治具を断熱ブロックに設置しない方法であり、断熱ブロックと固定治具とは別体として作成・準備される。
(断熱ブロック10における無機繊維集合体マット12の折り目の内側に、固定治具20のビーム24を挿入する工程)
・断熱ブロック10
断熱ブロック10は、折りたたまれた無機繊維集合体のマット12を備えている。断熱ブロック10の一実施形態を図1に示す。
・無機繊維集合体のマット12
上記断熱ブロック10を構成する無機繊維集合体のマット12を形成する無機繊維は、特に制限されないが、例えば、シリカ、アルミナ/シリカ、これらを含むジルコニア、スピネル、チタニア及びカルシアの単独、または複合繊維が挙げられる。中でも、特に好ましいのは、耐熱性、繊維強度(靱性)、安全性の点で、アルミナ/シリカ系繊維、特に多結晶質アルミナ/シリカ系繊維である。特に、アルミナ比が70~80質量%でシリカ比が30~20質量%のアルミナ/シリカ繊維が好ましい。
無機繊維集合体のマット12としては、安全性を確保しつつ、耐熱性や耐久性を高めるという理由により、実質的に繊維径3μm以下を含まない無機繊維の集合体にニードリング処理が施されたマット(ニードルブランケット)が好ましい。
無機繊維集合体の嵩密度は特に限定されないが、形成される断熱ブロック10の耐熱性および強度の点から、85kg/m~150kg/mが好ましく、90kg/m~140kg/mがさらに好ましい。
無機繊維集合体のマット12の厚みは適宜選択されるが、施工性や強度の点から10~30mmが好ましく、12.5~27mmがより好ましい。厚みが薄くなりすぎると、施工に手間がかかり、厚みが厚すぎると折りたたんだ時に、構造体を維持しづらいという問題点がある。
無機繊維集合体のマット12のサイズは、特に限定されず、炉殻の施工場所に応じて、適宜好適な大きさに切り出して対応可能である。
・無機繊維集合体のマット12の折りたたみ方法
断熱ブロック10における無機繊維集合体のマット12の折りたたみ方法は、断熱ブロック10の炉殻に設置する側の面(図1における左奥側の面P1)に折り目を有するのであれば、特に制限されない。断熱ブロック10を炉殻に強固に固定する観点から、断熱ブロック10の炉殻に設置する側の面P1には、折り目が少なくとも2つ以上あることが好ましく、4つ以上あることがより好ましい。折り目の数の上限は断熱ブロック10の大きさに依存するが、10個以下が好ましく、8個以下がより好ましい。なお、図1に示した形態では、断熱ブロック10の炉殻に設置する側の面P1に、折り目が5つ形成されている。
無機繊維集合体のマット12の折りたたみ方法は、図1に示すように、一つの長尺マット12を九十九折りしたものであってもよいし、複数の長尺マットを九十九折りしたものを組み合わせたものであってもよいし、または、二つに折りたたんだマットを複数準備し、これらの折り目を面P1側に揃えてまとめたものであってもよい。
断熱ブロック10の嵩密度に関して特に制限はないが、96kg/m~160kg/mが好ましく、100kg/m~140kg/mが好ましい。断熱ブロック10に使用する無機繊維集合体のマット12は、圧縮されていてもよいが、後に示す、固定治具のビームを挿入する工程における作業性の観点から、圧縮率は、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましく、15%以下がさらに好ましく、最も好ましいのは1~10%である。こうすることで断熱ブロックの施工性を確保しつつ、耐熱性と耐久性を高めることができる。なお、圧縮率を高くすることで、断熱ブロック10の嵩密度が大きくなり、断熱ブロック10の耐熱性が向上する。
断熱ブロック10は、アルミナロープなどで縫製して、圧縮したり、構造を保持したりすることができる。また、無機繊維集合体のマット12を折りたたんで積層し、圧縮面の両側をベニヤ板や金属板などで抑えて圧縮し、バンド14などで固定することで、断熱ブロック10の嵩密度を高めることもできる。ただし、上記の通り、本願発明では、断熱ブロック10の圧縮率を高くし過ぎないことが好ましいので、圧縮面の両側に設置するベニヤ板などは必須ではなく、図1に示したようにバンド14のみで圧縮を保持する形態であってもよい。
各断熱ブロック10は、施工後にバンド14を切断することによって、圧縮を開放し、断熱ブロック10同士を密着させて、炉殻に固定することができる。
従来における、断熱ブロックを使用して断熱壁を施工するモジュール法においては、無機繊維集合体のマットの隙間にビームを挿入すると共に、各断熱ブロックの炉殻に設置する側の面には、ブロック固定金具を取り付ける必要があり、断熱ブロックの製造に時間およびコストを要するものであった。これに対して、本願発明の方法では、断熱ブロック10の製造において、これら固定金具は不要であり、無機繊維集合体のマット12とバンド14とがあれば、断熱ブロック10が形成可能であるので、低コスト、短時間で各断熱ブロック10を製造することが可能である。
つまり、断熱ブロック10が作製・準備される段階では、断熱ブロック10に固定治具のビームは挿入されておらず、断熱ブロック10と固定治具とは別体として準備されている。
・固定治具20
本発明の取り付け方法では、上記した断熱ブロック10を、別部材である固定治具20によって、炉殻に取り付ける。固定治具20の一例を、図2に示す。図示した固定治具20は、炉殻に取り付ける面を備える本体プレート22A、該本体プレート22Aから立設する立設片22B、および、該立設片22Bから炉殻に平行な方向に延びるビーム24を備える。
固定治具20が備えるビーム24の数は、断熱ブロック10における無機繊維集合体のマット12の折り目の数と同じか、それよりも少ない数となっており、好ましくは2つ以上、より好ましくは4つ以上である。また、ビーム24の数が増えると、断熱ブロック10を炉殻に固定する強度が高くなるが、ビーム24を無機繊維集合体のマット12の折り目の内側に挿入する際の施工性が悪くなるので、ビーム24の数の上限は、6以下が好ましい。図2に示した形態の固定治具20は、図示上下方向にそれぞれ4つ、合計8つのビーム24を備えている。
図3(a)に、固定治具20の斜視図を示す。
ビーム24とビーム24との間の距離W1、W2は、それぞれのビーム24を挿入しようとする断熱ブロック10における無機繊維集合体のマット12の折り目の位置関係に依存する。例えば、断熱ブロック10の設置面P1において隣り合う二つの折り目にビーム24とビーム24とを挿入する場合は、これらのビーム24とビーム24との間の距離は、断熱ブロック10において圧縮された無機繊維集合体のマット12の厚み二枚分に相当する。
ビーム24同士の幅W1、W2と、断熱ブロック10の折り目の位置とを調整する方法としては、断熱ブロック10を製造する際に、無機繊維集合体のマット12の厚みを選択したり、無機繊維集合体のマット12の圧縮率を適宜調整することにより行ってもよいし、あるいは、製造した断熱ブロック10におけるビーム24を挿入する折り目同士の距離に合わせて、固定治具20のビーム24とビーム24との幅W1、W2を調整して固定治具20を作製してもよい。
図3(b)に固定治具20の正面図を示す。
図示した形態の固定治具20では、ビーム24は、立設片22Bから炉殻に平行な方向に延びるように設置されているが、ビーム24は、炉殻から高さW3隔てて立設片22Bに取り付けられている。ビーム24の高さW3は、断熱ブロック10における折り目部分の無機繊維集合体のマット12の厚みに対応している。よって、使用する無機繊維集合体のマット12の厚みに合わせて、固定治具20のビーム24の高さW3を調整するか、あるいは、固定治具20のビーム24の高さW3に合わせて、無機繊維集合体のマット12の厚みが選択される。なおW3の高さをマット12の厚みより若干短くすることで、断熱ブロック10と炉殻との僅かな隙間をなくすことができる。
図3(c)に、固定治具20の平面図を示す。
後に、固定治具20を炉殻へ取り付ける方法を説明するが、図3に示した固定治具20は、本体プレート22Aの中央部に、スタッドを挿入するための孔26を有している。該孔26を利用して、スタッドを用いて炉殻に固定する場合は、孔26の上にはビーム24を形成することができないので、孔26を中央にして、左右にそれぞれに同じ本数のビーム24が配置される。図示した形態では、左右に上下二つずつのビーム24が配置されている。なお、孔26にスタッドを挿入して固体治具20を炉殻に固定するのではなく、固体治具20を溶接により炉殻に固定する場合は、固定治具20の中央にビーム24を設置しても構わない。
図3(c)の形態において、ビーム24は、固定治具20の上下に向けて、炉殻に平行な方向に延びるように設置されている。この場合は、図4(図4では、分かり易さのため、断熱ブロック10の無機繊維集合体のマット12の折り目部分のみを示している。)に示すように、固定治具20の上に配置される断熱ブロック10の無機繊維集合体のマット12の折り目の内側に、固定治具20の上側のビーム24が挿入され、また、固定治具20の下に配置される不図示の断熱ブロック10の無機繊維集合体のマット12の折り目の内側に、固定治具20の下側のビーム24が挿入される。断熱ブロック10は、上下から固定治具20のビーム24が挿入されることにより炉殻に固定される構造となっており、ビーム24の長さは、断熱ブロック10のY1方向長さの1/4から半分の長さとなっていることが好ましく、1/3の長さであることがより好ましい。
また、固定治具20は、立設片22Bの上側、下側の何れか一方にビーム24を有する構造であってもよい。この場合は、断熱ブロック10は、上下何れの固定治具20により固定されることになり、ビーム24は断熱ブロック10のY1方向の長さの1/3から同程度の長さを有することが好ましい。
図5にビーム24の種々のバリエーションを示す。
図5(a)~(c)に、ビーム24を立設片22Bの図示下側に備える、固定治具20の一実施形態を示す。図5(b)、(c)の形態の固定治具20には、立設片22Bのビーム24を形成していない側に片22Cが設けられている。固定治具20によりブロック10を片側から炉殻に固定する場合、ビーム24が高温クリープで曲がり、ブロック10が落下する可能性がゼロではないが、隣に取付けられた断熱ブロックを支える固定治具20のビーム24を該片22Cで支える(隣のビーム24を片22Cに引っ掛ける)ことで高温クリープによるビーム24の変形を抑えることができる。
片22Cは、隣の固定治具20のビーム24の変形を抑制する機能を有していればよく、片22Cの立設片22Bへの取り付け位置は、ビーム24が立設片22Bに固定された位置よりも炉殻から離れた位置に形成されていればよく、図5(c)に示すように立設片22Bの端部に設けてもよいし、図5(b)に示すように、立設片22Bの端部を一部残して形成してもよい。また、片22Cの高さは、隣の固定治具20のビーム24に届く高さであればよい。また、隣の断熱ブロック10には、該片22Cを挿入できるスリットが設けられていることが好ましい。片22Cは立設片22Bに溶接で取り付けてもよく、また立設片22Bを折り曲げて片22Cを形成してもよい。
・異なるビーム長さを有する固定治具20
また、固定治具20は、図6に示すように、異なる2つの断熱ブロックに取付けられる複数のビームを備え、複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域24A、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域24Bを備え、第1ビーム領域24Aと第2ビーム領域24Bとの長さを異なるものとしてもよい。
固定治具20を、上記形態とすることによって、例えば、相対的に長い第一ビーム領域24Aを挿入した断熱ブロックを固定治具20を介して炉殻に取り付け、その後、相対的に短い第二ビーム領域24Bに、他方の断熱ブロックに挿入して、他方の断熱ブロックを固定することができる。固定治具20はすでに炉殻に取付けられておりスペースが限られていて他方の断熱ブロックを取り付けにくいが、第二ビーム領域が短いため他方の断熱ブロックの折り目に挿入しやすくなり、他方の断熱ブロックを取り付ける施工性が向上する。また第一ビーム領域を長くすることで断熱ブロックの耐久性を落とすことなく施工性を上げることが可能となる。
この場合第一ビーム領域24Aの長さは断熱ブロック10のY1方向の長さの1/3~2/3の長さになっていることが好ましい。また、第二ビーム領域24Bの長さは、断熱ブロック10のY1方向の長さの1/10~1/3の長さになっていることが好ましく、具体的には、長さが30~90mmとなっていることが好ましい。なお、第一領域と第二領域を足した長さは、断熱ブロック10のY1方向の長さの1/3~3/4になっていることが好ましい。
また、他方の断熱ブロックを挿入する際に、第二ビーム領域24Bを挿入する折り目の部分をマーキングすることで、第二ビーム領域24Bを、他方のブロックに取付けるときの施工性がより向上する。マーキングにはペンやシールなどどんな方法でもよいが、油性ペンが最もよい。
・L字、T字のビームを有する固定治具20
図7に、別の形態の固定治具20を示す。固定治具20は、図7(a)に示すように、本体プレート22Aに、複数のL字のビーム24Cを有する形態であってもよい。また、図7(b)に示すように、本体プレート22Aに、複数のT字のビーム24Dを有する形態であってもよい。
(固定治具20と炉殻とを固定する工程)
上記したビーム24の挿入工程の他に、固定治具20を炉殻に固定することにより、断熱ブロック20を炉殻に固定することができる。本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法において、上記したビーム24挿入工程、および、固定治具20の炉殻への固定工程の順序は特に限定されず、先にビーム24の挿入工程を行ってから、固定治具20の炉殻への固定を行ってもよいし、逆でも構わない。ただし、施工性の観点からすると、先に、ビーム24の挿入工程を行って、固定治具20を断熱ブロック10に取り付けてから、この固定治具20を炉殻に固定する順序とすることが好ましい。
・固定治具20をスタッド32により炉殻30に固定する場合
図8を、参照しつつ、固定治具20をスタッド32により炉殻30に固定する場合についての手順を説明する。まず、図8(a)ように、上側にのみビームを有する固定具20Aを、ブロック10Aの下部に取付ける。続けて、両側にビームを有する固定具20Bを、ブロック10Aの上部に取り付ける。
なお、図8の実施形態では、各固定治具20A、20Bのビーム24の長さは、断熱ブロック10のY1のおよそ1/3の長さとなっている。
続けて、図8(b)に示すように、断熱ブロック10Aに取付けた本体プレート22Aの中央部の孔26Aに、炉殻に予め立設したスタッド32A(不図示)を挿入する。炉内側から固定治具20Aをナットで固定することで、固定治具20Aにより下側から断熱ブロック10Aを炉殻30に固定する。また、固定治具20Bの中央部の孔26Bに、炉殻に予め立説したスタッド32Bを挿入し、炉内側から固定治具20Bをナットで固定することで、固定治具20Bにより上側から断熱ブロック10Aを炉殻30に固定する。
このようにして、一段目の断熱ブロック10Aが炉殻30に設置されるが、炉殻30の幅に応じて、同様の手順で複数の断熱ブロック10Aが幅方向に並んで設置される。
続いて、図9(a)に示すように、固定治具20C(固定治具20Cは、固定治具20Bと同様の形状であり、上下方向にビーム24を備えている。)を、断熱ブロック10Bの上部に取り付けたブロックを用意する。そして、図9(b)に示すように、断熱ブロック10Bの固定治具20Cが取り付けられていない下側の面の折り目の内側に、固定治具20Bのビーム24を挿入して、二段目の断熱ブロック10Bを設置する。この際、固定治具20Cの孔26Cには、炉殻に予め立説したスタッド32C(不図示)が挿入され、上記同様の手順で炉殻に固定される。なお、なお、図8(b)にて説明した一段目のブロック10Aの固定治具20Bをナットで炉殻30に固定するのは、断熱ブロック10Bを取り付けた後でもよい。
このようにして、二段目の断熱ブロック10Bが炉殻30に設置されるが、炉殻30の幅に応じて、同様の手順で複数の断熱ブロック10Bが幅方向に並んで設置される点は上記と同様である。
上記した二段目の断熱ブロック10Bの設置手順と同様にして、三段目以降の断熱ブロック10C・・・も設置され、所望の高さの断熱壁が炉殻に製造されるが、断熱壁を構成する最上部(もしくは端部)の断熱ブロックには、片側のみにビーム24を有する固定治具20Aが(1段目に使用した場合とは上下逆にして)使用される。
また、固定治具20B、20C・・・の代わりに、図10に示すように、片側にだけビーム24を備える固定治具20Aを断熱ブロック10の上下両側に取付けることによって各断熱ブロックを固定してもよい。この場合、すべての断熱ブロック10を固定治具20Aのみで炉殻に固定可能であり、部品点数を減らすことができる。
また、この場合、上下の断熱ブロック10に備えられた固定治具20Aの本体プレート22Aの中央部の孔26のそれぞれを、一つのスタッドに挿入することで固定してもよい。
特に上下方向(固定治具の取付方向)に隙間がない場合、例えば、上限方向で最後の一つの断熱ブロック10を取り付ける際は、作業をするスペースが限られるために、断熱ブロック10にビーム24を挿入しながら施工することが難しい。その場合、図11(a)に施工時の炉壁の炉内側から見た斜視図、図11(c)に施工時の炉壁の断面図を示したように、固定治具20Aを予め最後に施工する断熱ブロック10に取付けることで、断熱ブロック10をスタッドの方向に合わせながらスライドさせながら、固定治具20Aの本体プレート22Aの中央部の孔26をスタッド32に挿入することが可能となる。なお、図11では、図示下側から断熱ブロック10を積み上げていき、施工性の観点から、最終段階で、まず最上段の断熱ブロック10を先に設置して、その後に、上から二段目の断熱ブロックを設置している。
このときに断熱ブロック10同士の間隙が十分にあると、固定治具20Aの本体プレートの22Aの中央部の孔26の位置を炉内から確認しながら、スタッド32に挿入することが可能となり、施工性が向上する。さらには、図11(a)に示した固定治具20Aのように、孔26をブロック10の外側に存在させることで、より炉内からスタッド32と孔26の位置を見やすくなり、施工性が向上する。そのため、図11(a)の上下方向(固定治具の取付方向)における、断熱ブロック10同士の間隔は好ましくは1mm~60mm、さらに好ましくは3~40mm、さらに好ましくは10~30mmとなる。断熱ブロック10間の間隙は無機繊維集合体のマットを挿入し埋めることで、形成する断熱壁の遮熱能力を向上可能である。一方で隙間が大きすぎる場合、無機繊維集合体マットを挿入することが困難となり断熱性能が低下する。
上記図11の形態では、固体治具20の孔26が、本体プレート22Aの上下方向中央部(設置した断熱ブロック10間の境界の位置)からずらして設けられている場合について示したが、該孔26を本体プレート22Aの上下方向中央部に設けた場合は、二つの固定治具20をスタッド32に設置するのが構造上難しくなる。
この場合は、図12に示したように、断熱ブロック10の一部を削って溝16を形成することにより、二つの固定治具20をスタッド32に設置することが可能な構造とすることができる。
・固定治具20を溶接により炉殻30に固定する場合
固定治具20を溶接により炉殻30に固定してもよい。この場合は、上記した工程における炉殻30に予め立説させたスタッド32が不要となり、固定治具20が炉殻30に直接溶接される。溶接方法は、アーク溶接、半自動溶接、TIG溶接など、適宜選択することができる。
また、左右方向に並んだ、隣接する断熱ブロックは、バンドを切断することにより、圧縮が開放されるため、断熱ブロック同士は密接して配置されることになる。
<断熱壁の製造方法>
本発明の断熱壁の製造方法は、上記した断熱ブロック10の炉壁への取り付け方法により、炉殻に断熱壁を形成する方法である。
断熱壁の形成位置は、特に限定されず、炉の内側の側面、底面、天井のいずれであっても構わないが、本発明の断熱壁の製造方法によると、断熱ブロックを強固に炉殻に固定することが可能で点から、断熱ブロックの重力により、炉殻から剥がれ落ち易い天井に設置する場合に、大きな効果を発揮する。
<断熱壁>
本発明の断熱壁は、上記した本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法、または、断熱壁の製造方法により炉殻上に形成されるものであるが、断熱壁の好ましい形態としては、炉殻に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマット12を備えてなる断熱ブロック10、および、少なくとも2つ以上のビーム24を有する固定治具20、を備え、固定治具20のビーム24が断熱ブロック10の折り目の内側に挿入されており、固定治具20が炉殻に固定されることで、断熱ブロック10が、炉壁に取り付けられている、断熱壁である。
断熱ブロック10が少なくとも二つの折り目を有し、これに対応して、固定治具20が少なくとも2つのビーム24を有することで、固定治具20により、断熱ブロック10をバランスよく保持することができ、断熱ブロック10を強固に炉殻に固定することが可能となる。
(ビーム24が断熱ブロック10を支持する支持点の位置について)
上記の方法により作製した断熱壁においては、固定治具20のビーム24が断熱ブロック20を支持する支持点が、断熱ブロック10の外側に位置しており、この点で、従来の断熱壁とは異なる構造を備えるものである。
上記支持点について、図13を用いて説明する。図13(a)には、固定治具として、図5に示した形態のものを使用して、断熱ブロック10を支持・固定した場合の模式図である。図示下側が炉殻側であり、図示上側が炉内側である。この形態において、ビーム24が断熱ブロック10を支持する支持点は、支持点35Aとなる。
図13(b)には、固定治具として、図7(a)に示した形態のものを使用して、断熱ブロック10を支持・固定した場合の模式図である。図示下側が炉殻側であり、図示上側が炉内側である。この形態において、ビーム24が断熱ブロック10を支持する支持点は、支持点35Bまたは支持点35Cのいずれかとなる。
上記のように、本発明の方法により形成した断熱壁においては、ビーム24が断熱ブロック10を支持する支持点の位置は、断熱ブロック10の外側に位置することになる。ここで、断熱ブロックの外側とは、炉内側(紙面上側)から見て、断熱ブロックの外側に位置していること、つまり、炉内側から見て、断熱ブロックの位置と、支持点の位置とが重なっていないことを意味する。
図13(c)に、従来の形態の断熱壁を構成する断熱ブロック(例えば特許文献1に記載の形態)と固定治具との位置関係を示す。特許文献1に記載の断熱ブロックでは、無機繊維集合体のマットの内側にあらかじめビーム24を入れ込んで、固定治具20を、断熱ブロックの炉壁側面の略中央部に設置している(図13(c)では、断熱ブロック中のビーム24を透視した状態として示している。)。この場合、ビーム24が断熱ブロック10を支持する支持点は、支持点35D、35Eのいずれかとなるが、いずれの位置も、炉内側(紙面上側)から見て、断熱ブロックの内側に位置しており、炉内側から見て、断熱ブロックの位置と、支持点の位置とが重なっている。
<工業炉>
本発明の工業炉は、上記した断熱壁を備えている。工業炉としては、特に限定されず、例えば、種々の工業炉で採用可能であるが、特に、耐熱性が高い観点から、熱延加熱炉、冷延焼鈍炉の直火炉、鍛造炉等に採用した場合にその効果を発揮可能である。
<断熱ブロック取り付けセット>
本発明の断熱ブロック10取り付けセットとは、上記した断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法に使用する、断熱ブロック10および固定治具20のセットである。好ましい形態としては、炉壁に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマット12を備えてなる断熱ブロック10、および、少なくとも2つ以上のビーム24を有する固定治具20を備える、断熱ブロック取り付けセットであって、前記断熱ブロック10の折り目の位置と、前記固定治具20のビーム24の位置とが対応している、断熱ブロック取り付けセットである。
該断熱ブロック取り付けセットは、形成しようとする断熱壁に必要な数の断熱ブロック10および固定治具20を備えたセットであり、断熱壁を形成する施工者が、該セットを購入して、簡易な手順により、短時間で、炉殻上に断熱壁を形成することができる。
本発明の断熱ブロック10の炉殻への取り付け方法によれば、断熱ブロック10を炉殻に強固に固定することができる。よって、断熱炉の炉内天井に断熱壁を形成する際に特に有用である。また、現場での施工性が良好であり、断熱ブロックの作製に時間とコストを要さないので、種々の新規断熱炉、または、既存の断熱炉の断熱壁の張替作業において、有用なものとなる。
10、10A、10B:断熱ブロック
12:無機繊維集合体のマット
14:バンド
16:溝
P1:炉殻に設置する側の面
20、20A、20B、20C:固定治具
22A:本体プレート
22B:立設片
22C:片
24:ビーム
24A:第1ビーム領域
24B:第2ビーム領域
24C:L字ビーム
24D:T字ビーム
W1、W2:ビーム幅
W3:ビーム高さ
26、26A、26B:孔
30:炉殻
32:スタッド
35A~35E:支持点

Claims (13)

  1. 折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロックにおける前記無機繊維集合体マットの折り目の内側に、固定治具のビームを挿入する工程、
    前記固定治具と炉殻とを固定する工程、
    を備え、
    前記ビーム前記断熱ブロックを支持する支持点である、前記ビームと前記固定治具との接続点が前記断熱ブロックの外側にあ
    前記断熱ブロックが、炉殻に設置する側の面に、少なくとも2つ以上の折り目を有し、
    前記固定治具が少なくとも2つ以上のビームを備え、前記ビームの位置が、前記断熱ブロックの折り目の位置に対応している、
    断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
  2. 折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、ビームを備えてなる固定治具を準備する工程、
    前記断熱ブロックにおける前記無機繊維集合体マットの折り目の内側に、前記固定治具の前記ビームを挿入する工程、
    前記固定治具と炉殻とを固定する工程、
    を備
    前記断熱ブロックが、炉殻に設置する側の面に、少なくとも2つ以上の折り目を有し、
    前記固定治具が少なくとも2つ以上のビームを備え、前記ビームの位置が、前記断熱ブロックの折り目の位置に対応している、
    断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
  3. 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けられる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、
    前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さを異なるものとする、請求項1または2に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
  4. 取り付けた隣接する前記断熱ブロック間の間隙が1mm以上となるように取り付ける、請求項1~のいずれか1項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
  5. 隣接する前記断熱ブロック間の間隙に無機繊維集合体のマットを挿入する、請求項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の断熱ブロックの炉殻への取り付け方法により、炉殻に断熱壁を形成する断熱壁の製造方法。
  7. 炉殻に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、少なくとも2つ以上のビームを有する固定治具、を備え、
    前記固定治具の前記ビームが断熱ブロックの折り目の内側に挿入されており、前記固定治具が炉殻に固定されることで、前記断熱ブロックが、炉壁に取り付けられており、
    前記ビーム前記断熱ブロックを支持する支持点である、前記ビームと前記固定治具との接続点が前記断熱ブロックの外側にあ
    前記ビームの位置が、前記断熱ブロックの折り目の位置に対応している、
    断熱壁。
  8. 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けれる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さが異なる、請求項に記載の断熱壁。
  9. 前記炉殻に取り付けられた隣接する前記断熱ブロック間の間隙が、1mm以上である、請求項またはに記載の断熱壁。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の断熱壁を備える、工業炉。
  11. 炉壁に固定する側の面に少なくとも2つ以上の折り目を有する折りたたまれた無機繊維集合体のマットを備えてなる断熱ブロック、および、少なくとも2つ以上のビームを有する固定治具を別部材として備える、断熱ブロック取り付けセットであって、
    前記断熱ブロックの折り目の位置と、前記固定治具のビームの位置とが対応している、断熱ブロック取り付けセット。
  12. 前記断熱ブロックが、前記無機繊維集合体のマットの積層方向に圧縮されており、圧縮状態でバンドで固定されている、請求項11に記載の断熱ブロック取り付けセット。
  13. 前記固定治具は異なる2つの前記断熱ブロックに取付けれる複数のビームを備え、前記複数のビームは、一方の前記断熱ブロックに取付けられる第1ビーム領域、および、他方の前記断熱ブロックに取付けられる第2ビーム領域を備え、前記第1ビーム領域と前記第2ビーム領域との長さが異なる、請求項11または12に記載の断熱ブロック取り付けセット。
JP2022530775A 2021-01-22 2022-01-20 断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット Active JP7345942B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021009143 2021-01-22
JP2021009143 2021-01-22
PCT/JP2022/002030 WO2022158532A1 (ja) 2021-01-22 2022-01-20 断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022158532A1 JPWO2022158532A1 (ja) 2022-07-28
JP7345942B2 true JP7345942B2 (ja) 2023-09-19

Family

ID=82549511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022530775A Active JP7345942B2 (ja) 2021-01-22 2022-01-20 断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230194172A1 (ja)
EP (1) EP4137773A4 (ja)
JP (1) JP7345942B2 (ja)
KR (1) KR20230004817A (ja)
CN (1) CN115803576A (ja)
WO (1) WO2022158532A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125890A (ja) 2019-02-06 2020-08-20 イソライト工業株式会社 セラミックファイバーブロック及びその製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS597910B2 (ja) * 1980-08-19 1984-02-21 イソライト・バブコツク耐火株式会社 セラミツクフアイバ−ブロツクの取付方法
US4411621A (en) * 1980-12-05 1983-10-25 Miller Thomas M Furnace wall construction
US4449345A (en) * 1981-03-20 1984-05-22 Manville Service Corporation Insulation module hardware
US4473015A (en) * 1981-10-30 1984-09-25 J. T. Thorpe Company Self-supporting fabric reinforced refractory fiber composite curtain
JPS5949485A (ja) * 1982-09-13 1984-03-22 ケイエスエム・ファスニング・システムス・インコ−ポレ−テッド モジユラ−断熱ブロツクを固着する装置並びに方法
US4530441A (en) * 1984-10-02 1985-07-23 Eltech Systems Corporation Readily repairable and lightweight insulating cover for a heated metal container
JPH0235235B2 (ja) * 1986-06-20 1990-08-09 Nichias Corp Rohekinodannetsusekoho
GB8618852D0 (en) * 1986-08-01 1986-09-10 Hi Temp Inc Lining of heat chamber
US5209038A (en) * 1991-08-19 1993-05-11 Robbins Michael K Heat chamber lining
US5759663A (en) * 1996-10-31 1998-06-02 Thorpe Products Company Hard-faced insulating refractory fiber linings
GB2354575B (en) * 1998-07-24 2002-09-18 T F W Dixon & Son Ltd Furnace lining
US6920731B2 (en) * 2002-07-12 2005-07-26 Ets Schaefer Corporation Insulated structure
KR101448945B1 (ko) 2010-03-31 2014-10-13 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 섬유질 단열재 블록, 이것을 사용한 노내 피가열면의 라이닝 시공 방법

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125890A (ja) 2019-02-06 2020-08-20 イソライト工業株式会社 セラミックファイバーブロック及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN115803576A (zh) 2023-03-14
US20230194172A1 (en) 2023-06-22
EP4137773A4 (en) 2024-05-29
JPWO2022158532A1 (ja) 2022-07-28
WO2022158532A1 (ja) 2022-07-28
KR20230004817A (ko) 2023-01-06
EP4137773A1 (en) 2023-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8122663B1 (en) Anchors and reinforcements for masonry walls
JP2012062664A (ja) プレキャスト床版及びその架設方法
JP5657992B2 (ja) デッキプレートの面内せん断補強構造及び屋根構造並びせん断補強金物
JP6990979B2 (ja) 建築物の架構構造
JP7345942B2 (ja) 断熱ブロックの炉殻への取り付け方法、断熱壁の製造方法、断熱壁、工業炉、および、断熱ブロック取り付けセット
JP3830767B2 (ja) 橋梁用連続桁
WO2000050831A1 (en) Stave cooler
KR101526141B1 (ko) 벅스테이 시스템
JP6909094B2 (ja) 耐火壁構造
JP6990535B2 (ja) 耐火間仕切壁
JP2021162259A (ja) 冷延焼鈍炉内の隔壁、該隔壁を備えた冷延焼鈍炉、および、冷延焼鈍炉内の隔壁の施工方法
US4389190A (en) Support of suspension of insulating material
JP2020125890A (ja) セラミックファイバーブロック及びその製造方法
RU2357169C1 (ru) Способ формирования обмуровки теплотехнического агрегата
KR100835322B1 (ko) 커튼월 고정용 브래킷
JP7478946B2 (ja) 無機繊維断熱ブロック複合体および無機繊維断熱ブロック複合体の施工方法
CN103375992B (zh) 加热炉用顶棚单元及其制造方法、加热炉及其制造方法
KR102012499B1 (ko) 화력발전용 보일러 나선형 수냉벽의 하중 지지구조
JPS6334392B2 (ja)
JP2011033251A (ja) セラミックファイバーブロックを用いた耐火ライニング、及びセラミックファイバーブロックの取り付け方法
JP2010106515A (ja) 四角形鋼管柱
JP4990317B2 (ja) 鉄骨構造物
US4012877A (en) Prefabricated insulating structure for insulating a corner in a furnace
WO2022176918A1 (ja) バーナ用耐火物、バーナ用耐火物の製造方法、リジェネバーナ、および、工業炉
JP2011080222A (ja) 不燃断熱パネルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7345942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531