JP5657992B2 - デッキプレートの面内せん断補強構造及び屋根構造並びせん断補強金物 - Google Patents
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Description
た、ブレース30を設置することにより施工労力やコストが増大してしまうという問題点もあった。
前記の図23(a)(b)及び図24(a)に示す技術の場合は、支持部材37の高さは折曲げ板36の山高さよりも小さいため、折曲げ板36の下フランジ39は梁19の上フランジ38よりもレベル差Gだけ下側に位置するようになる。このため、図23(a)(b)及び図24(a)に示すように、折曲げ板36の下部の設備スペースを圧迫し、折曲げ板36の下部の設備スペース35が狭くなるという問題がある。
また、特許文献2の図7には、デッキプレート1の板厚(t)としたとき、2e/f=βとして、(2e/t)/((βt/(1+β))0.5≦437 の式を満たすことで、デッキプレート1の局部座屈を抑制して、面内せん断耐力が向上することも開示されている。
さらに、前記特許文献2には、デッキプレート1の下フランジにリブを有し、隣接するリブ間並びにリブとウェブの間の幅が、(2e/t)/((βt/(1+β))0.5≦437 の式を満たすことで、デッキプレート1の局部座屈を抑制して、面内せん断耐力が向上することも開示されている。
ブレースを用いる必要のない前記のようなデッキプレート1であると、ブレースによるデッドスペースが生じないので、デッキプレートの下側にブレースを配置する場合に比べてデッキプレート下側の設備スペース35を広くできる利点がある。
本発明は、前記の課題を解消することができるデッキプレートの面内せん断補強構造及び屋根構造並びにデッキプレート用のせん断補強金物を提供することを目的とする。
第2発明のデッキプレートを備えた屋根構造においては、梁に渡ってデッキプレートが設置されていると共に、そのデッキプレートは、第1発明のデッキプレートの面内せん断補強構造により補強され、前記デッキプレート及びせん断補強金物の上に断熱板及び/または防火材料が設置され、前記断熱板及び/または防火材料の上に防水シートが設けられていることを特徴とする。
第3発明のデッキプレート用のせん断補強金物においては、上フランジと下フランジがウェブを介して接続されて交互に山部と谷部と形成されているデッキプレートの面内せん断剛性を高めるために設置されるせん断補強金物であって、前記せん断補強金物は、前記ウェブに接しながら前記谷部に収まると共に前記谷部における対向するウェブ間に渡って伸びる立ち上がり部分を備え、その立ち上がり部分の上部にデッキプレート幅方向へ張り出して前記デッキプレートに固定するための上部張り出し部分及び下部にデッキプレート延長方向へ張り出して前記デッキプレートへ固定するための下部張り出し部分を備えていることを特徴とする。
第4発明では、第3発明のデッキプレート用のせん断補強金物において、せん断補強金物は、デッキプレートにおける溝長手方向に間隔をおいて立ち上がり部分を備え、各立ち上がり部分は、張り出し部分に一体に接続されていることを特徴とする。
また、せん断補強金物は簡単な構造の金物であるので、デッキプレートの面内剛性を簡単に向上させることができ、せん断補強金物もデッキプレートの上面側から設置すればよういので、設置作業も容易である等の効果が得られる。
また、立ち上がり部分の上部及び下部に水平方向に張り出す張り出し部分を設けるだけで、せん断補強金物の形状が簡単になると共に、せん断補強金物における上部又は下部の張り出し部分を利用して簡単にデッキプレートに固定することができる等の効果がえられる。
第2発明によると、梁に渡ってデッキプレートが設置されていると共に、そのデッキプレートは、第1発明のデッキプレートの面内せん断補強構造により補強され、前記デッキプレート及びせん断補強金物の上に断熱板及び/または防火材料が設置され、前記断熱板及び/または防火材料の上に防水シートが設けられているので、ブレースを用いることなく面内せん断剛性、特にデッキプレートおけるウェブ及びその上下部のフランジのゆがみ変形防止効果の大きいデッキプレート郡を形成することができ、そのため、地震時等に水平力が作用した場合のゆがみ変形に対して抵抗力の大きいデッキプレートを備えた屋根構造とすることができる。
第3発明によると、上フランジと下フランジがウェブを介して接続されて交互に山部と谷部と形成されているデッキプレートの面内せん断剛性を高めるために設置されるせん断補強金物であって、前記せん断補強金物は、前記ウェブに接しながら前記谷部に収まると共に前記谷部における対向するウェブ間に渡って伸びる立ち上がり部分を備え、その立ち上がり部分の上部にデッキプレート幅方向へ張り出して前記デッキプレートに固定するための上部張り出し部分及び下部にデッキプレート延長方向へ張り出して前記デッキプレートへ固定するための下部張り出し部分を備えているので、簡単な構造のデッキプレート用のせん断補強金物とすることができ、また、デッキプレートに対して、簡単に固定することができる。
第4発明によると、せん断補強金物は、デッキプレートにおける溝長手方向に間隔をおいて立ち上がり部分を備え、各立ち上がり部分は、張り出し部分に一体に接続されているので、立ち上がり部分が間隔をおいて複数あっても、張り出し部分により一体化された簡単な構造なので、製造コストを低減できる。また、一体化された構造なので強度のあるせん断補強金物とすることができる等の効果が得られる。
したがって、前記の上フランジ3及び下フランジ2が断面で弧状あるいは円弧状であってもよく、これらを接続するウェブ4が直線状あるいは曲線状であってもよく、このような場合には、せん断補強金物13は、谷部12側の外面、特に、各ウェブ4の外側面に合致するように、また、デッキプレート1における下フランジ2の上面と、上フランジ3の上面とに接するように、せん断補強金物における立ち上がり部分14の幅方向の側縁部は形成され、また、せん断補強金物13における張り出し部分15は設けられる。
さらに詳細に説明すると、図示の形態では、前記の張り出し部分15は、立ち上がり部分14の上部に接続すると共にデッキプレートの幅方向(波形凸凹方向)に張り出す幅方向上部張り出し部分15aと、立ち上がり部分14の下部に接続すると共にデッキプレートの延長方向に張り出す下部張り出し部分15bとを含む。
前記の立ち上がり部分14は、ウェブ4外面に対して垂直(直角)な位置関係にあるのが、立ち上がり部分14を最も寸法の短い部材とすることができる上で好ましく、ウェブ4外面に対して接触された状態又は押圧された状態で配置され、前記の張り出し部分15(15a,15b)は、上フランジ3の上面又は下フランジ2の上面(屈曲波形の場合にはウェブ4の一部を含む場合がある)に固定するための部分で、図2(c)及び図4に示すように、立ち上がり部分14の下部側に下部張り出し部分15bを設けたり、図2(d)及び図5に示すように、立ち上がり部分14の上下両側にそれぞれ上部及び下部張り出し部分15a,15bを設けたり、図2(e)に示すように、立ち上がり部分14の上部側に上部張り出し部分15aを設ける形態でもよい。
デッキプレート1が前記のように、屈曲波形形態の場合には、図30に示すように、その谷部12及び山部の形態に合わせて、立ち上がり部分14の下端側及び下部張り出し部分15bの形態(又は上部張り出し部分15aの形態)を、円弧状等の弧状の形態としてもよい。
前記の各立ち上がり部分14における板幅方向の両端部は、デッキプレート1側の谷部12側のウェブ4外面に接触するように、谷部12の断面形態に応じて、デッキプレート1の上面側又は溝長手方向の端部側から嵌合可能な形態とされる。図示の形態では、立ち上がり部分14は下から上に向かって漸次広幅となるように台形形状とされている。
前記のせん断補強金物13の板厚寸法は、デッキプレート1の板厚寸法と同程度のものを用いるのが、軽量化を図る上で望ましい。本発明のせん断補強金物13は、デッキプレート1における谷部12に全体(又はほぼ全体)が収まっており、せん断補強金物13(図示の形態では、せん断補強金物13における立ち上がり部分14)がデッキプレート1のウェブ4に接していれば、せん断補強金物13は必ずしも谷部12に合致する形状でなくても、デッキプレートの面内せん断剛性を向上させることができ、デッキプレートに水平力が作用した場合に、デッキプレート1のゆがみ変形を防止又は抑制することができる効果が得られる(この作用効果は、前記の実施形態及び後記のすべての形態において同様な効果である)。せん断補強金物13がデッキプレート1のウェブ4に接触する形態としては、点接触又は線接触あるいは面接触が考えられるが、点接触よりは線接触がよく、接触面積が大きく、上下方向の接触距離が長いほうがデッキプレート1のゆがみ変形の防止又は抑制効果が高くなる。
また、下部張り出し部分15bは、デッキプレート1における下フランジ2にドリルねじ等より固定される。
せん断補強金物13を固定する場合には、図29に示すように、上側張り出し部分15のみを、デッキプレート1における上フランジ3に固定した場合には、水平力Fが作用した場合に、せん断補強金物13における下部の張り出し部分15が固定されていないために、上フランジ3のゆがみ変形16により、せん断補強金物13が浮き上がる可能性があるため、せん断補強金物13は、デッキプレート1における下フランジ2側に固定したほうが、せん断補強金物13の浮き上がりを防止できるため、有利である。 せん断補強金物13を固定する形態としては、上部張り出し部分15aと下部張り出し部分15bのいずれか一方又は、好ましくは、上下両方の張り出し部分15a,15bを固定する。上部張り出し部分15aと下部張り出し部分15bのいずれか一方を固定する形態とする場合には、他方を設けなくてもよい。
図2に示す形態以外にも、図示を省略するが、例えば、図2(a)(b)に示す形態で、各立ち上がり部分14の下端側相互を、奥行き方向で下部の張り出し部分を長くすることで、接続してもよい。
なお、せん断補強金物13のデッキプレート1に対する固定方法としては、ドリルねじ以外にも、ボルト・ナット、溶接、鋲など固定が可能であれば、公知の適宜の形態でもよい。
なお、せん断補強金物13としては、前記各形態以外にも、図15〜図17に示す形態のせん断補強金物13でもよい。
図15に示す形態は、複数の立ち上がり部分14を有し、これらの立ち上がり部分14が上部張り出し部分15(15a)により連結されているせん断補強金物13であると共に、デッキプレート1における上フランジ3に固定しない形態のせん断補強金物13とされている形態である。
前記各形態の場合には、複数の立ち上がり部分14が上部張り出し部分15(15b)で連結された形態および、立ち上がり部分14が1つで上部および/または下部に張り出し部分15(15a,15b)を有する形態であるが、前記以外の形態としては、例えば、図16及び図17に示す形態のように、上部張り出し部分15(15a)を備えていない形態でもよい。図16に示す形態は、2つの立ち上がり部分14がその上部で直接接続(又は溶接等により連結)される形態で、側面視で全体としてほぼ逆V字状(又は三角形状)とされていてもよい。側面から見た各立ち上がり部分14と下部張り出し部分15(15b)の延長面とのなす角度θ1、θ2は、図17(e)に示すように異なる角度でもあってもよく、図16(e)に示す形態のように同じ角度であってもよい。このような形態の場合は、上部張り出し部分15(15a)を備えていないので、デッキプレート1への固定のために下部張り出し部分15(15b)が必須のせん断補強金物13である。
図16及び図17に示す形態のような上部張り出し部分15(15a)を備えていない形態のせん断補強金物13であってもよい。デッキプレート1の面内せん断剛性に対する補強効果に関しては、2つの立ち上がり部分14によりデッキプレート1のゆがみ変形(ウェブ4の倒れ込み)を抑制するため、図1,図3等に示す複数の立ち上がり部分14を有する側面視でほぼ四角形状のせん断補強金物13と同等以上になることから、図1,3等に示す形態のせん断補強金物13と同等以上の補強効果が得られるせん断補強金物13になっている。図16及び図17に示す形態のせん断補強金物13では、図1、3等に示す複数の立ち上がり部分14を有するせん断補強金物13に比べて、より軽量安価なせん断補強金物13とすることができる。
図14に示す前記の曲げせん断試験装置24は、固定側支持枠材25に間隔をおいて平行に一対の回動枠26の基端側を縦軸により回動可能に取り付け、前記各回動枠26の先端部に渡って可動枠27を配置すると共に縦軸により連結し、前記可動枠27の一端側にジャッキにより水平力Fが入力されるようにされている。
前記固定側支持枠材25に固定された取り付け部23と可動枠27に固定された取り付け部23とに渡って、本発明のせん断補強構造としたデッキプレート1、又はそのようなせん断補強構造を備えていない形態のデッキプレート1をセットし、図14に示すように変位計D1〜D5をセットした。D1〜D5は水平変位を計測している。変位計D2及びD3によって計測された平均値によって可動側の変位とし、変位計D4及びD5によって計測された平均値によって固定側の変位としている。
表1における試験体名中において、表記されている溝は、デッキプレート1における下フランジとその両側のウェブとにより形成される谷部12(溝)に、せん断補強金物13を配置して補強される形態であることを意味している。その次の44又は40或いは04の数字については、左側部分の数字が、せん断補強金物13における下部張り出し部分15bとデッキプレート1における下フランジ2との接合箇所数及びドリルねじ17の本数を意味している。また、右側部分の数字が、せん断補強金物13における上部張り出し部分15aとデッキプレート1における上フランジ3との接合箇所数及びドリルねじ17の本数を意味している(表1では、上フランジ接合部[箇所数]又は下フランジ接合部[箇所数]と記した)。
その次の88又は176或いは264の数字については、谷部12の長手方向のせん断補強金物13の上部の長さの寸法(mm)を意味している(表1では、金物上部長さlと記した)。
図11(a)のデッキプレート1の試験体では、デッキプレート1の下フランジ長手方向の両端側に、それぞれせん断補強金物13を設置した。各せん断補強金物13における上部張り出し部分15aにおける張り出し部をデッキプレート1の上フランジ3にドリルねじにより各2箇所計4箇所固定すると共に、各下部張り出し部分15bとデッキプレート1における下フランジ2とをドリルねじ17により各2箇所計4箇所固定し、全体として8箇所固定した形態である。
図11(b)のデッキプレート1の試験体では、各下部張り出し部分15bはデッキプレート1に固定しないで、上部張り出し部分15aを各2箇所計4箇所のみにより、せん断補強金物13をデッキプレート1に固定したデッキプレート1の試験体である。これ以外は、図11(a)と同じである。
図11(c)のデッキプレート1の試験体では、図11(b)とは逆に、各下部張り出し部分15bをデッキプレート1に各2箇所計4箇所のみによりせん断補強金物13を固定し、上部張り出し部分15aをデッキプレート1に固定しない形態のデッキプレート1の試験体である。これ以外は、図11(a)の場合と同様である。
前記の3種類の本発明のせん断補強構造とされたデッキプレート1の試験体と、せん断補強金物13を備えていないでせん断補強構造とされていない比較例(補強なし)の試験体についての試験結果(せん断補強金物の接合位置を変化させた場合の試験結果で、せん断補強金物13の接合位置による影響)が、下記表2に示されている。この結果から、せん断補強金物13により補強しない場合より、せん断補強金物13により補強する本発明の補強構造の方が初期の剛性が、1割又は2割強程度高くなっていることがわかる。
また、上フランジ3にのみ、せん断補強金物13を固定する場合に比べて、下フランジ2にのみ、せん断補強金物13を固定する形態の補強構造とするほうが、1割強程度初期剛性が高くなっていることがわかる。
この理由について、図29を参照して簡単に説明すると、せん断補強金物13における上部張り出し部分15aのみをデッキプレート1における上フランジ3に固定した形態に水平力が作用した場合、上フランジ3がゆがみ変形して湾曲し、これに押されるように上部張り出し部分15aが押し上げられ、せん断補強金物13は、一方の上フランジ3の隅部を支点として浮き上がるように回転するためである。したがって、前記実施形態のせん断補強金物13では、デッキプレート1における下フランジ2に対する接合がない場合には、デッキプレート1における上フランジ3のゆがみ変形により、せん断補強金物13が矢印Xで示すようにデッキプレート1から抜け出すように回転する。また、デッキプレート1におけるウェブ4のゆがみ変形も前記のせん断補強金物13が抜け出すように押し上げる恐れもある。したがって、せん断補強金物13をデッキプレート1に固定する場合は、下部張り出し部分15bを下フランジ2に対して接合すると、上部張り出し部分15aを上フランジ3に対して接合するよりも、デッキプレート1の剛性を効率よく向上させることができることがわかる。
下記表3に、せん断補強金物の上部長さlによる影響の試験結果(せん断補強金物の長さを変化させた場合の試験結果)を示し、この表3から、デッキプレート1の長さ3000mmに対するせん断補強金物13の上部長さlが、88mm〜264mmの範囲では、せん断補強金物13の上部長さlが長いほうが、初期剛性が向上していることがわかる。
前記のせん断補強金物13を設置した場合は、デッキプレート1端部からせん断補強金物13までの距離を、120mm、500mm、1000mmと変化させた場合について、前記と同様に試験した。せん断補強金物13のデッキプレート1に対するドリルねじによる固定形態及び本数は前記と同じである。前記の試験結果をせん断補強金物13の位置l’による影響として表4に示し、この表4から、せん断補強金物13のデッキプレート1の端部側に設置する補強形態のほうが、初期剛性が向上している傾向があることがわかる。
また、前記実施形態のように、デッキプレート1における並列する前記谷部12に、それぞれ前記せん断補強金物13がデッキプレート1の幅方向に直線状に並列(並列する谷部12の同じ位置に設置)して設置されていると、並列する谷部12における各谷部12で、それぞれ同様な位置にせん断補強金物13を並列して設置することになり、デッキプレート幅方向における各谷部12におけるウェブ4及び上下フランジ2,3のゆがみ変形を防止して、デッキプレートの各谷部(端部側等設置された部分)を、デッキプレートの幅方向に渡って均等に補強することができる。
前記の断熱板40に代えて防火材料を用いてもよく、その場合の防火材料として、不燃性を持つ材料(不燃性を持つ材料とは、加熱開始後少なくとも5分間は燃焼しない材料)であり、例えば、石製(粒又は塊状あるいは板状)、ガラス製、グラスウール板、コンクリート製、木片セメント板、石膏ボードなどの不燃性を持つ材料を用いてもよい。
デッキプレートの上に断熱材40又は不燃性を持つ材料のいずれか一方を敷設した後、他方を順次敷設し、その後、防水シートを敷設するようにしてもよい。
前記の防水シートによる防水工法に代えて、改質アスファルトシート、ゴム系シートによる防水工法等の公知の他の防水工法を採用するようにしてもよい。
図24(b)(c)及び図26に示すような屋根構造とすると、横方向に隣り合うデッキプレート相互を簡単な構造で確実に一体化していると共に、ブレースを用いることなく面内せん断剛性、特にデッキプレート1おけるウェブ4及びその上下部のフランジ2,3のゆがみ変形防止効果の大きいデッキプレート郡を形成することができ、そのため、地震時等に水平力が作用した場合のゆがみ変形に対して抵抗力の大きいデッキプレートを備えた屋根構造とすることができ、また、デッキプレート下の設備スペース35を大きくすることができる。
前記実施形態の場合には、せん断補強金物13をデッキプレート1の上側から配置する形態を図示したが、谷部12が、下方が広くされた蟻溝形態の場合には、せん断補強金物13を、デッキプレート1の軸方向から挿入配置するようにしてもよい。
また、本発明において使用するせん断補強金物13の形態としては、前記形態以外にも、図示を省略するが、例えば、一方の立ち上がり部分14の側端部(又は両方の立ち上がり部分14の側端部相互を接続するように)に接続するように側板を有する形態として立ち上がり部分14を補強する形態としてもよく、前記の側板と立ち上がり部分14と、デッキプレート1のウェブに面タッチさせるようにしてもよい。前記の立ち上がり部分14がウェブ4面に直角に配置されている形態であると、立ち上がり部分14がウェブ4のゆがみ変形に確実に抵抗するから望ましい。
なお、本発明を実施する場合、例えば、図3(d)、図7(d)、図15(d)〜図17(d)において、左下の下部張り出し部分15(15b)に一体に立ち上がり部分14を設けたり、その立ち上がり部分14の上部に上部張り出し部分(又は下向きの立ち上がり部分14)を設けることを繰り返すことで、3枚以上の複数枚の立ち上がり部分14を有するせん断補強金物13としてもよい。
2 下フランジ
3 上フランジ
4 ウェブ
5 アーム部
6 雌型嵌合継ぎ手
6a 傾斜内側面板
6b 上面板
6c 傾斜外側面板
7 雄型嵌合継ぎ手
7a 傾斜側面板
7b 上面板
8 継ぎ手嵌合部
9 傾斜外側面
10 蟻溝
11 溝
12 谷部
13 せん断補強金物
14 立ち上がり部分
15 張り出し部分
15 張り出し部
15b 下部張り出し部
15a 上部張り出し部
16 ゆがみ変形
17 ドリルねじ
18 切り欠き凹部
19 支持梁
20 発射打ち込み鋲
21 焼き抜き栓溶接
22 嵩上げ部材
23 取り付け部
24 曲げせん断試験装置
25 固定側支持枠材
26 回動枠
27 可動枠
30 ブレース
31 天井
32 野縁
33 屋根
34 空間
35 設備スペース
36 折曲げ板
37 支持部材
38 上フランジ(梁)
39 下フランジ(折曲げ板)
40 断熱板
41 防水シート
42 先孔
43 凸部
Claims (4)
- 上フランジと下フランジがウェブを介して形成されているデッキプレートの補強構造であって、前記下フランジ上面側において間隔をおいて対向するウェブ間により形成される谷部に、デッキプレートの面内せん断剛性を高めるためのせん断補強金物が配置され、そのせん断補強金物は、前記ウェブに接しながら前記谷部に収まると共に前記谷部における対向するウェブ間に渡って伸びる立ち上がり部分を備え、その立ち上がり部分の上部にデッキプレート幅方向へ張り出す上部張り出し部分及び下部にデッキプレート延長方向へ張り出す下部張り出し部分を備え、前記上部張り出し部分及び下部張り出し部分がデッキプレートに固定されていることを特徴とするデッキプレートの面内せん断補強構造。
- 梁に渡ってデッキプレートが設置されていると共に、そのデッキプレートは、請求項1に記載のデッキプレートの面内せん断補強構造により補強され、前記デッキプレート及びせん断補強金物の上に断熱板及び/または防火材料が設置され、前記断熱板及び/または防火材料の上に防水シートが設けられていることを特徴とするデッキプレートを備えた屋根構造。
- 上フランジと下フランジがウェブを介して接続されて交互に山部と谷部と形成されているデッキプレートの面内せん断剛性を高めるために設置されるせん断補強金物であって、前記せん断補強金物は、前記ウェブに接しながら前記谷部に収まると共に前記谷部における対向するウェブ間に渡って伸びる立ち上がり部分を備え、その立ち上がり部分の上部にデッキプレート幅方向へ張り出して前記デッキプレートに固定するための上部張り出し部分及び下部にデッキプレート延長方向へ張り出して前記デッキプレートへ固定するための下部張り出し部分を備えていることを特徴とするデッキプレート用のせん断補強金物。
- せん断補強金物は、デッキプレートにおける溝長手方向に間隔をおいて立ち上がり部分を備え、各立ち上がり部分は、張り出し部分に一体に接続されていることを特徴とする請求項3に記載のデッキプレート用のせん断補強金物。
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