JP6314895B2 - 鉄骨柱の合成被覆耐火構造およびその施工方法 - Google Patents

鉄骨柱の合成被覆耐火構造およびその施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄骨柱の耐火構造に関し、特に、壁材をその被覆材の一部として活用する鉄骨柱の合成被覆耐火構造およびその施工方法に関するものである。
建築物は、建築基準法およびその関連法令によって、規模、部位などに応じて要求耐火時間が定められている。鉄骨造の建築物においては、鋼材は加熱によって耐力が低下するため、その要求耐火時間で一定の耐力を発揮できるように、吹付けロックウールに代表される耐火被覆を行って鋼材温度の上昇を抑制している。
吹付けロックウールを用いた既往の鉄骨柱の耐火構造認定においては、吹付けロックウールの被覆厚さは、例えば1時間耐火では25mm(非特許文献1を参照)、2時間耐火では45mm(非特許文献2を参照)と、要求耐火時間ごとに被覆厚さが異なっている。
一方、壁材を上記耐火被覆の一部として活用した鉄骨柱の合成被覆耐火構造が知られている。壁材としては、ALC板(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート板)、PC版(プレキャストコンクリート版)、押出成型セメント板、珪酸カルシウム板などが用いられる。この合成被覆耐火構造は、柱と壁が近接して通常の耐火被覆工事が困難な場合などに用いられるものであり、壁材と鉄骨柱の間隔が概ね200mm以下で多用され、当該間隔の間隙部について、鉄骨柱の側面から壁材に耐火被覆材を延長して配設し、間隙部内への耐火被覆施工を省略するものである。
非特許文献3は、ALC壁パネル・吹付けロックウール合成被覆鉄骨柱であり、吹付けロックウールとあわせて、耐火性を有する壁材であるALC板を鉄骨柱の耐火被覆の一部として活用するものである。この構造は、鉄骨柱と壁材とは間隔が空いており、鉄骨柱に固定して壁材との間に掛け渡した鉄筋からなる力骨にラス網を耐火被覆の下地材として取り付けて、吹付けロックウールを施工するものである。壁材とラス網の境界部には、必要に応じて、耐火補強材となるバックアップ材を配置する。この構造は、非特許文献1および2と同じく、所定の条件に基づいて実施される性能評価試験により性能を確認し、建築基準法第2条第七号に規定される国土交通大臣の認定を受けたものである。
上記の鉄骨柱の合成被覆耐火構造が抱える問題点について、非特許文献3のALC壁パネルと吹付けロックウールからなる合成被覆鉄骨柱のうち、角形鋼管柱を例に説明する。本構造の性能評価試験方法は、加熱炉内に試験体を設置し、柱の長期荷重を載荷した状態で規定の加熱を行ない、構造安全性を検証するものである。柱の四面(ALC壁パネルと吹付けロックウールの全表面)が加熱されるため、特に、ALC壁パネルを上下の支点のみで保持した縦張り構法とした場合には、加熱にともなうALCパネルの変形によって吹付けロックール境界部で隙間が生じ、当該部分からの熱の流入により、構造安定性を保持できなくなる場合がある。
これについて図13を参照しながら具体的に説明する。図13(1)および(3)は、鋼管柱1と、ALC壁パネルからなる壁材2と、吹付けロックウールからなる耐火被覆材3とで構成される鉄骨柱の合成被覆耐火構造の試験体を示したものである。この試験体を炉内に設置して柱の全周から加熱すると、図13(2)および(4)に示すように、壁材2が加熱側に凸に変形して、耐火被覆材3との境界部に間隙部5が生じ、ここから炉内の熱が流入して鋼材温度が上昇し、鋼管柱1の耐力が低下することになる。
ALC壁パネルの加熱による変形は、内部の鉄筋の熱膨張差に起因すると考えられる。すなわち、ALC壁パネルはその内部の表側と裏側とに鉄筋が配置された2層配筋構造となっており、ALC壁パネルには、加熱表面側の鉄筋温度と加熱裏面側の鉄筋温度の差によって生じる材長変化の差によって反りが生じるものと思われる。
発生する反りがどの程度のものであるかについての試算を以下に示す。まず、既往の実験から推定した計算条件は次のとおりである。
(1)4面に吹付けロックウール被覆を行なった鉄骨柱単独の1時間加熱時の鋼材温度を230℃とする(日本建築学会 鋼構造耐火設計指針による鋼材温度予測式に基づく計算結果□−300×300×16、吹付けロックウール被覆厚25mm)。
(2)ALC壁パネルの一面を加熱した場合のALC壁パネル内部の加熱表面側(表面から10mm程度)の鉄筋温度を600℃とする。
(3)(2)の時の加熱裏面側の鉄筋温度は100℃程度だが、上記の(1)を考慮して300℃とする(上記(2)および(3)の参考文献:西村ら「長時間加熱を受けるALCパネル壁の耐火性能」日本建築学会学術講演梗概集、2006年9月、講演番号3059)。
(4)ALC壁パネルの上下高さを3500mm、鋼材の線膨張係数を1.2×10−5/℃とする。
以上の計算条件に基づいて試算すると、加熱側の鉄筋の材長変化は24mm、非加熱側の鉄筋の材長変化は12mmである。ALC壁パネルの上下方向伸縮を拘束しないと仮定するとともに、「ALC壁パネルの中心部高さ=弦長」として加熱側と非加熱側の鉄筋長の平均3518mm、弧長を3524mmとすると、中央部の矢高(反り)はおよそ89mmとなる。
よって、非特許文献3に示すALC壁パネル・吹付けロックウール合成被覆鉄骨柱のディテールでは、ALC壁パネルに加熱側に凸の変形が生じると、ラス網端部とALC壁パネルとの境界部に大きな隙間が生じてしまい、熱の流入により鋼材温度が上昇して耐力が低下する可能性があり、3時間耐火では、当該部分の隙間を塞ぐために、ラス網の裏面側(耐火被覆材吹付け面の裏面側)にバックアップ材を配置することが記載されている。また、非特許文献3の施工要領には示されていないが、前記隙間を生じさせないために、ラス網端部をALC壁パネルに固定した場合についても、ラス網自体の強度、剛性がないため、固定部近傍だけが局所的に伸張されることによって、吹付けロックウールを貫通する亀裂が生じ、熱が被覆を貫流してしまう可能性が高い。
上記のような問題を解決する技術として、例えば特許文献1〜4の耐火構造柱が知られている。特許文献1の耐火構造は、プレキャストコンクリート板からなる外壁に、予め端縁部を埋設した荒目金網と、鉄骨柱に所定の間隔でプレキャストコンクリート板方向に延在するごとくその端部を溶着した多数の力骨に取り付けたメタルラスとを重ねた吹付け下地に、前記鉄骨柱と一体的に耐火被覆材を所定厚みに吹付けてなる鉄骨柱の合成耐火被覆構造であり、非特許文献3に記載のバックアップ材を省略した構造である。
ここで、荒目の金網の端縁部は外壁内に埋設されており、かつ力骨に取り付けられたメタルラスとは位置的に少しずれて重なり合っているだけなので、耐火被覆材は伸縮可能であり、加熱によって外壁に変形が生じても、外壁と吹付け耐火被覆材との境界面に大きな空隙が生じることはなく、分散した小亀裂となるので火炎が直接内部に侵入することはないとしている。しかし、前述のように、耐火被覆材を貫通する亀裂が発生する可能性が高い。
耐火被覆材を貫通する亀裂の影響を調査するために、ラス網に吹付けロックールを25mm施工したサンプルの背面に、厚さ50mmの空気層を設け、周囲をセラミックファイバーブランケットによって断熱した試験体を2つ準備し、一方の吹付けロックウール面について、貫通亀裂を模擬するために、当該吹付けロックールの一部分について、カッターナイフでラス網まで到達する深さまで切り込み(クロスカット)を施した。そして、炉内のバーナーの火炎と接触しないように、耐火炉床上に平行に設置して加熱する実験を行なった。図14に炉内温度とそれぞれの背面の空気温度を示す。この図に示すように、吹付けロックールに切り込みを入れた試験体の裏面側空気温度の上昇が大きくなっており、火炎の貫通がなくても、耐火被覆を貫通する亀裂があると、熱の流入による早期の鋼材温度上昇が想定される。
特許文献2の鉄骨柱の耐火構造は、壁材と鉄骨柱との間に乾式の耐火被覆材を配置したものである。この構成では、壁材は鉄骨柱の耐火性能とは無関係であり、壁材の反りによって鉄骨柱との間で隙間が生じるか否かにかかわらず、前記乾式の耐火被覆材によって所定の耐火性能を確保可能であり、壁材の耐火性能を活用して、当該部分に面する鉄骨柱の耐火被覆を省略することができない。
特許文献3の鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、熱膨張性耐火シートを鉄骨柱に巻きつけ、熱膨張性耐火シートの端部と壁材の接合部全体にわたって可燃固定補助板で固定したものである。火災曝露時に可燃固定補助板が焼失することによって接合部に緩みが生じ、その緩みによって熱膨張性耐火シートの膨張を妨げることなく、発生する隙間を充填するものである。しかしながら、この耐火構造は、高価な熱膨張性耐火シートを耐火被覆材として組み合わせによって実現できるもので、最も一般的でコストが低い吹付けロックウールに当該可燃固定補助板と組み合わせても、発生した隙間を埋めることはできない。
特許文献4の鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、ボード状の耐火被覆材を鉄骨柱から間隔を空けて独立して設置したものである。この構造では、精度が良いだけでなく、各接合部は強固に構成されるので、加熱による変形を拘束する効果も期待できる。しかしながら、吹付けロックウールのように自立困難で引張り強度が期待できない材料では、壁材に位置決め材を高さ方向の全長にわたって配置したとしても、壁材の加熱側に凸となる変形が生じると、吹付けロックウールの中間部に亀裂が生じてしまうため、そのまま援用することは困難である。
国土交通大臣認定書 FP060CN−9460(吹付けロックウール被覆鉄骨柱) 国土交通大臣認定書 FP120CN−9463(吹付けロックウール被覆鉄骨柱) 国土交通大臣認定書 FP060CN−9408(ALCパネル/吹付けロックウール合成被覆/鉄骨柱)
実開平4−16203号公報 特開2004−225271号公報 特開2013−234459号公報 特開平9−100587号公報
上述したように、従来の鉄骨柱の合成被覆耐火構造においては、火災時等に壁材が加熱側に凸に変形することで耐火被覆材の延長部と壁材との境界部に隙間が生じ、ここから入り込んだ熱による鋼材温度の上昇によって鉄骨柱の耐力が低下するおそれがあった。このため、最も一般的でコストが低い吹付けロックールを用い、壁材が側方に凸に加熱変形しても境界部に隙間が生じない高性能な鉄骨柱の合成被覆耐火構造の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、壁材が側方に凸に加熱変形しても、耐火被覆材の延長部と壁材との境界部に隙間が生じることがない鉄骨柱の合成被覆耐火構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、壁材に近接して配置される鉄骨柱の耐火被覆材として、壁材を鉄骨柱の対向範囲について活用するとともに、その他の範囲について吹付け材からなる耐火被覆材を用い、かつ、耐火被覆材を、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置することで壁材と鉄骨柱との間を繋いだ鉄骨柱の合成被覆耐火構造において、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置する耐火被覆材の下地として、板状あるいは網状の耐火被覆下地材を、鉄骨柱と壁材との間に亘って配置するとともに、鉄骨柱から遠ざかる方向への壁材の変形に追従して変形可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、上述した発明において、耐火被覆下地材を、鉄骨柱と壁材との間で上下方向に連続した屈曲部を有する折板形状あるいは波形状の板状体または網状体で構成するとともに、耐火被覆下地材と壁材との当接部を壁材に固定したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、上述した発明において、耐火被覆下地材を、壁材との当接部で折り曲げて壁材に沿わせて延長するとともに、その端部近傍で壁材に接合し、耐火被覆下地材を、壁材の変形に追従して固定部を支点として変形可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の鉄骨柱の合成被覆耐火構造は、上述した発明において、耐火被覆下地材を、予め裏面側を表にして、その一方の端部を鉄骨柱の投影範囲内に配置して壁材と接合するとともに、少なくとも当該耐火被覆下地材の前記鉄骨柱の投影範囲に耐火補強材を配置するとともに、前記耐火被覆下地材のもう一方の端部を鉄骨柱に固定し、壁材の変形に追従して固定部を支点として変形可能に構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る上述した鉄骨柱の合成被覆耐火構造を施工する方法であって、耐火被覆下地材の一部分あるいは全部に耐火被覆材を予め配置した後、この耐火被覆下地材を鉄骨柱および壁材に固定することを特徴とする。
本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造によれば、耐火被覆材の下地となる耐火被覆下地材を壁材の変形に追従可能な構成としたため、加熱時に壁材に反りが発生しても耐火被覆材と壁材との境界部に隙間は生じない。このため、鉄骨柱の合成被覆耐火構造における耐火性能の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本発明が適用される壁材と鋼管柱(鉄骨柱)の位置関係を示す平断面図である。 図2は、本発明に用いる耐火被覆下地材(耐火被覆下地材)の一例を示す平断面図であり、(1)は波形状の場合、(2)は折板形状の場合の図である。 図3は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態1を示す平断面図である。 図4は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態1の作用を説明する平断面図である。 図5は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態2を示す平断面図である。 図6は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態3を示す平断面図である。 図7は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態3の変形例を示す平断面図である。 図8は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態3の作用を説明する平断面図である。 図9は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態5の施工第一段階の状態を示す平断面図である。 図10は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態5の施工第二段階の状態を示す平断面図である。 図11は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態5の施工完了段階の状態を示す平断面図である。 図12は、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態5の作用を説明する平断面図である。 図13は、従来の鉄骨柱の合成被覆耐火構造の試験体を示す図であり、(1)は加熱前の側面図、(2)は加熱中の側面図、(3)は(1)のA−A線に沿った平断面図、(4)は(2)のA−A線に沿った平断面図である。 図14は、加熱試験の結果を示す図である。
以下に、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造およびその施工方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、鋼管柱(鉄骨柱)と壁材の位置関係を示した平面図である。この図に示すように、鋼管柱1と壁材2は間隔を空けて近接配置される。鋼管柱1と壁材2の間隔11の寸法は特に限定しないが、以下では200mmを例に説明する。また、便宜上、鋼管柱1の壁材2の面に直交する方向の面を側面(側面1a)と定義する。壁材2については、鋼管柱1に向く面を屋内面(屋内面2a)、これとは反対の面を屋外面(屋外面2b)と定義する。
鋼管柱1の寸法形状は、特に限定する必要はないが、以下では□−250×250×9mmの角形鋼管柱を例に説明する。また、本発明の鉄骨柱は角形鋼管柱に限るものではなく、円形鋼管からなる柱やH形鋼からなる柱に対しても適用可能であることは言うまでもない。また、壁材2は、厚さ100mmのALC板をロッキング工法により階の上下端でのみ固定した壁材を例に説明するが、これに限るものではなく、PC板、押出成型セメント板、珪酸カルシウム板など板状の材料であればいかなる材料、取付け方法で構成してもよい。
また、以下の説明においては、耐火被覆材は吹付けロックウールで代表し、その被覆厚さは、現行の1時間耐火構造相当の25mmとして説明するが、吹付け型の耐火被覆材の全てに対応し、それぞれ必要な被覆厚さを適用することができる。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図3に示すように、本実施の形態1の鉄骨柱の合成被覆耐火構造10は、壁材2に近接して配置される鉄骨柱1の耐火被覆材として、壁材2を鉄骨柱1の対向する範囲について活用するとともに、その他の範囲について耐火被覆材3を用い、かつ、耐火被覆材3を、鉄骨柱1から壁材2に向けて延長配置することで壁材2と鉄骨柱1との間を繋いだ構造である。
鉄骨柱1から壁材2に向けて延長配置する耐火被覆材3の下地として、板状あるいは網状の耐火被覆下地材4が鉄骨柱1と壁材2との間に亘って配置される。すなわち耐火被覆下地材4は、鋼管柱1の両側面1aから壁材2の屋内面2aまで延びる延長線上に配置され、その一端は鋼管柱1に、もう一端は壁材2に固定される。耐火被覆下地材4を配置した範囲は、鋼管柱1からの耐火被覆材3が延長配置される耐火被覆延長部31となる。
耐火被覆下地材4は、鋼管柱1から遠ざかる方向への壁材2の変形に追従して変形可能に構成されるものである。この耐火被覆下地材4としては、例えば図2(1)、(2)に示すように、上下方向に連続した屈曲部4aを有する波形状または折板形状を有するラスまたは薄鋼板などの平板を用いて構成することができるが、本実施の形態では、波形状のラスで構成した例を説明する。なお、本発明の耐火被覆下地材4としては、図2に示すように、平断面視で略L字形状を呈する屈曲部が少なくとも一箇所以上あれば、円弧や多角形などからなる山の形状であってもよく、また、屈曲部の数量に限定はなく、山の間隔や高さも限定はないが、壁材2の変形を吸収できる大きさ、数量とする必要がある。
耐火被覆下地材4をラスで構成した場合の網目の間隔、形状は特に規定しない。また、耐火被覆下地材4を平板で構成した場合には、壁材2の変位を拘束しないようにするため、板厚は1.6mm以下がより好ましく、耐火被覆材3の定着性を確保するためにエンボス加工や打ち抜き加工を併用してもよい。
耐火被覆下地材4は、図3に示すように、山の折線方向を縦(上下方向)に配置する。耐火被覆下地材4を、山の折線方向を縦にして配置することで、ラスあるいは薄鋼板を用いた場合でも上下方向の剛性が確保されるため、鋼管柱1の側面1aに力骨として鉄筋を溶接して配置する工程を部分的にあるいは全てを省略してもよい。耐火被覆下地材4の両端部は壁材2、鋼管柱1に接合してズレが生じないようにする。この接合には、溶接、ステープル、ビス、番線など、任意の接合方法を選択してよく、壁材2との固定部には、座金類を併用してもよい。
耐火被覆下地材4の配置位置は、鋼管柱1の側面1aの延長線上に沿わせるが、鋼管柱1の側面1aよりも中心側に配置すると、後述するように、当該部分の耐火被覆材3の被覆厚さを厚くすることができるのでよりよい。耐火被覆材3の厚さを、鋼管柱1の熱容量を考慮して薄くした場合には、鋼管柱1の側面1aを被覆する耐火被覆材3の表面を基準として耐火被覆延長部31の被覆厚さを、現行の1時間耐火仕様であれば25mm、2時間耐火仕様であれば45mmとなるように耐火被覆下地材4を配置するとよりよい。
耐火被覆材3の施工においては、吹付け後に十分押し固め、耐火被覆下地材4にラスを用いた本実施の形態の場合には、その裏面側にも回り込んで被覆するように、すなわち、ラスが耐火被覆材3の内部に包含されるように施工する。
図3に示すように、耐火被覆下地材4として波形状を有するラスを用い、屈曲部4aが上下方向に連続する方向に配置し、耐火被覆材3を上記要領で施工した鉄骨柱の合成被覆耐火構造10の作用について説明する。壁材2が屋外面2b側からの加熱によって、その高さ方向の中心部が加熱側に凸に変位したときに、図4に示すように、ラスの波形状の部分が屋内外方向に引き伸ばされて壁材2の加熱変形に追従するため、耐火被覆延長部31の耐火被覆材3と壁材2との境界部に有害な開口(隙間)を生じない。その変形状況をさらに詳細に説明すると、壁材2の変形が軽微な場合、波形状のラスが全体的に伸ばされるため、耐火被覆材3に損傷は殆ど生じない。さらに変形が進むと、耐火被覆材3の表面の引張り側、すなわち耐火被覆材3を外側から見てラスの波の谷に該当する部分に亀裂3aが生じるが、その亀裂3aはラス部分で止まり、ラス裏面側の耐火被覆材3は圧縮側となるため亀裂が発生せず、亀裂3aは耐火被覆材3を貫通しない。
このように、本実施の形態によれば、壁材2と近接して配置される鋼管柱1の耐火構造において、壁材2を鋼管柱1の耐火被覆の一部として活用する鉄骨柱の合成被覆耐火構造のうち、加熱時の壁材2の変形上最も不利となる、壁材2を階の上下でのみ固定するロッキング工法においても、上述した性能評価試験で生じる壁材2の加熱方向側に凸となる変形に対する変形追従性を有しており、要求耐火時間に対して十分な性能を有する鉄骨柱の合成被覆耐火構造を得ることができる。
なお、本実施の形態において、耐火被覆下地材4として例えば1号波型ラスを用いた場合、耐火被覆延長部31の長さが200mmとすると、180mm程度までの壁材2の変位に追従可能である。耐火被覆延長部31の寸法が小さい場合には、適宜、耐火被覆下地材4の波型ラスにおける山の高さや間隔を調整することで対応可能である。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図5に示すように、本実施の形態2の鉄骨柱の合成被覆耐火構造20は、耐火被覆下地材4として、図2(2)に示すような折板形状に加工した平板を用いたものである。耐火被覆下地材4以外の構成は上記の実施の形態1と同じであるため、これらについての詳細な説明は省略する。
耐火被覆下地材4の山の高さと配置間隔は任意に設定できるが、ここでは、1号波型ラスと同様に山の高さを10mm、配置間隔を33mmとした。本実施の形態によれば、上記の実施の形態1と同様に、耐火被覆下地材4は壁材2の変形に追従して伸張することから耐火被覆延長部31の耐火被覆材3と壁材2との境界部に有害な開口(隙間)を生じない。なお、この場合の変形追従可能な最大寸法は110mm程度である。本実施の形態では、耐火被覆材3は耐火被覆下地材4の裏面側に達しないが、仮に耐火被覆材3の表面に亀裂が生じても、耐火被覆下地材4が火炎に対するファイヤーストップ材として機能するため、上記の実施の形態1に比べてより安全性が高くなる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図6に示すように、本実施の形態3の鉄骨柱の合成被覆耐火構造30は、耐火被覆下地材4として平ラスを用い、一方の端部4bを鋼管柱1の側面1aの端部近傍に接合し、もう一端側を壁材2の屋内面2aに向けて延長して壁材2と当接させるとともに、当該当接部2cにおいて、平断面視で間隙部5の外側に向けてL字形状に折り曲げて壁材2に沿わせて延長し、端部4cのみを壁材2に接合して固定部41を構成したものである。固定部41としては、例えばタッピンネジやステープルなどの接合部材を用い、座金や添え板などを併用するとよりよい。これにより、耐火被覆下地材4は、固定部41を支点として変形可能となり、壁材2の変形に追従することができる。
この鉄骨柱の合成被覆耐火構造30では、耐火被覆下地材4のL字形状の折り曲げ部4dは、図6に示すように直角に折り曲げてもよいが、望ましくは、変形追従性を向上させるため、図7に示すごとく、曲率を有するR形状にするとよりよい。折り曲げ部4dから端部4cに至る延長寸法は120mm程度としている。より望ましくは、折り曲げ部4dを、壁材2に対して浮かせて配置するとよい。折り曲げ部4dを浮かせて配置することによって、耐火被覆下地材4の裏面側、すなわち、壁材2との境界部側にも耐火被覆材3がオーバーラップして施工され、より安全性が高まる。
この鉄骨柱の合成被覆耐火構造30で使用する耐火被覆下地材4は、折り曲げ部4dのほかにも波形状の部分や折り曲げた部分を有してもよく、折り曲げ部4dのみ折り曲げて、他の部分に折り曲げた部分がなくてもよいのは言うまでもない。耐火被覆下地材4に対する耐火被覆材3の施工は上記の実施の形態1と同様である。耐火被覆材3は耐火被覆下地材4の全体に吹付ける。
壁材2が加熱によって屋外面2b側に凸に変形した際には、図8に示すように、耐火被覆下地材4との固定部41が引張られ、耐火被覆下地材4は平断面視で当該固定部41を支点に容易に回動変形するとともに、折り曲げ部4dも伸張されて壁材2の変形に追従し、耐火被覆材3には有害な開口などの損傷が生じないため、鋼管柱1について所定の耐火性能を確保できる。本実施の形態の寸法では、概ね95mm程度までの変形に追従できるが、折り曲げ部4dから端部4cまでの延長寸法を長くすることによって、よりその余裕度を向上できるため、想定する変形に応じて適切に設計すればよい。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施の形態4は、耐火被覆下地材4に平板を使用して、上記の実施の形態3と同様に配置して用いたもので、耐火被覆下地材4以外は上記の実施の形態3と同じに構成しているため、図は上記の実施の形態3と同じ図によって説明し、重複する部分の説明を省略する。耐火被覆下地材4は、板厚0.8mmの亜鉛めっき鋼板をL型に加工して用いたが、板厚は任意である。
この鉄骨柱の合成被覆耐火構造の実施の形態3と異なる作用について説明する。本実施の形態では、耐火被覆材3は耐火被覆下地材4の裏面側に達しないが、仮に耐火被覆材3に亀裂が生じても、耐火被覆下地材4は鋼板を用いているため裏面に達する貫通亀裂を生じない。そのため、火炎に対するファイヤーストップ材として機能し、火炎および熱気が直接間隙部5に侵入せず、より安全性が高くなる。
なお、上記の実施の形態において、耐火被覆下地材4として、周知の圧延形鋼を用いて鋼管柱1と壁材2に固定すると、当該耐火被覆下地材4の強度と剛性によって、壁材2の変形を拘束する効果が強固に発現し、耐火被覆延長部31の健全性を確保することができる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
図11に示すように、本実施の形態5の鉄骨柱の合成被覆耐火構造40は、平ラスからなる耐火被覆下地材4を、壁材2に、その端部4cを鋼管柱1の投影範囲内に配して接合して固定部41を形成し、少なくとも鋼管柱1の投影範囲内に耐火補強材32を配するとともに、耐火被覆下地材4のもう一方の端部4bを鋼管柱1に固定して耐火被覆材3を施工したもので、壁材2の変形に追従して固定部41を支点として変形可能に構成したものである。
図9は本実施の形態の施工第一段階の示すもので、耐火被覆下地材4を壁材2の屋内面2aに取付けるとともに、耐火補強材32を配置している。耐火被覆下地材4は耐火被覆延長部31の寸法よりも長くしたものを用い、その延長した長さの範囲を、鋼管柱1の投影範囲内に配置するとともに、耐火被覆下地材4の端部4cをステープルなどの固定部材で固定し、固定部41を形成する。この際、耐火被覆下地材4は、耐火被覆吹付け面が裏面となるように配置されている。固定部41は、耐火被覆下地材4の端部4cからの端空き距離を例えば10〜20mm程度確保するとより望ましい。この段階で、耐火被覆下地材4は折り曲げておかなくてよい。なお、ここでは固定部材としてステープルを例示したが、上記の実施の形態1で説明したように、他のファスナーを用いてもよい。
次に、各耐火被覆下地材4の端部4cから、少なくとも鋼管柱1の投影範囲内に、耐火補強材32を配置する。耐火補強材32は、吹付けロックウールやロックウール保温板などの所定の耐火性能を有する材料で構成することができる。ここでは、図9に示すように、固定部41を完全に覆うように、固定部41から鋼管柱1の中心側に余長をもたせて配置する。さらに、鋼管柱1の投影範囲を超えて余長を設けるとより望ましい。
そして、図10に示す第二の施工形態のように、耐火被覆下地材4のもう一方の端部4b側を折り曲げて、その端部4bを鋼管柱1側に固定したあと、図11に示すように、耐火被覆下地材4および鋼管柱1の外面側(表面側)に耐火被覆材3を吹付け施工する。ここで、耐火被覆下地材4はL字状に直角に折り曲げても、曲率を有するR状にゆるく曲げてもよく、より望ましくは固定部41から折り曲げ部4dに掛けて、壁材2に対して浮かせて配置するとよい。折り曲げ部4dを浮かせて配置して、当該部分に耐火被覆材3を施工することによって、耐火補強材32と耐火被覆材3がオーバーラップして施工され、より安全性が高まる。また、前述の耐火補強材32を鋼管柱1の投影範囲を超えて余長を設けて設置した形態では、図10に示す形態となり、当該折り曲げ部4d部分を越えて間隙部5に耐火補強材32の端部が達する。耐火被覆材3の施工により、図11に示すように、相互に重なる部分ができるため、耐火被覆が確実に連続し、弱点となる境界部の安全性を高めることができる。
なお、本実施の形態と、他の実施の形態1〜4との作用効果上の相違点は、図12に示すように、壁材2に対する変形追従に際して、耐火被覆下地材4の折り曲げ部4dが壁材2から離れていくにつれて、壁材2の屋内面2aにおける露出面が拡大することから、壁材2の温度が上昇し、その表裏面の温度差が縮小することによって壁材2の凸状の変形が緩和されていくという点である。さらに、耐火補強材32は、耐火被覆下地材4の変形とともに、端部4cにおいて、より強固に壁材2にその端部が押し付けられるようになるため、当該部分が開口することはない。この作用効果は、端部4cから端空きをとって固定部41を形成するとより効果が確実となり、これらにより、耐火被覆材3には有害な開口などの損傷が生じないため、鋼管柱1について所定の耐火性能を確保できる。
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6について説明する。
上記の実施の形態5においては、耐火被覆材3の施工手順として、先行施工した耐火被覆下地材4に対して耐火被覆材3を吹付ける施工方法について説明したが、本実施の形態は、予め耐火被覆下地材4に耐火被覆材3を配置した後で、これを鋼管柱1と壁材2とに取り付け固定するものである。
上記の実施の形態1で説明したように、耐火被覆材3の施工においては、吹付けロックウールの場合には、吹付け後に十分押し固め、耐火被覆下地材4にラスを用いた場合には、その裏面側にも回り込んでラスを被覆するように、すなわち、ラスが耐火被覆材3の内部に包含されるように施工することが望ましく、このような施工状態が確保できれば、壁材2の変形によって耐火被覆下地材4が延伸されても、耐火被覆材3の屈曲部が延伸されるのに際して、表面、裏面のいずれか一方が引張り側となって亀裂が生じても、もう一方の面が圧縮側となることによって亀裂を塞ぐ方向に作用し、耐火被覆延長部31を貫通する亀裂の発生を抑制することができる。
本実施の形態では、予め耐火被覆下地材4に耐火被覆材3を吹付け施工を行なうことで、耐火被覆下地材4の裏面側の被覆状態を取付け前に確認することができるため、より健全な形態で施工を完了することができるようになる。なお、耐火被覆材3は吹付けロックウールを例に取り説明したが、他の耐火材料を適用してよいのは言うまでもなく、ここで言う耐火被覆材3の施工範囲は、表面、裏面の両方でもよいし、あるいは、いずれかの面だけでもよい。さらに、裏面に配置される耐火被覆材については、耐火被覆下地材4の変形に追従するものであれば、他の耐火材料を別途配置してもよく、例えば、マット状、あるいはボード状の材料でもよい。
以上説明したように、本発明に係る鉄骨柱の合成被覆耐火構造によれば、耐火被覆材を補強する耐火被覆下地材を壁材の変形に追従可能な構成としたため、加熱時に壁材に反りが発生しても耐火被覆材と壁材との境界部に隙間は生じない。このため、鉄骨柱の合成被覆耐火構造における耐火性能の低下を抑制することができる。
1 鉄骨柱(鋼管柱)
1a 側面
2 壁材
2a 屋内面
2b 屋外面
3 耐火被覆材
3a 亀裂
4 耐火被覆下地材
4a 折線
4b,4c 端部
4d 折り曲げ部
5 間隙部
10,20,30,40 合成被覆耐火構造
11 間隔
31 耐火被覆延長部
32 耐火補強材
41 固定部

Claims (5)

  1. 壁材に近接して配置される鉄骨柱の耐火被覆材として、壁材を、鉄骨柱の対向範囲について活用するとともに、その他の範囲について吹付け材からなる耐火被覆材を用い、かつ、耐火被覆材を、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置することで壁材と鉄骨柱との間を繋いだ鉄骨柱の合成被覆耐火構造において、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置する耐火被覆材の下地として配置され、鉄骨柱と壁材とに固定される板状または網状の耐火被覆下地材と耐火被覆材を、鉄骨柱から遠ざかる方向への壁材の変形に追従可能に構成し、耐火被覆下地材を、壁材との当接部で折り曲げて壁材に沿わせて延長するとともに、その端部近傍で壁材に接合し、耐火被覆下地材を、壁材の変形に追従して固定部を支点として変形可能に構成したことを特徴とする鉄骨柱の合成被覆耐火構造。
  2. 壁材に近接して配置される鉄骨柱の耐火被覆材として、壁材を、鉄骨柱の対向範囲について活用するとともに、その他の範囲について吹付け材からなる耐火被覆材を用い、かつ、耐火被覆材を、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置することで壁材と鉄骨柱との間を繋いだ鉄骨柱の合成被覆耐火構造において、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置する耐火被覆材の下地として配置され、鉄骨柱と壁材とに固定される板状または網状の耐火被覆下地材と耐火被覆材を、鉄骨柱から遠ざかる方向への壁材の変形に追従可能に構成し、耐火被覆下地材を、予め裏面側を表にして、その一方の端部を鉄骨柱の投影範囲内に配置して壁材と接合するとともに、少なくとも当該耐火被覆下地材の前記鉄骨柱の投影範囲に耐火補強材を配置するとともに、前記耐火被覆下地材のもう一方の端部を鉄骨柱に固定し、壁材の変形に追従して固定部を支点として変形可能に構成したことを特徴とする鉄骨柱の合成被覆耐火構造。
  3. 耐火被覆下地材を、少なくとも鉄骨柱と壁材との範囲の一部で上下方向に連続した屈曲部を有する折板形状あるいは波形状の板状体または網状体で構成するとともに、耐火被覆下地材と壁材との当接部を壁材に固定したことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄骨柱の合成被覆耐火構造。
  4. 請求項1〜のいずれか一つに記載の鉄骨柱の合成被覆耐火構造を施工する方法であって、
    耐火被覆下地材の一部分あるいは全部に耐火被覆材を予め配置した後、この耐火被覆下地材を鉄骨柱および壁材に固定することを特徴とする鉄骨柱の合成被覆耐火構造の施工方法。
  5. 壁材に近接して配置される鉄骨柱の耐火被覆材として、壁材を、鉄骨柱の対向範囲について活用するとともに、その他の範囲について吹付け材からなる耐火被覆材を用い、かつ、耐火被覆材を、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置することで壁材と鉄骨柱との間を繋いだ鉄骨柱の合成被覆耐火構造において、鉄骨柱から壁材に向けて延長配置する耐火被覆材の下地として配置され、鉄骨柱と壁材とに固定される板状または網状の耐火被覆下地材と耐火被覆材を、鉄骨柱から遠ざかる方向への壁材の変形に追従可能に構成した鉄骨柱の合成被覆耐火構造を施工する方法であって、
    耐火被覆下地材の一部分あるいは全部に耐火被覆材を予め配置した後、この耐火被覆下地材を鉄骨柱および壁材に固定することを特徴とする鉄骨柱の合成被覆耐火構造の施工方法。
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