JP5659709B2 - 放射線画像撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影システムに関する。
病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。こうした医療用の放射線画像は、従来からスクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、放射線画像のデジタル化を図るために輝尽性蛍光体プレート(輝尽性蛍光体シートともいう。)を用いたCR(Computed Radiography)装置が開発され、最近では、照射された放射線を放射線検出素子で検出してデジタル画像データとして取得する放射線画像撮影装置が開発されている。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、上記のCR装置よりも画像データ表示を素早く行えるので、早期診断に貢献可能となっている。従来は、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機として開発された(例えば特許文献1、2参照)。また、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献3、4参照)。
放射線画像撮影装置としては、照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が知られている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
なお、本発明では、可搬型の放射線画像撮影装置をFPDカセッテといい、また、輝尽性蛍光体プレートが内蔵されたCR装置用のカセッテをCRカセッテというものとする。また、FPDカセッテを用いて撮影を行う方式をFPD方式と略称し、CRカセッテを用いて撮影を行う方式をCR方式と略称する場合がある。
ところで、例えば上記の専用機型の放射線画像撮影装置は、通常、放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置とも一体的に構成されており、放射線画像撮影装置側と放射線発生装置側との間でインターフェースが構築され、両者の間で信号等をやり取りし同期をとりながら放射線画像撮影を行うように構成される。なお、以下、このように放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間で同期がとられた状態で放射線画像撮影を行う方式を、同期方式という。
そして、FPDカセッテを用いる場合でも、FPDカセッテと放射線発生装置との間にコンソールを介在させて、FPDカセッテ−コンソール−放射線発生装置間にインターフェースを構築して、同期方式で放射線画像撮影を行うように構成することができる。
FPDカセッテを用いて同期方式で撮影を行う場合、通常、撮影前に、FPDカセッテの各放射線検出素子内に残存する電荷を各放射線検出素子内からできるだけ除去するために、各放射線検出素子のリセット処理が行われる。その際、各放射線検出素子のリセット処理では、図32に示すように、FPDカセッテ内に二次元状(マトリクス状ともいう。)に配列された1面分の各放射線検出素子Rmのリセット処理が繰り返し行われる。
そして、1面分のリセット処理Rmの最中に、放射線技師等の撮影者により放射線発生装置の曝射スイッチが操作されると、放射線発生装置からコンソールに、放射線の照射を開始する旨を表す照射開始信号が送信される。そして、コンソールからFPDカセッテに照射開始信号が転送される。
FPDカセッテは、照射開始信号を受信すると、その時点で行っている1面分のリセット処理Rmが終了した時点で、各放射線検出素子のスイッチ手段をオフ状態にして、放射線の照射により各放射線検出素子内で発生した電荷を各放射線検出素子内に蓄積させることが可能な電荷蓄積状態に移行させる。そして、コンソールに対して、撮影可能な状態である旨を表す信号(以下、ready信号という。)を送信する。
コンソールは、FPDカセッテからready信号を受信すると、放射線発生装置に対してインターロック解除信号を送信する。そして、放射線発生装置は、コンソールからインターロック解除信号を受信すると、FPDカセッテに対して放射線を照射させる。このようにして、同期方式では、放射線発生装置とコンソールとFPDカセッテとの間で信号のやり取りを行い、同期をとりながら放射線画像撮影が行われる。
一方、特にFPDカセッテ(すなわち可搬型の放射線画像撮影装置)では、FPDカセッテとコンソールと放射線発生装置との製造メーカーが異なっている場合があり、3者の間でインターフェースを構築して互いに信号等をやり取りして同期をとりながら放射線画像撮影を行うように構成することが必ずしも容易でない場合がある。なお、以下、このようにFPDカセッテと放射線発生装置とが同期をとれない(或いは同期をとらない)状態で放射線画像撮影を行う方式を、非同期方式という。
そして、このような非同期方式の場合には、FPDカセッテは、上記のような照射開始信号を放射線発生装置やコンソールから受け取らず、FPDカセッテ自体で放射線が照射されたことを検出しなければならなくなる。そして、FPDカセッテ自体で放射線の照射を検出する手法としては、例えば特許文献5〜7に記載されている手法等の種々の手法が知られている。
特許第3890163号公報 特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2003−126072号公報 特開平7−72254号公報 米国特許第7211803号明細書抜粋
ところで、現在、病院や医院等に設置されている撮影装置としては、撮影にCRカセッテを用いるCR方式が主流であるが、今後、病院や医院等にFPDカセッテが導入されることが予想されており、今後しばらくの間、病院等の撮影室内に、CRカセッテとFPDカセッテとが混在する状態になることが予想されている。
そして、このようにCRカセッテとFPDカセッテとが混在する状況では、例えば、撮影に用いようとしたFPDカセッテが、バッテリ切れを生じたり故障する等して使用できず、代わりにCRカセッテを用いて撮影したり、或いは、逆に、使用するカセッテをCRカセッテからFPDカセッテに変更するような状況が生じることも予想される。
しかし、このような場合、放射線発生装置からFPDカセッテやCRカセッテに照射すべき放射線の照射線量は同じではなく、FPDカセッテに放射線を照射する場合には比較的小さな照射線量でよいが、CRカセッテに放射線を照射する場合には、FPDカセッテに照射する場合よりも放射線の照射線量を多くする必要がある。
FPDカセッテにCRカセッテ用の大きな照射線量の放射線を照射した場合には、各検出素子の出力が飽和してしまい画像処理等でも救済できなかったり、CRカセッテにFPDカセッテ用の小さな照射線量の放射線を照射した場合には、線量不足によるノイズが目立ち診断に提供不可となったりして、最終的には再撮影が必要になる。
また、FPDカセッテを用いて撮影を行う場合(すなわちFPD方式の場合)には、前述したように、同期方式で行う場合と非同期方式で行う場合とがある。そして、同期方式では、上記のようにFPDカセッテ、コンソールと放射線発生装置とが同期をとりながら放射線が照射されるが、非同期方式では、FPDカセッテからコンソールにready信号を送信したり、コンソールから放射線発生装置にインターロック解除信号を送信する必要はなく、放射線発生装置は、基本的に、CR方式の場合と同様に、コンソール側(FPDカセッテ側)からのアクションを待たずに、任意のタイミングで放射線を照射可能である。
そして、仮に、同期方式のFPD方式で撮影を行う場合に、誤って放射線発生装置の設定を非同期方式で行う場合の仕様に設定したとすると、同期方式では、FPDカセッテからready信号を受信したコンソールからインターロック解除信号が送信されて初めて放射線発生装置から放射線が照射されるはずであるにも関わらず、放射線発生装置から任意のタイミングで放射線が照射されてしまう。
そのため、FPDカセッテで1面分のリセット処理Rm(図32参照)を行っている最中に放射線が照射されてしまい、1面分のリセット処理Rmの残りのリセット処理が行われた放射線検出素子では、放射線の照射により発生した有用な電荷が、リセット処理が行われたために放射線検出素子から流出してしまう事態が生じる。このような事態が生じると、通常の場合、再撮影を行わざるを得ない。そして、上記のように、再撮影が行われると、被写体である患者の被曝線量が大きくなり、患者にかかる負担が増大してしまう。
また、仮に、非同期方式のFPD方式で撮影を行う場合に、誤って放射線発生装置の設定を同期方式で行う場合の仕様に設定したとすると、放射線発生装置は、同期方式の場合にコンソールから送信されてくるインターロック解除信号を待って放射線を照射するが、非同期方式のFPDカセッテからはready信号がコンソールに送信されず、コンソールから放射線発生装置にインターロック解除信号を送信しないため、いつまで経ってもコンソールからインターロック解除信号が送信されて来ず、結局、放射線発生装置はいつまでも放射線を照射できない状態になってしまう。
このように、CRカセッテとFPDカセッテとが混在する状況で、しかも、FPD方式で撮影を行う場合に、同期方式や非同期方式で撮影を行うことができることが要求される放射線画像撮影システムにおいては、上記のような種々の事態が生じることが予想されるが、これらの事態は発生してはならない事態であり、これらの事態が生じることを的確に防止されることが望まれる。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、FPD方式の撮影の際に同期方式や非同期方式で撮影を行うような状況においても、適切に撮影を行うことができるように制御することが可能な放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
射線を照射する放射線源と、照射開始信号を出力する曝射スイッチとを備え、前記曝射スイッチによる前記照射開始信号に応答してインターロック解除信号を受信した際に前記放射線源から放射線を照射させる放射線発生装置と、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備え、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を画像データとして読み出すFPDカセッテと、
を備える放射線画像撮影システムにおいて、
記FPDカセッテが前記放射線発生装置と同期する同期方式で用いられる場合には、前記照射開始信号に対して、前記FPDカセッテが撮影可能な状態にあると確認した後、前記放射線発生装置に対して前記インターロック解除信号を送信し、前記FPDカセッテが前記放射線発生装置と同期しない非同期方式で用いられる場合には、前記照射開始信号に対して、前記インターロック解除信号に相当するダミー信号を前記放射線発生装置に送信する手段を備えることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、FPD方式の撮影の際に同期方式や非同期方式で撮影を行うことが可能である状況においても、適切に撮影を行うことができるように制御することが可能となる。
そのため、撮影者が曝射スイッチを操作しても放射線が照射されない等の種々の不具合が生じることを、的確に防止することが可能となる。
各実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 FPDカセッテの外観斜視図である。 図2のFPDカセッテを反対側から見た外観斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 FPDカセッテの基板の構成を示す平面図である。 図5の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 FPDカセッテの等価回路を表すブロック図である。 FPDカセッテを用いて同期方式で撮影を行う場合にゲートドライバ各走査線にオン電圧を印加するタイミングを表すタイミングチャートである。 カセッテ保持部の内部にコネクタが設けられたブッキー装置を説明する図である。 FPDカセッテのコネクタとブッキー装置のコネクタとが接続された状態を表す外観斜視図である。 FPDカセッテがクレードルに挿入され、コネクタ同士が接続された状態を表す断面図である。 検知手段としてタグリーダを備える構成を示す図である。 (A)は曝射スイッチの構成を示す図であり、(B)はボタン部に対する1段目の操作がなされた状態、(C)は2段目の操作がなされた状態を説明する図である。 撮影オーダ情報の一例を示す図である。 撮影オーダ情報を表示する選択画面の一例を示す図である。 各撮影オーダ情報に対応する各アイコン等を表示する画面の一例を示す図である。 FPDカセッテやCRカセッテを選択させる選択画面の一例を示す図である。 図17の選択画面でアイコンI2がフォーカスされた状態を説明する図である。 図19の場合にアイコンI2に代えてプレビュー画像が表示されること等を説明する図である。 図20の場合にプレビュー画像が表示されていた位置に生成された放射線画像が表示されること等を説明する図である。 図20に示した状態から続いてアイコンI3にフォーカス遷移されることを説明する図である。 第2の実施形態で切替手段がコンソールにより指定された方式を放射線発生装置に対して設定し、或いは設定を切り替えることを説明する図である。 曝射スイッチに対する1段目の操作がなされると放射線発生装置から切替手段を介してFPDカセッテ等に信号を送信し、FPDカセッテ等から切替手段を介して放射線発生装置にOK信号が返信されることを説明する図である。 同期方式の場合、2段目の操作がなされると、照射開始信号が曝射スイッチからFPDカセッテに送信され、FPDカセッテからインターロック解除信号が送信されてくると、放射線源から放射線が照射されることを説明する図である。 非同期方式の場合、2段目の操作がなされると、照射開始信号が曝射スイッチからコンソールに送信され、コンソールからダミー信号が送信されてくると、放射線源から放射線が照射されることを説明する図である。 ポータブルの放射線発生装置が回診車に搭載されて病室に持ち込まれる状態を表す図である。 (A)はカバー装置の構成を表す側面図であり、(B)は蓋部が開放された状態のカバー装置の構成を表す平面図である。 光学的検知手段の構成を表す概略図である。 (A)カバー装置の蝶番構造の部分に設けられるタンブラーバネの例を示す側面図であり、(B)と蝶番構造の部分を正面から見た拡大図である。 カバー装置の別の構成例を表す概略図である。 同期方式における照射開始信号の送信、リセット処理の終了および電荷蓄積状態への移行、ready信号の送信、インターロック解除信号の送信、および放射線の照射のタイミング等を表すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。
撮影室Raは、患者の身体の一部である被写体(すなわち患者の撮影部位)に放射線を照射して放射線画像撮影を行う部屋であり、被写体に放射線を照射するための放射線照射装置の放射線発生装置57の放射線源52等が配置されている。なお、撮影室Raは、放射線が撮影室外に漏洩しないように鉛などでシールドされている。
以下の各実施形態では、放射線画像撮影装置として、以下で説明するようなFPDカセッテ(すなわち可搬型の放射線画像撮影装置)1Fが用いられるようになっている。また、撮影室Raには、FPDカセッテIFのほかに、CRカセッテ1Cも備えられており、或いは持ち込み可能とされており、また、FPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cを装填可能なブッキー装置51が設けられている。
なお、ブッキー装置51や放射線源52等については、後で説明する。また、撮影室Ra内に、図示しない専用機型の放射線画像撮影装置が設置されていてもよく、放射線画像撮影装置として、FPDカセッテ1Fと専用機型の放射線画像撮影装置とが混在するような放射線画像撮影システムについても本発明が適用される。
ここで、まず、放射線画像撮影システム50で放射線画像撮影に用いられるFPDカセッテ1Fについて説明する。
なお、以下では、FPDカセッテ1Fとして、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型のFPDカセッテについて説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型のFPDカセッテに対しても適用することができる。
図2は、FPDカセッテの外観斜視図であり、図3は、FPDカセッテを反対側から見た外観斜視図である。また、図4は、図2のA−A線に沿う断面図である。FPDカセッテ1Fは、図2〜図4に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されている。
図2や図3に示すように、FPDカセッテ1Fの筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されており、ハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フレーム板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
図2に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や選択スイッチ38、コネクタ39、バッテリ状態やFPDカセッテ1Fの稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。
また、図3に示すように、筐体2の反対側の蓋部材2Cには、画像データ等をコンソール58に無線で送信するための通信手段であるアンテナ装置41が埋め込まれている。なお、画像データ等をコンソール58に有線方式で送信するように構成することも可能であり、その場合、例えば、前述したコネクタ39にケーブル等を接続して送受信するように構成される。また、アンテナ装置41を設ける場合には、アンテナ装置41の筐体2上の配置場所や配置する個数は適宜決められる。
筐体2の内部には、図4に示すように、センサパネルSPの基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。
なお、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側には、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。また、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材36が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、ガラス基板で構成されており、図5に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状ともいう。)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図5に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
放射線検出素子7としては、フォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図5の拡大図である図6に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を保持するようになっている。
図6に示すように、列状に配置された複数の放射線検出素子7にそれぞれバイアス線9が接続されており、図5に示すように、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
また、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図7に示すように、IC12a等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板(Chip On Filmともいう。)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、フレキシブル回路基板12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、FPDカセッテ1FのセンサパネルSPの基板4部分が形成されている。なお、図7では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、図8を用いてFPDカセッテ1Fの回路構成について説明する。
各放射線検出素子7の一方の電極にはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の電極にそれぞれバイアス電圧(厳密に言えば逆バイアス電圧)を印加するようになっている。
また、各放射線検出素子7の他方の電極はTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図8中ではGと表記されている。)は、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bにオン電圧やオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。ゲートドライバ15bは、前述したように、走査線5の各ラインL1〜Lxを介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを制御するようになっている。
また、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。
例えば、放射線画像撮影の際に、被写体を介してFPDカセッテ1Fに放射線が照射されると、シンチレータ3で放射線が他の波長の電磁波に変換され、変換された電磁波がその直下の放射線検出素子7に照射される。そして、照射された放射線の線量(すなわち電磁波の光量)に応じて放射線検出素子7内で電荷が発生する。
各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理においては、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の所定のラインLnにオン電圧が印加されると、走査線5の当該ラインLnを介してそれに接続されている各TFT8のゲート電極8gにオン電圧が印加されて各TFT8がオン状態となり、オン状態となった各TFT8と接続されている放射線検出素子7から各TFT8を介して信号線6に電荷が放出される。
そして、放射線検出素子7から放出された電荷量に応じて増幅回路18から電圧値が出力され、それを相関二重サンプリング回路19で相関二重サンプリングしてアナログ値の画像データDがマルチプレクサ21に出力される。マルチプレクサ21から順次出力された画像データDは、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データDに変換され、記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
また、本実施形態では、図8に示すように、バイアス線9の結線10に、結線10中を流れる電流を例えば電圧値に変換する電流検出手段42が設けられている。電流検出手段42は、電流値から変換した電圧値を制御手段22に出力するようになっている。
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
制御手段22は、FPDカセッテ1Fの走査駆動手段15や読み出し回路17等の各機能部の動作等を制御するようになっている。制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23や、FPDカセッテ1Fの各機能部に電力を供給するバッテリ24が接続されている。また、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されている。
本実施形態では、FPDカセッテ1Fは、前述した同期方式でも、非同期方式でも撮影を行うことができるようになっている。なお、本実施形態では、FPDカセッテ1Fは、後述するように、ブッキー装置51に装填されて用いられる場合には同期方式で、また、ブッキー装置51に装填されずに単独の状態で用いられる場合には非同期方式で、それぞれ撮影を行うようになっている。
同期方式で撮影を行う場合、制御手段22は、図9に示すように、撮影前に、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して各走査線5に接続されている各TFT8を順次オン状態にして、各放射線検出素子7内に残存する電荷を放出させて、各放射線検出素子7のリセット処理を行う。なお、この同期方式では、バイアス線9の結線10中を流れる電流を検出する必要はないため、電流検出手段42はオフさせておく。
そして、後述するように、放射線発生装置57(図1参照)から照射開始信号を受信したコンソール58から中継器54を介して照射開始信号が転送されてくると、走査線5の最後のラインLxまでオン電圧の印加を続行して1面分のリセット処理Rm(図32参照)を行った後、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させて、各放射線検出素子7のTFT8をオフ状態にして電荷蓄積状態に移行させる。そして、コンソール58に対してready信号(図32参照)を送信する。
なお、後述するように、放射線発生装置57から照射開始信号を受信した段階で、コンソール58からFPDカセッテ1に対して照射開始信号を転送するように構成する代わりに、その段階でコンソール58からFPDカセッテ1に対して撮影可能な状態か否かを問い合わせるように構成される場合もあり、その場合には、FPDカセッテ1は、上記のようにして1面分のリセット処理Rmを完了し、電荷蓄積状態に移行させた時点で、コンソール58に対してready信号を送信する。
そして、FPDカセッテ1Fからready信号を受信したコンソール58から放射線発生装置57に対してインターロック解除信号が送信される。
後述するように、放射線発生装置57は、コンソール58からインターロック解除信号を受信すると、放射線源52からFPDカセッテ1Fに対して放射線を照射させる(図9の斜線部分参照)。そして、放射線の照射が終了すると、FPDカセッテ1Fでは、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理が行われる。
このようにして、同期方式では、FPDカセッテ1Fと放射線発生装置57との間で信号のやり取りを行い、同期をとりながら放射線画像撮影が行われる。
また、非同期方式で撮影を行う場合、制御手段22は、電流検出手段42を作動させる。そして、図示を省略するが、同期方式(図9参照)の場合と同様に、撮影前に、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各放射線検出素子7のリセット処理を行う。
非同期方式の場合、FPDカセッテ1Fにおけるリセット処理等に関わりなく、放射線画像技師等の撮影者による後述する放射線発生装置57の曝射スイッチ56の操作に基づいて放射線源52から放射線が照射される。放射線が照射されると、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷の一部がバイアス線9に流出する等して、結線10中を流れる電流が急激に増加する。
そこで、制御手段22は、電流検出手段42から出力される電圧値を監視し、例えば電圧値が予め設定された閾値を越える等して増加した時点で、放射線の照射が開始されたと判断するようになっている。なお、この電流検出手段42を用いた放射線の照射開始の検出については、例えば特開2009−219538号公報に詳しく説明されている。
そして、制御手段22は、放射線の照射が開始されたと判断すると、各放射線検出素子7のリセット処理を即座に停止して、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させて、各放射線検出素子7のTFT8をオフ状態にして電荷蓄積状態に移行させる。
そして、放射線の照射が終了すると、同期方式の場合と同様に、ゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理が行われる。
このようにして、非同期方式では、FPDカセッテ1F自体で放射線の照射が開始されたことを検出して、放射線画像撮影が行われる。なお、非同期方式における放射線の照射開始の検出手法は、本実施形態のように電流検出手段42を用いる手法の代わりに、例えば前述した特許文献5〜7に記載されている手法等の種々の手法を採用することが可能であり、電流検出手段42を用いる手法に限定されない。
一方、本実施形態では、制御手段22は、各放射線検出素子7から読み出して記憶手段23に保存した各画像データDに基づいて、各画像データDを所定の割合で間引いてプレビュー用の間引きデータDtを作成するようになっている。
間引きデータDtは、例えば、二次元状に配列された各放射線検出素子7に対応して各画像データDを配列した場合に3×3画素や4×4画素ごとに1画素分の画像データDを抽出するようにして作成してもよく、或いは、走査線5の各ラインL1、L4、L7、…にそれぞれ接続された各放射線検出素子7からの画像データDのように、走査線5の所定の間隔ごとの各ラインLnに接続された各放射線検出素子7からの画像データDを抽出して作成するように構成することも可能である。
そして、制御手段22は、放射線画像撮影が終了して各放射線検出素子7から画像データDを読み出して記憶手段23に保存すると、即座に間引きデータDtを作成し、間引きデータDtにFPDカセッテ1Fの識別情報であるカセッテIDを付与して、後述するように、コンソール58等に送信するようになっている。この間引きデータDtの送信は放射線画像撮影ごとに行われる。
制御手段22は、間引きデータDtをコンソール58に送信した後、当該間引きデータDtの作成の基となった画像データD、すなわち当該撮影で得られた全画像データDを、カセッテIDを付与してコンソール58に自動的に送信するようになっている。
上記のように、間引きデータDtの送信は、コンソール58等の指示を待たずに自動的に送信されるが、この全画像データDの送信については、コンソール58等からの送信指示があった時点で送信するように構成することも可能である。
なお、前述した間引きデータDtの送信の際に、FPDカセッテ1Fからコンソール58に間引きデータDtを送信するように構成されている場合、FPDカセッテ1Fからコンソール58に画像データDを送信する際には、全画像データDのうち、既に送信済みの間引きデータDt以外の画像データDのみを送信するように構成することも可能である。
この場合、コンソール58は、既に受信している間引きデータDtと、新たに送信されてきた画像データDとを合成して全画像データDを復元するように構成される。なお、FPDカセッテ1Fからコンソール58以外の装置に間引きデータDtを直接送信するように構成されている場合には、コンソール58には間引きデータDtが送信されていないため、FPDカセッテ1Fからコンソール58に全ての画像データDが送信される。
また、後述するように、FPDカセッテ1Fがブッキー装置51に装填されておらず単独で用いられている場合(すなわちコネクタ39(図2参照)に何も接続されていない場合)は、制御手段22は、アンテナ装置41を介して無線方式で間引きデータDtや画像データD、後述するオフセット補正値等をコンソール58に送信する。
さらに、FPDカセッテ1Fがブッキー装置51に装填されて用いられている場合(すなわちコネクタ39にブッキー装置51のコネクタ51b(後述する図10、図11参照)が接続されている場合)は、制御手段22は、ブッキー装置51を介して有線方式で間引きデータDt等をコンソール58に送信するようになっている。
制御手段22は、1回の放射線画像撮影が終了するごとに、或いは、一連の放射線画像撮影が終了した時点で、これらの放射線画像撮影で得られた画像データDに重畳されているオフセット分を補正するためのオフセット補正値を得るために、いわゆるダーク読取処理を自動的に行うようになっている。なお、単独或いは一連の放射線画像撮影が開始される前に、ダーク読取処理を行うように構成することも可能である。
ダーク読取処理では、FPDカセッテ1Fの各TFT8をオフ状態とし、FPDカセッテ1Fに放射線が照射されない状態で所定時間放置した後、上記の読み出し処理と同様にして、各放射線検出素子7から、それらに蓄積された暗電荷等をいわゆるダーク読取値として読み出す。読み出されたダーク読取値は、記憶手段23に保存される。
そして、制御手段22は、読み出した各放射線検出素子7ごとのダーク読取値をオフセット補正値としたり、或いは、ダーク読取処理を複数回行って、各放射線検出素子7ごとに得られた複数のダーク読取値を平均化する等して、オフセット補正値を算出する。そして、オフセット補正値にFPDカセッテ1Fの識別情報であるカセッテIDを付与して、コンソール58に自動的に送信するようになっている。
一方、後述するように、FPDカセッテ1Fが撮影室Raに持ち込まれると、検知手段である後述するクレードル55に挿入されるようになっている。その際、制御手段22は、FPDカセッテ1Fがクレードル55に挿入された際に、コネクタ39(図2参照)がクレードル55のコネクタ55a(後述する図12参照)に接続されると、クレードル55を介して後述する中継器54(図1参照)にFPDカセッテ1Fの識別情報であるカセッテIDを通知するようになっている。
また、制御手段22は、放射線技師等の撮影者により選択手段である選択スイッチ38(図2参照)が押下されると、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らが選択されたことを示す選択信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信するようになっている。
可搬型のFPDカセッテ1Fは、後述するように、CRカセッテ1Cと互換サイズを有しており、施設に既存の後述するブッキー装置51に装填して使用することができるようになっている。
また、FPDカセッテ1Fは、ブッキー装置51に装填されている場合には、ブッキー装置51から電力の供給を受けるが、ブッキー装置51に装填されていない単独の状態では、バッテリ24(図8参照)から制御手段22やバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等の各機能部に電力を供給するようになっている。なお、ブッキー装填時は、画像データDの送信や制御用通信等はブッキー装置51を介して有線方式で行われる。
なお、FPDカセッテ1Fは、後述するように、ブッキー装置51に装填されている場合には、ブッキー装置51から電力の供給を受けるが、ブッキー装置51に装填されていない単独の状態では、バッテリ24(図8参照)から制御手段22やバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等の各機能部に電力を供給するようになっている。
そして、放射線画像撮影や画像データDの読み出し処理等を行わない場合に、各機能部に電力を供給すると、バッテリ24が消耗してしまうため、FPDカセッテ1Fは、各機能部に電力を供給して放射線画像撮影を行うことができる状態、すなわち撮影可能な状態とする撮影可能モードと、放射線画像撮影を行わないような場合に各機能部に電力を供給しないスリープモードとの間で、モードを切り替えることができるようになっている。
スリープモードでは、コンソール58等からの信号を受信できるようにアンテナ装置41や制御手段22等の最小限起動していることが必要な機能部にのみ電力を供給し、バイアス電源14や走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等には電力を供給しないようになっている。
電源スイッチ37(図2参照)が押下された場合に、FPDカセッテ1Fを撮影可能モードで立ち上げるかスリープモードで立ち上げるかは適宜設定されるとしても、少なくとも、選択スイッチ38が押下された場合に、FPDカセッテ1Fがスリープモードになっている場合には、FPDカセッテ1Fのモードは撮影可能モードに切り替えられる。
また、FPDカセッテ1Fは、撮影可能モードに切り替えられた後、所定時間が経過しても放射線画像撮影が行われない場合は、所定時間が経過した時点で、モードを自動的にスリープモードに切り替えるようになっている。
そして、FPDカセッテ1Fは、モードが切り替わる際に、コンソール38に、撮影可能モードになったことを表す信号、或いはスリープモードになったことを表す信号を、それぞれ自らのカセッテIDとともに送信するようになっている。
また、制御手段22は、放射線技師等の撮影者により電源スイッチ37が押下されて電源がオンになると、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らが起動したことを示す起動信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信し、また、放射線技師等の撮影者により電源スイッチ37が押下されて電源をオフされた場合には、FPDカセッテ1の電源をオフする前に、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らがオフ状態になることを示す停止信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信するようになっている。
次に、放射線画像撮影システム50で放射線画像撮影に用いられるCRカセッテ1Cについて説明する。
CRカセッテ1Cの構成としては、例えば特開2003−287833号公報等に記載されている構成を採用することが可能であるが、CRカセッテ1Cについては、公知のものを用いることが可能であり、輝尽性蛍光体プレートを備えるものであれば、特に限定されない。
また、本実施形態では、CRカセッテ1Cには、例えばその裏面等に、CRカセッテ1Cの識別情報等を担持する図示しないバーコードが貼付されており、後述するように、このバーコードが、CRカセッテ1Cが後述するブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填される際に、ブッキー装置51に設けられたバーコードリーダで読み取られるようになっている。
なお、ブッキー装置51に装填されたCRカセッテ1Cの識別情報を読み取る手法は、必ずしもバーコードによるものでなくてもよく、CRカセッテ1Cが、その識別情報を担持するものを備え、ブッキー装置51が、装填されたCRカセッテ1Cの識別情報を読み取るCRカセッテ識別情報読取手段を備える構成であれば、いかなる構成であってもよい。
次に、放射線画像撮影システム50における他の各装置等について説明する。
図1に示すように、ブッキー装置51は、カセッテ保持部51aにFPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cを装填して用いることができるようになっている。なお、図1では、撮影室Raに、ブッキー装置51として立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば、立位撮影用のブッキー装置51Aのみ、或いは臥位撮影用のブッキー装置51Bのみが設けられているような場合にも本発明は適用される。
本実施形態では、ブッキー装置51は、カセッテ保持部51aに従来のCRカセッテ1Cを装填して用いることもできるように構成されており、撮影室RaにCRカセッテ用に設置されている既存のブッキー装置を用いることが可能である。
そのため、本実施形態では、上記のFPDカセッテ1Fは、CRカセッテ1Cと同様の寸法になるように形成されている。すなわち、CRカセッテ1Cは、従来のスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズ(対応する国際規格はIEC 60406)に準拠して、14インチ×17インチ(半切サイズ)等の寸法で形成される。また、放射線入射方向の厚さは15mm+1mm〜15mm−2mmの範囲内になるように形成される。
そのため、このJIS規格サイズのCRカセッテ1Cを装填することができるブッキー装置51への装填使用を可能とするため、FPDカセッテ1Fも、CRカセッテ1Cが準拠するスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格に準拠した寸法で形成されている。
なお、スクリーン/フィルムカセッテやCRカセッテ用の既存のブッキー装置を用いない場合には、FPDカセッテ1Fを上記の寸法で形成する必要はなく、FPDカセッテ1Fを任意の大きさや形状に形成することが可能である。しかし、その際には、ブッキー装置51として、任意に設定された形状のFPDカセッテ1Fを装填することができるブッキー装置を新たに撮影室Ra内に設置することが必要となる。
ブッキー装置51のカセッテ保持部51aの内部には、図10に示すように、装填されたFPDカセッテ1Fのコネクタ39(図2参照)と接続されるコネクタ51bが設けられている。図10に示した立位撮影用のブッキー装置51Aの場合だけでなく、臥位撮影用のブッキー装置51Bにおいても同様に構成されている。
なお、上記のように、ブッキー装置51のカセッテ保持部51aの内部にコネクタ51bを設ける代わりに、図11に示すように、FPDカセッテ1Fをブッキー装置51に装填する前に、ブッキー装置51から延びるケーブルの先端に設けられたコネクタ51bをFPDカセッテ1Fのコネクタ39に接続し、その状態でFPDカセッテ1Fをブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填するように構成することも可能である。
ブッキー装置51は、コネクタ51bとFPDカセッテ1Fのコネクタ39とが接続されると、FPDカセッテ1Fからその識別情報であるカセッテIDを読み出し、FPDカセッテ1FのカセッテIDと自らの識別情報であるブッキーIDとを対応付けて、コンソール58に送信するようになっている。
前述したように、ブッキー装置51は、FPDカセッテ1Fがカセッテ保持部51aに装填されて用いられている場合には、FPDカセッテ1Fからコネクタ39を介して出力される間引きデータDtや画像データD、オフセット補正値を後述する中継器54に有線方式で伝送してコンソール58に送信するようになっている。
また、ブッキー装置51のコネクタ51bとFPDカセッテ1Fのコネクタ39とが接続されることにより、ブッキー装置51からFPDカセッテ1Fに電力を供給するようになっている。そのため、FPDカセッテ1Fの制御手段22は、コネクタ39、51b同士が接続されると、バッテリ24(図8参照)からの各機能部への電力の供給を停止し、コネクタ39を介してブッキー装置51から供給される電力を各機能部に供給するように切り替えるようになっている。なお、各機能部に電力供給しながら、同時にバッテリ24を充電する構成とすることも可能である。
また、上記のように、ブッキー装置51は、カセッテ保持部51aにCRカセッテ1Cを装填して用いることもできるように構成されており、図示を省略するが、ブッキー装置51のカセッテ保持部51aには、CRカセッテ1Cが装填される場合に、前述したCRカセッテ1Cのバーコードを光学的に読み取るCRカセッテ識別情報読取手段であるバーコードリーダ等が設けられている。
そして、ブッキー装置51は、バーコードリーダでCRカセッテ1Cのバーコードを読み取ると、読み取った情報の中からCRカセッテ1Cの識別情報であるバーコード情報を読み出し、CRカセッテ1Cのバーコード情報と自らの識別情報であるブッキーIDとを対応付けて、コンソール58に送信するようになっている。
コンソール58は、バーコード情報が送信されることによって、撮影がCR方式で行われることが分かるため、放射線発生装置57の放射線源52から照射する放射線の照射線量をCR方式に対応するように(すなわちFPD方式の撮影よりも照射線量を多くするように)切り替えるように制御するようになっている。
また、撮影後に、CRカセッテ1Cを撮影室Ra外に設置された後述する画像読取装置61に装填し、画像読取装置61により読み取られたCRカセッテ1Cのバーコード情報と画像データDとを対応付けてコンソール58に送信するように構成することにより、コンソール58は、バーコード情報中に含まれるCRカセッテ1CのカセッテIDをキーとして、読み取られた画像データDを撮影オーダ情報に対応付けることが可能となる。
図1に示すように、撮影室Raには、被写体に放射線を照射する放射線源52が少なくとも1つ設けられている。そして、放射線源52のうち、1つの放射線源52Aは、例えば撮影室Raの天井からつり下げられて配置されるようになっており、撮影時にはコンソール58からの指示に基づいて起動され、図示しない移動手段により所定の位置にまで移動されるようになっている。そして、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aや臥位撮影用のブッキー装置51Bに装填されたFPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cに対して放射線を照射することができるようになっている。
また、撮影室Raには、立位撮影用や臥位撮影用のブッキー装置51A、51Bには対応付けられていないポータブルの放射線源52Bも設けられている。ポータブルの放射線源52Bは、撮影室Ra内のいかなる場所にも持ち運びでき、任意の方向に放射線を照射できるようになっている。なお、図1では、ポータブルの放射線源52Bが放射線源52Aの放射線発生装置57によって制御される場合が示されているが、ポータブルの放射線源52Bを、放射線源52Aの放射線発生装置57とは独立の構成とすることも可能である。
そして、FPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cを単独の状態(すなわちブッキー装置51に装填しない状態)で被写体である患者の身体の部分にあてがったり、臥位撮影用のブッキー装置51Bのテーブルや図示しないベッドと患者の身体との間に差し込んだりした状態で、ポータブルの放射線源52Bから適切な距離や方向で放射線を照射することができるようになっている。
なお、FPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cは、このように、ブッキー装置51に装填されない単独の状態で放射線画像撮影に用いることができるようになっている。
放射線源52は、X線管球を備えており、X線管球は、後述する放射線発生装置57から所定の管電圧や管電流が供給されると、指定された照射時間だけ管電圧等に応じた線量の放射線を照射するようになっている。
前述したように、撮影室Raは鉛などでシールドされているため、撮影室Ra内でFPDカセッテ1Fからアンテナ装置41を介して画像データD等の情報を送受信しようとしても、そのままでは送受信できない。そこで、図1に示すように、FPDカセッテ1Fとコンソール58とが無線通信する際に、これらの通信を中継する無線アンテナ53を備えた中継器(基地局や無線アクセスポイントともいう。)54が設けられている。
なお、前述したように、ブッキー装置51と中継器54とはケーブル等で接続されており、FPDカセッテ1Fをブッキー装置51に装填して用いる場合には、FPDカセッテ1Fから出力された間引きデータDt等は、ブッキー装置51や中継器54等を介して有線方式でコンソール58に送信される。
また、中継器54は、FPDカセッテ1Fを用いて前述した同期方式で撮影が行われる場合には、コンソール58からFPDカセッテ1Fへの照射開始信号の転送(或いはコンソール58からFPDカセッテ1への問い合わせ)およびFPDカセッテ1Fからコンソール58へのready信号の送信を中継するようになっている。
中継器54には、クレードル55が接続されている。図12に示すように、撮影室Raに持ち込まれたFPDカセッテ1Fが挿入されて、FPDカセッテ1Fのコネクタ39とクレードル55のコネクタ55aとが接続されると、前述したようにFPDカセッテ1FからカセッテIDが、クレードル55を介して中継器54に通知されるようになっている。そして、中継器54は、クレードル55からFPDカセッテ1FのカセッテIDが送信されてくると、そのカセッテIDをコンソール58に通知するようになっている。
なお、クレードル55は、通常、FPDカセッテ1F等を保管したり充電するために用いられるものであり、以下の各実施形態においても、クレードル55が充電等の機能を有するように構成することも可能である。さらに、図12では、FPDカセッテ1Fを挿入する挿入口が2個設けられたクレードル55が示されているが、挿入口は1個でもよく、或いは3個以上設けられていてもよい。
また、クレードル55は撮影室Raと前室Rbのいずれに設置されてもよく、撮影室Raに設置される場合には、放射線源52から照射される放射線が到達しない位置、すなわち、例えば撮影室Raのコーナーの位置等に設置される。
一方、撮影室Raや前室Rbに持ち込まれたFPDカセッテ1Fを検知してコンソール58にカセッテIDを通知する検知手段としては、上記のようにクレードル55を用いる代わりに、或いはグレードル55と併用して、図13に示すように、例えば前室Rbの扉付近にタグリーダ60を設けるように構成することも可能である。なお、図13では、後述する画像読取装置61(図1参照)の図示が省略されている。
このように構成する場合、予め、FPDカセッテ1F内に、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)タグ等の図示しないタグを内蔵させておき、タグにFPDカセッテ1FのカセッテID等の固有情報を記憶させておく。そして、FPDカセッテ1Fがタグリーダ60の近傍を通過して撮影室Raや前室Rbに持ち込まれる際に、タグリーダ60でFPDカセッテ1FのタグからカセッテID等の情報を読み取り、そのカセッテIDをコンソール58に通知するように構成することが可能である。
このように、検知手段としてタグリーダ60を用いるように構成すれば、FPDカセッテ1Fの撮影室Ra内への持ち込みおよび当該撮影室Raからの持ち出しの両方を検知することが可能となり、好ましい。なお、この場合は、タグリーダ60とクレードル55とで少なくともFPDカセッテ1Fの撮影室Ra内への持ち込みをダブルチェックするように構成することも可能である。また、検知手段としてタグリーダ60のみを用いる場合には、クレードル55は例えば単にFPDカセッテ1Fの充電用等として用いられる。
図1に示すように、前室Rbには、放射線源52に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56等を備えた放射線発生装置57が設けられている。
曝射スイッチ56は、例えば図14(A)に示すように、所定長のストロークを有する棒状のボタン部56aと、ボタン部56aを図中矢印Sで示されるストローク方向に移動可能に支持する筐体部56bとで構成されている。そして、曝射スイッチ56のボタン部56aは、例えば、筐体部56bから上方に突出した円筒部56a1と、その内部からさらに上方に突出した円柱部56a2を備えて構成されている。
そして、図14(B)に示すように、撮影者により円柱部56a2が円筒部56a1の上端部分までそのストローク方向Sに押し込まれて1段目の操作がなされると(すなわちいわゆる半押し操作が行われると)、曝射スイッチ56は、放射線発生装置57に起動信号を送信するようになっている。放射線発生装置57は、この起動信号を受信すると、放射線源52のX線管球の陽極の回転を開始させる等して放射線源52をスタンバイ状態とさせるようになっている。
また、図14(C)に示すように、曝射スイッチ56の円筒部56a1と円柱部56a2とがともに筐体部56bの上端部分まで押し込まれて2段目の操作がなされると(すなわちいわゆる全押し操作が行われると)、曝射スイッチ56は、放射線発生装置57に照射開始信号を送信するようになっている。
放射線発生装置57は、前述したように放射線源52からの放射線の照射を制御するが、本実施形態では、放射線発生装置57は、後述する切替手段としてのコンソール58から放射線撮影をFPD方式で行う旨の信号、或いはCR方式で行う旨の信号を受信すると、切替手段の設定に応じて各方式に対応するように、放射線源52から照射する放射線の照射線量を調整する等して、放射線源52に対する制御を切り替えるようになっている。
また、本実施形態では、放射線発生装置57は、放射線源52から放射線を照射させる際、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように構成されている。すなわち、放射線発生装置57は、撮影者により曝射スイッチ56に2段目の操作がなされて曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた段階では放射線源52から放射線を照射させず、コンソール58からインターロック解除信号が送信されてきた時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように放射線源52を制御するようになっている。
本実施形態では、コンソール58は、前室Rbに設けられており、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソール58は、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部58aが設けられており、その他、キーボードやマウス等の図示しない入力手段等が接続されている。また、コンソール58には、ハードディスク等で構成された記憶手段59が接続されており、また、LAN(Local Area Network)等のネットワーク等を介して図示しないHIS(Hospital Information System)やRIS(Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication System)等が接続されている。
また、図示を省略するが、コンソール58には、他のコンピュータや、コンソール58から出力された画像データDに基づいて放射線画像をフィルムなどの画像記録媒体に記録して出力するイメージャ等の外部機器が、LAN等を介して接続されている。
コンソール58は、前述したように、撮影室Raに持ち込まれたFPDカセッテ1Fが挿入されて、FPDカセッテ1FのカセッテID等がクレードル55や中継器54を介して送信されてくると、そのカセッテIDを記憶手段59に保存して、そのカセッテIDを有するFPDカセッテ1Fが撮影室Ra或いは前室Rb内に持ち込まれたことを認識して管理するようになっている。
また、コンソール58は、前述したように、FPDカセッテ1Fから撮影可能モードになったことを表す信号がカセッテIDとともに送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されているモードを表す情報が撮影可能モードを表す情報である場合はそのままとし、保存されているモードを表す情報がスリープモードを表す情報である場合は、カセッテIDに、撮影可能モードを表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
また、FPDカセッテ1Fからスリープモードになったことを表す信号がカセッテIDとともに送信されてきた場合には、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されているモードを表す情報がスリープモードを表す情報である場合はそのままとし、保存されているモードを表す情報が撮影可能モードを表す情報である場合は、カセッテIDに、スリープモードを表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
コンソール58は、このようにして、FPDカセッテ1Fが、現在、撮影可能モードとスリープモードとのいずれのモードにあるかを認識して、各FPDカセッテ1Fの電力供給モードを管理するようになっている。
さらに、コンソール58は、前述したように、FPDカセッテ1Fから、電源がオンになり起動したことを表す起動信号がカセッテIDとともに送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている状態を表す情報が起動状態を表す情報である場合はそのままとし、保存されている状態を表す情報が停止状態を表す情報である場合は、カセッテIDに、起動状態を表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
また、FPDカセッテ1Fから、電源がオフになりオフ状態になることを表す停止信号がカセッテIDとともに送信されてきた場合には、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている状態を表す情報が停止状態を表す情報である場合はそのままとし、保存されている状態を表す情報が起動状態を表す情報である場合は、カセッテIDに、停止状態を表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
コンソール58は、このようにして、FPDカセッテ1Fが、現在、起動しているか停止しているかを認識して、各FPDカセッテ1Fの起動状態を管理するようになっている。
また、コンソール58は、前述したように、FPDカセッテ1Fがコネクタ51bと接続されたブッキー装置51から、FPDカセッテ1FのカセッテIDとブッキーIDとが送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに、ブッキーIDを対応付けて保存するようになっている。
また、FPDカセッテ1Fとコネクタ51bとの接続が解除された場合には、記憶手段59に保存されている当該FPDカセッテ1FのカセッテIDとブッキーIDとの対応付けを解除して、カセッテIDのみを保存するようになっている。
このようにして、コンソール58は、FPDカセッテ1Fが、ブッキー装置51に装填されて用いられる場合には、どのFPDカセッテ1Fがどのブッキー装置51に装填されているか、或いは装填されていないかを認識して管理するようになっている。
また、ブッキー装置51にCRカセッテ1Cが装填されて、ブッキー装置51からCRカセッテ1Cのバーコード情報とブッキーIDとが送信されてくると、コンソール58は、そのバーコード情報とブッキーIDとを対応付けて記憶手段59に保存するようになっている。
このようにして、コンソール58は、CRカセッテ1Cがブッキー装置51に装填された場合には、どのCRカセッテ1Cがどのブッキー装置51に装填されているかを認識して管理するようになっている。
さらに、本実施形態では、コンソール58は、撮影で使用されるFPDカセッテ1Fが、少なくとも非同期方式で使用される場合には、当該FPDカセッテ1Fに対して、当該撮影が非同期方式で行われる旨の信号を送信するようになっている。そして、FPDカセッテ1Fの制御手段22(図8参照)は、コンソール58からの信号を受信すると、電流検出手段42を作動させて、FPDカセッテ1F自体で放射線の照射開始を検出するモードに移行するようになっている。
図1に示すように、コンソール58には、CRカセッテ1Cの輝尽性蛍光体プレートから画像データDを読み出す画像読取装置61が接続されている。本実施形態では、画像読取装置61は、撮影室Raや前室Rbの外側に設置されているが、設置場所は任意に決められる。また、図1では、画像読取装置61が1機だけ設置されている場合が示されているが、画像読取装置61を複数機設置するように構成することも可能であり、設置される数は適宜決められる。
画像読取装置61の構成は、例えば前述した特開2003−287833号公報等に記載されている構成を採用することが可能であるが、CRカセッテ1C内の輝尽性蛍光体プレートから画像データDを読み取ることができるものであれば、上記の構成に限定されない。
また、前述したように、コンソール58には、HISやRISが接続されており、HISやRISでは、予め個々の患者に対して所定の放射線画像撮影を行うために必要な情報が設定された撮影オーダ情報を登録することができるようになっている。なお、撮影オーダ情報を、HISやRISに登録する代わりに、予めコンソール58上で登録して例えば記憶手段59に保存しておくように構成することも可能である。
撮影オーダ情報は、例えば図15に例示するように、患者情報としての「患者ID」P2、「患者氏名」P3、「性別」P4、「年齢」P5、「診療科」P6、および撮影条件としての「撮影部位」P7、「撮影方向」P8等で構成されるようになっており、さらにFPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cをブッキー装置51に装填した状態で撮影を行うか否か等の情報として「ブッキーID」P9やの項目が設けられており、ブッキー装置51に装填する場合にはそのブッキーIDを記載するようになっている。
図15に示した例で、ブッキーID「001」、「002」はそれぞれ立位撮影用のブッキー装置51Aおよび臥位撮影用のブッキー装置51Bを表し、ブッキーID「003」は、FPDカセッテ1Fをブッキー装置51に装填せずに単独の状態で用いることを表す。なお、FPDカセッテ1Fをブッキー装置51に装填せずに単独の状態で用いる場合をブッキーID「003」とするのは、FPDカセッテ1Fを単独の状態で用いる場合にブッキーIDを空欄とすると、記入忘れとの区別がつかないためである。
そのため、FPDカセッテ1Fを単独の状態で用いることを表すものであれば、他の表示方法を採用することも可能であり、適宜決められる。なお、ブッキーIDに替えて、立位ブッキー、臥位ブッキー、単独使用、を表す3種のアイコンを用意し、一のアイコンを各撮影オーダに対応付けて表示するように構成することも可能である。このように構成すると、放射線技師等が撮影前にどの撮影装置を使用すべきかが視認し易くなり、間違いが生じ難くなる。
また、撮影オーダ情報には、使用するカセッテの「カセッテID」P10の項目も設けられている。そして、撮影オーダが登録された順に、各撮影オーダ情報に対して「撮影オーダID」P1が自動的に割り当てられるようになっている。
なお、撮影オーダ情報に書き込む患者情報や撮影条件の内容は、上記のものに限定されず、例えば、患者の生年月日、診察回数、放射線の線量、太っているか痩せているか等の情報を含むように構成することも可能である。また、以下では、一の患者に対して複数の撮影オーダ情報が登録されている場合について説明する。
以下、本実施形態に係るコンソール58における処理について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用についてもあわせて説明する。
本実施形態では、コンソール58は、放射線技師等の撮影者の操作により、HISやRISから必要な各撮影オーダ情報を入手するようになっている。なお、撮影オーダ情報が記憶手段59に保存されている場合には、コンソール58は、記憶手段59から必要な各撮影オーダ情報を入手する。
HISやRIS或いは記憶手段59から必要な各撮影オーダ情報を入手する場合、例えば、撮影者がコンソール58にこれから撮影を行う患者の氏名や患者ID等を入力したり、患者が持参した撮影依頼書に記載されているバーコードをバーコードリーダで読み取ってコンソール58に入力したり、或いは、撮影オーダ情報で撮影日が指定されている場合にはコンソール58に撮影日を入力する等して、適宜の方法で必要な撮影オーダ情報をHISやRIS或いは記憶手段59から入手するように構成することが可能である。
そして、コンソール58は、撮影オーダ情報を入手すると、コンソール58の表示部58aに、図16に示すように、各撮影オーダ情報の一覧を選択画面H1として表示するようになっている。
選択画面H1には、各撮影オーダ情報の一覧を表示するための撮影オーダ情報表示欄h11が設けられており、撮影オーダ情報表示欄h11の左側には、撮影する予定の撮影オーダ情報を選択するための選択ボタンh12が各撮影オーダ情報に対応して設けられている。また、撮影オーダ情報表示欄h11の下側には、決定ボタンh13及び戻るボタンh14が設けられている。
そして、例えば、撮影者が選択ボタンh12をクリックして、例えば患者「A」に関する4つの撮影オーダ情報を選択して、決定ボタンh13をクリックすると、コンソール58は、表示部58a上に、図17に示すような画面H2を表示するようになっている。すなわち、コンソール58は、表示部58a上に、選択された各撮影オーダ情報に対応するアイコンI1〜I4を、例えば撮影オーダID(図16等のP1参照)が小さい順に、すなわち登録順に表示するようになっている。
なお、登録順を基本とするが、例えば手脚等に対し左右両方の部位の撮影オーダがある場合、左右の取り違え防止のため、左から先に撮影、或いは右から先に撮影、という条件に基づいて並べ替えるようにしてもよい。また、対象となる部位が全身にわたるような場合には、上(頭)から下(脚)となるような条件に基づいて並べ替えるようにしても良い。
また、図17では、各アイコンI1〜I4を、画面H2上で左右方向に左側から並べて表示する場合が示されているが、これに限定されず、例えば、各アイコンI1〜I4を上下方向に上側から並べるように構成することも可能であり、各アイコンI1〜I4の表示の仕方は適宜設定される。
さらに、アイコンI1〜I4は、登録された順番に並べられるが、この他にも、例えば、選択された各撮影オーダ情報の中に、患者ID(図16等のP3参照)が異なるものや診療科(P6参照)が異なるものが含まれる場合には、登録順にかかわらず、同じ患者や診療科の撮影オーダ情報に対応するアイコンIが隣り合うように表示するように構成することも可能である。
図17に示すように、アイコンI1〜I4には、それぞれ「KM−0001」等の撮影番号や、「腹部正面P→A」等の撮影部位(P7)や撮影方向(P8)、「臥位」等のブッキー装置51の使用の有無や使用するブッキー装置51の種類等が表示されるようになっている。
また、図17の例では、臥位撮影用のブッキー装置51を使用する撮影オーダID「001」の撮影オーダ情報(図16等参照)に対応するアイコンI1には、アイコンI1中の表示部分Iaに横長の四角が表示され、立位撮影用のブッキー装置51を使用する撮影オーダID「002」、「003」の各撮影オーダ情報に対応するアイコンI2、I3には、アイコンI1中の表示部分Iaに縦長の四角が表示される。
また、ブッキー装置51を使用しない撮影オーダID「004」の撮影オーダ情報に対応するアイコンI4には、アイコンI1中の表示部分IaにFPDカセッテ1Fの斜視図状の図形が表示される。
なお、アイコンI中の表示部分Iaに、立位撮影用または臥位撮影用のブッキー装置51を使用すること、或いはFPDカセッテ1Fを単独の状態で使用することを表示する際に、上記のような四角や斜視図状の図形ではなく、放射線技師等がより分かり易い表示とする等の措置が適宜採られることは前述した通りである。
コンソール58は、アイコンI1〜I4を表示する際、記憶手段59に保存されているカセッテIDに対応付けられているブッキーIDを参照して、図17に示すように、ブッキー装置51を使用する撮影オーダ情報のアイコンIの表示部分Ibに、当該ブッキー装置51に現在装填されているFPDカセッテ1FのカセッテIDやFPDカセッテ1Fのサイズ、解像度等を表示するようになっている。
なお、図17に示した画面H2の例では、各ブッキー装置51に装填されているカセッテ等がFPDカセッテ1Fであるため、アイコンIの表示部分IbにはFPDカセッテ1FのカセッテIDが表示されているが、ブッキー装置51に装填されているカセッテがCRカセッテICであったり、撮影オーダ情報の「カセッテID」P10の欄で指定されているカセッテがCRカセッテ1Cである場合には、表示部分IbにはCRカセッテ1Cを表す表示がなされる。
また、例えば各アイコンI1〜I4に設定されているブッキー装置51とは異なるブッキー装置51を用いるように変更する場合や、ブッキー装置51を用いずにFPDカセッテ1Fが単独の状態で撮影したい場合(或いはその逆の場合)には、例えば、画面H2上でカーソルを該当するアイコンI中の「立位」や「臥位」の表示部分Iaに移動させて、マウスを右クリックするとポップアップ表示するように構成し、図示しないウインドウ内に記載されているブッキー装置51、或いはブッキー装置51を使用しないという項目を選択して変更するように構成することも可能である。
一方、本実施形態では、各アイコンI1〜I4に設定されているFPDカセッテ1FをCRカセッテ1Cに変更する場合(或いはその逆の場合)や、FPDカセッテ1F同士の間で変更する場合には、例えば、画面H2上でカーソルを該当するアイコンI中の表示部分Ibに移動させて、マウスを右クリックすることで、例えば図18に示すような選択画面H3を表示させ、各種のFPDカセッテ1Fを表す各アイコン群の中から変更先のFPDカセッテ1Fを適宜選択して変更することができるようになっている。
また、例えば各アイコンI1〜I4に設定されているFPDカセッテ1FのいずれかをCRカセッテ1Cに変更する場合には、例えば、同様に操作して図18に示したような選択画面H3を表示させ、例えば「CR」と表示されたアイコンをクリックして変更することができるように構成されている。
このように構成すれば、個々のブッキー装置51にCRカセッテ識別情報読取手段(すなわち例えば前述したバーコードリーダ)が設けられていなくても運用可能となる。この場合、放射線技師等の撮影者は、コンソール58が設けられた前室Rbにおいて、所望の撮影オーダ情報をFPD方式からCR方式に変更することが可能となる。また、逆に、撮影オーダ情報をCR方式からFPD方式に変更することも可能となる。
また、上記のように選択画面H3上で各アイコンI1〜I4に設定されているFPDカセッテ1FのいずれかをCRカセッテ1Cに変更するように構成する代わりに、或いはそれと併用して、例えば選択画面H1上で所望の撮影オーダ情報が選択された状態で、或いは、例えば画面H2上で所望のアイコンIをクリックした状態で、コンソール58に設けられた図示しないCRカセッテ識別情報読取手段(例えばバーコードリーダ)を用いてCRカセッテ1Cの識別情報(例えばバーコード情報)を入力すると、自動的にFPD方式からCR方式に変更されるように構成することも可能である。
また、CRカセッテ1Cの画像読取装置61がコンソール58と1:1で接続されている場合には、CRカセッテ1Cから読み取られた画像データDは、読み取り動作が行われるごとにコンソール58に送信されるため、選択画面H3では、CR方式への変更操作のみを行い、CRカセッテ識別情報の入力を廃止することも可能である。
FPD方式からCR方式に変更する撮影数が1回のみの場合は、CRカセッテ1Cで撮影された画像同士の混在が生じないので、上記方式は特に好ましい。なお、複数の撮影をCR方式に変更する場合には、これら複数のCRカセッテ1Cを全撮影終了後にまとめて画像読取装置61に装填する場合には、撮影順に注意して画像読取装置61にCRカセッテ1Cを装填する必要がある。
なお、撮影に用いるFPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cを変更した場合には、撮影オーダ情報中の「カセッテID」P10の項目が、変更したカセッテのカセッテIDに自動的に書き換えられるようになっている。
また、前室Rbのコンソール58上でFPD方式からCR方式への変更操作を行ったにもかかわらず、実際の撮影の際に、誤ってFPDカセッテ1Fを使用してしまうと、上記のようにコンソール58でCR方式の際に放射線源52から照射する放射線の照射線量をFPD方式の撮影よりも照射線量を多くするように制御するように構成されているため、線量過多になってしまう。
しかし、このような場合、アナログフィルムでは、通常、救済は不可能であるが、FPDカセッテ1Fの場合には画像処理で救済可能な場合も想定される。従って、このような場合には、FPDカセッテ1Fから送信された画像データDをコンソール58上で撮影オーダ情報とは対応付けずに一時的に保存しておき、階調処理条件等を修正し、診断提供可能と判断された場合には、当該画像処理済みの画像データDを撮影オーダ情報と対応付けることが可能であることが好ましい。画像処理しても診断用として使用できない場合には、再撮影モードとされる。
そして、上記のように使用するブッキー装置51を変更したり、ブッキー装置51を使用しないように或いはブッキー装置51を使用するように変更したり、使用するFPDカセッテ1Fを変更したり、FPDカセッテ1FをCRカセッテ1Cに変更したりすると、変更したアイコンI1〜I4中の表示が変更した内容に切り替わる。
なお、上記のように変更する場合、例えば、撮影者が、変更後のブッキー装置51やFPDカセッテ1F、或いはCRカセッテ1Cを用いずに撮影を行おうとした場合に、音声等で警告を発するように構成することも可能であり、適切な装置を用い、或いは適切な条件で撮影が行われるようにするための措置が適宜とられる。
また、図17で各アイコンI1〜I4の下に表示されている、処理の進行度を表すゲージGについては、後で説明する。
次に、上記のような構成の下での、コンソール58の表示部58aにおける各アイコンI1〜I4の表示のさせ方や、コンソール58による放射線発生装置57に対するFPD方式やCR方式への設定の切り替え等の例について説明する。
コンソール58は、上記のように表示部58a上に表示した各撮影オーダ情報に対応する各アイコンI1〜I4の中から、自動的に1つのアイコンIを選択して、選択したアイコンIを他のアイコンIとは異なる態様で表示するようになっている。なお、以下では、あるアイコンIを他のアイコンIと異なる態様で表示することを、当該アイコンIをフォーカスすると略して表現する。また、フォーカスされたアイコンIを図示する場合には、当該アイコンIに斜線を付して示す。
アイコンIのフォーカスの仕方としては、例えば、基本的にはアイコンIを青や黒等の画面H2の地の色に近い色で着色して表示し、あるアイコンIをフォーカスして表示する場合、そのアイコンIだけを赤色や黄色等に着色して表示するように構成することができる。また、その他、フォーカスするアイコンIを他のアイコンIとは異なる形状で表示したり、フォーカスするアイコンIを点滅させたり、或いは、フォーカスするアイコンIの画面H2上での表示位置を変えたり、ズームアップする等して表示するように構成することも可能である。
そして、コンソール58がアイコンIを自動的に選択する場合、本実施形態では、以下の基準に従ってアイコンIを選択してフォーカスするようになっている。
[基準1]
各FPDカセッテ1Fのモードやブッキー装置51に対する装填状態、各放射線源52の起動および配置状態、放射線源52A(図1参照)の位置や向き等の、それぞれの現在の状態を変えないで撮影を行うことができ、或いは、変更の程度が最も少ない状態で撮影を行うことができる撮影条件が指定された撮影オーダ情報に対応するアイコンIを選択してフォーカスする。
[基準2]
撮影室Ra内にFPDカセッテ1Fが持ち込まれていない場合や、上記の基準に従ってもいずれのアイコンIをフォーカスするかの判断ができないような場合等(以下、このような状態を略してデフォルトの状態という。)には、コンソール58は、表示部58a上に例えば登録順等の所定の順番で並べて表示されたアイコンI1〜I4のうち、まだ撮影が行われていないアイコンIの中で順番が最も先のアイコンI(図17の場合は、より左側に表示されているアイコンI1)を選択してフォーカスする。
[基準3]
放射線技師等の撮影者が、フォーカスされたアイコンIとは別のアイコンIをクリックして選択した場合には、撮影者により選択されたアイコンIをフォーカスし、コンソール58が自動的に選択した元のアイコンIのフォーカスを解除する。すなわち、コンソール58が自動的に選択したアイコンIは、他のアイコンIと同様に、フォーカスされていない元の態様の表示に戻して表示される。
なお、以下では、上記の基準に従ってアイコンIを選択してフォーカスする場合を前提として説明するが、例えば、画面H2上に表示された各アイコンI1〜I4を表示順、すなわち先頭のアイコンI1から順にアイコンI1、I2、I3、I4の順にフォーカス遷移させるように構成することも可能であり、フォーカス遷移の手法は上記の例に限定されない。
コンソール58は、例えば図17に示したように、画面H2に各アイコンI1〜I4を表示したうえで、例えば、放射線源52Aが起動していて立位撮影用のブッキー装置51Aの方向を向いている場合には、上記の基準1に従って、アイコンI2またはアイコンI3を選択する。そして、アイコンI2、I3のみについて見た場合、上記のデフォルトの場合の基準2が適用されるため、アイコンI2を選択する。そのため、コンソール58の表示部58aの画面H2には、図19に示すように、アイコンI2が選択されフォーカスされて表示される。
本実施形態では、コンソール58は、このようにして、選択したアイコンI(図19の場合はアイコンI2)をフォーカスして表示すると、そのアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づいて、即座にその撮影に用いられる各装置を所定の状態に起動するようになっている。
すなわち、コンソール58は、選択したアイコンIで指定されている方式がFPD方式であれば放射線発生装置57にFPD方式である旨を送信し、選択したアイコンIで指定されている方式がCR方式であれば放射線発生装置57にCR方式である旨を送信する。このようにして、放射線発生装置57の放射線源52から照射する放射線の照射線量をFPD方式やCR方式のそれぞれに対応するように切り替えさせるようになっている。
このように、本実施形態では、コンソール58が、放射線発生装置57に対して、放射線画像撮影が、FPDカセッテ1Fを用いるFPD方式で行われるか、CRカセッテ1Cを用いるCR方式で行われるかを切り替えて設定する切替手段として機能するようになっている。
そして、コンソール58からの信号を受信した放射線発生装置57は、その設定に応じて、放射線源52から照射させる放射線の照射線量を調整する。すなわち、コンソール58の画面H2上でフォーカスされたアイコンIが、FPDカセッテ1Fを用いる撮影を指定するアイコンI2であれば、コンソール58から放射線発生装置57に放射線画像撮影がFPD方式で行われる旨の設定がなされるため、放射線発生装置57は、CR方式の場合よりも少ない照射線量を照射するように放射線源52Aを制御する。
また、仮にコンソール58の画面H2上でフォーカスされたアイコンIが、CRカセッテ1Cを用いる撮影を指定するアイコンIであったり、或いは、もともとアイコンI(例えばアイコンI2)において指定されていたFPDカセッテ1Fが、上記のようにしてCRカセッテ1Cに変更された場合には、コンソール58から放射線発生装置57に放射線画像撮影がCR方式で行われる旨の設定がなされるため、放射線発生装置57は、FPD方式の場合よりも多い照射線量を照射するように放射線源52Aを制御する。
そして、放射線発生装置57は、放射線源52Aが、立位撮影用のブッキー装置51Aに放射線を照射できる状態になっていなければ、放射線源52Aを所定の位置に移動させて照射方向を変えさせるように調整する。
また、コンソール58は、当該撮影に用いられるFPDカセッテ1Fの電力供給モードがスリープモードであれば、FPDカセッテ1Fに覚醒信号(wake up信号等ともいう。)を送信して撮影可能モードに遷移させる等の処理を行うようになっている。
一方、本実施形態では、コンソール58は、切替手段による設定(すなわち本実施形態では切替手段としてのコンソール58自体の設定)に基づいて、放射線発生装置57に対する放射線の照射開始を制御する曝射制御手段としても機能するようになっている。
本実施形態では、前述したように、放射線発生装置57は、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で放射線源52から放射線を照射させるように構成されているが、当然のことながら、CRカセッテ1Cに照射開始信号を送信しても、CRカセッテ1Cからはインターロック解除信号は送信されない。
そこで、本実施形態では、撮影がCR方式で行われる場合、曝射制御手段としてのコンソール58は、放射線発生装置57から送信された照射開始信号をコンソール58で受信し、コンソール58から、上記のインターロック解除信号に相当するダミー信号を放射線発生装置57に送信することで、放射線源52から放射線を照射することを許可するように制御するようになっている。
このように構成すれば、放射線発生装置57は、曝射制御手段としてのコンソール58からダミー信号が送信されて曝射が許可される。前述したように、放射線技師等の撮影者により曝射スイッチ56が操作されて曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されると、照射開始信号がコンソール58に送信され、コンソール58からダミー信号が送信されてから、放射線源52から放射線が照射される。
しかし、放射線発生装置57からコンソール58への照射開始信号の送信およびコンソール58からのダミー信号の送信は瞬時に行われるため、撮影者にとっては、曝射スイッチ56を操作した直後に放射線源52から放射線が照射されたように感じられる。
そのため、放射線発生装置57は、CRカセッテ1Cを用いた通常の撮影の場合と同様に、撮影者により曝射スイッチ56が操作されると、すぐに放射線源52から、FPD方式の場合よりも大きな照射線量の放射線を照射させて撮影を行うことが可能となる。なお、曝射スイッチ56が操作されてから予め設定された時間後に放射線が照射されるように構成することも可能である。
このように、本実施形態では、放射線発生装置57は、切替手段としてのコンソール58から、放射線画像撮影がCRカセッテ1Cを用いたCR方式で行われる旨の信号を受信して、CR方式であることを認識し、放射線の照射線量を適切に調整し、その状態で、曝射制御手段としてのコンソール58により曝射が許可されるため、CRカセッテ1CとFPDカセッテ1Fとが混在する状況においても、CRカセッテ1Cに対して的確に放射線を照射することが可能となり、適切に撮影を行うことが可能となる。
一方、曝射制御手段としてのコンソール58は、自ら(すなわち切替手段としてのコンソール58)が、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いて行われるように設定した場合には、放射線発生装置57に対して、曝射スイッチ56からの照射開始信号だけでなく、FPDカセッテ1Fが同期方式と非同期方式とのいずれの方式で用いられるかに応じて、放射線源52から放射線を照射することを許可するように制御するようになっている。
すなわち、前述したように、本実施形態では、放射線発生装置57は、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように構成されている。また、本実施形態では、前述したように、FPDカセッテ1Fは、後述するように、ブッキー装置51に装填されて用いられる場合には同期方式で、また、ブッキー装置51に装填されずに単独の状態で用いられる場合には非同期方式で、それぞれ撮影を行うようになっている。
そこで、例えば図19のアイコンI2に示すように、今回の撮影で用いられるFPDカセッテ1Fがブッキー装置51(例えば立位撮影用のブッキー装置51A)に装填されていて同期方式で撮影を行うことができる場合には、放射線発生装置57からコンソール58に照射開始信号を送信し、コンソール58は当該FPDカセッテ1Fに照射開始信号を転送する。
なお、前述したように、放射線発生装置57から照射開始信号を受信した段階で、コンソール58からFPDカセッテ1に対して照射開始信号を転送するように構成する代わりに、その段階で、コンソール58からFPDカセッテ1に対して撮影可能な状態か否かを問い合わせるように構成することも可能である。なお、以下では、コンソール58からFPDカセッテ1への問い合わせについて述べない場合があるが、以下でも同様に、放射線発生装置57から照射開始信号を受信した段階で、コンソール58からFPDカセッテ1に対して問い合わせるように構成することが可能である。
そして、前述したように、コンソール58からの照射開始信号の転送や問い合わせに対して、各放射線検出素子7のリセット処理が完了した当該FPDカセッテ1Fからコンソール58にready信号が送信されてくると、コンソール58から放射線発生装置57にインターロック解除信号を送信する。そして、放射線発生装置57がコンソール58からインターロック解除信号を受信した時点で、放射線源52Aから放射線を照射させるように設定することができる。
そのため、曝射制御手段としてのコンソール58は、FPDカセッテ1Fがブッキー装置51に装填されていて同期方式で撮影を行う場合には、FPDカセッテ1Fが撮影可能状態にありFPDカセッテ1Fからready信号が送信されると、放射線発生装置57にインターロック解除信号を送信して、放射線源52からFPDカセッテ1Fに放射線を照射することを許可するように制御する。
一方、例えば図19のアイコンI4に示すように、今回の撮影で用いられるFPDカセッテ1Fがブッキー装置51に装填されずに単独の状態で用いられるような場合には、FPDカセッテ1Fは、コンソール58や放射線発生装置57との間で同期をとることができない(或いは同期をとらない。)。
そのため、本実施形態では、曝射制御手段としてのコンソール58は、FPDカセッテ1Fが単独の状態で用いられる場合のように非同期方式で撮影を行う場合には、前述したCR方式の場合と同様に、放射線発生装置57から送信された照射開始信号をコンソール58で受信し、コンソール58から、上記のインターロック解除信号に相当するダミー信号を放射線発生装置57に送信することで、放射線源52から放射線を照射することを許可するように制御するようになっている。
このように構成すれば、放射線発生装置57は、曝射制御手段としてのコンソール58により曝射が許可され、放射線技師等の撮影者により曝射スイッチ56が操作されて曝射スイッチ56から照射開始信号が送信された場合、同期方式であれば、FPDカセッテ1Fからのready信号にコンソール58からインターロック解除信号が送信され、また、非同期方式であれば、コンソール58からダミー信号が送信される。そのため、放射線発生装置57は、インターロック解除信号やそれに相当するダミー信号を受信した時点で、放射線源52から放射線を照射させることができる。
そのため、放射線発生装置57が、本実施形態のように、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合であっても、撮影者により曝射スイッチ56が操作された後、インターロック解除信号やダミー信号が送信されてきた時点で、放射線源52から、CR方式の場合よりも少ない照射線量の放射線を照射させて撮影を行うことが可能となる。
このように、本実施形態では、放射線発生装置57は、切替手段としてのコンソール58から、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いたFPD方式で行われる旨の信号を受信して、FPD方式であることを認識して放射線の照射線量を適切に調整し、その状態で、曝射制御手段としてのコンソール58により曝射が許可される。
そして、撮影が同期方式で行われ、コンソール58からインターロック解除信号が送信されてくる場合は勿論、撮影が非同期方式で行われる場合にはコンソール58からインターロック解除信号に相当するダミー信号が送信されてくるため、的確に撮影を行うことができる。そのため、CRカセッテ1CとFPDカセッテ1Fとが混在する状況においても、CRカセッテ1Cに対して的確に放射線を照射することが可能となり、適切に撮影を行うことが可能となる。
なお、前述したように、本実施形態では、コンソール58は、撮影室Ra内のFPDカセッテ1Fの起動状態(すなわち電源がオンになっているかオフになっている)や電力供給モード(すなわち撮影可能モードになっているかスリープモードになっているか)を管理するように構成されているため、FPDカセッテ1Fを用いて非同期方式で撮影を行う際に、FPDカセッテ1Fの現在の起動状態や電力供給モードを確認する必要はない。
しかし、撮影が確実に行われるようにするために、FPDカセッテ1Fを用いて非同期方式で撮影が行われる際に、上記のように放射線発生装置57から照射開始信号が送信されてきた段階で、コンソール58から当該撮影に用いられるFPDカセッテ1Fに対して起動状態や電力供給モードを問い合わせ、当該FPDカセッテ1Fが起動しており撮影可能モードである場合に、コンソール58から放射線発生装置57にダミー信号を送信するように構成することも可能である。
その際、例えば、当該FPDカセッテ1Fの状態が停止状態である場合には、音声を発声させたり、コンソール58の表示部58a上に表示する等して、放射線技師等の撮影者に当該FPDカセッテ1Fを起動させるように指示したり、当該FPDカセッテ1Fの電力供給モードがスリープモードである場合には、当該FPDカセッテ1Fに覚醒信号を送信して撮影可能モードに遷移させると同時に、FPDカセッテ1Fが所定回数のリセット処理を行う間、コンソール58から放射線発生装置57へのダミー信号の送信を遅らせたりするように構成することが可能である。
また、放射線画像撮影システム50によっては、放射線画像撮影が、FPD方式で、かつ同期方式で行われる場合、例えば、まず、FPDカセッテ1F側で各放射線検出素子7のリセット処理を行い、リセット処理が完了した時点で、FPDカセッテ1Fからコンソール58にready信号を送信し、コンソール58から放射線発生装置57に信号を送信して曝射スイッチ56の操作を許容し、その時点で初めて撮影者が曝射スイッチ56を操作して放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合もある。このような場合にも本発明を適用することが可能である。
その際、コンソール58から放射線発生装置57に信号を送信する際に、コンソール58にも当該信号を送信するように構成し、コンソール58の表示部58a上に放射線の照射が可能である旨の表示を行うように構成することも可能である。
また、後述する第3の実施形態のように、曝射スイッチ56にカバー装置70を設ける場合には、コンソール58から放射線発生装置57に信号を送信する際に、コンソール58が、その時点で、カバー装置70の蓋部71(後述する図28(A)、(B)等参照)を開放する等して、撮影者による曝射スイッチ56の操作を許容するように構成することも可能である。
なお、放射線画像撮影が行われると、前述したように、FPDカセッテ1Fの制御手段22は、各放射線検出素子7から画像データDを読み出して記憶手段23に保存する。また、制御手段22は、各放射線検出素子7から読み出した各画像データDに基づいて、各画像データDを所定の割合で間引いて自動的にプレビュー用の間引きデータDtを作成して、アンテナ装置41やブッキー装置51を介して、カセッテIDを付した間引きデータDtをコンソール58に送信する。
また、制御手段22は、間引きデータDtをコンソール58に送信した後、当該間引きデータDtの作成の基となった画像データDにカセッテIDを付与して、コンソール58に自動的に送信する。さらに、制御手段22は、所定のタイミングで行ったダーク読取処理で読み出したダーク読取値に基づいてオフセット補正値を算出し、算出したオフセット補正値にカセッテIDを付与して、コンソール58に自動的に送信する。
一方、CRカセッテ1Cを用いて放射線画像撮影が行われた場合には、撮影後、CRカセッテは撮影者等により撮影室Ra外の画像読取装置61に運ばれて画像データDの読み取り処理等が行われる。そして、画像読取装置61からコンソール58に、画像データDがCRカセッテ1Cのバーコード情報とともに送信される。
コンソール58は、本実施形態では、FPDカセッテ1Fから間引きデータDt等が送信されてきた段階で、或いは、画像読取装置61からCRカセッテ1Cで撮影された画像データDが送信されてきた段階で、送信されてきた間引きデータDtや画像データDに基づいてプレビュー画像を作成するようになっている。
そして、コンソール58は、図20に示すように、表示部58aの画面H2上の、フォーカスして表示したアイコンI2が表示されていた位置に、当該アイコンI2に代えて、作成したプレビュー画像p_preを表示するようになっている。そして、プレビュー画像p_preの下方に「OK」ボタンや「NG」ボタンを表示する。
プレビュー画像p_preを見た撮影者により「NG」ボタンがクリックされると、コンソール58は、プレビュー画像p_preや画像データD等を破棄して、元のフォーカスされたアイコンI2の表示に戻す。そして、再撮影が行われる。
また、撮影者により「OK」ボタンがクリックされると、コンソール58は、送信されてきた画像データD等に基づいて、画像データDに対するオフセット補正やゲイン補正、対数変換補正、部位や撮影条件に応じた諧調処理等の種々の画像処理を行って、最終的な画像処理済診断用の放射線画像pを生成する。その際、プレビュー画像p_pre下方のゲージGの表示が、処理の進行度に応じて変化するようになっている。
そして、コンソール58は、診断用の放射線画像pを生成した時点で、図21に示すように、プレビュー画像p_preを放射線画像pで上書き表示し、放射線画像pの下方に表示させた「OK」ボタンがクリックされると、当該放射線画像pのデータを撮影オーダ情報に対応付ける等の処理を行う。また、「NG」ボタンがクリックされると、放射線画像pに対して必要な画像処理を行えるようになっている。
一方、図20に示したように、画面H2上にプレビュー画像p_preを表示した段階でも、その下側の「OK」ボタンがクリックされると、コンソール58は、図22に示すように、続いて、再び上記の各基準に従って、次のアイコンIを選択してフォーカスさせる。そして、上記と同様にして、放射線画像撮影が行われる。
すなわち、コンソール58は、次のアイコンIに対応する撮影オーダ情報で指定されているカセッテの種類(すなわちFPDカセッテ1FまたはCRカセッテ1C)、或いは、撮影者の操作(図18等参照)により使用されるカセッテの種類が変更された場合には変更後のカセッテの種類に応じて、放射線画像撮影がFPD方式で行われるかCR方式で行われるかを判断する。また、撮影がFPD方式で行われる場合には、同期方式と非同期方式のいずれの方式で行われるかを判断する。
そして、コンソール58は、上記の切替手段としての処理と、曝射制御手段としての処理を行って、放射線発生装置57を制御し、放射線発生装置57に、放射線源52から方式に応じた適切な照射線量の放射線を照射させて、撮影を適切に行わせることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、切替手段としてのコンソール58により、放射線発生装置57に対して、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式で行われるか、CRカセッテ1Cを用いるCR方式で行われるかが切り替えて設定されるため、放射線発生装置57は、各方式に適した照射線量の放射線を放射線源52から的確に照射させることが可能となる。
また、曝射制御手段としてのコンソール58が切替手段による設定に基づいて(すなわち本実施形態では切替手段としての自ら設定した上記の設定に基づいて)、放射線発生装置57に対する放射線の照射開始を制御する。すなわち、撮影がCR方式で行われるように設定した場合には、放射線発生装置57から照射開始信号が送信されてきた場合には、それに基づいて、コンソール58からダミー信号を送信して、即座に(或いは予め設定された時間後に)、放射線源52から放射線を照射することを許可する。
また、撮影がFPD方式で行われるように設定した場合には、放射線発生装置57に対して、曝射スイッチ56からの照射開始信号に基づき、かつ、同期方式と非同期方式とのいずれの方式で用いられるかに応じて、放射線源52から放射線を照射することを許可する。
すなわち、同期方式で行われる場合には、例えば、放射線発生装置57からコンソール58に照射開始信号が送信されてくるとそれをFPDカセッテ1Fに転送し、撮影可能状態になったFPDカセッテ1Fからコンソール58にready信号が送信されてくると、コンソール58から放射線発生装置57にインターロック解除信号を送信する。このようにして、コンソール58を介して放射線発生装置57とFPDカセッテ1Fとの間で同期をとりながら、放射線源52から放射線を照射することを許可する。
また、非同期方式で行われる場合には、例えば、放射線発生装置57に対して、コンソール58からインターロック解除信号に相当するダミー信号を送信する等して、放射線源52から放射線を照射することを許可する。
このように構成することで、CRカセッテ1CとFPDカセッテ1Fとが混在し、しかも、FPD方式の撮影の際に同期方式や非同期方式で撮影を行うことが可能である状況においても、適切に撮影を行うことができるように制御することが可能となる。
そのため、FPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cに不適切な照射線量の放射線が照射されたり、不適切なタイミングで放射線が照射されたり、或いは、撮影者が曝射スイッチ56を操作しても放射線が照射されない等の種々の不具合が生じることを、的確に防止することが可能となる。
なお、下記の第2の実施形態においても同様であるが、本実施形態では、前述したように、放射線発生装置57が、放射線源52から放射線を照射させる際に、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように構成されていることを前提として説明した。
そのため、撮影がCR方式で行われる場合には、放射線発生装置57から送信された照射開始信号に対して、曝射制御手段としてのコンソール58から、インターロック解除信号に相当するダミー信号を放射線発生装置57に送信することが必要になった。
しかし、例えば、放射線発生装置57を、CR方式とFPD方式とで制御を切り替えるように構成し、FPD方式に設定された場合には上記のように照射開始信号に対する応答としてのインターロック解除信号を必要とする構成とするが、CR方式では、上記のようなインターロック解除信号を必要とせずに、曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた時点で即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線を照射させるように構成することも可能である。
そして、切替手段(本実施形態の場合はコンソール58)による設定の切り替えに応じて、放射線発生装置57が、自動的にCR方式とFPD方式とで制御を切り替えるように構成することも可能である。
このように構成すれば、少なくとも撮影がCR方式で行われる場合には、放射線発生装置57から送信された照射開始信号に対して、曝射制御手段としてのコンソール58からダミー信号を放射線発生装置57に送信することが不要になる。
また、上記のように、本実施形態では、撮影者により曝射スイッチ56が操作されると、放射線発生装置57からコンソール58に照射開始信号を送信する場合について説明したが、放射線画像撮影システム50によっては、放射線発生装置57から中継器54を介してFPDカセッテ1Fに直接(すなわちコンソール58を介さずに)照射開始信号が送信されるように構成されている場合もある。
このような場合、例えばCR方式の場合には、放射線発生装置57からCRカセッテ1Cに照射開始信号を送信しても、当然のことながら、CRカセッテ1Cからの応答はない。そのため、この場合には、放射線発生装置57から送信された照射開始信号を中継器54からコンソール58に送信するように構成する。或いは、本実施形態のように、放射線発生装置57とコンソール58とが接続されている場合には、放射線発生装置57からコンソール58と中継器54に照射開始信号を送信するようにして、中継器54に送信された照射開始信号は、中継器54でストップさせる。
そして、上記のようにコンソール58から放射線発生装置57にダミー信号を送信して放射線源52から放射線を照射させることが可能である。
また、例えばFPDカセッテ1Fを用いて同期方式で撮影を行う場合には、放射線発生装置57からFPDカセッテ1Fに送信された照射開始信号に対して、FPDカセッテ1Fから、各放射線検出素子7のリセット処理が完了して撮影可能状態になった時点でインターロック解除信号が送信されるため、放射線発生装置57はそのインターロック解除信号に応じて放射線源52から放射線を照射させることが可能である
その際、FPDカセッテ1Fから中継器54を介してコンソール58にもインターロック解除信号を送信するように構成し、コンソール58でそれに応じて適宜の処理を行うように構成することも可能である。
一方、例えばFPDカセッテ1Fを用いて非同期方式で撮影を行う場合には、放射線発生装置57から中継器54に照射開始信号を送信しても、中継器54からFPDカセッテ1Fには照射開始信号が送信されない。
そのため、この場合も、CR方式の場合と同様に、放射線発生装置57から送信された照射開始信号を中継器54からコンソール58に送信するように構成する。或いは、本実施形態のように放射線発生装置57とコンソール58とが接続されている場合には、放射線発生装置57からコンソール58と中継器54に照射開始信号を送信するようにして、中継器54に送信された照射開始信号は、中継器54でストップさせる。
そして、上記のように、コンソール58で当該FPDカセッテ1Fが起動していて撮影可能モードであることを確認して、コンソール58から放射線発生装置57にダミー信号を送信する。或いは、前述したように、コンソール58から当該FPDカセッテ1Fに対して起動状態や電力供給モードを問い合わせ、当該FPDカセッテ1Fが起動しており撮影可能モードである場合に、コンソール58から放射線発生装置57にダミー信号を送信することが可能である。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施形態では、コンソール58が切替手段と曝射制御手段の両方の機能を備えている場合について説明した。すなわち、コンソール58が、少なくとも、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式で行われるかCRカセッテ1Cを用いるCR方式で行われるかを放射線発生装置57に対して切り替えて設定する切替手段として機能する場合について説明した。
しかし、放射線画像撮影システム50によっては、コンソール58がこのような切替手段としての機能を有しておらず、切替手段が、コンソール58とは別体として設けられるように構成されている場合もある。第2の実施形態では、このような場合について説明する。
また、例えば、放射線技師等の撮影者が、撮影室Ra内で、例えばブッキー装置51に装填されているFPDカセッテ1FをCRカセッテ1Cに変更した場合(或いはその逆の場合)には、コンソール58とは別体の切替手段を操作して、放射線発生装置57に対して、撮影がFPD方式とCR方式のいずれの方式で行われるかを設定することが必要になるが、その場合、切替手段が撮影室Ra内にあると、わざわざコンソールのある前室まで移動しなくて済むので便利である。
そこで、切替手段を、例えば中継器54(図1参照)内に構築して、切替手段を撮影室Ra内に設けるように構成することが可能である。このように構成すれば、前述したように中継器54は放射線発生装置57やコンソール58と接続されているため、切替手段から放射線発生装置57に信号を送信して方式を設定したり設定を変更したりすることが可能となる。また、コンソール58での操作により、切替手段を起動させたり、切替手段に対して設定させたり設定を変更させたりする指示を行うことも可能となる。
以下では、切替手段が中継器54内に構築されている場合を想定して、切替手段54というが、切替手段を中継器54内に構築する必要はなく、また、必ずしも撮影室Ra内に設けなくてもよい。切替手段を中継器54内に構築せず、中継器54とは別体に設ける場合には、切替手段と放射線発生装置57とを接続するように構成される。また、切替手段とコンソール58とを接続するように構成すれば、上記のように、コンソール58での操作により、切替手段を起動させたり、切替手段に対して設定させたり設定を変更させたりする指示を行うことも可能となる。
また、切替手段54には、図示しないタッチパネルやトグルスイッチ等の入力手段が設けられており、放射線技師等の撮影者が手動で、切替手段54に対して、設定を入力したり設定の変更を入力したりすることができるようになっている。
切替手段54は、例えば図23〜図26に示すように機能するように構成される。
すなわち、図23に示すように、切替手段54は、画面H2(図19参照)上でアイコンIをフォーカス表示させたコンソール58から今回の撮影がFPD方式とCR方式のいずれの方式で行われるかの情報が送信されてくると、コンソール58により指定された方式を放射線発生装置57に通知して設定する。
なお、撮影者が手動で切替手段54に方式を入力した場合には、切替手段54は、入力された方式を放射線発生装置57に設定する。また、前述したように、コンソール58上での操作により(例えば図18参照)、或いは、切替手段54に対する撮影者の入力により、方式が切り替えられた場合には、切り替えられた後の方式を放射線発生装置57に設定する。
放射線発生装置57は、設定された設定、或いは切り替えられた後の設定に従って、放射線源52から照射する放射線の照射線量等の調整や変更を行う。
そして、例えば図24に示すように、撮影者が曝射スイッチ56に対して1段目の操作(例えば半押し操作)を行った場合に、放射線発生装置57から切替手段54を介して、同期方式のFPDカセッテ1Fに撮影が可能かを問い合わせる信号を送信し、或いは、非同期方式の場合にはコンソール58に対して問い合わせる信号を送信し、同期方式のFPDカセッテ1Fやコンソール58から切替手段54を介してOK信号の返信があった場合に、放射線発生装置57が、システム全体が撮影可能な状態にあることを確認するように構成することも可能である。なお、この場合、同期方式のFPDカセッテ1Fは、各放射線検出素子7のリセット処理を予め設定された回数行う等して、撮影可能になった段階でOK信号を返信する。
また、CR方式の場合には、コンソール58やCRカセッテ1Cに対して撮影が可能かを問い合わせる必要がないため、切替手段54は、放射線発生装置57から撮影が可能かを問い合わせる信号を受信すると、或いは、当該信号を受信する前から常時、放射線発生装置57に対して直接OK信号を返信するように構成される。
放射線発生装置57は、切替手段54を介して、或いは切替手段54からOK信号の返信があると、システムが撮影可能な状態であることを確認して、曝射スイッチ56に対する2段目の操作(例えば全押し操作)を許容する。
そして、撮影者により2段目の操作がなされて曝射スイッチ57から照射開始信号が入力されると、切替手段54がOK信号を返信し、放射線発生装置57に対して曝射スイッチ56からの照射開始信号に基づいて放射線源52から放射線を照射することが許可されているため、放射線発生装置57は、放射線源52から即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線を照射させる。
また、撮影がFPD方式で、かつ同期方式で行われる場合には、第1の実施形態で説明したように、曝射制御手段としてのコンソール58により、放射線発生装置57とFPDカセッテ1Fとに、それらの間で信号(すなわち照射開始信号やインターロック解除信号等)の送受信を許容して、放射線源52からFPDカセッテ1Fに放射線を照射することを許可するように制御されている。
そのため、図25に示すように、中継器(切替手段)54は、放射線発生装置57から送信されてきた照射開始信号をFPDカセッテ1Fに送信し、FPDカセッテ1Fからインターロック解除信号が送信されてくると、それを放射線発生装置57に送信する。そして、放射線源52から放射線が照射される。
また、撮影がFPD方式で、かつ非同期方式で行われる場合には、第1の実施形態で説明したように、中継器(切替手段)54は、図26に示すように、放射線発生装置57から照射開始信号が送信されてくると、それを曝射制御手段としてのコンソール58に送信し、コンソール58からインターロック解除信号に相当するダミー信号が送信されてくると、それを放射線発生装置57に送信する。そして、放射線源52から放射線が照射される。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、コンソール58とは別体の切替手段54により、放射線発生装置57に対して、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式で行われるか、CRカセッテ1Cを用いるCR方式で行われるかが切り替えて設定されるため、放射線発生装置57は、各方式に適した照射線量の放射線を放射線源52から的確に照射させることが可能となる。そのため、第1の実施形態の場合と同様の有益な効果を発揮することが可能となる。
また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、コンソール58が切替手段としての機能を有していない場合であっても、第1の実施形態の場合と同様の有益な効果を発揮することが可能となる。
そして、例えば、切替手段54を撮影室Raに設けておけば、撮影室Ra内でブッキー装置51に装填するカセッテの種類を変更した場合、すなわち例えばFPDカセッテ1FからCRカセッテ1Cに変更した場合(或いはその逆の場合)に、撮影室Ra外のコンソール58の所に移動しなくても、撮影室Ra内で切替手段54を操作して容易に方式を切り替えることが可能となる。
[第3の実施の形態]
上記の第1、第2の実施形態では、前述したように、放射線発生装置57が、送信した照射開始信号に対する応答としてインターロック解除信号を受信した時点で初めて放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合について説明した。
すなわち、放射線発生装置57は、曝射スイッチ56に対して2段目の操作がなされて曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきてもすぐには放射線源52から放射線を照射させず、FPDカセッテ1Fからのインターロック解除信号の送信があった時点で初めて放射線源52から放射線を照射させる。
そのため、放射線発生装置57から照射開始信号を送信してもインターロック解除信号の応答がないCR方式の場合やFPD方式の非同期方式の場合には、放射線発生装置57から照射開始信号の送信があった場合には、曝射制御手段としてのコンソール58から放射線発生装置57にインターロック解除信号に相当するダミー信号を送信することが必要になった。
しかし、放射線発生装置57が、照射開始信号に対する応答としてのインターロック解除信号の受信を必要とせずに、曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた時点で即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合もある。
現状では、図1に示したような撮影室Raやそれに付随する前室Rbに設置される、いわば固定式の放射線発生装置57においても、このタイプの放射線発生装置が用いられていることも多いが、例えば図27に示すように、いわゆるポータブルの放射線発生装置57が回診車に搭載されて病室R3に持ち込まれるようなタイプの放射線発生装置57では、現状では、特にこのようなタイプの装置が用いられることが多い。なお、図27で、Bは病室Rcのベッド、Hは被写体である患者を表す。
そして、病室Rcには、クレードル55(図1参照)等のFPDカセッテ1Fの充電装置がないため、病室Rcに持ち込んだFPDカセッテ1Fのバッテリ24の電力が足りなくなって、撮影に用いるカセッテをFPDカセッテ1FからCRカセッテ1Cに切り替えたり、持ち込んだCRカセッテ1Cの枚数が足りなくなって、撮影に用いるカセッテをCRカセッテ1CからFPDカセッテ1Fに切り替える等のカセッテの切り替えが、撮影室Raで撮影を行う場合よりも頻繁に生じることが考えられる。
なお、本実施形態は、放射線発生装置57が撮影室Raや前室Rbに設けられる場合にも(図1参照)、或いはポータブルの放射線発生装置57が回診車に搭載されて病室R3に持ち込まれるような場合にも(図27参照)、いずれの場合にも有効に適用される。
ところで、上記のように、放射線発生装置57が、照射開始信号に対する応答としてのインターロック解除信号の受信を必要とせず、曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた時点で、即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合には、特にFPD方式の場合に、以下のような問題が生じる虞れがある。
すなわち、FPDカセッテ1Fを同期方式で用いる場合、本来であれば、放射線発生装置57から送信されてきた照射開始信号に対してFPDカセッテ1Fからインターロック解除信号が送信された時点で初めて放射線源52から放射線が照射されるが、上記のように放射線発生装置57がインターロック解除信号の応答を必要としない場合、FPDカセッテ1Fが各放射線検出素子7のリセット処理(図9や図32参照)を行っている最中で、まだ撮影可能な状態になっていないにもかかわらず放射線が照射されてしまうといった問題が生じ得る。
また、FPDカセッテ1Fを同期方式で用いる場合も非同期方式で用いる場合も同様であるが、撮影に用いられるFPDカセッテ1Fの電力供給モードがスリープモードであり、撮影可能な状態になっていないにもかかわらず放射線が照射されてしまうといった問題も生じ得る。
そのため、本実施形態のように、放射線発生装置57が、照射開始信号に対する応答としてのインターロック解除信号の受信を必要とせずに、曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた時点で即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合には、上記のように、少なくともFPDカセッテ1Fが撮影可能な状態になってから、放射線源52から放射線が照射されるように構成される必要がある。
そこで、本実施形態では、放射線発生装置57が上記のように構成されている場合に、放射線発生装置57に、FPDカセッテ1Fが撮影可能な状態になっていない等して撮影を行うことができない場合に、曝射スイッチ56が操作されることを防止するための誤曝射防止手段が設けられるようになっている。
誤曝射防止手段としては、例えば図28(A)、(B)に示すように、曝射スイッチに取り付けられたカバー装置70を用いることができる。そして、カバー装置70の開閉を、曝射制御手段としてのコンソール58が制御するようになっている。
カバー装置70は、例えば曝射スイッチ56の上方に配置され、開放させることでカバー装置70を開状態とし、また、閉鎖させることでカバー装置70を閉状態とする蓋部71と、閉鎖された状態の蓋部71を下側から支持する支持板72とを備えて構成されている。
本実施形態では、支持板72は、ホルダHに収納された状態の曝射スイッチ56の両側側方に1枚ずつ平行に立設された計2枚の板状部材で構成されており、支持板72の上部の一端側に設けられた蝶番構造73を介して蓋部71が支持板72に対して揺動可能に取り付けられている。
なお、このように、本実施形態では、放射線技師等の撮影者が2枚の支持板72の間からホルダHに収納された曝射スイッチ56を視認することは可能であるが、例えば2枚の支持板72の間に手を入れて曝射スイッチ56をホルダHから取り出そうとしても、閉鎖された蓋部71に邪魔されて、曝射スイッチ56をホルダHから取り出すことができないようになっている。
逆の言い方をすれば、曝射スイッチ56の上端と閉鎖された状態の蓋部71との位置関係が、上記のように、撮影者が2枚の支持板72の間に手を入れて曝射スイッチ56をホルダHから取り出そうとしても、閉鎖された蓋部71に邪魔されて曝射スイッチ56をホルダHから取り出すことができないような位置に、閉鎖された蓋部71が配置されるように調整される。
なお、蓋部71が開状態(図28(A)中の一点鎖線参照)とされれば、曝射スイッチ56をホルダHから取り出すことができる。また、カバー装置70の支持板72を、上記の2枚だけ設ける代わりに、3枚設けて曝射スイッチ56を3方向から包囲するように構成したり、4枚設けて曝射スイッチ56の四方を包囲するように構成することも可能であり、適宜に構成される。
また、前述したように、曝射スイッチ56が、ホルダHを回動したり水平移動したりして操作するように構成されている場合には、カバー装置70の支持板72を、上記の2枚だけ設けると、蓋部71が閉鎖されている状態でも、撮影者が支持板72の間に手を入れてホルダHを回動したり水平移動したりして曝射スイッチ56を操作することができてしまうため、曝射スイッチ56がこのように構成されている場合には、支持板72を3枚設けて曝射スイッチ56を3方向から包囲するように構成したり、4枚設けて曝射スイッチ56の四方を包囲するように構成して、蓋部71が閉鎖された状態では曝射スイッチ56を操作することができないように構成することが必要となる。
一方、支持板72の当該一端側の外側には、モータ74が取り付けられており、モータ74の回転軸75が、上記の蝶番構造73の下側で2枚の支持板72を略垂直にそれぞれ貫通するように配置されている。また、このモータ74は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルCでコンソール58に電気的に接続されており、コンソール58からモータ74に対して電力(例えば5[V]或いは24[V])が供給され、或いは電力の供給が停止されるようになっている。
また、モータ74の回転軸75の、2枚の支持板72の内側の所定の位置には、ギア76が固定されており、また、蓋部71の蝶番構造73が形成された端部には、モータ74の回転軸75に設けられたギア76に対応する位置に、ギア76と噛み合うギア77が固定されている。
そして、コンソール58から電力が供給されてモータ74の回転軸75が回動すると、回転軸75に固定されたギア76から蓋部71に固定されたギア77に回転駆動力が伝達され、それにより、蓋部71が蝶番構造73を中心として揺動して、蓋部71が開放されたり閉鎖させたりするようになっている。
また、蓋部71が閉鎖された際に接触することで蓋部71が閉鎖されたことを検出するセンサ78が、支持板72の上端部分に設けられており、センサ78は、コンソール58に電気的に接続されている。そして、コンソール58は、蓋部71を閉鎖した際に、センサ78から送信された蓋部71が閉鎖されたことを表す信号を受信することにより、カバー装置70の蓋部71が確実に閉鎖されたことを確認するようになっている。
なお、図28(A)では、センサ78とコンソール58との電気的な接続の表示が省略されている。また、図28(A)、(B)では、2枚の支持板72のうち、一方の支持板72にのみセンサ78を設ける場合を示したが、両方の支持板72に設けるように構成することも可能である。
また、蓋部71が開閉されたことを確認する手法としては、センサ78を設ける代わりに、或いは、それと併用して、例えば図29に示すように、例えば、発光素子79aと受光素子79bとを備える光学的検知手段79をカバー装置70の近傍に設けておき、蓋部71が開放されると、発光素子79aから発光された光が開放された蓋部71によって反射されて受光素子79bに到達することで、カバー装置70の開閉を検知するように構成することも可能である。
さらに、図30(A)、(B)に示すように、カバー装置70の蝶番構造73の部分にタンブラーバネTを設ける等して、蓋部71が閉鎖された状態になるように付勢されているが、所定の位置以上に開放されると、逆に開放された状態になるように付勢されるように構成することも可能である。
このように構成すれば、蓋部71が閉鎖された状態や開放された状態では、コンソール58からのモータ74に対する電力の供給を停止しても、タンブラーバネTによりそれらの状態が維持される。そのため、消費電力を低減することが可能となる。
さらに、上記のようにカバー装置70の蓋部71を支持板72に対して蝶番構造73を介して揺動可能に取り付けるように構成する代わりに、例えば、図31に概略的に示すように、蓋部71の下面側に設けたラック71aとモータ74の回転軸75に固定されたギア(この場合はピニオンともいう。)76とを組み合わせたラックアンドピニオン構造とし、モータ74の回転により蓋部71が支持板72上を水平方向に移動するようにして、蓋部71の開閉動作を行わせるように構成することも可能である。
一方、曝射制御手段としてのコンソール58は、以下のようにして、誤曝射防止手段としてのカバー装置70等に対して制御を行うようになっている。
[制御1]
コンソール58は、放射線画像撮影がCRカセッテ1Cを用いるCR方式で行われる場合には、カバー装置70を常時開状態とするように制御する。これは、CR方式では、インターロック解除信号の応答等は必要なく、準備が整った段階でいつでも放射線源52から放射線を照射させてよいからである。
[制御2]
また、コンソール58は、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式で行われる場合には、通常の状態では、カバー装置70を閉状態とするように制御する。
そして、撮影に用いられるFPDカセッテ1Fの電力供給モードがスリープモードであれば、当該FPDカセッテ1Fに覚醒信号を送信して、当該FPDカセッテ1Fの電力供給モードを撮影可能モードに遷移させる。なお、撮影に用いられるFPDカセッテ1Fの電源がオフになっている場合に音声等で警告を発するように構成してもよい。
[制御2−1]
そして、コンソール58は、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式であり、非同期方式で行われる場合には、当該FPDカセッテ1Fの電力供給モードを撮影可能モードに遷移させた時点(或いは当該FPDカセッテ1Fの電力供給モードが撮影可能モードであることを確認した時点)で、蓋部71を開放させてカバー装置70を開状態にするように制御する。
FPD方式の非同期方式では、FPDカセッテ1F自体が放射線の照射開始を検出するため、準備が整った段階でいつでも放射線源52から放射線を照射させてよいからである。
なお、FPDカセッテ1Fの電力供給モードを撮影可能モードに遷移させた場合には、当該FPDカセッテ1Fに各放射線検出素子7のリセット処理を所定の時間だけ行わせた後で、カバー装置70を開状態とするように構成してもよい。また、FPDカセッテ1Fは、放射線の照射を開始するまで各放射線検出素子7のリセット処理を続行することは前述した通りである。
そして、撮影者により曝射スイッチ56が操作されて放射線が照射されて撮影が行われた後、当該FPDカセッテ1Fから間引きデータDtや画像データD等の送信があった時点で、コンソール58は、カバー装置70を閉状態とするように制御する。
[制御2−2]
また、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式であり、同期方式で行われる場合には、FPDカセッテ1Fは、照射開始信号の受信と、インターロック解除信号の送信を必要する。一方、FPDカセッテ1Fがインターロック解除信号を送信してから放射線が照射されるまでの時間が長くなると、当該FPDカセッテ1Fの各放射線検出素子7に蓄積される暗電荷の量が多くなってしまう。
そのため、放射線画像撮影がFPDカセッテ1Fを用いるFPD方式であり、同期方式で行われる場合には、コンソール58は、上記のように、当該FPDカセッテ1Fの電力供給モードを撮影可能モードに遷移させた後、撮影者がコンソール58に対して撮影を開始するための操作を行った時点で、各放射線検出素子7のリセット処理を行っている当該FPDカセッテ1Fに対して、コンソール58から照射開始信号を送信する。そして、当該FPDカセッテ1Fからインターロック解除信号を受信した時点で、蓋部71を開放させてカバー装置70を開状態にするように制御する。
そして、撮影者により曝射スイッチ56が操作されて放射線が照射されて撮影が行われた後、当該FPDカセッテ1Fから間引きデータDtや画像データD等の送信があった時点で、コンソール58は、カバー装置70を閉状態とするように制御する。
一方、図示を省略するが、誤曝射防止手段として、上記のように曝射スイッチ56に対する操作を物理的に阻止したり許容するカバー装置70の代わりに、曝射スイッチ56が誤って操作されることを防止するための視覚的な表示装置を放射線発生装置57に設けるように構成することも可能である。
表示装置としては、例えば、LED等からなるランプや、CRTやLCD等からなるディスプレイを、曝射スイッチ56やその近傍に設けることが可能である。
そして、誤曝射防止手段として表示装置を用いる場合にも、上記と同様に制御するように構成することが可能である。すなわち、上記の各制御において、カバー装置70が開状態とされる代わりに表示装置に曝射を許容することを表す表示をさせ(すなわちランプを点灯させたりディスプレイにその旨を表示させ)、また、カバー装置70が閉状態とされる代わりに表示装置に曝射を許容しないことを表す表示をさせる(すなわちランプを消灯させたりディスプレイにその旨を表示させる)ように構成される。
なお、本実施形態では、CR方式やFPD方式で撮影が行われる場合には、切替手段としてのコンソール58から事前に放射線発生装置57の設定が行われ、放射線発生装置57は、その設定に応じて、放射線源52から照射させる放射線の照射線量を調整する等の制御を行うことは、第1の実施形態で説明した通りである。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、放射線発生装置57が、曝射スイッチ56から照射開始信号が送信されてきた時点で即座に(或いは予め設定された時間後に)放射線源52から放射線を照射させるように構成されている場合でも、放射線発生装置57に誤曝射防止手段(カバー装置70や表示装置)を設けることで、誤曝射防止手段により、CR方式では曝射スイッチ56に対する操作が常時許容され、FPD方式ではFPDカセッテ1Fが撮影可能な状態になった場合にのみ曝射スイッチ56に対する操作が許容される。
そのため、撮影を行うことができない場合に曝射スイッチ56が操作されることを的確に防止することが可能となり、第1の実施形態の場合と同様の有益な効果を発揮することが可能となる。そのため、CRカセッテ1CとFPDカセッテ1Fとが混在し、しかも、FPD方式の撮影の際に同期方式や非同期方式で撮影を行うことが可能である状況においても、適切に撮影を行うことができるように制御することが可能となる。
そして、FPDカセッテ1FやCRカセッテ1Cに不適切な照射線量の放射線が照射されたり、不適切なタイミングで放射線が照射されたり、或いは、撮影者が曝射スイッチ56を操作しても放射線が照射されない等の種々の不具合が生じることを、的確に防止することが可能となる。
なお、上記の各実施形態において、放射線発生装置57が、切替手段から何も設定されていないデフォルトの状態では、撮影者が曝射スイッチ56を操作することで任意のタイミングで放射線を照射できるように設定されていることが望ましい。このように構成すれば、例えば放射線発生装置57に対してコンソール58等からインターロック解除信号が送信されないために、放射線発生装置57がいつまで経っても放射線源52から放射線を照射させることができない事態が生じることを防止することが可能となる。
また、上記の各実施形態では、画像データD等に基づいて放射線画像pを生成するコンソール58が少なくとも曝射制御手段として機能するように構成された場合について説明したが、曝射制御手段を、コンソール58とは別体のコンピュータ等で構成することも可能である。すなわち、曝射制御手段が、放射線画像pを生成する機能を持たないように構成することも可能である。
さらに、その他、本発明が上記の実施形態や変形例に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
1C CRカセッテ
1F FPDカセッテ
7 放射線検出素子
50 放射線画像撮影システム
52 放射線源
54 中継器(切替手段)
56 曝射スイッチ
57 放射線発生装置
58 コンソール(切替手段、曝射制御手段)
70 カバー装置(誤曝射防止手段)
D 画像データ
p 放射線画像
Ra 撮影室

Claims (2)

  1. 射線を照射する放射線源と、照射開始信号を出力する曝射スイッチとを備え、前記曝射スイッチによる前記照射開始信号に応答してインターロック解除信号を受信した際に前記放射線源から放射線を照射させる放射線発生装置と、
    二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備え、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を画像データとして読み出すFPDカセッテと、
    を備える放射線画像撮影システムにおいて、
    記FPDカセッテが前記放射線発生装置と同期する同期方式で用いられる場合には、前記照射開始信号に対して、前記FPDカセッテが撮影可能な状態にあると確認した後、前記放射線発生装置に対して前記インターロック解除信号を送信し、前記FPDカセッテが前記放射線発生装置と同期しない非同期方式で用いられる場合には、前記照射開始信号に対して、前記インターロック解除信号に相当するダミー信号を前記放射線発生装置に送信する手段を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. CRカセッテを備え、
    前記CRカセッテを用いられる場合に、前記照射開始信号に対して、前記インターロック解除信号に相当するダミー信号を前記放射線発生装置に送信する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
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