JP5659448B2 - 培養容器及び同容器を用いた細胞培養方法 - Google Patents
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Description
また、患者から採取した血球系細胞、例えば、T細胞、NK細胞、樹状細胞、造血幹細胞等を培養し、すなわち、細胞を活性化、誘導、または、変異させ、さらには、増殖させてから、患者の体内に戻し、抗ウイルス治療、抗がん治療等を行うものもある。
すなわち、培養には、開始時に、培地、培養細胞、添加物等を容器内に注入する操作と、終了時に、培養細胞や細胞が合成したタンパク質等の収穫物を取り出す操作が必ず必要であり、さらに、培養期間中に、別の容器に拡大培養したり、培地や添加物等を補充する操作を繰り返し行う必要がある場合が多い。
すなわち、スチレン樹脂製のシャーレ、フラスコを使用して培養を行う場合、培養容器の取扱いだけでなく、培養用具、例えば、ピペット等の取扱いについても、熟練が要求されることになる。
すなわち、シクロオレフィン樹脂は、スチレン樹脂と同等またはそれ以上に細胞の培養適性があり、細胞がシクロオレフィン樹脂を直接または間接的に足場とすることができるので、この足場となるシクロオレフィン樹脂を細胞と接触する容器の内面に設けることによって、スチレン樹脂製のシャーレ、フラスコの培養性能と同等またはそれを上回る培養性能を得易い。しかも、シクロオレフィンは日本薬局方のプラスチック製医薬品容器試験法レベルの安全性を確保し易い。そのため、安全性が高い、医療目的の培養に使用するのに相応しい培養容器を提供することができる。
また、第二の壁部が柔軟性を有するので、第二の壁部の変形により容器の容積を変化させることができる。そのため、空気の出入り無しに、ポートから容器内への内容液の封入及び容器内からの内容液の排出が可能である。これにより、内容液を充填又は排出する作業時に内容液を外気に触れさせないシステム化が容易で、培養作業のクローズドシステム化が容易である。
したがって、レベルの高くない無菌環境下においても、また、培養の熟練者でなくても、作業が容易で、操作ミスを少なくでき、また、操作ミスが大事に至らず、内容液が容易に汚染され難い培養容器を提供することができる。
ここでいう、クローズドシステムとは、無菌的な閉鎖系をいい、内容物が、無菌的に製造された容器内間を、汚染された外気に晒されることなく移動し、必要な処理が行われることを可能なシステムを言う。
ことを特徴とする。
細胞は、培養時に、酸素を消費し二酸化炭素を産生するが、培養環境を維持するためには、消費された酸素を容器外から取り込み、産生した二酸化炭素を容器外へ排出する機構が必要になる。
スチレン樹脂製のフラスコ等、一般の培養容器ではベントと呼ばれる通気口を設けて、酸素及び二酸化炭素の外部との交換を行っているが、通気口から培養液がこぼれ出たり、通気口が微生物汚染の原因になったり、フィルター付き通気口が培地で塞がったりする危険性がある。本発明では、容器壁自体に気体透過性、特に、酸素及び二酸化炭素の透過性を持たせるために、容器壁、特に、第二の壁部を気体透過性のよい材料で形成し、容器を開口させることなく酸素及び二酸化炭素の外部との交換を行うことを可能にしている。
すなわち、本発明では、シクロオレフィン面が細胞と接触する面にあれば良いので、その樹脂層または皮膜を形成する手段に特段の制限はないが、コーティング法、貼り合わせ法、多層押出し成形法等が好ましい。
ここで使用される溶剤としては、シクロヘキサン、トルエン等、SP値がシクロオレフィン樹脂のSP値に近い溶剤が選択される。
また、多層押出し成形法には、シート押出し成形法とインフレーション成形法があるが、何れの方法でも構わない。
すなわち、シクロオレフィン樹脂は硬質の樹脂なので、柔軟性に乏しく、そのままでは、柔軟性が要求される用途には採用できないが、柔軟性を有する低密度ポリエチレンとの複合化により、シクロオレフィン樹脂層が形成された第一の壁部に柔軟性を付与することが可能になる。そのため、容器壁全体が広い範囲で柔軟性を有することにより、空気の出入り無しに、容器内への液体の封入及び容器内からの内溶液の排出が容易になり、クローズドシステム化の確実性が向上し、作業性も向上する。
また、ポリプロピレン樹脂には、ステレオブロックポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン樹脂とステレオブロックポリプロピレン樹脂の混合物も含まれる。
さらに、具体的に言えば、例えば、5000Paで容器内を吸引した時に対面する容器壁が密着するような容器においては、5000Paの圧力をかけた時に、対面する容器壁間が、対面する周縁シール間の2分の1以上になる程度に柔軟性を有すれば良い。
本発明の容器の少なくとも顕微鏡観察側の容器壁は、顕微鏡で細胞が観察できる程度に透明であることが好ましい。一般に、培養細胞等の顕微鏡観察は、倒立顕微鏡によって観察する場合が多いので、その場合に、下側に位置する容器壁を透明にするのが好ましい。
また、容器壁の実効面積あたりの酸素透過性は、前記容器壁の酸素透過率に容器壁の面積をかけた数値であって、容器壁が容器内に酸素を供給する能力を表し、一つの容器の持つ全ての容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の総和は、その容器が容器内に酸素を供給する性能を表すことになる。
すなわち、シクロオレフィン樹脂は、その表面がスチレン樹脂と同様に疎水性で硬質という特徴を持っているので、親水性部分と疎水性部分を併せ持つ蛋白質を、その疎水性部分をシクロオレフィン樹脂表面に接着または密着させてシクロオレフィン樹脂表面を覆うことにより、細胞に対する前記各種の効果を発揮させることができる。
例えば、細胞の足場となる親水性部分を液側に向けるタンパク質がシクロオレフィン樹脂表面を覆えば、細胞と接触する容器表面に細胞が増殖するための足場が形成されることになり、細胞の分化、誘導、または、増殖を効率的に行うことができる。
また、細胞を刺激する疎水性部分を液側に向けるタンパク質がシクロオレフィン樹脂表面を覆った場合も、例えば、その疎水性部分が細胞を刺激しうる能力を有するものであれば、固相化されたタンパク質によって細胞の刺激を効率的に行うことができる。
なお、コートまたは固相化される蛋白質を培地等に溶解または分散させ、培養する細胞と同時に投入し、培養と同時にコートまたは固相化してもよい。
ここで、前記のタンパク質は天然の供給源から精製されたものでもよく、遺伝子工学的に製造された組換え(リコンビナント)タンパク質であってもよい。
これらのタンパク質は、単独でコートしても良いが、複数のタンパク質を同時にコートしても構わない。
例えば、フィブロネクチンのフラグメントとして、細胞結合ドメイン(VLA−4結合ドメイン、VLA−5結合ドメイン等)やヘパリン結合ドメインを有するフラグメントが多数知られている[例えば、ジャーナル オブ バイオケミストリー(J. Biochem.)、第110巻、284−291頁(1991)]。さらに、細胞接着ドメインとヘパリン接着ドメインを有するフィブロネクチンフラグメントとして、レトロネクチン(商標)(タカラバイオ株式会社製)が挙げられる。レトロネクチンは前出のジャーナル オブ バイオケミストリーにCH−296として記載されている。
細胞外マトリックスを構成する成分のフラグメントが、フィブロネクチンフラグメントCH−296であるので、請求項8に記載の発明によって得られる効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、レトロネクチンは、容易にシクロオレフィン面にコートが可能で、レトロウイルスベクターによる細胞への、例えば、造血系細胞への遺伝子導入効率を上げるだけでなく、浮遊系細胞、例えば、白血球の細胞増殖性が良好な培養容器を提供することができる。
タンパク質が、抗体、その誘導体、または、そのフラグメントであるので、請求項6に記載の発明から得られる効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、抗体は、H鎖のC末端側に疎水性部分を有するために、疎水性部分がシクロオレフィン樹脂面に接着または密着する形で、抗原結合部位を液側に向けてコートまたは固層化されるので、シクロオレフィン樹脂面は抗体の抗原結合部位で覆われることになり、細胞を効率良く抗原結合部位に接触させることが可能で、ひいては、細胞に効率よく刺激を与えることができる。
さらに、特定の細胞種のみを単離する目的に前記の発明の培養容器を使用することもできる。
前記の抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでもよい。抗体の誘導体としては、例えば、化学的に修飾された抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、双特異性抗体が例示される。抗体のフラグメントとしては、例えば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFvフラグメントが例示される。前記の抗体等は、単独でコートしても良いが、複数の抗体等を混合してコートしてもよく、他のタンパク質を同時にコートしても構わない。
ここで、前記のタンパク質は天然の供給源から精製されたものでもよく、遺伝子工学的に製造された組換え(リコンビナント)タンパク質であってもよい。
抗体が抗CD3抗体であるので、請求項10に記載の発明により得られる効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、抗CD3抗体は、一般に、スチレン樹脂製シャーレまたはフラスコ等にコートされ、白血球のうちT細胞を刺激する用途で用いられるが、本発明のシクロオレフィン樹脂表面にコートすれば、それを上回る細胞刺激性が得られる。
培養される細胞が人体内に注入または埋設され、あるいは、人体の損傷部に貼付される細胞であるので、請求項1ないし請求項11の何れかに記載の発明によって得られる効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、シクロオレフィン樹脂は、オレフィン系樹脂であって、且つ、環状構造を有するので、熱安定性が良好であり、また、溶出物も少なく、生体に対して安全性が高い樹脂であるため、医療用の培養容器に適している。
さらに、前記のタンパク質が遺伝子導入用ベクターに対する親和性を有している場合には、シクロオレフィン樹脂面において標的細胞と遺伝子導入用ベクターとが共配置されることにより、遺伝子導入効率が向上する。前記の遺伝子導入用ベクターとしては、特に限定されるものではないが、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター(レンチウイルスベクター、シュードタイプベクターを包含する)、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターを例示することができる。フィブロネクチンのヘパリン結合ドメインはレトロウイルス結合活性を有しているので、ヘパリン結合ドメインを有するフィブロネクチンのフラグメントとレトロウイルスベクターとを組み合わせた遺伝子導入が本発明には好適である。フィブロネクチンのフラグメントのような機能性物質とレトロウイルスとを使用する遺伝子導入方法は、例えばWO95/26200号国際公開公報やWO00/01836号国際公開公報に記載されている。
[参考例1]
図1を参照すると、参考例1の培養容器1は、シクロオレフィンポリマー(ゼオノア1020、日本ゼオン社製)であるシクロオレフィン樹脂により形成され、周壁部2と底面壁部4とを有するシャーレ様の本体を有している。この容器の底面壁部の内径は55mmで、容器1の深さは13mmである。
シクロオレフィン樹脂を0.1mmの4フッ化エチレンシート間に挟み、さらに、2mmのステンレス板の間に挟み、これを、上下の熱盤温度が150℃の熱プレス機の熱盤間に挟んで、最終表示圧力が80kg/cm3になるまで徐々に圧力を上げてプレスし、厚さ150μmのシクロオレフィン樹脂からなるシートを形成し、次いで、このシートを、真空成形によりシャーレ様に形成することによって、参考例1の培養容器1を得た。
参考例2の培養容器1は、上記シクロオレフィン樹脂としてシクロオレフィンコポリマー(アペル6509T(商標)、三井化学社製)を用いて成形した点を除いては、参考例1と同様にして作製されたシャーレ様の容器である。
図2に示したように、参考例3の培養容器1は、細胞と接触する内側面がシクロオレフィン樹脂により形成され、周壁部2と底面壁部4とを有するシャーレ状に形成されている。この容器1の底面壁部の内径は55mmで、容器1の深さは13mmである。
より詳述すると、周壁部2及び底面壁部4は、夫々、基材となる外層2a,4aと内層2b,4bの二層構造に形成されていて、細胞と接触する内層2b,4bがシクロオレフィン樹脂から形成されている。
ここで、内層2b,4bは、シクロオレフィンポリマー(ゼオノア1020、日本ゼオン社製)から40μmの厚さを有するものとして形成され、他方、基材となる外層2a,4aは、エチレン酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン631、東ソー株式会社)から160μmの厚さを有するものとして形成されている。
押出し成形により形成した厚さ40μmのシクロオレフィン樹脂シートと、インフレーション成形により形成した厚さ160μmのエチレン酢酸ビニル重合体シートを、それらの間に空気が入らないように重ね合わせた後、0.1mmの4フッ化エチレンシート間に挟み、さらに、1mmのステンレス板の間に挟み、これを、上下の熱盤温度が150℃の熱プレス機の熱盤間に挟んで、最終圧力が80kg/cm3になるまで徐々に圧力を上げてプレスすることにより、シクロオレフィン樹脂40μmとエチレン酢酸ビニル重合体160μmとからなる二層シートを形成する。
図3及び図4に示したように、本実施例4の培養容器1は、互いに対面位置して、周縁が接合封止される一対の第一及び第二の容器壁部21,22にから略袋状に形成されている。この容器1においては、細胞培養時に底面となる第一の容器壁部21の細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成され、細胞培養時に上面となる第二の容器壁部22が柔軟性を有するエチレン酢酸ビニル共重合体により形成されている。細胞培養時に底面となる第一の容器壁部21は、215cm2の面積を有するように形成されている。
これら第一の容器壁部21と第二の容器壁部22の周縁は周縁シール5により密封され、その周縁の適宜部位には、タンパク質コーティング時のタンパク質溶解液,洗浄液,培養する細胞および培養用培地を注入乃至排出させるためのポート6が設けられている。なお、ポート6にはそれらの物質を充填および密封し易いようにチューブ7が連結されている。
ここで、第一の容器壁部21の内層21bは、シクロオレフィンポリマー(ゼオノア1420、ゼオン社製)から40μmの厚さを有するものとして形成され、他方、第一の容器壁部21の外層21aは、低密度ポリエチレン(カスタマーグレード、東ソー株式会社)から170μmの厚さを有するものとして形成されている。また、第二の容器壁部22は、酢酸ビニル含量が10重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(ウルトラセンUE540、東ソー株式会社)から110μmの厚さを有するものとして形成されている。
多層押出し成形により、厚さが40μmのシクロオレフィン樹脂層と厚さが170μmの低密度ポリエチレン樹脂層とから成る二層構造の第一のシートを成形するとともに、インフレーション成形により、厚さ110μmのエチレン酢酸ビニル重合体の第二のシートを成形し、次いで、前記第一のシートのシクロオレフィン樹脂面が前記第二のシートと対面するように前記第二のシートに重ね合わせ、それらシートの周縁を、ニトフロンシートを介して熱盤でシールすると共に、ポートを溶着することによって、本実施例4の培養容器1を得ることができる。
図5に示した参考例5の培養容器1は、後述する点を除いては、上述した実施例4の培養容器1と同様に構成されている。即ち、この培養容器1においては、第一の容器壁部21のみならず、第二の容器壁部22も二層構造に構成され、且つ両者が同じ材質にて構成されている。より詳述すると、第一の容器壁部21が、基材となる外層21aと内層21bの二重構造に形成され、また、第二の容器壁部22も、外層22aと内層22bの二重構造に形成されている。これら容器壁部21,22の内面、すなわち、細胞と接触する側に位置する内層21b,22bは、シクロオレフィン樹脂にて構成されている。
この容器は、例えば、以下のようにして、形成することができる。
インフレーション成形により形成された厚さ160μmのエチレン酢酸ビニル重合体シートに、シクロオレフィン樹脂をシクロヘキサンに0.5%の割合で溶解させた溶液を、2流体スプレーで均一に吹き付けて乾燥させることにより、エチレン酢酸ビニル重合体シートの表面にシクロオレフィン樹脂の皮膜を形成する。
なお、前記周縁シール部にシクロオレフィン樹脂皮膜が形成されると、シール強度が低下するので、シクロオレフィン樹脂溶液吹き付け時に、前記周縁シール部近傍をマスクして、前記周縁シール部にシクロオレフィン樹脂皮膜が形成されないようにすることができる。
参考例6の培養容器1は、実施例4の第一の容器壁部21のシクロオレフィン樹脂層21bをシクロオレフィンコポリマー(アペル6509T、三井化学社製)から40μmの厚さを有するものとして形成した点以外は実施例4と同じ構成の袋状の容器である。
本実施例の培養容器1は、底面になる第一の容器壁部21の面積が64cm2である点以外は、実施例4と同様に形成した袋状の容器である。
参考例8の培養容器1は、細胞培養時に上面になる第二の容器壁部22が柔軟性を有する低密度ポリエチレン(カスタマーグレード、東ソー株式会社)により形成されている点以外は、実施例7と同様に形成した袋状の容器である。
参考例9の培養容器1は、底面になる第一の容器壁部21の面積が64cm2である点以外は、参考例5と同様に形成した袋状の容器である。
参考例10の培養容器1は、底面になる第一の容器壁部21の面積が215cm2である点以外は、参考例8と同様に形成した袋状の容器である。
なお、実施例4及び実施例7、参考例1ないし参考例3、参考例5及び参考例6、参考例8ないし参考例10の容器は、何れも、日本薬局方のプラスチック製医薬品容器試験法プラスチック製水性注射剤容器の各試験項目に適合するものであることが別途確認されている。
市販のφ60のシャーレ(code430166、コーニング社製)を比較例1Aとしてそのまま用いた。
市販の24穴プレート(code1147、ベクトン・デッキンソン社製)を比較例1Bとしてそのまま用いた。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、厚さが160μmのエチレン酢酸ビニル共重合体シートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例2を得た。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、厚さが125μmの市販のPMMA樹脂シートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例3を得た。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、厚さが200μmの市販のポリエステル樹脂シートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例4を得た。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、厚さが400μmの市販のポリスチレン樹脂シートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例5を得た。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、注射剤容器用ポリプロピレン樹脂からなる厚さ250μmのシートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例6を得た。
真空成形によりシャーレ様に形成されるシートとして、注射剤容器用ポリエチレン樹脂からなる厚さが250μmのシートを用いた点以外は、参考例1と同じ形態の比較例7を得た。
市販の225cm2のフラスコ(MS2180R、住友ベークライト社製)を比較例8としてそのまま用いた。
容器を形成するのに用いられるシートとして、シクロオレフィン樹脂がコーティングされていない注射剤容器用ポリプロピレン樹脂からなる厚さ250μmのシートを用いた点以外は、参考例5と同じ形態の比較例9を得た。
内面がポリプロピレン樹脂製の市販の樹状細胞調整用のバッグを比較例10としてそのまま用いた。
容器壁を形成するのに用いられるシートとして、シクロオレフィン樹脂がコーティングされていない注射剤容器用エチレン樹脂からなる厚さ250μmのシートを用いた点以外は、参考例5と同じ形態の比較例11を得た。
容器を形成するのに用いられるシートとして、エチレン-酢酸ビニル共重合体からなる厚さ160μmのシートを用いた点以外は、参考例6と同じ形態の比較例12を得た。
市販の75cm2のフラスコ(MS2125R、住友ベークライト社製)を比較例13としてそのまま用いた。
底面になる容器壁の面積が64cm2である点以外は、比較例12と同じ形態の比較例14を得た。
細胞培養時に底面になる容器壁を柔軟性を有する低密度ポリエチレン(カスタマーグレード、東ソー株式会社)により形成した以外は、参考例11と同様に形成した袋状の容器である。
上記実施例、参考例及び比較例について、以下のような評価試験を実施し、比較確認を行ったところ、本発明に係る実施例が優れた機能を発揮するものであることを確認した。
参考例1ないし参考例3並びに比較例1A及び比較例2乃至比較例4について、抗CD3抗体コ―ト後、Tリンパ球細胞の増殖性試験を行い、表1に示す結果を得た。すなわち、下掲表1から明らかなように細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された容器である参考例1ないし参考例3が、細胞と接触する面が他の樹脂で形成された容器である比較例1A及び比較例2乃至比較例4に比べて細胞の増殖性が同等またはそれ以上であった。
始めに、参考例1ないし参考例3並びに比較例1A及び比較例2乃至比較例4のそれぞれの容器の内側底面に、以下の手順で抗CD3抗体を固相化させた。
1.抗CD3抗体溶解液(OKT−3、ヤンセンファーマ社製)50μlを50mlの容器に採り、これにダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(以下、DPBS(−))を22.5ml加えて希釈した。
2.希釈した抗CD3抗体溶解液を上記実施例、参考例及び比較例に係る培養容器に2.25ml入れ、容器の底面全面が濡れるまで、それら培養容器内の希釈液を培養容器の底面全面にまんべんなく接触するように培養容器を水平に振とうさせた。
3.容器の底面全面が希釈液で濡れるようになったら、すなわち、容器の底面が希釈液を撥じかなくなったら、培養容器の底面に抗CD3抗体が吸着するのに十分な時間、すなわち、1時間程、そのまま放置した。
4.1時間程度経過後に、培養容器の内容液を廃棄し、DPBS(−)を5ml注入して培養容器を洗浄し、洗浄液を廃棄する。この作業をもう1回繰り返し、抗CD3抗体の固相化作業を終了した。
1.ヒトより採取した末梢静脈血より単核球画分を分離し、それを培地(KBM540、コージンバイオ社製)にて懸濁した。
2.その一部を採取し、顕微鏡にて1ml当りの細胞数を測定し、残りを1ml当りの細胞数が2×105個になるように培地を用いて希釈した。
3.ヒト自己血漿を1%になるように添加し、培養用細胞液とした。
1.前記抗CD3抗体が底面に固相化された培養容器に、前記培養用細胞液を4ml入れ、インキュベーター内(温度37℃、湿度95%、炭酸ガス濃度5%の雰囲気下)で培養した。
2.3日後に2mlの培地(KBM540、コージンバイオ社製、IL−2
175JRU/ml含有)を追加した。
3.6日後、細胞数を測定し、比較例と比較した。なお、そのデータは、比較し易いように下掲表1にまとめた。
実施例4、参考例5及び参考例6並びに比較例8ないし比較例12について、抗CD3抗体コ―ト後、Tリンパ球細胞の増殖性試験を行い、下掲表2に示す結果を得た。
表2から明らかなように細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された袋状容器である実施例4、参考例5及び参考例6が、細胞と接触する側の面が他の樹脂にて形成された容器である比較例8ないし比較例12に比べて細胞の増殖性が同等またはそれ以上であった。
始めに、実施例4、参考例5及び参考例6及び比較例8ないし比較例12のそれぞれの容器の内側底面に、以下の手順で抗CD3抗体を固相化させた。
ここで、本発明に係る実施例4、参考例5及び参考例6に係る容器における内側底面とは、第一及び第二の容器壁の一方だけがシクロオレフィン樹脂面を有する場合は、その容器壁のシクロオレフィン樹脂面を言い、両方の容器壁がシクロオレフィン樹脂面を有する場合は、何れの容器壁面を内側底面としても構わない。
2.希釈した抗CD3抗体溶解液を上記実施例、参考例及び比較例に係る各培養容器に10ml入れた。実施例4、参考例5及び参考例6並びに比較例9ないし比較例12については容器内に入った空気をなるべく除き、容器の全面に希釈液が行き渡るようにした。比較例8については容器の底面全面が濡れるまで、容器内の希釈液を容器の底面全面にまんべんなく接触するように容器を水平に振とうさせた。
3.容器の内側底面に抗CD3抗体が吸着するのに十分な時間、すなわち、1時間程、そのまま放置する。
4.1時間程度経過後に、容器内の希釈液を廃棄し、DPBS(−)10mlを注入して容器を洗浄し、洗浄液を廃棄する。この作業をもう1回繰り返し、抗CD3抗体の固相化作業を終了した。
1.ヒトより採取した末梢静脈血より単核球画分を分離し、培地(KBM540、コージンバイオ社製)にて懸濁した。
2.その一部を採取し、顕微鏡にて1ml当りの細胞数を測定し、残りを1ml当りの細胞数が1.5×105個になるように培地を用いて希釈した。
3.ヒト自己血漿を1%になるように添加し、培養用細胞液とした。
1.前記抗CD3抗体が内側底面に固相化された培養容器1に、前記培養用細胞液を50ml入れ、インキュベーター内(温度37℃、湿度95%、炭酸ガス濃度5%の雰囲気下)で培養した。
2.5日後に50mlの培地(KBM540 コージンバイオ社製、IL−2
175JRU/ml含有)を追加した。
3.培養7日後に、細胞数を測定し、実施例を参考例及び比較例と比較した。なお、そのデータは、比較し易いように下掲表2にまとめた。
参考例1及び参考例2並びに比較例1B及び比較例2ないし比較例7について、これらの容器を細胞外マトリックスの一つであるフィブロネクチン由来の組換えフラグメントであるレトロネクチン(CH−296、タカラバイオ社製)でコ―トした後、レトロウイルスベクターによるリンパ球細胞株への遺伝子導入試験に供し、導入効率に関して、下掲表3に示す結果を得た。すなわち、表3から明らかなように細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された容器である参考例1及び参考例2が、細胞と接触する側の面が他の樹脂で形成された容器である比較例1B及び比較例2ないし比較例7に比べて遺伝子の導入効率が同等またはそれ以上であった。
1.CH‐296コート容器の作製
フィブロネクチンフラグメントであるCH‐296(商品名レトロネクチン;タカラバイオ社製)を、25mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH6.0)で20μg/mlになるように希釈した。参考例1及び参考例2並びに比較例1B及び比較例2ないし比較例7に係る容器に、希釈したCH‐296水溶液を0.25ml/cm2加え、それら容器を、室温2時間静置してコーティングした後、0.25ml/cm2のPBSで3回洗浄し、溶液を除いて使用した。
レトロウイルスベクタープラスミドpDOG‐polIIを、以下の手順で作製した。まず、rsGFP発現ベクターpQBI25(Qbiogene社製)を制限酵素NheI及びNotIで切断し、775bpのGFP遺伝子断片を得た。次にpQBI polII(Qbiogene社製)を制限酵素NheI及びNotIで切断してrsGFP‐NeoR融合遺伝子を除去し、先に得た775bpのrsGFP遺伝子断片を挿入し、polIIプロモーター制御下でrsGFP遺伝子が発現するベクターpQBI polII(neo−)を得た。pQBI polII(neo−)を制限酵素XhoIで消化し、polIIプロモーター制御下、GFP発現ユニットを含むDNA断片を得て、その末端をDNAblunting kit(タカラバイオ社製)を用いて平滑化した。レトロウイルスベクタープラスミドpDON‐AI(タカラバイオ社製)を制限酵素XhoIとSphIで消化して得られたベクター断片4.58kbpの末端をDNAblunting kit(タカラバイオ社製)を用いて平滑化した後、アルカリフォスファターゼ(タカラバイオ社製)を用いて脱リン酸化した。この平滑化したベクターに先の平滑化したpolIIプロモーター制御下rsGFP発現ユニットを含むDNA断片をDNA Ligation Kit(タカラバイオ社製)を用いて挿入し、rsGFP発現組換えレトロウイルスベクターpDOG‐polIIを得た。
ウイルス液の力価の測定は、HT‐1080細胞(ATCC CCL‐121)を使用して標準的な方法[Markowitz D.等、ジャーナル オブ ヴィロロジー(J. Virol.)、第62巻、第4号、第1120〜1124頁(1988年)]に従って測定した。すなわち、6ウェルの組織培養用プレートに、1ウェルあたり5×104個のHT‐1080細胞を含む10%ウシ胎仔血清を含有するDMEMを2ml添加し、37℃、5%CO2にて一晩培養した後、培地を吸引除去し、各ウェルに系列希釈したウイルス液を1ml加え、更にヘキサジメトリン・ブロミド(ポリブレン:アルドリッチ社製)を終濃度8μg/mlとなるように加えた。これを37℃、5%CO2で4〜6時間培養し、更に10%ウシ血清を含有するDMEMを1ml添加して72時間培養した。このプレートより回収した細胞をフローサイトメーター FACS Vantage(ベクトン・ディッキンソン社製)による解析に供し、rsGFP発現HT‐1080細胞の割合を測定した。ウェルあたりの仕込み細胞数にrsGFP発現細胞の割合とウイルス上清液の希釈倍率を乗じた値より、上清1mlあたりの感染性粒子数(I.V.P./ml)を算出し、ウイルス力価とした。調製されたウイルス液の力価は1〜4×105I.V.P./mlであった。
参考例1及び参考例2並びに比較例1B及び比較例2ないし比較例7に記載の容器におけるレトロウイルス結合活性は、GaLV/DOG‐polIIウイルス液を用い、K562細胞(ATCC CCL‐243)への遺伝子導入効率を指標に評価した。K‐562細胞は10%ウシ胎仔血清を含むRPMI‐1640培地(シグマ社製)で培養した。GALV/DOG‐polIIウイルス液は10%ウシ胎仔血清を含むRPMI‐1640培地で2倍希釈して試験に供した。各容器にGALV/DOG‐polIIウイルス液を加え(250μl/cm2)、5%CO2インキュベーター内に置いて、37℃の温度で4時間インキュベーションし、レトロウイルスベクターを結合させた。次に、各容器をインキュベーターから取り出して、250μl/cm2のPBSで1回洗浄し、8×104個/mlになるように調製したK‐562細胞懸濁液を250μl/cm2加え、37℃の温度の5%CO2インキュベーター内に再び入れて培養し、遺伝子導入を実施した(2×104個/cm2)。3日間培養後、ピペッティングで細胞を剥離して回収し、遺伝子導入効率を、フローサイトメーターを用いて測定した。比較例1Bの容器を使用した場合の遺伝子導入効率に対する各容器での遺伝子導入効率の相対値を算出した結果を下掲表3に示す。
参考例1及び参考例2並びに比較例1B及び比較例2ないし比較例7について、評価試験3と同じ操作で遺伝子導入を実施した細胞について、遺伝子導入の3日後に細胞の一部をトリパンブルーで染色し、生存細胞を計測した。この細胞数より3日間での細胞増殖率を算出し、下掲表4に示す結果を得た。すなわち、表4から明らかなように、細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された容器である参考例1及び参考例2が、細胞と接触する側の面が他の樹脂にて形成された容器である比較例1B及び比較例2ないし比較例7に比べて増殖性が同等またはそれ以上であった。
実施例7、参考例8及び参考例9並びに比較例1B及び比較例14について、評価試験3と同様にレトロネクチンコ―ト後、レトロウイルスベクターによるリンパ球細胞株への遺伝子導入試験を行い、導入効率に関して、表5に示す結果を得た。すなわち、下掲表5から明らかなように細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された袋状容器である実施例7、参考例8及び参考例9が、細胞と接触する面が他の樹脂で形成された容器である比較例1B及び比較例14に比べて遺伝子の導入効率が同等またはそれ以上であった。
1.CH‐296コート容器の作製
フィブロネクチンフラグメントであるCH‐296(商品名レトロネクチン;タカラバイオ社製)を、25mMクエン酸ナトリウム水溶液(pH6.0)で20μg/mlになるように希釈した。比較例1Bの容器に、希釈したCH‐296水溶液を0.25ml/cm2加え、室温で2時間静置してコーティング後、0.25ml/cm2のPBSで3回洗浄し溶液を除いて使用した。実施例7、参考例8及び参考例9並びに比較例1B及び比較例14には、希釈したCH‐296水溶液を0.11ml/cm2加え、室温で2時間静置してコーティング後、0.35ml/cm2のPBSで3回洗浄し、溶液を除いて使用した。
実施例7、参考例8及び参考例9並びに比較例1B及び比較例14に係る容器でのレトロウイルス結合活性は、評価試験3において採用した方法で実施した。実施例4の容器については、その容器を構成するエチレン酢酸ビニル重合体シートの厚さを110μmとしたものも作製し、他の容器と同様に試験に供した。ただし、GALV/DOG‐polIIウイルス液は10%ウシ胎仔血清を含むRPMI‐1640培地で4倍希釈して試験に供した。遺伝子導入操作の後、さらに3日間培養後、ピペッティングで細胞を剥離して回収し、遺伝子導入効率を、フローサイトメーターを用いて測定した。比較例1Bの容器でレトロウイルスを結合した場合の遺伝子導入効率に対する各容器での遺伝子導入効率の相対値を算出した結果を表5に示す。
評価試験5で実施した遺伝子導入3日後、細胞の一部をトリパンブルーで染色し、生存細胞を計測した。この細胞数より3日間での細胞増殖率を算出し、下掲表6に示す結果を得た。すなわち、表6から明らかなように細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された袋状容器である実施例7、参考例8及び参考例9は、細胞と接触する側の面のガス透過性が悪いにもかかわらず、細胞と接触しない側の容器壁をガス透過性のフィルムにて構成することによって密封された容器に封入された細胞の増殖を促進させることができた。また、ガス透過性の良い参考例6の容器に関しては、比較例12の増殖性と同等であった。
参考例1及び比較例1Aについて、評価試験3と同様にレトロネクチンコ―ト後、接着性細胞であるヒト間葉系幹細胞(Cambrex社製)の増殖試験を行った。使用した培地は高グルコースDMEM(10%FCS,抗生物質添加)である。この試験の結果、細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成されたシャーレ状容器である参考例1が、一般的に接着細胞の培養に使用されているポリスチレン樹脂を表面に有する容器である比較例1Aに比べて、細胞の十分な進展、接着が見られ、同等の増殖性を示した。
参考例3及び比較例1、実施例7及び参考例8並びに比較例13について、評価試験3と同様にレトロネクチンコ―ト後、接着性細胞であるヒト前駆脂肪細胞(Cambrex社製、HPRAD−SQ)を用いて増殖に関して試験した。使用した培地はPGM培地(Cambrex社製;10% FBS,2mMグルタミン、抗生物質添加)である。この試験の結果、細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された容器である参考例3、実施例7及び参考例8は、細胞と接触する側の面がポリスチレン樹脂により形成された容器である比較例1及び比較例13と同等の増殖性を発揮するものであることが判った。
参考例3及び比較例1について、評価試験3と同様にレトロネクチンをコ―トし、続いて評価試験1と同様に抗CD3抗体をコートした後、Tリンパ球細胞の増殖性試験に用いて増殖に関して試験した。ヒト血清アルブミンを0.2%となるように添加したGT−T503倍地(商標)(タカラバイオ(株)製)に適当量のインターロイキン2を添加してTリンパ球細胞を培養した。その結果、細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成されている容器である参考例3は、細胞と接触する側の面が他の樹脂で形成された容器である比較例1に比べて増殖性が同等またはそれ以上であった。
参考例10及び比較例15について、抗CD3抗体コ―ト後、T細胞の増殖性試験を行い、下掲表7に示す結果を得た。なお、表7には各容器が有する培地1ml当りの酸素供給能力を示した。
表7から明らかなように、細胞と接触する側の面がシクロオレフィン樹脂により形成された袋状容器であっても、培地への酸素供給能力が少ないと、すなわち、培地1ml当りの酸素供給能力が、0.2cc/容器/day/atm以下であると、細胞の増殖性が著しく低下することが分かる。
なお、本評価試験は、評価試験2と同じ手順で行ない、さらに、培養7日目に培養液を100ml追加して培養液の総量を200mlとし、十分に細胞を増殖させるため、3日間続けて培養した。データは、比較し易いように表7にまとめた。
2,4 容器壁部
21 第一の容器壁部
22 第二の容器壁部
2a,4a,21a,22a 基材となる外層
2b,4b,21b,22b シクロオレフィン樹脂から成る内層
5 周縁シール
6 ポート
7 チューブ
Claims (15)
- 細胞への遺伝子導入と当該遺伝子導入後の細胞を培養するための袋状の培養容器であって、互いに対面位置して周縁が封止された一対の第一及び第二の壁部にて形成された容器本体と、その容器本体内に内容液を充填し又は前記本体から前記内容液を排出させるためのポートとを備え、細胞培養時に底面となる前記第一の壁部が低密度ポリエチレンとその容器内側に位置する表面に膜状に形成されたシクロオレフィン樹脂層とから形成され、細胞培養時に上面となる前記第二の壁部が柔軟性ならびに気体透過性を有するエチレン酢酸ビニルで形成されていることを特徴とする培養容器。
- 前記シクロオレフィン樹脂層が、コーティング法、貼り合わせ法、多層押出し成形法の何れかにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の培養容器。
- 前記第一の壁部が、柔軟性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の培養容器。
- 前記容器本体の一部または全部が、透明性を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一つに記載の培養容器。
- 25℃における前記第一の壁部の実効面積あたりの酸素透過性と前記第二の壁部の実効面積あたりの酸素透過性の和を、内容液の液量で割った数値が、0.2cc/atm・day・ml以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一つに記載の培養容器。
- 少なくとも、前記シクロオレフィン樹脂層の面に、前記細胞を刺激、分化、誘導、または、増殖させるタンパク質をコートまたは固相化したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一つに記載の培養容器。
- 前記タンパク質が、細胞外マトリックスを構成する成分、その誘導体、または、そのフラグメントであることを特徴とする請求項6に記載の培養容器。
- 前記細胞外マトリックスを構成する成分がフィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、プロテオグリカン、またはそれらのフラグメントであることを特徴とする請求項7に記載の培養容器。
- 前記細胞外マトリックスを構成する成分のフラグメントが、フィブロネクチンフラグメントCH−296であることを特徴とする請求項8に記載の培養容器。
- 前記タンパク質が、抗体、その誘導体、または、そのフラグメントであることを特徴とする請求項6に記載の培養容器。
- 前記抗体が抗CD3抗体であることを特徴とする請求項10に記載の培養容器。
- 前記細胞が、人体内に注入または埋設され、あるいは、人体の損傷部に貼付される細胞であることを特徴とする請求項1ないし請求項11の何れか一つに記載の培養容器。
- 少なくとも標的細胞と、遺伝子導入用ベクターとを容器内に共存させて、前記遺伝子導入用ベクターに組み込まれた遺伝子を前記標的細胞に導入するのに用いられることを特徴とする請求項6ないし請求項11の何れか一つに記載の培養容器。
- 請求項1ないし請求項11の何れか一つに記載の培養容器を用い、前記培養容器の容器本体内において、細胞への遺伝子導入と当該遺伝子導入後の前記細胞を培養することを特徴とする細胞培養方法。
- 請求項7ないし請求項12の何れか一つに記載の培養容器を用い、前記培養容器の容器本体内において、少なくとも標的細胞と、遺伝子導入用ベクターとを共存させ、前記遺伝子導入用ベクターに組み込まれた遺伝子を前記標的細胞に導入し、遺伝子導入後の前記細胞を培養することを特徴とする細胞培養方法。
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