JP2017148001A - 細胞スフェロイドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞スフェロイド(細胞凝集体又は細胞塊)の製造方法の提供。【解決手段】略水平に配置される少なくとも1つの平面視環状の流路を備える培養容器を使用し、前記流路に沿って、細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように前記培養容器を旋回させて、前記細胞を浮遊培養してスフェロイドを形成する、細胞スフェロイドの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞スフェロイドの製造方法に関する。
細胞スフェロイド(細胞凝集体または細胞塊などともいう)は、従来の二次元的な単層培養細胞とは異なり、三次元的に培養され、細胞同士が集合・凝集化した細胞集合体であり、生体様構造が構築されることから、細胞の機能を長期間維持できることが報告されている。そのため、細胞スフェロイドの、創薬研究における、または細胞治療や再生治療における利用についての期待が高まっている。それに伴い、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドを、大量に、安定的に、かつ簡便に入手するための新たな細胞培養技術への要求も高まっている。
細胞スフェロイドの作製方法として、例えば、(1)Non-adhesive surface細胞培養法、(2)Hanging drop細胞培養法、(3)Micromolding techniquesの利用、(4)Rotary細胞培養法などが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。上記(1)は、浮遊培養法とも称され、非接着性の底面を持つ培養プレートを用いて細胞を培養し、培地中で浮遊する細胞同士を接着させることで細胞スフェロイドを形成する方法である。培養は、静置培養であってもよいが、通常、細胞スフェロイドの作製効率を上げるため、振とう培養で行われる。この方法は簡便であるが、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドの作製が困難との欠点がある。上記(2)は、微量細胞懸濁液をカバーガラス等に滴下し、このカバーガラス等を反転することでできる液滴中でスフェロイドを形成させる方法である。この方法はスフェロイドのサイズを制御し易いとの利点はあるが、大量生産には適していない。上記(3)は、典型的には、均一なサイズのマイクロウェルが多数並んだアレイ(スフェロイドアレイ)を用い、各ウェル中で細胞を培養する方法である。この方法はスフェロイドのサイズを制御し易いとの利点はあるが、培地交換やスフェロイドの回収操作などが煩雑となる。さらに上記(4)は、培地を含む細胞培養チャンバーを回転させながら大量の細胞を培養することで細胞スフェロイドを作製する方法である。この方法は大量生産には適しているが、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドの作製には適していない。
さらに細胞スフェロイドの作製方法であって、上記(1)の改良法として、培養液に攪拌等の手段で旋回流を与えながら培養する、浮遊旋回培養法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。浮遊旋回培養法は、局所的なせん断力が発生し難いので、細胞を痛めることのない穏やかな培養法と言えるが、培養中に細胞が容器の中心近傍に集中し、通常は一つの細胞塊を造ることになる。この方法は、細胞塊が大きくなると、細胞塊の中心近傍では、酸素供給、栄養供給が不足となり細胞死へと繋がることになり、細胞数が多い培養には向かない。細胞塊の大型化を抑制するために、金属メッシュを通過させて所定のサイズの細胞塊を回収する方法や、細胞凝集抑制剤を使用する方法などが提案されているが(例えば、非特許文献2、3参照)、前者は、細胞に大きなせん断力を与えることになり、細胞にダメージを与える可能性が高く、後者は、新たな添加剤の細胞への影響、人体に対する影響(安全性)に関する慎重な確認が必要となる。
特開2003−304866号公報
Drug Delivery System, 28-1, pp.45-53, 2013 SCEJ 12th Students Meeting (Fukuoka, 2010), L12, p.96 Stem Cell Reports, 2, pp.734-745, 2014
このように、複数の細胞スフェロイド作製方法が報告されているが、何れの方法も、細胞にスフェロイドを形成させ、さらには、細胞を増殖、分化、維持する方法としては、十分なものではなく、(1)細胞にダメージを与える大きなせん断力が局所的にも生じることがなく、確実に細胞を浮遊培養可能な培養方法で、(2)均一な粒径のスフェロイドを形成するために、細胞の生存、増殖、分化への影響や、人体に移植した場合の安全性への影響を考慮する必要があるものをできるだけ使用しない単純な培養方法で、かつ(3)細胞等の浮遊物を集合させる集合力と、細胞等の浮遊物を分散させる分散力とを与えることが可能で、例えば、容器の大きさや旋回速度を調整することで、そのバランスを容易にコントロールできる、新たな培養方法が望まれる。
本発明者らは、前記問題点に鑑み、鋭意検討の結果、細胞にダメージを与える大きなせん断力が局所的にも生じることがなく、かつ均一な形状やサイズの細胞スフェロイドを、大量に、安定的に、かつ簡便に入手できる製造方法を発明するに至った。
本発明は、以下のとおりである。
[1]略水平に配置される少なくとも1つの平面視環状の流路を備える培養容器を使用し、前記流路に沿って、細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように前記培養容器を旋回させて、前記細胞を浮遊培養してスフェロイドを形成する、細胞スフェロイドの製造方法。
[2]前記培養容器が、平面視環状の密閉された培養空間を有する容器部と、前記培養空間の内部と外部とを連通するポート部とを備え、前記容器部が、培養時に上側となる第1の容器壁および下側となる第2の容器壁を備えた、[1]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[3]前記第1の容器壁が、柔軟性を具備している、[2]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[4]前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の双方が、柔軟性を具備している、[2]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[5]前記第1の容器壁が、柔軟性を具備し、前記第2の容器壁が、形状維持性を具備している、[2]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[6]前記容器部が、前記第2の容器壁の外周部から立ち上がる環状の外周壁と、前記第2の容器壁の内周部から立ち上がる環状の内周壁とを備えた、[5]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[7]前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の双方が、形状維持性を具備している、[2]に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[8]前記容器部内の気体を含めた内容物を排出したときに、前記第1の容器壁の内面と前記第2の容器壁の内面とが略密着するものである、[3]〜[6]のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[9]前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の少なくとも一方が、酸素透過性である、[2]〜[8]のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[10]前記細胞が、iPS細胞、ES細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞のいずれかである、[1]〜[9]のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
[11]前記細胞が、肝細胞、膵島細胞、腎細胞、神経細胞、角膜内皮細胞、軟骨細胞、心筋細胞のいずれかである、[1]〜[9]のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
本発明の細胞スフェロイドの製造方法によれば、浮遊旋回培養法の利点を活かしつつ、平面視環状の流路を備える培養容器を用いることで、旋回時に生じる容器中心付近での細胞の過剰凝集を阻害し、細胞にダメージを与える大きなせん断力が局所的にも生じることもないので、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドを、大量に、安定的に、かつ簡便に入手できる。
本発明の製造方法に係る培養容器の一実施の形態(二重円型ディッシュ)を示す斜視図である。 本発明の製造方法に係る培養容器の一実施の形態(浮き輪型バッグ)を示す斜視図である。 本発明の製造方法に係る培養容器の一実施の形態(二重円型トレイ状バッグ)を示す斜視図である。 図3Aで示される二重円型トレイ状バッグの容器部の模式的な断面図である。 本発明の製造方法に係る培養容器(浮き輪型バッグ)が治具で固定された状態を示す平面図である。 本発明の製造方法に係る培養容器(浮き輪型バッグ)が治具で固定された状態を示す側面図である。 図4Aおよび4Bで示される、培養容器(浮き輪型バッグ)が治具で固定される状態を示す分解図である。 実施例1の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真である。 実施例1および比較例1−2の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの粒径分布グラフである。 比較例1−1の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真である。 実施例2の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(右)と、比較例2の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(左)である。 実施例2の方法により得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの粒径分布グラフである。 実施例3の方法により得られたヒト胎児腎臓細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(右)と、比較例3の方法により得られたヒト胎児腎臓細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(左)である。 実施例4の方法において、2日間の培養後に得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(上)と、5日間の培養後に得られたヒトiPS細胞のスフェロイドの顕微鏡写真(下)である。 実施例5の方法において、5日間の培養後に得られたヒト胎児腎臓細胞のスフェロイドの顕微鏡写真である。
本発明は、細胞スフェロイドの製造方法に関する。かかる製造方法は、例えば、以下の(a)〜(c)の工程を含む。
(a) 略水平に配置される少なくとも1つの平面視環状の流路を備える培養容器を準備する工程;
(b) 細胞と液体培地等を、前記流路に供給する工程;および
(c) 前記流路に沿って、前記細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように前記培養容器を旋回させて、前記細胞を浮遊培養してスフェロイドを形成する工程。
なお、(b)の工程においては、細胞を播種した液体培地等(細胞懸濁液)を培養容器の流路に供給することが例示できるが、これに限定されるものではなく、液体培地等を培養容器の流路に予め供給した後、流路内の液体培地等に細胞を播種してもよく、また、例えば、細胞を懸濁液の状態で培養容器の流路に予め供給した後、流路内の懸濁液に液体培地等を供給してもよく、細胞と液体培地等の供給順序は特に限定されず任意である。
また、(b)の工程に替えて、(a)の工程で準備する培養容器内に予め液体培地等を密封した培地入り培養容器とし、細胞スフェロイドの製造時に培養容器内の液体培地等に細胞を播種してもよい。
(培養容器)
工程(a)は、培養容器を準備する工程に関する。本発明の製造方法で用いられる培養容器は、略水平に配置される少なくとも1つの平面視環状の流路を備えることを特徴とする。平面視環状の流路の数は、1以上であればよく、培養容器は液体培地に旋回流が生じるように旋回させることから、好ましく1〜3程度である。流路が複数のときは、例えば、複数の流路を同心状に配置してもよく、また、大きさの等しい、あるいは、大きさの異なる複数の流路を平面方向に並ぶように配置してもよい。
本発明の流路は培養空間であり、これを備える培養容器は、ディッシュ(例えば、図1)の形態であっても、バッグ(例えば、図2、3)の形態であってもよい。
培養容器は、ディッシュ(例えば、図1)の形態であっても、バッグ(例えば、図2および図3)の形態のいずれであっても、平面視環状の流路(培養空間)の内径は、旋回時に生じる容器中央部での細胞の過剰凝集を阻害できる大きさの範囲内で選択されるが、その大きさは、細胞の種類、播種密度、旋回範囲や旋回速度等によって決定される。
培養容器の一実施の形態は、図1に示すような二重円型ディッシュである。ディッシュを構成する材料は、成形性、経済性、取扱い性などの観点から、天然または合成樹脂であり、好ましくは、合成樹脂である。合成樹脂の例としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、およびこれらの混合物などが挙げられる。
ディッシュの内側(培養空間の側)は、細胞の接着を防止するためには、疎水性表面であることが好ましく、疎水性樹脂により形成するか、あるいは予め疎水化処理または細胞の接着を阻害する処理を施すことが好ましい。そのような処理の例として、アガロースコーティング、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(ポリHEMA)コーティング、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)コーティングなどが挙げられる。なお、ディッシュの内側(培養空間の側)は、疎水性表面に限定されるものではなく、スフェロイドを形成すべき細胞の種類、液体培地の種類、添加物、培養容器の大きさ、培養容器の旋回速度などによって、ディッシュの内側(培養空間の側)の面が、疎水性表面あるいは親水性表面のいずれが良いか選択される。
親水性表面が好ましい場合は、親水性樹脂により形成するか、あるいは予め親水化処理または細胞の接着を促進する処理を施す。そのような処理の例として、表面に水酸基およびカルボキシル基を付加するコロナ放電処理、コラーゲンIコーティング、ポリ−D−リジンコーティング等が挙げられる。
図1は、本発明の好適な一実施の形態に係る培養容器1(二重円型ディッシュ)を示す斜視図である。培養容器1は、外周壁4、その内側の外周壁4と略同心円状の内周壁2、およびディッシュの底面から構成される略水平に配置される環状流路3を備える。例えば、大きさの異なる2つの市販のペトリディッシュ(例えば、ポリスチレン樹脂製)を用意し、大きいペトリディッシュの内部に、略同心円となるように小さいペトリディッシュを配置し、接合することにより製造できる。環状流路3の内側(培養空間の側)には、細胞の接着を阻害する処理を施してもよい。また、内周壁2の内側の底面は、環状流路3が構成される限り、存在しても存在していなくともよい。さらに、異物や細菌等のコンタミネーションを防止するため、培養容器1には蓋(不図示)が設けられる。この蓋は、培養容器1の全体を覆う円板状のものであってもよいし、あるいは、環状流路3のみを覆うリング状のものであってもよい。
培養容器の他の実施の形態の例は、図2に示すような浮き輪型バッグ、または、図3に示すような二重円型トレイ状バッグである。すなわち、培養容器は、平面視環状の密閉された培養空間を有する容器部と、培養空間の内部と外部とを連通するポート部とを備える。容器部は、培養時に上側となる第1の容器壁および下側となる第2の容器壁を備える。また、第1の容器壁および第2の容器壁のうち、少なくとも第1の容器壁が、柔軟性を具備していることが好ましく、例えば、軟質シートで形成される。
図2に示すような浮き輪型バッグは、第1の容器壁および第2の容器壁の双方が、柔軟性を具備しており、例えば、軟質シートで形成された培養容器の一例である。また、図3に示すような二重円型トレイ状バッグは、第1の容器壁が、柔軟性を具備し、例えば、軟質シートで形成され、第2の容器壁が、形状維持性を具備し、例えば、硬質シートで形成された培養容器の一例である。なお、二重円型トレイ状バッグにおいて、第2の容器壁は、形状維持性を具備していれば、軟質シートで形成してもよい。
また、図2および図3に示される培養容器とは別に、本発明の他の実施の形態として、第1の容器壁および第2の容器壁の双方が、形状維持性を具備しており、例えば、硬質シートで形成されたものを挙げることができる。
これらの培養容器において、第1の容器壁や第2の容器壁の厚さは、例えば、培養容器の内外径の大きさや容器部内に供給される液体培地の重量等により、適宜選択される。また、「シート」という用語でその厚さが特定の範囲に限定されるものでもない。
図2に示すような浮き輪型バッグにおいては、第1の容器壁および第2の容器壁の双方の厚さは、同じであっても、異なってもよく、例えば、当該バッグの内外径の大きさやバッグ内に供給される液体培地の重量等に応じて、第2の容器壁の厚さを第1の容器壁の厚さよりも大きくしてもよい。図3に示すような二重円型トレイ状バッグにおいても、同様である。
ここで、第1の容器壁および第2の容器壁の柔軟性とは、例えば、空気の出入り無しに液体培地等の内容液が容器部内に流入または容器部内から流出できる程度に変形して容積を確保する容器壁の追従性である。この追従性は、単に、容器壁を形成する材料の物理的数値によって決まるのではなく、容器形態、容器内に存在する空気量等によっても変わるので、一概に、容器壁を形成する材料の物理的数値で制限することは適切ではない。
すくなくとも第1の容器壁が、柔軟性を具備しているため、ポート部を介した容器部内への液体培地や気体等の供給により、第1の容器壁が変形して、容器部の内容積が増大する一方、ポート部を介した容器部内からの液体培地や気体等の排出により第一の容器壁が変形して、容器部の内容積が減少する。容器部内からの液体培地や気体等の内容物を排出したとき、第1の容器壁の内面と第2の容器壁の内面とが略密着することが好ましい。
ここで、図2に示すような浮き輪型バッグにおいては、液体培地や気体等の供給によって容器部が膨らんで立体形状となり、これらの排出によって容器部が萎んで平面形状となるため、液体培地や気体等の出し入れによる容器部の内容積の変化は大きいが、図3に示すような二重円型トレイ状バッグにおいては、後述するように、立体形状の容器部が当初より形成されているため、液体培地や気体等の出し入れによる容器部の内容積の変化は、浮き輪型バッグに比べて一般的に小さい。
図2に示すような浮き輪型バッグにおいては、液体培地等の内容液を容器部に供給後、さらに空気等の気体を供給することで、第1の容器壁の内面が液体培地の液面から容易に離間するため、液体培地の旋回流と第1の容器壁の内面との不要な干渉を防止することができる。
図3に示すような二重円型トレイ状バッグにおいても、液体培地等の内容液を容器部ら供給後、さらに空気等の気体を供給することで、第1の容器壁の内面を液体培地の液面から容易に離間させ、液体培地の旋回流と第1の容器壁の内面との不要な干渉を防止できるように構成してもよい。
一方、第2の容器壁は、形状維持性を具備していてもよい。ここで、形状維持性とは、
液体培地等の内容液を容器部に供給しても、第2の容器壁の形状が実質的に変わらないことをいう。第2の容器壁が、形状維持性を具備していることによって、旋回時の内容液の流動や、例えば、細胞観察や培地交換等の際に細胞培養容器を持ち上げたときの内容液の自重による第2の容器壁の変形を抑えることができる。なお、細胞培養容器(容器部)が大径化すれば、これに伴い容器部内の液体培地の自重も増大するため、細胞培養容器(容器部)を持ち上げたときに、内容液の自重で第2の容器壁が多少撓んでも、形状維持性を具備しているに含まれるものとする。また、第2の容器壁が形状維持性を具備している場合は、第2の容器壁うち、環状流路の底面となる部分は、従来のディッシュの底面のように平面であることが好ましい。
培養容器の第1の容器壁および第2の容器壁を構成する材料は、任意であるが、成形性、経済性、取扱い性などの観点から、天然または合成樹脂であり、好ましくは、合成樹脂である。合成樹脂の例としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、およびこれらの混合物などが挙げられる。例えば、第2の容器壁をこれらの樹脂からなる単層シート、またはこれらの樹脂を複合した複合シートで形成してもよい。なお、ここで複合シートとは、樹脂混合物からなるシート、ラミネートフィルム、樹脂フィルムへの樹脂コーティング、樹脂フィルムへ樹脂印刷等複数の樹脂からなるシートを指す。
培養容器において、第1の容器壁および第2の容器壁を構成する、軟質シートを形成する樹脂の例としては、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂およびそれらの水素添加樹脂、ポリウレタン樹脂、ならびにそれらの樹脂の混合物などが挙げられる。また、硬質シートを形成する樹脂として、これらを用いてもよい。
低密度ポリエチレンとしては、一般の低密度ポリエチレンはもちろんのこと直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂が含まれる。また、ポリプロピレン樹脂には、ステレオブロックポリプロピレン樹脂およびポリプロピレン樹脂とステレオブロックポリプロピレン樹脂の混合物も含まれる。
第1の容器壁および第2の容器壁の内側(培養空間の側)の面は、細胞の接着を防止するためには、疎水性表面であることが好ましく、疎水性樹脂により形成するか、あるいは予め疎水化処理または細胞の接着を阻害する処理を施すことが好ましい。そのような処理の例として、アガロースコーティング、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(ポリHEMA)コーティング、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)コーティングなどが挙げられる。なお、第1の容器壁および第2の容器壁の内側(培養空間の側)の面は、疎水性表面に限定されるものではなく、スフェロイドを形成すべき細胞の種類、液体培地の種類、添加物、培養容器の大きさ、培養容器の旋回速度などによって、第1の容器壁および第2の容器壁の内側(培養空間の側)の面が、疎水性表面あるいは親水性表面のいずれが良いか選択される。
親水性表面が好ましい場合は、親水性樹脂により形成するか、あるいは予め親水化処理または細胞の接着を促進する処理を施す。そのような処理の例として、表面に水酸基およびカルボキシル基を付加するコロナ放電処理、コラーゲンIコーティング、ポリ−D−リジンコーティング等が挙げられる。
また、培養容器の第1の容器壁および第2の容器壁の少なくとも一方が、気体透過性、特に、酸素および二酸化炭素の透過性を有することが好ましい。細胞に必要な酸素の容器内への供給と二酸化炭素の容器外への排出を、容器壁を介して行うことにより、すなわち、容器内外を直接連通させないことにより、容器内部の無菌性を維持しようとするものである。
ここで気体透過性は、主に酸素および二酸化炭素の透過性であるが、酸素透過性と二酸化炭素の透過性は、各種の素材に対して類似した傾向があり、しかも、二酸化炭素の透過性が酸素透過性に比較して著しく大きいことから、一般に、細胞の培養に用いられる容器の気体透過性は酸素透過性で評価される。
したがって、第1の容器壁および第2の容器壁は、酸素透過性であってもよい。酸素透過性は、培養される細胞量と酸素が透過する容器壁の面積に応じて変化する。通常、容器壁に必要とされる酸素透過性は、培養される細胞量に比例し、酸素が透過する容器壁の面積に反比例する。
第1の容器壁および第2の容器壁は、それぞれ異なる酸素透過性を有する容器壁で形成されてもよい。例えば、最も効率良く培養された場合の細胞量は培地の量に比例するとすれば、25℃における第1の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性と第2の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の和を、内容液の液量で割った数値を、0.2cc/atm・day・ml以上になるように設計すれば、培養時に、細胞が酸素不足に陥ることはない培養用の容器を完成することができる。
ここで、酸素透過性は、25℃において、容器壁に差圧1atmの酸素圧を24時間かけ続けたときに、容器壁を透過する酸素量を容器壁1mあたりで表した数値である。
また、容器壁の実効面積あたりの酸素透過性は、容器壁の酸素透過性に容器壁の面積をかけた数値であって、容器壁が容器内に酸素を供給する能力を表し、一つの容器の持つ全ての容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の総和は、その容器が容器内に酸素を供給する能力を表す。
さらに、実効面積あたりの酸素透過性の総和を、本発明の細胞培養容器に供給される液体培地の量で割ることによって、容器が、培地に1mlあたりに供給できる酸素量を表すことができる。
図2は、本発明の別の好適な一実施の形態に係る培養容器5を示す斜視図である。なお、図2は、培養容器5に細胞を播種した液体培地等と無菌フィルターを通した所定量の空気を注入して、培養容器5が膨らんでいる状態を示している。
培養容器5の容器部は、平面視環状の第1の容器壁6を構成する、柔軟性を具備した平面状の軟質シートと、略同一形状の第2の容器壁7を構成する、柔軟性を具備した平面状の軟質シートとを、それぞれ外周縁および内周縁で互いに接合することにより、外周縁部8および内周縁部9を有する平面視環状(浮き輪型)の密閉された培養空間を有する。なお、第1の容器壁6および第2の容器壁7の双方が、軟質シートで形成されている。
培養容器5の容器部は、気体を含めた内容物の供給前、および、これらの排出後は、第1の容器壁6の内面と第2の容器壁7の内面とが略密着して平面形状となるが、容器部に気体を含めた内容物を供給すると、第1の容器壁6の柔軟性と第2の容器壁7の柔軟性により、容器部が膨らんで、浮き輪型の立体形状となる。
第1の容器壁6および第2の容器壁7を構成する軟質シートの一例として、柔軟性と酸素透過性を具備した、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる厚さ140μmの単層シートを例示することができる。なお、後述する培養容器(二重円型トレイ状バッグ)の第2の容器壁として、これらの複合シートを用いてもよい。
第1の容器壁6および第2の容器壁7の双方が柔軟性を具備しており、第1の容器壁6および第2の容器壁7の内面のそれぞれを容易に密着できるため、例えば、液体培地の交換時に容器部からの液体培地の排出を容易に行うことができる。また、環状の容器部において、後述するポートと対向する一端側の箇所をクリップ等で挟み、第1の容器壁6の内面の一部とこれに対向する第2の容器壁7の一部とを一時的に密着することで、環状の容器部内の空間をポート側の大きな空間と非ポート側の小さな空間とに一時的に分離することができる。このため、非ポート側の小さな空間に、形成された細胞スフェロイドを一時的に隔離することで、液体培地のみを容易に排出・交換することができる。
培養容器5のポート部は、少なくとも容器部の培養空間の内部と外部とを連通するポート10を備えており、さらに、ポート10の開口端に接続されたチューブ11と、チューブ11の先端に設けられた導出口12と、導出口12の先端に装着されたキャップ13とを備えていてもよい。なお、ポート部がポート10のみで構成されているときは、ポート10の先端にキャップが装着されていることが望ましいが、キャップに替えてポート10の先端を熱融着等で閉塞してもよい。
培養容器5の容器部は、細胞を播種した液体培地等と無菌フィルターを通した所定量の空気を注入して容器部が膨らむと、浮き輪状の立体形状となり、旋回装置のテーブル面に載置したときに、テーブル面と所定径の円環で接することになるため、旋回時において、容器部は、旋回テーブル上で揺動することなく、安定な姿勢を保持することができる。
図3Aは、本発明のさらに別の好適な一実施の形態に係る培養容器14を示す斜視図であり、図3Bは、培養容器14の容器部の模式的な断面図である。
培養容器14の容器部は、第1の容器壁15と第2の容器壁16で構成されており、第1の容器壁15が、軟質シートで形成されて柔軟性を具備しており、また、第2の容器壁16が、硬質シートで形成されて形状維持性を具備している。第2の容器壁16は、外周部から延出して立ち上がる環状の外周壁17と、内周部から延出して立ち上がる環状の内周壁18とを備えており、内周壁18の頂部の内径側は、上面18aで閉塞されている。このように、第2の容器壁16には、外周壁17や内周壁18等が一体に形成されている。
本実施形態においては、第2の容器壁16が、当初より外周壁17や内周壁18を備えてトレイ状に形成されており、このように、第2の容器壁16を当初より凹型の立体構造に形成しておくことで、第2の容器壁16を変形させることなく、液体培地等の内容液を容器部内に供給することができる。なお、第2の容器壁16は、形状維持性を具備している限り、軟質シートで形成してもよい。
容器部は、外周壁17と内周壁18との高さが略同一であることが好ましい。本実施形態においても、図3Aおよび図3Bに示すように、外周壁17と内周壁18との高さが略同一となっており、第2の容器壁16の外周壁17の頂部は、第一の容器壁15の外周縁と接合しているが、第2の容器壁16の内周壁18の頂部は、第1の容器壁15の内面と接合されるか、または離間可能に密着していてもよい。あるいは、内周壁18の頂部の内径側の上面18aが、対向する第一の容器壁15の内面と接合しているか、または離間可能に密着していてもよい。これらより、平面視環状の密閉された培養空間19が構成される。
平面視環状の密閉された培養空間19が構成される限り、内周壁18の頂部の内径側の上面18aは無くてもよく、この場合、内周壁18の頂部が第1の容器壁15の内面と接合される。また、内周壁18の頂部が第1の容器壁15の内面と接合される場合は、第1の容器壁15において、当該接合箇所より内径側の容器壁が無くてもよい。
培養容器14においては、第2の容器壁16が形状維持性を具備しており、第2の容器壁16に内周壁18と上面18aが形成されているため、少なくとも第2の容器壁16の外周壁17の頂部が第一の容器壁15の外周縁と接合している限り、平面視環状の密閉された培養空間19が構成される。
なお、第2の容器壁16に一体に設けた内周壁18に替えて、第2の容器壁16の底面をディッシュのような平面とし、その中央部に内周壁18に相当する環状部材を後から接合してもよい。
培養容器14において、第1の容器壁15を構成する軟質シートに径方向にたるみを持たせ、容器部内の気体を含めた内容物を排出したときに、第1の容器壁15の内面と第2の容器壁16の内面(底面)とが略密着するように構成してもよい。
また、培養容器14において、第1の容器壁15を構成する軟質シートに径方向にたるみを持たせ、容器部内に無菌フィルターを通した空気を注入したときに、第1の容器壁15が上側に膨らむように構成してもよい。
培養容器14のポート部は、少なくとも容器部の培養空間の内部と外部とを連通するポート20を備えており、さらに、ポート20の開口端に接続されたチューブ21と、チューブ21の先端に設けられた導出口22と、導出口22の先端に装着されたキャップ23とを備えていてもよい。なお、ポート部がポート20のみで構成されているときは、ポート20の先端にキャップが装着されていることが望ましいが、キャップに替えてポート20の先端を熱融着等で閉塞してもよい。
また、培養容器5(14)の第1の容器壁6(15)および第2の容器壁7(16)の少なくとも一方が、好ましくは、透明である。より好ましくは、第1の容器壁6(15)および第2の容器壁7(16)の双方が透明である。細胞培養においては、顕微鏡下で、細胞の形、色等を観察して、培養の進み具合、細胞の状態を観察して、次の処置を施すことが一般に行われているため、本発明の培養容器の少なくとも顕微鏡観察側の容器壁は、顕微鏡で細胞が観察できる程度に透明であること、すなわち、光線透過率が80%以上であることが好ましい。
図1に示す培養容器1においては、旋回培養ができれば、その大きさは任意である。また、図2に示す培養容器5においては、旋回培養ができれば、その大きさは任意であり、例えば、外径40mm×内径30mm程度のものから、外径2000mm×内径400mm程度のものが例示できる。また、図3に示す培養容器14においても、旋回培養ができれば、その大きさは任意であり、外径40mm×内径30mm×高さ5mm程度のものから、外径2000mm×内径400mm×高さ1000mm程度のものが例示できる。また、図1に示す培養容器1、図2に示す培養容器5および図3に示す細胞培養容器14においては、いずれも環状の流路(培養空間)を構成する外周縁部(外周壁)および内周縁部(内周壁)が円環状のものを例示したが、環状の培養空間を構成する外周縁部(外周壁)や内周縁部(内周壁)は、円環状のものに限定されず、環状の流路が形成され、旋回培養に支障がない範囲で、多角形等であってもよい。
工程(b)は、細胞や液体培地等を、前記培養容器の流路に供給する工程に関する。
〈細胞〉
本発明の製造方法で用いられる細胞は、スフェロイドを形成できるものであれば、特に限定はないが、例えば、動物由来細胞であり、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、ハムスターなどの哺乳動物由来細胞が挙げられる。細胞は、培養細胞として株化されたものであっても、生物組織から得られた初代細胞であってもよい。胚性幹細胞(ES細胞)、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)、間葉系幹細胞、神経幹細胞等を用いることができ、また、分化細胞としては、肝細胞、膵島細胞、腎細胞、神経細胞、角膜内皮細胞、軟骨細胞、心筋細胞等を用いることができる。さらに、臍帯血、骨髄、脂肪、血液由来組織性幹細胞から分化誘導される細胞を用いることもできる。あるいは腫瘍化した細胞、遺伝子工学的手法により形質転換された細胞やウイルスベクターにより感染された細胞を用いることもできる。
〈液体培地〉
本発明の製造方法で用いられる液体培地は、特に限定はなく、培養する細胞に合わせて適宜選択することができる。例えば、MEM、α−MEM、DMEM、RPM1、cRDF、ERDF、F12、MCDB131、F12/DMEMおよびWE等の公知の培地を挙げることができる。また、細胞がヒト幹細胞である場合、ヒト全能性幹細胞用培地として市販されている、mTeSR1(Stem Cell Tech.)、Essential 8(Life Technologies)、Ripro FF/FF2/XF(リプロセル)、StemSure(和光純薬)、CELRENA(細胞科学研究所)、S-Medium(DSファーマ)、StemFit(味の素)などを用いることができる。
培地には、培養する細胞に対して凝集抑制作用を示さない限り、ウシ血清アルブミン(BSA);ウシ胎児血清(FBS);Antibiotic-Antimycotic(GIBCO BRL)などの抗生物質;TGFβ、αFGF、bFGF等の増殖因子;BMP、インシュリン、デキサメタゾン、プロリン、ピルビン酸ナトリウム、グルコース、トランスフェリン、セリン、非必須アミノ酸(NEAA)またはレチノイン酸などを適宜添加してもよい。なお、一部の血清代替品(例えば、KnockOutTM Serum Replacement(Life Technologies)、SSR(和光純薬)は、一部の細胞(例えば、iPS細胞)に対して凝集抑制作用を示す。本発明の製造方法は、そのような凝集抑制作用を示すもの(凝集抑制剤)を添加せずとも、細胞スフェロイドの過剰凝集を抑制することができる。
なお、本発明は、凝集抑制剤を用いない製造方法に限定されるものではなく、必要に応じて凝集抑制剤を添加して、細胞スフェロイドを製造することも本発明の範囲内である。
細胞は、前記液体培地に播種して培養する。播種する細胞の数(播種密度)は、用いる細胞や容器に応じて適宜調整することが望ましく、播種密度は10〜10cells/mL程度を例示できるが、103〜106cells/mL程度であることが望ましい。
細胞や液体培地等を培養容器の流路に供給する工程においては、流路への供給順序は特に限定されず、例えば、細胞を液体培地で調整した細胞懸濁液を培養容器の流路に供給してもよく、あるいは、液体培地を予め培養容器の流路に供給し、その後、細胞を流路内の液体培地に播種してもよい。
また、図2に示す培養容器5や図3に示す培養容器14のような閉鎖系の培養容器においては、予め液体培地が封入された培地入り培養バッグとして準備し、細胞スフェロイドの製造時に細胞を容器部内の液体培地に播種してもよい。
工程(c)は、前記流路に沿って、前記細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように前記培養容器を旋回させて、前記細胞を浮遊培養してスフェロイドを形成する工程に関する。
培養条件は、特に限定されず、細胞の種類や播種密度、液体培地の量、培養容器の大きさなどによって適宜設定する。旋回は、例えば、回転式振とう培養機などを用い、培養容器を略水平に円弧状に旋回させることにより実施できる。旋回速度は、例えば、直径90mm程度の二重円型ディッシュ(図1参照)であれば、10〜1000rpm、好ましくは20〜300rpm、より好ましくは30〜60rpm程度であるが、旋回速度の上限は、例えば、細胞死が生じない程度に決定され、旋回速度の下限は、少なくとも旋回培養としての効果が発揮できる程度に決定される。また、旋回速度は、直径80mm程度の浮き輪バッグ(図2参照)や二重円トレイ状バッグ(図3参照)でも同様である。
また、図2に示す培養容器(浮き輪型バッグ)5を旋回する際、例えば、培養容器5を図4Aに示す治具にセットしてもよい。治具にセットし、容器部を圧迫することで、容器部(環状流路)の底面の径方向の幅を大きくすることができる。また、治具にセットすることで、培養容器5を持ち上げたときの変形も防止できるため、例えば、細胞観察にも好都合である。このような治具は、細胞の浮遊培養に影響しないものであれば、特に限定されない。例えば、治具は、培養機器に備え付けのものであってもよいし、培養機器とは独立したものであってもよい。
培養機器とは独立した治具を用いて培養容器(浮き輪型バッグ)5を固定した例が、図4A〜4Cに示される。図4Aは、培養容器5が治具24で固定された状態を示す平面図であり、図4Bは、その側面図であり、図4Cは、それらの分解図である。ここで、治具24は、培養容器5の容器部を挟持する第1のプレート28および第2のプレート29と、第1のプレート28および第2のプレート29をそれぞれプレートの4隅に設けられたボルト穴を介して連結する連結ボルト25およびナット26と、第1のプレート28と第2のプレート29の間隔を調整するワッシャー27とを備える。第1のプレート28と第2のプレート29の間隔は、ワッシャー27の使用枚数により調整する。第1のプレート28および第2のプレート29は、培養容器5の内部の観察のため、透明であるものが好ましい。なお、図4Bに示す状態から治具24の上下を反転し、連結ボルト25の頭部が旋回装置のテーブル面に接するように治具24をテーブル面に載置してもよい。また、第1のプレート28および第2のプレート29で培養容器5の容器部を挟持した状態を保持するための保持手段は、連結ボルト25、ナット26およびワッシャー27に限定されず、その構成は任意であり、例えば、複数枚のワッシャー27に替えて、所定長さに形成した管状部材(パイプ)を用いてもよい。
培養温度は、20〜40℃、好ましくは34〜38℃の条件下で行う。また、培養容器が非密閉系の二重円型ディッシュ(図1参照)であれば、例えば、3〜10%CO2雰囲気下、好ましくは、4〜6%CO2雰囲気下で実施される。培養期間は、目的とする細胞スフェロイドが形成される時間であれば特に限定されないが、例えば、0.5時間〜14日間程度、好ましくは1日間〜7日間程度である。なお、必要に応じて、かかる培養期間中に1回以上、培地の交換を行ってもよい。したがって、本発明の製造方法は、さらに(d)液体培地を交換する工程、を含んでいてもよい。また、培養温度や培養時間等は、培養容器が直径80mm程度の浮き輪バッグ(図2参照)や二重円トレイ状バッグ(図3参照)でも同様である。
適切な条件下で浮遊旋回培養を行うことにより、目標とする粒径で、かつ、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドを形成することができる。
[実施例1]
ヒトiPS細胞株(TkDN−4M株)(東京大学ステムセルバンク)をEssential 8TM培地(Life Technologies)20mLに、1×10cells/mLで播種した細胞懸濁液を、
エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌済の図1に示す二重円型ディッシュ(ポリスチレン(親水化処理なし)製、外周壁の直径90mm、内周壁の直径50mm、外周壁の高さ12mm)の流路に加え、蓋をし、COインキュベーター内の旋回培養装置(Optima, Japan )に載せて、5%CO、37℃の条件下、旋回範囲25 mm、回転速度45rpmで2日間、旋回培養を行った。
2日間の培養後、50〜150μmの粒径分布で、特に、70%が80〜115μmの粒径を有する均一なサイズの細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図5に示し、得られた粒径の分布グラフを図6に示す。
[比較例1−1]
実施例1において、EOG滅菌済の二重円型ディッシュを、EOG滅菌済のペトリディッシュ(ポリスチレン(親水化処理なし)製、直径90mm×深さ12mm)に代えた以外は、実施例1と同様の方法でヒトiPS細胞の旋回培養を行った。
2日間の培養後、容器中央部に過剰凝集が生じ、1mmを超える粒径を有する細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図7に示す。
[比較例1−2]
比較例1−1において、凝集抑制剤として2%KnockOutTM Serum Replacement(Life Technologies)を添加したEssential 8TM培地を用いた以外は、比較例1−1と同様の方法で旋回培養を行った。
2日間の培養後、50〜225μmの広範囲にわたる粒径を有する細胞スフェロイドの形成が確認された。得られた粒径の分布グラフを図6に示す。
[実施例2]
実施例1において、細胞生存率改善のためにタンパク質を補う目的で、1%ウシ血清アルブミン(BSA)(脂肪酸不含、和光純薬)を添加したEssential 8TM培地を用いた以外は、実施例1と同様の方法で旋回培養を行った。
2日間の培養後、均一なサイズの細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図8(右:本発明)に示し、得られた粒径の分布グラフを図9に示す。
[比較例2]
実施例2において、EOG滅菌済の二重円型ディッシュを、EOG滅菌済のペトリディッシュ(ポリスチレン(親水化処理なし)製、直径90mm×深さ12mm)に代えた以外は、実施例2と同様の方法でヒトiPS細胞の旋回培養を行った。
2日間の培養後、容器中央部に過剰凝集が生じ、1mmを超える粒径を有する細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図8(左:従来ディッシュ)に示す。なお、
図8(左:従来ディッシュ)においては、スケールバーが図8(右:本発明)と同じであるため、スケールバーを省略した。
[実施例3]
ヒト胎児腎臓細胞株(HEK293株)をDMEM培地(高グルコース、10%FBS+NEAA)20mLに、1×10cells/mLで播種した細胞懸濁液を、EOG滅菌済の図1に示す二重円型ディッシュ(ポリスチレン(親水化処理なし)製、外周壁の直径90mm、内周壁の直径50mm、外周壁の高さ12mm)の流路に加え、蓋をし、COインキュベーター内の旋回培養装置(Optima, Japan)に載せて、5%CO、37℃の条件下、旋回範囲25 mm、回転速度45rpmで5日間、旋回培養を行った。
5日間の培養後、均一なサイズの細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図10(右:本発明)に示す。
[比較例3]
実施例3において、EOG滅菌済の二重円型ディッシュを、EOG滅菌済のペトリディッシュ(ポリスチレン(親水化処理なし)製、直径90mm×深さ12mm)に代えた以外は、実施例3と同様の方法でヒト胎児腎臓細胞の旋回培養を行った。
5日間の培養後、容器中央部に過剰凝集が生じ、1mmを超える粒径を有する細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図10(左:従来ディッシュ)に示す。なお、図10(左:従来ディッシュ)においては、スケールバーが図10(右:本発明)と同じであるため、スケールバーを省略した。
[実施例4]
ヒトiPS細胞株(TkDN−4M株)(東京大学ステムセルバンク)をEssential 8TM培地(Life Technologies、1%BSA添加(脂肪酸不含、和光純薬))20mLに、2×10cells/mLで播種した細胞懸濁液を、EOG滅菌済の図2に示す浮き輪型バック(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製、外周縁部の直径80mm、内周縁部の直径45mm)に注射筒で注入した後、同じく注射筒で無菌フィルターを通した空気25mLを注入して密封した。次いで、COインキュベーター内の旋回培養装置(Optima, Japan)に載せて、5%CO、旋回範囲25mm、旋回速度45rpmで5日間、旋回培養を行った。なお、開始2日後から1日毎に培地の全量交換を行った。
2日間および5日間の培養後、それぞれ均一なサイズの細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図11(上:2日後、下:5日後)に示す。なお、図11(5日後)においては、スケールバーが図11(2日後)と同じであるため、スケールバーを省略した。
[実施例5]
ヒト胎児腎臓細胞株(HEK293株)をDMEM培地(高グルコース、10%FBS+NEAA)20mLに、1×10cells/mLで播種した細胞懸濁液を、EOG滅菌済の図2に示す浮き輪型バック(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製、外周縁部の直径80mm、内周縁部の直径45mm)に注射筒で注入した後、同じく注射筒で無菌フィルターを通した空気25mLを注入して密封した。次いで、COインキュベーター内の旋回培養装置(Optima, Japan)に載せて、5%CO、旋回範囲25mm、回転速度45rpmで5日間、旋回培養を行った。なお、実施例5においては、培地交換は行わなかった。
5日間の培養後、均一なサイズの細胞スフェロイドの形成が確認された。顕微鏡写真を図12に示す。
なお、実施例4および実施例5においては、浮き輪型バック5を図4Aに示す治具24にセットしないで旋回培養したものを例示したが、図4に示す治具24にセットして旋回培養してもよい。実施例4および実施例5で使用した浮き輪型バック5を治具24にセットした一例として、第1のプレート28と第2のプレート29の間隔が13mmとなったものが例示できる。
本発明の製造方法によれば、浮遊旋回培養法の利点を活かしつつ、平面視環状の流路を備える培養容器を用いることで、旋回時に生じる容器中心付近での細胞の過剰凝集を阻害し、細胞にダメージを与える大きなせん断力が局所的にも生じることがないので、均一な形状やサイズの細胞スフェロイドを、大量に、安定的に、かつ簡便に入手できる。
また、旋回培養により、培養容器内の細胞スフェロイドが、例えば、200〜300μmの大きさに成長したら、成長した細胞スフェロイドの一部を培養容器から取り出して利用する。一方、培養容器内に残った細胞スフェロイドは、一旦破砕して小さな細胞塊にするとともに、培養容器内の液体培地を交換した後、旋回培養を再開して、再び200〜300μmの大きさに成長させる。このような、細胞スフェロイドの一部取り出し、残存する細胞スフェロイドの破砕、液体培地の交換、旋回培養の再開といったサイクルを連続して繰り返すことで、細胞スフェロイドの大量培養ができる可能性がある。
1 培養容器
2 内周壁
3 環状流路
4 外周壁
5 培養容器
6 第1の容器壁
7 第2の容器壁
8 外周縁部
9 内周縁部
10 ポート
11 チューブ
12 導出口
13 キャップ
14 培養容器
15 第1の容器壁
16 第2の容器壁
17 外周壁
18 内周壁
19 培養空間
20 ポート
21 チューブ
22 導出口
23 キャップ
24 治具
25 連結ボルト
26 ナット
27 ワッシャー
28 第1のプレート
29 第2のプレート

Claims (11)

  1. 略水平に配置される少なくとも1つの平面視環状の流路を備える培養容器を使用し、前記流路に沿って、細胞を含む液体培地に旋回流が生じるように前記培養容器を旋回させて、前記細胞を浮遊培養してスフェロイドを形成する、
    細胞スフェロイドの製造方法。
  2. 前記培養容器が、平面視環状の密閉された培養空間を有する容器部と、前記培養空間の内部と外部とを連通するポート部とを備え、前記容器部が、培養時に上側となる第1の容器壁および下側となる第2の容器壁を備えた、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1の容器壁が、柔軟性を具備している、請求項2に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  4. 前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の双方が、柔軟性を具備している、請求項2に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  5. 前記第1の容器壁が、柔軟性を具備し、前記第2の容器壁が、形状維持性を具備している、請求項2に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  6. 前記容器部が、前記第2の容器壁の外周部から立ち上がる環状の外周壁と、前記第2の容器壁の内周部から立ち上がる環状の内周壁とを備えた、請求項5に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  7. 前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の双方が、形状維持性を具備している、請求項2に記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  8. 前記容器部内の気体を含めた内容物を排出したときに、前記第1の容器壁の内面と前記第2の容器壁の内面とが略密着するものである、請求項3〜6のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  9. 前記第1の容器壁および前記第2の容器壁の少なくとも一方が、酸素透過性である、請求項2〜8のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  10. 前記細胞が、iPS細胞、ES細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞のいずれかである、請求項1〜9のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
  11. 前記細胞が、肝細胞、膵島細胞、腎細胞、神経細胞、角膜内皮細胞、軟骨細胞、心筋細胞のいずれかである、請求項1〜9のいずれかに記載の細胞スフェロイドの製造方法。
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