JP2008022822A - 成体幹細胞分離・培養システム - Google Patents

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Abstract

【課題】成体の限られた原料組織から、疾患の治療に必要な数の成体幹細胞を簡便かつ効率的に調製することを可能とする成体幹細胞分離・培養システムを提供する。
【解決手段】少なくとも、成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を選択的に捕捉する手段1と、手段1の入口側に接続され、成体幹細胞を含む被処理液を手段1に導入する回路2と、手段1の出口側に接続され、手段1から導出された液体を排液する回路3と、手段1に回収液を導入する手段4と、手段1から回収された細胞を培養する手段5と、から構成される成体幹細胞分離・培養システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の細胞種からなる細胞懸濁液から成体幹細胞を選択的に分離し、分離した細胞を同一装置内で培養することにより、種々の目的のために必要な質及び量を満たす成体幹細胞を得ることを可能とする細胞分離・培養システムの提供に関する。
胚性幹細胞に代表されるように、発生初期の受精卵には様々な臓器や組織に分化する能力を有する幹細胞が豊富に存在することは周知のことであるが、発生を終了した成体にも幹細胞が存在する。近年、この成体中に存在する幹細胞、所謂成体幹細胞を生体内に移植することにより、臓器や組織の機能を代償、あるいは回復させて疾患を治療することが現実的な治療法となりつつある。しかし、成体幹細胞は、胚性幹細胞等の発生初期の組織に由来する幹細胞とは異なり、組織中での存在率が極めて低く、治療に必要な数の幹細胞を調製するためには、幹細胞が含まれる組織を大量に確保する必要があった。
例えば、閉塞性動脈硬化症やBurger病等の下肢虚血疾患に対して、骨髄から血液成分分離装置(例えばバクスター社製CS3000−Plus)を用いて血管内皮前駆細胞が含まれるとされる骨髄由来単核球画分を分離し、移植する治療が試みられている。この場合、前記装置は骨髄液から単核球画分を分離するだけであり、目的とする血管内皮前駆細胞以外の細胞も多く含まれているだけでなく、治療に有効な血管内皮前駆細胞の数を増幅させる機能は有しない。したがって、通常500mL以上もの骨髄液が治療のために必要とされ、患者は骨髄液採取のため全身麻酔を余儀なくされる。
また、患者から採取した成体幹細胞を培養することによりその細胞数を増幅して、治療に適用することが試みられている。具体的には、人工関節の表面を、成体幹細胞の1つである(患者骨髄由来の)間葉系幹細胞で被覆することにより人工関節の生体適合性を高めた人工関節置換術が試みられているが、ここでは間葉系幹細胞を培養することによりその細胞数を増幅し、局部麻酔で採取が可能な量の骨髄液でも治療のために十分な細胞数の確保が可能となるようにしている。しかし、この場合、骨髄液をそのまま培養フラスコに播種して培養するため、骨髄液中の白血球等の有核細胞や赤血球等幹細胞以外の細胞が大量に培養系に混入することになる。成体幹細胞以外の細胞は、幹細胞が本来消費すべき培地成分や培養スペースを奪うことになるので、培地や培養フラスコ等の使用量が通常の培養よりも格段に増大する。また、このときの成体幹細胞の培養は通常の培養フラスコを用いて開放系の環境下で手作業によって行うため、培養の過程で雑菌、ウィルス等の混入や他の細胞のクロスコンタミネーション等の不具合が起こる危険性がある。このため、治療用の細胞を調製するためには、培養環境の管理を厳重に行い、上記のような不具合が起こらないことを保証する必要がある。
以上のように、治療に適用できる成体幹細胞を調製する方法及び装置については、現在、さらに改良の余地があり、少量の組織からでも治療に必要な数の成体幹細胞を調製することが可能であり、かつ、簡便に調製できる成体幹細胞分離・培養装置が望まれている。
特許文献1および2では、細胞分離フィルターを用いて組織再生用細胞(すなわち本特許でいう成体幹細胞)を分離濃縮する方法を開示している。この方法においては、回収した組織再生細胞を培養用ディッシュ等で培養するため、コンタミなどの危険性が避けられず、また回収された成体幹細胞の純度という点でも不十分なため、分離された組織再生用細胞を培養する場合、夾雑細胞による負の影響(例えば、顆粒球混入による顆粒球エラスターゼ濃度の上昇、赤血球の溶血にともなうK(カリウム)濃度の上昇などにともなう増殖抑制作用など)が大きいことが懸念される。
また特許文献3は、培養原料細胞と除去対象細胞を含む細胞含有液を多孔質体からなる細胞捕捉材が充填されている容器に導入し、細胞捕捉材に培養原料細胞を捕捉させ、除去対象細胞を容器外に導出した後に容器ごと培養することにより、安価でかつ簡便・短時間操作が可能な細胞分離・培養装置を提案している。しかし、該分離・培養方法はもともとは単球を分離し、樹状細胞へ分化させることを目的としていることから、該装置では、培養原料細胞を細胞捕捉材に捕捉させた状態で容器ごと培養しており、これを成体幹細胞の分離・培養に応用した場合、細胞が増殖できるスペースの関係から、得られる細胞数がある程度制限されるものと考えられる。
特開2002−80377 特開2002−87971 特開2000−157261
本発明の課題は、成体の限られた原料組織から、疾患の治療に必要な数の成体幹細胞を簡便かつ効率的に調製することを可能とする成体幹細胞分離・培養システムを提供することである。
本発明者らは上記に挙げられた課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、細胞懸濁液から成体幹細胞を選択的に分離し、分離した細胞を同一装置内で培養することにより成体幹細胞を簡便かつ効率的に調製することを可能とする成体幹細胞分離・培養システムを発明した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
・ 少なくとも、
成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を選択的に捕捉する手段1と、
手段1の入口側に接続され、成体幹細胞を含む被処理液を手段1に導入する回路2と、
手段1の出口側に接続され、手段1から導出された液体を排液する回路3と、
手段1に回収液を導入する手段4と、
手段1から回収された細胞を培養する手段5と、
から構成される成体幹細胞分離・培養システム。
(2) 手段1が、被処理液導入部と被処理液導出部を有する容器に、被処理液中の白血球及び赤血球を実質的に通過させることが可能である細胞分離材を収納してなる細胞分離器であることを特徴とする(1)の成体幹細胞分離・培養システム。
(3) 細胞分離材が、被処理液中の白血球の60%以上を通過させ、かつ、被処理液中の赤血球の90%以上を通過させることが可能である細胞分離材であることを特徴とする(2)の成体幹細胞分離・培養システム。
(4) 手段4において使用される回収液が、成体幹細胞の培養液であることを特徴とする(1)の成体幹細胞分離・培養システム。
(5) 手段5として、細胞培養バッグまたは細胞培養カセットを用いることを特徴とする(1)の成体幹細胞分離・培養システム。
(6) 手段5として、自動培養装置を用いることを特徴とする(1)の成体幹細胞分離・培養システム。
(7) (1)〜(6)いずれかの成体幹細胞分離・培養システムを用いて、成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を分離し増幅する方法。
(8) (7)の方法を用いて調製された細胞組成物。
本発明により、複数の細胞種からなる細胞懸濁液から成体幹細胞を選択的に分離し、分離した細胞を培養することにより、再生医療・細胞医療に使用できる成体幹細胞を質、及び量ともに満たした状態で調製することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成体幹細胞分離・培養システムは、少なくとも、
1)成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を選択的に捕捉する手段1と、
2)手段1の入口側に接続され、成体幹細胞を含む被処理液を手段1に導入する回路2と、
3)手段1の出口側に接続され、手段1から導出された液体を排液する回路3と、
4)手段1に回収液を導入する手段4と、
5)手段1から回収された細胞を培養する手段5と、
から構成される成体幹細胞分離・培養システムである。
本発明でいう成体幹細胞とは、発生を終了した成体(子供や胎児等の幼弱な個体も含む)の組織中に存在する未分化の細胞で、組織または臓器等を形成する特定の機能を有する細胞に分化する能力を有する細胞を指す。具体的な例としては、骨髄液、脂肪組織、胎盤、羊膜等に存在する間葉系幹細胞、骨髄液や臍帯血等に存在することが報告されている成人多能性幹細胞等の多分化能を有する幹細胞の他、骨髄液や末梢血中に存在する造血幹細胞、血管内皮前駆細胞、また、筋組織中に存在する筋芽細胞、小腸クリプトに存在する基底細胞、さらに肝臓、腎臓、膵臓、網膜、皮膚等の臓器や組織中に存在する所謂組織幹細胞等が挙げられるが、機能を有する細胞への分化能を保持する細胞であれば特に限定されない。また、発生を終了した成体とは、たとえばヒトの場合、成人の個体だけでなく出生直後の乳児も本発明の対象に含める。
本発明でいう成体幹細胞を含む被処理液とは、成体幹細胞を含む液体であればその物理的、化学的性状について限定されないが、本発明の手段1において成体幹細胞が効率よく捕捉されるために、成体幹細胞が液体中に分散された細胞懸濁液の状態であることが望ましい。具体的には、骨髄液、末梢血、リンパ液、臍帯血、精液等の体液;臓器または組織等からコラゲナーゼ等の分解酵素処理により生化学的に、あるいは、超音波処理、ホモジナイザー、鋭利な刃物等で物理的に、細胞を分離した処理液;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記の体液や処理液は、手段1で処理される前に、生理食塩水、リン酸緩衝液等の適当な液体で希釈されてもよく、また、遠心分離等の適当な方法で濃縮されてもよい。濃縮する方法の具体例としては、フィコール、パーコール、リンフォプレップ、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、バクティナーチューブ等を使用する比重密度遠心分離法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の分離・培養システムにおける、手段1としては、成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を選択的に捕捉する機能を有し、その入口側に成体幹細胞を含む被処理液を導入する回路2と、その出口側に導出された液体を排液する回路3とが、それぞれ接続されたものであるなら、いかなる器具、装置を用いることができるが、多大なエネルギーを必要とせず、操作も簡便であることから、被処理液流入部と被処理液流出部を有する容器に、成体幹細胞を含む被処理液中の白血球及び赤血球を実質的に通過させることが可能である細胞分離材を収納してなる細胞分離器であることが好ましい。その場合、該細胞分離器の被処理液導入部は、上記回路2に相当し、また、被処理液導出部は回路3に相当する。これら被処理液導入部と被処理液導出部は、細胞分離器と無菌的に接続される。
上記細胞分離器に収納されている細胞分離材は、成体幹細胞を含む被処理液中の白血球及び赤血球を実質的に通過させることが可能であることを特徴とするものである。ここでいう「成体幹細胞を含む被処理液中の白血球及び赤血球を実質的に通過させる」とは、成体幹細胞を含む被処理液を細胞分離材に通液した時、被処理液中の白血球の30%以上、かつ、赤血球の80%以上が細胞分離材に捕捉されることなく通過することを意味する。成体幹細胞の分離能の点から、より好ましい細胞分離材は、被処理液中の白血球の45%以上、かつ、赤血球の85%以上を通過させるものであり、さらに好ましくは、被処理液中の白血球の60%以上、かつ、赤血球の90%以上を通過させるものであり、もっとも好ましくは被処理液中の白血球の70%以上、かつ、赤血球の95%以上を通過させるものである。
上記のような白血球及び赤血球の通過率を達成し、さらに成体幹細胞を選択的に捕捉できるものであれば、細胞分離材の物理的、化学的、生化学的性状等は特に限定されるものではないが、その形態、目開き、密度、材質に関しては、具体的には、次のようなものが挙げられる。
細胞分離材の形態は、特に限定されるものではないが、細胞懸濁液を接触させやすいこと、接触する面積が大きいことから、連通孔構造の多孔質体、繊維の集合体、織物等であることが好ましい。より好ましくは繊維で構成されるものであり、さらに好ましくは繊維の集合体として不織布である。
細胞分離材が繊維または繊維の集合体で構成される場合、その繊維径は、目的細胞である成体幹細胞の捕捉・回収率の観点から、3μm〜40μmの範囲が好ましい。細胞分離材を構成する繊維の繊維径が3μmより細いと白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板等の通過率が低くなり、それらの除去効率が低くなる。また繊維径が40μmより太いと有効接触面積の低下やショートパスが起こりやすくなり、目的細胞の捕捉・回収率の低下につながる。目的細胞と細胞分離材との相互作用を上げ、収率を上げるためには、繊維径は5μm〜35μmの範囲がより好ましい。さらに好ましくは5μm〜30μmの範囲である。
細胞分離材の目開きは、目的細胞の捕捉・回収率の観点から、その短径が3μm以上で、その長径は120μm以下が好ましい。細胞分離材の目開きの短径が3μmより小さいと、白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板の除去効率が著しく低下する。また目開きの長径が120μmより大きいと目的細胞である成体幹細胞の捕捉が困難となる。白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板の除去効率などの観点より、好ましくは、目開きの短径が5μm以上、長径が80μm以下であり、白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板の除去効率、及び成体幹細胞の捕捉・回収率などの観点から、さらに好ましくは、目開きの短径が5μm以上、長径が70μm以下である。ここでいう目開きとは、細胞分離材を走査型電子顕微鏡にて写真撮影し、異なる2本以上の繊維が交差することにより形成される実質的な孔の長径、および短径を画像解析装置にて50ポイント以上測定した値の平均値である。
細胞分離材の密度は、白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板の除去効率、及び目的細胞の捕捉・回収率の観点から、1.0×10g/m〜1.0×10g/mの範囲であることが好ましい。さらに白血球等の夾雑有核細胞や赤血球、血小板の除去効率の観点から、より好ましくは2.5×10g/m〜7.5×10g/m、さらに好ましくは5.0×10g/m〜5.0×10g/mの範囲である。ここでいう密度とは、細胞分離材の重量(g)をその体積(m)で除した値である。
細胞分離材の材質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、レーヨン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル重合体(ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル等)、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド、ポリアミド、キュプラ、ケブラー、カーボン、ポリアクリレート、フェノール、テトロン、パルプ、麻、セルロース、ケナフ、キチン、キトサン、ガラス、綿等の少なくとも1種より選択される材質が好ましい。より好ましくは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル重合体、レーヨン、ポリオレフィン、ビニロン、ポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン等の少なくとも1種より選択される合成又は半合成の高分子である。
細胞分離材として2種以上の高分子を組み合わせる場合は、その組み合わせに特に限定はないが、ポリエステル及びポリオレフィン、またはレーヨン及びポリオレフィン、またはポリエステル、レーヨン及びビニロン等からなる組み合わせが挙げられる。2種類以上の高分子を組み合わせる場合の繊維の形態としては、1本の繊維が異成分同士の高分子よりなる繊維、あるいは異成分同士が剥離分割した分割繊維でもよい。また成分の異なる高分子単独よりなる繊維をそれぞれ複合化した形態でもよい。ここでいう複合化とは、特に限定はないが2種類以上の繊維が混在した状態より構成される形態、あるいは高分子単独よりなる形態をそれぞれ張り合わせたもの等挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
細胞分離材の性能をより向上させるために、材料の親水化処理を行ってもよい。親水化処理することにより、必要細胞以外の細胞の非特異的な捕捉の抑制、体液を偏りなく細胞分離材中に通過させる等の性能の向上、必要細胞の回収効率の向上等を付与することができる。親水化処理方法としては、水溶性多価アルコール、または水酸基やカチオン基、アニオン基を有したポリマー、あるいはその共重合体(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、あるいはその共重合体等)を吸着させる方法、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子物質を吸着させる方法、疎水性膜に親水性高分子を固定化する方法(例えば、表面に親水性モノマーを化学的に結合させる方法等)、細胞分離材に電子線照射する方法、含水状態で細胞分離材に放射線を照射することで親水性高分子を架橋不溶化する方法、細胞分離材を乾燥状態で熱処理することにより、親水性高分子を不溶化し固定化する方法、親水性高分子と水不溶性複合体を形成する成分で細胞分離材を処理する方法、疎水性膜の表面をスルホン化する方法、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドン等の親水性高分子物質と、疎水性ポリマードープとの混合物から膜をつくる方法、アルカリ水溶液(NaOH,KOH等)処理により膜表面に親水基を付与する方法、疎水性多孔質膜をアルコールに浸漬した後、水溶性ポリマー水溶液で処理、乾燥後、熱処理や放射線等で不溶化処理する方法、界面活性作用を有する物質を吸着させる方法等が挙げられる。
界面活性作用を有する物質として、非イオン性の界面活性剤、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、エデト酸ナトリウム、セスキオレイン酸ソルビタン、D−ソルビトール、デヒドロコール酸、グリセリン、D−マンニトール、酒石酸、プロピレングリコール、マクロゴール、ラノリンアルコール、メチルセルロース等が挙げられる。非イオン性の界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル系とポリオキシエチレン系とに大別される。多価アルコール脂肪酸エステル系の界面活性剤としては、ステアリン酸グリセリンエステル系、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンアシルエステル等が挙げられる。またポリオキシエチレン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアシルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアシルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等が挙げられる。これらは各々単独、または組み合わせで用いることができる。また成体幹細胞の細胞分離材への付着性を向上させるために、細胞付着性のタンパク質や目的細胞上の発現されている抗原に対する抗体を細胞分離材上に固定化してもよい。
細胞付着性のタンパク質としては、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、コラーゲン等が挙げられる。抗体としては、目的細胞が間葉系幹細胞の場合、CD73、CD90、CD105等に対する抗体が、造血幹細胞の場合は、CD34、c−Kit、Sca−1等に対する抗体、筋芽細胞の場合は、Myf5等に対する抗体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、手段1として使用される場合の細胞分離器は、上記で説明した細胞分離材を収納して成るが、その形態、大きさ、構造材料等に関して特に限定はない。
該細胞分離器の形態は、球、コンテナ、カセット、バッグ、チューブ、カラム等、任意の形態をとりうるが、好ましい具体例としては、例えば、容量約0.5〜1000ml程度、直径約0.1〜10cm程度の透明または半透明の円柱状容器、あるいは一片の長さ1cm〜20cm程度の正方形あるいは長方形で、厚みが0.1cm〜5cm程度の四角柱状の形態等が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。該細胞分離器は、任意の構造材料を使用して作製することができる。具体的には、非反応性ポリマー、生物親和性金属、合金、ガラス等が挙げられる。非反応性ポリマーとしては、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー等のアクリロニトリルポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ポリマー;ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロリドアクリルコポリマー、ポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。容器の材料として有用な金属材料は、ステンレス鋼、チタン、白金、タンタル、金、およびそれらの合金、並びに金メッキ合金鉄、白金メッキ合金鉄、コバルトクロミウム合金、窒化チタン被覆ステンレス鋼等が挙げられる。
特に好ましくは耐滅菌性を有する素材であるが、具体的には、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルペンテン等が挙げられる。
本発明の成体幹細胞分離・培養システムにおける、手段1に回収液を導入する手段4としては、その目的を達成しうるものならいかなる器具、装置を用いることもできるが、手段1が、細胞分離材を収納した細胞分離器である場合、細胞分離材に捕捉された細胞に、高い流水圧を加えて効率的に回収することができるものであることが好ましい。その具体的な例としては、プランジャーポンプ、ピストンポンプ、ギアーポンプ等の液体を押し出すことができるポンプ、注射器に代表される、シリンダー内に収納された液体をピストンを押すことによって押し出すことができる器具等が挙げられるがこれらに限定されることはない。
手段4を利用して手段1に導入される回収液は、捕捉された細胞に負の影響を与えないものであればいかなる液体を使用してもよい。具体的には、生理食塩水、リンゲル液等の医療用途に使用される実績のあるもの、細胞培養に使用される培地や、リン酸緩衝液、ハンクス塩溶液等の緩衝液、あるいは、血清、血漿等が挙げられる。そのなかでも、手段4によって手段1から回収された成体幹細胞は、引き続き、手段5において培養されることから、該回収液として、成体幹細胞を増殖させる機能を有する液体、すなわち成体幹細胞の培養液であることが好ましい。この場合の成体幹細胞の培養液の具体例としては、D−MEM(ダルベッコ改変イーグル培地)、IMDM(イスコフ改変イーグル培地)、RPMI1640培地、MCDB133培地、ASF培地等の細胞培養培地が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、回収された幹細胞の増殖能や分化能を高めるために、上記の培養液に血清、血漿等の生体成分、bFGF(塩基性繊維芽細胞増殖因子)、TGF−β(トランスフォーミング増殖因子−β)、インスリン、トランスフェリン、ラミニン、ファイブロネクチン等の蛋白性因子、レチノイン酸、アスコルビン酸、各種アミノ酸、各種糖類、5−アザシチジン、2−メルカプトエタノール、亜セレン酸ナトリウム、ハイドロコルチゾン、デキサメサゾン等の低分子物質を加えてもよい。さらに、幹細胞の培養過程における雑菌汚染を避けるために、上記の液体にカナマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン、ポリミキシンB、バンコマイシン、アンホテリシンB等の抗生物質、抗真菌剤を加えてもよい。
手段4において、細胞分離材に捕捉された成体幹細胞の回収率を向上するために、使用する回収液の粘稠度を上げてもよい。そのために添加される物質としては、特に限定されないが、アルブミン、フィブリノーゲン、グロブリン、デキストラン、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
本発明の成体幹細胞分離・培養システムにおける、回収された細胞を培養する手段5としては、回収された細胞に含まれる成体幹細胞を培養し、その細胞数を増幅することができるものであれば、いかなる器具、装置を用いることができるが、操作が簡便であること、雑菌汚染やクロスコンタミネーション等の危険性が低いことから、細胞培養バッグ、細胞培養カセット、あるいは自動細胞培養装置を用いることが好ましい。
上記細胞培養バッグとは、細胞をその内部に収納して培養できる、柔軟な(可撓性のある)構造材料で構成される、袋状の容器のことを指す。細胞培養バッグの使用形態は、インキュベーター内に設置されているトレイのような平台の上に置く、適当な架台に吊るす、あるいはシェーカーを用いて振盪する等が挙げられるが、これらに限定されることはない。細胞培養バッグの構造材料としては、気体の透過性や生体適合性等の点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びエチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、スチレンブタジエン熱可塑性樹脂等のエラストマー、テフロン(登録商標)、シリコーンゴム等が好ましいが、特に限定されることはない。好ましい具体例としては、ニプロカルチャーバッグ(ニプロ製)、Opticyte、X−FOLD、LifeCell(Baxter製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記細胞培養カセットとは、細胞をその内部に収納して培養できる、非可撓性の構造材料で構成される容器のことを指す。細胞培養カセットの形状は、円形、矩形、円柱状、角柱状、球形等特に限定されないが、限られた空間に多くの細胞培養カセットを設置できることから扁平な矩形であることが好ましい。細胞培養カセットの構造材料はとしては、特に限定されないが、非可撓性を保証できること、透明であるため培養中の細胞や培地の視認性が高いことからガス透過性のポリスチレン、ポリカーボネート等が好ましい。細胞培養カセットの使用形態は、インキュベーター内に設置されているトレイのような平台の上に置く、適当なラックに積層して収納する、あるいはシェーカーを用いて振盪する等が挙げられるが、これらに限定されることはない。好ましい具体例としては、OptiCell(BioCrystal製)、CLINIcell(MABIO製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記自動培養装置とは、通常は用手法によっておこなう細胞培養に要する操作の全部または一部を、機械または器具で代替することにより自動または半自動的に行うことを可能とした装置のことを指す。好ましい具体例としては、AastromReplicell System(Aastrom Bioscience社製)、また、特開2004−344128、特開2004−89095、特開2001−275659により開示されている培養装置等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の成体幹細胞分離・培養システムにおいて、成体幹細胞の分離・回収操作までは、手段5は手段1に無菌的に接続されているが、その後の培養工程においては、手段5を手段1と切り離した上で培養を行うことも可能である。
次に本発明の成体幹細胞分離・培養システムを用いて行う、成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を分離し、培養する、好ましい方法について図1を用いて説明する。
図1は本発明の実施態様の一例を示すものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
任意の方法によって調製された成体幹細胞を含む被処理液は、液槽2−1に一旦収納される。この場合、調製された被処理液が閉鎖系の環境下で移送されるために、液槽2−1には被処理液の調製手段と被処理液槽を無菌的に連結できる注入口が設けられていることが好ましい。被処理液槽に収納された成体幹細胞を含む被処理液は、回路2に相当するライン2−2を通って、手段1に相当する細胞分離器1−1に通液される。細胞分離器1−1への被処理液の通液手段は、特に限定されず、ポンプ等の機器を用いてもよいし、重力による自然落下によって通液されてもよい。細胞分離器1−1への被処理液の通液速度は、特に限定されないが、細胞分離材の厚さに対する被処理液の通過速度(線速)で表した時、0.1mm/分〜1,000mm/分の範囲にあることが好ましい。線速が0.1mm/分より低いと処理時間が長期化し、1,000mm/分より高いと被処理液の流水圧により成体幹細胞が分離材に捕捉されにくくなる。より好ましい線速は、0.5mm/分〜500mm/分であり、さらにより好ましくは1mm/分〜250mm/分である。
成体幹細胞を含む被処理液が、細胞分離器1−1に通液されることによって、被処理液中の成体幹細胞は細胞分離材に捕捉され、捕捉されなかった赤血球、成体幹細胞以外の有核細胞、血漿成分、酵素、希釈に用いた緩衝液等の不要成分は、回路3に相当するライン3−2を通って液槽3−1に移送される。
成体幹細胞を含む被処理液を細胞分離器1−1に通液することにより、成体幹細胞が細胞分離材に捕捉されるが、同時に一部の赤血球や有核細胞が細胞分離材中に留まっている可能性がある。これらの不要な細胞を除去するために、洗浄液を細胞分離器1−1に通液してもよい。この場合の洗浄液流入口は、細胞分離器1−1に通液した被処理液流入口より上流にあることが好ましい。ここで用いられる洗浄液は、成体幹細胞に対して負の影響を与えない液体であれば特に限定されないが、具体例としては、生理食塩水、リンゲル液、血清、血漿、細胞培養に用いられる培地、リン酸緩衝液等の一般的な緩衝液等が挙げられる。成体幹細胞への負の影響が小さいこと、医療用途に用いられている実績があることから、生理食塩水を用いることが好ましい。洗浄液は、成体幹細胞を含む被処理液と同様、回路2を用いて細胞分離器1−1に通液されてもよいし、回路2とは別の回路を設けて細胞分離器1−1に通液されてもよい。いずれの場合にも、洗浄液の通液条件は、被処理液を細胞分離器1−1に通液した場合に準じるものを用いることが好ましい。
洗浄液が細胞分離器に通液されることによって、細胞分離材に残存している、成体幹細胞以外の不要細胞は細胞分離材を離れ、ライン3−2を通って洗浄液とともに液槽3−1に移送される。
細胞分離材に捕捉された成体幹細胞は、手段4に相当する細胞回収液注入装置4−1を用いて、回収液を、ライン4−2を介して細胞分離器1−1に通液することによって、ライン5−2を介して細胞培養器5−1に移送されて回収される。ライン4−2は三方活栓を介して細胞分離器1−1の上流側に位置するライン2−2に連結されてもよいし、下流側に位置するライン3−2に、三方活栓4−3を介して連結されてもよいが、細胞分離器1−1中において成体幹細胞は上流側に偏在する可能性が高いため、下流側に位置するライン3−2に連結されていることが好ましい。
細胞回収液を細胞分離器1−1に通液することによって、細胞培養器5−1に回収された成体幹細胞は、そのまま細胞分離器5−1中で培養される。この時、細胞回収液として、幹細胞培養用の培地等の、幹細胞を増殖させる機能を有する液体を用いると、移送後そのまま培養することができるので好ましい。細胞回収液が3−2を介して細胞分離器1−1に通液される場合、ライン5−2は三方活栓5−3を介してライン2−2に連結されており、逆に、細胞回収液がライン2−2を介して細胞分離器1−1に通液される場合、細胞回収液はライン2−2に連結され、細胞培養器はライン3−2に連結され、細胞培養器に移送された後に培養される。この場合、成体幹細胞の回収率の点から前者が好ましい。

回収された成体幹細胞は、細胞培養器5−1を用いて培養され、必要な細胞数まで増幅されるが、この時、成体幹細胞としての性質を保ったまま増幅されてもよいし、適当な特定の細胞や組織に分化誘導されてもよい。成体幹細胞としての性質を保ったまま増幅された細胞組成物も、特定の細胞や組織に分化誘導された細胞組成物も本発明の範疇に含まれる。また、細胞培養器5−1中で、必要な細胞数まで増幅された成体幹細胞は、その後更に続けて細胞培養器5−1外で培養を続けてもよいし、細胞培養器5−1外で分化誘導を行うこともできる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の成体幹細胞分離・培養システムに相当する成体幹細胞分離・培養装置を作製し、骨髄液から成体幹細胞の一種である間葉系幹細胞を分離し、増幅させた例を以下に示す。本実施例で用いた装置は、図1に示されるもので、液槽2−1に成体幹細胞を含む被処理液が用意され、細胞分離器1−1とライン2−1の間に細胞培養器5−1が、また細胞分離器1−1の下流に不要細胞回収容器3−1が、細胞分離器1−1と不要細胞回収容器3−1の間に細胞回収液注入装置4−1があるシステムである。細胞分離器1−1としては、出入口を供えた内径1cmの円筒状の筒に、レーヨンとポリプロピレンからなる分割繊維不織布(密度=1.3×10g/m、繊維径=3〜12μm、目開き=5〜50μm(短径〜長径)、厚み5.5×10−5m)を12枚積層し、不織布の上下を外形1cm、内径7mm、高さ5mmのストッパーにて挟み込むことにより、不織布を固定化した細胞分離器を用いた。
成体幹細胞を含む被処理液として用いた骨髄は、以下に記した方法にて調製した。体重約30Kgの家畜ブタに、筋肉注射にてケタラール、セラクタールを注入し、その後ネンブタールを静脈注射にて追加することにより麻酔を行った。10mlのシリンジに約20IU/mlになるように予めヘパリンを入れておき、腸骨より15Gの穿刺針を用いて骨髄液を採取した。次に採取した骨髄プールにヘパリンを最終濃度で50IU/mlになるように添加して、十分に転倒混和を行うことにより骨髄液を得た。
まず、細胞分離材をその体積の約6倍量の生理食塩液にて洗浄した。上記調製した骨髄液5mlを液槽2−1に入れ、回路付属のローラークレンメにて骨髄の注入速度を0.5ml/min(線速13mm/min)に設定して、ライン2−2を通じて細胞分離器1−1に導入し、細胞分離器より導出された被処理液は、ライン3−2よりサンプリングを行い血球数の測定を自動血球計測装置(シスメックスK−4500)にて実施した。次に同方向からライン2−2を介して生理食塩液10mlを同流速にて流すことにより、赤血球や白血球、血小板の洗浄除去を行った。次に牛胎児血清15%を含む細胞培養液(α−MEM培地)5mlを、細胞回収液注入装置4−1に入れ、骨髄液を流した方向と逆方向から、ライン4−2及びライン3−2を介してシリンジで細胞培養液を通液することにより、目的とする細胞画分を細胞培養器5−2(CLINIcell(MABIO製)を使用)に回収し、回収溶液中の血球数を自動血球計測装置にて求めた。血球の通過率は、細胞分離器1−1通過前の血球数で、細胞分離器1−1通過後の各種細胞数を割ることにより求めた。また細胞の回収率は、回収溶液中の細胞数を、細胞分離器1−1通過前の血球数で割ることにより求めた。その結果、赤血球、血小板の通過率は、95%以上を示し、白血球の通過率は約75%であった。また回収率は、赤血球が0.8%、血小板が4%であり、白血球は約18%であった。このことから、本細胞分離フィルターにより、赤血球、血小板はほとんど除去されることが示された。次に、細胞培養器5−2を無菌的に切り離し、37℃、COインキュベーター内で培養を行った。2〜3日ごとに培地交換し、培養開始10日後にクリスタルバイオレットでコロニーを染色して出現したコロニー数を測定した。その結果、出現コロニー数は、85個/カセットであった。
次に上記細胞培養器5−2で培養した10日目の細胞を用いて軟骨形成評価を行った。上記方法にて培養して増幅させた細胞を、GIBCO BRL社製DMEM−ハイグルコース培地20mlで1回洗浄し、遠心分離操作(1000rpm,10min,4℃)で集めた。再度GIBCO BRL社製DMEM−ハイグルコース培地に軟骨分化誘導を促す添加物(TGFβ3ヒトリコンビナント 最終濃度10ng/ml:フナコシ,デキサメサゾン 最終濃度100nM:Sigma,アスコルビン酸リン酸エステル 最終濃度50μg/ml:WAKO,ピルビン酸ナトリウム 最終濃度100μg/ml,L−プロリン 最終濃度40μg/ml:コスモバイオ)を所定量添加した培地に、さらにITS(インスリン、トランスフェリン、セレン、牛血清アルブミン)を市販原液の1/100量添加した培地で間葉系細胞濃度が4×10個/mlになるように懸濁した。この細胞懸濁液を0.5ml取り、15mlファルコンチューブに入れた。その後遠心分離操作(1000rpm,10min,4℃)を行うと細胞がペレット状になるが、そのままチューブの蓋を緩めて、37℃,5%COインキュベーター中で3週間培養した。尚この間に培地交換は週2回実施した。培養終了後は球形となった細胞塊を回収し、組織固定用ホルマリンで固定し、軟骨基質染色剤であるトルイジンブルー染色を行った。組織切片を顕微鏡観察した結果、軟骨基質が紫色に染まる異染色性(メタクロマジー)が観察された(図2)。
(参考例1)
培地に軟骨分化誘導因子(上記)を添加しない以外は実施例1と同様の方法にて、軟骨基質形成能を評価した。その結果、軟骨基質が紫色に染まる異染色性(メタクロマジー)は観察されなかった(図2)。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で採取した骨髄液2mlを、リン酸緩衝液PBS(−)2mlと混合(2倍希釈)した。次に15ml遠沈管にFicoll paque plus(アマシャム)を3ml添加し、該溶液の上層に先に調整した希釈骨髄液4mlを積層した。1400rpm、30min室温にて遠心分離することにより、成体幹細胞を含む単核球画分層を回収した。PBS(−)を約10ml入れ、1300rpm、5minで細胞の洗浄を行った。次に同様にPBS(−)を約10ml入れ、1200rpm、5minで細胞の再洗浄を行った。再洗浄液を2mlのPBS(−)に懸濁し、血球数の測定を行い、細胞回収率を求めた。また実施例1と同様の方法でコロニー出現率、異染色性の観察を行った。その結果、赤血球の回収率は1%、血小板の回収率は8%、白血球の回収率は83%であった。また出現したコロニー数は、79個/カセットであった。
以上、成体幹細胞回収性能に関する結果を表1に、また異染色性の観察結果を図2に示す。以上の結果から本発明の成体幹細胞分離・培養システムを使用することにより、現在成体幹細胞を分離する方法として使用されているフィコール分離法より優れた間葉系幹細胞分離性能を有し、本培養システムにて増殖した細胞は軟骨への分化能を有していることがわかった。
本発明の成体幹細胞分離培養システムの1例。 実施例1および参考例1で実施した、回収細胞の軟骨形成評価結果
符号の説明
1 手段1に相当する部分
1−1 細胞分離器(デバイス本体)
2 デバイス入口側ユニット
2−1 液槽
2−2 ライン
3 デバイス出口側ユニット
3−1 液槽
3−2 ライン
4−1 細胞回収液注入装置
4−2 ライン
4−3 三方活栓
5−1 細胞培養器
5−2 ライン
5−3 三方活栓

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を選択的に捕捉する手段1と、
    手段1の入口側に接続され、成体幹細胞を含む被処理液を手段1に導入する回路2と、
    手段1の出口側に接続され、手段1から導出された液体を排液する回路3と、
    手段1に回収液を導入する手段4と、
    手段1から回収された細胞を培養する手段5と、
    から構成される成体幹細胞分離・培養システム。
  2. 手段1が、被処理液導入部と被処理液導出部を有する容器に、被処理液中の白血球及び赤血球を実質的に通過させることが可能である細胞分離材を収納してなる細胞分離器であることを特徴とする請求項1記載の成体幹細胞分離・培養システム。
  3. 細胞分離材が、被処理液中の白血球の60%以上を通過させ、かつ、被処理液中の赤血球の90%以上を通過させることが可能である細胞分離材であることを特徴とする請求項2記載の成体幹細胞分離・培養システム。
  4. 手段4において使用される回収液が、成体幹細胞の培養液であることを特徴とする請求項1記載の成体幹細胞分離・培養システム。
  5. 手段5として、細胞培養バッグまたは細胞培養カセットを用いることを特徴とする請求項1記載の成体幹細胞分離・培養システム。
  6. 手段5として、自動培養装置を用いることを特徴とする請求項1記載の成体幹細胞分離・培養システム。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の成体幹細胞分離・培養システムを用いて、成体幹細胞を含む被処理液から成体幹細胞を分離し増幅する方法。
  8. 請求項7記載の方法を用いて調製された細胞組成物。
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