JP5259929B2 - 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法 - Google Patents

脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5259929B2
JP5259929B2 JP2006121260A JP2006121260A JP5259929B2 JP 5259929 B2 JP5259929 B2 JP 5259929B2 JP 2006121260 A JP2006121260 A JP 2006121260A JP 2006121260 A JP2006121260 A JP 2006121260A JP 5259929 B2 JP5259929 B2 JP 5259929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
solution
port
container
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006121260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007289076A (ja
Inventor
和秋 山本
明 小林
進也 吉田
英夫 丹羽
直博 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2006121260A priority Critical patent/JP5259929B2/ja
Publication of JP2007289076A publication Critical patent/JP2007289076A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5259929B2 publication Critical patent/JP5259929B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/02Separating microorganisms from the culture medium; Concentration of biomass

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、脂肪組織に含まれる幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法の提供に関する。
近年、脂肪組織に含まれる有核細胞の少なくとも一部は生体組織幹細胞であり、それらは成熟脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞、心筋細胞、神経細胞等、様々な細胞へと分化可能であることが分かってきた(非特許文献1、2)。この脂肪組織由来の生体組織幹細胞を効率良く簡便に分離・採取できる細胞分離装置を提供できれば、骨疾患、歯疾患、軟骨疾患、骨格筋疾患、虚血性疾患、心筋梗塞、組織陥没症、神経系疾患、血管系疾患、免疫不全、クローン病、組織増大術、美容成形等の治療に適した生体組織幹細胞の提供が可能となる。
脂肪組織由来の生体組織幹細胞を分離・採取する装置として、例えば、Hedrickらは、脂肪組織を分解し、細胞を遠心分離により濃縮する装置(特許文献1)や、自動装置を用いて組織から幹細胞を遠心分離・濃縮する装置(特許文献2)などを開示している。吉村らは、脂肪吸引時に生ずる水溶液層から密度勾配遠心方法、もしくはASTEC204(AMCO社製)を用いて脂肪組織由来の幹細胞を採取する方法(特許文献3)や、Ficollなど種々の遠心分離操作を用いて回収する方法(特許文献4)を開示している。しかしながら、上記の回収方法では問題も多く、例えば、遠心分離による回収方法では、脂肪組織由来幹細胞以外の夾雑物、例えば赤血球、血小板、白血球、組織由来未分解物等の不要物が多く混入してしまい、細胞の純度という点において問題が生ずる。また、密度勾配遠心による回収装置では、多くの労力を必要とするだけでなく、使用されるFicoll等の溶剤が細胞に悪影響を及ぼす可能性がある。
WO 2003/053346 WO 2005/012480 WO 2005/042730 WO 2005/035738 田畑泰彦、ここまで進んだ再生医療の実際(2003年) Stremら、Keio J Med54(3):132-141(2005年)
本発明の目的は、非開放系で脂肪組織に含まれる幹細胞を簡便に、かつ純度よく採取できる細胞分離装置、およびその方法を提供することにある。
発明者らはかかる課題を解決すべく、鋭意検討を進めた。その結果、(i)脂肪組織の酵素処理が可能であり、かつ、該処理液の層分離後に脂肪層以外の酵素処理液を移送することが可能な処理容器、(ii)移送された酵素処理液を導入することで幹細胞を捕捉し、次に逆方向から勢いよく回収液を導入することで、幹細胞を排出する細胞分離器、(iii)排出された幹細胞含む回収液を回収する容器、から成る細胞分離装置を用いると、簡便で純度よく、しかも非開放系で脂肪組織由来幹細胞の採取が可能になることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。よって、本発明が提供するのは以下の通りである。
〔1〕
次の(a1)、(b1)、(c)を有する、脂肪組織から幹細胞を採取する細胞分離装置
(a1)少なくとも、脂肪組織を導入するポート、酵素を導入するポート、および前記脂肪組織の前記酵素による処理液を排出するポートを配置した処理容器であって、導入された脂肪組織を酵素により処理することができる構造であり、かつ、該処理による処理液を層分離させた後に、赤血球及び血小板を含有する、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を前記排出ポートより移送することができる構造である処理容器
(b1)少なくとも、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を前記処理容器における前記排出ポートを経て導入を行なうポートと導入した酵素処理液の排出を行なうポート、および細胞回収液の導入を行なうポートと細胞回収液の排出を行なうポートを配置した細胞分離器であって、前記酵素処理液を導入することによってそれに含まれる幹細胞を捕捉し、赤血球及び血小板を通過することができ、次に細胞回収液を導入することで捕捉された幹細胞を細胞回収液とともに前記細胞回収液排出ポートから排出することができる細胞分離器であって、目付(g/m )/厚み(m)=Kが1.0×10 ≦K<2.0×10 であり、平均短径5μm以上、かつ平均長径120μm以下の目開きの、繊維径3〜90μmの繊維からなる、不織布である細胞分離材を充填したものである細胞分離器
(c)少なくとも、前記細胞分離器における前記細胞回収液排出ポートを経て細胞回収液を導入するポートを配置した回収容器
〔2〕
処理容器と細胞分離器とが、酵素処理液に含まれる組織片を除去する濾過器を介して接続された〔1〕に記載の装置。
〔3〕
処理容器と細胞分離器とが、酵素処理液の導入速度調節器を介して接続された〔1〕又は〔2〕に記載の装置。
〔4〕
細胞分離材が、1本の繊維が異成分同士の合成高分子よりなる繊維からなるものであるか、異成分同士が剥離分割した分割繊維からなるものであるか、又は、成分の異なる合成高分子単独よりなる2種以上の繊維を複合化してなるものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の装置
〔5〕
細胞分離器が、ポリエステル及びポリプロピレンを組み合わせてなる繊維;又は、レーヨン及びポリオレフィンを組み合わせてなる繊維からなる細胞分離材を充填したものである〔4〕の装置
〔6〕
回収容器が、細胞回収液の収容が可能な容器、細胞培養が可能な容器、遠心操作が可能な容器、凍結保存が可能な容器、及び細胞回収液の量を減少させることが可能なフィルターを有する容器から選ばれる少なくとも1種である〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の装置。
〔7〕
細胞分離装置が、自動運転制御装置で管理される〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の装置。
〔8〕
次の(d)〜(f)の工程を有する、脂肪組織から幹細胞を採取する方法。
(d)脂肪組織を分解酵素処理した後、酵素処理した液を静置により層分離させ、赤血球及び血小板を含有する、その脂肪層以外の酵素処理液を採液する工程
(e)前記採液された酵素処理液を導入することによってそれに含まれる幹細胞を捕捉し、赤血球及び血小板を通過することができ、次に細胞回収液を導入することで捕捉された幹細胞を細胞回収液とともに排出することができる細胞分離器であって、目付(g/m )/厚み(m)=Kが1.0×10 ≦K<2.0×10 であり、平均短径5μm以上、かつ平均長径120μm以下の目開きの、繊維径3〜90μmの繊維からなる、不織布である細胞分離材を充填したものである細胞分離器を用いて、前記(d)工程で採液された酵素処理液から細胞回収液に幹細胞を回収する工程
(f)幹細胞を含む細胞回収液を処理する工程
〔9〕
前記(e)工程で使用される前記細胞分離材が、1本の繊維が異成分同士の合成高分子よりなる繊維からなるものであるか、又は、異成分同士が剥離分割した分割繊維からなるものである〔8〕に記載の方法
〔10〕
前記(d)工程と同時に、またはその後に、含まれる組織片を除去する工程を含む〔8〕又は〔9〕に記載の方法。
〔11〕
脂肪層以外の酵素処理液を細胞分離器に導入する際の速度を調節する工程を含む〔8〕〜〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕
前記(f)工程が、フィルターを用いて細胞回収液の液量を減少させる工程である〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕
前記(f)工程が、細胞回収液を凍結保存する工程である〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕
前記(f)工程が、細胞回収液を細胞培養する工程である〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔15〕
前記(f)工程が、細胞回収液を遠心操作する工程である〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕
少なくとも一つの工程が、自動運転制御装置で管理される〔8〕〜〔15〕のいずれかに記載の方法。
本発明の脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法を用いると非開放系で簡単に、かつ純度よく脂肪組織由来幹細胞を採取することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪組織とは、哺乳動物の脂肪組織であれば特に限定はなく、例えば、ヒト由来の皮下脂肪組織、内臓脂肪組織、白色脂肪組織、褐色脂肪組織である。使用する脂肪組織は、任意の形状であってよく、例えば、脂肪組織をハサミ等の鋭利な器具を用いて破砕したもの、濾し器等を用いてミンチ状にしたもの、脂肪吸引法を用いて採取したものであってよい。ここでいう脂肪吸引法とは、特に限定されず、例えば、美容成形外科で行なわれている吸引法であって良く、具体的には、例えば、超音波脂肪吸引、カニューレ等を用いたパワードリポサクション、シリンジ吸引等による方法である。
本発明における幹細胞とは、細胞治療、検査、実験等の目的で、脂肪組織から採取することができる細胞であって、多分化能を有する細胞を意味する。好ましくは、脂肪組織由来間葉系幹細胞、脂肪組織由来間質幹細胞であり、より好ましくは細胞表面のCD34、73、90、105、106、133、166から選ばれる少なくとも一つのマーカーを発現しているヒト由来の脂肪組織由来間葉系細胞、脂肪組織由来間質幹細胞である。ここでいう、多分化能を有するとは、成熟脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、心筋細胞、肝臓細胞、膵臓のβ細胞等のいずれか一つ以上へと分化可能であることを意味する。
本発明でいう処理容器(a)は、脂肪組織を酵素で処理する手段を具備する。このような手段としては、脂肪組織に後に詳述する酵素を作用させて酵素反応により脂肪組織を処理することができる構成を有するものであればよく、例えば、脂肪組織及び酵素液を収容し、酵素反応を可能とする容器であってよく、より具体的には、例えば、以下に詳述する処理容器(a1)を挙げることができる:少なくとも、脂肪組織を導入するポート、酵素を導入するポート、および前記脂肪組織の前記酵素による処理液を排出するポートを配置し、導入された脂肪組織を酵素により処理することができる構造であり、かつ、該処理による処理液を層分離させた後に、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を前記排出ポートより移送することができる構造を有する容器である。ポートは目的に応じて追加してもよく、例えば、脂肪組織に付着した血液、組織片等の付着物を除去する目的で、生理食塩水、等張液、緩衝液、リンゲル液、注射用液等の洗浄液の導入と排出を行なうポートを配置してもよい。脂肪組織の酵素による処理をする際の生理食塩水、等張液、緩衝液、リンゲル液等(以下、緩衝液等、ともいう)を追加する目的においては、緩衝液等追加用ポートを配置してもよい。
本発明におけるポートとは、流体が処理容器、細胞分離器、および回収容器等の内外へと移動するのに必要な出口、入り口であることを意味する。ポートは、一つの流体のための専用ポートであってもよく、又は、幾つかの流体のための共用ポートであってもよく、共用ポートにおいてはそれぞれの流体のための流路の切替装置を配置していてもよい。すなわち、処理容器や細胞分離器に配置するポートの個数に特に限定はなく、目的に応じて個数を増減させてよい。
本発明における導入とは、脂肪組織や流体を処理容器、細胞分離器、および回収容器等の内へと入れること意味する。具体的には、流体をシリンジ、重力による落下、ペリスタポンプ、加圧式送液装置等を用いて移送する様態である。
本発明における排出とは、流体を処理容器、細胞分離器、および回収容器等の外へと出すことを意味する。具体的には、流体をシリンジ、重力による落下、ペリスタポンプ、加圧式送液装置等を用いて移送する様態である。
排出ポートを経て導入を行うとは、排出ポートから排出されたものが、直接又は間接に、導入されることを意味するが、具体的には、例えば、処理容器及び細胞分離器等に配置された排出ポートに管を接続し、細胞分離器、及び回収容器等の導入ポートとそれぞれ連結することにより行われる様態であるが、しかしながら、間に濾過器や導入速度調節器等を介してもよく、又は、物理的な接点がなくともシリンジ等を用いて流体の移動を行なう様態であってもよいし、管を使用せずにそれらを直結した様態であってもよい。
ポートはそれぞれの用途に1つずつ配置してもよいし、互いに共有してもよい。例えば、脂肪組織を導入するポートと酵素を導入するポートを1つで共有してもよい。脂肪組織を導入するポートの使用方法は、例えば、ミンチ状脂肪組織が入ったシリンジ等をポートに連結して、脂肪組織を処理容器に導入する、という様態である。また、脂肪吸引で用いるカニューレ等の脂肪採取器具を直接、脂肪組織の導入ポートに接続させる様態であってもよい。この場合、カニューレ等へ吸引力を提供するバキューム装置用ポートを処理容器に配置してもよい。
ここでいう脂肪組織を酵素により処理することができる構造とは、脂肪組織に、例えば、コラゲナーゼ、メタロプロテアーゼ、ディスパーゼ、トリプシン、ヒアルロニダーゼ、キモトリプシン、ペプシン、アミラーゼ、リパーゼ、又はそられのリコンビナント等の分解酵素を含む水溶液を接触させ、任意の濃度、温度、時間、振盪速度、容量で脂肪組織を分解できる構造であれば特に限定はないが、例えば滅菌可能な医療用プラスチック、ガラス、金属等の材質からなるバッグ、ボトル、フラスコ、チャンバー、コニカルチューブ、柱状の筒等の構造であってよい。
通常、酵素は水溶液として使用されるが、本発明においても細胞に損傷を与えない水溶液であれば特に限定はなく、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝液、ブドウ糖液、リンゲル液、ハンクス液、注射溶液、培地、等張液等を使用することができる。
本発明でいう、酵素処理による処理液を層分離させた後に、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を排出ポートより移送することができる構造とは、酵素処理後、常温、常圧下で数秒〜数時間の放置により酵素処理液を脂肪層と脂肪層以外の酵素処理液へと自然に層分離させ、次にその脂肪層以外の酵素処理液(以下、水層ともいう。)を排出ポートより移送できる構造を意味する。具体的には、例えば、疎水性で相対的に密度の軽い脂肪が上側、密度の重い水層が下側となるので、その下側の水層を、処理容器の底部に配置した排出ポートより抜き取ることが可能な構造を指す。例えば、酵素処理液の層分離状態を目視により確認する場合は、処理容器を透明性の高い材料で作製し、層分離した脂肪層と水層の境界を目視で確認しながら、底部の排出ポートより水層を抜き取る。機械により層分離状態を確認する場合は、吸光度センサー等を設置した処理容器を用いて水層を抜き取る。または、脂肪量と水溶液量から予測される層分離後の水層量を求めておき、それを制御装置に入力して自動的に水層を抜き取る。処理容器の酵素処理液排出ポートに濾過器を備える場合は、脂肪層が通過できない膜、又はメッシュ等から成る濾過器を用いて水層を抜き取ってもよい。
このような層分離後の水層の抜き取りは、一度だけでなく繰り返し行なってよく、例えば、酵素処理液の層分離後にすべての水層を抜き取った後、もう一度、緩衝液等追加用ポートから細胞に損害を与えない水溶液を導入し、よく混和してから再度層分離させ、再び水層を抜き取ってもよい。このような繰り返しを行なうことで、脂肪層に含まれる幹細胞を効率よく抽出することができる。
本発明でいう細胞分離器(b)は、酵素により処理された脂肪組織の酵素処理液に含まれる幹細胞を捕捉することができ、かつ、捕捉された幹細胞を、細胞回収液を導入することで回収することができる手段を具備する。このような手段としては特に限定されず、例えば、細胞を捕捉し、かつ、細胞回収液により捕捉した細胞を回収することができる細胞分離材を配置してなる分離器であってよく、より具体的には、例えば、以下に詳述する細胞分離器(b1)を挙げることができる:少なくとも、層分離後の脂肪層以外の酵素処理液の導入と排出を行なうポート、および細胞回収液の導入と排出を行なうポートを配置し、かつ、酵素処理液を導入することによってそれに含まれる幹細胞を捕捉することができ、次に細胞回収液を導入することで捕捉された幹細胞を細胞回収液とともに排出することができる細胞分離器である。細胞分離器は、滅菌可能な医療用プラスチック、ガラス、金属等の材質からなる容器に細胞分離材を充填したものである。幹細胞の捕捉は、例えば不織布または多孔質体等の細胞分離材を幹細胞を含む酵素処理液を通過させることにより、分離捕捉することができる。ポートは目的に応じて追加してもよく、細胞分離材に留まる赤血球、血小板、白血球、酵素、脂肪滴、組織由来不要物等を洗い流す目的で、生理食塩水、等張液、緩衝液、リンゲル液、注射用液等の洗浄液の導入と排出を行なうポートを配置してもよい。ポートはそれぞれの用途に1つずつ配置してもよいし、互いに共有してもよい。例えば、酵素処理液を導入するポートと細胞回収液を排出するポートを共有してもよし、酵素処理液を排出するポートと細胞回収液を導入するポートを1つで共有してもよい。
本発明の細胞分離器は、酵素処理液に含まれる接着性細胞の45%以上を捕捉・回収することができ、かつ、赤血球の75%以上を通過させることができる性能を有するものが好ましい。より好ましくは、接着性細胞の55%以上を捕捉・回収することができ、かつ、赤血球の80%以上を通過させることができるものであり、更に好ましくは、接着性細胞の65%以上を捕捉・回収することができ、かつ、赤血球の90%以上を通過させることができるものである。ここでいう接着性細胞とは、酵素処理液に含まれる有核細胞であって、適当な培地存在下、一般的な条件において、細胞培養皿に接着し、増殖することができる細胞を指す。このような方法で接着・増殖した細胞の少なくとも一部は、多分化能を有する幹細胞である。具体的には、例えば、脂肪層以外の酵素処理液、および細胞分離器によって幹細胞とともに回収された細胞回収液に含まれる有核細胞を、遠心分離操作(例えば、1200rpm、5分間)によって沈降させ、それら沈降物を適当な培地(例えば、ウシ血清含有α−MEM培地等)に懸濁させ、それらを一般的な細胞培養皿(例えば、ポリスチレン製培養皿、コラーゲンコート培養皿等)で培養(例えば、37℃のCOインキュベーター内で7〜14日間、数日間隔で培地交換)することによって増殖する細胞であってよい。接着性細胞の捕捉・回収率は、それら増殖した接着性細胞のコロニー数、クラスター数、総細胞数、フローサイトメトリーで定量した接着性細胞の総数等を比較することにより、容易に求めることができる。また、赤血球数は、その個数を測定できる方法であればいかなる方法によってもよく、例えば、血球計測器を用いた方法であってよい。
ここでいう細胞分離材は、好ましくは、80%以上の赤血球、80%以上の血小板は通過するが、選択的に幹細胞を捕捉し、さらに、好ましくは、酵素処理液の通液とは反対方向から細胞回収液を勢いよく導入することでそれらを放出する細胞分離材であり、例えば連通孔を有する多孔質体、繊維の集合体、織物等が挙げられる。好ましくは繊維で構成されるものであり、より好ましくは不織布である。当該細胞分離材の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン、レーヨン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル(ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂)、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド、ポリアミド、キュプラ、ケブラー(登録商標)、カーボン、フェノール、テトロン(登録商標)、パルプ、麻、セルロース、ケナフ、キチン、キトサン、ガラス、綿等から選ばれる少なくとも1種以上からなるものが好ましい。これらうち、ポリエステル、レーヨン、ポリオレフィン、ビニロン、ポリスチレン、アクリル、ナイロン及びポリウレタンからなる群から選択される少なくとも1種の合成高分子がより好ましい。2種以上の合成高分子を組み合わせる場合は、その組合せに特に限定はないが、ポリエステル及びポリプロピレン;レーヨン及びポリオレフィン;又は、ポリエステル、レーヨン及びビニロン等からなる組合せ等が好ましく挙げられる。2種以上の合成高分子を組み合わせて繊維とする場合の繊維の形態としては、1本の繊維が異成分同士の合成高分子よりなる繊維、あるいは異成分同士が剥離分割した分割繊維でもよい。また、成分の異なる合成高分子単独よりなる繊維をそれぞれ複合化した形態でもよい。ここでいう複合化とは特に限定はなく、2種以上の繊維が混在した状態から構成される形態、あるいは合成高分子単独からなる形態をそれぞれ貼り合わせたもの等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
当該細胞分離材の目付(g/m)/厚み(m)=Kに特に限定はないが、好ましくは1.0×10≦K<2.0×10を満たすものである。K値が2.0×10以上であると、組織由来夾雑物、例えば脂肪滴や脂質等により目詰まりを生ずる傾向があり、1.0×10より小さいと目的細胞の捕捉率が低くなる傾向がある。なお、K値は、細胞分離材の形態にかかわらず、例えば、細胞分離材の単位面積(m)あたりの重量(g)、すなわち目付(g/m)と、細胞分離材の厚み(m)を測定し、それらを上記式に当てはめて計算することにより求めることができる。もちろん、用いる材料のカタログ等に目付や厚みの記載がある場合には、それをそのまま使用してもよい。また、細胞分離材の単位体積(m)あたりの重量(g)を測定して、それをそのままK値としてもよい。細胞分離材として不織布を用いる場合は、その一枚あたりの厚みをノギスやCCDレーザー変位センサー(キーエンス社製LK−035とRD−50R)を用いて30箇所測定し、その平均厚み(m)を上記式に当てはめて計算することにより求めてもよい。
また、当該細胞分離材の目開きに特に限定はないが、好ましくは平均短径が5μm以上かつ平均長径120μm以下の範囲を満たすものである。目開きが5μmより小さいと、組織由来夾雑物、例えば脂肪滴や脂質等により目詰まりを生ずる傾向がある。目開きの長径が120μmより大きいと、目的細胞の捕捉が困難となる傾向がある。脂肪滴、赤血球、白血球、血小板等の組織由来夾雑物の除去率から、より好ましくは、目開きの範囲は5μm〜80μmであり、脂肪滴、赤血球、白血球、血小板等の組織由来夾雑物及び目的細胞の回収率から、さらに好ましくは5μm〜70μmである。当該細胞分離材の目開きとは、例えば、下記方法により求めることができる。細胞分離材を走査型電子顕微鏡にて写真撮影し、異なる2本以上の繊維が交差することにより形成される実質的な孔の長径および短径を、画像解析装置にて50箇所以上測定し、それぞれの平均値を求める。すなわち、目開きの範囲とは、下限値が上記のようにして求めた短径の平均値を、上限値が長径の平均値を示す。
さらに当該細胞分離材が繊維で構成される場合、その繊維径に特に限定はないが、目的細胞の回収率から、3〜90μmが好ましい。3μmより細いと、組織由来夾雑物、特に脂肪滴や脂質等による目詰まりが起こりやすくなる。90μmより太いと有効接触面積の低下、ショートパス、組織由来夾雑物、特に脂肪滴や脂質等による目詰まりが起こりやすくなり、目的細胞の回収率の低下につながる。当該繊維径は、例えば、細胞分離材を走査型電子顕微鏡にて写真撮影し、任意の30箇所以上を測定し、写真に記載されたスケールから求めた繊維径の計算値を平均することにより、求めることができる。
なお、細胞分離材が多孔質体等の場合、繊維径とは、多孔質体の断面部分において、樹脂部分(孔でない部分)の平均幅を意味し、上記と同様に測定する。
捕捉された幹細胞を排出するには、細胞回収液を使用する。細胞回収液を、例えば、細胞分離材に対して、好ましくは、酵素処理液の導入における通液方向に対して反対方向の通液方向となるように、さらに好ましくは、押圧装置を用いて、勢いよく、導入することにより、細胞分離材に捕捉されている細胞を細胞回収液とともに排出する。ここでいう押圧装置とは、細胞分離器へ細胞回収液を勢いよく導入することが可能であれば限定はなく、例えば、シリンジ、ポンプ、加圧装置等であってよい。勢いよくとは、細胞分離材に捕捉された幹細胞が効率よく放出されるのに適した速度であれば限定はなく、例えば、細胞分離材の表面積あたり0.1〜100ml/cm・秒であってよい。この速度は、例えば、シリンジ等により容易に達成可能である。
ここでいう細胞回収液とは、細胞分離材に捕捉された幹細胞が効率よく放出されるのに適した液、または採取した幹細胞の用途に適した液であれば限定はなく、例えば、生理食塩水、等張液、緩衝液、リンゲル液、注射用液、グリセロールまたはジメチルスルホキシド含有凍結保存液、ヒアルロン酸含有液、コラーゲン含有液、増殖培地等である。
上述した脂肪組織の処理容器と細胞分離器の間に、処理容器で採液した酵素処理液を一時的に貯めておく貯蔵容器を備えてもよい。貯蔵容器を用いることで細胞分離器に酵素処理液を導入する速度を調節しやすくなる。ここでいう貯蔵容器は、酵素処理液の導入ポートと排出ポートを有し、かつ、酵素処理液を一時的に貯めておく目的を果たすものであれば特に限定はなく、例えば、滅菌可能なプラスチック、ガラス、金属等の材質からなるバッグ、ボトル、フラスコ、チャンバー、コニカルチューブ、柱状の筒等であってよい。
本発明でいう回収容器とは、少なくとも、細胞回収液を導入するポートを配置した回収容器であり、基本的には細胞分離器で分離された幹細胞を含む細胞回収液を受ける役割を果たす。具体的には、滅菌可能な医療用プラスチック、ガラス、金属等の材質からなる、細胞回収液の収容が可能な容器、例えばバッグ、ボトル、フラスコ、チャンバー、コニカルチューブであってよい。また、目的に応じて、細胞培養が可能な容器、遠心操作が可能な容器、凍結保存が可能な容器、細胞回収液の量を減少させることが可能なフィルターを有する容器等であってよい。
ここでいう細胞培養が可能な容器とは、回収した幹細胞を培養し、増幅させることが可能な培養容器であれば限定はなく、例えば、ポリスチレン製の培養皿、細胞外マトリックスをコートした培養皿、3次元培養が可能な培養容器、自動培養装置に接続可能な培養皿等である。
ここでいう遠心操作が可能な容器とは、幹細胞を含む細胞回収液を10〜10000rpmで遠心操作が可能な容器であれば限定はなく、例えば、コニカルチューブ、バッグ、遠沈管等である。
ここでいう凍結保存が可能な容器とは、グリセロールやジメチルスルホキシド等の凍結保存剤を含む液で幹細胞を回収し、その液を受けた回収容器ごと細胞の凍結保存ができる容器であれば限定はなく、例えば、凍結保存チューブ等である。
ここでいう細胞回収液の量を減少させることが可能なフィルターを有する容器とは、液量を減少させ、細胞濃度を高くすることが可能なフィルターを備えた容器であれば限定はなく、例えば、0.1〜5μmの孔を有するフィルター、中空糸フィルター等からなる容器である。
上記処理容器と細胞分離器とは、直接に、又は、管を介して接続されてもよく、又は、酵素処理液に含まれる組織片を除去する濾過器を介して接続されてもよい。
上記濾過器は、例えば、処理容器の酵素処理液排出ポートに、又は、上記排出ポートの下流であって細胞分離器の酵素処理液導入ポートの前に、配置し、処理容器で採液した酵素処理液に含まれる組織片、例えば酵素で分解できなかった膜組織片、脂肪片、血管片、脂肪凝集塊、血塊等の不要物を除去可能な濾過器である。例えば、孔径20〜2000μmの膜、メッシュ、不織布等を1種類以上組み合わせて配置したものである。
上記処理容器と細胞分離器とは、直接に、又は、管を介して接続されてもよく、又は、酵素処理液の導入速度調節器を介して接続されてもよい。
上記導入速度調節器は、例えば、処理容器の酵素処理液排出ポートの下流において、脂肪層以外の酵素処理液を細胞分離器に導入するときの通液速度を調節することが可能な調節器であれば特に限定はないが、例えば、ローラークレンメ、ローラークランプ、スライドクレンメ、ペリスタポンプ、加圧式送液装置等である。ローラクレンメを使用する場合、重力による酵素処理液の落下をコントロールするため、脂肪組織の酵素処理液が入った処理容器を最も高い場所に置き、次いでローラークレンメ、細胞分離器の順に配置する。
本発明でいう自動運転制御装置とは、処理容器、細胞分離器、回収容器等の、各ポート、流路切り替え等、さらに、必要に応じて使用される吸光度センサー、導入速度調節器、押圧装置、恒温装置、振盪装置、カニューレを用いた脂肪吸引装置等の全部又は一部について、それらの動作、機能、実行等を制御することができ、脂肪組織から幹細胞を採取するのに必要な工程のすべて又は一部を、コンピューター等で自動的に制御することにより作動状態を適切に管理する装置であることを意味する。具体的には、例えば、処理容器、導入速度調節器、細胞分離器、回収容器等の全部又はこれらの一部を管理して上記本発明の工程の少なくとも一つの工程を自動運転制御する。このため細胞分離装置には必要な情報を表示するモニターと、情報を入力する装置を備えてもよい。
本発明の細胞分離装置の構成例を図1、2に、自動運転制御装置で管理する場合の構成例を図3に示す。以下に図1に示した細胞分離装置を用いた幹細胞の分離例を説明する。処理容器は、脂肪組織導入ポート(1)、バキューム装置用ポート(2)、洗浄液導入ポート(3)、洗浄液排出ポート(4)、酵素導入ポート(5)、緩衝液等追加用ポート(6)、酵素処理液排出ポート(7)を有する。脂肪組織導入ポート(1)に美容形成で用いられるカニューレ等の脂肪吸引器具を接続し、バキューム装置用ポート(2)から提供された吸引力を利用して脂肪組織の採取を行なう。処理容器に導入された脂肪組織に付着した血液等を除去するために、洗浄液導入ポート(3)より洗浄液を導入し、洗液を洗浄液排出ポート(4)から排出する。酵素導入ポート(5)から、酵素水溶液を導入した後、処理容器を37℃に加温し、反応を促進するために振盪を行なう。脂肪組織が流動性を有する液体へと分解されたのを確認できたら、細胞の回収率を高めるため緩衝液等追加用ポート(6)より、該酵素処理液の1〜30倍程度の緩衝液等、例えば生理食塩水を追加する。次に、内容物を1〜30分間静置させ層分離を行なう。上側が脂肪層、下側が水層となるので、水層だけを酵素処理液排出ポート(7)より抜き取る。
抜き取った酵素処理液を濾過器に通液し、不要な細胞片等を除去する。次に導入速度調節器で通液速度をコントロールしながら、酵素処理液を細胞分離器の導入ポート(8)より導入、そして排出ポート(9)から排出する。そして、細胞分離器内に溜まった酵素処理液を洗い流すために、洗浄液を導入ポート(8)より導入、そして排出ポート(9)から排出する。洗浄液との切替は、流路切替コックの操作により行うことができる。
次に、細胞分離器に捕捉された幹細胞を回収するために、細胞回収液導入ポート(10)から押圧装置を用いて細胞回収液を勢いよく導入、そして細胞回収液排出ポート(11)より排出する。幹細胞を含む細胞回収液は、細胞回収液導入ポート(12)を有する回収容器に導入される。
以下に図2に示した細胞分離装置を用いた幹細胞の分離例を説明する。
処理容器は、脂肪組織導入と酵素導入の共有ポート(1、2)、酵素処理液排出ポート(7)を有する。共有ポート(1、2)から、洗浄と細切済の脂肪組織と酵素を、流路切替コックによって、それぞれ、導入する。処理容器を37℃に加温し、反応を促進するために振盪を行なう。脂肪組織が流動性を有する液体へと分解されたのを確認できたら、内容物を1〜30分間静置させ層分離を行なう。上側が脂肪層、下側が水層となるので、水層だけを酵素処理液排出ポート(7)より抜き取る。
抜き取った酵素処理液を濾過器に通液し、不要な細胞片等を除去する。次に、導入速度調節器で通液速度をコントロールしながら、細胞分離器の酵素処理液導入・細胞回収液排出の共有ポート(8、11)より導入、そして酵素処理液排出・細胞回収液導入の共有ポート(9、10)から排出する。これら共有ポートへの流路切替は、コックにより行なう。細胞分離器に捕捉された幹細胞を回収するために、酵素処理液排出・細胞回収液導入の共有ポート(9、10)から押圧装置を用いて細胞回収液を勢いよく導入、そして酵素処理液導入・細胞回収液排出の共有ポート(8、11)より排出する。幹細胞を含む細胞回収液は、細胞回収液導入ポート(12)を有する回収容器に導入される。
以下に図3に示した細胞分離装置を用いた幹細胞の分離例を説明する。
処理容器、細胞分離器、回収容器に配置されたポート、流路切り替え、恒温装置、振盪装置、通液ポンプ、吸光度センサー等はプログラム可能な自動運転制御装置で管理される。処理容器は、脂肪組織導入ポート(1)、洗浄液導入ポート(3)、洗浄液排出・酵素処理液排出の共有ポート(4、7)、酵素導入・抽出液(すなわち緩衝液等)導入の共有ポート(5、6)を有する。脂肪組織導入ポートから処理容器に導入した脂肪組織に付着した血液等を除去するために、洗浄液導入ポート(3)より洗浄液を導入し、洗浄液排出・酵素処理液排出の共有ポート(4、7)から排出する。酵素水溶液を共有ポート(5、6)から導入した後、処理容器を37℃に加温し、反応を促進するために振盪を行なう。脂肪組織が流動性を有する液体へと分解されたら、細胞の回収率を高めるため抽出液導入の共有ポート(5、6)より、該酵素処理液の1〜30倍程度の抽出液(すなわち緩衝液等)、例えば生理食塩水を追加する。次に、内容物を1〜30分間静置させ層分離を行なう。上側が脂肪層、下側が水層となるのを吸光センサーで感知しながら、水層だけを洗浄液排出・酵素処理液排出の共有ポート(4、7)より移送する。
移送された酵素処理液を濾過器に通液し、不要な細胞片等を除去する。次に、導入速度調節器により導入速度をコントロールしながら、酵素処理液を細胞分離器の導入ポート(8)より導入、そして排出ポート(9)から排出する。そして、細胞分離材に溜まった不要物を除くために、洗浄液、例えば生理食塩水を導入ポート(8)より導入する。
次に、細胞分離器に捕捉された幹細胞を回収するため、細胞回収液導入ポート(10)から押圧装置を用いて細胞回収液を勢いよく導入、そして細胞回収液排出ポート(11)より排出する。幹細胞を含む細胞回収液は、細胞回収液導入ポート(12)を有する回収容器に導入される。
本発明の幹細胞は、上述の方法、好ましくは上述の装置を使用して実施される方法により採取される。このようにして採取される幹細胞は、従来の方法によって採取される幹細胞と比べて、赤血球、血小板、白血球、組織由来未分解物等の不要物の混入が少なく、細胞の純度が高い。また、細胞に悪影響を及ぼす可能性がある溶剤等を含まないので、ヒト細胞治療等に適した幹細胞又は幹細胞を含む細胞組成物の提供に適している。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
<処理容器>
脂肪組織を導入するポート、酵素を導入するポート、および脂肪組織の酵素処理液を排出するポートを有する透明な処理容器を用意した。体重3.5kgのウサギ(日本白色種)をケタラール/セラクタールの過剰投与にて安楽死させ、背側の皮下脂肪(白色脂肪)60グラムを採取した。この白色脂肪を手術用ハサミで細かく刻み、脂肪組織を導入するポートから処理容器へ導入した。次に、0.075w/v%コラゲナーゼ/リン酸塩緩衝液(pH=7.4)100mlを酵素導入ポートから処理容器へ導入し、37℃で振盪(30分間)を行い、脂肪組織を粘性液体へと分解した。この処理液にリン酸緩衝275mlを添加し、よく混和した後、10分間静置した。これにより脂肪層と水層へと層分離したので、脂肪層以外のすべての水層を酵素処理液排出ポートより移送した。
<細胞分離器>
脂肪層以外の酵素処理液の導入と排出を行なうポート、および細胞回収液の導入と排出を行なうポートを有する内径12mmの円筒状の容器に、細胞分離材として実施例1:ポリエステルとポリプロピレンからなる分割繊維不織布[K(目付け(g/m)/厚み(m))=1.1×10(73/(6.7×10−4))、繊維径=8±5μm、目開き=5〜50μm(短径〜長径、以下同様)]、実施例2:レーヨンとポリオレフィンからなる不織布[K(目付け(g/m)/厚み(m))=1.5×10(110/(7.3×10−4))、繊維径=15±9μm、目開き=5〜48μm]、実施例3:ポリエステルからなる不織布[K(目付け(g/m)/厚み(m))=5.9×10(200/(3.4×10−3))、繊維径=14±8μm、目開き=7〜100μm]、実施例4:ポリエステルからなる不織布[K(目付け(g/m)/厚み(m))=1.6×10(85/(5.3×10−4))、繊維径=12±2μm、目開き=10〜26μm]を充填した細胞分離器を用意した。酵素処理液の導入ポートより、酵素処理液8mlを0.5ml/minで細胞分離器へ導入した。次に同方向から細胞分離材体積の約6倍量の生理食塩液を同流速で流すことにより、細胞分離器内に存在する残存物(分解に使用した酵素、脂肪滴、赤血球、血小板等)の洗浄除去を行った。次に、細胞回収液の導入ポートよりシリンジで牛胎児血清15%を含む細胞回収液(α−MEM培地)4mlを勢いよく流すことにより、幹細胞を含む細胞画分を細胞分離材より離脱させた。
<回収容器:プラスチックボトル>
細胞分離器より排出された液を、細胞回収液導入ポートを配置したプラスチックボトルで回収した。前記回収された細胞回収液と、細胞分離器に導入する前の脂肪層以外の酵素処理液(水層)に含まれる赤血球数と血小板数を血球計測器(Sysmex社製KX−21NV)を用いて比較した。また、それら溶液に含まれる接着性細胞を、コロニー形成数を求める評価方法により比較した。コロニー形成は、前記回収されたすべての細胞回収液を遠心操作し、得られた細胞塊を4mlの培地に懸濁させ、そのうち10μlをφ100mmシャーレに播種し、培地とともに10間培養することで形成されるコロニーを数えることで実施した。それらの結果を表1〜3に示した。この結果、本発明の細胞分離装置を用いることにより、脂肪層以外の酵素処理液に含まれる接着性細胞の45%以上を捕捉・回収することができ、かつ、赤血球の大半を通過させることができることがわかった。従って、回収した細胞画分は、赤血球、血小板等の混入が少なく、高純度であることが分かった。ただし、表3では、細胞分離器に導入する前の脂肪層以外の酵素処理液(水層)から形成されるコロニー形成数を100%とした。
Figure 0005259929
Figure 0005259929
Figure 0005259929
<回収容器:培養容器>
細胞分離器より排出された液を、細胞回収液を導入するポートを配置した培養容器で回収し、そのまま5%CO、37℃インキュベーター中で培養した。
<脂肪への分化能の評価>
培養容器で回収した脂肪組織由来細胞を、増殖培地で数日間培養した。そこに脂肪への分化誘導を促す3種類の添加物(ハイドロコルチゾン:SIGMA、イソブチルメチルキサンチン:SIGMA、インドメタシン:SIGMA)をそれぞれ0.1μM、0.5mM、50μg/mlを添加し、脂肪分化誘導を行った。その結果、回収した脂肪組織由来細胞に脂肪滴の蓄積を認めた。従って、細胞分離装置を用いて採取した脂肪組織由来細胞は、脂肪への分化能を有する幹細胞であることが確認された。
<骨への分化能の評価>
培養容器で回収した脂肪組織由来細胞を、増殖培地で数日間培養した。そこに骨への分化誘導を促す3種類の添加物(β−グリセロリン酸:CALBIOCHEM、アスコルビン酸リン酸エステル:WAKO、デキサメサゾン:SIGMA)をそれぞれ10mM、50FL g/ml、100nMを添加し、骨分化誘導を行った。培地交換は3日置きに行い、2週間後に骨分化の指標であるアリザリンレッド染色を実施した。その結果、回収した脂肪組織由来細胞は陽性を示した。従って、細胞分離装置を用いて採取した脂肪組織由来細胞は、骨への分化能を有する幹細胞であることが確認された。
本発明の細胞分離装置、およびその方法を用いると、非開放系で簡単に、かつ純度よく脂肪組織由来幹細胞を採取することができるので、細胞医療、診断、実験等に用いる幹細胞を提供する装置、およびその方法として大変有用である。
本発明の細胞分離装置の構成の一例 本発明の細胞分離装置の構成の一例 自動運転制御装置で管理される本発明の細胞分離装置の構成の一例
符号の説明
1.脂肪組織導入ポート
2.バキューム装置用ポート
3.洗浄液導入ポート
4.洗浄液排出ポート
5.酵素導入ポート
6.緩衝液等追加用ポート
7.酵素処理液排出ポート
8.導入ポート
9.排出ポート
10.細胞回収液導入ポート
11.細胞回収液排出ポート
12.細胞回収液導入ポート
20.処理容器
30.濾過器
40.導入速度調節器
50.洗浄液容器
60.排液容器
70.細胞分離器
80.回収容器
90.押圧装置
100.流路切替コック
110.脂肪組織供給
120.酵素供給
130.抽出液供給
140.制御装置
150.配線

Claims (16)

  1. 次の(a1)、(b1)、(c)を有する、脂肪組織から幹細胞を採取する細胞分離装置:
    (a1)少なくとも、脂肪組織を導入するポート、酵素を導入するポート、および前記脂肪組織の前記酵素による処理液を排出するポートを配置した処理容器であって、導入された脂肪組織を酵素により処理することができる構造であり、かつ、該処理による処理液を層分離させた後に、赤血球及び血小板を含有する、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を、前記排出ポートより移送することができる構造である処理容器、
    (b1)少なくとも、前記処理液における脂肪層以外の酵素処理液を前記処理容器における前記排出ポートを経て導入を行なうポートと導入した酵素処理液の排出を行なうポート、および細胞回収液の導入を行なうポートと細胞回収液の排出を行なうポートを配置した細胞分離器であって、前記酵素処理液を導入することによってそれに含まれる幹細胞を捕捉し、赤血球及び血小板を通過することができ、次に細胞回収液を導入することで捕捉された幹細胞を細胞回収液とともに前記細胞回収液排出ポートから排出することができる細胞分離器であって、目付(g/m)/厚み(m)=Kが1.0×10≦K<2.0×10であり、平均短径5μm以上、かつ平均長径120μm以下の目開きの、繊維径3〜90μmの繊維からなる、不織布である細胞分離材を充填したものである細胞分離器、
    (c)少なくとも、前記細胞分離器における前記細胞回収液排出ポートを経て細胞回収液を導入するポートを配置した回収容器。
  2. 処理容器と細胞分離器とが、酵素処理液に含まれる組織片を除去する濾過器を介して接続された請求項1記載の装置。
  3. 処理容器と細胞分離器とが、酵素処理液の導入速度調節器を介して接続された請求項1又は2に記載の装置。
  4. 細胞分離材が、1本の繊維が異成分同士の合成高分子よりなる繊維からなるものであるか、異成分同士が剥離分割した分割繊維からなるものであるか、又は、成分の異なる合成高分子単独よりなる2種以上の繊維を複合化してなるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 細胞分離器が、ポリエステル及びポリプロピレンを組み合わせてなる繊維;又は、レーヨン及びポリオレフィンを組み合わせてなる繊維からなる細胞分離材を充填したものである請求項4記載の装置。
  6. 回収容器が、細胞回収液の収容が可能な容器、細胞培養が可能な容器、遠心操作が可能な容器、凍結保存が可能な容器、及び細胞回収液の量を減少させることが可能なフィルターを有する容器から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 細胞分離装置が、自動運転制御装置で管理される請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 次の(d)〜(f)の工程を有する、脂肪組織から幹細胞を採取する方法:
    (d)脂肪組織を分解酵素処理した後、酵素処理した液を静置により層分離させ、赤血球及び血小板を含有する、その脂肪層以外の酵素処理液を採液する工程、
    (e)前記採液された酵素処理液を導入することによってそれに含まれる幹細胞を捕捉し、赤血球及び血小板を通過することができ、次に細胞回収液を導入することで捕捉された幹細胞を細胞回収液とともに排出することができる細胞分離器であって、目付(g/m)/厚み(m)=Kが1.0×10≦K<2.0×10であり、平均短径5μm以上、かつ平均長径120μm以下の目開きの、繊維径3〜90μmの繊維からなる、不織布である細胞分離材を充填したものである細胞分離器を用いて、前記(d)工程で採液された酵素処理液から細胞回収液に幹細胞を回収する工程、
    (f)幹細胞を含む細胞回収液を処理する工程。
  9. 前記(e)工程で使用される前記細胞分離材が、1本の繊維が異成分同士の合成高分子よりなる繊維からなるものであるか、又は、異成分同士が剥離分割した分割繊維からなるものである請求項に記載の方法。
  10. 前記(d)工程と同時に、またはその後に、含まれる組織片を除去する工程を含む請求項8又は9のいずれかに記載の方法。
  11. 脂肪層以外の酵素処理液を細胞分離器に導入する際の速度を調節する工程を含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記(f)工程が、フィルターを用いて細胞回収液の液量を減少させる工程である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記(f)工程が、細胞回収液を凍結保存する工程である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記(f)工程が、細胞回収液を細胞培養する工程である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記(f)工程が、細胞回収液を遠心操作する工程である請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  16. 少なくとも一つの工程が、自動運転制御装置で管理される請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。
JP2006121260A 2006-04-25 2006-04-25 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法 Expired - Fee Related JP5259929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006121260A JP5259929B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006121260A JP5259929B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007289076A JP2007289076A (ja) 2007-11-08
JP5259929B2 true JP5259929B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=38760322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006121260A Expired - Fee Related JP5259929B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5259929B2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009038998A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Olympus Corp 細胞分離装置
JP2009137852A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Olympus Corp 生体組織洗浄装置
JP2009136169A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Olympus Corp 細胞処理装置および細胞処理方法
GB0800311D0 (en) * 2008-01-09 2008-02-20 Cytosystems Ltd Apparatus and method for filtering biological material
KR101013927B1 (ko) * 2008-06-12 2011-02-14 이희영 줄기세포 분리방법
JP2010088376A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Olympus Corp 細胞回収装置および脂肪由来細胞含有液
CA2766250C (en) * 2009-06-30 2018-08-14 Kaneka Corporation Blood component separation system and separation material
JP5606693B2 (ja) * 2009-06-30 2014-10-15 株式会社カネカ 液性油成分除去方法、細胞分離方法及び細胞分離キット
US8673639B2 (en) 2009-11-17 2014-03-18 Hee Young Lee Methods for isolating stem cells
JP5800797B2 (ja) * 2010-03-11 2015-10-28 株式会社カネカ 細胞濃縮・回収方法及び細胞回収液
WO2012002497A1 (ja) * 2010-07-01 2012-01-05 株式会社カネカ 細胞培養用ディスポセット、細胞培養装置及び細胞調製方法
US20130323712A1 (en) * 2010-11-25 2013-12-05 Kaneka Corporation Method and material for separating leukocytes or mononuclear cells
JP5975985B2 (ja) * 2011-04-11 2016-08-23 株式会社カネカ 単核球調製材、及び前記調製材を利用した単核球調製方法
PT2775928T (pt) * 2011-11-08 2019-05-30 Auxocell Laboratories Inc Sistemas e métodos para processar células
DE102015109148B3 (de) * 2015-06-10 2016-05-04 Human Med Ag Vorrichtung zum Separieren von regenerativen und adulten Stammzellen
WO2019059279A1 (ja) * 2017-09-20 2019-03-28 株式会社カネカ 細胞懸濁液を調製するためのデバイス、システム及び方法
WO2019059278A1 (ja) * 2017-09-20 2019-03-28 株式会社カネカ 生体組織からの細胞の分離回収方法
CN114308858A (zh) * 2020-09-29 2022-04-12 上海萨美细胞技术有限公司 一种脂肪处理装置
KR102431623B1 (ko) * 2021-12-17 2022-08-11 주식회사 프롬바이오 상하부 구조의 이중 웰을 이용한 지방 유래 줄기세포의 분리 방법

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH119270A (ja) * 1997-06-26 1999-01-19 Asahi Medical Co Ltd 有核細胞分離回収方法および有核細胞分離回収器
JP2003235542A (ja) * 2002-02-13 2003-08-26 Asahi Kasei Corp フィルター装置
WO2005011569A2 (en) * 2003-06-18 2005-02-10 Macropore Biosurgery Inc. Methods of using adipose tissue-derived cells in augmenting autologous fat transfer
WO2005090550A1 (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Biomaster, Inc. 幹細胞の増殖法
ES2602559T3 (es) * 2004-03-19 2017-02-21 Cytori Therapeutics, Inc. Soporte celular y dispositivos de contención de soporte celular que contienen células regenerativas
JP2005287479A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Kazuhisa Maeda 組織幹細胞採取方法及びそれを利用した装置
WO2006014156A1 (en) * 2004-07-02 2006-02-09 Macropore Biosurgery, Inc. Systems and methods for isolating and using clinically safe adipose derived regenerative cells

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007289076A (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5259929B2 (ja) 脂肪組織から幹細胞を採取するのに適した細胞分離装置、およびその方法
JP5117859B2 (ja) 幹細胞の分離材および分離方法
US9453200B2 (en) Apparatus and methods for cell isolation
JP5821847B2 (ja) 細胞培養用ディスポセット、細胞培養装置及び細胞調製方法
EP2550357B1 (en) Cell-culture-bag
US20180002663A1 (en) Method and material for separating leukocytes or mononuclear cells
JP5515133B2 (ja) 骨再生組成物製造器具
AU2011250989A1 (en) Cell-culture-bag
JP5155530B2 (ja) 成体幹細胞分離・培養システム
JP5800797B2 (ja) 細胞濃縮・回収方法及び細胞回収液
JP2008086235A (ja) 細胞回収方法及び細胞回収フィルター
JP2011010581A (ja) 幹細胞分離材、幹細胞分離フィルター、及び該分離材または該分離フィルターを用いた幹細胞分離方法、幹細胞回収方法
JP2012210187A (ja) 細胞懸濁液の濃縮方法
EP3271454B1 (en) System and method for providing isolated concentrated multipotent stromal cells for administration
JP5021936B2 (ja) 脂肪組織の酵素処理液から有核細胞を採取する方法
JP2009102049A (ja) 細胞含有組成物調製容器、および該細胞含有組成物調製容器を備えた細胞含有組成物製造器具
JP2013034436A (ja) 細胞懸濁液の濃縮方法
JP6169972B2 (ja) 幹細胞分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5259929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees