JP5021936B2 - 脂肪組織の酵素処理液から有核細胞を採取する方法 - Google Patents

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本発明は、脂肪組織を酵素で分解した処理液に含まれる有核細胞を、遠心分離操作を必要とせずに効率よく脂肪層から水層へと移行させる方法に関する。
近年、脂肪組織に含まれる有核細胞の少なくとも一部は生体組織幹細胞であり、それらは成熟脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞等、様々な細胞へと分化可能であることが分かってきた(非特許文献1)。このような多分化能を有する脂肪由来生体組織幹細胞を効率良く分離・採取する方法は、再生医療発展の見地から極めて重要であり、骨疾患、軟骨疾患、虚血性疾患、組織陥没症、心不全、神経系疾患、血管系疾患、免疫不全、クローン病、組織増大術、美容成形等における新しい医療となる可能性を秘めている。
脂肪由来の生体組織幹細胞を分離・採取する方法として、一般的には消化酵素で組織を分解し、遠心分離により細胞塊を得る方法が汎用されている(非特許文献1)。例えば、Hedrickらは、脂肪組織を分解し、細胞を遠心分離により濃縮する装置(特許文献1)や、自動装置を用いて組織から幹細胞を遠心分離・濃縮する装置(特許文献2)などを開示している。吉村らは、脂肪吸引時に生ずる水溶液層から密度勾配遠心方法、もしくはASTEC204(AMCO社製)を用いて脂肪組織由来の幹細胞を採取する方法(特許文献3)や、Ficollなど種々の遠心分離操作を用いて回収する方法(特許文献4)を開示している。畑中は、生体由来材料から遊離させた細胞懸濁液を密度勾配遠心した後、フィルターに通過させて特定型群を捕捉し、回収する方法を開示している(特許文献5)。
しかしながら、上記の回収方法では掛かる問題も多く、例えば、遠心分離による回収方法では、脂肪由来有核細胞以外の夾雑物、例えば赤血球、血小板、組織由来コラーゲン等の不溶物が混入してしまい、細胞の純度という点において問題が生ずる。また、密度勾配遠心による回収方法では、Ficoll等の使用する溶剤が細胞に悪影響を及ぼす可能性を否定できない。
WO 2003/053346 WO 2005/012480 WO 2005/042730 WO 2005/035738 特開2003-319775 田畑泰彦、ここまで進んだ再生医療の実際(2003年)
脂肪組織を酵素を用いてコラーゲン等の組織を分解した液は、自然放置することにより、脂肪層と水層へと分離することは、周知の事実である。しかしながら、脂肪組織に含まれる有核細胞が分離後にどちらの層に多く分布するかは知られていない。従来、上述したように、脂肪組織を分解した処理液から、有核細胞を遠心分離操作により沈降させ、細胞塊を得るという方法が主流であり、どちらの層に細胞が多く分布しても、遠心分離操作により大半の細胞が沈降するので、その分布は重要ではなかった。
しかしながら、遠心分離操作を行なわずに、脂肪組織に含まれる有核細胞を採取する目的においては、脂肪層からの有核細胞分離が困難であるため、水層にどれだけ多くの有核細胞が存在するかが大変重要であり、これを解明することで有核細胞ないし生体組織幹細胞の採取量を大幅に向上させることが可能となる。本発明の目的は、脂肪組織を酵素で分解した処理液に含まれる有核細胞を、遠心分離操作をせずに効率よく脂肪層から水層へと移行させることにより、有核細胞を高収量で回収する方法を提供することにある。
一般的には、水層−脂層のような分離した状態から特定の物を抽出する工程においては、物が親水性であれば水層へ、疎水性であれば脂層へと移行する。また、物の密度が相対的に重ければ水層へ、軽ければ脂層へと移行する。しかしながら、発明者らは、鋭意検討の結果、脂肪組織を酵素で分解した処理液に含まれる有核細胞はどちらかの層に偏って分布しているのではなく、おおよそ単純拡散していることを見出し、脂肪組織に対する水溶液量をある一定の値以上にすることで、酵素処理後の水層に含まれる有核細胞の割合が非常に高くなり、結果として細胞分離器による目的細胞の採取量が高まることを見出し、本発明に至った。
よって、本発明が提供するのは以下の通りである。
〔1〕 脂肪組織を、下記式のS値が1を超える条件で酵素処理し、かつ、その後遠心分離操作を実施しないことを特徴とする、脂肪組織より有核細胞を分離・採取する方法。
S = 酵素処理時に添加した水溶液の重量(g)/脂肪組織の重量(g)
〔2〕 酵素処理して得られる水層を、細胞分離器に通液し、有核細胞を捕捉後回収することを特徴とする〔1〕記載の方法。
〔3〕 細胞分離器が、不織布または多孔質体を充填したものである〔2〕記載の方法。
〔4〕 有核細胞が、生体組織幹細胞である〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の方法。
本発明の脂肪組織から有核細胞を採取する方法を用いると、遠心分離操作を必要とせずに、簡単に、かつ効率よく有核細胞を脂肪層から水層へと移行させることができるので、有核細胞を採取する方法として、または、細胞分離器を用いてそれらを捕捉・回収する際の前処理として大変便利である。
本発明の詳細を次に記す。
本発明における脂肪組織とは、哺乳動物の脂肪組織であれば特に限定はなく、例えば、ヒト由来の皮下脂肪、内臓脂肪、白色脂肪、褐色脂肪である。ここでいう脂肪組織は、任意の形状であってよく、例えば、脂肪組織をハサミ等の鋭利な器具を用いて破砕したもの、濾し器等を用いてミンチ状にしたもの、脂肪吸引法を用いて分解したものを意味する。ここでいう脂肪吸引法とは、一般的な美容成形外科で行なわれている吸引法であれば何でも良く、例えば、超音波脂肪吸引、カニューレ等を用いたパワードリポサクション、シリンジ吸引等による方法である。
本発明における有核細胞とは、細胞内に核を有する細胞である。具体的には、生体組織幹細胞、白血球、単球、顆粒球、リンパ球、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、周細胞等、細胞治療や実験等の目的で採取が必要とされる細胞を意味する。ここでいう生体組織幹細胞とは、多分化能を有する細胞を意味する。好ましくは、脂肪由来間葉系幹細胞、脂肪由来間質幹細胞であり、より好ましくは細胞表面のCD34、73、90、105、106、133、166から選ばれる少なくとも一つを発現している脂肪由来間葉系細胞、脂肪由来間質幹細胞である。ここでいう、多分化能を有するとは、成熟脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、筋芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞、膵臓のβ細胞等のいずれか一つ以上へと分化可能な細胞を意味する。
本発明における酵素処理とは、コラゲナーゼ、メタロプロテアーゼ、ディスパーゼ、トリプシン、ヒアルロニダーゼ、キモトリプシン、ペプシン、アミノペプチダーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、又はそれらのリコンビナントから選ばれる少なくとも1種類の分解酵素を用いて、任意の濃度、温度、時間で、脂肪組織を分解させることを意味する。脂肪組織を短時間に、かつ低侵襲で分解するという観点から、コラゲナーゼ、メタロプロテアーゼ、ディスパーゼ、トリプシン、ヒアルロニダーゼで処理するのが好ましい。本発明の酵素処理においては、通常、上記分解酵素は、水溶液として使用される。ここでいう水溶液とは、細胞に損傷を与えないものであれば特に限定はなく、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝液、ブドウ糖液、リンゲル液、ハンクス液、注射溶液、培地、等張液等であってよい。
本発明においては、脂肪組織を酵素処理する工程において、下記式のS値が1を超える条件で処理を行うことが必要である。

S = 酵素処理時に添加した水溶液の重量(g)/脂肪組織の重量(g)

ここで、脂肪組織の重量は、秤量により求めることが可能である。形状等の理由で秤量することが困難な場合は、予め脂肪組織の重量と体積についての関係式を求めておき、必要時にその体積から、重量を求めてもよい。酵素処理時に添加した水溶液の重量は、脂肪組織の酵素反応時に使用した水溶液と、必要に応じて酵素反応後に添加した水溶液の合計重量であり、秤量ないし体積から求めることができる。すなわち、本発明における「酵素処理時」とは、脂肪組織の酵素による分解反応時だけでなく、その反応後であっても自然分液を行うまでの間を酵素処理時と見なす。
例えば、脂肪組織10gを酵素含有生理食塩水20gで分解し、そのまま自然分液させた場合のS値は、20g/10g=2となる。また、脂肪組織10gを酵素含有生理食塩水10gで分解し、その後食塩水をさらに10g添加・混合した後にそのまま自然分液させた場合のS値も、(10+10)g/10g=2となる。超音波脂肪吸引により脂肪組織を10ml(≒10g)採取し、その際に生理食塩水30ml(≒30g)を用いて混和物を得た場合のS値は、30g/10g=3となる。
上述したように、S値は、脂肪組織の酵素分解処理時において、使用する酵素水溶液と、必要に応じてその後添加する水溶液の量を調整することで、1を超える条件とすることが出来る。さらに本発明においては、上記S値は2を超える条件とするのがより好ましい。
本発明においては、脂肪組織の酵素処理を上記条件で行うことにより、酵素処理後自然分液して得られる水層中の有核細胞の割合を高めることが出来る。また、自然分液後の水層には必要量の有核細胞が含まれているため、その後の遠心分離操作は不要である。
本発明における自然分液とは、遠心分離操作を用いずに、酵素処理後に、常温、常圧下で数秒から数時間の自然放置により脂肪層と水層へと分離することを意味する。具体的には、疎水性で相対的に密度の軽い脂肪を含む脂肪層が上側、密度の重い水溶液が下側となる分離状態を意味する。
本発明においては、上記酵素処理して得られる水層を、目的とする有核細胞の純度を高めるため、さらに、細胞分離器に通液し、有核細胞を捕捉後回収するのが好ましい。ここでいう目的とする有核細胞とは、細胞治療や実験等の目的で採取が必要とされる細胞であり、例えば、生体組織幹細胞である。
本発明における細胞分離器とは、遠心分離操作を必要とせずに、目的とする有核細胞が採取できる分離器であれば特に限定はないが、例えば、脂肪組織の酵素処理液から得られる水層を導入した場合に、目的とする有核細胞を捕捉し、かつ回収できる分離器である。好ましくは、不織布、連通孔を有する多孔質体、繊維の集合体、織物、細胞捕捉フィルター等の充填材を充填した分離器である。好ましい充填材としては不織布または多孔質体である。また、必要に応じて、上記充填材に目的細胞と選択的に結合できる抗体やリガンド等を固定させた分離器であってもよい。ここでいう導入とは、脂肪組織を含む処理液から採取した水層を、任意の速度、温度、圧力、量で細胞分離器へ通液することを意味し、目的とする有核細胞は捕捉されるが、それ以外の不要物、例えば、赤血球、血小板、脂肪滴、コラーゲン等の不溶性残渣等はそのまま通過することを指す。なお、細胞分離器への導入前に、水層から有核細胞より大きい不要物を除くためにフィルター等に通しても良い。フィルター等とは、メッシュ、綿、不織布、多孔質体、濾し器等である。不要物とは、脂肪組織由来の不溶性繊維、不溶性膜成分、非分解性物等である。ここでいう回収とは、細胞分離器に捕捉された有核細胞を、水溶液等を用いて物理的に離脱させることを意味しており、例えば、有核細胞を捕捉させた細胞分離器に、処理液導入方向とは逆の方向から勢いよく水溶液等を通液させて細胞を離脱させることである。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
S値=2の場合(脂肪組織の処理に用いた酵素水溶液の重量24g/脂肪組織の重量12g)
体重3.5kgのウサギ(日本白色種)をケタラール/セラクタールの過剰投与にて安楽死させ、背側の皮下脂肪を採取した。この皮下脂肪12gを手術用ハサミで破砕し、0.075w/v%コラゲナーゼを含むリン酸塩緩衝液(pH=7.4)24gと共に、37℃で1時間振盪した。この操作により皮下脂肪は分解され、流動性を有する粘性液体となった。この酵素処理液を室温で10分間、自然放置することにより2層(上側:脂肪層、下側:水層)へと分離させた後、それぞれを採液した。この脂肪層と水層に含まれる有核細胞数を血球計算盤により求めたところ、脂肪層に3.46×10cells、水層に3.36×10cellsの有核細胞が分布していること分かった(表1)。
この水層を、出入口を供えた内径12mmの円筒状ポリプロピレン製容器に、細胞分離材としてレーヨンとポリオレフィンからなる不織布[目付け=110g/m、厚み=7.3×10−4m、繊維径=15±9μm、目開き=5〜48μm(平均短径〜平均長径)]をカラムに充填した細胞分離器に0.5ml/minの流速で通液した。次に、同方向から生理食塩液2.5mlを同流速で流すことにより、分離器内に存在する不要物の洗浄除去を行った後、牛胎児血清15%を含む細胞培養液(α−MEM培地)8mlを、酵素処理液を流した方向と逆方向から勢いよく流すことにより、捕捉された有核細胞を回収した。その結果、通液した総有核細胞の約8割を回収することができた。
上記方法にて回収した有核細胞を増殖培地で数日間、5%CO、37℃インキュベーター中で培養した。そこに脂肪への分化誘導を促す3種類の添加物(ハイドロコルチゾン:SIGMA、イソブチルメチルキサンチン:SIGMA、インドメタシン:SIGMA)をそれぞれ0.1μM、0.5mM、50μg/mlを添加し、脂肪分化誘導を行った。その結果、分化誘導を行った細胞には脂肪滴の蓄積が観察されたので、回収した有核細胞には、脂肪細胞に分化可能な細胞が含まれていたことが明らかとなった。
同様に、骨への分化誘導を促す3種類の添加物(β−グリセロリン酸:CALBIOCHEM、アスコルビン酸リン酸エステル:WAKO、デキサメサゾン:SIGMA)をそれぞれ10mM、50FL g/ml、100nMを添加し、骨分化誘導を行った。培地交換は3日置きに行い、2週間後に骨分化の指標であるアリザリンレッド染色を実施した。その結果、陽性反応が生じたので、回収した有核細胞には、骨細胞に分化可能な細胞が含まれていたことが明らかとなった。
(実施例2)
S値=4の場合(脂肪組織の処理に用いた酵素水溶液の重量48g/脂肪組織の重量12g)
実施例1と同様な方法で、皮下脂肪12gをコラゲナーゼ含有リン酸塩緩衝液(pH=7.4)24gで分解し、自然放置により2層へと分離させた後、それぞれを採液した。それらに含まれる有核細胞数を血球計算盤により求めたところ、脂肪層に1.11×10cells、水層に5.07×10cellsの有核細胞が存在していた(表1)。この水層を実施例1と同様な方法で細胞分離器へ通液し、捕捉された細胞を回収したところ、通液した総有核細胞の約8割を回収することができた。
(実施例3)
S値=6の場合(脂肪組織の処理に用いた酵素水溶液の重量72g/脂肪組織の重量12g)
実施例1と同様な方法で、皮下脂肪12gをコラゲナーゼ含有リン酸塩緩衝液(pH=7.4)72gで分解し、自然放置により2層へと分離させた後、それぞれを採液した。それらに含まれる有核細胞数を血球計算盤により求めたところ、脂肪層に0.95×10 cells、水層に7.15×10 cellsの有核細胞が存在していた(表1)。この水層を実施例1と同様な方法で細胞分離器へ通液し、捕捉された細胞を回収したところ、通液した総有核細胞の約8割を回収することができた。
(比較例1)
S値=1の場合(脂肪組織の処理に用いた酵素水溶液の重量12g/脂肪組織の重量12g)
実施例1と同様な方法で、皮下脂肪12gをコラゲナーゼ含有リン酸塩緩衝液(pH=7.4)12gで分解し、自然放置により2層へと分離させた後、それぞれを採液した。それらに含まれる有核細胞数を血球計算盤により求めたところ、脂肪層に9.94×10cells、水層に2.35×10cellsの有核細胞が存在していた(表1)。この水層を実施例1と同様な方法で細胞分離器へ通液し、捕捉された細胞を回収したところ、通液した総有核細胞の約8割を回収することができた。しかしながら、脂肪層に存在する有核細胞数が多く、水層に存在する細胞数が少ないため、結果として分離工程での損失が大きく、大変非効率であることが判明した。
実施例1〜3、および比較例1に示した各層に含まれる有核細胞の分布、および水層に存在する有核細胞の割合を表1にまとめた。このように、S値で1を超えるように脂肪組織を含む処理液を調製し自然分液させることで、より多くの有核細胞を含む水層が採取可能となり、続く細胞分離器を用いた捕捉・回収工程で、高い収量を得られることが分かった。なお、水層と脂肪層に含まれる細胞数の合計が、実施例1〜3と比較例1で一致しないのは、使用した脂肪組織が均一でなく、含まれる細胞数が固体差や部位により異なるためである。
Figure 0005021936
本発明の脂肪組織から有核細胞を採取する方法を用いると、遠心分離操作を必要とせずに、簡単に、かつ効率よく有核細胞を脂肪層から水層へと移行させることができるので、有核細胞を採取する方法として、または、細胞分離器を用いてそれらを捕捉・回収する際の前処理方法として大変便利である。従って、再生医療、細胞医療、診断、実験等に用いる細胞を提供する方法として大変有用である。

Claims (3)

  1. 脂肪組織を、下記式のS値が1を超える条件で酵素処理し、かつ、その後遠心分離操作を実施せずに、自然放置により脂肪層と水層へと分離させ、自然分液後の水層を、細胞分離器に通液し、有核細胞を捕捉後回収することを特徴とする、脂肪組織より有核細胞を分離・採取する方法。
    S = 酵素処理時に添加した水溶液の重量(g)/脂肪組織の重量(g)
  2. 細胞分離器が、不織布または多孔質体を充填したものである請求項記載の方法。
  3. 有核細胞が、生体組織幹細胞である請求項1または2記載の方法。
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