JP5453629B2 - 遠心用袋状容器を使用した遺伝子導入方法 - Google Patents
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Description
部内に収容されて、内部に収容した分散液に遠心処理が施される袋状容
器であって、遠心時に破袋または破損しにくい前記遠心用袋状容器を使
用した遺伝子導入方法に関する。さらに詳しくは、遠心分離機のアダプ
ターの床面と平行に袋状容器の容器壁面を配置して、容器壁面に垂直な
遠心力がかかるように遠心する時に破袋または破損しにくい遠心用袋状
容器を使用した遺伝子導入方法に関する。
に、袋状容器が使用されている。例えば、点滴用容器として、患者に点
滴するための薬液を収容した袋状容器である、いわゆる、ソフトバッグ
が用いられている。また、少なくとも一つの隔壁を有する一つの袋状容
器の中に2種類以上の薬液を隔離して封入し、使用直前に隔壁を破壊し
て当該薬液を混合してから患者に点滴できるようにした袋状容器である、
いわゆる、ダブルバッグが用いられている。さらに、採取した血液を成
分ごとに複数の容器に分離して収容させて、別の症例の患者に当該成分
を投与することができるようにした複数の袋状容器からなる血液バッグ
も用いられてきている。
溶解液を取り扱う上で採用されている。
その理由は、一般に、袋状の容器は、内容液の量によって内容積が変
えられるので、内容液を充填したり、排出したりする時に、容器内の空
気を排出したり、容器内に空気を供給したりして、内溶液の充填及び排
出を促進させる必要があるが、上述したような容器にあっては、付属の
ポートを介して、または、そのポートに連結されたチューブ等を介して、
内容液を充填・排出することができるという特徴を持っているからであ
る。この特徴は、前記の操作を内溶液が外気に触れずに実行すること、
すなわち、外気からの微生物等により内容液が汚染されることなく前記
操作を実施することを可能にする、所謂、クローズドシステム化を容易
にするので、この種の容器は、無菌的に、採取、製造された液状の医薬
品を取り扱う容器として適している。
採用することが好ましい場合が多く、無菌性が要求され、かつ、遠心操
作を必要とする容器についても袋状容器が採用されている。前記血液バ
ッグはその一例である。
すなわち、分散媒である血漿に、分散質である赤血球、白血球、血小
板等が分散した分散液である血液が充填された袋状容器である血液バッ
グは、容器ごと遠心機にかけられて、赤血球、白血球、血小板、血漿等
の成分別に分離され、別々の袋状容器に移送・充填され、成分別に複数
の患者に投与される。
床面積の狭い縦長の遠心カップに、分散液である血液の入った袋状容器
を、ポート側を上に、ボトム側を下に向けて設置し、遠心される。
このような場合には、遠心力により分散液の表面に形成される液面よ
り下に位置する容器壁は、遠心アダプターの内面に密着し、それ以上、
外側に膨らむことがなく、結果として、容器壁に、壁面に沿った張力が
発生することが少なく、遠心による破袋、ピンホール等は容易には発生
しない。
って、遠心する目的が、単に分散液の各成分を分離することだけではな
い場合、例えば、標的細胞に遺伝子を導入する場合には、遠心により、
分散質である標的細胞またはベクターが容器床面に均一に分散するよう
に沈降させて、標的細胞とベクターとが相互に接触し易い環境を提供す
ることによって、遺伝子導入効率を向上させることが行なわれているが
(例えば、特許文献1及び2)、床面積が狭いと、遠心時または接触時
に標的細胞同士が重なってしまい標的細胞とベクターとの接触効率が悪
くなり、遺伝子導入効率が落ちてしまうので、標的細胞が床面に重なら
ずに均一かつ散在した状態で存在できるように床面積を広く取る必要が
ある。
パク質をコーティングした床面上で行うことにより、標的細胞とベクタ
ーとの接触効率を向上させ、さらに、遺伝子導入効率を向上させること
ができる。この場合においても、標的細胞が重なってしまうと、タンパ
ク質がコーティングされた床面との接触が出来ない細胞が現われ、遺伝
子導入効率が下がることになるので、やはり、標的細胞が床面に重なら
ずに分散するように床面積を広く取る必要がある。
広い床面積を有する遠心機のアダプター上に寝かせて、すなわち、同ア
ダプターの床面と平行に袋状容器の容器壁面を配置して、容器壁面に垂
直な遠心力がかかるようにして遠心する操作が行なわれる。
当然のことながら、袋状容器の容器壁面に標的細胞及びベクターの両
方に親和性の高いタンパク質をコーティングした場合には、タンパク質
がコーティングされた袋状容器の容器壁面が、遠心時の床面になるよう
に配置することになる。
る遠心力は、圧力に変換されて、一方では、袋状容器の容器壁を床面に
垂直な方向に膨らませようとする力を発生するものの、アダプターの床
面に遮られて床面に垂直な方向に袋状容器の容器壁を膨らませることは
できないが、もう一方では、床面と平行方向に膨らませようとする力も
発生させ、袋状容器の両サイドが圧力負荷に晒されるようになる。通常、
この部分は、袋状容器のシール部にあたり、シール剥離またはシ―ル際
の破損により、破袋の原因になり易い。特に、異材質より成る容器壁同
士をシールした場合のように弱いシール強度しか得られないような場合
には、さらに、破袋し易くなる。
る細胞を収容している袋状容器においては、床面の容器壁を形成する素
材と天井の容器壁を形成する素材を変えることによって、より培養性能
を向上させることができる場合があり、この場合、異なる素材をシール
することになるため、必ずしも、シール強度の強いシールが得られると
は限らない。
例えば、床面の容器壁を構成する素材として細胞に対して親和性のあ
る素材を選定し、天井の容器壁を構成する素材としてガス透過性のある
素材を採用するような場合がこれに当る。
物汚染を起こさないクローズドシステム化が可能で、取扱いが容易な遠
心用袋状容器を使用した遺伝子導入方法を提供することにある。
ターの床面と平行に容器壁面を配置して、容器壁面に垂直な遠心力がか
かるように遠心しても、容易には、破袋しない遠心用袋状容器を使用し
た遺伝子導入方法を提供することにある。
した分散質同士が容易には重ならない程度に広い床面積を有する遠心用
袋状容器を使用した遺伝子導入方法を提供することにある。
降した分散質を倒立顕微鏡で容易に観察できる遠心用袋状容器を使用し
た遺伝子導入方法を提供することにある。
標的細胞に遺伝子を効率よく導入することができる遠心用袋状容器を使
用した遺伝子導入方法を提供することにある。
となく、そのまま培養可能な増殖効率の良い、遠心用袋状容器を使用し
た遺伝子導入方法を提供することにある。
遠心機に装着された凹部を備えたアダプターの前記凹部内に収容されて、
内部に収容した分散液に遠心処理が施される遠心用袋状容器を使用する
ものであって、
前記アダプターの凹部に収容可能に形成された凹部と該凹部の開口面
周縁に形成されたフランジ状部とを有する第一の容器壁と、周縁部が前
記第一の容器壁のフランジ状部と互いにシールされて、前記凹部と協働
して前記分散液の収納空間を構成している柔軟性を有する第二の容器壁
とにより構成された本体と、
前記収納空間に連通するように前記本体に装着されたポートと、を有
し、
遠心時に前記第一の容器壁の凹部が前記アダプターの凹部に収容され
て前記第一の容器壁のフランジ部が前記アダプターの凹部の開口面周縁
に位置するよう構成されるとともに、前記第一の容器壁の凹部の底面に
対して垂直な遠心力がかかるように構成された遠心用袋状容器を準備す
る工程と、
ベクターが分散質として分散された分散液を前記収納空間内に収容す
る第一の工程と、
前記遠心用袋状容器の前記凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかる
ように前記遠心用袋状容器を、前記アダプターを介して遠心機にセット
する第二の工程と、
前記分散液に遠心力を付加する第三の工程と、
前記第三の工程において付加された遠心力によって、前記ベクターが
前記第一の容器壁の凹部の底面にコートされたベクターを保持しうる物
質に付着又は固定された後、前記ベクターと接触させるように標的細胞
を前記収納空間内に収容する第四の工程と、
を含んでいることを特徴とする。
の容器壁の凹部がアダプターの凹部に収容されて第一の容器壁のフラン
ジ部が前記アダプターの凹部の開口面周縁に位置するよう構成されてい
るので、遠心時に遠心力が垂直にかかる第一の容器壁の凹部の底面の面
積を広くすることを可能にし、遠心時に沈降する分散液中の分散質が、
容器内の特定の場所に集中しないように、すなわち、広く容器の底面に
分散して沈降するようにすると共に、遠心時に分散液中に生じる圧力に
よって、強度の弱いシール際に、過大な圧力が付加されることがないよ
うにしたものである。
に説明する。
遠心時に遠心力は前記第一の容器壁の凹部の底面に垂直方向にかかる
ので、凹部内の分散液は、前記フランジ状部を越えて流れ出ない。すな
わち、凹部内に収容された分散液は、フランジ状部に設けられたシール
際に、これを破壊するような影響を与えることがない。
の容量を越えることにより生じるが、この圧力は、遠心時の液面からシ
ール際までの深さに比例するので、シール際が遠心時の液面よりも低位
に位置し、さらには底面と同じ深さに位置する可能性の高い一般の袋状
容器に比べて、本発明で使用する袋状容器では、シール際にかかる圧力
を著しく低減させることができる。
なお、シール際に、影響を与えないようにするには、分散液の量を凹
部の容量より少ない容量にすればよい。なお、遠心時に分散液の表面に
形成される曲面により、分散液がシール際まで溢れ出る場合には、分散
液がシール際まで流れ出さないようにするために、フランジ状部を覆う
押さえ板を使用することができる。押さえ板はプラスチック製のものが
好ましい。
その樹脂は硬質であっても、軟質であってもよく、一般の樹脂を使用す
ることができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
シクロオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、及
びそれらのポリマー構成を含む共重合樹脂または混合物の中から選定さ
れる。また、第一の容器壁を、上記樹脂を複合した複合シートで形成し
ても良い。ここでいう複合シートとは、樹脂混合物からなるシート、ラ
ミネートフィルム、樹脂コーティングされた樹脂フィルム、樹脂印刷が
施された樹脂フィルム等複数の樹脂からなるシートを言う。
与えにくい樹脂なので、前記第一の容器壁の内側面の少なくとも一部が
シクロオレフィン樹脂にて形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る方法で使用する袋状容器が容器内に収容された分
散液の観察を必要とする用途に使用される場合には、特に、分散液を倒
立顕微鏡で観察する用途に使用される場合には、少なくとも前記凹部の
底面は透明であることが好ましい。
さらに、柔軟性を有する第二の容器壁を構成する材料としては、柔軟
性のある樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピン系樹脂、シ
クロオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリブタジェン系樹脂、及び
それらのポリマー構成を含む共重合樹脂または混合物の中から、柔軟性、
ガス透過性等を考慮して選定される。また、第一の容器壁と同様に第二
の容器壁も、上記樹脂を複合した複合シートで形成しても良い。
ば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シクロオレフィン系
樹脂、スチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、及びそれらのポリマー
構成を含む共重合樹脂または混合物の中から、第一の容器壁及び第二の
容器壁との接着性または密着性を考慮して選定される。
培養または遺伝子導入等に関係する、生きている細胞を含んでいるよう
な場合には、前記第一及び第二の容器壁の少なくとも一方が、ガス透過
性を有していることが好ましい。
なお、前記第一の容器壁の凹部の深さは3mm以上であることが好ま
しい。3mm以下の場合、容器の大きさに比べて容量が少なすぎて効率
が著しく悪い等の問題があり好ましくない。
ここで、遠心力が底面に垂直にかかるとは、必ずしも、底面全体にわ
たって遠心力が垂直にかかることを意味するものではなく、少なくとも、
底面の主要部または中心部並びにその近傍の一部に遠心力が垂直にかか
ることを意味する。
積を確保しつつ、空気の出入り無しに分散液が容器内に流入または流出
できる程度に変形可能な容器壁の追従性を意味する。この追従性は、単
に、容器壁を形成する材料の物理的数値によって決まるのではなく、容
器形態、容器内に存在する空気量等によっても変わるので、一概に、容
器壁を形成する材料の物理的数値で制限することは適切ではない。
な量の空気が存在する状況下で、分散液が落差程度の圧力、例えば、5
0cm水柱程度の圧力で、必要量の分散液が、ほぼ全て流入または流出
することを可能にする程度の柔軟性を有すれば良い。
なお、前記の性能は、一方の容器壁のみの性能に限られるものではな
く、対面するもう一方の容器壁の柔軟性からの影響も受けるので、一方
の容器壁の柔軟性を判断する上で、他方の柔軟性も考慮し、総合的に判
断されるべきである。
寸法と略同等または若干大きめであるとよい。
た特徴及び性能を有する遠心用袋状容器に、ベクターが分散された分散
液を収容空間内に収容し、凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかるよ
うに袋状容器を遠心機にセットして、分散液に遠心力を付加して遺伝子
導入効率を上げようとするものである。
ベクターを保持しうる物質に付着せしめることができるため、例えば分
散媒の排出によってベクターを含有する分散液に混入している遺伝子導
入を阻害する成分を除去することも可能となり、遺伝子導入効率の向上
に有用である。
たアダプターの前記凹部内に収容されて、内部に収容した分散液に遠心
処理が施される遠心用袋状容器を用いた遺伝子導入方法であって、
前記アダプターの凹部に収容可能に形成された凹部と該凹部の開口面
周縁に形成されたフランジ状部とを有する第一の容器壁と、周縁部が前
記第一の容器壁のフランジ状部と互いにシールされて、前記凹部と協働
して分散液の収納空間を構成している柔軟性を有する第二の容器壁とに
より構成された本体と、
前記収納空間に連通するように前記本体に装着されたポートと、を有
し、
前記第一の容器壁の凹部の底面にはベクターを保持しうる物質がコー
トされており、
遠心時に前記第一の容器壁の凹部が前記アダプターの凹部に収容され
て前記第一の容器壁のフランジ部が前記アダプターの凹部の開口面周縁
に位置するよう構成されるとともに、前記第一の容器壁の凹部の底面に
対して垂直な遠心力がかかるように構成された遠心用袋状容器を準備す
る工程と、
ベクター及び標的細胞が分散質として分散された分散液を前記収納空
間内に収容する第一の工程と、
前記遠心用袋状容器の前記凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかる
ように前記遠心用袋状容器を、前記アダプターを介して遠心機にセット
する第二の工程と、
前記分散液に遠心力を付加する第三の工程と、
を含んでいることを特徴とする。
の容器壁の凹部の底面に、ベクターおよび/または標的細胞を保持しう
る物質がコートされていることを特徴とする。
請求項3に記載の遺伝子導入方法によっては、前記第一の容器壁の凹
部の底面に、ベクターおよび/または標的細胞を接着し易い物質をコー
トすることにより、ベクターと標的細胞の接触の頻度を増加させ、効率
よく遺伝子導入を図るようにできる。
ては、細胞外マトリックスを構成する成分、その誘導体、または、その
フラグメントが例示され、好適には、フィブロネクチン、ラミニン、コ
ラーゲン、ブロテオグリカン又はそれらのフラグメントである。さらに、
ポリリジンやDEAE−デキストランのようなウィルス親和性物質、抗
ウィルス抗体、抗標的細胞抗体を使用することもできる。前記の核物質
はそれぞれ単独で使用してもよく、複数のものを混合して使用してもよ
い。
なお、前記フラグメントとして、フィブロネクチンフラグメントであ
るCH−296(レトロネクチン(商品名)、タカラバイオ社製)を用
いれば、特にレトロウィルスベクターを使用した場合に効率のよい遺伝
子導入が可能となる。
スとして、以下のケースが例示される。
1.前記遠心用袋状容器に被収容物としてベクターを収容して遠心し、
次に、標的細胞を収容するケース。
2.前記遠心用袋状容器に被収容物としてベクターを収容して遠心し、
次に、標的細胞を収容し、もう一度、遠心するケース。
3.前記遠心用袋状容器に被収容物としてベクターと標的細胞を収容
し、遠心するケース。
4.前記遠心用袋状容器に被収容物として標的細胞を収容して遠心し、
次に、ベクターを収容するケース。
5.前記遠心用袋状容器に被収容物として標的細胞を収容して遠心し、
次に、ベクターを収容し、もう一度、遠心するケース。
何れのケースも、本発明の範囲に含まれる。
尚、上記1,2,4,5のケースでは、ベクター(ケース1,2)ま
たは標的細胞(ケース4,5)を収容して遠心した後に、被収容物のう
ちの分散媒のみを排出することにより、培地もしくは緩衝液を交換して
もよい。さらに、新たな培地もしくは緩衝液を添加し、ついで排出する
ことにより、ベクターまたは細胞を洗浄することも可能である。
また、遺伝子を導入する場合に、上述したように、ベクターまたは標
的細胞が重ならないで均一に凹部の底面に分散して沈降する方が、遺伝
子導入効果が向上するので、凹部の底面の面積は広いほうが好ましい。
載の方法に加え、前記第一の容器壁の凹部の底面が全域に亘って単一平
面として形成され、フランジ状部から凹部の底面間での深さが、凹部の
底面の面積の平方根の50%以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の容器を使用すると、前記凹部の底面が全域に亘って
単一平面として形成されているので、底面の単位面積当たりの分散液の
量が、底面全域に亘って均一になり、沈降物の分散も均一にすることが
できる。なお、フランジ状部は、凹部の底面と平行な面を有している方
が、凹部の容量に対して、より多くの充填容量が確保できるので好まし
い。
ール部は含まれない。
また、ここでいう平面には、曲率半径が無限大の面だけでなく、それ
と実質的に同等の効果をもたらす曲率半径を有する平らな面も含まれる
が、さらに、それに加え、遠心時における分散液の液面と同等の曲率を
持つ面までも含まれる。
なお、この平面は、サンド処理、エンボス処理等が施されていても構
わない。
法に加え、前記第二の容器壁が、前記第一の容器壁の前記凹部内に収納
可能な凸部を有することを特徴とする。
請求項5に記載の方法によると、前記第二の容器壁に前記第一の容器
壁の前記凹部内に収容可能な凸部を設けることによって、柔軟性のある
前記第二の容器壁は、分散液の充填時及び排出時に、凸部が大きく変形
することが可能なので、分散液の収容及び排出をより確実に、また、容
易に行うことができる。
合、一般に、被収容物である輸液の収納空間の最小容積が0mlより大
きい。そのため、輸液だけをバッグ内に収容したのでは輸液を完全に排
出させることができないので、通常、輸液と一緒に若干の空気を封入す
る。具体的には充填される輸液の量の10%から15%の空気を一緒に
封入することによって、排出性を維持している。
本発明で使用する遠心用袋状容器においても、被収容物である分散液
を収納する空間の最小容積は、前記凹部の容積の15%以内であること
が好ましい。
なお、ここでいう最小容積は、前記収納空間に液体を満たし、これを
落差のみの力で排出する時に、前記収納空間に残留する液体が占める空
間の容積である。
汚染を起こさないクローズドシステム化が可能で、取り扱いが容易な遠
心用袋状容器を使用した遺伝子導入方法を提供することができる。
また、凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかるように遠心機にセッ
トしても、容易には、破袋しない遠心用袋状容器を使用した遺伝子導入
方法を提供することができる。
した分散質同士が容易には重ならない程度に広い床面積を有する遠心用
袋状容器を使用した遺伝子導入方法を提供することができる。
降した分散質を倒立顕微鏡で容易に観察できる遠心用袋状容器を使用し
た遺伝子導入方法を提供することができる。
標的細胞に遺伝子を効率よく導入することができる遠心用袋状容器を使
用した遺伝子導入方法を提供することができる。
となく、そのまま培養可能な増殖効率の良い、遠心用袋状容器を使用し
た遺伝子導入方法を提供することができる。
尚、本発明に係る方法で使用する遠心用袋状容器は、上述したように
遠心する場合に特に大きな効果が期待できるが、遠心する場合に限らず、
単に操作性のよい閉鎖系の培養容器としても使用することができる。
[実施例1]
図1及び図2に示すが如く、本実施例の遠心用袋状容器1は、周縁が
周縁シール2によりシール、密封された対面する二つの容器壁、すなわ
ち、第一の容器壁3及び第二の容器壁4と、後述する収納空間6’内に
内容液を充填または同内容液を収納空間6’から排出するために用いら
れる略チューブ状のポート5とからなる容器であって、第一の容器壁3
が、凹部6と、凹部6の周縁に形成されたフランジ状部7を有し、第二
の容器壁4が柔軟性を有する素材により形成されている。上述したよう
に第一の容器壁3と第二の容器壁4とを周縁シール2によりシールする
ことにより、第一の容器壁3の凹部6と第二の容器壁4とにより収納空
間6’が形成されている。
にキャップ8が嵌着されており、ポート5が設けられた容器1の周縁シ
ール部の部分と反対側の周縁シール部の部分には、内容液を排出する時
に本実施例の遠心用袋状容器1を吊るして内容液を排出するのに資する
懸垂口9が設けられている。
ここで、第一の容器壁3は、多層押出し成形法により成形した厚さが
40μmのシクロオレフィン樹脂層(ゼオネックス(商品名)、日本ゼ
オン株式会社製)と厚さが170μmの低密度ポリエチレン樹脂層とか
らなる2層構造のシートを用いて、凹部6の内側、すなわち、容器の内
側の面にシクロオレフィン樹脂層が位置するように、真空成形で縦10
0mm、横60mm、深さ9mmの凹部6を形成することにより作製し
た。
品名)、東ソー株式会社製)を用いて、インフレーション成形により厚
さ110μmのシートとして形成した。
次に、第一の容器壁3と第二の容器壁4とを重ね合わせ、その間にポ
ート5の内側端部を挿入してから、それら三者を熱シールすることによ
り第一の容器壁3の周縁部と第二の容器壁4の周縁部とポート5の内側
端部とを一体にシールし、不要な部分をトリミングすることによって本
実施例で使用する遠心用袋状容器1を形成した。
なお、ポート5の溶着は、周縁シールをする前または周縁シールした
後に行うこともできる。
本実施例の遠心用袋状容器1は、下記の評価方法1ないし3により評
価し、以下の結果を得た。
1.空気の出入りなしに充填、排出ができた。
2.繰り返しの使用によっても容器の破損は認められなかった。
3.K562細胞は均一に容器の底面に沈降していることが確認され
た。
1.容器の柔軟性の評価
実施例の遠心用袋状容器1に、50mlの水を充填し、排出し、空気
の出入りなしに充填、排出が可能かどうか確認した。
なお、容器の形態に合わせて適宜、第二の容器壁4を凹ませて、予め、
本実施例で使用する遠心用袋状容器1内に残存する空気量を減らしたり、
本実施例の遠心用袋状容器1内に一定量の空気を注入してから上記操作
を行なった。
この評価は、容器1の凹部6の外側寸法より若干大きめの内側寸法を
有する凹部を備えたアダプターが装着された遠心機を用いて実施した。
より詳述すると、本実施例の遠心用袋状容器1に、30mlの水を充填
後、図2に示したように、容器1の凹部6を遠心機のアダプターXの凹
部X’内に嵌め込むことにより容器1をアダプターXにセットして、1,
000gで2時間遠心することにより、遠心用袋状容器1および収容物
に遠心力を負荷して、容器の破損状態を観察した。次に、同容器に5m
lの水を加えて液量を35mlとし、1,000gで2時間遠心するこ
とにより、遠心用袋状容器1および内容液に遠心力を負荷して、容器の
破損状態を観察した。次に、同容器に5mlの水をさらに加えて液量を
40mlとし、1,000gで2時間遠心することにより、遠心用袋状
容器1および内容液に遠心力を負荷して、容器の破損状態を観察した。
次に、同容器を2,000gで2時間遠心することにより遠心用袋状容
器1および内容液に遠心力を負荷して、容器の破損状態を観察した。
実施例の遠心用袋状容器1に内容液としてK562細胞(ATCC
CCL−243)を10%ウシ胎仔血清含有RPMI1640培地に1
×105/mlになるように分散した分散液を40ml充填し、この容器
をアダプターXの凹部X’内にセットして、1,000gで15分間遠
心して、遠心用袋状容器1および内容液に遠心力を負荷した。
遠心終了後、回転操作、振動等を極力与えないように遠心機から取り
出し、倒立顕微鏡で、容器の底面に沈降した細胞の分散質の分散状態を
無作為に10視野について観察した。
的細胞に遺伝子導入操作を実施すると共に、遺伝子導入率の測定を行な
った。
1.レトロネクチンコート容器の作製
フィブロネクチンフラグメントであるCH−296(レトロネクチン
(商品名)、タカラバイオ社製)を、PBSで20μg/mlになるよ
うに希釈して、実施例の遠心用袋状容器1に10ml注入し、室温で2
時間静置して同CH−296で容器1の内面をコーティングした後、3
0mlのPBSで3回洗浄し、その溶液を除いてレトロネクチンコート
容器とした。
レトロウィルスベクタープラスミドpMS−eGFPを、以下の手順
で作製した。
まず、pMTベクター[ジーン・セラピー(Gene Therap
y)、第11巻、94〜99頁(2004)]の3’LTR領域につい
て、クロンテック社のpMSCVneoのMSCV LTRと置換して、
MSCV LTRを有するプラスミドベクターpMSを作製した。緑色
蛍光タンパク遺伝子eGFPの遺伝子断片をpMSのマルチクローニン
グサイトに挿入し、eGFP発現組換えレトロウィルスベクターpMS
−eGFPを得た。
pMS−eGFPベクターとRetrovirus Packagi
ng Kit Eco(タカラバイオ社製)を用い、293T細胞での
一過性のウィルス産生を行い、エコトロピックMS−eGFPウィルス
を獲得した。こうして得られたエコトロピックMS−eGFPウィルス
を、GaLVレトロウィルスパッケージング細胞PG13(ATCC C
RL−10686)にレトロネクチン(タカラバイオ社製)存在下で感
染させ、レトロウィルス産生細胞PG13/MS−eGFPを獲得した。
PG13/MS−eGFPは、10%ウシ胎仔血清(GIBCO社製)
を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、シグマ社製)で培養し、
セミコンフルエントに生育したところで0.1ml/cm2の新鮮な無血
清培地GT−T−RetroI(タカラバイオ社製)と交換した。さら
に24時間経過した後に回収した培地上清を0.45μmフィルター(ミ
リポア社製)でろ過してGALV/MS−eGFPウィルス液を得た。
得られたウィルス液は小分けして、−80℃フリーザーで保存し、以下
の遺伝子導入実験に供した。
上記2で調整したレトロウィルスベクターを速やかに融解し、GT−
T−RetroIで8倍希釈した後、30mlを上記1で調整したレト
ロネクチンコート袋状容器1に充填し、遠心機のアダプターXの凹部X’
内に、前記の容器をセットして、32℃、2,000gで2時間遠心し
た。対照として24穴ノントリートプレートにレトロネクチンをコーテ
ィングし、1ウエルあたりに前記ウィルスベクター0.5mlを加えた
ものを2群用意し、そのうちの1群は32℃、2,000gで2時間遠
心した。他方の1群は37℃、5%CO2のインキュベーターで4時間静
置してレトロウィルスベクターを結合させた。
遠心用袋状容器1については、遠心終了後、内容液を排出し、30m
lの1.5%HSA含有PBSで洗浄し、その洗浄液は排出した。K5
62細胞を10%ウシ胎仔血清含有RPMI1640培地に1.5x1
04/mlになるように予め分散させた分散液を容器1の収納空間6’内
に40ml充填し、37℃の温度で、5%CO2のインキュベーターにて
静置し、標的細胞への遺伝子導入を行なった。24穴プレートについて
は、内容液を除去し、0.5mlの1.5%HSA含有PBSで洗浄し、
その洗浄液は除去した。4×104/mlになるように分散したK562
培養液をウエルに0.5ml添加し、37℃、5%CO2のインキュベー
ターにて静置し、標的細胞への遺伝子導入を行った。各々の容器にて遺
伝子導入した細胞を3日間培養後、細胞を剥離して回収し、遺伝子導入
効率を、フローサイトメーターを用いて測定した。24穴プレートを静
置で使用した場合の遺伝子導入効率に対する各容器での遺伝子導入効率
の相対値を算出した結果を下掲表1に示す。下掲表1に示すが如く、本
実施例の遠心用袋状容器1は、遠心力でレトロウィルスベクターを容器
に結合することによって遺伝子導入効率が飛躍的に上昇した。
前記3で調整したレトロウィルスベクターを結合した遠心用袋状容器
1について、遠心終了後、内容液を排出し、40mlの1.5%HSA
含有PBSに置換し、4℃にて24時間、48時間保存した。保存後、
液を排出し、K562細胞を10%ウシ胎仔血清含有RPMI1640
倍地に1.5x104/mlになるように予め分散させた分散液を40m
l充填し、37℃、5%CO2のインキュベーターにて静置し、標的細胞
への遺伝子導入を行った。対照として、レトロウィルスベクターを結合
した遠心用袋状容器1について、4℃保存することなく直ちに遺伝子導
入に供した。対照での遺伝子導入効率に対する各保存時間での遺伝子導
入効率の相対値を算出することによって、残存するレトロウィルスベク
ターの遺伝子導入活性を算出した。その結果を下掲表2に示す。通常、
レトロウィルスベクターの安定性は悪く、その半減期は4℃で92時間、
0℃で18〜64時間、32℃で11〜39時間、37℃で7〜9時間
とされている[McTaggart S.、A1−Rubeai M.、
バイオテクノロジー プログレス(Biotechnol. Prog.)、
第16巻、第5号、第859〜865頁(2000年)(非特許文献1)、
Kaptein L. C.ら、ジーン セラピー(Gene The
r.)、第4巻、第2号、第172〜176頁(1997年)(非特許
文献2)]が、レトロネクチンでコートした本実施例の遠心用袋状容器
1においては下掲表2に示すが如く、レトロウィルスベクターの保存に
も好適である。
図3及び図4に示すが如く、本実施例の遠心用袋状容器1は、実施例
1の構成に加え、第二の容器壁4に、第一の容器壁3の凹部6の内側寸
法より若干小さい外側寸法の凸部10を真空成形で形成し、第一の容器
壁3の凹部6内に第二の容器壁4の凸部10を嵌め合わせてから周縁を
シールした以外は、実施例1と同様に形成した。尚、図4中の参照符号
11は、分散液を示す。
本実施例の遠心用袋状容器1は、実施例1と同様に評価し、実施例1
と同様に遺伝子導入に使用し、遺伝子導入率を調べた。
価したが、空気の出入りなしに充填、排出が可能で、遠心後も容器の破
損はなく、分散質も容器の底面に均一に分散していることが観察された。
遠心処理が施された時に、破損することなく、しかも、分散質が容器の
底面に均一に分散されることを可能にするものであるため、この種の容
器としては極めて有用であり、また、そのような容器を用いた遺伝子導
入方法は、効率的な遺伝子導入を可能にさせるため、極めて有用である。
2 周縁シール
3 第一の容器壁
4 第二の容器壁
5 ポート
6 第一の容器壁の凹部
6’ 内容物収納空間
7 第一の容器壁のフランジ状部
8 キャップ
9 懸垂口
10 第二の容器壁の凸部
11 分散液
Claims (5)
- 遠心機に装着された凹部を備えたアダプターの前記凹部内に収容され
て、内部に収容した分散液に遠心処理が施される遠心用袋状容器を用い
た遺伝子導入方法であって、
前記アダプターの凹部に収容可能に形成された凹部と該凹部の開口面
周縁に形成されたフランジ状部とを有する第一の容器壁と、周縁部が前
記第一の容器壁のフランジ状部と互いにシールされて、前記凹部と協働
して分散液の収納空間を構成している柔軟性を有する第二の容器壁とに
より構成された本体と、
前記収納空間に連通するように前記本体に装着されたポートと、を有
し、
前記第一の容器壁の凹部の底面にはベクターを保持しうる物質がコー
トされており、
遠心時に前記第一の容器壁の凹部が前記アダプターの凹部に収容され
て前記第一の容器壁のフランジ部が前記アダプターの凹部の開口面周縁
に位置するよう構成されるとともに、前記第一の容器壁の凹部の底面に
対して垂直な遠心力がかかるように構成された遠心用袋状容器を準備す
る工程と、
ベクターが分散質として分散された分散液を前記収納空間内に収容す
る第一の工程と、
前記遠心用袋状容器の前記凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかる
ように前記遠心用袋状容器を、前記アダプターを介して遠心機にセット
する第二の工程と、
前記分散液に遠心力を付加する第三の工程と、
前記第三の工程において付加された遠心力によって、前記ベクターが
前記第一の容器壁の凹部の底面にコートされたベクターを保持しうる物
質に付着又は固定された後、前記ベクターと接触させるように標的細胞
を前記収納空間内に収容する第四の工程と、
を含んでいることを特徴とする遺伝子導入方法。 - 遠心機に装着された凹部を備えたアダプターの前記凹部内に収容され
て、内部に収容した分散液に遠心処理が施される遠心用袋状容器を用い
た遺伝子導入方法であって、
前記アダプターの凹部に収容可能に形成された凹部と該凹部の開口面
周縁に形成されたフランジ状部とを有する第一の容器壁と、周縁部が前
記第一の容器壁のフランジ状部と互いにシールされて、前記凹部と協働
して分散液の収納空間を構成している柔軟性を有する第二の容器壁とに
より構成された本体と、
前記収納空間に連通するように前記本体に装着されたポートと、を有
し、
前記第一の容器壁の凹部の底面にはベクターを保持しうる物質がコー
トされており、
遠心時に前記第一の容器壁の凹部が前記アダプターの凹部に収容され
て前記第一の容器壁のフランジ部が前記アダプターの凹部の開口面周縁
に位置するよう構成されるとともに、前記第一の容器壁の凹部の底面に
対して垂直な遠心力がかかるように構成された遠心用袋状容器を準備す
る工程と、
ベクター及び標的細胞が分散質として分散された分散液を前記収納空
間内に収容する第一の工程と、
前記遠心用袋状容器の前記凹部の底面に対して垂直な遠心力がかかる
ように前記遠心用袋状容器を、前記アダプターを介して遠心機にセット
する第二の工程と、
前記分散液に遠心力を付加する第三の工程と、
を含んでいることを特徴とする遺伝子導入方法。 - 前記第一の容器壁の凹部の底面に、ベクターおよび/または標的細胞
を保持しうる物質がコートされていることを特徴とする、請求項2に記
載の遺伝子導入方法。 - 前記第一の容器壁の凹部の底面が全域に亘って単一平面として形成さ
れ、フランジ状部から凹部の底面間での深さが、凹部の底面の面積の平
方根の50%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の
何れか一項に記載の遺伝子導入方法。 - 前記第二の容器壁が、前記第一の容器壁の前記凹部内に収納可能な凸
部を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか一項に
記載の遺伝子導入方法。
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