JP5657197B2 - 酸化チタン系粒子およびその製造方法 - Google Patents

酸化チタン系粒子およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、低屈折率の酸化チタン系粒子およびその製造方法に関する。
従来、酸化チタン粒子については、その化学的性質を利用した種々の用途が知られている。例えば、酸化還元触媒等の触媒材料、触媒担体材料、太陽電池用半導体膜用あるいはNOx除去用等の光触媒材料等の他、高屈折率材料として眼鏡レンズのハードコート膜用フィラー、反射防止膜の基材用高屈折率膜用フィラー等の他、紫外線遮蔽材として化粧料用材料等として用いられている。
しかしながら、用途によっては高屈折率であっても、耐光性、耐候性等の点から、光触媒活性を抑制あるいは光触媒活性を持たない酸化チタンが求められている。このため、本願発明者等はアルカリ、アルカリ土類元素をドーピングしたり、シリカ等で被覆することを試みたが、光触媒活性を完全に抑制することは困難であり、屈折率が低下する問題があった。
また、酸化チタンは、親水性、光触媒活性を有しているために、汚れ防止あるいは除去が期待されており、例えば、屋外で用いられる建材やディスプレイ等の用途が期待されている。しかしながら、酸化チタンは屈折率が高いためにギラツキ感があり、屋外での使用が限定されるという問題点があった。また、反射防止膜の下層に設ける高屈折率膜のフィラーとして用いる場合、基材の屈折率、反射防止膜の屈折率によって、高屈折率膜の屈折率を調整する必要があり、この場合、マトリックスの屈折率によって、酸化チタン粒子の屈折率、含有量を調整していた。これらの用途では、このため球状で、屈折率の低い、あるいは屈折率の調整された酸化チタン粒子が求められていた。
さらに、化粧料の分野においては紫外線遮蔽材として酸化チタン粒子が使用されているが、酸化チタン自体の屈折率が高いためにギラツキ感や白浮き現象を伴うことがあり、このため屈折率の低い、あるいは屈折率の調整された酸化チタン粒子が求められている。
さらにまた、酸化チタン粒子が結晶性である場合は、アスペクト比が概ね2以上の棒状の粒子が得られ、このような棒状粒子を高屈折率膜用フィラー等として用いると基材との密着性が不十分であったり、粒子が細密充填しないために膜の強度が不十分となったり、光触媒性能が不十分となることがあった。さらに、化粧料に用いた場合、感触に異物感を伴う問題があった。このため本願出願人は、無機酸化物微粒子表面にチタン水酸化物を析出させて得た球状の酸化チタン粒子を提案している。(特許文献1、特開2003−12324号公報)
特開2003−12324号公報
上記した屈折率の低い、あるいは屈折率の調整され、しかも球状の酸化チタン粒子が求められていた。
また、特許文献1に記載の方法では、球状の酸化チタン系粒子が得られるものの、所望の低屈折率の酸化チタン粒子が得られない場合や、粒子径が小さい場合、得られる酸化チタン粒子が凝集していたり、均一な被覆層を形成することが困難であったりするなど、問題点があった。
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、球状のシリカ系中空微粒子の表面にペルオキソチタン酸を用いて酸化チタンを被覆し、必要に応じてアルカリ存在下で水熱処理することによって屈折率が1.3〜2.0という従来の酸化チタンでは考えられなかった低屈折率で、かつ、光触媒活性の調節されたコロイド域の酸化チタン微粒子が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]シリカ系中空微粒子と、中空微粒子表面の酸化チタン被覆層とからなり、
平均粒子径が5〜100nmの範囲にあり、
屈折率が1.30〜2.00の範囲にあることを特徴とする酸化チタン系粒子。
[2]前記シリカ系中空微粒子の平均粒子径が3〜100nmの範囲にあり、屈折率が1.
15〜1.40の範囲にある[1]の酸化チタン系粒子。
[3]前記酸化チタン被覆層の平均厚さが0.1〜20nmの範囲にある(ただし、被覆層
の厚さは平均粒子径の1/2を越えない)[1]または[2]の酸化チタン系粒子。
[4]前記酸化チタン粒子の下記式(1)で表される球状係数が0.5〜1の範囲にある[1]〜[3]のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・(1)
(但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径)
[5]前記酸化チタン被覆層がアナタース型、ルチル型またはブルッカイト型から選ばれる
1種以上の酸化チタンである[1]〜[4]の酸化チタン粒子。
[6]下記式(1)で表される有機珪素化合物またはこれらの加水分解物で表面処理されている[1]〜[5]の酸化チタン系粒子。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[7]下記の工程(a)〜(c)からなる酸化チタン系粒子の製造方法。
(a)シリカ系中空微粒子分散液に、チタン化合物水溶液またはチタン化合物水溶液と酸またはアルカリを加えながら加水分解し、シリカ系中空微粒子表面にチタン化合物加水分解物を析出させる工程。
(b)チタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空微粒子分散液に、過酸化水素のH22としてのモル数(MHP)とチタン化合物加水分解物のTiO2としてのモル数(MTi)とのモル比(MHP)/(MTi)が2〜50の範囲となるように過酸化水素水を加える工程。
(c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
[8]下記の工程(ab)〜(c)からなる酸化チタン系粒子の製造方法。
(ab)シリカ系中空微粒子分散液に、ペルオキソチタン酸水溶液を加える工程。
(c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
[9]前記工程(c)の後、下記の工程(d)を行う[6]または[7]の酸化チタン系粒子の製造方法。
(d)pH7.5〜13.5に調整した分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
[10]平均粒子径が5〜500nmの範囲にあり、屈折率が1.3〜2.0の範囲にある[6]〜[8]の酸化チタン系粒子の製造方法。
本発明によれば、真球状で、平均粒子径が5〜500nmの範囲にあり、屈折率が1.
30〜2.00の範囲にある低屈折率の酸化チタン系粒子およびその製造方法を提供することができる。
かかる酸化チタン系粒子は、従来の酸化チタンでは考えられなかった、低屈折率でありながら、光触媒活性を有しており、さらに低屈折でありながら、適度に光触媒活性を有していたり、紫外線遮蔽能を有し、また、所望の屈折率に調整できることから、被膜という特性もあり、被膜配合剤、屈折率調整用配合剤、化粧料配合剤等に有用である。
以下、本発明に係る酸化チタン系粒子について具体的に説明する。
[酸化チタン系粒子]
本発明に係る酸化チタン系粒子は、酸化チタンでシリカ系中空微粒子を被覆してなり、平均粒子径が5〜500nmの範囲にあり、屈折率が1.30〜2.00の範囲にあることを特徴としている。なお、本発明の「酸化チタン系」とは、酸化チタン単独物からなるものではなく、シリカ成分を含むものである。
シリカ系中空微粒子
本発明に用いるシリカ系中空微粒子は、平均粒子径が3〜100nm、さらには5〜80nmの範囲にあることが好ましい。
そもそもシリカ系中空微粒子の大きさは、前記範囲の下限未満のものは得ること自体が困難であり、得られたとしても、屈折率を充分に低くすることができないために、仮に被覆層を形成しても、低屈折率の酸化チタン系粒子を得ることが困難である。
シリカ系中空微粒子が前記範囲の平均粒子径にあると、透明性に優れた透明被膜が得られる。
本発明で使用されるシリカ系中空微粒子の屈折率は、1.15〜1.40にあり、好ましくは1.15〜1.35の範囲にある。この屈折率の範囲にあるシリカ系中空微粒子を使用すると所望の低屈折率酸化チタン系粒子を調製できる。前記範囲の下限未満の屈折率を有するシリカ系中空微粒子は得ること自体が困難であり、前記範囲を越える屈折率を有するものは、シリカ系中空微粒子を使用する意義が乏しく、あるいは実質的にシリカ系中実微粒子であり、所望の屈折率の低い酸化チタン系粒子を得ることが困難となる。
シリカ中空微粒子の屈折率は、中空微粒子を構成する中空部分と外殻層との量比により、中空部分の量が増えれば、屈折率は低くなり、外殻層の部分が増えれば屈折率は高くなる。
平均粒子径(Dp)に対する外殻層の厚み(Ts)の比(Ts/Dp)は1/20〜1/5、好ましくは1/20〜1/10の範囲にあることが望ましい。
シリカ系中空微粒子の形状は通常、球状形状のものが使用される。この球状形状は、後述する球状係数が0.5〜1の範囲にあるものが好ましく、この球状係数は、後述する酸化チタン被覆層を形成しても維持されるか、さらに球状度が向上する場合がある。なお後述する製造方法以外の方法では、凝集したり、表面に選択的に酸化チタンが析出せず、別途に酸化チタン微粒子が生成することがある。
本発明に用いるシリカ系中空微粒子としては、本願出願人の出願による特開2001−233611号公報、特開2003−192994号公報等に開示したシリカ系中空微粒子は好適に採用することができる。
酸化チタン被覆層
本発明では前記シリカ系中空微粒子表面に酸化チタンからなる酸化チタン被覆層が形成されている。酸化チタン被覆層の平均厚さは、0.1〜100nm、好ましくは0.5〜15nmの範囲にあることが望ましい。
この範囲にあれば、従来の酸化チタン系微粒子よりも、低屈折率の酸化チタン系微粒子が得られる。
酸化チタン被覆層の平均厚さが薄い場合、光触媒活性、紫外線遮蔽効果が不充分となる場合があり、酸化チタン被覆層の平均厚さが厚すぎると、シリカ系中空微粒子の平均粒子径が小さい場合に、得られる粒子の屈折率が充分低くならず、また、酸化チタン被覆層を厚くなると、被覆層とは別に、酸化チタンからのなる微細な粒子が生成し、被覆層の形成にあたらない粒子が増えることがある。
酸化チタン系粒子の屈折率は、酸化チタン被覆層の厚みと、シリカ系中空微粒子の平均粒子径との比率を適宜変更することによって、調整可能であり、比率(酸化チタン被覆層の厚み/酸化チタン系粒子の平均粒子径)を小さくすれば、屈折率は低くなり、該比率を大きくすれば屈折率は高くなる。
また、酸化チタン被覆層の厚みは酸化チタン系粒子の平均粒子径の概ね1/20〜1/4、好ましくは1/10〜1/6の範囲にあることが望ましい。この範囲にあれば、充分な光触媒活性、紫外線遮蔽性能等とともに、低屈折率を達成できる。
このような被覆層の形成方法は、後述する製造方法に示されるとおりである。
酸化チタン系粒子の特性
本発明の酸化チタン系粒子の平均粒子径は5〜100nm、さらには10〜80nmの範囲にあることが好ましい。
酸化チタン系粒子の平均粒子径が前記範囲の下限より小さいものは、シリカ系中空微粒子自体を得ることが困難であり、また、酸化チタンを被覆する際に凝集する傾向があり、酸化チタン系粒子の平均粒子径が前記範囲の上限を越えると、被覆に用いるシリカ系中空微粒子自体の製造に長時間を要し、また、酸化チタン被覆層の厚い粒子を製造する場合にシリカ系中空微粒子の表面に選択的に被覆することが困難となる場合があり、生産性、経済性が問題となる他、透明性が低下することがある。
本発明の酸化チタン系粒子の屈折率は1.30〜2.00、好ましくは1.30〜1.80の範囲にあることが望ましい。酸化チタン系粒子の屈折率が前記範囲の下限よりも小さい場合、場合によって、酸化チタン被覆量が少ないこと示し、充分な光触媒活性、紫外線遮蔽性能等が得られない場合がある。
酸化チタン系粒子の屈折率が前記範囲を越えて高いものは、本発明の構成とする必要がなく、単なる酸化チタン粒子であり、また、本発明の目的であり低屈折率を達成しない。
本発明では、シリカ系中空微粒子および酸化チタン系粒子の屈折率は下記の方法によって測定する。
(1)粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を粒子の屈折率とする。
本発明に係る酸化チタン系粒子は、下記式(1)で表される球状係数が0.5〜1、好ま
しくは0.7〜1の範囲にあることが望ましい。
球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・(1)
(但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径)
酸化チタン系粒子の球状係数が1を越えることはなく、酸化チタン系粒子の球状係数が0.5未満の場合は、従来公知の方法で得られるアスペクト比が概ね2以上の棒状の酸化チタン系粒子と同様、フィラー等として用いると基材との密着性が不十分であったり、粒子が細密充填しないために膜の強度が不十分となったり、光触媒性能が不十分となることがあり、さらに、化粧料に用いた場合、感触に異物感を伴う場合がある。
本発明の球状係数は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について最長径(DL)および最長径の中点で直交する短径(DS)を測定し、各平均値の比として求めることができる。なお、同一粒子について3回測定したところ、実質的に同じ値が得られた。
酸化チタン系粒子の平均粒子径は前記最長径(DL)+短径(DS)の1/2として表した。
また、本発明に用いるシリカ系中空微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として求めることができる。
本発明の酸化チタン粒子は、酸化チタン被覆層がアナタース型、ルチル型またはブルッカイト型から選ばれる1種以上の酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンがこのような結晶形を有していると、光触媒活性、紫外線遮蔽性能に優れている。
なお、結晶形はX線回折法(例えば、理学電機製:LAD−IIC型、Cu管球、
35kV、12.5mA)により同定することができる。
本発明の酸化チタン系粒子は、下記式(1)で表される有機珪素化合物またはこれらの加
水分解物で表面処理されていることが好ましい。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
このような式(1)で表される有機珪素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプ
ロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエ
トキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、等が挙げられる。
このような有機珪素化合物で表面処理されていると、被膜配合剤として被膜に配合する場合に、分散媒、バインダーあるいはマトリックス中に均一に分散するとともに密に充填することができ、膜の強度、耐擦傷性に優れた透明被膜を得ることができる。
また、用途によって、紫外線遮蔽能を維持しつつ、光触媒活性を抑制したり、耐光性を向上させることができる。
酸化チタン系粒子と有機珪素化合物との量比(有機珪素化合物の固形分としての重量/酸化チタン系粒子の重量)は酸化チタン系粒子の平均粒子径によっても異なるが概ね1.0以下、好ましくは0.3以下の範囲にあることが望ましい。
前記重量比が少ないと、たとえば塗布液に配合する場合、マトリックス形成成分との親和性が低く、塗料中での分散性、安定性が不充分となり、塗料中で微粒子が凝集することがあり、緻密な透明被膜が得られないことがあり、基材との密着性、膜の強度、耐擦傷性等が不充分となることがある。
前記重量比が高すぎても、塗料中での分散性がさらに向上することもなく、酸化チタン系粒子中の酸化チタンの割合が低くなるために充分な紫外線遮蔽能が得られない場合がある。
このような本発明に係る酸化チタン系粒子は以下の製造方法で作製することができる。
[酸化チタン系粒子の製造方法]
まず、本発明に係る第1の酸化チタン系粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る第1の酸化チタン系粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜(c)からなる。
(a)シリカ系中空微粒子分散液に、チタン化合物水溶液またはチタン化合物水溶液と酸またはアルカリを加えながら加水分解し、シリカ系中空微粒子表面にチタン化合物加水分解物を析出させる工程。
(b)チタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空微粒子分散液に過酸化水素水を加える工程。
(c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
工程(a)
シリカ系中空微粒子は前記した通りである。
チタン化合物としては、水溶性であれば特に制限はなく、具体的には4塩化チタン、3塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル、水素化チタン等があげられる。さらに、チタンアルコキシドあるいはこれらの部分加水分解物を用いることもできる。またチタンアルコ
キシドとしては、Ti(OR)4(R:炭化水素基)で表されるチタンアルコキシドが好適に用いられ、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等が挙げられる。チタンアルコキシドはそのまま用いてもよく、アルコール溶液として用いることもできる。
シリカ系中空微粒子分散液に、前記チタン化合物の水溶液またはチタン化合物水溶液と酸またはアルカリを加えながら加水分解(以下、「中和」ということもある)する。シリカ系中空微粒子分散液の固形分濃度は0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%の範囲
にあることが望ましい。このとき、チタン化合物の濃度は固形分として0.05〜30重量%、さらには0.1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。該固形分濃度が低いと過大な容器を必要とすることに加えて生産効率が低下し、固形分濃度が高すぎると加水分解した際に、加水分解が不均一になったり、ゲルの粘度が高くなり、ゲルの扱いが容易でなく、必要に応じて洗浄する際に洗浄が困難になることがある。酸化チタン被覆層を厚くしたければ、前記範囲で、チタン化合物の量を増やせばよく、薄くしたければ、前記範囲でチタン化合物の量を減らせばよい。
また、チタン化合物の添加量は、酸化チタン被覆層が、得られる酸化チタン粒子の平均粒子径の1/20〜1/4、好ましくは1/10〜1/6の範囲になるように添加される。この範囲にあれば、前記した、酸化チタン被覆層を有する酸化チタン系粒子が得られる。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等の他、有機酸を用いることができ、アルカリとしては、アンモニア、有機アミン、NaOH、KOHなどを用いることができる。加水分解する際の分散液のpHは概ね8〜14、さらには9〜13の範囲にあることが好ましい。
この加水分解によって、シリカ中空微粒子表面に、チタン化合物の加水分解物が析出する。
本発明では、加水分解した後、必要に応じて洗浄することができる。洗浄方法としてはチタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空微粒子中の不純物イオンを低減できれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。例えば、チタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空微粒子分散液を濾過した後、充分な水、温水、希アンモニア水等を掛けることによって洗浄することができる。また、限外濾過膜法、イオン交換樹脂法等従来公知の方法を採用することもできる。洗浄を行うと、結晶性が高く光触媒性能に優れた酸化チタン系粒子を得ることができる。
洗浄後のアニオンおよび/またはアルカリ等の不純物の残存量は、酸化チタン系粒子固形分中に1重量%以下、さらには0.1重量%以下であることが好ましい。
さらに、加水分解した後、あるいは洗浄した後、必要に応じて熟成することができる。熟成条件としては、概ね30〜120℃で通常0.1〜24時間、撹拌するか無撹拌下静置する。
このような熟成を行うと、凝集粒子がなくなるとともに酸化チタン被覆層の厚さが均一になり、粒度分布の均一な酸化チタン系粒子が得られる。
工程(b)
過酸化水素水を、(a)工程のチタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空
微粒子分散液に添加するが、かかる分散液の濃度は固形分として0.1〜30重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
固形分濃度が低すぎると、生産性、生産効率が低下し、固形分濃度が高すぎても、後述する過酸化水素の添加量によっても異なるが、チタン化合物加水分解物の溶解が不均一に
なるためか、得られる酸化チタン系粒子の結晶性が不十分になる場合がある。
過酸化水素の添加量は、過酸化水素のH22としてのモル数(MHP)とチタン化合物加水
分解物のTiO2としてのモル数(MTi)とのモル比(MHP)/(MTi)が2〜50、さらには5〜
40の範囲にあることが好ましい。モル比(MHP)/(MTi)が低すぎると、得られる酸化チタン系粒子の結晶性が不十分になる場合がある。モル比(MHP)/(MTi)が高すぎても、チタン化合物加水分解物の溶解速度が向上したり、溶解がさらに均一になることもなく、経済的でない。
このように過酸化水素水を添加することで、最終的に(工程(c)を経て)得られる酸化
チタン系粒子の形状係数が向上し、また酸化チタン被覆層が緻密になり、結晶性にも優れた酸化チタン系粒子が得られる。
工程(c)
ついで、分散液を80〜350℃、好ましくは80〜200℃で水熱処理する。水熱処理温度が低いと、被覆した酸チタン層の緻密化、結晶化が不充分となることがあり、水熱処理温度が高すぎても、緻密化、結晶化が促進されることもなく、凝集した酸化チタン系粒子が得られる場合がある。
水熱処理時間は概ね0.1〜24時間であることが望ましい。
本発明に係る酸化チタン系粒子の製造方法は、上記工程(a)〜(c)のかわりに、下記(ab)〜(c)からなるもの(第2の製造方法)であってもよい。
(ab)シリカ系中空微粒子分散液に、ペルオキソチタン酸水溶液を加える工程。
(c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
工程(ab)
シリカ系中空微粒子としては前記したシリカ系中空微粒子を用いる。
ペルオキソチタン酸水溶液としては、チタン化合物と過酸化水素とを反応させて得られるペルオキソチタン酸、あるいはチタン水酸化物と過酸化水素とを反応させて得られるペルオキソチタン酸等の水溶液が挙げられる。
ペルオキソチタン酸水溶液を調製するには、例えば、チタン化合物、あるいはチタン水酸化物と過酸化水素とを反応させる際の過酸化水素のH22としてのモル数(MHP)とチタ
ン化合物、チタン水酸化物のTiO2としてのモル数(MTi)とのモル比(MHP)/(MTi)は2〜
50、好ましくは5〜40の範囲となるように混合し、必要に応じて加熱する従来公知の方法を採用することができる。
なお、チタンアルコキシドと過酸化水素とを反応させて得られるペルオキソチタン酸を用いると、酸化チタン被覆層がルチル型酸化チタンである酸化チタン系粒子が得られる傾向にある。
ペルオキソチタン酸水溶液の濃度は酸化チタン換算で、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
また、チタン化合物の添加量は、酸化チタン被覆層が、得られる酸化チタン粒子の平均粒子径の1/20〜1/4、好ましくは1/10〜1/6の範囲になるように添加される。この範囲にあれば、前記した、酸化チタン被覆層を有する酸化チタン系粒子が得られる。
シリカ系中空微粒子分散液の固形分濃度は、前記第1の方法と同様である。
シリカ系中空微粒子分散液にペルオキソチタン酸水溶液を混合した後の濃度は固形分と
して0.1〜30重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
固形分濃度が少ないと、生産性、生産効率が低下し、固形分濃度が高すぎると、得られる酸化チタン系粒子の結晶性が不十分になる場合がある。
なお、第2の方法の工程(c)については、上記第1の方法と同様である。
本発明では、(c)工程の後に、下記(d)工程を行っても良い。
工程(d)
(c)工程で水熱処理した後、分散液をpH7.5〜13.5、好ましくは8〜13.5
に調整する。
分散液のpH調整には、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物、アンモニア、有機塩基等を用いることができる。有機塩基としては、テトラメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩または水酸化物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類が挙げられる。
分散液のpHが中性ないし酸性の場合は酸化チタン層は無定型であり、pHが上記範囲にあれば結晶性の酸化チタン層を有する酸化チタン系粒子が得られる。結晶形の種類は、pH、アルカリ、有機塩基等の種類および量によって異なる。例えば、有機塩基が少ないとアナタース型となり、有機塩基が多いとブルッカイト型になる傾向がある。
pH調整した分散液を80〜350℃、好ましくは80〜200℃で水熱処理する。
水熱処理温度が低いと、結晶化が不充分となったり、長時間を要する場合がある。水熱処理温度が高すぎても、さらに結晶化時間が短縮されたり、結晶性が向上することもなく、凝集した酸化チタン系粒子が得られる場合がある。
この処理によって、球状係数が高く、酸化チタン被覆層が緻密であり、さらに、製造条件によっては結晶性にも優れた酸化チタン系粒子が得られる。
水熱処理時間は、温度によっても異なるが、通常0.1〜48時間である。
水熱処理後の分散液は、限外濾過膜法やイオン交換樹脂にて洗浄したり、濃縮してもよい。
この様にして得られる酸化チタン系粒子は、シリカ系中空微粒子の平均粒子径や酸化チタン被覆層の厚さにもよるが、平均粒子径が5〜100nm、さらには10〜80nmの範囲にあることが好ましい。また、得られる酸化チタン系粒子の屈折率が1.30〜2.00、さらには1.30〜1.80の範囲にあることが好ましい。
[用途]
このような本発明に係る酸化チタン系粒子は、光電気セルや光触媒などの用途に使用できる。
光電気セルとしては、表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜(2)が形成されてなる基板と、表面に電極層(3)を有する基板とが、前記電極層(1)および電極層(3)が対向するように配置してなり、金属酸化物半導体膜(2)と電極層(3)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、少なくとも一方の基板および電極が透明性を有し、金属酸化物半導体膜(2)が本発明の酸化チタン系粒子を含むものである。
また光触媒としては、前記酸化チタン系粒子を使用したものであればよく、光触媒は、前記した酸化チタン系粒子をそのまま用いることもできるし、他の活性成分を酸化チタン系粒子に担持あるいはドーピングしたり、これら管状酸化チタン粒子を混合して用いるこ
ともできる。さらに必要に応じてバインダー成分前駆体を含んでいても良い。このような光触媒 の使用形態としては特に制限はなく、たとえば、上記管状酸化チタン粒子をその
まま水等の溶媒に分散させて用いることができるし、バインダー成分前駆体と混合して光触媒 層形成用塗布液とし、ガラス、PET、金属、セラミックスなどの基材に塗布・乾
燥して所望の膜厚の触媒層を形成して用いることもできる。さらに、球状、ペレット状、ハニカム状等に成形して用いることもできる。上記他の活性成分としては、Ag、Cu、Zn等の抗菌、防黴目的に用いられる金属成分の他、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Ir、Au、Fe等の酸化還元性能を有する金属成分が挙げられる。これら金属成分の担持、ドーピング方法は従来公知の方法を採用することができ、たとえば管状酸化チタン粒子の分散液に金属成分の可溶性塩の水溶液を添加したり、必要に応じて加水分解させて析出させることによって調製することができる。
また、光電気セル、光触媒のほかバッテリーの負極材料、光センサーの感知部等としても有用である。
また、本発明の酸化チタン系粒子は、可視光や紫外線遮蔽膜形成用塗料、化粧料組成物、透明被膜形成用塗料などにも好適に使用できる。たとえば紫外線遮蔽膜形成用塗料の場合、必要に応じて着色顔料粒子とともにを塗料用樹脂に混合すればよい。
化粧料組成物に使用する場合、組成物全量に対して、酸化チタン系粒子を1〜80重量%程度の料で配合すればよい。化粧料組成物は、通常、化粧料に配合されている各種成分、たとえば高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、エステル油、パラフィン油、ワックスなどの油分、エチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトールなどのアルコール類、ムコ多糖類、コラーゲン類、PCA塩、乳酸塩などの保湿剤、ノニオン系、カチオン系、アニオン系あるいは両性の各種界面活性剤、アラビアガム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、変性または未変性の粘土鉱物などの増粘剤、酢酸エチル、アセトン、トルエンなどの溶剤、無機顔染料および有機顔染料、BHT、トコフェノールなどの酸化防止剤、水、薬剤、紫外線吸収剤、有機酸または無機酸の塩からなるpH緩衝剤、キレート化剤、防腐剤、香料などの1種以上を含んでいてもよく、必要に応じて、シリカ、タルク、カオリン、マイカ、セリサイトおよび合成無機化合物などの無機顔料、各種有機樹脂の1種または2種以上を含んでいてもよい。
また、透明被膜に使用する場合、シリカ(ポリシロキサン)や透明性樹脂などのマトリックス成分と本発明の酸化チタン系粒子を含んでいればよい。
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
酸化チタン系粒子(1)の調製
シリカ系中空微粒子分散液(触媒化成工業(株)製:スルーリアP1420、平均粒子径50nm、屈折率1.30、固形分濃度20重量%、100gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ系中空微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重量%の四塩
化チタン水溶液100gを加え、濃度4重量%のアンモニア水を0.5時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合スラリーを得た。
ついで、40℃で2時間静置して熟成した後、このスラリーを濾過洗浄し、固形分濃度が4重量%の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
この混合分散液500gに、濃度35重量%の過酸化水素水13gを添加した後、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(1)分散液を調製し、限外濾過膜法にて洗浄
し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(1)分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(1)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚さ、結晶形、特性(1)(光沢度(ギラツキ感))および特性(2)(紫外線遮蔽性能:吸光度および透過率)を測定し、結果を表に示した。
なお、酸化チタン被覆層の厚さは、酸化チタン系粒子(1)の平均粒子径とシリカ系中空
微粒子の平均粒子径を測定し、粒子径の差の1/2として示した。
特性(1)
固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(1)分散液を希釈して固形分濃度10重量%
とした。
固形分濃度10重量%の酸化チタン系粒子(1)分散液90重量部とポリビニルアルコー
ル水溶液10重量部とを混合して光沢膜形成用塗布液を調製した。この塗布液をバーコーターを用いてPETフィルム上に塗布し、90℃で2時間乾燥後、140℃で2時間加熱処理して光沢膜を形成した。
得られた光沢膜について、光沢度計(スガ試験機(株)製:デジタル変角光沢度計 UGV−5D)により、入射角60°、受光角60°の条件で光沢度を測定し、結果を表に示した。
特性(2)
固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(1)分散液を希釈して固形分濃度0.005
重量%とした。この分散液について、分光光度計(日立製作所製:330型)により、波長300nmでの吸光度および波長400nmでの透過率を測定し、結果を表1に示した。
なお、粒子の屈折率は以下の方法で評価した。
標準屈折率液法
(1)粒子分散液をエバポレーターにとり、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥して、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2,3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子の屈折率とする。
[実施例2]
酸化チタン系粒子(2)の調製
実施例1において、濃度35重量%の過酸化水素水6.5gを添加した以外は同様にして酸化チタン系粒子(2)分散液を調製した。得られた酸化チタン系粒子(2)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表に示す。
[実施例3]
酸化チタン系粒子(3)の調製
実施例1において、濃度35重量%の過酸化水素水52gを添加した以外は同様にして酸化チタン系粒子(3)分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(3)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示す。
[実施例4]
酸化チタン系粒子(4)の調製
シリカ系中空微粒子分散液(触媒化成工業(株)製:スルーリアP1420、平均粒子径50nm、屈折率1.30、固形分濃度20重量%)100gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ系中空微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重量%の四塩
化チタン水溶液50gを加え、ついで、濃度4重量%のアンモニア水を0.5時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合スラリーを得た。ついで、40℃で2時間静置して熟成した後、このスラリーを濾過洗浄し、固形分濃度が4重量%の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
この混合分散液500gに、濃度35重量%の過酸化水素水3.2gを添加した後、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(4)分散液を調製した。ついで、限外濾過
膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(4)分散液を調製し
た。
得られた酸化チタン系粒子(4)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例5]
酸化チタン系粒子(5)の調製
シリカ系中空微粒子分散液(触媒化成工業(株)製:スルーリアP1420、平均粒子径50nm、屈折率1.30、固形分濃度20重量%)100gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ系中空微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重量%の四塩
化チタン水溶液300gを加え、さらに濃度4重量%のアンモニア水を0.5時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合スラリーを得た。ついで、40℃で2時間静置して熟成した後、このスラリーを濾過洗浄し、固形分濃度が3.5重量%の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
この混合分散液700gに、濃度35重量%の過酸化水素水84gを添加した後、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(5)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜
法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(5)分散液を調製した

得られた酸化チタン系粒子(5)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例6]
酸化チタン系粒子(6)の調製
実施例1と同様にして調製した酸化チタン系粒子(1)分散液に、濃度15重量%のアン
モニア水を添加して分散液のpHを9.0とし、ついで、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(6)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固
形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(6)分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(6)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例7]
酸化チタン系粒子(7)の調製
実施例1と同様にして調製した酸化チタン系粒子(1)分散液に、濃度25重量%のテト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を添加して分散液のpHを12.0とし、ついで、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(7)分散液を調製した。
ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(7)分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(7)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例8]
酸化チタン系粒子(8)の調製
実施例1において、TiO2として濃度2重量%の四塩化チタン水溶液100gの代わ
りにTiO2として濃度1重量%のテトライソプロピルチタネートのアルコール溶液20
0gを用いた以外は同様にして水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合スラリーを調製したのち、熟成、洗浄後、過酸化水素を加えて水熱処理して酸化チタン系粒子分散液を調製した。ついで、濃度15重量%のアンモニア水を添加して分散液のpHを8.5と、ついで、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(8)分散液を調製した。該分散液
を、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(8)分
散液を調製した。
得られた分散液に、濃度15重量%のアンモニア水を添加して分散液のpHを9.0とし、再び、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(8)分散液を調製した。つい
で、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(8)分
散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(8)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例9]
酸化チタン系粒子(9)の調製
シリカ系中空微粒子分散液(触媒化成工業(株)製:スルーリアP1420、平均粒子径50nm、屈折率1.30、固形分濃度20重量%)100gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ系中空微粒子分散液とした。
別途、TiO2として濃度2重量%の四塩化チタン水溶液100gに、濃度4重量%の
アンモニア水を添加し、四塩化チタンを加水分解して水和酸化チタンゲルスラリーを得た。該ゲルスラリーを洗浄した後、濃度35重量%の過酸化水素水14gを添加し、30℃で1時間溶解し、TiO2として濃度1.7重量%のペルオキソチタン酸水溶液を調製し
た。
ついで、シリカ系中空微粒子分散液にペルオキソチタン酸水溶液を加え、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子分散液を調製した。ついで、濃度25重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を添加して分散液のpHを12とし、ついで、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(9)分散液を調製した。
ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(9)分散液を調製した。
濃度15重量%のアンモニア水を添加して分散液のpHを9.0に調整し、再び、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(9)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜
法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(9)分散液を調製した
表面処理
酸化チタン系粒子(9)分散液の一部100gをエタノールに溶媒置換した後、メタクリ
ルシランカップリング剤(信越化学(株)製:KBM-503)3gを添加し、50℃で加熱処
理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(9)のアルコール分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(9)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン
被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表に示した。
[実施例10]
酸化チタン系粒子(10)の調製
(i)シリカ系中空微粒子の調製
シリカ・アルミナゾル(触媒化成工業(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20重量%、固形分中Al2O3含有量27重量%)100gと純水3900gの混合物を98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.
5重量%の珪酸ナトリウム水溶液2090gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミ
ン酸ナトリウム水溶液700gを添加して、SiO2・Al2O3粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは12.0であった。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(1)の
分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと
純水5Lを加えながら、限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子前駆体(P-1-2)の水分散液を得た。
ついで、シリカ系中空微粒子前駆体(P-1-2)の水分散液150gと、純水500g、エ
タノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)51gを添加してシリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(P-1-2)の水分散液を得た。
つぎに、シリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(P-1-2)分散液にアンモニア水を
添加して分散液のpHを10.5に調整し、ついで200℃にて11時間熟成した後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、さらに陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらにまた陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(P-1-3)の水
分散液を得た。
ついで、再び、シリカ系中空微粒子(P-1-3)分散液を150℃にて11時間水熱処理し
た後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、さらに、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(P-1-4)の水分散液を得た。
得られたシリカ系中空微粒子(P-1-4)の屈折率、平均粒子径を測定し、結果を表1に示
した。
(ii)酸化チタン被覆層の形成
固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(P-1-4)の水分散液100gを希釈して固
形分濃度5重量%のシリカ系中空微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重
量%の四塩化チタン水溶液100gを加え、濃度4重量%のアンモニア水を0.5時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合スラリーを得た。このスラリーを、40℃で2時間静置して熟成した後、濾過洗浄し、固形分濃度が4重量%の水和酸化チタン・シリカ系中空微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
この混合分散液500gに、濃度35重量%の過酸化水素水13gを添加した後、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(10-1)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(10-2)分散液を調製した。さらに濃度15重量%のアンモニア水を添加して分散液のpHを9.0とし、再び、165℃で3時間水熱処理して酸化チタン系粒子(10)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(10)分散液を調製した。
表面処理
調製した酸化チタン系粒子(10)分散液100gをエタノールに溶媒置換した後、メタクリルシランカップリング剤(信越化学(株)製:KBM-503)3gを添加し、50℃で加熱
処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(10)のアルコール分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(10)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[実施例11]
酸化チタン系粒子(11)の調製
表面処理
実施例1と同様にして調製した酸化チタン系粒子(1)分散液の一部100gをエタノールに
溶媒置換した後、メタクリルシランカップリング剤(信越化学(株)製:KBM-503)3gを
添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を使用して溶媒をエタノールに置換して固形分濃度20重量%の酸化チタン系粒子(11)のアルコール分散液を調製した。
得られた酸化チタン系粒子(11)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚み、結晶形、特性(1)および(2)を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
酸化チタン粒子(R1)の調製
TiO2として濃度0.4重量%の硫酸チタン水溶液を撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を徐々に添加し、pH8.5の白色スラリーを得た。ついで、このスラリーを濾過し、洗浄して、固形分濃度9重量%のチタニアゲルスラリーを得た。このケーキ5.55Kgに濃度33重量%の過酸化水素水6.06Kgと水13.4Kgとを混合し、80℃で5時間加熱し、TiO2として濃度2.0重量%のペルオキソチタン酸水溶液を得た。このとき、水溶液は褐色で、pHは8.1であった。
得られたペルオキソチタン酸水溶液10gと水2000gとを混合し、95℃で2時間加熱し、TiO2として濃度0.01重量%のチタニアゾルを得た。
先に調製したペルオキソチタン酸水溶液(TiO2濃度2.0重量%)9Kgと、水191Kgとチタニアゾル130g(TiO2濃度0.01重量%)とを混合し、95℃で60時間加熱して酸化チタン粒子(R1)分散液を調製した。
得られた酸化チタン粒子(R1)は、短軸径が11nm、長軸径が57nm、アスペクト比5.2の棒状の粒子であった。また、結晶形はアナタース型で、屈折率は2.1であった。
得られた酸化チタン系粒子(R1)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚さ、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[比較例2]
酸化チタン粒子(R2)の調製
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI-30、平均粒子径12nm、屈折率1.4
4、固形分濃度40重量%)50gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重量%の四塩化チタン水溶液100gを加え、つ
いで、濃度4重量%のアンモニア水を0.5時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタン・シリカ微粒子混合スラリーを得た。
その後、このスラリーを40℃で2時間静置して熟成した後、濾過洗浄し、固形分濃度が20重量%の水和酸化チタン・シリカ微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
得られた混合分散液を165℃で3時間水熱処理して酸化チタン粒子(R2)分散液を調製した。ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン粒子(R2)分散液を調製した。酸化チタン粒子(R2)は凝集状態であった。また、結晶形は無定型であった。
得られた酸化チタン系粒子(R2)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚さ、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
[比較例3]
酸化チタン粒子(R3)の調製
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI-30、平均粒子径12nm、屈折率1.4
4、固形分濃度40重量%)50gを希釈して固形分濃度5重量%のシリカ微粒子分散液とした。これに、TiO2として濃度2重量%の四塩化チタン水溶液100gと、濃度4
重量%のアンモニア水を同時に2時間で添加し、pH=8.5の水和酸化チタンゲルとシリカ微粒子との混合スラリーを得た。
かかるスラリーを、40℃で2時間静置して熟成した後、濾過洗浄し、固形分濃度が20重量%の水和酸化チタン・シリカ微粒子混合分散液を得た。分散液のpHは8.5であった。
得られたこの混合分散液を165℃で3時間水熱処理して酸化チタン粒子(R3)分散液を調製し、ついで、限外濾過膜法にて洗浄し、濃縮して固形分濃度20重量%の酸化チタン粒子(R3)分散液を調製した。酸化チタン粒子(R3)は凝集状態であった。また、結晶形は無定型であった。
得られた酸化チタン系粒子(R3)について、平均粒子径、球状係数、屈折率、酸化チタン被覆層の厚さ、結晶形、特性(1)および特性(2)を測定し、結果を表1に示した。
Figure 0005657197

Claims (8)

  1. 下記の工程(a)〜(c)をこの順に含むことを特徴とする、平均粒子径が5〜100nmの範囲にあり、屈折率が1.3〜2.0の範囲にあり、シリカ系中空微粒子と、中空微粒子表面の酸化チタン被覆層とからなる酸化チタン系粒子の製造方法。
    (a)シリカ系中空微粒子分散液に、4塩化チタン、3塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル、チタンアルコキシドあるいはこれらの部分加水分解物であるチタン化合物の水溶液または該チタン化合物の水溶液と酸またはアルカリを加えながら加水分解し、シリカ系中空微粒子表面にチタン化合物加水分解物を析出させる工程。
    (b)チタン化合物加水分解物を表面に析出させたシリカ系中空微粒子分散液に、過酸化水素のH22としてのモル数MHPとチタン化合物加水分解物のTiO2としてのモル数MTiとのモル比MHP/MTiが2〜50の範囲となるように過酸化水素水を加える工程
    (c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
  2. 下記の工程(ab)〜(d)をこの順に含むことを特徴とする、平均粒子径が5〜100nmの範囲にあり、屈折率が1.3〜2.0の範囲にあり、シリカ系中空微粒子と、中空微粒子表面の酸化チタン被覆層とからなる酸化チタン系粒子の製造方法。
    (ab)シリカ系中空微粒子分散液に、ペルオキソチタン酸水溶液を加える工程。
    (c)分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
    (d)pH7.5〜13.5に調整した分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
  3. 前記工程(c)の後、下記の工程(d)を行うことを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
    (d)pH7.5〜13.5に調整した分散液を80〜350℃で水熱処理する工程。
  4. 前記シリカ系中空微粒子の平均粒子径が3〜100nmの範囲にあり、屈折率が1.15〜1.40の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
  5. 前記酸化チタン被覆層の平均厚さが0.1〜20nmの範囲にあり、かつ前記酸化チタン被覆層の厚さは、酸化チタン系粒子の平均粒子径の1/2を越えないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
  6. 得られた酸化チタン系粒子の下記式(1)で表される球状係数が0.5〜1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
    球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・(1)
    (但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径)
  7. 前記酸化チタン被覆層がアナタース型、ルチル型またはブルッカイト型から選ばれる1種以上の酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
  8. さらに、得られた酸化チタン系粒子を、下記式(1)で表される有機珪素化合物またはこれらの加水分解物で表面処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の酸化チタン系粒子の製造方法。
    n-SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
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