JPH04214028A - 酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルおよびこのゾルから形成された透明薄膜 - Google Patents

酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルおよびこのゾルから形成された透明薄膜

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JPH04214028A
JPH04214028A JP2806491A JP2806491A JPH04214028A JP H04214028 A JPH04214028 A JP H04214028A JP 2806491 A JP2806491 A JP 2806491A JP 2806491 A JP2806491 A JP 2806491A JP H04214028 A JPH04214028 A JP H04214028A
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cerium oxide
hydrated
titanium
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Hirokazu Tanaka
田 中  博 和
Masabumi Hirai
平 井  正 文
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、分散媒への分散性、長期
安定性、耐光性等に優れた酸化チタン・酸化セリウム複
合系ゾルおよびその製造方法に関し、また本発明は上記
複合系ゾルから形成された優れた透明薄膜に関する。
【0002】
【発明の技術的背景ならびにその問題点】酸化チタンは
、その紫外線遮蔽力あるいは高屈折率を利用してプラス
チック等の配合剤または表面コート剤として用いられた
り、化粧料基材に配合されて紫外線遮蔽効果をもった化
粧料の製造に用いられている。
【0003】これらの用途に用いられる酸化チタンは、
超微粒子状であることが好ましく、特に媒体への分散性
、安定性等の点からコロイド状酸化チタン(酸化チタン
ゾル)であることが好ましい。このような酸化チタンゾ
ルとして、本発明者等は、従来の酸化チタンゾルにない
種々の特徴をもった酸化チタンゾルを「酸化チタンゾル
およびその製造法」(特願昭 62−252953号)
において提案した。
【0004】本発明者らは、さらに優れた特性を有する
酸化チタンゾルを得るべく鋭意研究したところ、特定の
方法で得られた酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルが
優れた特性を有することを見出して、本発明を完成する
に至った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、UV−A領域の紫外線に対し
ても優れた遮蔽能を有するとともに高屈折率である透明
薄膜を提供しうる酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾル
の製造方法そしてこの複合系ゾルから形成された透明薄
膜を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る酸化チタン・酸化セリウム
複合系ゾルは、水和酸化チタンおよび水和酸化セリウム
の分散液に過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよ
び水和酸化セリウムを溶解し、次いで得られた溶液を加
熱することを特徴としている。
【0007】また本発明に係る透明薄膜は、上記のよう
にして得られた酸化チタン・酸化セリウム複合系微粒子
を含んで形成されていることを特徴としている。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明に係る酸化チタン・酸化セ
リウム複合系ゾルの製造方法について説明する。
【0009】まず本発明では、水和酸化チタンおよび水
和酸化セリウムの混合ゲルまたはゾル、あるいは両者の
共沈ゲルまたはゾルを調製する。水和酸化チタンおよび
水和酸化セリウムの混合ゲルは、たとえば、塩化チタン
、硫酸チタニル等のチタン塩水溶液を中和加水分解して
得られる水和酸化チタンゲルと、第2硝酸セリウムアン
モニウム等のセリウム塩を中和加水分解して得られる水
和酸化セリウムゲルとを混合することによって得られる
。また、水和酸化チタンゲルあるいは水和酸化セリウム
ゲルをあらかじめ調製し、これにセリウム塩水溶液ある
いはチタン塩水溶液を加えて中和加水分解し、混合ゲル
とすることもできる。
【0010】また混合ゾルは、上記のような方法により
調製した混合ゲルを、硝酸、塩酸等の酸で解膠すること
によって得ることができる。水和酸化チタンと水和酸化
セリウムとの共沈ゲルは、チタン塩とセリウム塩との混
合水溶液を中和加水分解することによって得られる。ま
た、この共沈ゲルを酸で解膠すればゾルが得られる。こ
れらの混合ゲルまたはゾル、あるいは共沈ゲルまたはゾ
ルは、上記の方法に限らず、従来公知の方法で調製する
ことができる。なお本明細書における「水和酸化チタン
」および「水和酸化セリウム」とは、酸化チタン、酸化
セリウムの水和物あるいはチタン水酸化物、セリウム水
酸化物を含む総称である。
【0011】これらの方法で得られたゲルまたはゾル中
の酸化チタンと酸化セリウムとの割合は、最終生成物中
のCe O2 /Ti O2 (重量比)が少なくとも
0.05、好ましくは0.1となるように調製すること
が望ましい。Ce O2 /Ti O2 (重量比)が
0.05未満では、酸化セリウムの添加効果が有効に発
現しないことがある。
【0012】また、酸化セリウムの割合が多くなると、
次の工程の過酸化水素による溶解が困難になるため、C
e O2 /Ti O2 (重量比)は約20以下であ
ることが好ましい。
【0013】次に、上記の方法によって得られたゲルお
よび/またはゾルに過酸化水素を加え、水和酸化チタン
および水和酸化セリウムを溶解して均一な水溶液を調製
する。このとき、50℃以上に加熱することが好ましい
。加える過酸化水素の量は、H2 O2 /(Ti O
2 +Ce O2 )(重量比)として1以上であれば
水和酸化チタンおよび水和酸化セリウムを完全に溶解す
ることができる。H2 O2 /(Ti O2 +Ce
 O2 )が1未満では、水和酸化チタン、水和酸化セ
リウムが完全に溶解せず残存することがある。また、H
2 O2 /(Ti O2 +Ce O2 )の重量比
は、大きいほど水和酸化チタンおよび水和酸化セリウム
の溶解度が大きく、反応は短時間で終了する。しかしあ
まり過剰に過酸化水素を用いると、未反応の過酸化水素
が系内に多量に残存し、経済的でなく、また次の工程に
影響を及ぼすことがある。従って、H2 O2 /(T
i O2 +Ce O2 )の重量比は1〜6、好まし
くは2〜5の範囲であることが望ましい。この範囲の過
酸化水素を用いれば、水和酸化チタンおよび水和酸化セ
リウムは、その濃度、加熱温度にもよるが約0.5〜8
時間で完全に溶解する。
【0014】水和酸化チタンおよび水和酸化セリウムの
濃度が高すぎると、その溶解に長時間を要し、さらに未
溶解物が沈澱したり、得られた水溶液が粘稠になり過ぎ
る。従って、溶解後の水溶液中の濃度が(Ti O2 
+Ce O2 )として約10重量%以下、好ましくは
約5重量%以下となるようにすることが望ましい。
【0015】次いで、この水溶液はそのまま、あるいは
(Ti O2 +Ce O2 )濃度を該水溶液に水を
加えるなどして調整したのち、60℃以上、好ましくは
80℃以上に加熱して加水分解する。このようにすると
、酸化チタンおよび酸化セリウムの複合した粒子が分散
した酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルが得られる。
【0016】ここでいう酸化チタン・酸化セリウム複合
系ゾルとは、酸化チタン粒子と酸化セリウム粒子との混
合ゾル、酸化チタンと酸化セリウムとが化学的に結合し
た状態すなわち、酸化チタンの結晶構造中のチタン原子
の一部がセリウム原子を置換したもの、あるいは酸化チ
タン結晶格子間にセリウム原子が閉じ込められた状態の
複合酸化物粒子が分散したゾルあるいは酸化チタンと酸
化セリウムとが物理的に結合した単一の粒子が分散した
ゾル、あるいはこれらの混合ゾルを意味する。
【0017】上記のような方法で得られたゾルは、約4
〜300mμの範囲の平均粒径を有する微粒子が分散し
た安定な耐光性に優れたゾルであるが、さらに生成ゾル
の長期安定性、耐光性を向上させる目的で、過酸化水素
に溶解した水溶液を、特定の無機化合物の共存下で加熱
して加水分解することによりゾルを製造することもでき
る。すなわち、Zn 等の周期律表第II族、Al等の
第III族、Ti 、Zr 、Si、Sn 等の第IV
族、V、Sb 等の第V族、W等の第VI族およびFe
 等の第VIII族から選ばれた1種または2種以上の
元素の無機化合物と上記水溶液とを混合したのち、得ら
れた混合物を60℃以上に加熱して加水分解する。
【0018】上記のような無機化合物は、塩、酸化物、
水酸化物またはオキシ酸あるいはオキシ酸塩などの形態
で用いられる。上記のオキシ酸塩を用いる場合は、オキ
シ酸塩を陽イオン交換樹脂等で、脱塩したのち用いる方
が好ましい。これら無機化合物は固体状で用いても良く
、または水溶液として用いても良いが、ゲルまたはゾル
の形態で用いることが好ましい。無機化合物をゾルの形
態で用いる場合には、分散粒子の平均粒径は約30mμ
以下、好ましくは約15mμ以下であることが望ましい
。たとえば、ケイ素の場合には、アルカリケイ酸塩、シ
リカゲル、シリカゾルあるいはケイ酸液が用いられる。 ここでケイ酸液とは、アルカリケイ酸塩水溶液をイオン
交換法などで脱アルカリして得られるケイ酸の低重合物
溶液を意味している。
【0019】無機化合物の混合量を増すと、得られるゾ
ルの長期安定性、耐光性が向上し、また高濃度のゾルが
得られる。しかし、これらの効果が所定のレベルに達し
たあとは、それ以上無機化合物の混合量を増しても、長
期安定性、耐光性等の向上効果の増大がみられなくなる
。一方無機化合物の混合量が少なくなると、無機化合物
の混合効果が発現されないことがある。
【0020】上記のことを考慮すると、混合すべき無機
化合物の量は、水和酸化チタンおよび水和酸化セリウム
の分散液に過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよ
び水和酸化セリウムを溶解して得られる水溶液(以下過
酸化水素溶解水溶液という)中のチタンおよびセリウム
重量を(Ti O2 +Ce O2 )に換算した値と
、無機化合物の重量を酸化物(MOx )に換算した値
との比(Ti O2 +Ce O2 )/MOx (重
量比)が、0.25〜200の範囲であることが好まし
い。
【0021】過酸化水素溶解水溶液と無機化合物の混合
方法としては、特に制限はなく、所定量の過酸化水素溶
解水溶液と無機化合物とを一時に全量混合してもよく、
また過酸化水素溶解水溶液と無機化合物の一部ずつとを
最初に混合して加熱し、反応が進むにしたがって、両者
の残りを加えてもよい。さらには、無機化合物の全量と
過酸化水素溶解水溶液の一部とを最初に混合して加熱し
、次いで残りの水溶液を加える方法もとり得る。
【0022】また、無機化合物の混合時期は、必ずしも
水和酸化チタンおよび水和酸化セリウムが過酸化水素に
溶解したのちである必要はなく、過酸化水素に溶解前の
ゲルまたはゾルの段階で混合してもよく、さらには水和
酸化チタンおよび水和酸セリウムのゲルまたはゾルの調
製時に混合してもよい。要するに過酸化水素に溶解後の
水溶液を加熱して加水分解する際に、前述の無機化合物
が反応系に存在していればよい。
【0023】このようにして得られた酸化チタン・酸化
セリウム複合系ゾルは、平均粒径4〜300mμの範囲
の粒子が水分散媒に分散されており、分散性、長期安定
性、耐光性に優れ、しかも広い pH領域(3〜12)
で安定なゾルである。
【0024】本発明に係る製造方法によって得られた酸
化チタン・酸化セリウム複合系ゾルは、そのまま種々の
目的の用途に供することができるが、減圧蒸発、限外濾
過等の公知の方法で適宜の濃度まで濃縮して用いること
もできる。また、用途によってはアルコール、グリコー
ル類等の有機溶媒と混合または溶媒置換して、有機溶媒
分散ゾルとすることができる。
【0025】また、本発明に係る水を分散媒とする酸化
チタン・酸化セリウム複合系ゾルをアルコール、グリコ
ール、グリセリン等の有機溶媒と混合したり、あるいは
溶媒置換しても、複合系ゾルは界面活性剤等を加えなく
ても非常に安定である。したがって、本発明に係る複合
系ゾルを、上記のような有機溶媒を分散媒とした有機ゾ
ルとして、用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る酸化チタン・酸化セリウム
複合系ゾルは、 pH3〜12の広い範囲で極めて安定
で、4〜300mμの範囲の粒径の微粒子が均一に分散
したゾルであり、分散性、長期安定性、耐光性に優れて
いる。また、酸化セリウムが含まれているため、320
〜400nm、特に340〜380nmの領域の紫外線
に対しても、同一濃度の酸化チタンゾルに比べて、優れ
た遮蔽効果を有している。
【0027】本発明に係る酸化チタン・酸化セリウム複
合系ゾルは、上記のような特性を利用して種々の用途が
考えられる。水分散ゾルを有機溶媒と混合したり、ある
いは溶媒置換して有機溶媒分散ゾルとし、これをプラス
チックや塗料の配合剤として用いれば、プラスチックの
紫外線による変質防止や塗料中の顔料の変色防止などの
効果が期待できる。また、食品包装用プラスチックフィ
ルムに配合すれば、従来の包装材に比較して長期保存が
可能となる。コンタクトレンズ用原料プラスチック(た
とえば HEMA)に分散させれば、紫外線による網膜
保護効果のあるコンタクトレンズとなる。
【0028】また上記の有機溶媒分散ゾルを透明被膜成
形用塗布液に混合分散させた塗布液をガラスに塗布し、
透明薄膜をガラス表面に施せば、紫外線遮蔽ガラスが得
られる。その他、本発明に係る複合系ゾル中の酸化チタ
ン・酸化セリウムが高屈折率であることを利用して、前
記の本発明に係る複合系ゾルを含む塗布液をプラスチッ
クレンズに塗布し、表面に透明薄膜を形成して高屈折率
レンズを作ることもできる。
【0029】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例1】Ce O2 として5gの塩化セリウムと
Ti O2 として5gの四塩化チタンとを純水に溶解
し、1000gの混合水溶液を調製した。これに15%
アンモニア水を、 pHが9.0になるまで徐々に添加
し、水和酸化チタンと水和酸化セリウムの共沈ゲルを得
た。
【0031】このようにして得られた共沈ゲルを脱水し
、洗浄した後、この共沈ゲル110gに35%過酸化水
素115gと純水25gとを加え、次いで80℃に加熱
したところ、淡黄橙褐色の透明な過酸化水素溶解水溶液
250gが得られた。この過酸化水素溶解水溶液の p
Hは8.7であった。この水溶液を酸化物(Ti O2
 +Ce O2 )として0.1重量%になるように純
水で希釈したのち、95℃、96時間加熱した。96時
間後、淡黄乳白色の透明な酸化チタン・酸化セリウム複
合系ゾルが得られた。このゾルの pHは6.8であり
、最小6mμ、最大20mμの微粒子が分散しており、
この微粒子の比表面積(BET法)は256m2 /g
であった。また、このゾルを真空蒸発法で(Ce O2
 +Ti O2 )濃度20重量%まで濃縮しても安定
であった。
【0032】また、上記で得られたゾルの一部を酸化物
(Ti O2 +Ce O2 )として0.05重量%
の濃度まで希釈し、これを厚さ1mmの石英セルに入れ
、分光光度計(日立製作所製330型)で260〜50
0nmの光透過率を測定した。
【0033】その結果を図1(曲線A)に示す。このよ
うにして得られたゾルを含む塗布液を、プラスチックレ
ンズ上に塗布して、プラスチック表面に透明薄膜を形成
した。
【0034】
【実施例2】実施例1と同様の方法で得られた過酸化水
素溶解水溶液250gに、平均粒径7mμ、Si O2
 濃度10重量%のシリカゾル15gおよび純水9.7
Kgを混合したのち、150℃、10時間加熱した。1
0時間後、淡黄乳白色の透明な酸化チタン・酸化セリウ
ム複合系ゾルが得られた。このゾルの pHは7.3で
あり、分散粒子径は7〜21mμであり、粒子の比表面
積は266m2 /gであった。このゾルは、実施例1
と同様にして27重量%まで濃縮しても安定であった。 また、実施例1と同様の方法で測定した光透過率は、実
施例1とほとんど同じであった。
【0035】
【実施例3】Ce O2 として10gの硝酸第2セリ
ウムアンモニウムを純水に溶解し、Ce O2 として
0.5重量%の水溶液とした。これに15%アンモニア
水を、 pHが9.0になるまで徐々に添加した後、脱
水した後洗浄したところ、100gの水和酸化セリウム
のゲルが得られた。これに5重量%塩酸112gを加え
て、水和酸化セリウムを溶解した。
【0036】次いで、この水溶液にCe O2 /Ti
 O2 =1(重量/重量)となるように四塩化チタン
水溶液を加えた後、15%アンモニア水を徐々に加えて
 pHを8.0に調整した。このようにして得られた水
和酸化チタンと水和酸化セリウムの混合ゲルを実施例1
と同様に過酸化水素で溶解したところ、 pHが9.2
である淡黄橙褐色の透明な過酸化水素溶解水溶液500
gが得られた。
【0037】次いでこの過酸化水素溶解水溶液500g
に、水ガラス水溶液を陽イオン樹脂で脱アルカリして得
られたケイ酸液(Si O2   5重量%)780g
と純水720gとを混合した後、172℃に加熱した。 16時間加熱したところ、淡黄乳白色の pHが7.5
である酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルが得られた
。このゾル中の分散粒子の粒径は7〜19mμの範囲に
あり、粒子の比表面積は243m2 /gであった。
【0038】また、(Ce O2 +Ti O2 )2
5重量%に濃縮後のゾル20gとカーボポール5gとを
純水75gに溶解した液を均一に混合したのち、これを
石英板上にドクターブレードにて厚さ5μmの膜とし、
分光光度計(日立製作所製330型)で光透過率を測定
した。
【0039】結果を図2(曲線A)に示す。
【0040】
【実施例4】実施例3において、Ce O2 /Ti 
O2 =1(重量/重量)を4にした以外は、実施例3
と同様にしたところ、 pHが6.8であり、分散粒子
径が6〜40mμであり、粒子比表面積が350m2 
/gである複合系ゾルが得られた。また、このゾルは3
0重量%まで濃縮しても安定であった。実施例3と同様
の方法で測定したゾルの光透過率を図2(曲線B)に示
す。
【0041】
【実施例5】Ce O2 として10gの硝酸第2セリ
ウムアンモニウムを純水に溶解し、Ce O2 として
2.0重量%の水溶液とした。これに15%アンモニア
水を、 pHが9.0になるまで徐々に添加したのち、
脱水し、次いで洗浄したところ、118gの水和酸化セ
リウムのゲルが得られた。これに5重量%塩酸130g
を加えて水和酸化セリウムを溶解した。次いで、この水
溶液にCe O2 /Ti O2 =1/9(重量/重
量)となるように四塩化チタン水溶液を加えたのち、5
%アンモニア水を徐々に加えて pHを8.4に調整し
た。このようにして得られた水和酸化チタンと水和酸化
セリウムとの混合ゲルを実施例1と同様に過酸化水素で
溶解したところ、 pHが9.2であり、淡黄橙褐色の
透明な水溶液250gが得られた。
【0042】次いで実施例2と同様にして、 pHが7
.8である酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルを得た
。 分散粒子の粒径は4〜25mμであり、粒子の比表面積
は180m2 /gであった。
【0043】
【実施例6】Ce O2 /Ti O2 を9.5/0
.5(重量/重量)とした以外は、実施例5と同様にし
て pHが6.5である酸化チタン・酸化セリウム複合
系ゾルを得た。(分散粒子径=4〜65mμ、粒子比表
面積170m2 /g)。
【0044】
【比較例1】硫酸チタンを純水に溶解し、Ti O2 
として、0.4重量%を含む水溶液を得た。この水溶液
を撹拌しながら、15%アンモニア水を徐々に添加し、
 pH8.5の白色スラリー液を得た。このスラリーを
濾過した後洗浄し、固形分濃度が9重量%である水和酸
化チタンゲルのケーキを得た。
【0045】このケーキ550gに、33%過酸化水素
水610gと純水1300gとを加えた後、80℃で5
時間加熱し、Ti O2 として2.0重量%の溶液2
.5Kgを得た。この水溶液は、黄褐色透明で、 pH
は8.1であった。
【0046】次に、粒子径が7mμであり濃度が15重
量%であるシリカゾル13gと、上記の水溶液900g
と、純水1000gとを混合した後、95℃で624時
間加熱した。溶液は最初黄褐色液であったが、624時
間後には乳白色透明な酸化チタンゾルを得た。このゾル
の分散粒子の平均粒径は24mμであった。
【0047】得られた酸化チタンゾルの一部を純水で希
釈してTi O2 濃度0.05重量%とし、実施例1
と同様の方法で光透過率を測定した。結果を第1図(曲
線B)に示す。
【0048】曲線A,Bの比較から明らかな如く、本発
明の酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルは、酸化セリ
ウムを含まない酸化チタンゾルと比べて、特にUV−A
領域の紫外線の遮蔽効果に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1において、曲線Aは本発明に係る酸化チタ
ン・酸化セリウム複合系ゾルの光透過率を示す曲線であ
り、曲線Bは酸化チタンゾルの光透過率を示す曲線であ
る。
【図2】図2において、曲線Aは本発明に係るCe O
2 /Ti O2 =1(重量/重量)の酸化チタン・
酸化セリウム複合系ゾルの光透過率を示す曲線であり、
曲線Bは同様にCe O2 /Ti O2 =4の酸化
チタン・酸化セリウム複合系ゾルの光透過率を示す曲線
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水和酸化チタンおよび水和酸化セリウムの
    分散液に過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよび
    水和酸化セリウムを溶解し、次いで得られた溶液を加熱
    することを特徴とする酸化チタン・酸化セリウム複合系
    ゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】チタンおよび水和酸化セリウムの分散液に
    過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよび水和酸化
    セリウムを溶解し、次いで得られた溶液を周期律表第I
    I族,第III 族,第IV族,第V族,第VI族およ
    び第VIII族から選ばれた1種または2種以上の元素
    の無機化合物の共存下で加熱することを特徴とする酸化
    チタン・酸化セリウム複合系ゾルの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の方法で製造した
    ことを特徴とする酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾル
  4. 【請求項4】酸化チタン・酸化セリウム複合系微粒子を
    含む透明薄膜。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2の方法で製造され
    た酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルを含む塗布液を
    基材に塗布することを特徴とする透明薄膜の製造方法。
JP3028064A 1991-01-29 1991-01-29 酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルおよびこのゾルから形成された透明薄膜 Expired - Lifetime JPH06650B2 (ja)

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