JP2577465B2 - 酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方法およびそのゾルを配合した化粧料 - Google Patents

酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方法およびそのゾルを配合した化粧料

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JP2577465B2 JP63335246A JP33524688A JP2577465B2 JP 2577465 B2 JP2577465 B2 JP 2577465B2 JP 63335246 A JP63335246 A JP 63335246A JP 33524688 A JP33524688 A JP 33524688A JP 2577465 B2 JP2577465 B2 JP 2577465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、分散媒への分散性、長期安定性、耐光性等
に優れた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方法に関
し、また本発明は上記複合系ゾルが配合された優れた紫
外線遮蔽効果を有する化粧料に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 酸化チタンは、その紫外線遮蔽力あるいは高屈折率を
利用してプラスチック等の配合剤または表面コート剤と
して用いられたり、化粧料基材に配合されて紫外線遮蔽
効果をもった化粧料の製造に用いられている。
これらの用途に用いられる酸化チタンは、超微粒子状
であることが好ましく、特に媒体への分散性、安定性等
の点からコロイド状酸化チタン(酸化チタンゾル)であ
ることが好ましい。このような酸化チタンゾルとして、
本発明者等は、従来の酸化チタンゾルにない種々の特徴
をもった酸化チタンゾルを「酸化チタンゾルおよびその
製造方法」(特願昭62−252953号)において提案した。
ところで、化粧料に紫外線遮蔽効果をもたらすために
配合される酸化チタン微粒子は粉末状であることが一般
的である。ところが従来知られている酸化チタン粉末
は、化粧料基材に均一に分散させることが難しく、その
ために紫外線遮蔽効果に劣っていた。また、上記のよう
な酸化チタン粉末を化粧水に配合した場合には、粒子が
次第に沈降してくるなど、分散性、安定性に問題点があ
った。このような問題点を解決するため、本出願人は、
酸化チタンと酸化ケイ素および/または酸化ジルコニウ
ムとの複合体微粒子が配合された化粧料を、特願昭62−
172293号で提案した。
しかし、上記のような酸化チタンゾルおよび酸化チタ
ン系複合体微粒子は、紫外線のうち、280〜320nmの波長
領域(UV−B領域)の紫外線に対しては優れた遮蔽効果
を示すが、320〜400nm特に340〜380nmの波長領域(UV−
A領域)の紫外線に対しては充分な遮蔽効果を示さない
という問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような酸化チタンゾルの問題点を解
決しようとするもので、UV−A領域の紫外線に対しても
優れた遮蔽能を有するような酸化チタン・酸化鉄複合系
ゾルの製造方法、さらにこの複合系ゾルが配合された優
れた紫外線遮蔽効果を有する化粧料を提供することを目
的としている。
発明の概要 本発明に係る酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方
法は、水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の分散液に過酸
化水素を加えて、該水和酸化チタンおよび水和酸化鉄を
溶解し、次いで得られた溶液を加熱することを特徴とし
ている。
また本発明に係る化粧料は、上記のようにして得られ
た酸化チタン・酸化鉄複合系微粒子が配合されているこ
とを特徴としている。
発明の具体的説明 本発明に係る酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方
法について説明する。
まず本発明では、水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の
混合ゲルまたはゾル、あるいは両者の共沈ゲルまたはゾ
ルを調製する。
水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の混合ゲルは、たと
えば、塩化チタン、硫酸チタニル等のチタン塩水溶液を
中和加水分解して得られる水和酸化チタンゲルと、塩化
鉄等の鉄塩を中和加水分解して得られる水和酸化鉄ゲル
とを混合することによって得られる。また、水和酸化チ
タンゲルあるいは水和酸化鉄ゲルをあらかじめ調製し、
これに鉄塩水溶液あるいはチタン塩水溶液を加えて中和
加水分解し、混合ゲルとすることもできる。
また混合ゾルは、上記のような方法により調製した混
合ゲルを、硝酸、塩酸等の酸で解膠することによって得
ることができる。
水和酸化チタンと水和酸化鉄との共沈ゲルは、チタン
塩と鉄塩との混合水溶液を中和加水分解することによっ
て得られる。また、この共沈ゲルを酸で解膠すればゾル
が得られる。これらの混合ゲルまたはゾル、あるいは共
沈ゲルまたはゾルは、上記の方法に限らず、従来公知の
方法で調製することができる。なお本明細書における
「水和酸化チタン」および「水和酸化鉄」とは、酸化チ
タン、酸化鉄の水和物およびあるいはチタン酸、チタン
水酸化物、鉄水酸化物を含む総称である。
これらの方法で得られたゲルまたはゾル中の酸化チタ
ンと酸化鉄との割合は、最終生成物中のFe2O3/TiO
2(重量比)が0.05〜50、好ましくは0.1〜20の範囲とな
るようにする。Fe2O3/TiO2)(重量比)が0.05未満で
は、酸化鉄の添加効果を発現しない。また、酸化鉄の割
合が50を越すと最終生成物のゾルの安定性が悪くなる。
また、ゾル製造時の水和酸化鉄の過酸化水素による溶解
が困難になる。
次に、上記の方法によって得られたゲルおよび/また
はゾルに過酸化水素を加え、水和酸化チタンおよび水和
酸化鉄を溶解して均一な水溶液を調製する。このとき、
50℃以上に加熱することが好ましい。加える過酸化水素
の量は、H2O2/(TiO2+Fe2O3)(比重比)として1.5以
上であれば水和酸化チタンおよび水和酸化鉄を完全に溶
解することができる。H2O2/(TiO2+Fe2O3)が1.5未満
では、水和酸化チタン、水和酸化鉄が完全に溶解せず残
存するため好ましくない。また、H2O2/(TiO2+Fe
2O3)の重量比は、大きいほど水和酸化チタンおよび水
和酸化鉄の溶解度が大きく、反応は短時間で終了する。
しかしあまり過剰に過酸化水素を用いると、未反応の過
酸化水素が系内に多量に残存し、経済的でなく、また次
の工程に影響を及ぼすので好ましくない。従って、H2O2
/(TiO2+Fe2O3)の重量比は1.5〜10、好ましくは4〜
7の範囲であることが望ましい。この範囲の過酸化水素
を用いれば、水和酸化チタンおよび水和酸化鉄は、その
濃度、加熱温度にもよるが約0.5〜8時間で完全に溶解
する。
水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の濃度が高すぎる
と、その溶解に長時間を要し、さらに未溶解物が沈殿し
たり、得られた水溶液が粘稠になり過ぎる。従って、溶
解後の水溶液中の濃度が(TiO2+Fe2O3)として約6重
量%以下、好ましくは約4重量%以下となるようにする
ことが望ましい。
次いで、この水溶液はそのまま、あるいは(TiO2+Fe
2O3)濃度を該水溶液に水を加えるなどして調整したの
ち、60℃以上、好ましくは80℃以上に加熱して加水分解
する。このようにすると、酸化チタンおよび酸化鉄の複
合した粒子が分散した酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルが
得られる。この酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル中の超微
粒子状酸化チタン・酸化鉄は、結晶性である。
ここでいう酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルとは、酸化
チタン粒子と酸化鉄粒子との混合ゾル、酸化チタンと酸
化鉄とが化学的に結合した複合酸化物粒子が分散したゾ
ルあるいは酸化チタンと酸化鉄とが物理的に結合した単
一の粒子が分散したゾル、あるいはこれらの混成ゾルを
意味する。
上記のような方法で得られたゾルは、約4〜100mμの
平均粒径を有する微粒子が分散した安定な耐光性に優れ
たゾルであるが、さらに生成ゾルの長期安定性、耐光性
を向上させる目的で、過酸化水素に溶解した水溶液を、
特定の無機化合物の共存下で加熱して加水分解すること
によりゾルを製造することもできる。すなわち、Zn等の
周期律表第II族、Al等の第III族、Ti、Zr、Si、Sn等の
第IV族、V、Sb等の第V族およびW等の第VI族から選ば
れた1種または2種以上の元素の無機化合物と上記水溶
液とを混合したのち、得られた混合物を60℃以上に加熱
して加水分解する。
上記のような無機化合物は、塩、酸化物、水酸化物ま
たはオキシ酸あるいはオキシ酸塩などの形態で用いられ
る。これら無機化合物は固体状で用いても良く、または
水溶液として用いても良いが、ゲルまたはゾルの形態で
用いることが好ましい。無機化合物をゾルの形態で用い
る場合には、分散粒子の平均粒径は約30mμ以下、好ま
しくは約15mμ以下であることが望ましい。たとえば、
ケイ素の場合には、アルカリケイ酸塩、シリカゲル、シ
リカゾルあるいはケイ酸液が用いられる。ここでケイ酸
液とは、アルカリケイ酸塩水溶液をイオン交換法などで
脱アルカリして得られるケイ酸の低重合物溶液を意味し
ている。
無機化合物の混合量を増すと、得られるゾルの長期安
定性、耐光性が向上し、また高濃度のゾルが得られる。
しかし、これらの効果が所定のレベルに達したあとは、
それ以上無機化合物の混合量を増しても、長期安定性、
耐光性等の向上効果の増大がみられなくなるため好まし
くない。一方無機化合物の混合量が少なくなると、無機
化合物の混合効果が発現されないため好ましくない。
上記のことを考慮すると、混合すべき無機化合物の量
は、水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の分散液に過酸化
水素を加えて、該水和酸化チタンおよび水和酸化鉄を溶
解して得られる水溶液(以下過酸化水素溶解水溶液とい
う)中のチタンおよび鉄重量を(TiO2+Fe2O3)に換算
した値と、無機化合物の重量を酸化物(MOx)に換算し
た値との比(TiO2+Fe2O3)/MOx(重量比)が、0.25〜
200の範囲であることが好ましい。
過酸化水素溶解水溶液と無機化合物の混合方法として
は、特に制限はなく、所定量の過酸化水素溶解水溶液と
無機化合物とを一時に全量混合しても良く、また過酸化
水素溶解水溶液と無機化合物の一部ずつとを最初に混合
して加熱し、反応が進むにしたがって、両者の残りを加
えても良い。さらには、無機化合物の全量と過酸化水素
溶解水溶液の一部とを最初に混合して加熱し、次いで残
りの水溶液を加える方法もとり得る。
また、無機化合物の混合時期は、必ずしも水和酸化チ
タンおよび水和酸化鉄が過酸化水素に溶解したのちであ
る必要はなく、過酸化水素に溶解前のゲルまたはゾルの
段階で混合しても良く、さらには水和酸化チタンおよび
水和酸化鉄のゲルまたはゾルの調製時に混合しても良
い。要するに過酸化水素に溶解後の水溶液を加熱して加
水分解する際に、前述の無機化合物が反応系に存在して
いればよい。
このようにして得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾ
ルは、平均粒径4〜100mμの粒子が水分散媒に分散され
ており、分散性、長期安定性、耐光性に優れ、しかも広
いpH領域(3〜12)で安定なゾルである。
本発明により得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
は、そのまま種々の目的の用途に供することができる
が、減圧蒸留、限外濾過等の公知の方法で適宜の濃度ま
で濃縮して用いることもできる。また、用途によっては
アルコール、グリコール類等の有気溶媒と混合または溶
媒置換して、有機溶媒分散ゾルとすることができる。
また、本発明により得られたゾルは、酸化鉄の割合に
よって黄色から赤褐色の色を示す。従って、安定な液体
状有色顔料として用いることもできる。
次に本発明に係る化粧料について述べる。本発明にお
いては、前述のようにして得られた複合系ゾル中の酸化
チタン・酸化鉄複合系微粒子の濃度を調整したのち、こ
の複合系ゾルを他の化粧料基材と周知の方法で混合する
ことにより、化粧料が得られる。本発明で得られる複合
系ゾルは、前述の製造方法からわかる通り、そのpHは4
以上、通常は5〜9であるので、このまま化粧料に配合
することができる。
また、本発明により得られた水を分散媒とする酸化チ
タン・酸化鉄複合系ゾルをアルコール、グリコール、グ
リセリン等の有機溶媒と混合したり、あるいは溶媒置換
しても、複合系ゾルは界面活性剤等を加えなくても非常
に安定である。したがって化粧料の種類によっては、本
発明により得られた複合系ゾルを、上記のような有機溶
媒を分散媒とした有機ゾルとして、化粧料に配合するこ
ともできる。
本発明に係る化粧料において、酸化チタン・酸化鉄複
合系ゾルは、化粧料の種類によっても異なるが、化粧料
の全重量に対して(Fe2O3+TiO2)として、0.1重量%以
上、好ましくは0.5重量%以上の量で配合される。複合
系ゾルの配合量が0.1重量%未満では、得られる化粧料
の紫外線遮蔽効果が充分でないため好ましくない。
また、メークアップ化粧料、アイシャドウ、アイライ
ナー等の調色用顔料として用いれば、製造時の調色が容
易であり、製品は日焼け防止効果に優れると共に、外観
色と塗布色との不一致がなく、塗布後の色の変化もない
等の優れた効果を有する化粧品が得られる。
本発明による化粧料の形態は、粉末状、ケーキ状、ペ
ンシル状、スチック状、軟膏状、液状等であることがで
き、具体的には化粧水、ファンデーション、クリーム、
乳液、アイシャドウ、化粧下地、ネイルエナメル、アイ
ライナー、マスカラ、口紅、パック、あるいはシャンプ
ー、リンス、頭髪化粧料等が含まれる。
発明の効果 本発明により得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
は、pH3〜12の広い範囲で極めて安定で、4〜100mμの
粒径の微粒子が均一に分散したゾルであり、分散性、長
期安定性、耐光性に優れている。酸化鉄が含まれている
ため、320〜400nm、特に340〜380nmの領域の紫外線に対
しても、同一濃度の酸化チタンゾルに比べて、優れた遮
蔽効果を有している。
本発明により得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
は、上記のような特性を利用して種々の用途が考えられ
る。
水分散ゾルを有機溶媒と混合したり、あるいは溶媒置
換して有機溶媒分散ゾルとし、これをプラスチックや塗
料の配合剤として用いれば、プラスチックの紫外線によ
る変質防止や塗料中の顔料の変色防止などの効果が期待
できる。また、食品包装用プラスチックフィルムに配合
すれば、従来の包装材に比較して長期保存が可能とな
る。眼鏡レンズ用原料プラスチック(たとえばHEMA)に
分散させれば、紫外線による網膜保護効果のある眼鏡レ
ンズとなる。
また上記の有機溶媒分散ゾルを透過被膜形成用塗布液
に混合分散させた塗布液をガラスに塗布し、透明薄膜を
ガラス表面に施せば、紫外線遮蔽ガラスが得られる。そ
の他、本発明により得られた複合系ゾル中の酸化チタン
・酸化鉄が高屈折率であることを利用して、プラスチッ
クレンズへ適用し、高屈折率レンズを作ることもでき
る。
さらに、本発明により得られた複合系ゾルは、黄色か
ら赤褐色系の安定な液状顔料としても有用である。
次に、本発明の化粧料は、紫外線遮蔽効果に優れ、特
に、皮膚に対するメラニン色素沈着を起し易い340〜380
nm(UV−A領域)付近の紫外線を非常に良く遮蔽し、皮
膚に対する紫外線からの保護に優れているとともに、化
粧料基材に多量に添加しても分散性に優れ、また、化粧
料の耐光性、使用感、仕上り感に優れている。また、平
均粒径が約80mμ以下の酸化チタン・酸化鉄複合系微粒
子を配合した化粧料は、比較的多量に添加しても透明感
がそこなわれることもないので、透明感を要求される化
粧料配合剤として適している。
本発明により得られた複合系ゾルは、前述の酸化チタ
ンゾルまたは本発明者等が先に出願した酸化チタン・酸
化セリウム複合系ゾル(特願昭63−134161号)をはじめ
とする各種のゾルと混合して使用し得ることは勿論であ
る。
実施例1 Fe2O3として5gの第二塩化鉄と、TiO2として5gの四塩
化チアンとを純水に溶解し、1000gの混合水溶液を調製
した。この混合水溶液に15%アンモニア水をpHが9.0に
なるまで徐々に添加し、水和酸化チタンと水和酸化鉄の
共沈ゲルを得た。
このようにして得られた共沈ゲルを脱水し、洗浄した
後、この共沈ゲル110gに35%過酸化水素水115gと純水25
gとを加え、次いで80℃に加熱したところ、赤褐色の過
酸化水素溶解水溶液250gが得られた。この過酸化水素溶
解水溶液のpHは7.8であった。この水溶液を酸化物(TiO
2+Fe2O3)として1.0重量%になるように純水で希釈し
たのち、95℃で96時間加熱した。96時間後、冷却したと
ころ、表1に示すような酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
が得られた。またこのゾルは、真空蒸発法で(TiO2+Fe
2O3)濃度20重量%まで濃縮しても安定であった。
また、上記で得られたゾルの一部を酸化物(TiO2+Fe
2O3)として0.05重量%の濃度まで希釈し、厚さ10mmの
石英セルに入れ、分光光度計(日立製作所製330型)で2
60〜600nmの光透過率を測定した。
その結果を第1図(曲線A)に示す。
実施例2 Fe2O3として9gの第二塩化鉄と、TiO2として1gの四塩
化チタンとを純水に溶解し、1000gの混合水溶液を調製
した。以後、実施例1と同様にしたところ、表1に示す
ような透明な酸化チアン・酸化鉄複合系ゾルが得られ
た。
また実施例1と同様の方法で光透過率を測定した。
結果を第1図(曲線B)に示す。
実施例3 Fe2O3として1gの硫酸塩と、TiO2として9gの硫酸チタ
ンとを純水に溶解し、1000gの混合水溶液を調製した。
以後、実施例1と同様にしたとこと、表1に示すような
透明な酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルが得られた。
また実施例1と同様の方法で光透過率を測定した。
結果を第1図(曲線C)に示す。
実施例4 実施例1と同様にして得られた過酸化水素溶解水溶液
250gに、平均粒径7mμ、SiO2濃度10重量%のシリカゾル
15gおよび純水9.7kgを混合したのち、150℃で10時間加
熱した。10時間後、冷却したところ、表1に示すような
透明な酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルが得られた。
実施例5 実施例2と同様にして得られた過酸化水素溶解水溶液
250gに、水ガラス水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカ
リして得られたケイ酸液(SiO25重量%)250gを混合し
た後、170℃で10時間加熱したところ、表1に示すよう
な酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルが得られた。
実施例6 Fe2O3として10gの第二塩化鉄を純水に溶解し、500gの
第二塩化鉄水溶液を調製し、これを15%のアンモニア水
にて中和したところ、水和酸化鉄のケーキ80gが得られ
た。
別にTiO2として10gの四塩化チタンを純水に溶解し、1
000gの四塩化チタン水溶液を調製し、これを15%のアン
モニア水にて中和したところ、水和酸化チタンのケーキ
120gが得られた。
上記水和酸化鉄40gに純水を加えて100gとしたもの
と、水和酸化チタン60gに純水を加えて100gとしたもの
を混合し、35%過酸化水素水150gと純水50gを加え、次
いで80℃に加熱したところ、赤褐色の過酸化水素溶解水
溶液400gが得られた。この過酸化水素溶解水溶液を酸化
物濃度1重量%になるように純水で希釈したのち、95℃
で96時間加熱した。
96時間後、冷却したところ、表1に示すような酸化チ
タン・酸化鉄複合系ゾルが得られた。
比較例1 硫酸チタンを純水に溶解し、TiO2として、0.4重量%
を含む水溶液を得た。この水溶液を攪拌しながら、15%
アンモニア水を徐々に添加し、pH8.5の白色スラリー液
を得た。このスラリーを濾過した後洗浄し、固形分濃度
が9重量%である水和酸化チタンゲルのケーキを得た。
このケーキ550gに、33%過酸化水素水610gと純水1300
gとを加えた後、80℃で5時間加熱し、TiO2として2.0重
量%の溶液2.5kgを得た。この水溶液は、黄褐色透明
で、pHは8.1であった。
次に、粒子径が7mμであり濃度が15重量%であるシリ
カゾル13gと、上記の水溶液900gと、純水1000gとを混合
した後、95℃で624時間加熱した。溶液は最初黄褐色液
であったが、624時間後には表1に示すような透明な酸
化チタン・酸化ケイ素複合系ゾルが得られた。
得られた酸化チタン・酸化ケイ素複合系ゾルの一部を
純水で希釈してTiO2濃度を0.05重量%とし、実施例1と
同様の方法で光透過率を測定した。
結果を第1図(曲線D)に示す。
曲線A〜Dの比較から明らかなように、本発明の酸化
チタン・酸化鉄複合系ゾルは、酸化鉄を含まない酸化チ
タン・酸化ケイ素複合系ゾルと比べて、特にUV−A領域
の紫外線の遮蔽効果に優れていることがわかる。
実施例7 実施例1で得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
を、下記成分と下記のように配合して化粧水を製造し
た。
・酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル(TiO2+Fe2O3=20重
量%) 10.0重量% ・プロピレングリコール 4.0重量% ・オレイルアルコール 0.1重量% ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.5重量% ・エタノール 11.5重量% ・香料 0.1重量% ・純水 73.8重量% ・染料 適量 純水に実施例1で得られた酸化チタン・酸化鉄複合系
ゾルおよびプロピレングリコールを混合した。別にエタ
ノール、オレイルアルコール、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、香料の混合液を調製し、これに前記の純
水混合液を加えた。染料を加え、調色したのち、濾過
し、製品とした。
この化粧水の一部をとり、厚さ1mmの石英セルに入
れ、分光光度計を用いて可視部から紫外部までの光透過
率を測定した。(第2図曲線A)。また耐光性を評価す
るためにこの化粧水を石英セルに封入し、太陽光にて40
日間放置後の化粧水の変色度合を観察した。同様にカー
ボンアーク光で300時間照射後、およびキセノンランプ
で300時間照射後の変色度合を調べた。
結果を表2に示す。
実施例8 実施例4で得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
を、下記成分と下記のようにして配合した乳液状ファン
デーションを製造した。
・酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル(TiO2+Fe2O3=20重
量%) 30.0重量% ・純水 38.1重量% ・トリエタノールアミン 1.1重量% ・パラオキシ安息香酸メチル 適量 ・カルボキシメチルセルロース 0.2重量% ・ベントナイト 0.5重量% ・ステアリン酸 2.4重量% ・モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0重量% ・セトステアリルアルコール 0.2重量% ・流動パラフィン 3.0重量% ・液状ラノリン 2.0重量% ・ミリスチン酸イソプロピル 8.5重量% ・酸化チタン顔料 1.0重量% ・タルク 11.0重量% ・香料 適量 酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルを純水に分散させたの
ち、これにカルボキシメチルセルロースを分散させた。
これにベントナイトを加え、よく攪拌しつつ70℃に加熱
し、ベントナイトをよく膨潤させた。次いでこの液にト
リエタノールアミン、パラオキシ安息香酸メチルを加え
た。これに顔料、タルクの混合粉砕物を加え、コロイド
ミルでよく分散し、75℃に加熱した。
別にステアリン酸、モノステアリン酸プロピレングリ
コール、セトステアリルアルコール、流動パラフィン、
ミリスチン酸イソプロピルの混合物を調製し、80℃に加
熱し、前記の分散混合物と混合し、充分攪拌した。その
のち冷却し、45℃で香料を加えて室温まで攪拌冷却し
た。
こうして得られたファンデーションは、UV−A領域を
含む紫外線遮蔽効果に優れ、使用感にも優れたファンデ
ーションであった。
実施例9 実施例2で得られた酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル
を、下記成分と下記のようにして配合した液状アイライ
ナーを製造した。
・酸化チタン・酸化鉄複合系ゾル(TiO2+Fe2O3=30重
量%) 40.0重量% ・ポリアクリル酸エマルジョン樹脂(50%液) 30.0重量% ・3%ベントナイト分散液 20.0重量% ・ブチレングリコール 5.0重量% ・沈降炭酸カルシウム 5.0重量% ・防腐剤 適量 ・純水 適量 ・香料 適量 ベントナイト3%分散液に、酸化チタン・酸化鉄複合
系ゾル、沈降炭酸カルシウム、防腐剤、香料を順次加
え、ホモジナイザーを通す。これにポリアクリル酸エマ
ルジョン樹脂を加え、攪拌して均一にする。こうして得
られた液状アイライナーは、肌へ塗布後の色は外観色と
変わらず、塗布後も色変化もなく安定していた。
比較例2 実施例7の酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの代りに、
比較例1の酸化チタン・酸化ケイ素複合系ゾル(TiO2:2
0重量%)を用いた以外は、すべて実施例7と同様の方
法で化粧水を製造した。この化粧水の光透過率を第2図
(曲線B)に示す。また実施例7と同様の方法で耐光性
の評価を行なった結果を表2に示す。
第2図、表2からわかる通り、本発明の化粧水は、酸
化チタンゾル配合化粧水に比べてUV−A領域を含む紫外
線遮蔽効果および耐光性に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図において、曲線A、曲線Bおよび曲線Cは本発明
に係る酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの光透過率を示す
曲線であり、曲線Dは酸化チタン・酸化ケイ素複合系ゾ
ルの光透過率を示す曲線である。 第2図において、曲線Aは本発明に係るFe2O3/TiO2
(重量/重量)の酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルを含む
化粧水の光透過率を示す曲線であり、曲線Bは酸化チタ
ン・酸化ケイ素複合系ゾルを含む化粧水の光透過率を示
す曲線である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の分散液
    に過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよび水和酸
    化鉄を溶解し、次いで得られた溶液を加熱することを特
    徴とする酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】水和酸化チタンおよび水和酸化鉄の分散液
    に過酸化水素を加えて、該水和酸化チタンおよび水和酸
    化鉄を溶解し、次いで得られた溶液を周期律表第II族、
    第III族、第IV族、第V族および第VI族から選ばれた1
    種または2種以上の元素の無機化合物の共存下で加熱す
    ることを特徴とする酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2で得られた酸化チタン・
    酸化鉄複合系微粒子ゾルが配合されていることを特徴と
    する化粧料。
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