JP5647186B2 - テールゲート付き車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車体の後部に開けられた後部開口を開閉するように、車体にテールゲートが支持されているテールゲート付き車両に関する。
車室内のシート後方に荷物を積み卸しすることができるよう、車体の後部に後部開口を形成し、この後部開口を開閉するテールゲートを車体に取付けることが広く知られている(例えば、特許文献1(第1図)参照。)。
特許文献1に示されるような、テールゲート付き車両は、車体の後部に開けられた後部開口と、この後部開口の上方において車幅方向に延びている回転軸と、この回転軸を中心にスイング可能に取付けられ後部開口を開閉するテールゲートと、このテールゲートに形成されている副開口と、この副開口を開閉する副ドアとからなる。
副ドアは、いわゆる観音開きのドアである。即ち、リンク機構を介してテールゲートに2枚支持され、それぞれが離れるように車幅中央から外側に向かって開く。
ところで、特許文献1による車両の副ドアには、窓部が形成されていない。このため、運転者が車外の確認を目視により行うことは困難である。一方、テールゲート上に副ドアが取付けられている車両においては、テールゲートと副ドアの境目の位置によって、運転者の視認可能な範囲は変化する。
実用新案登録第2514650号公報
本発明は、副ドアが取付けられていながらも、視認性の高い車両の提供を課題とする。
請求項1に係る発明は、車体の後部に開けられた後部開口を開閉するように、前記車体にテールゲートが支持されている、テールゲート付き車両において、前記テールゲートに開けられた副開口と、この副開口を開閉する副ドアとを有し、前記副開口の車幅方向の両端には、それぞれ上下方向に延びている側縁が形成され、これらの副開口の側縁は、前記車体の車幅中央を避けた部位に位置し、前記テールゲートの少なくとも車幅中央位置には、車室から車外を視認できる窓部が設けられ、前記窓部は、前記副ドアに形成されている副ドア窓部と、前記テールゲートに形成されているテールゲート窓部とからなり、前記テールゲート窓部は、テールゲート窓パネルによって覆われ、前記副ドア窓部は、副ドア窓パネルによって覆われ、前記テールゲート窓パネルの縁と前記副ドア窓パネルの縁とが対向しており、前記テールゲートには、前記テールゲート窓部の近傍に位置する前記副開口の側縁と前記テールゲート窓部との間に、上下間に渡って連続してピラーが形成され、前記テールゲート窓パネルは、前記ピラーの車外側を覆っており、前記副ドア窓パネルは、前記ピラーの車外側を覆っており、前記副ドアは、前記ピラーにヒンジによって車幅方向へスイング可能に取付けられ、前記ヒンジの中心を通り鉛直方向に延びている開閉軸は、車体前後方向において前記ピラーと重なる部位に位置していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記副ドア窓部は、前記副ドアの車幅方向の両端に渡って形成され、前記テールゲート窓部は、前記テールゲートの車幅方向の両端に渡って形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記テールゲート窓部及び前記副ドア窓部は、前記テールゲートに対して略同じ高さに位置していることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記ピラーは、閉断面状に形成されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、前記車体には、車幅方向中心に対し車幅方向の一方にオフセットした運転席が配置され、前記ピラーは、車幅方向の中央よりも前記運転席側に設けられていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、車体の後部に開けられた後部開口を開閉するように、前記車体にテールゲートが支持され、前記テールゲートに開けられた副開口と、この副開口を開閉する副ドアとを有し、前記副開口の車幅方向の両端には、それぞれ上下方向に延びている側縁が形成され、これらの副開口の側縁は、前記車体の車幅中央を避けた部位に位置し、前記テールゲートの少なくとも車幅中央位置には、車室から車外を視認できる窓部が設けられている、テールゲート付き車両において、前記窓部は、車幅方向の全体に渡って形成され、前記車体には、車幅方向中心に対し車幅方向の一方にオフセットした運転席が配置され、前記副開口の側縁のうち、一方の側縁は、前記運転席とは反対側の車幅端部に沿って延び、前記副開口の側縁のうち、他方の側縁は、車幅中心に対し前記運転席側に位置し、前記他方の側縁の近傍に、上下方向に渡ってピラーが形成され、前記副ドアは、ヒンジを介して前記ピラーに支持されることにより、前記一方の側縁から開き始める構成とされ、前記ピラーは、前記車体を後方から見た場合に、前記運転席に重なる位置に形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、副開口の側縁は、車体の車幅中央を避けた部位に位置していると共に、テールゲートの車幅中央位置に窓部が設けられている。少なくとも中央位置に窓部が設けられていることにより、最低限の視界を確保することができる。また、副開口の側縁が、窓部を避けた部位に位置していることにより、副開口の側縁が視界の妨げになることを防止する。即ち、本発明による車両は、副ドアが取付けられていながらも、高い視認性を確保することのできる車両ということができる。
加えて、請求項1に係る発明では、テールゲートには、副開口の側縁とテールゲート窓部との間に、上下間に渡って連続してピラーが形成されている。テールゲートにピラーが形成されていることにより、車両の後方から受け得る入力に対して、剛性を高めることができる。
加えて、請求項1に係る発明では、テールゲート窓パネルの縁と副ドア窓パネルの縁とが対向している。テールゲート窓パネルの縁と副ドア窓パネルの縁とが対向しているため、車両を後方から見た場合に、テールゲート窓パネル及び副ドア窓パネルが連続して設けられる。連続して設けられているため、車両の意匠性が高まる。即ち、テールゲート窓パネルと副ドア窓パネルとの間の隙間が小さいために、この隙間からピラー部が外部に露出することを抑制することができる。
加えて、請求項1に係る発明では、副ドアは、ピラーにヒンジによって車幅方向へスイング可能に取付けられている。剛性の高いピラーにヒンジによって副ドアを支持することにより、副ドアの支持剛性を高めることができる。
請求項2に係る発明では、副ドア窓部は、副ドアの車幅方向の両端に渡って形成され、テールゲート窓部は、テールゲートの車幅方向の両端に渡って形成されている。即ち、窓部は、車幅方向に渡って形成されている。副開口の側縁が視界の妨げになることを防止しつつ広い範囲に窓部を形成することにより、より高い視認性を確保することができる。
請求項3に係る発明では、テールゲート窓部及び副ドア窓部は、テールゲートに対して略同じ高さに位置している。即ち、テールゲート窓部及び副ドア窓部は、連続的に形成されている。高さ方向において連続した視界を得ることができる。
請求項に係る発明では、ピラーは、閉断面状に形成されている。閉断面状にすることにより、ピラーの剛性を高めることができる。
請求項に係る発明では、車体には、車幅方向中心に対しオフセットした運転席が配置され、ピラーは、車幅方向の中央よりも運転席側に設けられている。車両の前後方向において、車幅中央よりも運転席側の部位は、運転者にとって目視するのが困難な部位である。即ち、運転者の視界に入りやすい部位を避けてピラーを設けた。運転者の視界に入りやすい部位を避けることにより、運転者の視界を良好に確保することができる。
請求項に係る発明では、副開口の副ドアが開き始める方の側縁が助手席側に位置している。車道近傍において荷物の積み卸しをする際には、車道から離れた位置で作業を行うことが望ましい。本発明によれば、副ドアを助手席側の端部から開き始める構成とすることにより、車道から離れた位置において荷物の積み卸し作業を容易に行うことができる。
加えて、請求項に係る発明では、車体には、車幅方向の一方にオフセットした運転席が配置され、ピラーは、車体を後方から見た場合に、運転席に重なる位置に取付けられている。車両の前後方向において、運転席に重なる部位は、運転者にとって目視するのが困難な部位である。即ち、運転者の視界に入りやすい部位を避けてピラーを設けた。運転者の視界に入りやすい部位を避けることにより、運転者の視界を良好に確保することができる。
実施例1によるテールゲート付き車両の透視図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の斜視図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の背面図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の分解斜視図である。 図3の5−5線断面図である。 図3の6−6線断面図である。 図1に示されたテールゲートを開いた場合の作用説明図である。 図1に示された副ドアを開いた場合の作用説明図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の走行時における作用説明図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の走行時におけるルームミラーの作用説明図である。 図1に示されたテールゲート付き車両の駐車時における作用説明図である。 図1に示された副ドアの詳細を説明する図である。 図1に示された副ドアに長尺物を入れる場合の作用を説明する図である。 図1に示された副ドアを開く場合の作用を説明する図である。 実施例2によるテールゲート付き車両の背面図である。 実施例3によるテールゲート付き車両の背面図である。 実施例4によるテールゲート付き車両の背面図である。 実施例5によるテールゲート付き車両の背面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。
実施例1によるテールゲート付き車両について説明する。
図1に示されたテールゲート付き車両10(以下、「車両10」とする。)は、右ハンドルのワゴン車を例示している。車両10の車室25には、車体11の前方から後方に向かって座席が3列設けられている。
最も前方の第1列には、運転席12と助手席13とが設けられている。運転席12と助手席13とは、車幅方向中央において前後方向に延びる中心線C1を挟むようにして配置されている。即ち、運転席12及び助手席13は、車幅中心C1に対してオフセットして配置されている。右ハンドル車においては、中心線C1の右に運転席12が設けられ、中心線C1の左に助手席13が設けられている。
第2列及び第3列には、それぞれ幅方向に延びると共に3人が着座可能な第2列シート14及び第3列シート15が設けられている。以下、最も最後尾の第3列シート15を、適宜「後部シート15」という。後部シート15の後部には、荷物を載置するための荷室16が形成されている。この荷室16へ荷物を積み卸しするためのテールゲート40がスイング可能に取付けられている。荷室16は、車室25の一部を構成する。
フロントウインドウ17の車幅中央の位置C1に、乗員Mnが後方を確認するためのルームミラー18が取付けられている。また、車体11前部の左右端部には、乗員が側方及び後方を確認するためのサイドミラー19,19が取付けられている。
図2〜図4に基づいて、車両10をさらに詳細に説明する。
図2〜図4に示されるように、車両10の後部には車幅方向及び上下方向の全体に渡って後部開口30が形成されている。この後部開口30を開閉可能にテールゲート40が取付けられ、このテールゲート40の高さ方向に渡って副開口50が形成されている。この副開口50に開閉可能に副ドア60が取付けられている。
車体11の後部に形成されている後部開口30は、略矩形(略正方形を含む)を呈し、車体11のルーフ22近傍に幅方向に渡って形成されている上縁30aと、この上縁30aの両端から車体の車幅方向端部に沿って下げられる側縁30b,30c(bは右側の側縁を示す添え字。cは左側の側縁を示す添え字。)と、これらの側縁30b,30cの下端同士を結ぶ下縁30dとから形成されている。
テールゲート40は、車体11の上部に水平方向に延びている第1開閉軸21に上下スイング可能に取付けられている。
テールゲート40に形成されている副開口50の近傍に、上下方向に渡ってピラー43が形成されている。ピラー43は、テールゲート40に一体的に取付けられている。テールゲート40にピラー43が形成されていることにより、車両10の後方から受け得る外力に対して、剛性を高めることができる。
副開口50がテールゲート40の上下方向に渡って形成されていることにより、副開口50がない場合に比べ、テールゲート40の強度が弱まっている。強度が低いと、車両の走行中に路面から受ける振動によって、副開口50の周縁の部位に弾性変形が発生し得る。これに対して、ピラー43を副開口50の側縁に沿わせて設けた。副開口50の側縁に沿って上下方向に渡って設けられていることにより、テールゲート40の強度を高め、弾性変形の発生を抑制することができる。
テールゲート40の上部には、車室から車外を確認するための開口であるテールゲート窓部44が形成されている。テールゲート窓部44は、ガラス製のテールゲート窓パネル45によって覆われている。テールゲート窓パネル45は、テールゲート窓部44を覆うと共に、ピラー43の車外側をも覆っている。
なお、テールゲート窓パネル45には、ガラスの他、樹脂製のパネル等、透明のパネルであれば任意の素材を採用することができる。以下、適宜、テールゲート窓パネル45を「テールゲート窓ガラス45」という。
副開口50は、略矩形を呈し、後部開口30の上縁30aに沿って形成されている上縁50aと、この上縁50aの一端から下げられピラー43に沿って延びている側縁50bと、上縁50aの他端から下げられ後部開口30の側縁30cに沿って延びている側縁50cと、これらの側縁50b,50cの下端同士を結ぶ下縁50dとから形成されている。
車幅中央において上下方向に延びている中心線C2は、副開口50の側縁50b,50cによって挟まれている。即ち、副開口50の側縁50b,50cは、車幅中央を避けた部位に位置している。テールゲート40に開口されている副開口50の車幅方向の幅は、当然に後部開口30の幅よりも小さい。上下方向に延びている中心線C2は、第1開閉軸21に直交している。
副ドア60は、2つのヒンジ80を介してピラー43に支持されている。2つのヒンジ80の中心を通り、鉛直方向に延びている軸を第2開閉軸47といい、この第2開閉軸47を中心に副ドア60はスイングする。副ドア60は、車体11の前後方向、且つ、水平方向にスイングする。
副ドア60には、車幅方向端部の近傍に、副ドア60のロック状態を解除するための副ドア用ノブ61が取付けられている。操作者は、副ドア用ノブ61を引くようにしてロック状態を解除し、副ドア60をスイングさせる。副ドア60は車幅方向端部から車幅中央に向かってスイングする。
副ドア60の上部には、テールゲート窓部44に連続して、車室から車外を確認するための開口である副ドア窓部64が形成されている。副ドア窓部64は、ガラス製の副ドア窓パネル65によって覆われている。
なお、副ドア窓パネル65には、ガラスの他、樹脂製のパネル等、透明のパネルであれば任意の素材を採用することができる。以下、適宜、副ドア窓パネル65を「副ドア窓ガラス65」という。
テールゲート窓部44と、副ドア窓部64とは、同じ高さを有する(上下方向の長さが同じである)と共に、高さ方向の同じ位置に位置している。このことにより、テールゲート窓部44と、副ドア窓部64とは、一体的に連続している。テールゲート窓部44と副ドア窓部64とをまとめて、適宜「窓部70」という。窓部70は、車幅方向の全体に渡って形成されている。全体に渡って形成されているため、当然に、窓部70は、少なくとも車幅中央位置には形成されている。ピラー43は、テールゲート窓部44の近傍に位置する副開口50の側縁50bと、テールゲート窓部44との間に、上下間に渡って連続して形成されている。
特に、図3を参照して、副開口50は、テールゲート40の略左半分の全範囲にわたって開口している。ここで、略半分とは、テールゲート40の幅W1に対して、副開口50の幅W2が0.3〜0.7であることを言う。即ち、W2=0.3〜0.7×W1。本発明においては、テールゲート40の半分である値の0.5を挟み、前後2割までの範囲を含む。副開口50がテールゲート40の右半分に形成される場合も同様である。
なお、図3の副開口50の幅は、テールゲート40の幅W1に対して、0.7×W1だけある。即ち、図3においては、W2=0.7×W1。
副開口50の幅W2が、0.3×W1未満になると、荷物の積み卸しや人の乗降をするのに、副開口50の幅が狭すぎる。一方、副開口50の幅W2が、0.7×W2を超えると、副ドア60を開けた際に副ドア60の車両後方への突出量が大きくなりすぎる。
副開口50の幅W2をW2=0.3〜0.7×W1とする、即ち、テールゲート40の幅W1の略半分とすることにより、荷物の積み卸しや人の乗降に十分なスペースを確保しすることができる。また、副ドア60の突出量を抑えることにより、車両10の周りの設置物が副ドア60に干渉することを抑制する。
特に、図4を参照して、テールゲート40の車幅中央を上下に延びている中心線C2を通って、車体前後方向に延びる面を中央面CPとした場合に、窓部70が、中央面CPに重なる位置に形成されている。
図1及び図3を参照して、車幅方向の端部に沿って延びている副開口50の側縁50cは、車体前後方向に延びている車幅中心C1及び車体上下方向に延びている車幅中心C2に対して、運転席12とは反対側に位置している。一方、車幅中央側の副開口50の側縁50bは、車体前後方向に延びている車幅中心C1及び車体上下方向に延びている車幅中心C2に対して、運転席12側に位置している。
ピラー43及び第2開閉軸47は、車体11を後方から見た場合に、運転席12に重なる位置に取付けられている。また、第2開閉軸47は、副開口50の側縁50bの側部に延びている。この副開口50の側縁50bは、運転席12側の側縁ということができる。
図5において副ドア60の取付構造を詳細に説明する。
図5に示されるように、副ドア60は、閉断面状のピラー43によって、ヒンジ80を介して支持されている。ピラー43には、副ドア60と車室内とをシールするシール部材85及びヒンジ80が取付けられている。ピラー43を閉断面状にすることにより、ピラー43剛性を高めることができる。
ヒンジ80は、略L字状を呈し、ピラー43に取付けられる底部81と、この底部81から車体後方に向かって延びているアーム部82と、このアーム部82の先端に取付けられ副ドア60をスイング可能に支持するピン83と、底部81及びアーム部82間に渡されると共にこれらを補強する補強部84とからなる。副ドア60には、被取付部材67が締結され、この被取付部材67にピン83が通されている。
副ドア60は、テールゲート40にヒンジ80によって車体前後方向にスイング可能に取り付けられている。ヒンジ80によって副ドア60をスイング可能に支持しているので、副ドア60の支持構造が簡略化できる。
加えて、剛性の高いピラー43にヒンジ80によって副ドア60を支持することにより、副ドア60の支持剛性を高めることができる。
図6においてテールゲート窓ガラス45と副ドア窓ガラス65との詳細を説明する。
図6に示されるように、各窓ガラス45,65の1つの縁45a,65a同士は、互いに直接に対向している。各窓ガラス45,65の縁45a,65a同士が互いに直接に対向していることにより、車両10を後方から見た際に、各窓ガラス45,65が一体的に見え、車両の意匠性を高めることができる。
加えて、各窓ガラス45,65の縁45a,65aは、共に円弧形状を呈している。副ドア窓ガラス65は、副ドア60と共にスイングする。各窓ガラス45,65の縁45a,65aを円弧形状とすることにより、スイングする際に、互いが干渉することを防止する。干渉を防止することにより、各窓ガラス45,65の縁45a,65aをより近付けて配置することができ、さらに意匠性を高めることができる。
図7及び図8において、車両10の作用を説明する。
図7に示されるように、大きな荷物BCを車両10に積み込む場合には、テールゲート40を上方にスイングさせる。後部開口30が車体11の後部全体に開口しているので、容易に大きな荷物を積み込むことができる。
図8に示されるように、後部開口30は、車体11の後部の高さ方向の略全範囲にわたって開口し、副開口50は、テールゲート40の高さ方向の略全範囲にわたって開口している。これにより、副開口50を後部開口30の高さ方向の略全範囲にわたって形成することができる。高さの高い副開口50を用いることにより、車両10の後部から人が乗降することができる。
加えて、小さな荷物SCを車両10に積み込む場合には、副ドア60を水平方向にスイングさせる。副ドア60は、副開口50の車幅方向の端部側の側縁50cから開き始める。副ドア60は、テールゲート40の一部であるため、テールゲート40よりも軽い。テールゲート40よりも軽いので、開閉操作が容易であり、操作性に優れる。
図3も参照して、以下のことがいえる。
副開口50は、テールゲート40の略左半分の全範囲にわたって開口している。副ドア60を開けた際の小さな荷物SCの積み卸しは、副開口50から行い、テールゲート40の副開口50が形成されない部位には、副ドア60を支持するためのヒンジ80が取り付けられる。テールゲート40の略左半分の全範囲を副開口50とすることにより、小さな荷物SCの積み卸しに必要な開口の面積を確保しつつ、副ドア60を支持するためのヒンジ80を取り付けるために必要なスペースを十分に確保することができる。
図9及び図10において車両10の走行中の作用について説明する。
図9(a)及び図10(a)の比較例に示されるように、ピラー143が車幅中央に延びている場合には、ピラー143が後方を走行する他の車両OCの大部分に重なる。大部分に重なるため、乗員は他の車両OCをルームミラー118を介して視認し難い。特に、車両100と後方を走行する他の車両OCとの距離が離れると、他の車両OCがピラー143に完全に重なり、視認できなくなる虞がある。
なお、図9(a)に示されている、ルームミラー118から延びている線によって挟まれ、斜線で示されている領域は、ルームミラー118によって確認することができる領域である。即ち、斜線で示される領域と領域の間は、ピラー143によって視界が妨げられる領域である。
図9(b)及び図10(b)の実施例に示されるように、車体11の右側(運転席側)に配置されているピラー43は、ルームミラー18の視界の一部を遮る。しかし、ピラー43が右側に寄せられていることにより、車両10の後方を走行する他の車両OCをルームミラー18により確認することができる。
加えて、図9(c)に示されるように、運転席を基準にして、他の車両OCが外側の車線を走行している場合には、サイドミラー19によって後続車OCを確認することができる。また、図9(d)に示されるように、車両10は、カーブの走行中においても後続車OCを十分に確認することができる。
図11において後退させる場合における車両の作用を説明する。
図11(a)に示されるように、車両10を店舗の駐車場Pに後退させて駐車することや、図11(b)に示されるように、高速道路のサービスエリアのように、運転席とは逆側から他の車両OCが走行している場所に車両10を後退させる場合がある。
図11(c)も参照して、車両10を後退させる場合においても、ピラー43が運転席に重なる部位に配置されていることにより、運転者は広い視界を得ることができる。
以上に説明した図9及び図10に加え、図3も参照して以下のようにいうことができる。
副開口50の側縁50b,50cは、車体11の車幅中央C2を避けた部位に位置していると共に、テールゲート40の車幅中央位置C2に窓部70が設けられている。少なくとも中央位置C2に窓部70が設けられていることにより、最低限の視界を確保することができる。また、副開口50の側縁50b,50cが、窓部70を避けた部位に位置していることにより、副開口50の側縁50b,50cが視界の妨げになることを防止する。即ち、本発明による車両10は、副ドア60が取付けられていながらも、高い視認性を確保することのできる車両ということができる。
加えて、副ドア窓部64は、副ドア60の車幅方向の両端に渡って形成され、テールゲート窓部44は、テールゲート40の車幅方向の両端に渡って形成されている。即ち、窓部70は、車幅方向に渡って形成されている。副開口50の側縁50b,50cが視界の妨げになることを防止しつつ広い範囲に窓部70を形成することにより、より高い視認性を確保することができる。
さらに、テールゲート窓部44及び副ドア窓部64は、テールゲート40に対して略同じ高さに位置している。即ち、テールゲート窓部44及び副ドア窓部64は、連続的に形成されている。高さ方向において連続した視界を得ることができる。
さらに図1を参照して、以下のことがいえる。
車体11には、車幅方向中心C1,C2に対しオフセットした運転席12が配置され、ピラー43(第2開閉軸47)は、車体11を後方から見た場合に、運転席12に重なる位置に取付けられている。即ち、ピラー43(第2開閉軸47)は、運転席12に重なる位置に設けられている。車両10の前後方向において、運転席12に重なる部位は、運転者Mnにとって目視するのが困難な部位である。即ち、運転者Mnの視界に入りやすい部位を避けてピラー43(第2開閉軸47)を設けた。運転者Mnの視界に入りやすい部位を避けることにより、運転者Mnの視界を良好に確保することができる。
加えて、副開口50の車幅中央側の側縁50bは、車幅中心C1,C2に対し運転席12側に位置している。副開口50の車幅中央側の側縁50bが運転席12側に位置していることにより、副ドア窓部64とテールゲート窓部44との境界も運転席12側に位置する。運転者Mnが視認し難い運転席12後方の部位に、副ドア窓部64とテールゲート窓部44との境界を位置させることにより、運転者Mnの視界をより確保することができる。
図12〜図14において、副ドア60の作用について説明する。
図12(a)に示されるように、テールゲート240のみを有する車両200は、荷物の積み卸しをする際に、常にテールゲート240を開ける必要がある。テールゲート240を開くと、テールゲート240の高さ分だけテールゲート240が車両の後方に突出する。
一方、図12(b)に示されるように、実施例による車両10は、テールゲートの一部に取り付けられた副ドア60を有している。副ドア60は、テールゲート40の幅の略半分である。副ドア60の幅が小さいと、テールゲート40を開いた場合に比べ、車両10後部への副ドア60の突出量を突出差δだけ抑えることができる。車両10後部への突出量を抑制することにより、車両10の周りの設置物が副ドア60の開閉に干渉することを抑制することができる。即ち、荷物の積み卸し作業を行うのに、狭いスペースがあれば足りる。
図13(a)に示されるように、比較例による車両300は、副ドア360が車幅中央から車幅端部に向かって開閉する。即ち、副ドア360が、車幅中央側の側縁350bから開く。このような車両300の荷室316に、ゴルフバックやベビーカー等の長尺の荷物Caを入れる際には、副ドア360に接触しないよう、荷物Caを車幅に対して十分に傾ける必要がある。つまり、傾き角θ1が大きい。しかし、傾けた状態で荷物Caを入れようとすると、荷物Caの先端が後部シート315に接触し、うまく収納できないことがある。
一方、図13(b)に示されるように、実施例による車両10の副ドア60は、車幅方向端部から車幅中央に向かって開く。副ドア60が車幅中央に向かって開いているため、長尺の荷物Caの収納時に、車幅方向に対して荷物Caを少しだけ傾ければよい。つまり、傾き角θ2が小さくてすむ。少しだけ傾ければよいため、収納時に後部シート15が干渉しない。後部シート15が干渉しないため、容易に長尺の荷物Caを収納することができる。
図14(a)に示されるように、比較例による車両300によれば、テールゲート340の車幅中央近傍から副ドア360が開き始める。副ドア360を開くための副ドア用ノブは、副ドア360が開き始める部位の近傍、即ち、車幅中央に取り付けられている。この副ドア360を開ける乗員は、まず、助手席313から車両300の後部コーナ部まで移動する。そして後部コーナ部から車両300の後部中央まで移動し、副ドア360を開ける。
一方、図14(b)に示されるように、実施例による車両10によれば、テールゲート40の車幅方向の端部近傍から副ドア60が開き始める。副ドア60を開くための副ドア用ノブ(図3、符号61)は、副ドア60が開き始める部位の近傍に取り付けられている。この副ドア60を開ける乗員は、まず、助手席13から車両10の後部コーナ部まで移動する。車両10の後部コーナ部とテールゲート40の車幅方向の端部とは、近接しているため、副ドア60を開くための副ドア用ノブもこの近傍に取り付けられている。このため、乗員は、車両後方を車幅中央まで移動することなく、副ドア60を開くことができる。車両後方を車幅中央まで移動しない分、車両周縁の移動距離を短くすることができる。
図1及び図3も併せて参照し、運転席12は車幅中心C1,C2に対して一方にオフセットして配置され、副開口50の一方の側縁(図4、符号50c)は運転席12とは反対側に位置している。即ち、副開口50の副ドア60が開き始める方の側縁が助手席13側に位置している。車道近傍において荷物の積み卸しをする際には、車道から離れた位置で作業を行うことが望ましい。本発明によれば、副ドア60を助手席13側の端部から開き始める構成とすることにより、車道から離れた位置において荷物の積み卸し作業を容易に行うことができる。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図15は実施例2によるテールゲート付き車両を示し、上記図3に対応させて表している。
図15に示されるように、車両10Aは、テールゲート40Aの幅W1に対して、副ドア60Aの幅W2が、W2=0.3×W1である。即ち、副開口50Aは、テールゲート40Aの略左半分の全範囲にわたって開口している。
このように構成した実施例2による車両10Aにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図16は実施例3によるテールゲート付き車両を示し、上記図3に対応させて表している。
図16に示されるように、車両10Bは、副ドア60Bが車幅方向にスライドするスライドドアである。
このように構成した実施例3による車両10Bにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。また、副ドア60Bをスライドドアによって形成することにより、車両後方への突出量をさらに小さくすることができる。なお、実施例3による車両10Bは、ヒンジ(図4、符号80)及び第2開閉軸(図3、符号47)を有していない。
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。
図17は実施例4によるテールゲート付き車両を示し、上記図3に対応させて表している。
図17に示されるように、車両10Cは、副ドア60Cが車幅方向の端部から開く。即ち、第2開閉軸47Cは、車幅方向の端部に形成されている。このように構成した実施例4による車両10Cにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。なお、実施例4による車両10Cは、ピラー(図3、符号43)を有していない。
次に、本発明の実施例5を図面に基づいて説明する。
図18は実施例5によるテールゲート付き車両を示し、上記図3に対応させて表している。
図18に示されるように、車両10Dは、テールゲート40Dの中央に副ドア60Dが形成されている。これにより、車幅中央に副ドア窓ガラス65Dが配置されていると共に、この副ドア窓ガラス65Dを挟むようにして2枚のテールゲート窓ガラス45D,45Dが配置されている。即ち、窓部70Dは、副ドア窓ガラス65D及び2枚のテールゲート窓ガラス45D,45Dからなる。このように構成した実施例5による車両10Dにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。
尚、本発明に係るテールゲート付き車両は、右ハンドル車を例に説明したが、左ハンドル車にも適用可能である。この場合、副開口及び副ドアを車両後部の略右半分に設けることにより、運転席とは逆側の端部から副ドアが開くよう構成する等、適宜変更を行うことができる。これらの形式のものに限られるものではない。
本発明のテールゲート付き車両は、ワゴンタイプの車両に好適である。
10,10A,10B,10C,10D…車両、11…車体、12…運転席、21…第1開閉軸、25…車室、30…後部開口、40,40A,40D…テールゲート、43…ピラー、44…テールゲート窓部、45,45D…テールゲート窓ガラス(テールゲート窓パネル)、45a…テールゲート窓ガラスの縁(テールゲート窓パネルの縁)、47,47C…第2開閉軸、50,50A…副開口、50b,50c…副開口の側縁、60,60A,60B,60C,60D…副ドア、64…副ドア窓部、65,65D…副ドア窓ガラス(副ドア窓パネル)、65a…副ドア窓ガラスの縁(副ドア窓パネルの縁)、70,70D…窓部、80…ヒンジ、C2…上下に延びている中心線、CP…中央面。

Claims (6)

  1. 車体の後部に開けられた後部開口を開閉するように、前記車体にテールゲートが支持されている、テールゲート付き車両において、
    前記テールゲートに開けられた副開口と、この副開口を開閉する副ドアとを有し、
    前記副開口の車幅方向の両端には、それぞれ上下方向に延びている側縁が形成され、
    これらの副開口の側縁は、前記車体の車幅中央を避けた部位に位置し、
    前記テールゲートの少なくとも車幅中央位置には、車室から車外を視認できる窓部が設けられ
    前記窓部は、前記副ドアに形成されている副ドア窓部と、前記テールゲートに形成されているテールゲート窓部とからなり、
    前記テールゲート窓部は、テールゲート窓パネルによって覆われ、
    前記副ドア窓部は、副ドア窓パネルによって覆われ、
    前記テールゲート窓パネルの縁と前記副ドア窓パネルの縁とが対向しており、
    前記テールゲートには、前記テールゲート窓部の近傍に位置する前記副開口の側縁と前記テールゲート窓部との間に、上下間に渡って連続してピラーが形成され、
    前記テールゲート窓パネルは、前記ピラーの車外側を覆っており、
    前記副ドア窓パネルは、前記ピラーの車外側を覆っており、
    前記副ドアは、前記ピラーにヒンジによって車幅方向へスイング可能に取付けられ、
    前記ヒンジの中心を通り鉛直方向に延びている開閉軸は、車体前後方向において前記ピラーと重なる部位に位置していることを特徴とするテールゲート付き車両。
  2. 記副ドア窓部は、前記副ドアの車幅方向の両端に渡って形成され、
    前記テールゲート窓部は、前記テールゲートの車幅方向の両端に渡って形成されていることを特徴とする請求項1記載のテールゲート付き車両。
  3. 前記テールゲート窓部及び前記副ドア窓部は、前記テールゲートに対して略同じ高さに位置していることを特徴とする請求項2記載のテールゲート付き車両。
  4. 前記ピラーは、閉断面状に形成されていることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項記載のテールゲート付き車両。
  5. 前記車体には、車幅方向中心に対し車幅方向の一方にオフセットした運転席が配置され、
    前記ピラーは、車幅方向の中央よりも運転席側に設けられていることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項記載のテールゲート付き車両。
  6. 車体の後部に開けられた後部開口を開閉するように、前記車体にテールゲートが支持され、
    前記テールゲートに開けられた副開口と、この副開口を開閉する副ドアとを有し、
    前記副開口の車幅方向の両端には、それぞれ上下方向に延びている側縁が形成され、
    これらの副開口の側縁は、前記車体の車幅中央を避けた部位に位置し、
    前記テールゲートの少なくとも車幅中央位置には、車室から車外を視認できる窓部が設けられている、テールゲート付き車両において、
    前記窓部は、車幅方向の全体に渡って形成され、
    前記車体には、車幅方向中心に対し車幅方向の一方にオフセットした運転席が配置され、
    前記副開口の側縁のうち、一方の側縁は、前記運転席とは反対側の車幅端部に沿って延び、
    前記副開口の側縁のうち、他方の側縁は、車幅中心に対し前記運転席側に位置し、
    前記他方の側縁の近傍に、上下方向に渡ってピラーが形成され、
    前記副ドアは、ヒンジを介して前記ピラーに支持されることにより、前記一方の側縁から開き始める構成とされ、
    前記ピラーは、前記車体を後方から見た場合に、前記運転席に重なる位置に形成されていることを特徴とするテールゲート付き車両。
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