JP5640858B2 - 既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法 - Google Patents

既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウエブとその両側のフランジと、フランジを補剛するためのリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法に関するものである。
図17は、従来の鉄骨梁として用いられる既設鉄骨部材101の構成を下側から見た斜視図であり、図18(a)はその側面図であり、図18(b)は図18(a)のJ―J線断面図である。
一般に、クレーンレールを支持する梁や橋梁の主桁等の鉄骨梁や鉄骨柱として用いられる断面H形等の既設鉄骨部材101に対しては、図17、図18に示すように、フランジ113を補剛するために鋼板等からなるリブプレート121を接合することが多い。このリブプレート121は、ウエブ111に直交するように配置され、フランジ113の内面及びウエブ111の側面に溶接により接合されている。これにより、フランジ113の面外方向に曲げ荷重が負荷されたときに、リブプレート121によりフランジ113の曲げ変形を拘束することが可能となり、既設鉄骨部材101の強度、剛性の向上を図ることが可能となっている。
このとき、リブプレート121は、重量を減らして経済的な設計とするために、接合されるフランジ113側の板幅が大きく、その接合されるフランジ113とは反対側の板幅が小さくなるように断面三角形状、断面台形状等に形成されたものを用いることが一般である。また、リブプレート121は、重量を減らして経済的な設計とするために、ウエブ111の板幅方向長さがウエブ111の板幅の半分より小さく形成されたものを用いることが一般である。
しかしながら、上述のような構造であると、フランジ113の面外方向に曲げ荷重が負荷された場合に、リブプレート121が接合されるフランジ113とは反対側に位置するリブプレート121の端部121aの溶接接合部122において大きな応力集中が発生してしまうことになる。また、そのリブプレート121の端部121aの溶接接合部122は、回し溶接が行なわれることが多いことから、溶接の熱影響により発生する引張残留応力や材質劣化の影響により構造欠陥が発生し易い部位となっている。このため、同構造では、フランジ113の面外方向に曲げ荷重が繰り返し負荷されたときに、その応力集中によりリブプレート121の端部121a近傍のウエブ111において疲労による亀裂が生じ易くなっており、既設鉄骨部材101の崩壊を招く恐れが高いものとなっていた。
これを解決するための既設鉄骨部材の補強構造としては、例えば、以下のようなものが提案されている。図19(a)は、従来の鉄骨梁として用いられる既設鉄骨部材101の補強構造103の構成を示す側面図であり、図19(b)は図19(a)のK−K線断面図である。
この既設鉄骨部材101の補強構造103では、リブプレート121の端部121aの溶接接合部122での溶接ビードを削った後、既設鉄骨部材101の軸方向と平行に平板状の鋼板等からなる補強部材151をリブプレート121の端部121aに突き当てて配置する。そして、補強部材151とウエブ111を確実に固定するため、リブプレート121とは反対側からこの補強部材151をウエブ111の側面に、突合せ溶接により十分な溶け込み量を確保しつつ接合するとともに、応力集中部となる各リブプレート121の端部121aを補強部材151に溶接により接合することとしている。これにより、各リブプレート121の端部121aの溶接接合部122における応力集中が緩和されて、既設鉄骨部材101の耐力、疲労強度の向上を図ることが可能となる。
因みに、既設鉄骨部材101の補強構造103とは直接関係はないが、橋梁の主桁の補強構造のような他の技術分野では、特許文献1〜4に記載のような技術が開示されている。
特開2006−70570号公報 特開2006−45833号公報 特開2007−107185号公報 特開2007−77749号公報
しかしながら、このような補強構造103では、応力集中が生じ得るリブプレート121の端部121aの溶接接合部122の極めて近くで溶け込み量の大きい突合せ溶接をすることになるため、溶接作業が困難となるうえ、既熱影響部にさらに熱影響を与えるため、引張残留応力や材質変化の影響により依然として構造欠陥を生み出し易くなっており、かえって既設鉄骨部材101の耐力、疲労強度の低下を招きかねないことになっていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とすることころは、フランジを補剛するためのリブプレートを有する既設鉄骨部材を補強するにあたって、構造欠陥の発生を防止しつつ、その耐力、疲労強度の向上を図ることができるうえ、作業性にも優れた既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記の既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法を発明した。
第1発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強構造において、前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材が接合されているとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材が接合され、前記補強部材は、前記リブプレートの両側面と前記ウエブの側面とに接合され、かつ、前記リブプレートと前記ウエブとの溶接接合部においてスカラップが形成されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強構造において、
前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材が接合されているとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材が接合され、前記補強部材は、前記ウエブの側面に接合されているとともに、その両端部が前記一方のフランジの内面に接合されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第発明において、前記補強部材は、一つ、二つ又は三つ以上の前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って接合されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記補強部材は、前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部に対して50mm以上200mm以下の間隔を空けて接合されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記補強部材は、6mm以上12mm以下の板厚からなることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記補強部材は、前記ウエブの側面からの高さが25mm以上100mm以下であることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記補強部材は、前記リブプレート又は前記一方のフランジと前記ウエブの側面とに溶接により接合されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第発明において、前記補強部材の溶接による接合部は、グラインダ処理又はピーニング処理されていることを特徴とする。
発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記補強部材は、前記ウエブの側面からの高さについて、前記一方のフランジ側が高く、前記一方のフランジとは反対側が低くなるように形成されていることを特徴とする。
10発明に係る既設鉄骨部材の補強構造は、第1発明〜第発明の何れか一つの発明において、前記既設鉄骨部材は、鉄骨梁又は鉄骨柱として用いられていることを特徴とする。
11発明に係る既設鉄骨部材の補強方法は、ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強方法において、 前記一方のフランジとは反対側の前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材を接合するとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材を接合し、前記リブプレートの両側面と前記ウエブの側面とに前記補強部材を接合し、かつ、前記リブプレートと前記ウエブとの溶接接合部において前記補強部材にスカラップを形成することを特徴とする。
第1発明〜第11発明によれば、リブプレートの端部の溶接接合部における応力集中を緩和することができるうえ、リブプレートが接合されるフランジとは反対側の補強部材の端部で応力集中が生じ易い部位を分散させることができ、その結果、局所的に応力集中が生じるのを抑えることが可能となる。これにより、既設鉄骨部材の耐力、疲労強度の向上を図ることが可能となる。また、補強部材の接合時においてリブプレートの端部とウエブとの溶接接合部の極めて近くで溶接することなく作業をすることができ、作業性に優れているうえ、構造欠陥の発生を防止しつつ上述のような効果を発揮することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の構成を下側から見た斜視図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の構成を示す側面図であり、(b)は図2(a)のA−A線断面図である。 (a)は図2(b)のB−B線断面図であり、(b)は図3(a)の分解図である。 本発明の第1実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の作用効果について説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る補強部材の形状について説明するための側面図である。 本発明の第2実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の構成を下側から見た斜視図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の構成を示す側面図であり、(b)は図7(a)のE−E線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る既設鉄骨部材の補強構造の作用効果について説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る補強部材の形状について説明するための側面図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る補強部材の好ましい寸法条件について確認するために行った構造解析の条件を説明するための既設鉄骨部材の側面図であり、(b)はその正面断面図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る補強部材の好ましい寸法条件について確認するために行った構造解析の条件を説明するための既設鉄骨部材の側面図であり、(b)はその正面断面図である。 リブプレートの端部の溶接接合部と補強部材との間隔rに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。 補強部材の板厚tに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。 補強部材の高さhに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。 第1実施形態、第2実施形態に係る補強部材の他の形状について説明するための正面断面図である。 本発明に係る補強構造を鉄骨柱として用いられる既設鉄骨部材に適用した場合の構成を示す側面図である。 従来の鉄骨梁として用いられる既設鉄骨部材の構成を下側から見た斜視図である。 (a)は従来の鉄骨梁として用いられる既設鉄骨部材の構成を示す側面図であり、(b)は図18(a)のJ−J線断面図である。 (a)は従来の既設鉄骨部材の補強構造の構成を示す側面図であり、(b)は図19(a)のK−K線断面図である。
以下、本発明を適用した既設鉄骨部材の補強構造及び補強方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る既設鉄骨部材1の補強構造3の構成を下側から見た斜視図であり、図2(a)はその側面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。また、図3(a)は図2(b)のB−B線断面図であり、図3(b)は図3(a)の分解図である。
本発明の適用の対象となる既設鉄骨部材1は、ウエブ11とその両側のフランジ13、15とを有しており、そのウエブ11、フランジ13、15により断面H形、断面I形等に形成されている。この既設鉄骨部材1は、ウエブ11に直交するように配置され、一方のフランジ13の内面及びウエブ11の側面に溶接により接合された複数のリブプレート21を更に有している。既設鉄骨部材1は、第1実施形態において、鉄骨梁として用いられているものを例示しているが、この他に鉄骨柱としても用いられる。既設鉄骨部材1は、鉄骨梁として用いられる場合、例えば、クレーンレールを支持する梁や橋梁の主桁等の鉄骨梁として用いられる。なお、第1実施形態において既設鉄骨部材1には、ウエブ11を補剛するためのスチフナプレート17が接合されている。
リブプレート21は、鋼板等から構成されるものであり、フランジ13を補剛するために接合される。リブプレート21は、第1実施形態において、既設鉄骨部材1の上側のフランジ13を補剛するために、そのフランジ13の内面及びウエブ11の側面に溶接により接合されている。
リブプレート21は、重量を減らして経済的な設計とするために、第1実施形態において、接合されるフランジ13側の板幅が大きく、その接合されるフランジ13とは反対側の板幅が小さくなるように断面三角形状、断面台形状等に形成されている。また、リブプレート21は、重量を減らして経済的な設計とするために、第1実施形態において、ウエブ11の板幅方向長さがそのウエブ11の板幅の半分より小さく形成されている。
ここで、第1実施形態に係る補強構造3においては、応力集中が生じ得るリブプレート21の端部21aの溶接接合部22を取り囲むように、ウエブ11の側面に沿って補強部材31が溶接等により接合されており、更に、リブプレート21にその補強部材31が溶接等により接合されている。なお、ここでいう応力集中が発生し得るリブプレート21の端部21aとは、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側に位置するリブプレート21の端部21aのことを意味する。
補強部材31は、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22に生じ得る応力集中を緩和するものとして機能する。補強部材31は、リブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22のうち、応力集中が生じ得るリブプレート21の端部21aの溶接接合部22を少なくとも取り囲むように接合されている。また、補強部材31は、リブプレート21に対しては、そのリブプレート21の両側面に接合されている。補強部材31をウエブ11に溶接により接合するにあたっては、補強部材31をウエブ11に確実に固定するため、その溶接形態として、補強部材31の両面側又は片面側から突合せ溶接をして十分な溶け込み量を確保できるようにすることが好ましい。
補強部材31は、筒状に形成された鋼材等からなるものであり、第1実施形態においては断面円形筒状の円形鋼管から構成されている。これにより補強部材31は、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側の端部31aが湾曲して形成されることになり、その湾曲した端部31aがウエブ11に接合されることになる。なお、補強部材31は、後述のようにその断面形状について特に限定するものではないが、円形鋼管等の断面円形筒状に構成されている場合、実現が非常に容易となり、経済性の観点から好ましい。
補強部材31は、図3(b)に示すように、その周方向の一部の範囲に亘って切り欠くような切欠部33が形成されている。補強部材31は、その切欠部33内にリブプレート21が嵌め込まれたうえで、そのリブプレート21の側面に接合されている。
補強部材31は、リブプレート21とウエブ11との溶接接合部22においてスカラップ35が形成されている。このスカラップ35は、リブプレート21とウエブ11との溶接接合部22に沿って延びる溶接ビードを避けるように、補強部材31の一部を切り欠いて形成されるものである。このスカラップ35があることにより、補強部材31をウエブ11等に溶接により接合するにあたって、リブプレート21の端部21a以外とウエブ11との溶接接合部22に対して更に溶接することを防止できる。
次に、本発明の第1実施形態の作用効果について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る既設鉄骨部材1の補強構造3の作用効果について説明するための図である。
既設鉄骨部材1のリブプレート21が接合されている側のフランジ13に対して面外方向に曲げ荷重が負荷された場合、この曲げ荷重は、リブプレート21に対して図4に示す方向P1に伝達されることになる。このとき、リブプレート21に対しては、その側面に補強部材31が接合されているので、リブプレート21に負荷される応力の一部が補強部材31に対して図4に示す方向P2に伝達されることになる。これにより、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22以外に、リブプレート21が接合されるフランジ13側とは反対側の補強部材31の端部31aにおいても接合部32で応力集中が生じ易くなり、その結果、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22における応力集中が緩和されることになる。
このとき、第1実施形態に係る補強部材31は、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22を取り囲むように接合されているので、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側の端部31aのような比較的広い範囲S1に応力集中が生じ易い部位を分散させることができ、その結果、局所的に応力集中が生じるのを抑えることが可能となる。
このように、第1実施形態に係る補強構造3によれば、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22における応力集中を緩和することができるうえ、局所的に応力集中が生じるのを抑えることが可能となっているため、既設鉄骨部材1の耐力、疲労強度の向上を図ることが可能となる。
また、第1実施形態に係る補強構造3によれば、補強部材31の接合時においてリブプレート21の端部21aとウエブ11との溶接接合部22の極めて近くで溶接することなく作業することができ、作業性に優れているうえ、構造欠陥の発生を防止しつつ上述のような効果を発揮することが可能となる。
また、第1実施形態に係る補強構造3によれば、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22を取り囲むように補強部材31をウエブ11の側面に接合しつつ、その補強部材31をリブプレート21の両側面に接合するのみで足りるため、上述の所期の効果を得るうえで補強部材31の大きさを小さくすることができ、ひいては補強部材31の重量を軽くすることが可能となる。これにより、補強部材31を一人の作業員が容易に持ち運び可能となる程度の重さにすることにより、高所にある既設鉄骨部材1の補強作業をするうえでの安全性の向上を図ることが可能となる。
また、第1実施形態に係る補強構造3によれば、補強部材31を接合しようとするリブプレート21の板厚に応じた切欠部33が形成されていれば、あとは補強部材31を現地に持ち運んで接合するのみでよく、既設鉄骨部材1の他の部位に応じて補強部材31の寸法を調整する手間を抑えることが可能となる。
ここで、第1実施形態に係る補強部材31は、リブプレート21の接合されるフランジ13とは反対側の端部31aの形状を調整することにより、その補強部材31の端部31aの接合部32に対する応力集中を更に緩和させることが可能である。例えば、リブプレート21の接合されるフランジ13とは反対側に位置する補強部材31の端部31aのウエブ11の側面からの高さを高くして、その端部31aが先鋭化された形状とならないようにしておけば、その補強部材31の端部31aの接合部32に対する応力集中を更に緩和させることが可能となる。また、第1実施形態に係る補強部材31のように、リブプレート21の接合されるフランジ13とは反対側に位置する補強部材31の端部31aを湾曲させておけば、その端部31aが低剛性化されることにより端部31aの接合部32に対する応力集中を更に効果的に緩和させることが可能となる。
なお、上述した第1実施形態においては、補強部材31が断面円形筒状の円形鋼管から構成されている例について説明したが、補強部材31は、図5(a)〜図5(d)に示すように、その断面形状については特に限定するものではない。例えば、図5(a)に示すように、断面角形筒状に形成されていてもよいし、図5(b)、図5(c)に示すように、断面台形状に形成されていてもよい。また、図5(d)に示すように、リブプレート21が接合されるフランジ13側の端部31bが断面角形状に形成され、そのフランジ13とは反対側の端部31aが湾曲して形成されていてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。図6は、本発明の第2実施形態に係る既設鉄骨部材1の補強構造3の構成を下側から見た斜視図であり、図7(a)はその側面図であり、図7(b)は図7(a)のE−E線断面図である。
第2実施形態に係る補強構造3においては、応力集中が発生し得るリブプレート21の端部21aの溶接接合部22を取り囲むように、ウエブ11の側面に沿って補強部材41が溶接等により接合されており、更に、リブプレート21が接合されている側のフランジ13とウエブ11の側面とにその補強部材41が溶接等により接合されている。なお、ここでいう応力集中が発生し得るリブプレート21の端部21aとは、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側に位置するリブプレート21の端部21aのことを意味する。
補強部材41は、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22に生じ得る応力集中を緩和するものとして機能する。補強部材41は、リブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22の総てを取り囲むように接合されている。また、補強部材41は、第2実施形態において、一つのリブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22を取り囲むように接合されているが、後述のように、複数のリブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22を取り囲むように接合されていてもよい。補強部材41をウエブ11に溶接により接合するにあたっては、補強部材41をウエブ11に確実に固定するため、その溶接形態として、補強部材31の両面側又は片面側から突合せ溶接をして十分な溶け込み量を確保できるようにすることが好ましい。
補強部材41は、帯状に形成された鋼材等からなるものであり、第2実施形態においては断面U字状の鋼板から構成されている。これにより補強部材41は、リブプレート21が接合されるフランジ13側とは反対側の端部41aが湾曲して形成されることになり、その湾曲した端部41aがウエブ11に接合されることになる。また、補強部材41は、その長手方向の両端部41bが、リブプレート21が接合されている側のフランジ13の内面に接合されている。
次に、本発明の第2実施形態の作用効果について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る既設鉄骨部材1の補強構造3の作用効果について説明するための図である。
既設鉄骨部材1のリブプレート21が接合されている側のフランジ13に対して面外方向に曲げ荷重が負荷された場合、フランジ13に負荷された曲げ荷重の大半は、リブプレート21ではなく補強部材41に対して図8に示すような方向Q1に伝達されることになる。これにより、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側に位置する補強部材41の端部41aの接合部42において応力集中が生じ易くなり、その結果、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22における応力集中が緩和されることになる。
このとき、第2実施形態に係る補強部材41は、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22を取り囲むように接合されているので、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側の端部41aのような比較的広い範囲S2に応力集中が生じ易い部位を分散させることができ、その結果、局所的に応力集中が生じるのを抑えることが可能となる。
このように、第2実施形態に係る補強構造3によれば、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22における応力集中を緩和することができるうえ、局所的に応力集中が生じるのを抑えることが可能となっているため、既設鉄骨部材1の耐力、疲労強度の向上を図ることが可能となる。
また、第2実施形態に係る補強構造3によれば、補強部材41の接合時においてリブプレート21の端部21aとウエブ11との溶接接合部22の極めて近くで溶接することなく作業することができ、作業性に優れているうえ、溶接欠陥の発生を防止しつつ上述のような効果を発揮することが可能となる。
ここで、第2実施形態に係る補強部材41は、リブプレート21の接合されるフランジ13とは反対側の端部41aの形状を調整することにより、その補強部材41の端部41aの接合部42に対する応力集中を更に緩和させることが可能である。例えば、リブプレート21の接合されるフランジ13側とは反対側に位置する補強部材41の端部41aのウエブ11の側面からの高さを高くして、その端部41aが先鋭化された形状とならないようにしておけば、その補強部材41の端部41aの接合部42に対する応力集中を更に緩和させることが可能となる。また、第2実施形態に係る補強部材41のように、リブプレート21の接合されるフランジ13側とは反対側に位置する補強部材41の端部41aを湾曲させておけば、その端部41aが低剛性化されることにより端部41aの接合部42に対する応力集中を更に効果的に緩和させることが可能となる。
なお、上述の第2実施形態においては、補強部材41が一つのリブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22を取り囲むように接合されている例について説明したが、補強部材41は、図9(a)に示すように、二つのリブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22を取り囲むように接合されていてもよいし、図示しないが、三つ以上のリブプレート21のウエブ11に対する溶接接合部22を取り囲むように接合されていてもよい。ただし、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22における応力集中を緩和させる効果を優れたものとするうえでは、一つ又は二つとすることが好ましく、更に優れた効果とするうえでは、一つとすることがより好ましい。
また、上述した第2実施形態においては、補強部材41が断面U字状の鋼板から構成されている例について説明したが、補強部材41は、図9(b)〜図9(e)に示すように、その断面形状について特に限定するものではない。例えば、図9(b)に示すように、断面コ字状に形成されていてもよいし、図9(c)、図9(d)に示すように、断面V字状に形成されていてもよい。補強部材41が、図9(c)、図9(d)に示すように、断面V字状に形成される場合、リブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側の端部41aは、図9(c)に示すように、湾曲させておくことが、その端部41aの接合部42に対する応力集中を緩和するうえで好ましい。また、補強部材41は、図9(e)に示すように、リブプレート21が接合されるフランジ13側に向かうにつれて、その長手方向の両端部41b側が狭くなるように形成されていてもよい。
次に、本発明の第1実施形態、第2実施形態に係る補強部材31、41の好ましい寸法条件について説明する。
本発明者は、第1実施形態、第2実施形態の両構造について、図2、図7に示すような、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22と補強部材31、41との間隔r、補強部材31、41の板厚t、補強部材31、41のウエブ11からの高さhが、疲労強度に対してどのような影響を及ぼすか、構造解析により調査することとした。
この構造解析は、FEM解析により行うこととした。既設鉄骨部材1の寸法は図10、図11に示すような条件とし、既設鉄骨部材1の材質はヤング率が2.05×105N/mm2、ポアソン比が0.3である条件とした。また、この構造解析では、補強部材31、41の板厚tを6mm、高さhを25mmとして間隔rを変動させた場合の条件1と、間隔rを200mm、高さhを25mmとして板厚tを変動させた場合の条件2と、間隔rを200mm、板厚tを6mmとして高さhを変動させた場合の条件3との各条件について解析を行なった。
また、この構造解析では、上フランジ13から上方に135mm離れた位置Zが上フランジ13と剛結合されているものとし、位置Zに方向Rの荷重が載荷された場合において、リブプレート21の端部21aの近傍のウエブ11に作用する応力を求めることとした。このとき、既設鉄骨部材1の長手方向両端のウエブ11、上フランジ13、下フランジ15は拘束されている条件の下で位置Zに荷重を載荷するものとした。また、既設鉄骨部材1に弾性域を超えない範囲の荷重が負荷されるように位置Zに荷重を載荷するものとした。
疲労強度を評価するうえでは、まず、構造解析により下記の数式(11)に記載された応力σ(1.0t)、応力σ(0.4t)を求め、その求めた応力に基づき下記の数式(11)からホットスポット応力σhsを算出した。このとき、応力σ(1.0t)、応力σ(0.4t)について補強部材31、41の接合前後のものを求め、その求めた値に基づき補強部材31、41の接合後のホットスポット応力σhsAと、補強部材31、41の接合前のホットスポット応力σhsBとを算出した。なお、このホットスポット応力σhsについては、文献「川崎重工技報:ホットスポット応力を用いた船殻構造の疲労強度評価,Vol.154,pp.32-33」にも記載されている。
σhs=1.67×σ(0.4t)−0.67×σ(1.0t) ・・・ (11)
σhs :リブプレート21の端部21aの溶接接合部22におけるウエブ11側の溶接止端(以下、ホットスポット部という。)での応力
σ(1.0t) :ホットスポット部からウエブ11の板厚分離れた箇所での応力
σ(0.4t) :ホットスポット部からウエブ11の板厚の0.4倍分離れた箇所での応力
次に、補強部材31、41の接合前後のホットスポット応力σhsA、σhsBに基づき下記の数式(12)から疲労寿命延命効果αを求め、この疲労寿命延命効果αにより疲労強度を評価することとした。
α=σhsB 3/σhsA 3 ・・・ (12)
なお、疲労寿命延命効果αは、下記の数式(13)に示すように、補強部材31、41の接合後の疲労寿命nAが接合前の疲労寿命nBに対してどの程度向上しているかを表す指標値となる数値である。
α=nA/nB ・・・ (13)
ここで、疲労寿命nは、下記の数式(14)〜(17)から導出される数式(18)により表せる。このことから、数式(18)により表された補強部材31、41の接合前の疲労寿命nBと、接合後の疲労寿命nAと、上述の数式(13)とを結合することによりホットスポット応力σhsa、σhsbの項だけが残り、上述の数式(12)のように疲労寿命延命効果αをホットスポット応力σhsa、σhsbにより表せることになる。なお、下記の数式(14)〜(16)については、文献「鋼構造物の疲労設計指針・同解説,1993年4月25日第1版発行,pp.5-17」にも記載されている。
ΔσR=(C0/n)1/3×CR×Ct ・・・ (14)
(γb×γw×γi)×Δσα=ΔσR ・・・ (15)
0=2×106×Δσf ・・・ (16)
Δσα=σhs ・・・ (17)
n=(2×106×Δσf×CR 3×Ct 3)/{(γb×γw×γi3×σhs 3}・・・(18)
ΔσR:許容応力範囲(MPa)
R:平均応力補正係数
t:板厚補正係数
γb×γw×γi:安全係数
Δσα:設計応力範囲(MPa)
Δσf:2×106回基本許容応力範囲(MPa)
図12は、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22と補強部材31、41との間隔rに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。図13は、補強部材31、41の板厚tに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。図14は、補強部材31、41のウエブ11の側面からの高さhに対する疲労寿命延命効果の関係について示す図である。
間隔rは、図12に示すように、50mm以上200mm以下である場合、上述の条件1の下で疲労寿命延命効果が2.0倍以上になることが確認できる。また、間隔rが75mm以上150mm以下である場合、上述の条件1の下で疲労寿命延命効果が2.5倍以上になることが確認できる。間隔rが50mm未満の場合は、補強部材31、41の湾曲した端部31aの曲率が大きくなりすぎ、その端部31aからウエブ11の広い範囲に応力集中を分散させ難くなるため、疲労寿命延命効果が低くなるものと考えられる。また、間隔rが200mm超の場合は、補強部材31、41とリブプレート21の端部21aとの距離が離れすぎることにより、その補強部材31、41によるリブプレート21の端部21aへの拘束効果がほとんど発揮できなくなるため、疲労寿命延命効果が低くなるものと考えられる。
この結果に基づき、間隔rの好ましい数値条件として、50mm以上200mm以下と設定した。この間隔rが50mm未満又は200mm超であると、上述のような理由により優れた疲労寿命延命効果が得られない。また、間隔rが50mm未満であると、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22の溶接ビードを削る必要が生じて作業性が悪化するうえ、既熱影響部に大きく熱影響を与えて構造欠陥を招く恐れが高くなるので好ましくない。また、間隔rが50mm未満であると、補強部材31、41をその内周側から突合せ溶接をする場合に、溶接棒を補強部材31、41の内周側に入り込ませるのが困難になり溶接作業性が悪化するため好ましくない。また、この間隔rが200mm超であると、補強部材31、41の重量の過度の増大により作業性の低下、コストの増大を招くので好ましくない。また、更に優れた疲労寿命延命効果を得る観点からは、間隔rを75mm以上150mm以下とすることが好ましい。また、間隔rを75mm以上とした場合、上述の作業性、既熱影響部に対する熱影響の観点から更に優れた効果が得られる。間隔rを150mm以下とした場合、上述の重量の過度の増大による悪影響を更に抑えることが可能となる。
なお、ここでの間隔rは、第1実施形態に係る補強部材31の場合、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22から補強部材31の全周に亘る範囲での各部位までの間隔を意味し、第2実施形態に係る補強部材41の場合、リブプレート21の端部21aの溶接接合部22から、これよりもリブプレート21が接合されるフランジ13とは反対側に位置する補強部材41の各部位までの間隔を意味する。
また、補強部材31、41の板厚tは、図13に示すように、6mm以上12mm以下である場合、上述の条件2の下で疲労寿命延命効果が2.0倍以上になることが確認できる。この結果に基づき、補強部材31、41の板厚tの好ましい数値条件として、6mm以上12mm以下と設定した。板厚tが6mm未満であると、優れた疲労寿命延命効果が得られないうえ、補強部材31、41を溶接により接合するにあたって溶接作業性が悪化するので好ましくない。また、板厚tが12mm超であると、補強部材31、41の全板厚に亘る溶け込みが得られるように突合せ溶接をするうえで、補強部材31、41の片面につき複数パスの溶接が必要となり、1箇所あたりの溶接作業にかかる時間が増加するうえ、補強部材31、41の重量の過度の増大により作業性の低下、コストの増大を招くので好ましくない。
また、補強部材31、41の高さhは、図14に示すように、25mm以上100mm以下である場合、上述の条件3の下で疲労寿命延命効果が2.0倍以上になることが確認できる。この結果に基づき、補強部材31、41の高さhの好ましい数値条件として、25mm以上100mm以下と設定した。高さhが25mm未満であると、優れた疲労寿命延命効果が得られない。また、高さhが100mm超であると、補強部材31、41をその内周側から突合せ溶接する場合に溶接棒を補強部材31、41の内周側に入り込ませるのが困難になり溶接作業性の悪化を招くうえ、補強部材31、41の重量の過度の増大により作業性の低下、コストの増大を招くので好ましくない。また、補強部材31、41の重量の増大による作業性の低下、コストの増加を防止する観点からは、高さhを50mm以下とすることが更に好ましい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、図15に示すように、第1実施形態に係る補強部材31、第2実施形態に係る補強部材41の何れもが、ウエブ11の側面からの高さについて、リブプレート21が接合されるフランジ13側が高く、そのフランジ13とは反対側が低くなるように形成されていてもよい。これにより、重量を減らして経済的な設計とすることが可能となる。
また、補強部材31、41を溶接により接合する場合、その溶接による接合部32、42は、グラインダ処理又はピーニング処理されていてもよい。ここでいうグラインダ処理とは、溶接ビードの余盛部形状が滑らかとなるように研削する処理のことをいい、これにより、溶接止端での応力集中を低減することにより疲労強度を高めることが可能となる。また、ここでいうピーニング処理とは、超音波ピーニング、ショットピーニング等のことであり、超音波振動等による打撃を溶接による接合部32、42に加えることにより、その接合部32、42に圧縮残留応力を導入して疲労強度を高めることが可能となる。
また、図16は、本発明に係る補強構造3を鉄骨柱として用いられる既設鉄骨部材1に適用した場合の構成を示す側面図である。このように鉄骨柱として用いられる既設鉄骨部材1には、ウエブ11の両側のフランジ13、15に対して面外方向に頻繁に曲げ荷重が負荷されるので、各フランジ13、15に対して別個のリブプレート21が溶接により接合されている。そして、本発明に係る補強構造3も、各フランジ13、15に接合されたリブプレート21毎に適用されることになる。
また、上述した各実施形態においては、ウエブ11の両側面に補強部材31、41が接合されている場合を例示したが、ウエブ11の一方の側面にのみ補強部材31、41が接合されていてもよい。この場合、例えば、鉄骨梁となる既設鉄骨部材1が支持するクレーンレールの操業上の制約から、ウエブ11の他方の側面側に作業用足場を設置することが困難である場合等のような、施工上の制約があるときにおいても、そのような施工上の制約によることなく補強部材31、41を接合することが可能となる。
1 :既設鉄骨部材
3 :補強構造
11 :ウエブ
13、15 :フランジ
17 :スチフナプレート
21 :リブプレート
21a :端部
22 :溶接接合部
31 :(第1実施形態)補強部材
31a、31b :端部
32 :接合部
33 :切欠部
35 :スカラップ
41 :(第2実施形態)補強部材
41a :端部
42 :接合部

Claims (11)

  1. ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強構造において、
    前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材が接合されているとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材が接合され
    前記補強部材は、前記リブプレートの両側面と前記ウエブの側面とに接合され、かつ、前記リブプレートと前記ウエブとの溶接接合部においてスカラップが形成されていること
    を特徴とする既設鉄骨部材の補強構造。
  2. ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強構造において、
    前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材が接合されているとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材が接合され、
    前記補強部材は、前記ウエブの側面に接合されているとともに、その両端部が前記一方のフランジの内面に接合されていること
    を特徴とする設鉄骨部材の補強構造。
  3. 前記補強部材は、一つ、二つ又は三つ以上の前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って接合されていること
    を特徴とする請求項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  4. 前記補強部材は、前記一方のフランジとは反対側に位置する前記リブプレート端部の溶接接合部に対して50mm以上200mm以下の間隔を空けて接合されていること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  5. 前記補強部材は、6mm以上12mm以下の板厚からなること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  6. 前記補強部材は、前記ウエブの側面からの高さが25mm以上100mm以下であること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  7. 前記補強部材は、前記リブプレート又は前記一方のフランジと前記ウエブの側面とに溶接により接合されていること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  8. 前記補強部材の溶接による接合部は、グラインダ処理又はピーニング処理されていること
    を特徴とする請求項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  9. 前記補強部材は、前記ウエブの側面からの高さについて、前記一方のフランジ側が高く、前記一方のフランジとは反対側が低くなるように形成されていること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  10. 前記既設鉄骨部材は、鉄骨梁又は鉄骨柱として用いられていること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の既設鉄骨部材の補強構造。
  11. ウエブとその両側のフランジと、一方のフランジの内面及びウエブの側面に溶接により接合されたリブプレートとを有する既設鉄骨部材の補強方法において、
    前記一方のフランジとは反対側の前記リブプレート端部の溶接接合部を取り囲むように前記ウエブの側面に沿って補強部材を接合するとともに、前記リブプレート又は前記一方のフランジに前記補強部材を接合し、前記リブプレートの両側面と前記ウエブの側面とに前記補強部材を接合し、かつ、前記リブプレートと前記ウエブとの溶接接合部において前記補強部材にスカラップを形成すること
    を特徴とする既設鉄骨部材の補強方法。
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