JP5808593B2 - 鉄骨有孔梁の補強構造 - Google Patents

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本発明は、鉄骨有孔梁の補強構造に関する。
従来から、鉄骨梁において、開口が形成された梁端部を補強する補強構造が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された補強構造では、梁ブラケットと梁本体とを連結する梁継手部に、梁ブラケットのウェブ部と梁本体のウェブ部とにまたがって貫通孔(開口)が形成されている。この貫通孔の上下には梁ブラケットのウェブ部と梁本体のウェブ部とにまたがるアングルが設けられている。これらのアングルによって、貫通孔により断面欠損された梁継手部が補強されている。
特開平5−179756号公報
しかしながら、特許文献1に開示された補強構造では、梁ブラケットのウェブ部及び梁本体のウェブ部に、アングルの中央部を高力ボルトで摩擦接合するため、アングルの上下端部が梁ブラケットのウェブ部及び梁本体のウェブ部に一体化されず、自由端部となる。従って、梁ブラケットのウェブ部及び梁本体のウェブ部に作用するせん断力に対し、アングルの上下端部が抵抗できず、十分な補強効果を得ることが困難な場合がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、補強効果が向上された鉄骨有孔梁の補強構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の鉄骨有孔梁の補強構造は、梁継手部を避けてウェブ部に円形の貫通孔が形成された鉄骨梁と、前記ウェブ部の片面に設けられ、長手方向を前記鉄骨梁の梁軸方向にして前記貫通孔の上下にそれぞれ配置されると共に、上下端部が前記ウェブ部に接合された補強プレートと、を備え、前記梁軸方向と直交しかつ前記貫通孔の中心を通る切断面で前記補強プレート及び前記ウェブ部を切断したときに、前記補強プレートの断面積の合計値が、前記貫通孔により欠損された前記ウェブ部の最大欠損断面積以上とされ、前記切断面から前記補強プレートの長手方向両端までの長さをそれぞれS ,S 、前記貫通孔の半径をRとしたときに、前記補強プレートがL形鋼の場合、S ≧2.5R、かつS ≧2.5Rとされ、前記補強プレートがL形鋼以外の場合、S ≧3.0R、かつS ≧3.0Rとされている。
請求項1に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、補強プレートの上下端部をウェブ部に接合したことにより、鉄骨梁のウェブ部に作用するせん断力に対し、補強プレートが全断面積で抵抗可能になる。従って、補強プレートの補強効果が向上する。
なお、本発明における鉄骨梁は、梁継手部を有するブラケットタイプの鉄骨梁だけでなく、梁継手部を有しないノンブラケットタイプの鉄骨梁も含む概念である。
また、請求項に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、ウェブ部に貫通孔がない無孔(無開口)の鉄骨梁と同等の力学的性状を得ることができる。
請求項に記載の鉄骨有孔梁の補強構造は、梁継手部を避けてウェブ部に貫通孔が形成された鉄骨梁と、前記ウェブ部の片面に設けられ、長手方向を前記鉄骨梁の梁軸方向にして前記貫通孔の上下にそれぞれ配置されると共に、上下端部が前記ウェブ部に接合された補強プレートと、を備え、前記梁軸方向と直交しかつ前記貫通孔の中心を通る切断面で前記補強プレート及び前記ウェブ部を切断したときに、前記補強プレートの断面積の合計値が、前記貫通孔により欠損された前記ウェブ部の最大欠損断面積以上とされ、前記鉄骨梁が接合される鉄骨柱によって拘束される前記ウェブ部の拘束端から前記貫通孔の中心までの距離をD、前記貫通孔の半径をR、前記切断面から前記鉄骨柱側の前記補強プレートの長手方向一端までの長さをS、前記切断面から前記補強プレートの長手方向他端までの長さをSとしたときに、前記補強プレートがL形鋼の場合、1.75R≦D≦2.75R、かつD−0.25R≦S≦D、かつS≧2.5Rとされ、前記補強プレートがL形鋼以外の場合、1.75R≦D≦3.25R、かつD−0.25R≦S≦D、かつS≧3.0Rとされている。
請求項2に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、補強プレートの上下端部をウェブ部に接合したことにより、鉄骨梁のウェブ部に作用するせん断力に対し、補強プレートが全断面積で抵抗可能になる。従って、補強プレートの補強効果が向上する。
なお、本発明における鉄骨梁は、梁継手部を有するブラケットタイプの鉄骨梁だけでなく、梁継手部を有しないノンブラケットタイプの鉄骨梁も含む概念である。
また、請求項に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、ウェブ部に貫通孔がない無孔(無開口)の鉄骨梁と同等の力学的性状を得ることができる。また、補強プレートの長さSと比較して、鉄骨柱側の補強プレートの長さSを短くすることができる。従って、補強プレートの材料コストを削減することができる。
以上説明したように、本発明に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、補強効果を向上することができる。
(A)は本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造が適用されたH形鋼梁を示す正面図であり、(B)は図1(A)の1B−1B線断面図である。 (A)は図1(B)の一部拡大断面図であり、(B)は比較例を示す図2(A)に相当する断面図である。 本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例が適用されたH形鋼梁を示す正面図である。 (A)は本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例が適用されたH形鋼梁を示す正面図であり、(B)は図4(A)の4B−4B線断面図である。 本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例が適用されたH形鋼梁を示す正面図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例が適用されたH形鋼梁を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例が適用された鉄骨梁を示す図1(B)に相当する断面図である。 (A)は解析モデルの基本モデルを示す正面図であり、(B)は図8(A)の8B−8B線断面である。 他の解析モデルを示す図8(B)に相当する断面図である。 性能解析に用いた解析モデルの詳細を示す表である。 (A)は解析結果の評価項目である全塑性耐力を説明するための模式グラフであり、(B)は同評価項目である塑性変形倍率を説明するための模式グラフである。 解析結果から得られた荷重変位関係を示すグラフである。 解析結果から得られた荷重変位関係を示すグラフである。 解析結果から得られた荷重変位関係を示すグラフである。 解析結果から得られた荷重変位関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造について説明する。
図1(A)及び図1(B)には、本実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造が適用された鉄骨梁としてのH形鋼梁10が示されている。なお、矢印Xは、鉄骨梁の梁軸方向を示しており、梁軸方向のうち鉄骨梁の端部(鉄骨柱)に向う方向を梁軸方向外側とし、鉄骨梁の中央部に向う方向を梁軸方向内側として以下説明する。
H形鋼梁10は、鉄骨柱30と図示しない鉄骨柱の間に架設されている。このH形鋼梁10は、図示しない梁本体と、梁本体の長手方向両端部にそれぞれ連結された梁ブラケット12とを備えている。梁ブラケット12はFAランク相当のH形鋼で構成され、梁ブラケット12の端部が鉄骨柱30に外側面に突き当てられて溶接等により接合されている。なお、梁ブラケット12は工場等で予め鉄骨柱30に接合されており、現場において梁ブラケット12に梁本体を溶接や高力ボルト等で連結することにより、H形鋼梁10が構成されている。また、本実施形態では、鉄骨柱30が角形鋼管で構成されているが、H形鋼等で構成しても良い。
鉄骨梁としての梁ブラケット12は、上下一対のフランジ部12Aと、これらのフランジ部12Aを繋ぐウェブ部12Bとを備えている。梁ブラケット12のウェブ部12Bの一端は、鉄骨柱30の外側面に突き当てられて溶接されており、鉄骨柱30によってその変形が拘束された拘束端12BKとされている。また、ウェブ部12Bには、設備等に用いられる貫通孔14が形成されている。貫通孔14は中心Cを中心とした半径Rの円形の孔で、梁ブラケット12と梁本体(図示省略)との梁継手部(連結部)を避けて鉄骨柱30側の塑性化領域に形成されている。この貫通孔14によって、梁ブラケット12のウェブ部12Bが部分的に欠損されている。なお、ここでいう塑性化領域とは、地震力を受けたときに、最初に塑性化し易いH形鋼梁10の端部側の領域を意味し、例えば、H形鋼梁10の梁端から梁成の1〜2倍の領域である。
梁ブラケット12のフランジ部12Aの片面には、一対の補強プレート16が設けられている。一対の補強プレート16は、その断面積が全長に渡って略一定とされたフラットバー(平鋼板)で構成され、ウェブ部12Bにおける貫通孔14の上下(上下方向両側)に重ねられている。また、一対の補強プレート16は、長手方向を梁軸方向(矢印X方向)にして略平行に配置されており、正面視にて長手方向一端(梁軸方向外側の一端)Loが貫通孔14よりも梁軸方向外側に位置すると共に、長手方向他端(梁軸方向内側の他端)Liが貫通孔14よりも梁軸方向内側に位置している。
また、図2(A)に示されるように、補強プレート16の上下端部(長辺側の端部)としての上端部16A及び下端部16Bは、梁ブラケット12のウェブ部12Bの表面に接合されている。具体的には、補強プレート16は、上端部16A及び下端部16Bがその全長に渡ってウェブ部12Bに隅肉溶接で連続溶接されている。これにより、梁ブラケット12のウェブ部12Bに作用するせん断力に対し、補強プレート16が全断面積で抵抗可能になっている。
なお、本実施形態では、補強プレート16の長手方向一端16Lo及び長手方向他端16Liが梁ブラケット12のウェブ部12Bの表面に接合されていないが、溶接等で接合しても良い。また、補強プレート16の上端部16A及び下端部16Bをエポキシ樹脂等の接着剤で梁ブラケット12のウェブ部12Bの表面に接合しても良い。また、補強プレート16は、溶接代を残して上端部16A又は下端部16Bを貫通孔14の縁に近づけることが望ましい。
次に、補強プレート16の各種設定値について詳説する。なお、以下で説明する設定値は、後述する性能解析の結果に基づくものである。
先ず、補強プレート16の断面積について説明する。
各補強プレート16の断面積は、貫通孔14によるウェブ部12Bの欠損を補うように設定されている。具体的には、図1(B)に示されるように、梁軸方向(矢印X方向)と直交し、貫通孔14の中心Cを通る切断面CP(1B−1B線)で切断した梁ブラケット12及び各補強プレート16の断面において、2本の補強プレート16の断面積Fの合計値Fsumが、貫通孔14による梁ブラケット12のウェブ部12Bの最大断面欠損面積Gmax以上(Fsum≧Gmax)になるように設定されている。この図1(B)に示される断面では、切断面CPが貫通孔14の中心Cを通るため、貫通孔14による梁ブラケット12のウェブ部12Bの断面欠損面積が最大となっている。
なお、図1(A)及び図2(A)にそれぞれ示されるように、各補強プレート16の幅(上下方向の長さ)Wは貫通孔14の半径R以上(W≧R)、各補強プレート16の板厚tは梁ブラケット12のウェブ部12Bの板厚u以上(t≧u)に設定することが好ましい。また、溶接の施工性の観点から、補強プレート16の板厚tは、梁ブラケット12のウェブ部12Bの板厚uのワンサイズアップ以下に設定することが好ましい。
また、本実施形態では、各補強プレート16の断面積Fを略同一に設定したがこれに限らない。各補強プレート16の断面積Fは、前述した条件を満たせば良く、例えば、各補強プレート16の幅W、板厚t等を異なる値に設定しても良い。
次に、補強プレート16の長手方向の長さについて説明する。
図1(A)に示されるように、切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート16の長手方向他端16Liまでの長さ(必要長さ)Sは、下記式(1)を満たすように設定されている。
≧3R ・・・(1)
一方、切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート16の長手方向一端16Loまでの長さ(必要長さ)Sは、梁ブラケット12のウェブ部12Bの拘束端12BKから梁軸方向に沿った貫通孔14の中心Cまでの距離をDとしたときに、下記式(2)及び式(3)を満たすように設定されている。
1.75R≦D≦3.25Rの場合、
D−0.25R≦S≦D ・・・(2)
2.25R<Dの場合、
≧3R ・・・(3)
ここで、梁ブラケット12のウェブ部12Bにおける拘束端12BKは、その変形が鉄骨柱30によって拘束される。従って、ウェブ部12Bにおける拘束端12BK付近の領域(以下、「拘束端側領域E」という)では、鉄骨柱30による補強効果が得られるため、局部座屈が発生し難くなっている。そのため、拘束端側領域Eは、補強プレート16によって補強する必要がない。従って、貫通孔14によるウェブ部12Bの耐力低下領域と拘束端側領域Eとが重複する場合は、その重複量に応じて補強プレート16の必要長さSが前述した必要長さSよりも短くなる。
本実施形態では、梁ブラケット12の拘束端12BKから貫通孔14側(梁軸方向内側)へ0.25Rまでの領域(V=0.25R)が拘束端側領域Eとされており、貫通孔14によるウェブ部12Bの耐力低下領域が拘束端側領域Eと重複するように、即ち、1.75R≦D≦3.25Rの範囲内に貫通孔14が形成されている。従って、補強プレート16の長さSは、上記式(2)を満たすように設定されている。なお、補強プレート16の長さSの最小値は1.5Rである。
一方、図3に示されるように、貫通孔14によるウェブ部12Bの耐力低下領域と拘束端側領域Eとが重複しないように、即ち、3.25R<Dの範囲内に貫通孔14が形成されている場合は、上記式(3)を満たすように補強プレート16の長さSが設定される。この場合、鉄骨柱による補強効果が得られないため、補強プレート16の必要長さSは、前述した補強プレート16の長さS(式(1)参照)と同じになる。
次に、本実施形態に係る作用について説明する。
図2(A)に示されるように、梁ブラケット12のウェブ部12Bの片面には、一対の補強プレート16が設けられている。これらの補強プレート16は、ウェブ部12Bにおける貫通孔14の上下に配置されており、その上端部16A及び下端部16Bがウェブ部12Bの表面に接合されている。即ち、補強プレート16の上端部16A及び下端部16Bが、梁ブラケット12のウェブ部12Bに一体化されている。これにより、梁ブラケット12のウェブ部12Bに作用するせん断力に対し、補強プレート16がその全断面積で抵抗可能となり、補強プレート16の所定断面におけるせん断応力分布Qが矩形となる。従って、補強プレート16の補強効果が向上する。
一方、図2(B)に示される比較例のように、高力ボルト40及びナット42によって補強プレート16の中央部を梁ブラケット12のウェブ部12Bに接合する構成では、補強プレート16の上端部16A及び下端部16Bが梁ブラケット12のウェブ部12Bに一体化されず、自由端部となる。従って、梁ブラケット12のウェブ部12Bに作用するせん断力に対し、補強プレート16の上端部16A及び下端部16Bが抵抗できず、所定断面におけるせん断応力分布Qがパラボラ形状(半円形状)となる。従って、補強プレート16の補強効果が低下する。
このように本実施形態では、補強プレート16の上端部16A及び下端部16Bを梁ブラケット12のウェブ部12Bの表面に接合することにより、梁ブラケット12のウェブ部12Bに作用するせん断力に対して補強プレート16がその全断面積で抵抗するため、補強プレート16の補強効果が向上する。
また、本実施形態では、梁ブラケット12のウェブ部12Bの片面に一対の補強プレート16を設ける構成であるため、当該ウェブ部12Bの両面に一対の補強プレート16を設ける構成と比較して施工性が向上する。
更に、従来技術(例えば、特許文献1)のように、梁ブラケットと梁本体とを連結する梁継手部に形成された貫通孔の上下に、梁ブラケットのウェブ部と梁本体のウェブ部とにまたがるようにアングルを設けた構成では、梁継手部において梁ブラケットのウェブ部と梁本体のウェブ部とが連続しておらず、これらのウェブ部がせん断力に対して抵抗しない。従って、梁継手部に作用するせん断力には主としてアングルが抵抗するため、アングルの耐力負担が大きくなる。また、梁ブラケットのウェブ部と梁本体のウェブ部とが連続しないため、アングルにはせん断力だけでなく、局所的な曲げモーメント(局所曲げモーメント)が作用する。従って、アングルの耐力負担が更に大きくなるため、アングルの必要板厚等が厚くなる。
これに対して本実施形態では、梁継手部を避けて梁ブラケット12のウェブ部12Bに貫通孔14を形成し、この貫通孔14の上下に補強プレート16を設ける構成であるため、補強プレート16、及び貫通孔14の周辺に残存するウェブ部12Bがせん断力に対して抵抗する。従って、従来技術と比較して、補強プレート16の耐力負担が小さくなるため、補強プレート16の板厚等を薄くすることができる。
また、他の従来技術として、貫通孔の外周に沿ってリングプレート(リング状の当て板)等を梁ブラケット等のウェブ部に接合する補強方法がある。この補強方法では、リングプレートの形状が円形であることから、鋼材からリングプレートを切りだすときに鋼材の無駄が生じる。さらに、溶接代を確保するためにウェブ部の貫通孔よりも大きな貫通孔を有するリングプレートを形成する必要があるため、鋼材の無駄が大きい。
これに対して本実施形態では、補強プレート16の形状が矩形であることから、鋼板から補強プレート16を効率よく切り出すことができるため、鋼材の無駄が少ない。更に、後述する性能解析の結果に基づいて、各補強プレート16の断面積Fの合計値Fsum、及び長さS,Sが設定されている。従って、過剰な補強を抑制することができるため、補強プレート16の鋼材の無駄を省くことができる。更に、後述する性能解析の結果に基づいて、各補強プレート16の断面積Fの合計値Fsum、及び長さS,Sを設定することにより、貫通孔14がない梁ブラケット12と同等の力学的性状を得ることができる。
また、前述したように、梁ブラケット12のウェブ部12Bには、貫通孔14周辺部の耐力低下領域が拘束端12BK側の拘束端側領域Eと重複するように貫通孔14が形成されている。従って、鉄骨柱30によって貫通孔14周辺部の耐力低下領域が補強されるため、切断面CPから梁軸方向内側へ延びる補強プレート16の長手方向他端16Liまでの長さSと比較して、切断面CPから梁軸方向外側(鉄骨柱30側)へ延びる補強プレート16の長手方向一端16Loまでの長さSを短くすることができる。従って、補強プレート16の材料コストを削減することができる。更に、鉄骨柱30と補強プレート16の長手方向一端16Loとの間に拘束端側領域E分の隙間を空けることができるため、梁ブラケット12のウェブ部12Bに対する補強プレート16の接合作業が容易となる。
以上説明したように、本実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造によれば、貫通孔14が形成された梁ブラケット12のウェブ部12Bに対する補強プレート16の補強効果を向上することができる。
次に、上記実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の変形例について説明する。
上記実施形態では、補強プレート16としてフラットバーを用いたが、形鋼を用いても良い。例えば、図4(A)及び図4(B)に示される変形例のように、補強プレート18をL形鋼で構成しても良い。具体的には、補強プレート18はL形鋼で構成され、フランジ部18Tとウェブ部18Uとを備えている。この補強プレート18は、ウェブ部18Uを梁ブラケット12のウェブ部12Bに重ねると共に、フランジ部18Tを貫通孔14側に向けて配置されている。
ここで、補強プレート18は、上記実施形態における補強プレート16の上端部16A又は下端部16Bに、当該上端部16A又は下端部16Bから補強プレート16の面外方向へ延出するフランジ部18Tを設けたものである。即ち、補強プレート18のウェブ部18Uが上記実施形態における補強プレート16(フラットバー、図1(A)参照)に相当し、その上端部18U1及び下端部18U2が梁ブラケット12のウェブ部12Bに隅肉溶接等で接合されている。また、2本の補強プレート18のウェブ部18Uの断面積Fの合計値Fsumが、貫通孔14による梁ブラケット12のウェブ部12Bの最大断面欠損面積Gmax以上(Fsum≧Gmax)になるように設定されている。
更に、切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート18の長手方向他端18Liまでの長さ(必要長さ)Sは、下記式(4)を満たすように設定されている。
≧2.5R ・・・(4)
一方、切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート18の長手方向一端18Loまで長さ(必要長さ)Sは、下記式(5)及び式(6)を満たすように設定されている。
1.75R≦D≦2.75Rの場合、
D−0.25R≦S≦D ・・・(5)
2.75R<Dの場合、
≧2.5R ・・・(6)
このように補強プレート18をL形鋼で構成することにより、フラットバーで構成された補強プレート16(図1(B)参照)と比較して、補強プレート18の必要長さS,Sを短くすることができる。従って、補強プレート18の材料コストを削減することができる。また、後述する性能解析の結果から分かるように、補強プレート16と比較してH形鋼梁10の変形性能を向上することができる。
なお、補強プレートを構成する形鋼として、例えば、T形鋼、C形鋼、H形鋼、Z形鋼等を用いることも可能である。例えば、補強プレートをT形鋼で構成した場合は、梁ブラケット12のウェブ部12Bに重ねられるT形鋼のフランジ部が上記実施形態における補強プレート16(フラットバー)に相当する。また、補強プレートをC形鋼で構成した場合は、梁ブラケット12のウェブ部12Bに重ねられるC形鋼のウェブ部又はフランジ部が上記実施形態における補強プレート16(フラットバー)に相当する。なお、T形鋼、C形鋼、H形鋼、Z形鋼等で構成された補強プレートの必要条件は、前述したフラットバーで構成された補強プレートと同様である。
次に、上記実施形態では、梁継手部(図示省略)を有するブラケットタイプのH形鋼梁10を例に説明したが、上記実施形態は、梁継手部を有しないH形鋼梁についても適用可能である。例えば、図5には、ダイアフラム工法によって鉄骨柱30に接合されたノンブラケットタイプのH形鋼梁20が示されている。鉄骨梁としてのH形鋼梁20は、上下一対のFAランク相当のフランジ部20Aと、貫通孔14が形成されたFAランク相当のウェブ部20Bを備えている。このH形鋼梁20は、そのフランジ部20Aが鉄骨柱30の外周面に設けられた一対の外ダイアフラム32に溶接等で接合されると共に、そのウェブ部20Bが鉄骨柱30の外側面に設けられたガセットプレート34に重ねられて高力ボルト36によって接合されている。
このようにダイアフラム工法によって鉄骨柱30に接合されたH形鋼梁20には、一般に梁継手部が存在しないが、このようなH形鋼梁20についても上記実施形態は適用可能である。即ち、上記実施形態における梁継手部を避けてウェブ部に形成された貫通孔とは、梁継手部が必須であることを意味するものではなく、本変形例におけるH形鋼梁20のように梁継手部が存在しないウェブ部20Bに形成された貫通孔14も含む概念である。なお、ダイアフラムは、外ダイアフラム32に限らず、内ダイアフラム、通しダイアフラムでも良い。
また、ガセットプレート34によって鉄骨柱30とH形鋼梁20のウェブ部20Bとを接合する構成では、ウェブ部20Bにおけるガセットプレート34の梁軸方向内側の端部34Aに沿った部位が、ウェブ部20Bの拘束端20BKとなる。従って、上記式(1)〜式(3)を用いる場合は、拘束端20BKを基準として貫通孔14の中心Cまでの距離Dを求めることになる。なお、ガセットプレート34に限らず、ガセットプレート34に相当する部材によって鉄骨柱30とH形鋼梁20のウェブ部20Bとが接合される場合についても同様である。
次に、図6(A)に示される変形例のように、梁ブラケット12のウェブ部12Bに2つの貫通孔22,24が隣接して形成されている場合は、一対の補強プレート26によってウェブ部12Bにおける2つの貫通孔22,24の周辺部を補強しても良い。
具体的には、梁ブラケット12のウェブ部12Bには、半径が異なる2つの貫通孔22,24が隣接して形成されている。貫通孔22は中心Cを中心とする半径Rの円形の孔とされ、貫通孔24は中心Cを中心とする半径R(R>R)の円形の孔とされている。これらの貫通孔22,24の上下には、2つの貫通孔22,24にまたがるように一対の補強プレート26がそれぞれ設けられている。なお、一対の補強プレート26は、梁ブラケット12のウェブ部12Bの片面に設けられている。
また、一対の補強プレート26に関し、貫通孔24の中心Cを通る切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート26の長手方向他端26Liまでの長さSは、上記式(1)を満たすように設定されており、貫通孔22の中心Cを通る切断面CPから梁軸方向に沿った補強プレート26の長手方向一端26Loまでの長さSは上記式(2)及び式(3)を満たすように設定されている。更に、補強プレート26の幅Wや断面積等の条件も、上記実施形態と同様である。
なお、本変形例では、補強プレート26の長さSは貫通孔22の半径Rを基準として設定され、補強プレート26の長さSは貫通孔24の半径Rを基準として設定される。例えば、補強プレート26の長さSを算出する際は、式(2)及び式(3)における半径Rとして貫通孔22の半径Rが用いられる。また、半径R及び半径Rの大きい方をRmaxとすると、補強プレート26の幅Wは、W≧Rmaxに設定されている。なお、貫通孔22の半径Rと貫通孔24の半径Rとは、同じでも良いし、R<Rでも良い。
このように2つの貫通孔22,24にまたがる一対の補強プレート26によってウェブ部12Bにおける貫通孔22,24の周辺部を補強することにより、2つの貫通孔22,24を別々の補強プレート26で補強する構成と比較して、補強プレート26の数を低減することができる。従って、施工性が向上する。また、2つの貫通孔22,24の周辺部に対する補強を別々に検討し、貫通孔22の周辺部にのみ補強が必要な場合であっても、貫通孔22に貫通孔24が接近していると、貫通孔24の影響によって貫通孔22の周辺部に対する補強のみでは性能を確保できない場合がある。この場合に、一対の補強プレート26によって貫通孔22,24の周辺部を連続補強とすることにより性能を確保することができる。
なお、貫通孔22の半径Rと貫通孔24の半径Rの平均値をRave(=(R+R)/2)とし、貫通孔22,24の中心C,C間の距離をPとしたときに、4Rave<Pとなる場合は、図6(B)に示されるように、ウェブ部12Bにおける貫通孔22,24の周辺部を別々の補強プレート46,48で補強しても良い。また、梁ブラケット12に作用する曲げモーメントは、鉄骨柱30から離れるに従って小さくなる。従って、4Rave<Pであって、補強の必要がない程度に貫通孔24が鉄骨柱30から離れている場合は、貫通孔24を補強しなくても良い。
また、図6(B)に示される変形例において、切断面CPから補強プレート46の長手方向一端46Loまでの長さS、及び切断面CPから補強プレート46の長手方向他端46Liまでの長さSを求める際は、上記式(1)〜式(3)における半径Rとして、貫通孔22の半径Rを用いれば良い。これと同様に、切断面CPから補強プレート48の長手方向一端48Loまでの長さS、及び切断面CPから補強プレート48の長手方向他端48Liまでの長さSを求める際は、上記式(1)〜式(3)における半径Rとして、貫通孔24の半径Rを用いれば良い。
次に、上記実施形態では、鉄骨梁としてH形鋼梁10を例に説明したが、例えば、図7に示される変形例のように、断面形状が閉断面とされた鉄骨梁50に上記実施形態を適用しても良い。具体的には、鉄骨梁50は、上下一対のフランジ部50Aと、これらのフランジ部50Aを繋ぐ複数(本変形例では、2枚)のウェブ部50Bを備えている。これらのウェブ部50Bは、上下一対のフランジ部50Aの間に対向して設けられ、フランジ部50Aと共に閉断面を構成している。また、各ウェブ部50Bには貫通孔52が形成されている。更に、各ウェブ部50Bの外面には一対の補強プレート16が設けられており、これらの補強プレート16によって各ウェブ部50Bが補強されている。
このように断面形状が閉断面とされた鉄骨梁50では、上記実施形態は特に有効である。断面形状が閉断面とされた鉄骨梁50では、ウェブ部50Bの内面に補強プレート16を接合し難いためである。これと同様に、断面形状が閉断面とされたボックス形の鉄骨梁に対しても上記実施形態は有効である。
また、例えば、上記実施形態において貫通孔14の周辺に小梁が取り付く場合は、補強プレート16を回し溶接すれば良い。更に、補強プレート16は一部材(一枚板)に限定されず、分割された複数部材を一部材と同等の性能になるように接合して用いることも可能である。小梁用ガセットプレート等により分割される場合も同様である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、性能解析について説明する。
<概要>
本性能解析では、補強プレートの長さ、形状等をパラメータとし、解析モデルを用いた有限要素法による解析を行った。
<解析モデル>
図8(A)及び図8(B)には、各解析モデルの基本モデルが示されている。基本モデルにおけるH形鋼梁60は、曲げモーメントが卓越するロングスパン梁を模擬したものであり、長手方向一端部が図示しない鉄骨柱に固定された片持ち梁とされている。H形鋼梁60は、上下一対のフランジ部60Aとウェブ部60Bを備えたFAランク相当のH形鋼(強度490N/mm級)であり、梁スパンが1600mm、梁成が300mmとされている。また、H形鋼梁60のウェブ部60Bには中心Cを中心とした半径R(=55mm)の円形の貫通孔64が形成されており、ウェブ部60Bの最大断面欠損面積Gmaxが660mm(=半径55mm×2×板厚6mm)とされている。また、H形鋼梁60のウェブ部60Bの拘束端60BKから貫通孔64の中心Cまでの距離Dは、2Rとされている。更に、H形鋼梁60のウェブ部60Bの板厚は6mmとされている。
H形鋼梁60のウェブ部60Bに対する補強としては、図8(B)に示されるようにウェブ部60Bの片面に補強プレートとしての一対のフラットバー(平鋼板)66を設けた構成(以下、「補強タイプ1」という)と、図9に示されるようにウェブ部60Bの片面に補強プレートとしての一対のL形鋼68を設けた構成(以下、「補強タイプ2」という)を用いた。
補強タイプ1における一対のフラットバー66は、貫通孔64の上下に設けられており、上下端部がH形鋼梁60のウェブ部60Bの表面に固定されている。また、補強タイプ2における一対のL形鋼68は、フランジ部68Tとウェブ部68Uとを備え、ウェブ部68UをH形鋼梁60のウェブ部60Bに重ねると共に、フランジ部68Tを貫通孔64側に向けて配置されている。また、L形鋼68では、ウェブ部68Uの上下端部がH形鋼梁60のウェブ部60Bに固定されている。なお、フラットバー66,70及びL形鋼68の強度は、H形鋼梁60と同じ490N/mm級に設定されている。
図10には、各モデル1〜9の詳細が示されている。これらのモデル1〜9について、H形鋼梁60の長手方向一端部を固定した状態で、H形鋼梁60の長手方向他端部の加力点P(フランジ部60A間の中間点)に鉛直荷重を上方へ付加しながら同加力点(変位測定点)Pの変位を計測した。
なお、モデル1は、基本モデルに貫通孔64が形成されていない無孔の構成である。また、図10に示される補強プレートの各種寸法は、補強タイプ1ではフラットバー66の寸法を示し、補強タイプ2ではL形鋼68のウェブ部60Bの寸法を示している。
<評価基準>
性能評価では、全塑性耐力及び塑性変形倍率の2つの項目について評価した。なお、全塑性耐力及び塑性変形倍率の2つの項目が以下の基準値を満たすことが必須条件である。全塑性耐力とは、図11(A)に示されるように、解析結果から得られた荷重変形関係において、初期剛性の延長線80と二次勾配の延長線82が交差する交点84の荷重(耐力)を意味し、無孔のモデル1の全塑性耐力を基準にモデル2〜9の全塑性耐力を評価した。また、塑性変形倍率は変形性能を表す指標であり、図11(B)に示されるように、前述した全塑性耐力の変位をδとし、最大耐力の変位をδとしたときに、塑性変形倍率=(δ/δ)−1で表されるものであり、鋼構造限界状態設計指針・同解説(日本建築学会)に規定されたFAランクに相当するP−1―1区分(塑性変形倍率≧4)を基準に、モデル2〜9の塑性変形倍率を評価した。
<性能解析の結果>
図12〜図15には、性能解析の結果が示されている。
先ず、図12には、モデル1、及びモデル2〜4の解析結果が示されている。なお、モデル2〜4では、フラットバー66の長さSが異なっている(図10参照)。
図10及び図12から分かるように、モデル2〜4では、全塑性体耐力がそれぞれ160.51kN、162.28kN,160.95kNとなり、基準値(モデル1の全塑性耐力153.76kN)以上となった。また、モデル2,3では、塑性変形倍率がそれぞれ3.55、3.69となり、基準値を下回った(塑性変形倍率<4)。一方、モデル4では、塑性変形倍率が4.23となり、基準値以上となった(塑性変形倍率≧4)。このことから、フラットバー66の長さSが1.75R以上、且つフラットバー66の長さSが3.0R以上のときに、無孔のモデル1と同等の力学的性状が得られることが確認できる。
ここで、フラットバー66では、必要長さSが必要長さSよりも短くなっている。これは、図8(A)に示されるように、H形鋼梁60のウェブ部60Bの拘束端60BKの支持条件が固定とされているため、拘束端60BK周辺部の変形が小さくなったためと考えられる。本解析では、H形鋼梁60のウェブ部60Bの拘束端60BKから貫通孔64の中心Cまでの距離Dが2Rとされている。従って、距離Dからフラットバー66及びL形鋼68の必要長さSを差し引いた領域、即ち、拘束端60BKから貫通孔64側へ0.25R(=2R−1.75R)までの領域(図1(A)における拘束端側領域Eに相当)では、フラットバー66による補強が不要であることが確認できる。
次に、図13には、モデル1,及びモデル5〜7の解析結果が示されている。なお、モデル5〜7では、L形鋼68の長さSが異なっている(図10参照)。
図10及び図13から分かるように、モデル5〜7では、全塑性体耐力がそれぞれ161.62kN、163.16kN、163.16kNとなり、基準値(モデル1の全塑性耐力153.76kN)以上となった。また、モデル5では塑性変形倍率が3.72となり、基準値を下回った(塑性変形倍率<4)。一方、モデル6,7では、塑性変形倍率が4.27、5.06となり、基準値以上となった(塑性変形倍率≧4)。このことから、L形鋼68の長さSが1.75R以上、且つL形鋼68の長さSが2.5R以上のときに、無孔のモデル1と同等の力学的性状が得られることが確認できる。また、L形鋼68を用いたモデル5〜7では、フラットバー66を用いたモデル2〜4よりも塑性変形倍率が大きくなった。このことから、L形鋼68を用いることにより、フラットバー66と比較してH形鋼梁60の変形性能が向上することが確認できる。
次に、図14には、モデル1、及びモデル4,8の解析結果が示されている。なお、モデル8は、ダイアフラム工法による鉄骨柱との接合を模擬したモデルであり、モデル4において、H形鋼梁60のウェブ部60Bの片面にガセットプレート34(図5参照)を設けたものである。なお、図5を用いて説明すると、モデル8では、H形鋼梁20のウェブ部20Bにおけるガセットプレート34の梁軸方向内側の端部34A(図5参照)から貫通孔14の中心Cまでの距離Dが2Rとされている。また、ガセットプレート34が重ねられたウェブ部20Bの領域は、その支持条件が固定とされている。
図14から分かるように、モデル8の解析結果がモデル4の解析結果に近似した。このことから、モデル8では、ウェブ部60Bにおけるガセットプレート34の梁軸方向内側の端部34A(図5参照)に沿った部位が、モデル4におけるウェブ部60Bの拘束端60BKに相当することが確認できる。これは、補強タイプ1,2が適用されたモデル2〜9に、ガセットプレートを設けた構成についても同様であると考えられる。
次に、図15には、モデル4、及びモデル4においてフラットバー66にSS400(強度400N/mm級)を用いたモデル9の解析結果が示されている。なお、モデル4では、フラットバー66にSN490(強度490N/mm級)が用いられている。
図15から分かるように、モデル9の解析結果がモデル4の解析結果に近似した。このことから、フラットバー66の鋼材強度は、H形鋼梁60の鋼材強度と同等、若しくはH形鋼梁60の鋼材強度のワンランク下程度でも良いことが確認できる。これは、補強タイプ1,2におけるフラットバー66及びL形鋼68の鋼材強度についても同様であると考えられる。
以上の性能解析の結果から上記実施形態に係る鉄骨有孔梁の補強構造の有効性が確認できた。
12 梁ブラケット
12B ウェブ部
12BK 拘束端
14 貫通孔
16 各補強プレート
16A 上端部
16B 下端部
16Lo 長手方向一端
16Li 長手方向他端
18 補強プレート
18U1 上端部
18U2 下端部
18Lo 長手方向一端
18Li 長手方向他端
20 形鋼梁
20B ウェブ部
20BK 拘束端
22 貫通孔
24 貫通孔
26 補強プレート
26Lo 長手方向一端
26Li 長手方向他端
30 鉄骨柱
34A 端部(拘束端)
46 補強プレート
46Lo 長手方向一端
46Li 長手方向他端
48 補強プレート
48Lo 長手方向一端
48Li 長手方向他端
50 鉄骨梁
50B ウェブ部
52 貫通孔
60 H形鋼梁
60B ウェブ部
60BK 拘束端
64 貫通孔
66 フラットバー(補強プレート)
68 L形鋼(補強プレート)
70 フラットバー(補強プレート)
CP 切断面
CP 切断面
CP 切断面

Claims (2)

  1. 梁継手部を避けてウェブ部に円形の貫通孔が形成された鉄骨梁と、
    前記ウェブ部の片面に設けられ、長手方向を前記鉄骨梁の梁軸方向にして前記貫通孔の上下にそれぞれ配置されると共に、上下端部が前記ウェブ部に接合された補強プレートと、
    を備え
    前記梁軸方向と直交しかつ前記貫通孔の中心を通る切断面で前記補強プレート及び前記ウェブ部を切断したときに、前記補強プレートの断面積の合計値が、前記貫通孔により欠損された前記ウェブ部の最大欠損断面積以上とされ、
    前記切断面から前記補強プレートの長手方向両端までの長さをそれぞれS ,S 、前記貫通孔の半径をRとしたときに、
    前記補強プレートがL形鋼の場合、S ≧2.5R、かつS ≧2.5Rとされ、
    前記補強プレートがL形鋼以外の場合、S ≧3.0R、かつS ≧3.0Rとされている鉄骨有孔梁の補強構造。
  2. 梁継手部を避けてウェブ部に貫通孔が形成された鉄骨梁と、
    前記ウェブ部の片面に設けられ、長手方向を前記鉄骨梁の梁軸方向にして前記貫通孔の上下にそれぞれ配置されると共に、上下端部が前記ウェブ部に接合された補強プレートと、
    を備え、
    前記梁軸方向と直交しかつ前記貫通孔の中心を通る切断面で前記補強プレート及び前記ウェブ部を切断したときに、前記補強プレートの断面積の合計値が、前記貫通孔により欠損された前記ウェブ部の最大欠損断面積以上とされ、
    前記鉄骨梁が接合される鉄骨柱によって拘束される前記ウェブ部の拘束端から前記貫通孔の中心までの距離をD、前記貫通孔の半径をR、前記切断面から前記鉄骨柱側の前記補強プレートの長手方向一端までの長さをS 、前記切断面から前記補強プレートの長手方向他端までの長さをS としたときに、
    前記補強プレートがL形鋼の場合、1.75R≦D≦2.75R、かつD−0.25R≦S ≦D、かつS ≧2.5Rとされ、
    前記補強プレートがL形鋼以外の場合、1.75R≦D≦3.25R、かつD−0.25R≦S ≦D、かつS ≧3.0Rとされている鉄骨有孔梁の補強構造。
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