JP5640686B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents
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Description
すなわち、車体サイド部(ルーフサイドおよびフロントピラー参照)に沿ってその車室内側にカーテンエアバッグが、例えば、蛇腹状に折畳んだ状態で配置されており、該カーテンエアバッグはインフレータに接続されると共に、車体サイド部に配設される内装材で覆われており、車両の衝突時にインフレータが発生するガスでカーテンエアバッグを膨張させて、車室の側部に沿って該カーテンエアバッグを下方に向けて前席から後席にわたって展開させるようになっている。
上記特許文献1、2に開示された従来技術においても、セルに対して展開時の上側からガスが入る構造であるから、上述同様の問題点があった。
この結果、カーテンエアバッグを下方に向けて円滑に展開させることができ、フロントピラートリムの破損、飛散を防止することができる。
このため、後方からガスが隣接セル、端側セルの順に入る際、フロントピラートリムよりも後方に位置する隣接セルに対しても下側からガスが入って膨張展開するので、フロントピラートリムを車幅方向の内側に変位させやすくなり、この結果、カーテンエアバッグのより一層円滑な展開ができ、フロントピラートリムの破損、飛散をより一層防止することができる。
上記構成によれば、カーテンエアバッグのインフレータへの接続部が前席空間と後席空間との間、つまりカーテンエアバッグの折畳み状態下の前後方向中間に設けられており、インフレータからのガスの分配性が良好であるから、前席空間と後席空間とに対応して共に迅速なガス導入が成され、フロントピラートリムの破損、飛散を防止しつつ、カーテンエアバッグ全体として円滑な膨張展開ができる。
上記構成によれば、折畳み状態のカーテンエアバッグの基部(根元部)が不用意に膨張しないことに加えて、上述の案内部材でカーテンエアバッグの展開方向を案内するので、該案内部材の案内性により、カーテンエアバッグのさらに円滑な展開を図ることができる。
図面は車両の乗員保護装置を示し、図1はルーフパネルおよび内装材(トップシーリング、フロントピラートリム)を省略してカーテンエアバッグが蛇腹状に折畳み状態で配置された構造を、車室内側から目視した状態で示す側面図、図2は図1の車体構造に対して内装材(トップシーリング、フロントピラートリム)を取付けた状態で示す側面図、図3はカーテンエアバッグの配置構造を示す要部拡大側面図である。
また、上述のルーフサイドレール2の後端部には、閉断面構造で、かつ前高後低状に延びるリヤピラー3を一体的に連設している。
そして、上述のヒンジピラー4と、フロントピラー1と、ルーフサイドレール2と、センタピラー5と、図示しないサイドシルとで囲繞された空間をフロントドア用の車体開口8(前席乗員用のドア開口部)に形成し、上述のセンタピラー5と、ルーフサイドレール2と、クオータピラー6と、図示しないサイドシルとで囲繞された空間をリヤドア用の車体開口9(後席乗員用のドア開口部)に形成している。
また、フロントピラー1上端とルーフサイドレール2前端との左右一対の接合部相互間には、車幅方向に延びるフロントヘッダ11を設けて、このフロントヘッダ11とルーフパネル10との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面12を形成し、上部車体剛性の向上を図っている。
上述のフロントピラー1は、図2、図3で示すように、その車室内側からフロントピラートリム21で覆われており、このフロントピラートリム21はフロントピラー1に対してクリップ等の取付け部材を用いて配設固定されている。
なお、図3において、23はセンタピラー5の車室内側に配設されたセンタピラートリムである。
ここで、上述の非膨張部30bはカーテンエアバッグ30の展開時の向きを規制するものである。
上記複数のセルC1〜C6のうち、車両前端側の端側セルC1は、フロントピラートリム21で覆われており、この端側セルC1は展開時に上側部分が完全に閉塞され、下側部分のみが開放して、この開放部分が、インフレータ32からのガスを導く下側ガス流路40に連通している。
上述の中間セルC3,C4は接続部31に直結連通しており、これらの各中間セルC3,C4は上下方向に延びるガス流路を兼ねるものであって、中間セルC3,C4は上側部分および下側部分が共に開放形成されていて、下側の開放部分は上述の下側ガス流路40に連通している。
さらに、カーテンエアバッグ30のうち後席側に対応する部分としてのガス流路41、後部セルC5,C6はトップシーリング22で覆われており、後席側に対応する部分のバッグ部である2つの後部セルC5,C6は、図4に示すように、その上側部分および下側部分が共に開放されていて、各後部セルC5,C6の上側部分は上側ガス流路42に連通しており、下側部分は下側ガス流路43に連通している。
このシーミングウェルト27は、リップ部27aを有し、このリップ部27aを図5に示すトップシーリング22の車幅方向外端部から図6に示すフロントピラートリム21の車幅方向外端部にかけて連続して車室内側方向から当接するように形成している。
車両の衝突時(特に、側突時)または、その予知時には、インフレータ32が作動し、該インフレータ32が発生するガスが車両前後方向中間の接続部31からカーテンエアバッグ30内に流入するので、このカーテンエアバッグ30が膨張し、車室の側部に沿ってカーテンエアバッグ30が下方に向けて展開するので、前席乗員および後席乗員の頭部を保護することができる
この場合、カーテンエアバッグ30のうちフロントピラートリム21で覆われる部位のセル、つまり端側セルC1は、図4で示したように、その下側部分が開放して下側ガス流路40に連通しているので、比較的剛性の高いフロントピラートリム21を車室内側へ押し広げ変位させつつ、ルーフサイドレールインナ2Bと、フロントピラートリム21の車幅方向外端部との間の隙間からカーテンエアバッグ30が展開する際、上述の端側セルC1に対してその開放部側、つまり、下側からガスが入ることになり、折畳み状態のカーテンエアバッグ30の基部が不用意に膨張しないので、カーテンエアバッグ30を下方に向けて円滑に展開させることができ、フロントピラートリム21の破損や飛散を防止することができる。
上述の端側セルC1と同様に、トップシーリング22の前側部分で覆われた隣接セルC2に対しても、その開放部側としての下側からのみガスが入ることになる。
したがって、フロントピラートリム21を車幅方向の内側に変位させやすくなり、これにより、カーテンエアバッグ30のより一層円滑な展開ができて、フロントピラートリム21の破損、飛散をより一層防止することができる。
なお、上述の後部セルC5,C6に対して、インフレータ32からのガスは、接続部31、ガス流路41および上側ガス流路42を介して流入することになる。
この結果、カーテンエアバッグ30を下方に向けて円滑に展開させることができ、内装材の破損、飛散を防止することができる。
この結果、カーテンエアバッグ30を下方に向けて円滑に展開させることができ、フロントピラートリム21の破損、飛散を防止することができる。
このため、後方からガスが隣接セルC2、端側セルC1の順に入る際、フロントピラートリム21よりも後方に位置する隣接セルC2に対しても下側からガスが入って膨張展開するので、フロントピラートリム21を車幅方向の内側に変位させやすくなり、この結果、カーテンエアバッグ30のより一層円滑な展開ができ、フロントピラートリム21の破損、飛散をより一層防止することができる。
この発明の車体サイド部は、実施例のルーフサイド部としてのルーフサイドレール2、フロントピラー部としてのフロントピラー1に対応し、
以下同様に、
内装材は、トップシーリング22、フロントピラートリム21に対応し、
フロントピラートリムで覆われる部位のセルは、端側セルC1に対応し、
後席側に対応する部分のバッグ部は、後部セルC5,C6に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
なお、この発明は、カーテンエアバッグが上記実施形態のように蛇腹状に折畳み状態で配置されるものに限らず、ロール巻き状に畳まれたものにも適用することができ、同様の効果が期待できることは言うまでもない。
2…ルーフサイドレール(ルーフサイド部)
21…フロントピラートリム
22…トップシーリング
30…カーテンエアバッグ
31…接続部
32…インフレータ
40…下側ガス流路(ガス流路)
46…案内部材
C1…端側セル(セル)
C2…隣接セル
C3…中間セル
C5,C6…後部セル(バッグ部)
Claims (3)
- ルーフサイド部からフロントピラー部に沿ってその車室内側にカーテンエアバッグが畳み状態で配置され、
該カーテンエアバッグはインフレータに接続されると共に、少なくともルーフサイド部に配設されるトップシーリングと
フロントピラー部に配設されるフロントピラートリムとで覆われており、
車両の衝突時にインフレータが発生するガスで上記カーテンエアバッグを膨張させて、車室の側部に沿ってカーテンエアバッグを下方に向けて展開させる車両の乗員保護装置であって、
上記カーテンエアバッグのうちフロントピラートリムで覆われる部位のセルは、展開時の上側部分が閉塞され、下側部分が開放して上記インフレータからのガス流路に連通しており、
上記フロントピラートリムで覆われるカーテンエアバッグのセルが、車両前端側の端側セルであり、
該端側セルに隣り合うトップシーリング前側部分で覆われる隣接セルと、該隣接セルの後方に位置して上記トップシーリングで覆われると共に、上下方向に延びるガス流路を兼ねる中間セルとを設け、
上記端側セルと上記隣接セルとは、展開時の上側部分が閉塞され、下側部分が開放して上記インフレータからのガス流路に連通し、
上記トップシーリングの剛性は上記フロントピラートリムの剛性より低く、
上記カーテンエアバッグの展開時に、上記中間セルのガス流路と連通して上記隣接セルの下側から上記端側セルの下側に向けて上記インフレータからのガス流路が形成され、
上記中間セルと上記隣接セルとの間を区画する縫合部の下方のガス流路の上下幅が、
上記隣接セルと上記端側セルとの間を区画する縫合部の下方のガス流路の上下幅よりも幅狭に設けられると共に、上記隣接セルの下側の開放部分の前後幅が、上記隣接セルと上記端側セルとの間を区画する縫合部の下方のガス流路の上下幅よりも幅広に設けられた
車両の乗員保護装置。 - 上記カーテンエアバッグは前席空間と後席空間との車室の側部に沿って展開され、
上記カーテンエアバッグのインフレータへの接続部が前席空間と後席空間との間に位置し、
上記カーテンエアバッグの後席側に対応する部分はトップシーリングで覆われ、
該後席側に対応する部分のバッグ部は、展開時の少なくとも上側部分が開放されている
請求項1記載の車両の乗員保護装置。 - 上記カーテンエアバッグのうちフロントピラートリムとトップシーリングとの隣接部に対応して、畳み状態のカーテンエアバッグを包囲して車体側に固定すると共に、該カーテンエアバッグの展開を案内可能にする案内部材が、上記トップシーリングとフロントピラートリムとで覆われている
請求項1または2に記載の車両の乗員保護装置。
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