JP5640627B2 - 車両の回転体回転速度算出装置 - Google Patents

車両の回転体回転速度算出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5640627B2
JP5640627B2 JP2010228364A JP2010228364A JP5640627B2 JP 5640627 B2 JP5640627 B2 JP 5640627B2 JP 2010228364 A JP2010228364 A JP 2010228364A JP 2010228364 A JP2010228364 A JP 2010228364A JP 5640627 B2 JP5640627 B2 JP 5640627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
pulse
rotational speed
previous
interval
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010228364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012083154A (ja
Inventor
桑原 清二
清二 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010228364A priority Critical patent/JP5640627B2/ja
Publication of JP2012083154A publication Critical patent/JP2012083154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5640627B2 publication Critical patent/JP5640627B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、車両の回転体回転速度算出装置に係り、特に、低回転時の回転速度算出精度向上に関するものである。
自動変速機の入力軸や出力軸、プロペラシャフト等の回転体の回転速度を算出する手段として、回転体が特定の角度回転した際に発生するパルス(パルス入力、パルス割込)を回転速度センサが検出し、今回のパルスと前回のパルスとの間の時間間隔に基づいて回転速度を算出するものが知られている。ところで、例えば車両発進制御時や停止制御時の回転体の回転速度に基づいてF/B制御を実行する場合、回転体が低回転となるため、低回転時の精度良い回転体の回転速度が必要となる。しかしながら、低回転時においてはパルスが発生する時間間隔(パルス間隔)が長くなり、演算周期毎に精度良く回転速度を算出することが困難であった。これは、低回転時では、パルス間隔が長くなるに従い、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間においてパルスが検出されず、回転速度算出時の回転体の回転位置を特性することができないためである。
これに対して、特許文献1に記載の車速計算方法では、パルスが発生しない場合には、車速の変化率を算出し、その車速の変化率に基づいて今回の車速を算出する技術が開示されている。具体的には、図11に示すように、先ず、(N−2)回目のパルス発生時点t(N−2)と(N−1)回目のパルス発生時点t(N−1)との間のパルス間隔T(N−1)に基づく(N−1)回目のパルス発生時点t(N−1)での車速V(N−1)、および(N−1)回目のパルス発生時点t(N−1)と(N)回目のパルス発生時点t(N)との間のパルス間隔T(N)に基づく(N)回目のパルス発生時点t(N)での車速V(N)が算出される。次いで、求められた車速V(N−1)とV(N)との速度差ΔV(=V(N)−V(N−1))およびパルス間隔T(N)から、(N)回目のパルス発生時点での車速の変化率Vf(=ΔV/T(N))が算出され、車速Vが変化率Vfに基づいて直線的に変化すると仮定して車速Vが逐次算出される。
特開平4−370765号公報
ところで、特許文献1では、(N)回目のパルス発生時点t(N)から(N+1)回目のパルス発生時点t(N+1)まで間は、車速の変化率Vfが変化しないものと仮定して車速Vが算出されているが、その間に変化率Vfが変化すると、正確な車速が算出できない。具体的には、図11に示すように、例えばt0時点の車速V0を算出する場合、パルス発生時点であるt(N−1)時点の車速V(N−1)とt(N)時点の車速V(N)との変化率Vfに基づいてV0が算出されるが、変化率Vfが変化すると、算出した車速V0と破線で示す実際の車速との間に開きが発生する。すなわち、特許文献1においても、低車速時に精度良く車速を算出することが困難な場合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、低回転時において精度良く回転体の回転速度を算出することができる回転速度算出装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)回転体の所定の回転角毎に発生するパルスと前回発生したパルスとの間の時間間隔であるパルス間隔を逐次算出し、算出されたそのパルス間隔に基づいてその回転体の回転速度を算出する車両の回転速度算出装置であって、(b)前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の予め設定された演算周期内にパルスが発生しない場合は、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔が、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔に比べて大きいか否かに応じて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度の算出方法を異ならせるものであり、(c)前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも短い場合には、その前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔を、次回発生すると仮定するパルスに基づいて算出される予測パルス間隔に設定し、(d)前回のパルス発生時点の回転速度を、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて算出し、(e)次回発生すると仮定したパルス発生時点の回転速度を、前記予測パルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて算出し、(f)今回の回転速度算出時点の回転速度が、その前回のパルス発生時点の回転速度とその次回発生すると仮定したパルス発生時点の回転速度との間に存在するものとして、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間間隔に基づいて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が直線近似的に算出されることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両の回転体回転速度算出装置において、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生した場合、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴のみを用いて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が算出されることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の車両の回転体回転速度算出装置において、(a)前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも長い場合には、今回の回転速度算出時点においてパルスが発生したと仮定して算出される予測パルス間隔を設定し、(b)その予測パルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が算出されることを特徴とする。
また、請求項にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれか1の車両の回転体回転速度算出装置において、(a)前記過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて前記回転体の回転速度を算出する場合、予め設定されている複数個のパルスが発生した場合におけるその回転体の回転数を、その過去の複数個のパルス間隔の総和で除算することで算出することを特徴とする。
また、請求項にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1の車両の回転体回転速度算出装置において、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間が、予め設定されている所定時間を超える場合には、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度を零とすることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両の回転体回転速度算出装置によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生しない場合は、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔が、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔に比べて大きいか否かに応じて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度の算出方法を異ならせるものである。このようにすれば、パルスが発生しない場合であっても、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも大きいか否かに応じて最適な算出方法で回転体の回転速度が算出され、回転速度を精度良く算出することができる。また、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも短い場合における回転体の回転速度を、設定された予測パルス間隔に基づいて、精度良く算出することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両の回転体回転速度算出装置によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の演算周期内においてパルスが発生した場合、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴のみを用いて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が算出される。このようにすれば、前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間で発生したパルスに基づいて、回転体の回転速度を精度良く算出することができる。
また、請求項3にかかる発明の車両の回転体回転速度算出装置によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも長い場合における回転体の回転速度を、設定された予測パルス間隔に基づいて、精度良く算出することができる。
また、請求項にかかる発明の車両の回転体回転速度算出装置によれば、前記過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて前記回転体の回転速度を算出する場合、予め設定されている複数個のパルスが発生した場合におけるその回転体の回転数を、その過去の複数個のパルス間隔の総和で除算することで算出するため、過去の複数個のパルス間隔の履歴に基づいて回転体の回転速度が精度良く算出される。
また、請求項にかかる発明の車両の回転体回転速度算出装置によれば、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間が、予め設定されている所定時間を超える場合には、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度を零とするため、回転体の回転停止を所定時間に基づいて判断することができる。
本発明が適用される車両を構成する動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、出力歯車などの回転速度を検出(算出)するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 エンジンのクランクシャフト、変速機構部の入力軸や出力歯車、各車輪などの各回転部材の回転速度を検出する為の各センサの一例を説明する概略図である。 前回の回転速度算出と今回の回転速度算出との間にパルスが発生した場合のパルス間隔の和を示す図である。 前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点から現時点まで時間間隔が、前々回のパルス発生時点から前回のパルス発生時点までパルス間隔よりも長い場合の回転速度と時間の関係を示す図である。 前回の回転速度算出と今回の回転速度算出との間にパルスが発生しない場合のパルス間隔の和を示す図である。 前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点から現時点まで時間が、前々回のパルス発生時点時から前回のパルス発生時点までのパルス間隔よりも短い場合の回転速度と時間の関係を示す図である。 前回の回転速度算出と今回の回転速度算出との間にパルスが発生しない場合のパルス間隔の和を示す他の図である。 図1の電子制御装置による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち回転体の回転速度の検出に際して、低回転状態であっても精度良い回転速度を算出することができる為の制御作動を説明するフローチャートである。 図1電子制御装置の制御作動によって算出される回転速度の算出結果を示している。 従来の回転速度算出方法による回転速度と時間との関係を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用される車両10を構成するエンジン12から駆動輪14までの動力伝達経路の概略構成を説明する図であると共に、変速機構部16の出力歯車18などの回転速度を検出(算出)するために車両10に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図1において、変速機構部16は、例えば車両において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、走行用駆動力源としての内燃機関であるエンジン12の動力をカウンタギヤ対20の一方を構成する出力回転部材としての出力歯車18から、動力伝達装置としてのカウンタギヤ対20、ファイナルギヤ対22、差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)24、及び一対の車軸(ドライブシャフト(D/S))26等を順次介して一対の駆動輪14へ伝達する。これら変速機構部16、カウンタギヤ対20、ファイナルギヤ対22、差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)24等によりトランスアクスル(T/A)が構成される。
変速機構部16は、例えば複数組の遊星歯車装置の回転要素が係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式自動変速機、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で挟圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速機、或いはエンジン軸や出力軸などに動力伝達可能に電動機が備えられる所謂パラレル式のハイブリッド車両に搭載される自動変速機などを含んで構成される。
また、車両10には、例えば動力伝達経路中の各回転部材の回転速度を検出(算出)する為の車両用回転速度検出装置の一部を含む電子制御装置80が備えられている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御、変速機構部16の変速制御などを実行する。
電子制御装置80には、例えばエンジン回転速度センサ28からのエンジン12のクランクシャフトのクランク角度(位置)Acr及びエンジン回転速度Neに応じたエンジン回転速度信号、入力回転速度センサ30からの変速機構部16の入力回転速度Ninとしての入力軸の回転速度に応じた入力回転速度信号、出力回転速度センサ32からの変速機構部16の出力回転速度Noutとしての出力歯車18の回転速度に応じた出力回転速度信号、各車輪速センサ34からの各車輪(すなわち駆動輪14に従動輪を加えた各車輪)の回転速度Nwに応じた車輪速信号などが、それぞれ供給される。尚、エンジン12からの動力が公知のトルクコンバータ等を介して変速機構部16側へ伝達されるような車両10においては、上述した変速機構部16の入力回転速度Ninは例えばトルクコンバータのタービン回転速度Ntに対応するものである。また、上述した変速機構部16の出力回転速度Noutや各車輪の回転速度Nwは例えば車速Vに対応するものである。
また、電子制御装置80からは、例えばエンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号、変速機構部16の変速制御の為の変速制御指令信号等が、それぞれ出力される。例えば、電子制御装置80は、上記エンジン回転速度信号や変速制御指令信号等に基づいてエンジン出力制御指令信号を不図示のスロットルアクチュエータや燃料噴射装置やイグナイタなどへ出力してエンジン12の出力制御を実行する。また、電子制御装置80は、前記入力回転速度信号や出力回転速度信号等に基づいて変速制御指令信号を不図示の油圧制御回路などへ出力して変速機構部16のギヤ比の切換制御を実行する。
図2は、エンジン12のクランクシャフト、変速機構部16の入力軸、変速機構部16の出力歯車18、各車輪などの各回転部材50の回転速度Nを検出する為のエンジン回転速度センサ28、入力回転速度センサ30、出力回転速度センサ32、車輪速センサ34などの各回転センサとしてのセンサ60の一例を説明する概略図である。図2において、回転体70は、例えば回転部材50と同軸心Cにて一体的に固定されて回転部材50と共に回転する回転検出用ロータや回転検出用ドラムなどである。また、センサ60は、例えば回転体70の径方向外周部に円周方向に沿って並べられた複数の被検出体としての歯72と相対する位置に備えられており、回転部材50の回転速度Nを検出する為の車両用回転速度検出装置の一部を構成するものである。このセンサ60としては、例えば電磁ピックアップ式、ホール素子式、MRE(Magnetic Resistance Element:磁気抵抗素子)式などのセンサが採用される。
例えば電磁ピックアップ式センサの場合では、回転体70が回転することにより、センサ60が歯72と凹部74とに交互に相対して回転体70との間のエアギャップが変化するため、回転体70の回転速度に対応して周波数が変化する交流電圧がセンサ60から発生させられる。この交流電圧は、回転速度信号として電子制御装置80へ供給され、電子制御装置80にてこの供給された交流電圧が図2(b),(c)に示すような矩形波状のパルス信号Pへ変換される。また、例えばホール素子式やMRE式センサの場合では、ホール素子やMREを内蔵したセンサ回路(IC)から構成されており、回転体70が回転することにより、センサ回路(IC)にかかる磁界が変化するため、回転体70の回転速度に対応して周波数が変化する交流電圧が発生させられ、その交流電圧が図2(b),(c)に示すような矩形波状のパルス信号Pへ変換される。このパルス信号Pは、回転速度信号として電子制御装置80へ供給される。
図2(a)に示す回転体70では、例えば16個の略同じ形状且つ略等間隔の歯a〜歯pの歯72が打ち抜き加工等により形成され、結果的に各歯間に16個の被検出体としての凹部a〜凹部pの凹部74が形成されている。また、電子制御装置80は、図2(b),(c)に示すようなパルス信号Pにおいて、上記各歯a〜歯p及び凹部a〜凹部pに対応した各パルス信号Pa〜Ppのインターバル(パルスインターバル)としての各パルス間隔T[-i](以下、パルス間隔T[-i]という)を検出(算出)する。本実施例では、各パルス間隔T[-i]は、パルス信号Pの立ち上がりから次のパルス信号Pの立ち上がりまでの期間である。つまり、本実施例では、パルス間隔T[-i]は、各パルス信号Pの立ち上がりに対応する各パルス信号(以下、パルス信号SPUという)間の時間間隔(割込間隔:パルス割込間隔)である。また、図2(b)では、例えば各歯a〜歯pがセンサ60に略相対する位置にて各パルス信号Pa〜Ppがハイ(Hi)となり、各凹部a〜凹部pがセンサ60に略相対する位置にて各パルス信号Pa〜Ppがロー(Lo)となる。また、図2(c)では、例えば各歯a〜歯pがセンサ60に略相対したときに各パルス信号Pa〜Ppが一定期間だけオン(ON)となり、次に各歯a〜歯pがセンサ60に略相対するまで各パルス信号Pa〜Ppがオフ(OFF)となる。そして、電子制御装置80は、逐次算出されて記憶(蓄積)された各パルス間隔T[-i]を用いて回転体70の回転速度Nを算出する。このように、センサ60及び電子制御装置80においては、回転体70の回転に伴ってセンサ60が歯72と順次相対することに基づいたパルス信号Pa〜Pp(パルス信号SPU)を発生しすなわち略等間隔に形成された各歯72の各間隔毎に対応する回転体70の所定の回転角度毎にパルス信号SPUを発生し、各パルス信号SPUの各パルス間隔T[-i]に基づいて回転体70の回転速度Nを検出する。尚、パルス間隔T[-i]は、現時点からi回前の信号間隔を表すものであり、例えばi=0であれば最新のパルス間隔を、i=−1であれば1回前のパルス間隔を表している。すなわち、例えばパルス間隔T[0]は最新のパルス間隔を、パルス間隔T[−1]は1回前のパルス間隔を表している。なお、本発明の回転体回転速度算出装置は、センサ60、回転体70、歯72、凹部74、および電子制御装置80等を含んで構成される。
ここで、回転体70の回転に伴うパルス間隔T[-i]に基づいて回転速度Nを検出するに際して、例えば車両発進時や停止制御時など回転体70が低回転で回転しているような場合には、パルス間隔T[-i]が長くなり、精度良く回転速度を検出することが困難となる。回転体70の回転速度Nは、予め設定されている演算周期(例えば8msec程度)で逐次算出されるが、回転体70が低回転で回転すると、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルス信号SPUが発生しない場合がある。このような場合、次のパルス信号SPUが発生するまでは前回算出された回転速度Nを保持することとなり、実際の回転速度との乖離が大きくなる。したがって、例えば車両発進制御時や停止制御時の回転体70の回転速度Nに基づいてF/B制御を実行する場合、その制御精度が悪化してしまう。なお、パルス信号SPUの発生を、以下においてパルスの発生と記載する。
そこで、本実施例の電子制御装置80は、回転体70の回転速度Nの算出に際して、低回転時の回転速度Nの算出精度を向上させるため、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生した場合と発生しなかった場合とで算出方法と切り替える。
先ず、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間である予め設定されている演算周期内にパルスが発生した場合について説明する。このような場合、電子制御装置80は、逐次算出されて記憶(蓄積)されている過去のA個のパルス間隔T[-i]を用いて算出する。具体的には、下式(1)に基づいて算出される。式(1)において、KはA個のパルスが発生した場合における回転体70の回転数である。この回転数Kは、パルスの個数Aが設定されると、その個数Aに基づいて幾何的に求められるものであり、電子制御装置80のROMに記憶されている。具体的には、本実施例では、回転体70には16個の歯72および凹部74が形成されているに従い、パルスが16個発生すると回転体70が1回転することとなる。したがって、例えば個数Aが16に設定されると回転数Kが1(回転数)となる。また、T[-i](i=0,1,2,3・・・)は現時点からi回前の各パルス間隔である。なお、過去のA個の各パルス間隔T[-i]は、過去のパルス間隔の履歴として電子制御装置80のRAMに逐次記憶されて蓄積されている。
N=K/(T[-A+1]+T[-A+2]+・・+T[-1]+T[0])・・・(1)
式(1)の分母(T[-A+1]+T[-A+2]+・・+T[-1]+T[0])は、図3で示される。具体的には、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]を含む、それ以前における過去のA個のパルス間隔T[-i]の総和Ttotal1である。そして、回転数Kをその総和Ttotal1で除算することで、今回の回転速度算出時点での回転体70の回転速度Nが算出される。上記のように、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生した場合には、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]を含む、それ以前における過去の複数個(A)のパルス間隔の履歴のみを用いて、今回の回転速度算出時点での回転体70の回転速度Nが算出される。
次に、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生しない場合について説明する。このような場合、更に前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]に比べて大きいか否かに応じて回転体70の回転速度Nの算出方法を異ならせる。具体的には、上記各場合に応じて予測パルス間隔Tfを設定し、その予測パルス間隔Tfと今回の回転速度算出時点との相対的な関係に基づいて回転体70の回転速度Nを算出する。
まず、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも大きい場合について説明する。
前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも長い場合には、次回算出されるパルス間隔は、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも長くなる。このような場合、電子制御装置80は、今回の回転速度算出時点でパルスが発生したと仮定し、現時点(今回の回転速度算出時点)と前回のパルス発生時点との間の時間間隔Tcを予測パルス間隔Tcに設定する。そして、その予測パルス間隔Tcを含む、それ以前の過去の複数個(A)の各パルス間隔T[-i]の履歴を用いて現時点での回転体70の回転速度Nを算出する。
具体的には、図4に示すように、前回のパルス発生時点t(0)から現時点(今回の回転速度算出時点)までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点t(-1)と前回のパルス発生時点t(0)との間のパルス間隔T[0](=t(0)−t(-1))よりも長くなると、現時点においてパルス(予測パルス)が発生したと仮定して予測パルス間隔Tfが設定される。すなわち、予測パルス間隔Tfは、前回のパルス発生時点t(0)から現時点までの時間間隔Tcに設定される。そして、設定された予測パルス間隔Tf(=Tc)に基づいて、現時点における回転体70の回転速度Nが算出される。具体的には、下式(2)に基づいて回転速度Nが算出される。式(2)の分母(T[-A+2]+T[-A+3]+・・+T[-1]+T[0]+Tc)は、図5で示されるように、現時点においてパルスが発生したと仮定して設定された予測パルス間隔Tcを含むA個の各パルス間隔T[-i]の総和Ttotal2である。そして、回転数Kがその総和Ttotal2で除算されることによって回転速度Nが算出される。
N=K/(T[-A+2]+T[-A+3]+・・+T[-1]+T[0]+Tc)・・・(2)
次に、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点から現時点(今回の回転速度算出時点)までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点から前回のパルス発生時点までのパルス間隔T[0]よりも短い場合について説明する。このような場合、電子制御装置80は、次回のパルス(予測パルス)が、前回のパルス発生時点からパルス間隔T[0]後に発生すると仮定して予測パルス間隔Tfを設定する。すなわち、予測パルス間隔Tfが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]と同じ値に設定される。そして、その予測パルス間隔Tf(=T[0])に基づいて回転速度Nが算出される。
具体的には、図6に示すように、前回のパルス発生時点から現時点(今回の回転速度算出時点)までの時間間隔Tcが、次回発生すると仮定して算出される予測パルス間隔T[0]よりも短いため、回転速度Nが前回のパルス発生時に算出された回転速度N1と次回発生すると仮定したパルス発生(予測パルス)時に算出される回転速度N2との間に存在するものとして、時間間隔Tcに基づいて回転速度Nが直線近似的に算出される。
前回のパルス時の回転速度N1は、下式(3)から算出される。式(3)に示すように、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]を含む、それ以前の過去のA個の各パルス間隔T[-i]の履歴を用いて前回のパルス発生時の回転速度N1が算出される。具体的には、上述した式(1)と同様の算出方法によって回転速度N1が算出される。
N1=K(T[-A+1]+T[-A+2]+・・+T[-1]+T[0])・・・(3)
また、次回発生すると仮定したパルス発生(予測パルス)時の回転速度N2(予測回転速度N2)は、下式(4)で算出される。式(4)は、図7に示すように、次回のパルスが前回のパルス間隔T[0]と同じ間隔で発生するものと仮定し、それに基づいて設定される予測パルス間隔T[0]を含むそれ以前の過去のA個の各パルス間隔T[-i]の履歴を用いて回転速度N2が算出されることを示している。具体的には、回転数Kが予測パルス間隔T[0]を含むそれ以前の過去のA個の各パルス間隔T[-i]の総和Ttotal3で除算されることによって、回転速度Nが算出される。
N2=K/(T[-A+2]+T[-A+3]+・・+T[-1]+T[0]+T[0])・・・(4)
そして、回転速度Nは、下式(5)で算出される。式(5)は、図6からもわかるように、回転速度Nが前回パルス発生時点で算出される回転速度N1と次回パルス発生(予測パルス)時点で算出される回転速度N2とを結ぶ直線上に存在するものとし、時間間隔Tcに基づいて回転速度Nを直線近似することによって算出されることを示している。
N=N1+(N2−N1)×Tc/T[0]・・・(5)
電子制御装置80は、上記のように、前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間の演算周期内にパルス(パルス信号SPU)が発生したか否かに基づいて算出方法を変更し、さらに、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]が、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcに比べて大きいか否かに応じて回転体70の回転速度Nの算出方法を異ならせる。
図8は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図8において、パルス間隔算出部すなわちパルス間隔算出手段82は、例えば回転体70の回転に伴って発生させられるパルス信号SPU(パルス入力、パルス割込)を逐次検出し、検出されたパルス信号と前回検出されたパルス信号との間の時間間隔をパルス間隔T[-i]として逐次算出し、算出されたパルス間隔T[-i]をRAMに記憶(蓄積)する。このとき、最新のパルス間隔T[0]が算出される毎に、前回算出されたパルス間隔T[0]、T[-1]、T[-2]、・・・、T[-i]が、T[-1]、T[-2]、T[-3]、・・・T[-i-1]に順次書き替えられる。
パルス発生判断部すなわちパルス発生判断手段84は、パルス信号SPUが発生したか否か、すなわちパルスが発生したか否かを判断する。また、パルス発生判断手段84は、前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点の間の演算周期間において、パルス信号SPUが発生したか否かを判断する。
パルス間隔判断部すなわちパルス間隔判断手段86は、今回の回転速度算出時において新たなパルスが発生しない場合、前回のパルスが発生した時点から現時点(今回の回転速度算出時点)までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時から前回のパルス発生時までのパルス間隔T[0]と比べて長いか否かを判断する。
また、パルス間隔判断手段86は、前回のパルスが発生した時点から現時点までの時間間隔Tcが予め設定されている所定時間αを越えるか否かを判断する。さらに、パルス間隔判断手段86は、最新のパルス間隔T[0]が、前回のパルス間隔T[-1]と比較して、所定以上に長いか否かを判断する。例えば、パルス間隔判断手段86は、最新のパルス間隔T[0]が、前回のパルス間隔T[-1]の2倍を越えるか否かを判断する。
回転速度算出部すなわち回転速度算出手段88は、算出された各パルス間隔T[-i]や前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点までの演算周期間に新たなパルスが発生したか否か等に基づいて、回転速度Nを算出する。
回転速度算出手段88は、例えば前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点までの演算周期間にパルスが発生すると、上述した式(1)に基づいて現時点の回転速度Nを算出する。具体的には、回転速度算出手段88は、予め設定されているA個のパルスが発生したときの回転数Kを、前記発生した最新のパルスに基づいて算出される最新のパルス間隔T[0]を含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotal1で除算することで回転速度Nを算出する。
また、前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点までの間にパルスが発生せず、且つ、前回のパルス発生時点から現時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点から前回のパルス発生時点までのパルス間隔T[0]よりも長い場合、回転速度算出手段88は、上述した式(2)に基づいて現時点の回転速度Nを算出する。具体的には、回転速度算出手段88は、予め設定されている回転数Kを、前回のパルスが発生した時点から現時点での時間間隔Tcにおいて、パルスが発生したものと仮定して設定した予測パルス間隔Tcを含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotal2で除算することで回転速度Nを算出する。
また、前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点までの間にパルスが発生せず、且つ、前回のパルス発生時点から現時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点から前回のパルス発生時点までのパルス間隔T[0]よりも短い場合、回転速度算出手段88は、上述した式(3)〜式(5)に基づいて現時点の回転速度Nを算出する。回転速度算出手段88は、先ず、式(3)より前回のパルス発生時の回転速度N1を算出する。具体的には、回転速度算出手段88は、予め設定されている回転数Kを、前々回のパルス発生時点から前回のパルス発生時点までのパルス間隔T[0]を含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotalで除算することで、前回のパルス発生時の回転速度N1を算出する。次いで、回転速度算出手段88は、式(4)に基づいて前回パルス発生時からパルス間隔T[0]経過後にパルスが発生すると仮定し、その時点における回転速度N2(予測回転速度)を算出する。具体的には、回転速度算出手段88は、予め設定されている回転数Kを、前回パルス発生時から次回発生すると仮定して設定した予測パルス間隔T[0]を含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotal3で除算することで、次回のパルス発生時の回転速度N2を算出する。そして、回転速度算出手段88は、式(5)から式(3)、(4)によって算出された回転速度N1および回転速度N2に基づいて、前回パルス発生時から現時点までの時間間隔Tcにおける回転速度Nを算出する。なお、式(5)は、回転速度Nが回転速度N1と回転速度N2とを結ぶ直線上に存在するものとして、時間間隔Tcに基づいて直線近似されることで算出されることを示している。
また、回転速度算出手段88は、パルス間隔判断手段86に基づいて前回のパルスが発生した時点から現時点までの時間間隔Tcが、予め設定されている所定時間αを越えると判断されると、現時点の回転速度Nが零であると判断する。なお、所定時間αは、予め実験や計算に基づいて設定され、具体的には、回転体70の回転が停止したものと判断される値に設定される(例えば1sec程度)。また、回転速度算出手段88は、最新のパルス間隔T[0]が、前回のパルス間隔[-1]と比較して所定以上に長い場合にはパルス検出異常が発生、具体的には、パルス信号SPUが正常に検出されないパルス抜けが発生したものと判断して回転速度Nの算出を停止し、回転速度算出においてパルス抜けの影響がなくなるまで前回の回転速度Nを今回の回転速度Nとして維持させる。
図9は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち回転体70の回転速度Nの算出に際して、回転体70が低回転状態にあっても精度良い回転速度Nを算出することができる制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。なお、本フローチャートの実行中には、パルス信号SPUの検出が常時実施され、新たなパルス信号SPUが検出される毎に、最新のパルス信号SPUに対するパルス間隔T[0]が算出されると共に、前回までに算出されたパルス間隔T[0]、T[-1]、T[-2]、・・・、T[-i]が、T[-1]、T[-2]、T[-3]、・・・T[-i-1]に順次書き替えられる。すなわち、本フローチャート実行中には、パルス間隔算出手段82に対応するパルス間隔T[-i]の算出が常時実行されている。
図9において、先ず、パルス発生判断手段84に対応するステップSA1(以下、ステップを省略)において、パルス信号SPUが発生したか否か、すなわちパルスが発生したか否かが判断される。SA1が肯定される場合、回転速度算出手段88に対応するSA8において、上述した式(1)に基づいて現時点の回転速度Nが算出される。SA1が否定されると、パルス発生判断手段84に対応するSA2において、前回の回転速度算出時点から今回の回転速度算出時点の演算周期間に、パルス信号SPUが発生したか否か、すなわちパルスが発生したか否かが判断される。SA2が肯定される場合、回転速度算出手段88に対応するSA8において、上述した式(1)に基づいて現時点の回転速度Nが算出される。具体的には、予め設定されているA個のパルス信号SPUが発生したときの回転数Kを、前記発生した最新のパルス信号SPUに基づいて算出される最新のパルス間隔T[0]を含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotal1で除算することで回転速度Nが算出される。
SA2が否定される場合、パルス間隔判断手段86に対応するSA3において、前回のパルス発生時点から現時点までの時間間隔Tcが予め設定されている所定時間αを越えたか否かが判断される。SA3が肯定される場合、回転速度算出手段88に対応するSA4において、回転速度Nが零とされる。SA3が否定される場合、パルス間隔判断手段86に対応するSA5において、前回のパルスが発生した時点から現時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時から前回のパルス発生時までのパルス間隔T[0]と比べて大きいか否かが判断される。SA5が肯定される場合、すなわち前回のパルスが発生した時点から現時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時から前回のパルス発生時までのパルス間隔T[0]よりも長い場合、回転速度算出手段88に対応するSA7において、上述した式(2)に基づいて現時点の回転速度Nが算出される。具体的には、今回の回転速度算出時点においてパルスが発生したものと仮定され、予測パルス間隔Tfが時間間隔Tcに設定される。そして、予め設定されている回転数Kを、予測パルス間隔Tcを含むA個のパルス間隔T[-i]の和Ttotal2で除算することで回転速度Nが算出される。
一方、SA5が否定される場合、すなわち前回のパルスが発生した時点から現時点までの時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時から前回のパルス発生時までのパルス間隔T[0]よりも短い場合、回転速度算出手段88に対応するSA6において、式(3)〜式(5)に基づいて現時点の回転速度Nが算出される。具体的には、先ず、式(3)より前回のパルス発生時の回転速度N1が算出される。次いで、次回のパルス発生が前回のパルス発生時点からパルス間隔T[0]後に発生するものと仮定して、前回のパルスからパルス間隔T[0]経過後の回転速度N2が、式(4)に基づいて算出される。そして、現時点の回転速度Nが式(5)から式(3)、(4)で算出された回転速度N1および回転速度N2、および時間間隔Tcに基づいて算出される。
図10は、電子制御装置80の制御作動によって算出される回転速度Nの算出結果を示している。図10において、横軸が時間経過を示しており、縦軸が回転体70の回転速度Nを示している。また、実線が本実施例の回転速度Nを示し、破線が従来の回転速度Nを示している。図10に示すように、従来では、パルスが発生しない場合、破線で示すように、回転速度Nは前回パルス発生時の回転速度Nで保持される。これ対して、本実施例では、パルスが発生しなくとも、回転速度Nが実線で示すように連続的に変化する。したがって、回転体70が低回転で回転しても、そのときの回転速度Nが精度良く算出される。
上述のように、本実施例によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の演算周期間にパルスが発生しない場合は、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]が、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcに比べて大きいか否かに応じて、今回の回転速度算出時点での回転体70の回転速度Nの算出方法を異ならせるものである。このようにすれば、パルスが発生しない場合であっても、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも大きいか否かに応じて最適な算出方法で回転体70の回転速度Nが算出され、回転速度Nを精度良く算出することができる。
また、本実施例によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生した場合、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]を含む、それ以前の過去の複数個Aのパルス間隔T[-i]の履歴のみを用いて、今回の回転速度算出時点での回転体70の回転速度Nが算出される。このようにすれば、前回の回転速度算出時と今回の回転速度算出時との間で発生したパルスに基づいて、回転体70の回転速度Nを精度良く算出することができる。
また、本実施例によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも長い場合における回転体70の回転速度Nを、設定された予測パルス間隔Tcに基づいて、精度良く算出することができる。
また、本実施例によれば、前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔Tcが、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔T[0]よりも短い場合における回転体70の回転速度Nを、設定された予測パルス間隔T[0]に基づいて、精度良く算出することができる。
また、本実施例によれば、過去の複数個Aのパルス間隔T[-i]の履歴を用いて回転体70の回転速度Nを算出する場合、予め設定されている複数個Aのパルス間隔T[-i]に対応する回転体70の回転数Kを、過去の複数個Aのパルス間隔の総和Ttotalで除算することで算出するため、過去の複数個Aのパルス間隔T[-i]の履歴に基づいて回転体70の回転速度Nが精度良く算出される。
また、本実施例によれば、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間間隔Tcが、予め設定されている所定時間αを超える場合には、今回の回転速度算出時点での回転体70の回転速度Nを零とするため、回転体70の回転停止を所定時間αに基づいて判断することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例は、エンジン12のクランクシャフト、変速機構部16の入力軸、変速機構部16の出力歯車18、各車輪などの回転速度Nを検出する場合に適用されるとしたが、本発明は、上記回転部材に限定されず、例えばプロペラシャフトや変速機構部16の所定の回転部材など他の回転部材に適用しても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
70:回転体
80:電子制御装置
N:回転速度
K:回転数
T[-i]:パルス間隔
Tf:予測パルス間隔
α:所定時間

Claims (5)

  1. 回転体の所定の回転角毎に発生するパルスと前回発生したパルスとの間の時間間隔であるパルス間隔を逐次算出し、算出された該パルス間隔に基づいて該回転体の回転速度を算出する車両の回転体回転速度算出装置であって、
    前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の予め設定された演算周期内にパルスが発生しない場合は、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔が、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔に比べて大きいか否かに応じて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度の算出方法を異ならせるものであり、
    前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも短い場合には、該前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔を、次回発生すると仮定するパルスに基づいて算出される予測パルス間隔に設定し、
    前回のパルス発生時点の回転速度を、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて算出し、
    次回発生すると仮定したパルス発生時点の回転速度を、前記予測パルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて算出し、
    今回の回転速度算出時点の回転速度が、該前回のパルス発生時点の回転速度と該次回発生すると仮定したパルス発生時点の回転速度との間に存在するものとして、前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間間隔に基づいて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が直線近似的に算出される
    ことを特徴とする車両の回転体回転速度算出装置。
  2. 前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生した場合、前回のパルス発生時点と今回のパルス発生時点との間のパルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴のみを用いて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が算出されることを特徴とする請求項1の車両の回転体回転速度算出装置。
  3. 前回の回転速度算出時点と今回の回転速度算出時点との間の前記演算周期内にパルスが発生しない場合であって、且つ、前回のパルス発生時点と今回の回転速度算出時点との間の時間間隔が、前々回のパルス発生時点と前回のパルス発生時点との間のパルス間隔よりも長い場合には、今回の回転速度算出時点においてパルスが発生したと仮定して算出される予測パルス間隔を設定し、
    該予測パルス間隔を含む、それ以前の過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度が算出されることを特徴とする請求項1または2の車両の回転体回転速度算出装置。
  4. 前記過去の複数個のパルス間隔の履歴を用いて前記回転体の回転速度を算出する場合、予め設定されている複数個のパルスが発生した場合における該回転体の回転数を、該過去の複数個のパルス間隔の総和で除算することで算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の車両の回転体回転速度算出装置。
  5. 前回のパルス発生時点から今回の回転速度算出時点までの時間間隔が、予め設定されている所定時間を超える場合には、今回の回転速度算出時点での前記回転体の回転速度を零とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の車両の回転体回転速度算出装置。
JP2010228364A 2010-10-08 2010-10-08 車両の回転体回転速度算出装置 Expired - Fee Related JP5640627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010228364A JP5640627B2 (ja) 2010-10-08 2010-10-08 車両の回転体回転速度算出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010228364A JP5640627B2 (ja) 2010-10-08 2010-10-08 車両の回転体回転速度算出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012083154A JP2012083154A (ja) 2012-04-26
JP5640627B2 true JP5640627B2 (ja) 2014-12-17

Family

ID=46242183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010228364A Expired - Fee Related JP5640627B2 (ja) 2010-10-08 2010-10-08 車両の回転体回転速度算出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5640627B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6269031B2 (ja) * 2013-12-19 2018-01-31 株式会社Jvcケンウッド 速度演算装置、速度演算方法、及び速度演算プログラム
JP6110819B2 (ja) * 2014-07-11 2017-04-05 株式会社日立ビルシステム モータ速度検出装置
CN113533769B (zh) * 2021-06-30 2022-11-25 上海联影医疗科技股份有限公司 电机测速方法、装置、计算机设备和存储介质

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59214921A (ja) * 1983-05-20 1984-12-04 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd パルス周波数検出方式
JP2552126B2 (ja) * 1987-03-10 1996-11-06 富士通テン株式会社 車輪速度演算方法
JPH0715482B2 (ja) * 1988-04-15 1995-02-22 住友電気工業株式会社 回転速度の計測方法及び装置
JP2719817B2 (ja) * 1989-01-09 1998-02-25 シンポ工業株式会社 デジタル回転計
FR2671634B1 (fr) * 1991-01-16 1993-04-23 Faiveley Transport Procede pour evaluer une vitesse, notamment la vitesse angulaire d'une roue de vehicule, et dispositif de maitrise du glissement de roue.
JPH05180856A (ja) * 1991-12-27 1993-07-23 Nippon Seiki Co Ltd 車両用速度計
JP3511070B2 (ja) * 1995-04-25 2004-03-29 日本電産シンポ株式会社 速度演算装置
JP3433445B2 (ja) * 1997-08-27 2003-08-04 矢崎総業株式会社 車両速度表示方法及びその装置、並びに回転計
JPH1183884A (ja) * 1997-09-02 1999-03-26 Yaskawa Electric Corp サーボドライバの速度検出方法
JP2006234514A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転速度検出装置
JP2007183124A (ja) * 2006-01-05 2007-07-19 Yaskawa Electric Corp ハイブリッド型電気自動車の速度算出方法
JP4998342B2 (ja) * 2008-03-17 2012-08-15 株式会社アドヴィックス 車輪速度演算装置
JP2011007651A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Daihatsu Motor Co Ltd 回転数演算装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012083154A (ja) 2012-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5309174B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2002174330A (ja) 油圧機械式トランスミッションの油圧ユニットの出力速度を決定するための装置及び方法
JP5640627B2 (ja) 車両の回転体回転速度算出装置
US9920832B2 (en) Signal processing device for rotation sensor
CN105121918B (zh) 变速控制装置和控制变速控制装置的方法
KR20160043096A (ko) 무단 변속기의 제어 장치
JP5630030B2 (ja) 車両用回転速度検出装置
EP2489904A1 (en) Gear coupling device and gear coupling method
JP2011230521A (ja) 始動制御装置
KR20170015361A (ko) 무단 변속기 및 그 제어 방법
KR101294171B1 (ko) 하이브리드 차량의 진동 제어 방법
JP5569411B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
WO2015166879A1 (ja) 車両の制御装置
JP4106992B2 (ja) 回転速度推定装置
JP2016120751A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2021063541A (ja) 車両の制御装置
JP2010181330A (ja) エンコーダおよび車両
JP6751500B2 (ja) 車両
JP5333336B2 (ja) 車両用回転検出装置
JP6733527B2 (ja) 回転角度演算装置
JP7169252B2 (ja) 回転センサのパルス周期異常検出装置及び回転センサのパルス周期異常検出方法
JP6838470B2 (ja) 発電システム
CN107061620A (zh) 带有离心振子减振器的动力传动系统的控制装置
JP6101125B2 (ja) 自動変速機の潤滑流量制御装置及び潤滑流量制御方法
JP2011080846A (ja) 車両用回転速度検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141013

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5640627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees