JP5640494B2 - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池の製造方法に関し、より詳細には、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)を含む電極を備える燃料電池の製造方法に関する。
従来、例えば特許文献1には、成長用触媒を担持させた基材層を基板上に形成し、この成長用触媒を起点として基材層の面方向垂直にCNTを成長させ、更に、成長させたCNTに電極用触媒を担持させて燃料電池を製造する方法が開示されている。具体的には、成長用触媒を担持させた基材層を750℃程度に加熱し、炭素源ガスを供給することで成長用触媒を起点としてCNTを成長させる。次いで、スプレー、滴下等の湿式法、或いはスパッタリング等の乾式法を用いて、このCNTに電極用触媒を担持させる。次いで、このCNTを電解質膜に転写することで電解質膜の面方向垂直にCNTを配向させた接合体とし、最後に、この接合体から基材層を分離させることで燃料電池を製造している。
特開2007−257886号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、基材層が付いたままのCNTに電極用触媒を添加している。そのため、CNTに担持させる目的で添加した電極用触媒が、基材層表面または内部にも担持されることを回避できず、原料ロスの問題が生じてしまう。このような原料ロスを避けるためには、分離した基材層から電極用触媒を回収する作業が必要となり、そのための労力と時間が余分に付加されることになるので生産効率が低下してしまう。一方、電極用触媒の添加前に基材層を分離すれば、上記のような原料ロスは生じない。しかしながら、基材層はCNTの支持体であり、CNTを基板から剥離して取り扱うことは困難であるため、電極用触媒の添加前に基材層を分離することは現実的ではない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、添加した電極用触媒の原料ロスを低減可能な燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池の製造方法であって、
成長用触媒を担持させた基材層を基板上に形成する基材層形成工程と、
所定温度に加熱した前記基材層に炭素源ガスを供給することで、前記成長用触媒を起点として前記基材層の面方向垂直にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、
前記カーボンナノチューブ成長工程後に、前記基材層をその融点よりも高く前記基板の融点よりも低い温度で加熱する基材層アニール工程と、
前記基材層アニール工程後に、前記カーボンナノチューブに電極用触媒を担持させる電極用触媒担持工程と、
前記電極用触媒担持工程後に、前記基材層を除去する基材層除去工程と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記基材層は複数の細孔を有し、
前記基材層形成工程において、前記成長用触媒が前記複数の細孔に担持され、
前記基材層アニール工程において、前記複数の細孔が閉塞されることを特徴とする
第1の発明によれば、カーボンナノチューブ成長工程後に、基材層をその融点よりも高く前記基板の融点よりも低い温度で加熱してアニール処理することができる。これにより、基材層の表面粗さまたは空隙率を小さくできるので、基材層における電極用触媒の吸着表面積を小さくできる。従って、電極用触媒が基材層側に吸着するのを抑制できるので、電極用触媒の原料ロスを低減できる。また、基材層の支持体である基板が溶けて変形等することなく基材層をアニール処理できるので、電極用触媒添加後のCNTを良好に電解質膜に転写できる。
また、第2の発明によれば、基材層アニール工程において基材層の複数の細孔を閉塞できるので、電極用触媒担持工程においてカーボンナノチューブに電極用触媒を選択的に担持させて未利用の触媒量を低減できる。

本実施の形態により製造される燃料電池10の断面構成の模式図である。 図1のMEA18の断面構成の模式図である。 燃料電池10の製造方法の各工程を説明するための図である。 CNT成長直後に金属塩溶液を塗布した場合の問題点を説明するための図である。 CNT成長直後に金属塩溶液を塗布した場合の問題点を説明するための図である。 本実施の形態の(3)触媒担持工程を説明するための図である。
[燃料電池の構成]
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態により製造される燃料電池の構成を説明する。図1は、本実施の形態により製造される燃料電池10の断面構成の模式図である。
図1に示すように、燃料電池10は、高分子電解質膜12を備えている。高分子電解質膜12は、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂から構成される。高分子電解質膜12の両側には、これを挟むようにアノード電極14、カソード電極16が設けられている。アノード電極14、カソード電極16の詳細な構成については後述する。高分子電解質膜12と、これを挟む一対のアノード電極14、カソード電極16とにより、MEA(膜電極接合体)18が構成される。アノード電極14の外側には、ガスを流通させるためのガス流路が形成されたセパレータ20が設けられている。カソード電極16の外側には、同様にガス流路が形成されたセパレータ22が設けられている。本図においては、上記のように構成されたMEA18とその両側に配置された一対のセパレータ20,22を1組のみ示したが、実際の燃料電池は、MEA18がセパレータ20,22を介して複数積層されたスタック構造を有している。
次に、図2を参照して、MEA18の詳細な構成を説明する。図2は、図1のMEA18の断面構成の模式図である。図2に示すように、高分子電解質膜12の表面には、CNT24が複数設けられている。CNT24は、一本のCNTからなり、それぞれが高分子電解質膜12の面方向に対して実質上垂直に配向されることで一つの層を構成している。ここで、高分子電解質膜12の面方向に対して実質上垂直とは、高分子電解質膜12の面方向と、CNT24のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。これは、製造時の条件等によって、必ずしも90°とならない場合を含むものである。ただし、実質上垂直に配向されたCNT24には、チューブ長さ方向の形状が直線状のものと、直線状でないものの両方が含まれる。そのため、チューブ長さ方向の形状が直線状でないCNT24の場合には、CNT24の両端面の中心部を結ぶ直線の方向をもってチューブの長さ方向とする。
また、図2に示すように、CNT24の外表面には、触媒26が設けられている。触媒26には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金等の粒子が使用される。また、CNT24の外表面には、CNT24や触媒26を覆うようにアイオノマ28が設けられている。アイオノマ28は、高分子電解質膜12同様、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂から構成される。また、隣り合うアイオノマ28間には、空隙34が形成されている。空隙34が形成されていることで、電気化学反応に必要なガスの流路や、電気化学反応により生じた水の排水路として利用できる。
また、図2に示すように、高分子電解質膜12は、CNTの層を隔ててガス拡散層(以下、「GDL」ともいう。)30,32と対向している。GDL30,32は、例えば多孔質の基材から構成され、図1のセパレータ20,22側から供給されたガスをCNTの層に均一に拡散させることができる。GDL30,32は単層から形成されるが、例えばCNTの層に接する側に小孔径のGDL、その外側に大孔径のGDLを設けた二層構造であってもよい。また、GDL30,32は、CNTの層に接する側に撥水層が設けられていてもよい。
[燃料電池の製造方法]
次に、図3を参照して、上述した構成の燃料電池10の製造方法の各工程を説明する。燃料電池10は、(1)種触媒層形成工程、(2)CNT成長工程、(3)触媒担持工程、(4)アイオノマ塗布工程、(5)転写(MEA化)工程を経ることで製造できる。以下、これらの各工程について、詳細を説明する。
(1)種触媒層形成工程
本工程は、CNT基板上に、種触媒金属を担持させた種触媒層を形成する工程である(ステップ100〜104)。本工程では、先ず、CNT基板上に、種触媒層の基材となる金属等と、種触媒金属の前駆体となる金属塩溶液を混合したペーストを塗工する(ステップ100)。ここで、CNT基板としては、珪素基板、チタン基板やステンレス基板といった耐熱性の基板を用いることができる。CNT基板は、必要に応じて表面の洗浄を行うことができる。CNT基板の洗浄方法としては、例えば、真空中における加熱処理等が挙げられる。
CNT基板上に塗工するペーストは、種触媒層の基材となる多孔質金属等の分散液と、種触媒金属の前駆体となる金属塩溶液とをエタノール等のアルコール中で混合・分散させることで調製できる。ここで、種触媒層の基材となる金属等としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)といった多孔質の金属酸化物、シリカ(SiO)といった多孔質の半金属酸化物、或いは、鉄、ニッケル、銅、アルミニウムといった金属の多孔体を用いることができる。また、種触媒金属の前駆体となる金属塩溶液としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、モリブデン、パラジウムの金属塩溶液であり、これらは単独で用いてもよいし同時に用いてもよい。
ペーストの塗工方法は、特に限定されず、スプレー法、スクリーン印刷、ドクターブレード法、インクジェット法等の各種塗布方法を用いることができる。
本工程では、続いて、ペースト中の溶媒を乾燥除去する(ステップ102)。具体的には、種触媒層を80℃で24時間乾燥させる。これにより、種触媒層の表面に、数nm程度の酸化物状態の種触媒金属を担持させる。より好ましくは、種触媒層を80℃で1時間乾燥させた後に、超音波を用いて再度10分以上分散させ、その後、80℃で24時間乾燥させる。こうすることで、種触媒層の担持表面積を大きくできるので、種触媒金属を沢山担持できる。乾燥温度や乾燥時間は、溶媒の沸点や形成させる種触媒層の膜厚等に応じて適宜変更できる。
本工程では、続いて、還元剤ガス流通の下で種触媒層を加熱し、酸化物状態の種触媒金属を還元する(ステップ104)。具体的には、種触媒層を水素混合不活性ガス下で、800℃程度まで温度を上昇させる。上述したように、種触媒層は、多孔質の金属酸化物等から構成されているので表面積が大きくなっている。そのため、温度を上昇させた際に、種触媒金属がシンタリングして粗大化することなく高密度に担持させることができる。種触媒金属は、通常、1〜20nm程度の粒径を有していることが好ましい。このような粒径を有する種触媒金属を担持させるためには、種触媒層の膜厚は1〜10nm程度とすることが好ましい。
(2)CNT成長工程
本工程は、化学気相成長法(CVD法)を用いて、種触媒層の面方向に対して実質上垂直にCNT24を成長させる工程である(ステップ106)。ここで、種触媒層の面方向に対して実質上垂直とは、種触媒層の面方向と、CNTのチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。ただし、チューブ長さ方向の形状が直線状でないCNTの場合には、CNTの両端面の中心部を結ぶ直線と、種触媒層の面方向との角度をもってチューブの長さ方向とする。
本工程では、種触媒層を不活性雰囲気の空間内に配置し、CNTの成長に適した所定温度(通常、700℃程度)に加熱した状態で原料ガスを供給する。これにより、種触媒金属を核として、CNTが種触媒層の面方向に対し実質上垂直方向に形成される。供給する原料ガスとしては、例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、アルコール等の炭素源ガスを用いることができる。
原料ガスの流量、供給時間、総供給量等は特に限定されず、CNTのチューブ長さやチューブ径、アモルファス層の厚み等を考慮して、適宜決定できる。例えば、供給する原料ガスの濃度[原料ガス流量/(原料ガス流量+不活性ガス流量)]によって、アモルファス層の厚みや成長するCNTの長さを設計できる。即ち、供給する原料ガスの濃度が高いほどアモルファス層を厚く、CNTを長く設計できる。
尚、本工程は、種触媒金属と原料ガスを高温条件下で共存させることによってCNTを成長させるCVD法(化学気相成長法)を用いたものであるが、CNTを生成する方法はCVD法に限定されず、例えば、アーク放電法やレーザー蒸着法などの気相成長法、或いはその他の公知の合成法を利用して成長させてもよい。
(3)触媒担持工程
本工程は、成長させたCNTに触媒を担持させる工程である(ステップ108〜110)。触媒の担持方法は、触媒金属塩を含む溶液をCNT表面に塗布した後、水素雰囲気中で200℃以上に加熱して還元する方法が挙げられる。金属塩としては、図2の触媒26として例示した金属のハロゲン物、金属酸ハロゲン物、金属の無機酸塩、金属の有機酸塩、金属錯塩等が挙げられる。これら金属塩を含む溶液は、水溶液でも有機溶媒溶液でもよい。金属塩溶液のCNT表面への塗布は、例えば、金属塩溶液中にCNTを浸漬する方法、CNTの表面に金属塩溶液を滴下する方法や、CNTの表面に噴霧(スプレー)する方法が挙げられる。
金属塩溶液は、例えば、触媒に白金を用いる場合、エタノールやイソプロパノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液(例えば、ジニトロジアミン白金硝酸溶液など)等を適量溶解させた白金塩溶液を用いることができる。CNT表面に白金を均一に担持できるという点から、特に、アルコール中にジニトロジアミン白金硝酸溶液を溶解させた白金塩溶液を用いることが好ましい。
ところで、上記(2)CNT成長工程の直後に金属塩溶液を塗布すると、次のような問題が生じる。この問題について、図4、5を用いて詳細に説明する。図4に示すように、CNT24を種触媒層上に形成させた直後に金属塩溶液を塗布すると、触媒がCNT24の表面に担持されるだけでなく(触媒26a)、種触媒層中にも担持される(触媒26b)。上述したように、種触媒層の基材は多孔質金属等で構成されているからである。
ここで、種触媒層は最終的に除去するものであるので、触媒26bが存在する場合、原料ロスの要因となってしまう。具体的には、図5の(5−1)に示すように、電解質膜に転写後、種触媒層を剥離除去する場合には、種触媒層中の触媒や、種触媒層中に残留するCNTに担持された触媒が利用されないことになる。一方、図5の(5−2)に示すように、種触媒層を溶解除去するような場合には、CNTと種触媒金属との接点から分離できるのでCNTに担持された触媒が未利用になることはない。しかしながら、種触媒層中の触媒は、依然として利用されないままとなってしまう。
そこで、本工程では、先ず、種触媒層をその基材である多孔質金属等の融点以上の高温で加熱して、種触媒層の細孔を閉塞させる(ステップ108)。そして、加熱後に、CNTの表面に上記金属塩溶液を塗布等して触媒を担持させる(ステップ110)。図6は、本工程を詳細に説明するための図である。図6に示すように、金属塩溶液を塗布する前に、種触媒層を融点以上の温度でアニールすれば、種触媒層の細孔を閉塞させることや、種触媒層の表面粗さを小さくできる。この状態で金属塩溶液を塗布すれば、触媒をCNT表面へ選択的に担持させることができるので、未利用の触媒量を低減できる。
本工程においては、CNT基板の融点よりも低い温度で加熱することが好ましい。CNT基板の融点よりも低い温度で加熱することで、CNT基板が溶けて変形等することなく種触媒層の細孔を閉塞できるので好ましい。下表1は、CNT基板の融点>種触媒層の融点の条件を満たすCNT基板材と種触媒層基材との組み合わせを示したものである。下表1に示すようなCNT基板材や種触媒層基材を選択し、CNT基板の融点>アニール温度>種触媒層の融点となるようにアニール温度を設定すれば、アニール時にCNT基板が溶けて変形等することなく種触媒層の細孔を閉塞できる。
Figure 0005640494
なお、例えば特開平6−127974号公報に記載されているように、シリカにホウ素を加えたシリカ系セラミックは、シリカの融点よりも低い温度(1350℃)で溶ける。このことから分かるように、種触媒層基材となる多孔質金属等に添加物を加えることで、その融点を変更できる。そのため、例えばシリカにホウ素を加えたシリカ系セラミックを種触媒層基材とした場合には、CNT基板材にチタンやステンレスを用いることもできる。従って、表1の組み合わせは一例であり、CNT基板の融点>種触媒層の融点の条件を満たす限りにおいて、CNT基板材と種触媒層基材は様々な組み合わせが可能である。
(4)アイオノマ塗布工程
本工程は、触媒を担持させたCNTの表面にアイオノマを塗布する工程である(ステップ112)。アイオノマは、(i)アイオノマ溶液にCNTを浸漬した後、減圧脱気することでアイオノマ溶液を均一に含浸させ、(ii)その後、真空乾燥して溶媒を除去することにより行われる。(i),(ii)を繰り返し実施することで、CNTに所望量のアイオノマを担持させることができる。所望量のアイオノマを担持させることで、隣り合うCNT間に空間を形成できる。
アイオノマは、上記方法に限定されず、アイオノマを分散又は溶解した溶液をスプレー、ダイコーター、ディスペンサー、スクリーン印刷等によりCNT表面に塗布し乾燥させる方法により塗布してもよい。また、アイオノマは、上記のように重合体の状態で塗布する等してCNT表面に担持させるほか、例えば、アイオノマの前駆体と必要に応じて各種重合開始剤等の添加物とを含む重合組成物を、CNTの表面に塗布し、必要に応じて乾燥させた後に、紫外線などの放射線の照射又は加熱により重合させることでCNT表面に担持させてもよい。
(5)転写工程
本工程は、アイオノマが塗布されたCNTを高分子電解質膜の両面に転写する工程である(ステップ114〜118)。本工程では、先ず、電解質膜とCNTの成長端とを対向させ、CNTに高分子電解質膜を軟化点温度以上の温度で密着させて接合させる(ステップ114)。これにより、CNT基板−CNT層−電解質膜接合体が作製できる。密着させる高分子電解質膜は、用いる膜の軟化点温度以上に加熱するが、膜劣化やプロトン伝導性の低下が生じないよう過度な温度では加熱しない。例えば、高分子電解質膜にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を用いた場合には、100℃〜160℃に加熱して密着させる。接合に際しては、CNTに高分子電解質膜が良好に密着するように、最低限の圧力を印加してもよい。
続いて、CNT基板−CNT層−電解質膜接合体を酸またはアルカリ溶液中に浸す(ステップ116)。これにより、CNT基板上に形成された種触媒層または種触媒金属を溶解除去する。或いは、種触媒層を種触媒金属と共に溶解除去する。これにより、種触媒層及び/又は種触媒金属と、CNTとの接点を除去してCNT基板とCNT層−電解質膜接合体とを分離する。特に、種触媒層は、全ての層を溶解させなくてもよい。即ち、CNTとの接点が形成された最表面のみを溶解除去できれば、CNT基板とCNT層−電解質膜接合体とを分離できる。
本工程で用いる酸またはアルカリ溶液は、種触媒層の基材に応じて適当なものを選択すればよい。また、溶解除去を短時間で行うために、溶液濃度は適宜変更が可能である。また、浸漬方法(超音波の印加、撹拌、加熱)を適宜変更することにより、溶解を促進させることが好ましい。
ステップ116でアルカリ溶液を用いた場合には、CNT層−電解質膜接合体を酸溶液中に浸す(ステップ118)。これにより、ステップ116で用いたアルカリ成分を中和して除去する。酸溶液は、ステップ116で用いたアルカリに応じて最適なものを選択すればよい。以上の工程により、高分子電解質膜の面方向に対して実質上垂直にCNTが配向したMEAを作成できる。このMEAを、上述したGDL、セパレータで挟持することにより燃料電池が製造できる。
以上、本実施の形態の燃料電池の製造方法によれば、種触媒層の基材となる多孔質金属等の融点以上の高温で加熱し、その後にCNTの表面に触媒を担持させることができる。これにより、種触媒層の細孔を閉塞させることや、種触媒層の表面粗さを小さくできるので、触媒が種触媒層側に吸着するのを抑制できる。
尚、上述した実施の形態においては、CNT基板が上記第1の発明における「基板」に、種触媒層が上記第1の発明における「基材層」に、種触媒金属が上記第1の発明における「成長用触媒」に、触媒26が上記第1の発明における「電極用触媒」に、それぞれ相当している。
尚、本実施の形態においては、種触媒層の基材として多孔質金属等を用いたが、金属単体を用いてもよい。金属単体としては、鉄、銅、ニッケル、クロム、アルミニウム、亜鉛が挙げられる。種触媒層の基材に金属単体を用いた場合であっても、金属塩溶液を塗布する前に、種触媒層を融点以上の温度でアニールすれば、種触媒層の表面粗さを小さくできる。従って、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、CNT基板−CNT層−電解質膜接合体を酸またはアルカリ溶液中に浸すことで、CNT基板とCNT層−電解質膜接合体とを分離したが、これらを単純に剥離除去することで分離してもよい。
10 燃料電池
12 高分子電解質膜
14 アノード電極
16 カソード電極
18 MEA
20,22 セパレータ
24 CNT
26,26a,26b 触媒
28 アイオノマ
30,32 GDL
34 空隙

Claims (2)

  1. 成長用触媒を担持させた基材層を基板上に形成する基材層形成工程と、
    所定温度に加熱した前記基材層に炭素源ガスを供給することで、前記成長用触媒を起点として前記基材層の面方向垂直にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、
    前記カーボンナノチューブ成長工程後に、前記基材層をその融点よりも高く前記基板の融点よりも低い温度で加熱する基材層アニール工程と、
    前記基材層アニール工程後に、前記カーボンナノチューブに電極用触媒を担持させる電極用触媒担持工程と、
    前記電極用触媒担持工程後に、前記基材層を除去する基材層除去工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 前記基材層は複数の細孔を有し、
    前記基材層形成工程において、前記成長用触媒が前記複数の細孔に担持され、
    前記基材層アニール工程において、前記複数の細孔が閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
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