JP2011222444A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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雅弘 今西
Seiji Sano
誠治 佐野
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禎宏 篠崎
Shigeki Hasegawa
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Abstract

【課題】本発明は、膜電極接合体の製造方法に関し、CNTに担持させる触媒の収率を向上させた膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】膜電極接合体10は、(i)CNT作製工程、(ii)転写用基材転写工程、(iii)触媒担持工程、(iv)アイオノマー分散液滴下工程、(v)乾燥工程、(vi)熱転写工程を経ることで製造できる。(i)CNT作製工程を経ることで、所望のサイズのCNT14を成長させることができる。しかしながら、実際にCNTを作製すると、同時に成長不良の短いCNTができてしまう。そこで、CNTに触媒を担持させる前に本工程を行う。従って、成長不良の短いCNTを取り除いた上で、(iii)触媒担持工程において触媒を担持させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

この発明は、膜電極接合体の製造方法に関し、より詳細には、カーボンナノチューブにより電極層が構成された膜電極接合体の製造方法に関する。
従来、例えば特許文献1には、基材の面方向垂直にカーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)を成長させ、基材上のCNTに触媒を担持させた後に、CNTを電解質膜に熱転写する膜電極接合体の製造方法が開示されている。CNTは、隣接するCNT間に面直方向に連通した空間を有する。従って、上記方法によれば、CNTを電解質膜の面方向垂直に形成できるので、その連通空間を反応ガス流路として活用できる膜電極接合体が得られる。
特開2007−257886号公報 特開2005−203332号公報 特開2005−004967号公報
ところで、CNTに担持させる触媒は、一般に高価な貴金属が用いられる。そのため、触媒に用いる貴金属の量を減らすことができれば、膜電極接合体のコストを低減でき、更には、燃料電池として搭載した場合の車両コストを低減できる。
貴金属量を減らした場合、貴金属は確実にCNTに担持させることが費用対効果の面から望ましい。しかしながら、CNTを基材上で成長させる際には、成長不良の短いCNTができる場合がある。成長不良の短いCNTができると、電解質膜に転写できずに基材上に残留してしまう。従って、担持させるべき触媒の収率が低くなり、残留した触媒が無駄になる場合も少なくない。また、担持工程を繰り返す等の措置が必要となり、却ってコストが増大する可能性があった。この点、上記特許文献1の方法においても例外ではなく、依然として改良の余地があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、CNTに担持させる触媒の収率を向上させた膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、膜電極接合体の製造方法であって、
第1の基材の面方向垂直にカーボンナノチューブを成長させる成長工程と、
前記成長工程後、前記第1の基材と第2の基材とを対向させて、前記第1の基材上から前記第2の基材上にカーボンナノチューブを転写し、前記第1の基材を除去する基材転写工程と、
前記基材転写工程後、カーボンナノチューブに触媒を担持させる触媒担持工程と、
前記触媒担持工程後、前記第2の基材と電解質膜とを対向させて、前記第2の基材上から前記電解質膜上にカーボンナノチューブを転写し、前記第2の基材を除去する電解質膜転写工程と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第2の基材は水溶性高分子から構成され、
前記電解質膜転写工程において、水を用いて溶解除去されることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、
前記第2の基材は金属から構成され、
前記電解質膜転写工程において、酸溶液を用いて溶解除去されることを特徴とする。
第1の発明によれば、第1の基材で成長させたCNTを、第1の基材上から第2の基材上に転写させ、その後にCNTに触媒を担持させることができる。成長不良の短いCNTは、第1の基材上から第2の基材上への転写時に、第1の基材上に残留する。そのため、転写後の工程において、第2の基材上に転写させた成長の良好なCNTにのみ触媒を担持させることができる。即ち、触媒を無駄なくCNTに担持させることができる。従って、CNTに担持させる触媒の収率を向上させることができる。
CNTと電解質膜を接合後、第2の基材を単純に剥離しようとすると、構造の脆い一部のCNTが転写途中で断裂してしまう場合がある。この点、第2、第3の発明によれば、第2の基材をそれぞれ水、酸溶液で溶解除去できる。従って、剥離時の断裂を防止して、触媒の担持されたCNTを電解質膜側に残留させることができる。
本実施の形態で製造される膜電極接合体の断面模式図である。 本実施の形態の膜電極接合体の製造方法の各工程を説明する図である。 (i)CNT作製工程後における成長用基材26近傍の拡大写真である。 図3のCNTの転写後における成長用基材26近傍の拡大写真である。
[膜電極接合体の構造]
以下、図1乃至図4を参照して、実施形態に係る膜電極接合体の製造方法について説明する。先ず、図1を参照して、本実施形態で製造される膜電極接合体10の構造について簡単に説明する。図1は、本実施形態で製造される膜電極接合体10の断面模式図である。図1に示すように、膜電極接合体10は、電解質膜12を備えている。また、電解質膜12上には、内部に筒状の中空空間を備えるCNT14が複数設けられている。CNT14は、1本のCNTから構成されている。CNT14の筒状中空空間は、電解質膜12の面方向に対して実質上垂直に配向(形成)されている。
ここで、電解質膜12の面方向に対して実質上垂直とは、電解質膜12の面方向と、CNT14のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。これは、製造時の条件等によって、必ずしも90°とならない場合を含むものであるが、90°±10°の範囲であれば90°の場合と同様の効果(詳細は後述)が得られる。ただし、実質上垂直に配向されたCNT14には、チューブ長さ方向の形状が直線状のものと、直線状でないものの両方が含まれる。そのため、チューブ長さ方向の形状が直線状でないCNT14の場合には、CNT14の両端面の中心部を結ぶ直線の方向をもってチューブの長さ方向とする。
また、図1に示すように、CNT14の外表面には、触媒粒子16が設けられている。また、CNT14の外表面には、CNT14及び触媒粒子16を覆うようにアイオノマー18が設けられている。CNT14、触媒粒子16、アイオノマー18から電極20が形成される。電極20の外側には、電極20の一端に隣接して、多孔質の基材から構成されるガス拡散層24が配置される。なお、電極20やガス拡散層24は、図に示す電解質膜12の他面側にも設けられるが、同様の構造であるため、本図においては一面だけを図示し、他面については省略している。
また、図1に示すように、隣り合うアイオノマー18間には、空隙22が形成されている。空隙22が形成されることで、外部から供給された反応ガスを電解質膜12の近傍までガス状態のまま到達させることができる。外部から供給された反応ガスは、アイオノマー18に溶解し、アイオノマー18中を拡散しながら触媒粒子16の近傍に到達すると考えられている。通常の膜電極接合体においては、空隙は形成されないので、反応ガスの溶解、拡散は、ガス拡散層と電極との接面付近から始まる。接面付近から始まるため、電解質膜に近い触媒粒子に反応ガスが到達するのにはある程度の時間が必要となる。一方、膜電極接合体10は、空隙22を流路として利用できるので、より電解質膜12に近い触媒粒子16付近まで短時間で反応ガスを到達させることができる。また、空隙22は、電気化学反応により生じた水の排水路としても活用できる。従って、膜電極接合体10を燃料電池に用いれば、電解質膜12近傍の触媒粒子16をも有効に利用できる。更に、このことは、触媒使用量を減らせることにも繋がるので、燃料電池の低コスト化を図ることも可能となる。
[膜電極接合体の製造方法]
次に、図2を参照して、上述した構造を備える膜電極接合体10の製造方法の各工程を説明する。膜電極接合体10は、(i)CNT作製工程、(ii)転写用基材転写工程、(iii)触媒担持工程、(iv)アイオノマー分散液滴下工程、(v)乾燥工程、(vi)熱転写工程を経ることで製造できる。以下、これらの各工程について、詳細を説明する。
(i)CNT作製工程
本工程は、化学気相成長法(CVD法)を用いて、成長用基材26の面方向に対して実質上垂直にCNT14を配向させる工程である。ここで、成長用基材26の面方向に対して実質上垂直とは、上述したように、成長用基材26の面方向と、CNT14のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。
本工程では、先ず、成長用基材26の表面に種触媒28を分散担持させる。ここで、成長用基材26としては、シリコン基板やガラス基板、石英基板等を用いることができる。成長用基材26は、必要に応じて表面を洗浄してもよい。成長用基材26の洗浄方法としては、例えば、真空中における加熱処理等が挙げられる。また、成長用基材26は、ゼオライトやシリカ、ジルコニア、チタニアといった多孔質セラミック層から構成されていてもよい。更に、成長用基材26は、シリコン基板等の上に、これら多孔質セラミック層が形成された複数層の基板であってもよい。
成長用基材26の表面に分散担持される種触媒28は、CNT14が成長する際の核となるものである。種触媒28は、金属又は合金の微粒子で構成される。種触媒28としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、モリブデン、パラジウム又はこれらの合金が挙げられる。
種触媒28の具体的な担持方法としては、次の方法が挙げられる。先ず、種触媒の金属又はこれらの錯体を含む溶液を塗布、電子ビーム蒸着法等によって、成長用基材26の表面に薄膜を形成させる。次に、不活性雰囲気下又は減圧下、成長用基材26を200℃程度で加熱する。これにより、上記の薄膜に含まれる金属を微粒子化させ、分散状態で担持させることができる。種触媒28は、通常、1〜20nm程度の粒径を有している。このような粒径を有する種触媒28とするためには、上記薄膜の膜厚は、1〜10nm程度とすることが好ましい。
次に、上記種触媒28を基点として、成長用基材26の表面上にCNT14を成長させる。成長方法としては、具体的に、成長用基材26を、CNTの成長に適した所定温度(通常、800℃程度)、不活性雰囲気の空間内に配置した状態で、種触媒28に原料ガスを供給する。これにより、CNT14が種触媒28を起点として成長する。CNT14は、互いに交差することなく成長する。従って、CNT14を成長用基材26の面方向に対し実質上垂直に配向できる。本工程で好ましく使用できる原料ガスとしては、例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、アルコール等の炭素源ガスが挙げられる。
供給する原料ガスの流量、供給時間、総供給量等は特に限定されず、CNT14のチューブ長さやチューブ径等を考慮して、適宜決定できる。例えば、供給する原料ガスの濃度[原料ガス流量/(原料ガス流量+不活性ガス流量)]によって、CNT14の長さを設計できる。即ち、供給する原料ガスの濃度が高いほどCNT14を長く設計できる。
(ii)転写用基材転写工程
本工程は、成長用基材26を転写用基材30に対向させて、成長用基材26の面方向に対して実質上垂直に配向させたCNT14を転写用基材30に転写させる工程である。
(i)CNT作製工程を経ることで、所望のサイズのCNT14を成長させることができる。しかしながら、実際にCNTを作製すると、同時に成長不良の短いCNTができてしまう。図3は、(i)CNT作製工程後における成長用基材26近傍の拡大写真である。図3の上下方向に延びる無数の柱状物質はCNTである。これらCNTは、各CNT間に空隙を形成しながら配向されている。また、図3の下部付近には、柱状物質とは異なる塊状物質が形成される。この塊状物質は成長不良の短いCNTであり、上記空隙を塞ぐように堆積している。この様に、実際のCNTの作製では、成長不良の短いCNTができることが分かる。
また、図4は、図3のCNTの転写後における成長用基材26近傍の拡大写真である。図4に示すように、Si基板上には、図3の塊状物質がそのままの状態で残留している。このことから、成長不良の短いCNTは、転写されずに残留することが分かる。この理由は、短いCNTは転写側と接触することができないためである。残留したCNTに触媒が担持されていた場合、当然ながら触媒も転写されずに残留することになる。これは即ち、担持させる触媒の収率の低下を意味する。触媒の収率が低下した場合、触媒機能の低下に直結し、燃料電池の発電特性等に影響を及ぼす可能性が高い。
そこで、本実施の形態においては、CNTに触媒を担持させる前に本工程を行う。そのため、成長不良の短いCNTを取り除いた上で、触媒を担持させることが可能となる。換言すれば、良好に成長したCNTにのみ触媒を担持させることが可能となる。従って、本実施の形態によれば、上述した収率の低下を抑制できる。
再び図2に戻り本工程の詳細を説明する。本工程は、具体的に、CNT14の成長端側が転写用基材30とするように対向させて熱圧着し、その後に成長用基材26を剥離することにより行われる。より具体的に、本実施の形態では、転写用基材30としてポリビニルアルコール(PVA)のフィルムを使用し、120℃〜150℃で熱圧着する。その後、成長用基材26を剥離することで、転写用基材30の面方向に対して実質上垂直にCNT14を形成できる。ここで、転写用基材30の面方向に対して実質上垂直とは、転写用基材30の面方向と、CNT14のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。
(iii)触媒担持工程
本工程は、CNT14の表面に、触媒粒子16となる金属を担持させる工程である。担持させる金属としては、燃料電池の電極触媒として機能することが可能な金属であれば特に限定されない。このような金属としては、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等が挙げられる。これらの金属は、単独で用いてもよいし、2種類以上を同時に用いてもよい。
例えば、触媒粒子16に白金を用いる場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒に塩化白金酸や白金硝酸溶液(例えば、ジニトロジアミン白金硝酸溶液など)等を適量溶解させた白金塩溶液を用いることができる。その後、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等の還元剤を添加し、白金塩を液相還元し、最後に溶媒を除去することでCNT14の表面に白金粒子からなる触媒粒子16を担持できる。
(iv)アイオノマー分散液滴下工程
本工程は、触媒粒子16を担持させたCNT14の表面に、アイオノマー18の分散溶液を滴下する工程である。アイオノマー18は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のPVA非溶解性の有機溶剤に分散ないし溶解させた状態で滴下される。本工程を経ることで、CNT14及び触媒粒子16を、アイオノマー18の溶液で被覆できる。
滴下するアイオノマー18としては、炭化水素系の高分子電解質が用いられる。炭化水素系の高分子電解質としては、(a)主鎖が脂肪族炭化水素からなる炭化水素系高分子、(b)主鎖が脂肪族炭化水素からなり、主鎖の一部又は全部の水素原子がフッ素原子で置換された高分子や、(c)主鎖が芳香環を有する高分子等が挙げられる。また、高分子電解質としては、酸性基を有する高分子電解質、塩基性基を有する高分子電解質のいずれも用いることができる。このうち、酸性基を有する高分子電解質を用いると、発電性能に優れた燃料電池が得られる傾向にあるため好ましい。酸性基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられる。このうち、スルホン酸基又はホスホン酸基が好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。
(v)乾燥工程
本工程は、アイオノマー18の溶液で被覆したCNT14及び触媒粒子16を真空乾燥する工程である。本工程を経ることで、溶液中の溶剤を除去できるので、CNT14の表面に担持された触媒粒子16と、CNT14とをアイオノマー18で被覆した電極20を得ることができる。本工程と、上記(vi)の工程とを繰り返し実施することで、CNT14の表面に所望の厚さのアイオノマー18の層を形成できる。また、同時に、隣り合うCNT14の間に、所望の幅の空隙22を形成できる。
(vi)熱転写工程
本工程は、プレス機を用い、転写用基材30を電解質膜12に対向させて、電極20を電解質膜12に熱転写する工程である。本工程を経ることで、電解質膜12の面方向に対して実質上垂直にCNT14を配向させることができる。電解質膜12には、上述したアイオノマー18と同一の高分子電解質から形成した膜を用いる。
本工程は、具体的に、CNT14の成長端側が電解質膜12の表面に対向するように転写用基材30を配置する。そして、加温しながら転写用基材30上のCNT14と、電解質膜12とをプレスする。これにより、電解質膜12の面方向に対して実質上垂直にCNT14を配向できる。なお、電解質膜12の面方向に対して実質上垂直とは、電解質膜12の面方向と、CNT14のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味するものとする。
本工程では、その後、転写用基材30を剥離する。ところで、転写用基材30を物理的に剥離しようとすると、構造の脆いCNT14が剥離時に断裂する可能性がある。CNTが断裂した場合には、一部のCNTが触媒粒子を担持したまま転写用基材30側に残留してしまう。従って、担持させた触媒の収率の低下に繋がってしまう。
そこで、本実施の形態では、転写用基材30を温水で処理することで、転写用基材30を剥離する。転写用基材30にはPVAのフィルムが使用されているので、容易に温水で溶解させて除去できる。従って、触媒粒子16を担持するCNT14が剥離時に断裂することを防止できる。よって、CNT14を電解質膜12側に残留させることができる。
以上、本実施の形態の製造方法によれば、CNTを作製した後に、転写用基材30上に転写することで成長不良の短いCNTを取り除き、その上で、触媒粒子16を担持させることができる。従って、触媒を無駄なくCNTに担持させることができ、触媒の収率を向上させることができる。また、転写用基材30を温水で溶解除去できる。従って、剥離時の断裂を防止して、触媒の収率を向上させたCNT14を電解質膜12側に残留させることができる。
尚、本実施の形態では、(i)CNT作製工程において、種触媒28と原料ガスを高温条件下、共存させることによってCNT14を生成するCVD法を用いた。しかし、CNT14を生成させる方法はこのCVD法に限定されず、例えば、アーク放電法やレーザー蒸着法などの気相成長法、或いはその他の公知の合成法を用いることもできる。
また、本実施の形態では、(ii)転写用基材転写工程において、転写用基材30としてPVAのフィルムを使用したが、PVAのフィルムの代わりに、他の水溶性ポリマーのフィルムを使用することもできる。ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解する高分子のことであり、好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上溶解するものである。
他の水溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系ポリマー、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系ポリマーが挙げられる。他にも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホン酸又はその共重合体、ナフタレンスルホン酸縮合物塩、ポリビニルスルホン酸又はその共重合体等も使用できる。更には、天然高分子(多糖類等)や、天然高分子を原料に修飾した親水性高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系のポリマー)も使用できる。
尚、本変形例の場合、(ii)転写用基材転写工程において、他の水溶性ポリマーが分解しない温度で熱圧着させる必要がある。また、本変形例の場合、(iii)触媒担持工程や(iv)アイオノマー被覆工程において、該フィルム非溶解性溶媒を使用する等の各種措置を講ずる必要がある。
また、本実施の形態では、(ii)転写用基材転写工程において、転写用基材30としてPVAのフィルムを使用し、(vi)熱転写工程において、温水に溶解させて除去させたが、転写用基材30の代わりに金属製の薄板を使用し、酸溶液に浸漬して溶解除去することもできる。具体的な金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅などが挙げられる。これらの金属は、酸溶液を用いることで少なくとも一部を溶解できるので、CNTの断裂を抑制した剥離が可能となる。
尚、本変形例の場合、(ii)転写用基材転写工程において、例えばアルミニウムであれば400℃〜600℃の不活性雰囲気で行う等、金属の融点やCNT酸化等を考慮して熱圧着させる必要がある。また、本変形例の場合、(iii)触媒担持工程において、中性またはアルコール系の触媒塩溶液を使用し、水素還元法により触媒粒子を担持させる、(iv)アイオノマー被覆工程において、中性またはアルコール系のアイオノマー溶液を使用する等の各種措置を講ずる必要がある。
また、本実施の形態では、(ii)転写用基材転写工程において、転写用基材30を予め準備し、CNT14の成長端側が転写用基材30とするように対向させて熱圧着した。しかし、予め準備するのではなく、真空蒸着法を用い、CNT14の成長端側に転写用基材30を形成させることもできる。本変形例は、転写用基材30に金属を使用する場合、特に有効である。また、真空蒸着法以外にも、スプレーやキャスト、溶融押出しといった方法により、CNT14の成長端側に転写用基材30を形成させてもよい。
また、本実施の形態では、(iv)アイオノマー分散液滴下工程において、アイオノマー18を分散ないし溶解させた溶液を滴下することで、CNT14及び触媒粒子16をアイオノマー18の溶液で被覆した。しかし、例えば、スプレー、ダイコーター、ディスペンサー、スクリーン印刷等の方法を用いてCNT14の表面を被覆してもよい。
10 膜電極接合体
12 電解質膜
14 カーボンナノチューブ(CNT)
16 触媒粒子
18 アイオノマー
20 電極
22 空隙
24 ガス拡散層
26 成長用基材
28 種触媒
30 転写用基材

Claims (3)

  1. 第1の基材の面方向垂直にカーボンナノチューブを成長させる成長工程と、
    前記成長工程後、前記第1の基材と第2の基材とを対向させて、前記第1の基材上から前記第2の基材上にカーボンナノチューブを転写し、前記第1の基材を除去する基材転写工程と、
    前記基材転写工程後、カーボンナノチューブに触媒を担持させる触媒担持工程と、
    前記触媒担持工程後、前記第2の基材と電解質膜とを対向させて、前記第2の基材上から前記電解質膜上にカーボンナノチューブを転写し、前記第2の基材を除去する電解質膜転写工程と、
    を備えることを特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記第2の基材は水溶性高分子から構成され、
    前記電解質膜転写工程において、水を用いて溶解除去されることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記第2の基材は金属から構成され、
    前記電解質膜転写工程において、酸溶液を用いて溶解除去されることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
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