JP3941515B2 - 燃料電池電極用触媒層の製造方法及び燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法 - Google Patents

燃料電池電極用触媒層の製造方法及び燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子電解質型の燃料電池電極用触媒層の製造方法及びその製造方法に好適に使用できる燃料電池電極用触媒層製造用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は固体高分子電解質膜をアノード極及びカソード極としての燃料電池電極用触媒層で狭持した膜−電極接合体をさらに拡散層、セパレータ等で狭持した構造が一般的である。
【0003】
燃料電池電極用触媒層はPt等の貴金属触媒を担持したカーボン微粒子(触媒担持カーボン微粒子)を固体高分子電解質中に分散させた膜が一般的に採用されている。燃料電池電極用触媒層を製造する方法としては、触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質のアルコール溶液中に分散したものを固体高分子電解質膜、拡散層等に直接、塗布・製膜したり、何らかの基材上に塗布することで製膜する方法が採用されている。アルコールはエタノールや1−プロパノール等が汎用されており、触媒担持カーボン微粒子の分散性に優れている。
【0004】
その他の燃料電池電極用触媒層を製造する方法としては、特開平8−264190号公報に、触媒と電解質とを均一に付着させることを目的として、有機溶媒として水酸基以外の極性基をもち、且つこの極性基に結合する炭素鎖の炭素数が1〜8であるもの、あるいは誘電率が3〜10の単独あるいは混合物を用いる方法が開示されている。
【0005】
ここで、これら従来の燃料電池電極用触媒層の製造方法において用いられる有機溶媒は乾燥した触媒担持カーボン微粒子と接触させると触媒反応により発熱、燃焼するおそれがあり、予め触媒担持カーボン微粒子を水に浸漬することが行われていた。
【0006】
さらには、電極作成における溶媒使用に伴う危険性を排除することを目的として、特開平8−259873号公報のように、液体媒体として水系であって本質的に有機物成分を含まないインク材料を使用する方法も開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料電池電極用触媒層を製造する方法で製造した燃料電池電極用触媒層は、ひび割れや亀裂が発生することが多く、この傾向は燃料電池電極用触媒層の厚みが大きくなるにつれてより顕著である。このひび割れ等は触媒担持カーボン微粒子を分散した溶液を塗工した後に溶媒が乾燥するときに発生する。燃料電池電極用触媒層へのひび割れ等の発生は、燃料電池の性能低下を来すおそれがある。たとえば、燃料電池電極用触媒層に圧力が加わった場合に、このひび割れが固体高分子電解質膜に食い込む等の物理的なダメージが加わるからである。
【0008】
そこで本発明では、ひび割れ等の発生を抑制できる燃料電池電極用触媒層の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。さらに、ひび割れ等の発生が少ない燃料電池電極用触媒層を形成できる燃料電池電極用触媒層製造用インクを製造する方法を提供することも解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者は鋭意研究を行った結果、燃料電池電極用触媒層にひび割れ等が発生する原因として、乾燥した触媒担持カーボン微粒子を分散させるときに用いる水の表面張力が大きいので、製造時に燃料電池電極用触媒層が乾燥する際の乾燥収縮力が大きく結果としてひび割れ等の発生が進行することを見出した。また、汎用されるエタノールや1−プロパノールでは燃料電池電極用触媒層中の固体高分子電解質との相互作用(分子間力)が大きくなりすぎて乾燥の際にひび割れの原因となることを見出した。
【0010】
以上の知見に基づき、燃料電池電極用触媒層の製造時の安全性をも考慮して触媒担持カーボン微粒子及び固体高分子電解質を分散・溶解させる液体媒体を検討した結果、乾燥した触媒担持カーボン微粒子を濡れさせる液体媒体として水に代えて3級アルコール(t−ペンタノール)を採用し、固体高分子電解質を溶解させる液体媒体としてエタノールや1−プロパノール等の一般的なアルコールに代えて誘電率20以下の有機溶媒(ジアセトンアルコール)を採用することでひび割れ等の発生が効果的に抑制できることを発見し以下の発明を行った。
【0011】
すなわち、本発明の燃料電池電極用触媒層の製造方法は、触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質の液体媒体溶液に分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、該分散液を製膜する製膜工程と、を有する燃料電池電極用触媒層の製造方法であって、前記液体媒体はt−ペンタノールである3級アルコールとジアセトンアルコールである誘電率20以下の有機溶媒とを主成分とし、前記分散液調製工程は、乾燥した前記触媒担持カーボン微粒子と前記3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させる工程と、それ以後に前記誘電率20以下の有機溶媒を添加する工程とをもつ工程であることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記課題を解決する燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法は、触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質の液体媒体溶液に分散させた燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法であって、前記液体媒体はt−ペンタノールである3級アルコールとジアセトンアルコールである誘電率20以下の有機溶媒とを主成分とし、
乾燥した前記触媒担持カーボン微粒子と前記3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させる工程と、それ以後に前記誘電率20以下の有機溶媒を添加する工程とをもつ工程であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の燃料電池電極用触媒層の製造方法及び燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法について詳細に説明する。
【0015】
〔燃料電池電極用触媒層の製造方法〕
本製造方法は、分散液調製工程と製膜工程とを有する。分散液調製工程で触媒担持カーボン微粒子を分散させた分散液を調製し、その分散液から燃料電池電極用触媒層を製膜する。また、本製造方法は必要に応じて、適宜、他の工程を有することができる。
【0016】
(分散液調製工程)
分散液調製工程は触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質の液体媒体溶液に分散した分散液を得る工程であり、特に、乾燥した触媒担持カーボン微粒子と3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させる工程と、それ以後に誘電率20以下の有機溶媒を添加する工程とをもつ。液体媒体としては3級アルコールと誘電率20以下の有機溶媒とを主成分とする。最終的に調製される分散液には水を本質的に含有しないことが好ましい。
【0017】
乾燥した触媒担持カーボン微粒子と3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させることで、その後に他の有機溶媒を添加しても触媒反応による発熱、燃焼等が進行しない。3級アルコールの酸化は炭素−炭素結合の切断を伴うので非常に困難である。本明細書における3級アルコールとはt−ペンタノールである。t−ペンタノールは、融点が常温よりも低く通常の使用環境で凝固しないもので、且つ沸点が適正(たとえば、後述する製膜工程における取り扱いの容易さ及び液体媒体の除去の容易さの観点からは60〜200℃程度)な3級アルコールである。
【0018】
本明細書における誘電率20以下の有機溶媒はジアセトンアルコール(誘電率18.2(25℃))である。
【0019】
本工程により調製される分散液において3級アルコールと誘電率20以下の有機溶媒との混合割合は特に限定されないが、より確実に燃料電池電極用触媒層のひび割れ等の発生を抑制するためには質量比で3:1〜10:1程度が好ましい。
【0020】
乾燥した触媒担持カーボン微粒子と接触させる3級アルコールを主成分とする有機溶媒には、乾燥した触媒担持カーボン微粒子との反応を充分に抑制できる割合の3級アルコールを含むものであれば、3級アルコール以外にも溶媒を含有させることが可能である。たとえば、前述の誘電率20以下の有機溶媒を予め混合することも可能である。
【0021】
つまり、「3級アルコールが主成分である」とは3級アルコールが有機溶媒中の大部分を占めることにより触媒担持カーボン微粒子による反応が抑制され意図しない燃焼等が進行しない割合で充分に3級アルコールが含有されていることである。具体的に乾燥した触媒担持カーボン微粒子を浸漬する3級アルコールを主成分とする有機溶媒としては3級アルコールと他の有機溶媒との混合割合として質量比で95:5〜100:0程度が好ましい。
【0022】
触媒担持カーボン微粒子は特に限定されない。たとえばカーボンブラックの表面にPtを担持させたものが挙げられる。触媒担持カーボン微粒子の製造方法も特に限定されず、カーボン微粒子存在下の亜硫酸白金溶液等のカーボン微粒子存在白金溶液に対して適正な還元処理を行い、白金微粉末をカーボン微粒子表面に析出させることで達成できる。
【0023】
固体高分子電解質としては特に限定されず、ナフィオン(商標名)等の一般的なイオン導電体が使用可能である。高分子電解質を液体媒体溶液とするのは、液体媒体に触媒担持カーボン微粒子を分散させる前後のいずれでも良く、触媒担持カーボン微粒子を分散する際に同時に溶解させても良い。
【0024】
分散液中の触媒担持カーボン微粒子及び固体高分子電解質の添加量は特に限定されない。好ましくは分散液1Lあたり、触媒担持カーボン微粒子は50〜200g程度、固体高分子電解質は1〜200g程度とする。
【0025】
分散液中には触媒担持カーボン微粒子及び固体高分子電解質の他にも必要に応じて他の要素を溶解乃至は分散させても良い。たとえば、分散剤や補強剤としての高分子化合物を添加することができる。
【0026】
(製膜工程)
本工程は分散液調製工程で調製した分散液を適正な方法で製膜し燃料電池電極用触媒層とする工程であり、具体的な製膜方法は特に限定されない。たとえば、PET等から形成される適正な基材の表面に分散液を塗工し、分散液から液体媒体を除去する方法や、燃料電池の電解質膜や拡散層等の表面に直接分散液を塗工し、液体媒体を除去することで製膜する方法等が挙げられる。
【0027】
分散液を基材等の表面に塗工する方法としては特に限定されず、ダイコータ、ナイフコータ、バーコータ、ローラコータ、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷等の一般的な方法が適用できる。基材等の表面に塗工された分散液から液体媒体を除去する方法としては加熱等により蒸発させたり、固体高分子電解質の貧溶媒に浸漬して溶出させる方法等が例示できる。
【0028】
(その他の工程)
本発明の燃料電池電極用触媒層の製造方法は必要に応じて他の工程を有することができる。たとえば、前述の製膜工程でPET等からなる基材表面に製膜した場合には基材表面から燃料電池電極用触媒層を剥離する工程を有することができる。
【0029】
(作用)
上述の構成要素を有することから本発明の製造方法は以下の作用効果をもつ。すなわち、分散液調製工程で3級アルコールを主成分とする有機溶媒で乾燥した触媒担持カーボン微粒子を濡らす工程をもつことから、触媒担持カーボン微粒子による液体媒体の酸化反応の進行が抑制でき、安定してその後の工程を進行させることが可能となる。
【0030】
また、固体高分子電解質が3級アルコール及び誘電率20以下の有機溶媒を主成分とする液体媒体に溶解されていることで、製膜工程において、液体媒体が除去されるときの乾燥収縮が抑制されるために、製造される燃料電池電極用触媒層に対するひび割れ等の発生が防止できる。
【0031】
(燃料電池電極用触媒層製造用インク)
本発明の燃料電池電極用触媒層製造用インクは、触媒担持カーボン微粒子と、固体高分子電解質と、その触媒担持カーボン微粒子を分散でき且つその固体高分子電解質を溶解できる3級アルコール及び誘電率20以下の有機溶媒を主成分とする液体媒体とを有する。
【0032】
本燃料電池電極用触媒層製造用インクは前述の燃料電池電極用触媒層の製造方法における分散液とほぼ同様であり、「触媒担持カーボン微粒子」、「固体高分子電解質」、「3級アルコール」及び「誘電率20以下の有機溶媒」の各構成要素については前述の燃料電池電極用触媒層の製造方法で説明したものと同様であるのでここでの更なる説明は省略する。
【0033】
本燃料電池電極用触媒層製造用インクを製造する方法としては、前述の燃料電池電極用触媒層の製造方法における分散液調製工程がそのまま適用できる。本燃料電池電極用触媒層製造用インクは前述の燃料電池電極用触媒層の製造方法における製膜工程のような一般的な製膜法により燃料電池電極用触媒層を形成することができる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
〈分散液調製工程〉
乾燥した触媒担持カーボン微粒子(平均粒子径4μm、Pt含有割合60質量%)10質量部を3級アルコールとしてのt−ペンタノール70質量部に浸漬させることで触媒担持カーボン微粒子の表面を酸化され難い3級アルコールで置換できた。
【0035】
次に誘電率20以下の有機溶媒としてのジアセトンアルコールを100質量部添加して撹拌する。そして、固体高分子電解質としてのナフィオン溶液(デュポン製、SE20092;20質量%水及び1−プロパノール(1:1)溶液)100質量部を加えた。以上の操作により、触媒担持カーボン微粒子がナフィオンの液体媒体(t−ペンタノール:ジアセトンアルコール=7:1(質量比))溶液に分散された分散液(燃料電池電極用触媒層製造用インク)が調製された。
【0036】
〈製膜工程〉
調製された分散液を基材としてのPET製フィルム上にナイフコータを用いて塗工した後、80℃で温風乾燥を行った。分散液は超音波ホモジナイザーで触媒担持カーボン微粒子が均一に分散された状態を維持させた。基材上に形成された燃料電池電極用触媒層をそのまま試験試料とした。
【0037】
参考例)
実施例1の製造方法の分散液調製工程において、ジアセトンアルコールを添加する代わりに誘電率が13.3である1−ヘキサノールを添加した以外は同様に行い基材上に製造した燃料電池電極用触媒層を試験試料とした。
【0038】
(比較例1)
実施例1の製造方法の分散液調製工程において、乾燥させた触媒担持カーボン微粒子をt−ペンタノールに浸漬させる代わりに30質量部の誘電率が80.4である水に浸漬させた。その後、誘電率が25.7であるエタノール40質量部とジアセトンアルコール10質量部とを加えた。以上の操作により、触媒担持カーボン微粒子がナフィオンの液体媒体(水:エタノール:ジアセトンアルコール=3:4:1(質量比))溶液に分散された分散液を調製した。製膜工程は実施例1と同様に行い基材上に製造した燃料電池電極用触媒層を試験試料とした。
【0039】
(比較例2)
実施例1の製造方法の分散液調製工程において、ジアセトンアルコールに代えて誘電率21.5のアセトンを用いた以外はすべて同様に燃料電池電極用触媒層を基材上に製造し比較例2の試験試料とした。
【0040】
(表面の観察)
各実施例及び比較例の試験試料について光学顕微鏡を用いて表面の状態を観察した。各実施例の試験試料の表面は均一であったのに対して、各比較例の試験試料の表面には、図1(比較例1)及び2(比較例2)に示すように、幅が10μm程度の網目状のひび割れ乃至は亀裂が多数観察された。なお、各実施例の試験試料の表面写真は全体的に一様であり特に示す必要性が低いと考えたので省略した。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料電池電極用触媒層の製造方法は、3級アルコールを主成分とする有機溶媒で乾燥した触媒担持カーボン微粒子を濡らす工程をもつことから、触媒担持カーボン微粒子による液体媒体の酸化反応の進行が抑制でき、安定してその後の工程を進行させることが可能となる効果を有する。また、固体高分子電解質が3級アルコール及び誘電率20以下の有機溶媒を主成分とする液体媒体に溶解されていることで、製膜工程において、液体媒体が除去されるときの乾燥収縮が抑制されるので、製造される燃料電池電極用触媒層に対するひび割れ等の発生が防止できるという効果を有する。
【0042】
また、本発明の燃料電池電極用触媒層製造用インクは、製膜時の乾燥収縮の原因とならない3級アルコール及び誘電率20以下の有機溶媒を主成分とする液体媒体を用いているので、製造される燃料電池電極用触媒層に対するひび割れ等の発生が防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の表面写真である。
【図2】比較例2の表面写真である。

Claims (2)

  1. 触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質の液体媒体溶液に分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、該分散液を製膜する製膜工程と、を有する燃料電池電極用触媒層の製造方法であって、
    前記液体媒体はt−ペンタノールである3級アルコールとジアセトンアルコールである誘電率20以下の有機溶媒とを主成分とし、
    前記分散液調製工程は、乾燥した前記触媒担持カーボン微粒子と前記3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させる工程と、それ以後に前記誘電率20以下の有機溶媒を添加する工程とをもつ工程であることを特徴とする燃料電池電極用触媒層の製造方法。
  2. 触媒担持カーボン微粒子を固体高分子電解質の液体媒体溶液に分散させた燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法であって、
    前記液体媒体はt−ペンタノールである3級アルコールとジアセトンアルコールである誘電率20以下の有機溶媒とを主成分とし、
    乾燥した前記触媒担持カーボン微粒子と前記3級アルコールを主成分とする有機溶媒とを接触させる工程と、それ以後に前記誘電率20以下の有機溶媒を添加する工程とをもつ工程であることを特徴とする燃料電池電極用触媒層製造用インクの製造方法。
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