JP2012082105A - 燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法および燃料電池用電極触媒 - Google Patents

燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法および燃料電池用電極触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、燃料電池用CNTの製造方法および燃料電池用電極触媒に関し、CVD法を用いて製造したCNTの純度を向上可能な燃料電池用CNTの製造方法および燃料電池用電極触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】CVD法を用いてCNTを成長させると、成長触媒がカーボンに覆われたり(A−1)、基板から浮いてCNT内部に入る(A−2)ことがある。そこで、CNTを1500℃以上に加熱して、CNTの成長端を開く((B−1)、(B−2))。また、成長触媒に使用した鉄の蒸気圧は、約1500℃において10−2Torrである。そのため、基板上に成長させたCNTを1500℃以上に加熱し、10−2Torr以下の真空とすれば、鉄を蒸発させることができる。従って、CNTの純度を良好に向上でき、燃料電池の電極触媒として好適なCNTを得ることができる。
【選択図】図5

Description

この発明は、燃料電池用カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)の製造方法および燃料電池用電極触媒に関する。
従来、例えば特許文献1には、アーク放電法を用いて製造したCNTに、酸を加える方法が開示されている。アーク放電法では、CNTを成長させるために金属触媒を用いる。そのため、得られるCNTには、この金属触媒が不純物として含まれてしまう。そこで、上記特許文献1では、CNTの製造後、硝酸、塩酸といった酸の溶液を加える。これにより、金属触媒を溶解除去できるので、CNTの純度を向上できる。
特開平8−198611号公報 特開2008−4453号公報 特開2003−115302号公報
ところで、CNTの製造方法には、アーク放電法以外の公知の方法が各種ある。例えば、化学気相蒸着法(以下、「CVD法」ともいう。)は、加熱した基材に炭素源ガスを供給し、その基材上に中空状のCNTを成長させる方法である。CVD法によれば、CNTは、基材上に担持させた成長触媒を起点として成長する。そのため、CVD法を用いて製造したCNTの純度を向上させるためには、アーク放電法を用いて製造したCNT同様、不純物としての成長触媒を除去する必要がある。
しかしながら、CVD法を用いた場合、基材上の成長触媒が中空状CNTの内周に囲われるように覆われる、或いは、成長触媒が基材上から離れて中空状CNTの内部に移動することがある。このような場合、上記特許文献1同様にCNTを酸溶液で処理したとしても、その酸溶液が成長触媒まで到達できない可能性が高い。従って、成長触媒の溶解除去が不十分となってしまう。
成長触媒の除去が不十分であると、燃料電池の電極触媒にCNTを用いる場合、電池稼働中にこの成長触媒が溶出する可能性がある。電池稼働中に溶出すると、高分子電解質のプロトン伝導性低下や、電解質膜の分解といった不具合を生じるおそれがある。これらのことから、CVD法を用いて燃料電池用CNTを製造する場合においては、特に、成長触媒を十分に除去してCNTの純度を向上する必要があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、CVD法を用いて製造したCNTの純度を向上可能な燃料電池用CNTの製造方法および燃料電池用電極触媒を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法であって、
化学気相蒸着法を用い、成長触媒を担持させた基材の表面上にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、
前記カーボンナノチューブの成長端を開くことが可能な所定温度よりも高温、かつ、前記所定温度での前記成長触媒の蒸気圧よりも低圧で、前記カーボンナノチューブを精製するカーボンナノチューブ精製工程と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記カーボンナノチューブ精製工程は、前記カーボンナノチューブの耐熱温度よりも低温で実施することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記成長触媒は鉄であり、前記所定温度は1500℃であり、前記蒸気圧は10−2Torrであることを特徴とする。
また、第4の発明は、燃料電池用電極触媒であって、
第1乃至3何れか1つに記載の製造方法により製造したカーボンナノチューブに、燃料電池用触媒とアイオノマーを備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、CVD法でCNTを成長させた後に、CNTの成長端を開くことが可能な所定温度よりも高温、かつ、この所定温度での成長触媒の蒸気圧よりも低圧という条件で精製できる。CVD法によれば、その成長条件によって割合は異なるものの、成長端の閉じたCNT、或いは、そうでないCNTが基材上に成長する。そのため、上記所定温度よりも高温とすれば、全てのCNTの成長端を開いた状態にできる。同時に、上記所定温度での成長触媒の蒸気圧よりも低圧とすれば、開いた状態の成長端側から成長触媒を蒸発除去できる。従って、成長触媒を十分に除去でき、CNTの純度を向上できるので、燃料電池用CNTとしての純度要求を満たすCNTを得ることができる。
また、第2の発明によれば、精製時圧力でのCNT耐熱温度よりも低温でCNTの精製を実施できる。従って、CNTの精製中にCNTが燃焼等により消失することを防止しながら成長触媒を除去できる。
また、第3の発明によれば、成長触媒に鉄を用いた場合に、燃料電池用CNTとしての純度要求を満たすCNTを得ることができる。
また、第4の発明によれば、第1乃至第3何れか1つの発明により得られたCNTを用いた電極触媒を燃料電池に適用すれば、各種電池特性の向上が期待できる。
本実施形態により製造される電極触媒を含む燃料電池10の断面構成の模式図である。 図1のMEA18の断面構成の模式図である。 図1の燃料電池10の製造方法の各工程を説明するための図である。 CVD法を用いて成長させたCNTの起点端側近傍の断面TEM写真である。 本実施形態の(2)CNT精製工程を説明するための図である。 本実施形態の製造方法により作製したMEAサンプル(実施例)および比較用のMEAサンプル(比較例1〜3)の鉄含有率の測定結果を示す図である。 図6の比較例1のMEAサンプルの製造方法を説明するための図である。 図6の比較例2のMEAサンプルの製造方法を説明するための図である。 図6の比較例3のMEAサンプルの製造方法を説明するための図である。
[燃料電池の構成]
以下、図1〜図9を参照して、本発明の実施の形態の製造方法および電極触媒について説明する。先ず、図1を参照して、本実施形態により製造される電極触媒を説明する。図1は、本実施形態により製造される電極触媒を含む燃料電池10の断面構成の模式図である。
図1に示すように、燃料電池10は、高分子電解質膜12を備えている。高分子電解質膜12は、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂から構成される。高分子電解質膜12の両側には、これを挟むようにアノード電極14、カソード電極16が設けられている。高分子電解質膜12と、これを挟む一対のアノード電極14、カソード電極16とにより、膜電極接合体(以下、「MEA」ともいう。)18が構成される。MEA18の詳細な構成については、後述する。
アノード電極14の外側には、ガスを流通させるためのガス流路が形成されたセパレータ20が設けられている。カソード電極16の外側には、同様にガス流路が形成されたセパレータ22が設けられている。本図においては、上記のように構成されたMEA18とその両側に配置された一対のセパレータ20,22を1組のみ示したが、実際の燃料電池は、MEA18がセパレータ20,22を介して複数積層されたスタック構造を有している。
次に、図2を参照して、MEA18の詳細な構成を説明する。図2は、図1のMEA18の断面構成の模式図である。図2に示すように、高分子電解質膜12の表面には、CNT24が複数設けられている。CNT24は、一本の中空状CNTからなり、それぞれが高分子電解質膜12の面方向に対して実質上垂直に配向されている。ここで、高分子電解質膜12の面方向に対して実質上垂直とは、高分子電解質膜12の面方向と、CNT24のチューブ長さ方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。これは、製造時の条件等によって、必ずしも90°とならない場合を含むものである。ただし、実質上垂直に配向されたCNT24には、チューブ長さ方向の形状が直線状のものと、直線状でないものの両方が含まれる。そのため、チューブ長さ方向の形状が直線状でないCNT24の場合には、CNT24の両端面の中心部を結ぶ直線の方向をもってチューブの長さ方向とする。
また、図2に示すように、CNT24の外表面には、電極用触媒26が設けられている。電極用触媒26には白金を用いるが、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金等の粒子を使用してもよい。
また、CNT24の外表面には、CNT24や電極用触媒26を覆うようにアイオノマー28が設けられている。アイオノマー28は、高分子電解質膜12同様、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂から構成される。また、隣り合うアイオノマー28間には、空隙34が形成されている。空隙34が形成されていることで、電気化学反応に必要なガスの流路や、電気化学反応により生じた水の排水路として利用できる。本実施形態の電極触媒は、CNT24、電極用触媒26、アイオノマー28および空隙34から構成される。
また、図2に示すように、高分子電解質膜12は、CNT24を隔ててガス拡散層(以下、「GDL」ともいう。)30,32と対向している。GDL30,32は、例えばカーボンペーパー、カーボンクロス、金属多孔体といった多孔質基材から構成され、図1のセパレータ20,22側から供給されたガスをCNT24側に均一に拡散させることができる。GDL30,32は、CNT24に接する側に撥水層が設けられていてもよい。
[燃料電池の製造方法]
次に、図3を参照して、上述した構成の燃料電池10の製造方法の各工程を説明する。燃料電池10は、(1)CNT成長工程、(2)CNT精製工程、(3)触媒担持工程、(4)アイオノマー塗布工程、(5)転写(MEA化)工程を経ることで製造できる。以下、これらの各工程について、詳細を説明する。
(1)CNT成長工程
本工程は、CVD法を用い、基板の面方向に対して実質上垂直に配向させた中空状のCNTを成長させる工程である(ステップ100)。具体的には、シリコン等の基板上に成長触媒としての鉄微粒子を担持し、高温雰囲気下、炭素源ガスを供給して垂直配向CNTを成長させる工程であり、例えば特開2005−097015号公報、特開2007−257886号公報に記載された方法を用いることができる。なお、基板の面方向に対して実質上垂直とは、基板の面方向と、CNTの両端の中心部を結ぶ直線の方向とのなす角度が90°±10°であることを意味する。
ところで、図4は、CVD法を用いて成長させたCNTの起点端側近傍の断面TEM写真である。図4の色の濃い箇所が成長触媒であり、その周囲のやや色の薄い箇所がCNTである。CNTは成長触媒を起点として成長する。そのため、本図に示すように、この起点端側においては、成長触媒がカーボンによって周囲を覆われたような状態となることがある。また、その理由は不明であるが、本図に示すように、成長触媒の一部がCNTの成長過程で基板から浮き、CNT内部に入ることがある。この内、CNT内部に入り込んだ成長触媒は特に除去が困難であり、また、残留することで燃料電池の各種不具合の原因となり得る。そこで、本実施形態では、上記(1)CNT成長工程の後に、次に述べるCNT精製工程を実施している。
(2)CNT精製工程
本工程は、基板上に成長させたCNTを、アルゴン、ヘリウム、窒素といった不活性ガス雰囲気下、1500℃以上、10−2Torr以下で精製する工程である(ステップ110)。図5は、本工程を説明するための模式図であり、図4に示した2つの成長触媒が、別々のCNT内にあるとして示したものである。図5(A)に示す2つの成長触媒は、カーボンに覆われているもの(A−1)、基板から浮いてCNT内部に入っているもの(A−2)にそれぞれ相当する。また、図5(A)に示すように、CNTはその成長端側が閉じている。これは、CNTの成長条件によるものであり、必ずしも閉じるものではないが、説明の便宜上、本図では閉じたものを示している。
本工程において、基板上に成長させたCNTを1500℃以上に加熱すると、図5(B−1)、(B−2)に示すように、CNTの成長端を開くことができる。この理由は、成長端がCNTの他の箇所に比べて構造が脆く、約1500℃の高温に晒すことで壊れるからと考えられている。また、成長触媒に使用した鉄の蒸気圧は、1500℃において10−2Torrである。そのため、本工程において、基板上に成長させたCNTを1500℃以上に加熱し、10−2Torr以下の真空とすれば、鉄を蒸発させることができる。これらのことから、本工程を実施すると、CNTの開いた成長端から鉄を蒸発除去できる。
なお、CNTの加熱温度は1500℃以上であるが、CNTの耐熱温度よりも低温に設定するのが望ましい。一般に、CNTの耐熱温度は、圧力、つまり酸素、水素等のカーボンと結合しやすい分子の存在(分圧)によって異なる。例えば、10−2Torrでは2800℃であり、大気圧では750℃(この場合、酸素によって燃焼する)である。CNTは、酸素の場合は、CO、水素の場合は、CHとなって消失する。それ以外に、できあがったCNTの結晶性によっても耐熱温度は異なる。よって、CNTの加熱温度は、できたCNTの耐熱温度(含む雰囲気、圧力依存性)を予め調べておいて、その結果を基に設定するのが好ましい。このように加熱温度を設定すれば、鉄を蒸発除去している際に、CNTが燃焼等により消失する不具合を確実に防止できる。
(3)触媒担持工程
本工程は、精製したCNTに電極用触媒を担持させる工程である(ステップ120)。電極用触媒は、白金の塩を含む溶液をCNT表面に塗布した後、水素雰囲気中で200℃以上に加熱して還元することで担持させることができる。白金塩溶液のCNT表面への塗布は、例えば、白金塩溶液中にCNTを浸漬する方法、CNTの表面に白金塩溶液を滴下する方法や、CNTの表面に白金塩溶液を噴霧(スプレー)する方法が挙げられる。
具体的な白金塩溶液としては、エタノールやイソプロパノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液(例えば、ジニトロジアミン白金硝酸溶液など)等を適量溶解させた白金塩溶液を用いることができる。CNT表面に白金を均一に担持できるという点から、アルコール中にジニトロジアミン白金硝酸溶液を溶解させた白金塩溶液を用いることが特に好ましい。
(4)アイオノマー含浸工程
本工程は、触媒を担持させたCNTの表面にアイオノマーを含浸させる工程である(ステップ130)。本工程を経ることで、上述した構成の電極触媒が製造できる。本工程では、具体的に、(i)アイオノマー溶液にCNTを浸漬した後、減圧脱気することでアイオノマー溶液を均一に染み込ませ、(ii)その後、真空乾燥して溶媒を除去する。(i),(ii)を繰り返し実施することで、CNTに所望量のアイオノマーを担持させることができる。所望量のアイオノマーを担持させることで、隣り合うCNT間に空間を形成できる。
アイオノマーは、上記含浸法に限定されず、アイオノマーを分散又は溶解した溶液をスプレー、ダイコーター、ディスペンサー、スクリーン印刷等によりCNT表面に塗布し乾燥させる方法により担持させてもよい。また、アイオノマーは、上記のように重合体の状態で塗布する等してCNT表面に担持させるほか、例えば、アイオノマーの前駆体と必要に応じて各種重合開始剤等の添加物とを含む重合組成物を、CNTの表面に塗布し、必要に応じて乾燥させた後に、紫外線などの放射線の照射又は加熱により重合させることでCNT表面に担持させてもよい。
(5)転写工程
本工程は、アイオノマーが塗布されたCNTを高分子電解質膜の両面に転写する工程である(ステップ140)。本工程では、先ず、電解質膜とCNTの成長端とを対向させ、例えば、高分子電解質膜のガラス転移温度以上の温度に加温しつつ、これらの間に所定圧力を印加して接合する。これにより、CNT基板−CNT−電解質膜接合体を作製する。続いて、高分子電解質膜のガラス転移温度よりも低い温度まで冷却しつつ、印加圧力を開放する。続いて、上述した一連の工程を高分子電解質膜の他面に対しても同様に実施する。続いて、CNT基板からCNT−電解質膜接合体を分離する。最後に、得られたCNT−電解質膜接合体の両側に、上述したGDL30,32を設け、セパレータ20,22を介してこれらを複数積層する。これにより、上述した燃料電池10が製造できる。
図6は、本実施形態の製造方法により作製したMEAサンプル(実施例)および比較用のMEAサンプル(比較例1〜3)の鉄含有率の測定結果を示す図である。これらの鉄含有率は、CNT全体に対する重量%であり、元素分析(ICP)により測定した値である。なお、CNT全体の重量は、CNT成長前後の基板重量を測定することにより求めたものである。
実施例のMEAサンプルの具体的な作製方法は、次のとおりである。即ち、CVD法を用いてシリコン基板上にCNTを成長させた後、(i)CNTをシリコン基板ごと真空熱処理炉に入れ、(ii)1×10−2Torrまで減圧、(iii)1500℃まで昇温、(iv)1時間保持、(v)室温まで降温することでCNTを精製した。その後、CNTに白金触媒、アイオノマーをそれぞれ設けて電極触媒とし、この電極触媒を高分子電解質膜の両面に転写して作製した。
一方、比較例1〜3のMEAサンプルは、図7〜9に示す各工程によりそれぞれ作製した。具体的に、比較例1のMEAサンプルは、上記(i)〜(v)を実施しない以外は実施例のMEAサンプル同様に作製したものである(図7)。また、比較例2のMEAサンプルは、上記(i)〜(v)の代わりに、(i)´CNTをシリコン基板ごと希硝酸(0.5N)に浸漬し、(ii)´1時間保持、(iii)´シリコン基板を取り出し、純水、次いでエタノールで洗浄、乾燥することでCNTを精製した以外は実施例のMEAサンプル同様に作製したものである(図8)。また、比較例3のMEAサンプルは、上記(i)〜(v)を実施せず、電極触媒を高分子電解質膜に転写してMEAとした後に、上記(i)´〜(iii)´同様に実施してCNTを精製した以外は実施例のMEAサンプル同様に作製したものである(図9)。
図6に示すように、実施例のMEAサンプルは、比較例1のMEAサンプルに比べて約1/20以下の鉄含有率となった。また、比較例2、3のMEAサンプルに比べても約1/10以下の鉄含有率となった。
図6の結果から明らかなように、本実施形態の製造方法によれば、CNTの純度を良好に向上できる。従って、燃料電池の電極触媒として好適なCNTを得ることができる。また、このようなCNTを用いた電極触媒を燃料電池に適用すれば、各種電池特性の向上が期待できる。
尚、本実施形態においては、成長触媒として鉄を用いたが、必ずしも鉄である必要はなく、公知の他の金属触媒(単体又は合金)を用いてもよい。この場合、上記(2)CNT精製工程時の加熱温度は1500℃以上を前提とするので、1500℃以上のある加熱温度を設定し、その加熱温度における当該他の金属触媒の蒸気圧を求めておく。そして、その加熱温度以上、かつ、求めた蒸気圧よりも低圧の条件でCNTを精製すれば、鉄を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
10 燃料電池
12 高分子電解質膜
14 アノード電極
16 カソード電極
18 MEA
20,22 セパレータ
24 CNT
26 電極用触媒
28 アイオノマー
30,32 GDL
34 空隙

Claims (4)

  1. 化学気相蒸着法を用い、成長触媒を担持させた基材の表面上にカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、
    前記カーボンナノチューブの成長端を開くことが可能な所定温度よりも高温、かつ、前記所定温度での前記成長触媒の蒸気圧よりも低圧で、前記カーボンナノチューブを精製するカーボンナノチューブ精製工程と、
    を備えることを特徴とする燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブ精製工程は、前記カーボンナノチューブの耐熱温度よりも低温で実施することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記成長触媒は鉄であり、前記所定温度は1500℃であり、前記蒸気圧は10−2Torrであることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 請求項1乃至3何れか1項に記載の製造方法により製造したカーボンナノチューブに、燃料電池用触媒とアイオノマーを備えたことを特徴とする燃料電池用電極触媒。
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