JP5640177B2 - ジグソーパズルとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジグソーパズルとその製造方法に関する。更に詳しくは、意匠性が良く、高級感がある樹脂層を基礎部材とする積層体で形成されたジグソーパズルとその製造方法に関する。
ジグソーパズルは、絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクター等の模様が描かれた紙等の平板を、複数のピースに分けて形成されたものである。ジグソーパズルは、一旦バラバラに分離したピースを、互いに嵌め合わせてその模様を復元することにより、楽しむ玩具である。各ピースは、四角形等の変形された多角形の平板であり、その側面に略円形形状の係合雄部(凸部)または係合雌部(凹部)が形成されている。一個のピースの係合雄部は、隣接する他のピースの係合雌部に嵌めることができる。また、一個のピースの係合雌部は、隣接する他のピースの係合雄部が嵌められる。
ジグソーパズルは、主に紙、コルク、木等の比較的厚みのある平面部材に模様が描かれて形成されている。ジグソーパズルは、その特性から組み立てた状態を維持するため、所定の厚みが必要である。現在、ジグソーパズルの肉厚は、約1.0〜6.0mmの厚みのものが一般的である。しかし、現在一般に使用されている印刷機で、約1.0〜6.0mmの厚みのベースシートに連続して印刷をすることは、困難である。また、約1.0〜6.0mmのベースシートは、巻取り装置でロール状に巻き取ることが困難である。このため、巻取り方式の巻取印刷機を用いて連続して印刷することも困難である。
これらの事情から、ジグソーパズルには、いわゆるボール紙を基礎部材として用いられてきていた。つまり、ジグソーパズルは、厚みのあるボール紙に接着剤などで、模様が印刷された印刷紙を貼り合わせ、それを打ち抜いて製造されている。また、ボール紙以外には、グリーン紙等が用いられてきていた。さらに、ジグソーパズルには、厚みがあり、かつ、印刷紙を貼り合わせることができる紙として、コースター紙が用いられている。
しかし、ボール紙は、色彩がややくすんだ灰色であるため、見た目に良くなく、安っぽいイメージがある。グリーン紙は、製造に際して、多量の汚水を垂れ流してしまうため、地球環境に良くない。グリーン紙は、燃やすと、汚染物質を発生させてしまうため、地球環境に良くない。コースター紙は、印刷紙を貼り合わせるには適しており、見た目にも優れている。しかし、コースター紙は、単価が高く、コストがかかるため、ジグソーパズルにはむいていない。このような問題点に鑑みて、樹脂を利用したジグソーパズルが近年製造されている。
例えば、発泡ウレタンフォーム、発泡ポリエチレンフォーム、発泡スチロール等の合成樹脂発泡体を芯材とし、その表面に印刷が施された印刷紙を貼着した玩具用のシートが提案されている(特許文献1参照)。支持体に着脱可能に固定される小片の裏面にポリ塩化ビニル製の連続発泡体を接着し、小片の裏面に粘着剤を塗布せずに、真空状態にして密着されたものが提案されている。小片を支持体から脱落させることなく固定でき、且つ、所望により簡単に剥離でき、反復継続して使用できる意匠構成体も提案されている(例えば、特許文献2)。
また、熱硬化性合成樹脂を含浸させた基材シート層と熱可塑性合成樹脂を含浸させた基材シート層とを交互に重ね合わせ、この表裏両面の層は、熱硬化性合成樹脂を含浸させた基材シート層となるように形成し、これをレーザ光線により切断面がシャープになる合成樹脂積層板が知られている(例えば、特許文献3)。さらに、合成樹脂製の内層軟質シートの表裏面に、合成樹脂製の外層硬質フィルムを重合圧着してなる三層構造のパズル基板を作り、この基板を、打抜き刃により打ち抜いて作られる多数のピースからなるジグソーパズルが知られている(例えば、特許文献4)。
特開平08−309028号公報 特開2004−141580号公報 特公平01−56904号公報 特許第4318218号公報
しかしながら、特許文献1又は2に記載されたジグソーパズルは、合成樹脂発泡体と印刷紙との接着が良くないため、品質に問題があった。合成樹脂発泡体をはじめとする合成樹脂に印刷紙を確実に貼るための適切な接着剤がなかった。つまり、印刷紙に接着剤を塗布して合成樹脂に貼り合わせても、剥がれやすく、ジグソーパズルの基礎部材には利用できなかった。例えば、合成樹脂の表面を傷つけて接着剤を塗布して、印刷紙を貼ることも考えられた。しかし、工数がかかるわりには良好な接着性能が望めない。
また、特許文献3に記載された合成樹脂積層板は、表面又は裏面側にそりを生じさせないために、その層である表裏両面には、硬質な熱硬化性合成樹脂からなる含浸基材シート層を配置する必要があった。さらに、特許文献4に記載されたジグソーパズルは、表面又は裏面側にそりを生じさせないために、内層軟質シートの表裏面に外層硬質フィルムを常に貼り合わせなければならなかった。つまり、内層軟質シートの一方の面にだけ接着剤を塗布して外層硬質フィルムを貼ると、熱膨張率等の違いで完成したジグソーパズルに一方の側にそりが生じてしまうおそれがあり、品質が定まらないことがあった。
前述した接着剤の欠点を避けるために、合成樹脂に粘着剤を塗布し、印刷紙を貼り合わせた積層部材を用いて、ジグソーパズルを製造することも考えられる。しかし、粘着剤によって形成された積層部材は、べたべたした状態が残ってしまう。べたべたした積層部材を、打ち抜き刃で打ち抜くと、打ち抜き刃が粘着材によりべたべたになってしまう。このため、ジグソーパズルを製造するための打ち抜き刃の劣化が早くなってしまう。また、打ち抜かれたピースの側面は、打抜抜き刃からの粘着材が付着してべたべたするため、遊技者にとっては触り心地が悪くなってしまう。
本発明は、以上のような従来の問題点を解決するために創作されたものであり、次の目的を達成する。本発明の目的は、意匠性の高い良質な外観を表現することができ、デザイン可能性の幅が広いジグソーパズルを提供することにある。本発明の他の目的は、合成樹脂層と印刷層との間に被貼着層を介することで、密着状態良好であり、表面側又は裏面側にそりが生じないジグソーパズルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、廃棄処分の際にも、汚染物質を発生させることがなく、地球環境に優しいジグソーパズルを提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1のジグソーパズルは、複数のシートが積層された積層シートを所定の形状に切断したベースシートを製造し、前記ベースシートを打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に分けて形成されるジグソーパズルであって、前記積層シートは、押出成形でシート状に押し出されて形成される合成樹脂性の樹脂シートと、 絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種を含む模様が印刷された紙、不織布又は織布からなる印刷シートと、一方の面に前記樹脂シートが貼り合わせられ、他方の面に前記印刷シートが貼り合わせられる被貼着シートとからなり、前記被貼着シートは、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに加圧されて貼り合わせられていることを特徴とするジグソーパズル。
本発明2のジグソーパズルは、本発明1において、前記被貼着シートは、不織布又は織布を含むシートからなることを特徴とするジグソーパズル。
本発明3のジグソーパズルは、本発明2において、前記被貼着シートは、前記樹脂シートと貼り合わせられる一方の面が粗面化されていることを特徴とする。
本発明4のジグソーパズルは、本発明1〜3において、請求項1〜3のいずれか1項に記載されたジグソーパズルであって、前記印刷シートは、接着剤を用いて前記被貼着シートに貼り合わせられていることを特徴とする。
本発明5のジグソーパズルは、本発明1〜3において、前記樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から選択される少なくとも1つの熱可塑性合成樹脂を発泡させて、複数の孔が形成されている発泡シートであることを特徴とする。
本発明6のジグソーパズルは、本発明1〜3において、前記樹脂シートは、香料を含んでいることを特徴とする。
本発明7のジグソーパズルは、本発明1〜3において、前記複数の小片は、弾性変形することで密着して嵌め合うことで密着して嵌め合うことを特徴とする。
本発明8のジグソーパズルは、複数のシートが積層された積層シートを所定の形状に切断したベースシートを製造し、前記ベースシートを打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に分けて形成されるジグソーパズルであって、前記積層シートは、押出成形でシート状に押し出されて形成される合成樹脂性の樹脂シートと、前記樹脂シートの一方の面に貼り合わせられ、不織布、フェルト又は織布から形成された繊維シートとからなり、前記繊維シートは、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに加圧されて貼り合わせられることを特徴とする。
本発明9のジグソーパズルは、本発明8において、前記繊維シートは、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、炭素繊維、綿繊維又は獣毛から選択される少なくとも1つから形成されているシートであることを特徴とする。
本発明10のジグソーパズルの製造方法は、押出成形で溶融した合成樹脂をシート状に押し出して軟質な樹脂シートを製造する第一工程と、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに、被貼着シートを貼り合わせ第一積層シートを形成する第二工程と、絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種を少なくとも含む模様が印刷された紙、不織布又は織布からなる印刷シートを、前記被貼着シートに貼り合わせ積層シートを形成する第三工程と、前記積層シートを一定の大きさに切断したベースシートを形成する第四工程と、前記ベースシートを打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に形成する第五工程とからなることを特徴とする。
本発明11のジグソーパズルの製造方法は、本発明10において、前記第二工程において、前記第一積層シートは、前記樹脂シートに前記被貼着シートを、加圧することにより貼り合わせられることを特徴とする。
本発明12のジグソーパズルの製造方法は、本発明10又は11において、前記第三工程において、前記印刷シートを前記被貼着シートに貼り合わせる際に、前記被貼着シートに接着剤を塗布する工程を付加したことを特徴とする。
本発明13のジグソーパズルの製造方法は、本発明10又は11において、前記第一工程において、溶融した樹脂シートの原料を発泡させる工程を付加したことを特徴とする。
本発明14のジグソーパズルの製造方法は、本発明10又は11において、前記第一工程において、溶融した樹脂シートの原料に香料を配合する工程を付加したことを特徴とする。
本発明15のジグソーパズルの製造方法は、押出成形で溶融した合成樹脂をシート状に押し出して軟質な樹脂シートを製造する第一工程と、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに、不織布、フェルト又は織布から形成された繊維シートを加圧して貼り合わせ積層シートを形成する第二工程と、前記積層シートを一定の大きさに切断したベースシートを形成する第三工程と、前記ベースシートを打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に形成する第四工程とからなることを特徴とする。
本発明16のジグソーパズルの製造方法は、本発明15において、前記繊維シートは、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、炭素繊維、綿繊維又は獣毛から選択される少なくとも1つから形成されているシートであることを特徴とする。
本発明のジグソーパズルは、意匠性の高い良質な外観を表現することができるようになり、デザイン可能性の幅が広くなった。本発明のジグソーパズルは、合成樹脂層と印刷層との間に被貼着層を介することで、密着状態良好になり、かつ、表面側又は裏面側にそりが生じ難くなった。また、本発明のジグソーパズルは、廃棄処分の際にも、汚染物質を発生させることがなく、地球環境に優しくなった。
図1は、本発明を適用したジグソーパズルの一部正面図である。 図2は、図1のA−A線で切断した一部断面図である。 図3は、図1中の1個のピース40を取り外した状態を示す一部外観図である。 図4は、ジグソーパズルの製造方法1によるジグソーパズルの製造工程を示すフロー図である。 図5は、ジグソーパズルの製造方法1により、ジグソーパズルを製造する製造ラインの模式図である。 図6は、ベースシートの一部平面図である。 図7(a)〜(d)は、図6のB−B線で切断した、ベースシートを切断する過程を示した一部断面図である。 図8は、切断した後のベースシートの一部平面図である。 図9(a)〜(d)は、図8のC−C線で切断した、ベースシートを切断する過程を示した一部断面図である。 図10は、実施の形態4のジグソーパズル1001を所定の線で切断した一部断面図である。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態1においては、ジグソーパズル1の複数のピースの内から一部のピースにのみについて説明を行う。図1は、本発明を適用したジグソーパズルの一部正面図である。図2は、図1のA−A線で切断した一部断面図である。図3は、図1中の1個のピース40を取り外した状態を示す一部外観図である。
図1に示すように、説明上矢印H方向を「縦方向」とし、矢印S方向を「横方向」として説明する。図2に示すように、説明上ジグソーパズルの厚み方向を示す矢印α方向を「上方向」とし、矢印β方向を「下方向」として説明する。各ピース、各シート等の上方向側の面は表面とし、下方向側の面は裏面として説明する。なお、一個のピースが、隣接する他のピースに嵌められている状態を「嵌合状態」として説明する。これに対し、一個のピースが、隣接する他のピースに嵌められていない状態を「非嵌合状態」として説明する。
図1〜3に示すように、ジグソーパズル1は、複数の小片であるピースから構成されている。図1に示すように、ジグソーパズル1は、すべてのピースが嵌め合わされている状態では、所定の厚みをもつ一枚の平板状態になる。各ピースは、四角形で所定の厚みをもつ直方体形状に形成され、係合雄部又は係合雌部が設けられている。本例では、各ピースの直方体形状は、縦横の寸法が約縦13mm×横13mmであり、肉厚が約2.0mmと薄く構成されている。
図1又は図3に示すように、各ピースは、その側面に他のピースを組み合わせるための係合雄部(凸状部)又は係合雌部(凹状部)が形成されている。隣接するピース同士は、係合雄部と係合雌部とがぴったりと隙間がないように嵌め合わせが可能な形状に形成されている。そして、個々のピースの形状は、微妙に異なるように形成され、全く同じピースがないように形成されている。つまり、隣接しないピース同士の係合雄部と係合雌部はぴったりと嵌め合わせることができないように形成されている。
ピース10の右隣には、ピース40が嵌め合わせることができるように形成されている。同様にピース20の右隣には、ピース30が嵌め合わせることができるように形成されている。すべてのピースを正しく並べ終えると絵画、写真、図形及びキャラクター等の模様が完成するように形成されている(図1の例では星形の模様が示されている。)。遊技者は、ピースの形状やバラバラにされたピースに描かれている模様を頼りにピースの一つ一つを並べてジグソーパズル1を完成させることができる。
このように個々のピースの形状は、微妙に異なるように形成されている。しかし、ほぼ全てのピースには、少なくとも1個の係合雄部又は係合雌部が形成されている。例えば、ピース40は、正面視すると概略四角形をしており、その側面に2つの係合雄部40m、40m’と2つの係合雌部40f、40f’とが形成されている。図3に示すように、係合雄部40mは、厚み方向に略円柱形状に形成されている。係合雄部40mは、ピース40の一の側面40aから外方に向けて形成されている。係合雄部40m’も係合雄部40mとほぼ同様に側面40bに、形成されている。
図3に示すように、係合雌部40fは、ピース40の一の側面40cの所定の位置からピース40の内方に形成されている。係合雌部40fは、ピース40の表面から裏面にかけて貫通するように形成された略円形形状の貫通孔である。即ち、係合雌部40fは、ピース40の一の側面40cを湾状に切り欠くように形成されている。係合雌部40f’も係合雌部40fとほぼ同様に、側面40dに形成されている。
図2は、図1をA−A線で切断した断面図であるが、見た目をわかりやすくするために、厚みをもたせ模式的に図案化してある。図2に示すように、各ピースは、印刷層、被貼着層及び樹脂層の3つ部材で三層構造に形成されている。例えば、ピース40は、上方向から下方向にかけて、印刷層41、被貼着層42及び樹脂層43の順番に積み重ねられて形成されている。
〔印刷層〕
図2に示すように、印刷層41は、三層構造のピース40の表層部分に位置し、ジグソーパズルの模様が印刷されている層である。ピース40の印刷層41は、本例では約0.3mmの薄いコート紙が用いられている。他のピースの印刷層も、印刷層41と同様の薄いコート紙が用いられている。各印刷層の表面には、絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種を少なくとも含む模様が描かれている。図1又は3に示すように、本例ではジグソーパズル1のピース10、20、30及び40の各印刷層には、星形の模様が印刷されている。ピース10、20、30及び40が、それぞれ嵌め合わされることで星形の模様が形成される。
星形の模様は、グラビア輪転印刷機によって印刷されたものである。なお、各印刷層の模様は、公知のいかなる印刷方法でも良いが、例えば、オフセット輪転印刷機によって印刷されたものでも良い。印刷層の印刷を施す基材には、例えば、コート紙、再生コートR100、ポリプロピレン製シート、マットコート紙、上質紙、色上質紙、ケント紙、ミラーケント紙、ヴァンヌーボFナチュラル、ヴァンヌーボVGスノーホワイト、アラベール、Mr.B、マシュマロCoC、両ザラクラフト、オリンパスクラフト又はFGSニューユポ等が用いられる。また、印刷層の基材には、印刷が可能なものであれば、不織布や織布であっても良い。
〔接着剤〕
印刷層41は、被貼着層42に接着剤を介在して接合されている(図示せず)。印刷層41と被貼着層42とを接着する接着剤としては、公知の接着剤を用いる。接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン酢酸ビニル(EVA)接着剤等が用いられる。本例の印刷層41と被貼着層42とを接着する接着剤は、ホットメルト接着剤が用いられている。他のピースの印刷層と被貼着層を接合する接着剤も、ピース40と同様のものが用いられて形成されている。
〔被貼着層〕
図2に示すように、被貼着層42は、三層構造の各ピースの中間層部分に位置し、印刷層41と樹脂層43を貼り合わせるために配置した層である。被貼着層42は、表面に印刷層41が貼り合わせられ、裏面に樹脂層43が貼り合わせられている。被貼着層42と印刷層41とは、接着剤によって貼り合わせられている。後述するように、被貼着シート(被貼着層42を構成する連続シート)102の空隙に接着剤が充填されて印刷シート101(印刷層41を構成する連続シート)と貼り合わせられるため(図5参照)、被貼着層42と印刷層41とは、接着状態が良好である。
被貼着層42は、接着剤等を用いることなく、樹脂層43に直接貼り合わされている。被貼着層42の裏面の繊維は、樹脂層43にくい込むような状態で貼り合わされている(図示せず)。後述する樹脂シート(樹脂層43を構成する連続シート。)103は、押出しされた直後の未硬化状態で被貼着シート102に貼り合わせられ、その後に硬化するため、被貼着層42と樹脂層43とは、接着剤を用いることなく接着が可能となる。樹脂シート103は、未硬化状態のときに被貼着シート102の空隙に一部が充填され、その後に硬化する。また、樹脂シート103は、未硬化状態のときに被貼着シート102に含まれる繊維がくい込んで、その後に硬化する。このため、被貼着層42と樹脂層43とは、接着剤を用いることなく接着状態が良好である。
被貼着層42は、本例ではポリプロピレン製の不織布が用いられている。各被貼着層42は、約0.2mmの薄いシート状に形成されている。不織布を用いる場合、その繊維目付け量(単位面積あたりの質量)は、10〜50g/m、特に15〜30g/mのものが望ましい。被貼着層42と樹脂層43とは、同種の材料で構成されているため、接着状態が良好であり、しっかりと一体化するように積層されている。他のピースの被貼着層も、被貼着層42と同様に形成されている。
なお、被貼着層42が不織布であることを前提に説明をした。しかし、被貼着層42は、不織布に限らず、織布であってもよい。つまり、被貼着層42が、樹脂層43としっかり接合できるのであれば、不織布でなくとも良い。なお、織布を使用する場合にも、接合の状態を良くするため、一方の面及び/又は他方の面が粗面化されていると良い。織布の一方の面及び/又は他方の面に対して、公知所定の手段を用いて繊維をかき出したり、擦り合わせたりすることでさらに粗面化しても良い。
〔樹脂層〕
樹脂層43は、三層構造のピース40の裏層部分に位置し、ピース40に厚みを与える基礎部材として設けられた層である。樹脂層43は、弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂と熱可塑性エラストマーとを配合した組成物である。本例では樹脂層43は、ポリプロピレンと熱可塑性のオレフィン系エラストマーとを配合した合成樹脂の組成物である。樹脂層43は、ピース40を他のピースに嵌め込むことができるように所定の厚みを持つように形成されている。樹脂層43は、本例では印刷層41又は被貼着層42に比べて厚みを持つように約1.5mmの厚みに形成されている。
樹脂層43は、合成樹脂の組成物であるので、色彩や模様を自由に選択することができる。樹脂層43は、本例では無地の白色になるように着色されている。樹脂層43は、既存のボール紙のような安価な印象がなく、意匠性に優れ、高級感が演出される。このように、本例の樹脂層43は、意匠性の高い良質な外観を表現することができるため、デザインの可能性の幅も広くなっている。樹脂層43は、光が透過するように透明又は半透明にされたものであっても良い。樹脂層43は、オレフィン系エラストマーの混入により、ポリプロピレンのみから構成された樹脂層に比べて軟質に形成することができる。
樹脂層43を軟質にしているのは、後述する打抜装置800でベースシート110を打ち抜くとき、打ち抜き易くするためでもある(図5参照)。また、打抜装置800の打抜縦刃801及び打抜横刃802の劣化を防ぐためでもある。このため、打ち抜きやすさや、打抜縦刃及び打抜横刃の劣化という点に考慮しなくて良いのであれば、樹脂層43は、ポリプロピレンのみから構成された樹脂層にしても良い。また、樹脂層43は、ポリプロピレンに限らず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から選択される少なくとも1つの熱可塑性合成樹脂であっても良い。他のピースの樹脂層も、樹脂層43と同様に形成されている。
〔積層体〕
図2又は3に示すように、各ピースは、各印刷層、各被貼着層及び各樹脂層が順番に積層されて構成されている一体の積層体である。各ピースは、所定の厚みを持つ樹脂層を基礎部材とした積層体である。各ピースは、各樹脂層が所定の厚みを持つことにより、隣接するピース同士で嵌め込むことができる。各ピースは、後述する積層体であるベースシート110を打ち抜くことで形成されている(図5参照)。後述するように、ピース40は、印刷層111、被貼着層112及び樹脂層113が積層されたベースシート110を、打抜装置800で打ち抜いて形成されている(図2、3及び5参照)。
図7(a)〜(d)又は図9(a)〜(d)で示すように、ピース40の印刷層41は、ベースシート110の印刷層111の一部を打ち抜いたものである。また、ピース40の被貼着層42は、ベースシート110の被貼着層112の一部を打ち抜いたものである。さらに、ピース40の樹脂層43は、ベースシート110の被貼着層112の一部を打ち抜いたものである。各ピースは、各印刷層及び各樹脂層とが、各被貼着層を介在して接合されているため、接着性がよくしっかりと一体化して形成されている。
〔ジグソーパズルの製造方法1〕
次に、ジグソーパズルの製造方法1を図面にもとづいて説明する。以下のジグソーパズルの製造方法1は、各ピースの樹脂層が、熱可塑性のポリプロピレンと熱可塑性のオレフィン系エラストマーとを配合した合成樹脂の組成物である場合の製造方法である。図4は、ジグソーパズルの製造方法1によるジグソーパズルの製造工程を示すフロー図である。
図5は、ジグソーパズルの製造方法1により、ジグソーパズルを製造する製造ラインの模式図である。図6は、ベースシートの一部平面図である。図7(a)〜(d)は、図6のB−B線で切断した、ベースシートを切断する過程を示した一部断面図である。図8は、切断した後のベースシートの一部平面図である。図9(a)〜(d)は、図8のC−C線で切断した、ベースシートを切断する過程を示した一部断面図である。
以下、図4に記載されたフロー図に従って、製造工程の概略を説明する。押出工程S1では、樹脂シート103が、押出成形機200で押出成形される。第一積層工程S2では、樹脂シート103に、被貼着シート102を積層して第一積層シート100’を製造する。第二積層工程S3では、第一積層シート100’に、印刷シート101を積層して積層シート100を製造する。調整工程S4では、積層シート100を調整装置600に通す。切出工程S5では、積層シート100を切断して、所定長さのベースシート110を製造する。打抜工程S6では、ベースシート110を打ち抜きジグソーパズル1を製造する。取出工程S7では、ジグソーパズル1を取り出す。以上の製造工程をとることによりジグソーパズル1が完成する。
次に、図5に記載された、模式図を用いてジグソーパズル1が製造されるまでの工程について具体的に説明する。ジグソーパズル1の製造システムは、押出機200、操出装置300’、300、引取りローラ401、402、403、404、第一圧着装置500’、第二圧着装置500、調整装置600、切断機700及び打抜装置800が配置され、これらを利用してジグソーパズル1は製造される。
<押出工程S1>
押出工程S1は、押出機200を用いて樹脂シート103を製造する工程である。図5に示すように、樹脂シート103は、所定の材料から押出機200で製造される。押出機200は、ジグソーパズル1の各ピースの各樹脂層となる樹脂シート103を成形するための押出成形装置である。樹脂シート103の材料は、主として熱可塑性合成樹脂と熱可塑性エラストマーである。
熱可塑性合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン及びポリエチレンテレフタラート等のいずれか一種以上を使用する。熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾性を示し、溶融では熱可塑性の樹脂と同様に可塑化され成形できるという性質を有する。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリエステル系熱可塑性エラストマー等のいずれか一種以上を使用する。
押出機200には、ポリプロピレン及び熱可塑性のオレフィン系エラストマー等を混合した熱可塑性樹脂組成物が供給される。ポリプロピレンと熱可塑性エラストマーは、ジグソーパズルの色彩、模様及び固さ等に応じてその配合割合と素材を適宜調整すると良い。樹脂シート103は、無地の白色になるように顔料等で調整されている。供給された材料は、加熱シリンダ内で溶融し、混練された後、スクリュで押し出し、先端のダイ201でシート状に成形され、樹脂シート103になる。
熱可塑性エラストマーとしては、前述したようにオレフィン系エラストマーの他にスチレン系エラストマー又はポリエステル系エラストマーを用いても良い。本例で用いるこの熱可塑性のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、三菱化学社(本社:日本国東京都)製サーモラン(登録商標)や、同社のゼラス(登録商標)を用いると良い。また、熱可塑性のスチレン系エラストマーとして、三菱化学社製ラバロン(登録商標)を用いても良い。さらに、熱可塑性のポリエステル系エラストマーとして、例えば、三菱化学社製プリマロイ(登録商標)を用いても良い。
樹脂シート103は、押出機200で、押し出された直後は、固体に近いが完全には硬化していない未硬化状態でシート状に成形される。このとき、ポリプロピレン及び熱可塑性のオレフィン系エラストマーからなる樹脂組成物の樹脂シート103の場合は、約120℃〜250℃の状態で押し出されている。樹脂シート103は、圧延ローラを用いて所定の厚さ(例えば、1.5mm)、所定の幅(例えば、1200mm)のシート状にされる。樹脂シート103は、引取りローラ401に引き取られていき第一圧着装置500’に移動する。
図5に示すように、引取りローラ401は、回転駆動される駆動ローラとニップローラ(回転駆動してもよいし、回転駆動しないで駆動ローラーに従って回転してもよい。)とから構成される。なお、後述する引取りローラ402、403、404も同様の構成である。樹脂シート103は、未硬化状態のまま第一圧着装置500’に移動する。このとき、ポリプロピレン及び熱可塑性のオレフィン系エラストマーを含む樹脂シート103は、約50〜150℃の温度の範囲内で第一圧着装置500’に移動する。つまり、樹脂シート103は、押出機200で押し出された直後に比較して低い温度の状態で、第一圧着装置500’へ送られる。樹脂シート103は、押出機200から第一圧着装置500’へ送られ、移動することにより自然に冷却される。
図5に示すように、樹脂シート103は、一台の引取りローラ401で押出機200から第一圧着装置500’に送られる。しかし、複数台の引取りローラを配置して送っても良いことは、いうまでもない。例えば、押出機200と第一圧着装置500’の間に、引取りローラを上下方向に複数設けても良い。樹脂シート103は、上下に設けられた複数の引取りローラを通り、ジグザグ状に進行することによって、短い距離でその温度を下げることができる。
<第一積層工程S2>
第一積層工程S2は、樹脂シート103に被貼着シート102を貼り合わせて第一積層シート100’を第一圧着装置500’で製造する工程である。図5に示すように、押出機200で成形された樹脂シート103は、操出装置300’から繰り出された被貼着シート102とあわせられて第一圧着装置500’に導かれる。被貼着シート102は、前述した被貼着層42を構成する部材である。被貼着シート102は、本例では接着剤又は未硬化状態の樹脂シートが充填される空間である空隙が表面又は裏面に形成されているポリプロピレン製の不織布から形成されている。
被貼着シート102は、樹脂シート103と同じ幅(例えば1200mm)のものを用意する。被貼着シート102は、巻取装置によって巻き取られ第一ロール102rに巻かれており、繰出装置300’に設置されている。繰出装置300’は、リールスタンド(図示せず)とインフィード装置301’から構成されている。リールスタンドは、第一ロール102rを回転できるように支持している。インフィード装置301’は、第一ロール102rより繰り出される被貼着シート102の張力と速度を均一にする。被貼着シート102は、第一ロール102rより操出装置300’によって第一圧着装置500’に向かって繰り出される。
第一圧着装置500’は、樹脂シート103に被貼着シート102を積層して第一積層シート100’を製造する装置であり、一対の圧着ローラ501’、502’から構成されている。圧着ローラ501’は、回転駆動されるローラである。圧着ローラ502’は、回転駆動するローラでも良いし、回転駆動しないで圧着ローラ501’に従って回転する従ローラでも良い。一対の圧着ローラ501’と502’との間には、樹脂シート103と被貼着シート102とを挟み込んで加圧するために、所定の間隔(隙間)であるニップ部が設けられている。本例では、ニップ部は、例えば1.7mmの間隔に形成されている。
樹脂シート103の表面には、被貼着シート102の裏面が合わせられてニップ部に導かれる。本例では、被貼着シート102、樹脂シート103の順番に合わされた状態では、約1.7mmの厚さになっている。被貼着シート102と樹脂シート103とが、ニップ部に挟み込まれ、所定の圧力で加圧されて貼り合わされて第一積層シート100’が製造される。本例では、第一積層シート100’は、1.7mmの厚さに積層されて製造される。
即ち、被貼着シート102は、ニップ部において、未硬化状態の樹脂シート103に所定の圧力で加圧されて貼り合わせられる。このとき、未硬化状態の樹脂シート103は、約50℃〜150℃の温度の範囲内である。加圧された被貼着シート102と樹脂シート103とは、密着して積層された状態になる。このとき、被貼着シート102に含まれている繊維が、未硬化状態の樹脂シート103に食い込む。
このために被貼着シート102は、その粗面化されている繊維が樹脂シート103にしっかりとくい込んだ状態で積層さていれる。その後、樹脂シート103の温度が下がり完全に硬化すると、被貼着シート102、樹脂シート103とが一体化するように積層された第一積層シート100’になる。このように、第一積層シート100’は、接着剤等を必要とすることなく、樹脂シート103に被貼着シート102を一体化するように積層され製造される。
被貼着シート102と樹脂シート103とは、同種の材料で構成されているため、接着状態が良好でしっかりと一体化するように積層されている。また、第一積層シート100’は、不織布から形成される被貼着シート102に樹脂シート103を貼り合わせて積層されているためそりが生じ難い。つまり、第一積層シート100’は、樹脂シート103が冷めて熱収縮しても被貼着シート102に空隙が形成されているため、そりが生じ難い。第一積層シート100’は、引取りローラ402に引き取られていき、第二圧着装置500に送られる。
なお、被貼着シート102は、空隙がより多く形成されるように一方の面及び/又は他方の面が粗面化されているとさらに良い。不織布は、繊維の端が若干突出して粗面化されているが、不織布の繊維が突出している突出量は、極めて少量である。このため、被貼着シート102に起毛処理を施し、その表面又は裏面をさらに粗面化すると良い。起毛処理は、繊維加工技術分野で公知の所定の部材を用いて、被貼着シート102の繊維をかき出したり、擦り合わせたりすることで行なうと良い。
被貼着シート102は、その表面又は裏面に起毛処理が施されることにより、毛羽立たせてさらに粗面化するため空隙がより多く形成される。このように粗面化された被貼着シート102は、接着剤が良く充填されるため、完成品であるピース40の被貼着層42と印刷層41の接着状態が良好になる。また、同様に、被貼着シート102は、未硬化のときに樹脂シート103が良く充填されるため、完成品であるピース40の被貼着層42と樹脂層43との接着状態が良好になる。
なお、被貼着シート102に用いられる不織布は、合成繊維、再生繊維又は天然繊維等の繊維から形成されているものでもよい。つまり、被貼着シート102は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、炭素繊維、綿繊維又は獣毛等から選択される少なくとも1つの繊維から形成された不織布を用いても良い。さらに、不織布の製造方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等の公知方法により製造されたものを用いると良い。
<第二積層工程S3>
第二積層工程S3は、第一積層シート100’に印刷シート101を貼り合わせて積層シート100を第二圧着装置500で製造する工程である。図5に示すように、第一圧着装置500’より成形された第一積層シート100’は、操出装置300より繰り出された印刷シート101と積層されて第二圧着装置500に導かれる。印刷シート101は、コート紙で作られている。
コート紙は、一般的に商業印刷に利用されているものであり、本例では約0.3mmのものを用いる。印刷シート101は、巻取装置によって巻き取られ第二ロール101rにされて、繰出装置300に設置されている。繰出装置300、リールスタンド(図示せず)及びインフィード装置301の構成は、操出装置300’リールスタンド(図示せず)及びインフィード装置301’とほぼ同様の構成なので説明は省略する。印刷シート101は、第二ロール101rより操出装置300によって第二圧着装置500に向かって繰り出される。
第二圧着装置500、圧着ローラ501及び502は、第一圧着装置500’、圧着ローラ501’及び502’とほぼ同様の構成なので説明は省略する。一対の圧着ローラ501と502との間には、第一積層シート100’と印刷シート102とを貼り合わせて通過させるために、所定の間隔(隙間)のニップ部が設けられている。本例では、ニップ部は、2.0mmの間隔に形成されている。
図5に示すように、第一積層シート100’の表面には、印刷シート101の裏面が貼り合わせられてニップ部に導かれる。ニップ部に導かれる前に、第一積層シート100’の表面及び/又は印刷シート101の裏面には、接着剤が塗工ローラ等により塗布される(図示せず)。第一積層シート100’、印刷シート101の順番に貼り合わされた状態では、約2.0mmの厚さになっている。貼り合わされた第一積層シート100’と印刷シート101とが、ニップ部を通過し、所定の圧力で加圧されることで、積層シート100が製造される。積層シート100は、2.0mmの厚さに積層されて製造される。
第一積層シート100’と印刷シート101とは、接着剤を介在した状態で、ニップ部で所定の圧力で加圧されて貼り合わされる。第一積層シート100’に塗布する接着剤は、公知の接着剤でもよい。本ジグソーパズルの製造方法1において、接着剤は、ホットメルト接着剤を用いた。ホットメルト接着剤は、第一積層シート100’と印刷シート101とが、ニップ部に導かれる前に、加熱溶融されて塗布される(図示せず)。その後、ホットメルト接着剤は、冷却されて固化し、第一積層シート100’と印刷シート101とを接着する。被貼着シート102に塗布される接着剤は、被貼着シート102の空隙に充填されるため、被貼着シート102と印刷シート101との接着状態が良好である。
第一積層シート100’と印刷シート101とを加圧することにより、密着して積層された積層シート100が製造される。積層シート100は、上から印刷シート101、被貼着シート102、樹脂シート103の順に積層された状態になる。このような製造過程で製造された積層シート100は、印刷シート101と樹脂シート103との間に被貼着シート102を介することにより、それぞれのシートが剥がれにくくなっている。積層シート100は、引取りローラ403に引き取られていき、調整装置600に移動する。
<調整工程S4>
調整工程S4は、積層シート100を、調整装置600に通すことにより、そりがない平らな平面に調整する工程である。図5に示すように、調整装置600は、調整ローラ601、602から構成されている。調整ローラ601は、回転駆動される駆動ローラとニップローラ(回転駆動してもよいし、回転駆動しないで駆動ローラーに従って回転してもよい。)とから構成されている。調整ローラ602も同様の構成である。調整ローラ601と調整ローラ602とは、異なる高さに配置されている。
ジグソーパズルの製造方法1において、調整ローラ601は、引取りローラ403、404より高い位置に配置されている。調整ローラ601は、引取りローラ403、404より低い位置に配置されている。積層シート100は、調整ローラ601を通過するときに上方向に曲がり、調整ローラ602を通過するときに下方向に曲がりながら移動する。積層シート100は、異なる高さに配置されている調整ローラ601、602を通過することにより、繰り返しの曲げ応力をかけて内部応力を減少させて、そりがない平らな平面に調整される。調整装置600を通過した積層シート100は、引取りローラ404に引き取られていき、切断装置700に移動する。
<切出工程S5>
切出工程S5は、積層シート100を、切断装置700で切断することによりベースシート110を形成する工程である。図5に示すように、切断装置700には、切断刃701が設けられている。調整装置600を通過した積層シート100は、引取りローラ404に引き取られていき、切断装置700に移動する。積層シート100は、切断装置700の切断刃701で所定の大きさの長方形形状に切り取られベースシート110が形成される。
ジグソーパズルの製造方法1において、ジグソーパズルは、長方形形状に切り取られているが、他の形状に切り取られたものであっても良いことはいうまでもない。図7(a)〜(d)に示すように、ベースシート110は、印刷層111、被貼着層112及び樹脂層113が積層されて形成されている。印刷層111は、印刷シート101が切断されたものである。被貼着層112は、被貼着シート102が切断されたものである。樹脂層113は、樹脂シート103が切断されたものである。
<打抜工程S6>
打ち抜き工程は、ベースシート110を、打抜装置800で打ち抜くことで、複数のピースから構成されるジグソーパズル1を製造する工程である。図5の製造システム示すように、打抜装置800には、打抜縦刃801と打抜横刃802とが設けられている。打抜縦刃801及び打抜横刃802は、ベースシート110を複数のピースに切り分けるための刃である。ベースシート110が、打抜縦刃801及び打抜横刃802で切り分けられることにより、各ピースに係合雄部又は係合雌部が形成される。
打抜縦刃801は、縦方向に略平行になるように所定の間隔で複数設けられている。打抜横刃802は、横方向に略平行になるように所定の間隔で複数設けられている。ベースシート110は、打抜縦刃801又は打抜横刃802で打ち抜かれる過程において、ずれないようにベースシート110の寸法に合わせた型に入れられると良い。次に、図7〜10にしたがって、ベースシート110が打ち抜かれて、ジグソーパズル1が形成される工程を詳しく説明する。
図6に示すように、ベースシート110は、表面に模様が印刷されている。図7(a)に示すように、まず、打抜縦刃801が、印刷層111の表面にあてられる。打抜縦刃801は、印刷層111の表面にあてた状態で、下方向に押圧される。図7(b)に示すように、印刷層111は、所定の力以上で打抜縦刃801が押圧されると弾性変形した後、打ち抜かれる。同様に、被貼着層112も、所定の力以上で打抜縦刃801が押圧されると弾性変形した後、打ち抜かれる。
図7(c)に示すように、樹脂層113は、所定の力以上で打抜縦刃801が押圧されると弾性変形し、打ち抜かれる。打抜縦刃801は、樹脂層113の裏面より僅かに刃先を突き出す程度のところで止められる。図7(d)に示すように、打抜縦刃801が、上方向に移動され、ベースシート110より抜きとられると、ベースシートは切断された状態になる。図8に示すように、ベースシート110は、打抜縦刃801で打ち抜かれることにより縦方向に切断された状態になる。
次に図9(a)に示すように、まず、打抜横刃802が、印刷層111の表面にあてられる。打抜横刃802は、印刷層111の表面にあてた状態で、下方向に押圧される。図9(b)に示すように、印刷層111は、所定の力以上で打抜横刃802が押圧されると弾性変形し、打ち抜かれる。同様に、被貼着層112も、所定の力以上で打抜横刃802が押圧されると弾性変形し、打ち抜かれる。図9(c)に示すように、樹脂層113は、所定の力以上で打抜横刃802が押圧されると弾性変形し、打ち抜かれる。打抜横刃802は、樹脂層113の裏面より僅かに刃先を突き出す程度のところで止められる。
図9(d)に示すように、打抜横刃802が、上方向に移動され、ベースシート110より抜きとられると、ベースシート110は切断された状態になる。ベースシート110は、打抜横刃802で打ち抜かれることにより横方向にも切断されジグソーパズル1が完成する。ベースシート110は、打抜装置800で打ち抜かれることにより複数のピースから構成されるジグソーパズル1になる。
ピース40を例にして、打ち抜かれて形成されたピースの各層と、ベースシート110の各層との関係を説明する。印刷層41は、印刷層111の一部が打ち抜かれて形成されている。被貼着層42は、被貼着層112の一部が打ち抜かれて形成されている。樹脂層43、樹脂層113の一部が打ち抜かれて形成されている。
<取出工程S7>
取出工程S7は、完成したジグソーパズル1を取り出す工程である。ジグソーパズル1を型から取りだす。ジグソーパズル1にバリなどができている場合には、それを取り除く。ジグソーパズル1をバラバラに分解して、ピースの状態にしてパッケージ等に詰め込み包装をする。
このような製造工程で製造されたジグソーパズルは、基礎部材が合成樹脂であるため、ボール紙等を基礎部材にしているものに比べて、意匠性が良く、高級感が演出される。また、このジグソーパズルは、合成樹脂層と印刷層との間に被貼着層を介することで、積層体として密着状態が良好である。つまり、基礎部材となる樹脂シートが未硬化状態の時に、被貼着層を貼り合わせておくことで、印刷シートを樹脂シートに接着剤で貼り合わせることができる。このジグソーパズルは、合成樹脂層と印刷層との間に空隙が形成された被貼着層を介することで、そりが生じにくい。つまり、合成樹脂層の表面と裏面に被貼着層と印刷層を貼り合わせて、合成樹脂層の表面と裏面にかかるテンションの調整をしなくてもそりが生じにくい。
また、このような製造工程で製造されたジグソーパズルは、容易に、かつ、連続して製造することが可能であり、大量生産がしやすくなり、低コスト化を図ることができ、製造費、人件費の削減が図れる。ジグソーパズルの製造方法1では、被貼着シート102は、不織布を用いた。印刷シートを貼り合わせることができる部材であれば、他の部材でも良い。例えば、被貼着シートを織布にして、未硬化状態の樹脂シートに貼り合わせても良い。又は、被貼着シートは、不織布又は織布を含んでいればどのようなシートでも良い。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1の合成樹脂組成物で構成されていた各ピースの樹脂層(例えば、樹脂層43)を変更したものであり、気孔が細かく分散されており、気孔が独立した発泡または気孔が連続している多孔質形状に成形されている発泡層にしたものである。つまり、実施の形態2は、実施の形態1を利用した形態である。なお、実施の形態2の説明では、実施の形態1と外観上変わる部分はないので、図2又は図3を参考にして説明を行なう。実施の形態2においては、実施の形態1で樹脂層43として説明していた部分を、発泡層43として説明をする。また、実施の形態2は、実施の形態1の樹脂層(例えば、樹脂層43)を発泡層に変更したものであるので他の部分の詳細な説明は省略する。
図2又は3に示すように、発泡層43は、ピースに厚みを与える基礎部材として設けられた、ピースの一部を構成する部分である。発泡層43は、三層構造の各ピースの裏層部分を構成している。発泡層43は、ポリプロピレン、熱可塑性のオレフィン系エラストマー及び発泡剤を配合した発泡合成樹脂の組成物である。発泡層43は、約1.5mmの厚さのシートから形成されている。発泡層43は、発泡性合成樹脂の組成物であり、色彩や模様を自由に選択する。発泡層43は、実施の形態1で用いられた樹脂層と比べて軟質に形成されている。発泡層43は、気孔が細かく分散されており、発泡状または多孔質形状に成形されているため、実施の形態1で説明した樹脂層と比べて軟質に形成されている。
発泡層43を軟質にしているのは、打抜装置800でベースシート110を打ち抜くとき、打ち抜き易くするためのである。また、打抜装置800の打抜縦刃801及び打抜横刃802の劣化を防ぐためでもある。発泡層43は、接着剤等を用いることなく、被貼着層42に直接接合されている。発泡層43には、被貼着層42を構成する不織布の繊維がくい込んで接合されている。これは、被貼着層42を形成する被貼着シート101が、発泡を形成する未硬化状態の発泡シートに所定の圧力で加圧されて接合されるためである。
〔ジグソーパズルの製造方法2〕
次に、樹脂層の代わりに発泡層を用いた実施の形態2のジグソーパズルの製造方法2について説明する。ジグソーパズルの製造方法2は、ジグソーパズルの製造方法1の押出成形の工程で樹脂シートではなく、気孔が細かく分散されており、発泡状または多孔質形状に成形されている発泡シートを製造する点のみが異なる。ジグソーパズルの製造方法2は、ジグソーパズルの製造方法1を利用した製造方法であるため、異なる工程である押出工程のみを説明し、他の工程についての詳細な説明は省略する。
ジグソーパズルの製造方法2において、押出機200には、ポリプロピレン、熱可塑性のオレフィン系エラストマー及び発泡剤等からなる熱可塑性樹脂組成物を供給される。供給された材料は、加熱シリンダ内で溶融し、混練された後、スクリュで押し出し、先端のダイ201でシート状に成形され、発泡シートになる。発泡層を形成させる樹脂は、ジグソーパズル1の製造方法であげられた樹脂(例えばポリプロピレン)を用いれば良い。なお、発泡層は、ポリプロピレンに限らず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から選択される少なくとも1つの熱可塑性合成樹脂を用いても良い。
発泡剤は、樹脂層に均質に分散させて混合でき、組成物の溶融温度ないしはそれ以上の温度で発泡するものであれば特に限定されることなく用いられる。発泡剤のうち無機系発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等を用いる。発泡剤のうち有機系発泡剤としては、N,N’−ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビス・イソブチロニトリル、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエン・スルホニル・ヒドラジド、p−トルエン・スルホニル・セミカルバジド、バリウム・アゾジカルボキシレート等を用いる。
さらに、発泡剤としては、水、結晶水含有無機物、吸湿性樹脂(カリウムアイオノマー等)等を用いる。ジグソーパズルの製造方法1と同様に、発泡シートを基礎部材として第一積層シート、積層シートを順番に形成し、ベースシートを形成する。ベースシートを構成する発泡シートは、気孔が分散されているため軟質であり、打抜装置800で打ち抜き易い。このため、打抜装置800の打抜縦刃801及び打抜横刃802の劣化を防げる。
〔実施の形態3〕
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3は、実施の形態1で合成樹脂組成物で構成されていた各ピースの樹脂層に香料を含めた点のみが異なる。つまり、実施の形態3は、実施の形態1を利用した形態である。なお、実施の形態3の説明では、実施の形態1と外観上変わる部分はないので、図2又は図3を参考にして説明を行なう。また、実施の形態3は、実施の形態1の樹脂層に香料を含めただけなので他の部分の詳細な説明は省略する。
実施の形態3において、ジグソーパズルの各ピースの基礎部材である樹脂層は、香料を含んでいる。香料は、樹脂層に均質に分散させて混合でき、遊戯中に邪魔にならない程度の香りを有するものであれば特に限定されることなく用いられる。香料としては、例えば、柑橘類オイル、果実エッセンス、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、クローブオイル、ヒメコウジオイル及びアニスオイルのような植物や果実由来のオイルが用いられる。また、人工的に生産された合成香料を用いても良い。
〔実施の形態4〕
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4は、実施の形態1を利用した形態であり、各ピースの印刷層41がなく、被貼着層42が繊維層1042に変更されている点が異なる。つまり、実施の形態4のジグソーパズル1001は、樹脂層1043と繊維層1042で構成されている。実施の形態4の樹脂層1043は、実施の形態1の樹脂層43とほぼ同様なので詳細な説明は省略する。図10は、実施の形態4のジグソーパズル1001を所定の線で切断した一部断面図である。
図10に示すように、繊維層1042は、二層構造のピース1040の表層部分を構成する。繊維層1042は、獣毛を集めて圧縮して形成された肌触りの良いフェルトから形成されている。繊維層1042は、無地でも良く、絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される一種を含む模様が描かれたものでも良い。繊維層1042は、接着剤等を用いることなく、樹脂層1043にくい込むような状態で直接貼り合わされている。繊維層1042は、実施の形態1の被貼着層42に用いられる不織布又は織布と同様のものを用いても良い。また、繊維層1042は、ベルベット等の肌触りの良い織物を用いても良い。
実施の形態4のジグソーパズルの製造方法は、ジグソーパズルの製造方法1を利用した製造方法であるため、図4又は5に基づいて異なる工程のみを説明する。本例の第一積層工程S2において、樹脂シート103に貼り合わせるシートが、被貼着シート102ではなく繊維シート(繊維層1042を構成するフェルトの連続シート)に変更される(図4参照)。第一積層工程S2は、樹脂シート103に繊維シートを貼り合わせて積層シートを圧着装置で製造する工程になる。
本例のジグソーパズル1001は、各ピースに印刷層がなく、印刷シートを貼り合わせる工程も必要無いため、第二積層工程S3は除かれる。つまり、樹脂シート103には、繊維シートのみが貼り合わせられ、印刷シートが貼り合わされることなく積層シートが製造される。積層シートが製造された後の工程については、同様なので説明は省略する。本例のジグソーパズルは、表層部分である繊維層1042がフェルトで構成されているため、肌触りが良く、今までにない高級感が演出される。
以上、本発明の種々の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。各ピースの縦横の寸法は、約10mm角から50mm角の間であれば、どのような寸法でも良い。各ピースは、1.0から6.0mmの厚みがあれば良く、印刷層、樹脂層及び被貼着層もこれに合わせて適宜その厚みを変えればよい。例えば、ピースの数の多いジグソーパズルの場合は、印刷層を厚くすると、すべて嵌め合わせたときに安定する。さらに、ジグソーパズル内に金属片、ビーズ、宝石及びラメ等を入れて意匠性を向上させても良いことはいうまでもない。
1 … ジグソーパズル
10〜40 … ピース
100 … 積層シート
101 … 印刷シート
102 … 被貼着シート
103 … 樹脂シート
200 … 押出機
300、300’ … 操出装置
401、402 403 … 引取りローラ
500 … 圧着装置
600 … 調整装置
700 … 切断機
800 … 打抜装置
1001 … ジグソーパズル
1040 … ピース
1042 … 繊維層
1043 … 樹脂層

Claims (16)

  1. 複数のシートが積層された積層シート(100)を所定の形状に切断したベースシート(110)を製造し、前記ベースシート(110)を打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に分けて形成されるジグソーパズル(1)であって、
    前記積層シート(100)は、
    押出成形でシート状に押し出されて形成される合成樹脂性の樹脂シート(103)と、
    絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種を含む模様が印刷された紙、不織布又は織布からなる印刷シート(101)と、
    一方の面に前記樹脂シートが貼り合わせられ、他方の面に前記印刷シートが貼り合わせられる被貼着シート(102)とからなり、
    前記被貼着シートは、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに加圧されて貼り合わせられている
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  2. 請求項1に記載されたジグソーパズルであって、
    前記被貼着シートは、不織布又は織布を含むシートからなる
    ことを特徴とするジグソーパズル
  3. 請求項2に記載されたジグソーパズルであって、
    前記被貼着シートは、前記樹脂シート(103)と貼り合わせられる一方の面が粗面化されている
    ことを特徴とするジグソーパズル
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたジグソーパズルであって、
    前記印刷シートは、接着剤を用いて前記被貼着シートに貼り合わせられている
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたジグソーパズルであって、
    前記樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から選択される少なくとも1つの熱可塑性合成樹脂を発泡させて、複数の孔が形成されている発泡シートである
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたジグソーパズルであって、
    前記樹脂シートは、香料を含んでいる
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載されたジグソーパズルであって、
    前記複数の小片は、弾性変形することで密着して嵌め合う
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  8. 複数のシートが積層された積層シート(100)を所定の形状に切断したベースシート(110)を製造し、前記ベースシート(110)を打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に分けて形成されるジグソーパズル(1)であって、
    前記積層シート(100)は、
    押出成形でシート状に押し出されて形成される合成樹脂性の樹脂シート(103)と、
    前記樹脂シートの一方の面に貼り合わせられ、不織布、フェルト又は織布から形成された繊維シート(102)とからなり、
    前記繊維シートは、前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シートに加圧されて貼り合わせられる
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  9. 請求項8に記載されたジグソーパズルであって、
    前記繊維シートは、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、炭素繊維、綿繊維又は獣毛から選択される少なくとも1つから形成されているシートである
    ことを特徴とするジグソーパズル。
  10. 押出成形で溶融した合成樹脂をシート状に押し出して軟質な樹脂シート(103)を製造する第一工程(S1)と、
    前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シート(103)に、被貼着シート(102)を貼り合わせ第一積層シート(100’)を形成する第二工程(S2)と、
    絵画、写真、図形、記号、文字及びキャラクターから選択される1種を少なくとも含む模様が印刷された紙、不織布又は織布からなる印刷シート(101)を、前記被貼着シート(102)に貼り合わせ積層シート(100)を形成する第三工程(S3)と、
    前記積層シート(100)を一定の大きさに切断したベースシート(110)を形成する第四工程(S4)と、
    前記ベースシート(110)を打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に形成する第五工程(S5)と、
    からなることを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  11. 請求項10に記載されたジグソーパズルの製造方法であって、
    前記第二工程(S2)において、前記第一積層シート(100’)は、前記樹脂シート(103)に前記被貼着シート(102)を、加圧することにより貼り合わせられる
    ことを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載されたジグソーパズルの製造方法であって、
    前記第三工程(S3)において、前記印刷シート(101)を前記被貼着シート(102)に貼り合わせる際に、前記被貼着シート(102)に接着剤を塗布する工程を付加した
    ことを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  13. 請求項10又は11に記載されたジグソーパズルの製造方法であって、
    前記第一工程(S1)において、溶融した樹脂シートの原料を発泡させる工程を付加した
    ことを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  14. 請求項10又は11に記載されたジグソーパズルの製造方法であって、
    前記第一工程(S1)において、溶融した樹脂シートの原料に香料を配合する工程を付加した
    ことを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  15. 押出成形で溶融した合成樹脂をシート状に押し出して軟質な樹脂シート(103)を製造する第一工程(S1)と、
    前記押出成形後の完全に硬化していない未硬化状態の前記樹脂シート(103)に、不織布、フェルト又は織布から形成された繊維シート(102)を加圧して貼り合わせ積層シート(100’)を形成する第二工程(S2)と、
    前記積層シート(100)を一定の大きさに切断したベースシート(110)を形成する第三工程(S3)と、
    前記ベースシート(110)を打ち抜き刃で打ち抜いて複数の小片に形成する第四工程(S4)と
    からなることを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
  16. 請求項15に記載されたジグソーパズルの製造方法であって、
    前記繊維シートは、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、炭素繊維、綿繊維又は獣毛から選択される少なくとも1つから形成されているシートである
    ことを特徴とするジグソーパズルの製造方法。
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