JP5635485B2 - モルタル剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート躯体に施工されたモルタルを剥離するモルタル剥離装置を使用したモルタル剥離方法に関する。
建築物では、コンクリート躯体の表面に所定厚さのモルタルを施工することによって仕上げが行われているが、経年後のモルタルの改修工事、壁や天井の増厚による耐震補強工事等の必要が生じた場合、新たな仕上げ施工や増厚に先立ってコンクリート躯体の表面に施工されたモルタルの剥離作業が行われる。従来、モルタル剥離作業は、小型削岩機やハンマードリルを使用して作業員が直接ハツリ作業を行って既設のモルタルの解体を行っていた。しかしながら、小型削岩機やハンマードリル等のハツリ機械は、コンプレッサーによる圧縮空気を送り込んで、モルタルに振動および打撃を加えることによってモルタルの破壊を行うものであるため、打撃音が大きく、作業効率が悪いという問題があった。特に、工事対象の建築物が24時間の営業体制であったり、静寂が要求される病院や学校等である場合には、剥離作業にともなう騒音のために作業時間帯が大幅に制限され、剥離作業の完了までに長期間を要するとともに、剥離作業に高い人件費がかかる等の問題が発生していた。
これらの打撃・振動系のハツリ機械の場合には、打撃および振動がコンクリート躯体にも伝達されるため、躯体にクラック等の損傷が誘発されるおそれがある。また、耐震補強工事では、強度が低いモルタルを完全に除去してコンクリート躯体のみを露出させる必要があるが、局所的にハツリを行うそれらハツリ機械では満遍なくモルタルを剥離するのに長時間を要するとともに、高い精度でモルタルを剥離することができないという問題があった。さらに、これらのハツリ機械を利用した場合、解体されたモルタルが細かな破砕片となり、多くの粉塵や塵埃が発生し、作業環境が悪化するという問題があった。
前記各問題点を解決するために、以下に示すモルタル剥離方法が提案されている(特許文献1参照)。このモルタル剥離方法は、コンクリート躯体の表面にモルタルが所定の厚み寸法で施工されたモルタル仕上げ面を対象とし、回転軸に保持された円板状のコンクリートカッターを持ち込み、回転軸をコンクリート躯体面に対して直交的に保持しつつ、コンクリート躯体とモルタルとの境界部にコンクリートカッターを挿入し、コンクリートカッターをコンクリート躯体面に対して平行的に移動させることによってモルタルを切削分離する。このモルタル剥離方法は、騒音が小さく、短い工期でコンクリート躯体の表面に施工されたモルタルを解体することができるという効果を有する。
特開2001−81975号公報
前記特許文献1に開示のモルタル剥離方法は、コンクリートカッターを回転させてモルタルを切削しつつそのカッターを移動させるから、モルタルの切削面とカッターの刃口とが擦れ合って大きな切削音が発生し、ハツリ機械によってハツリ作業を行う場合と比較して発生する騒音を低く押さえることができるものの、剥離作業において発生する音を許容可能な静かな音に近づけることが難しい。また、このモルタル剥離方法は、コンクリートカッターの周縁に楔状チップ片が設置され、コンクリートカッターの回転にともなう楔状チップ片の回転動作でモルタルを割り取るから、モルタルの剥離方向に対して楔状チップ片の剥離力が集中し難く、モルタルに大きな剥離力を伝えることができず、強固に施工されたモルタルの場合、そのモルタルをスムースに剥離することができない場合がある。
本発明の目的は、剥離作業において発生する音を許容可能な静かな音にすることができ、コンクリート躯体からモルタルをスムースに剥離することができるモルタル剥離方法を提供することにある。本発明の他の目的は、コンクリート躯体にダメージを与えることがなく、短期間に効率よく剥離作業を完了することができるモルタル剥離方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、コンクリート躯体に施工されたモルタルを剥離するモルタル剥離装置を使用したモルタル剥離方法である。
前記前提における本発明の特徴は、モルタル剥離装置が、モルタルの外面から所定寸法離間するとともにモルタルの外面と並行して一方向へ延びる案内部材と、一方向前方へ伸縮可能なピストンロッドを有してモルタルと案内部材との間に位置するジャッキと、ピストンロッドの先端部に位置してコンクリート躯体からモルタルを剥離するカッターと、ジャッキを案内部材の所定の箇所に連結するジャッキ連結手段と、案内部材およびジャッキをモルタルの剥離箇所に固定する第1固定手段とから形成され、モルタル剥離方法が、ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させることによって、カッターを一方向前方へ次第に前進させ、カッターを利用してコンクリート躯体から所定厚さのモルタルを剥離するモルタル剥離工程を実施することにある。
本発明の一例として、モルタル剥離方法では、ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ伸長させてモルタルを剥離した後、ピストンロッドを一方向後方へ後退させることで1回毎のモルタル剥離工程が完了し、モルタル剥離方法が、最初のモルタル剥離工程を実施した後、ジャッキと案内部材との連結を解除してそのジャッキを一方向前方へ移動させるジャッキ移動工程を実施するとともに、ジャッキを一方向前方へ移動させた後、ジャッキを案内部材に再び連結し、ピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させることによって、カッターを一方向前方へ次第に前進させ、カッターを利用してコンクリート躯体から所定厚さのモルタルを剥離する次回のモルタル剥離工程を実施する。
本発明の他の一例としては、モルタル剥離方法が、最初のモルタル剥離工程を実施する前に、モルタルにその剥離幅の外縁に沿って一方向へ直状に延びる2本の案内溝を作る案内溝作成工程を実施するとともに、案内溝の間の箇所のモルタルをはつり、その箇所にカッターを設置するカッター設置部を穿つカッター設置部作成工程を実施する。
本発明の他の一例としては、モルタル剥離装置がカッターをピストンロッドの先端部に着脱可能に連結するカッター連結手段を含み、モルタル剥離方法が、最初のモルタル剥離工程を実施する前に、カッター連結手段を介してピストンロッドの先端部にカッターを連結しつつ、ジャッキ連結手段を介してジャッキを案内部材の所定の箇所に連結してモルタル剥離装置を準備する装置準備工程を実施するとともに、コンクリート躯体におけるモルタルの剥離箇所に第1固定手段を介してモルタル剥離装置を固定する装置固定工程を実施する。
本発明の他の一例としては、モルタル剥離方法が、移動工程と次回のモルタル剥離工程とを繰り返し、剥離対象の全てのモルタルをコンクリート躯体から剥離した後、モルタル剥離装置をモルタルの剥離箇所から取り外す装置取り外し工程を実施する。
本発明の他の一例としては、第1固定手段が、モルタルに穿孔されたアンカーホールに固定された第1アンカーと、アンカーホールから露出する第1アンカーの自由端部に着脱可能に固定されて案内部材を前記モルタルに向かって押圧する押さえ板とから形成され、モルタル剥離方法では、装置固定工程において第1固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第1固定手段が取り外される。
本発明の他の一例としては、モルタル剥離装置が案内部材の前端部に設置されて案内部材の一方向前方への移動を阻止する第2固定手段を含み、第2固定手段が、案内部材の前端部に当接する第1前端板と、第1前端板につながってモルタルに当接する第2前端板と、モルタルに穿孔されたアンカーホールに挿入されて第2前端板をモルタルに固定する第2アンカーとから形成され、モルタル剥離方法では、装置固定工程において第2固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第2固定手段が取り外される。
本発明の他の一例としては、モルタル剥離装置が案内部材の後端部に設置されて案内部材の一方向後方への移動を阻止する第3固定手段を含み、第3固定手段が、案内部材の後端部に当接する第1後端板と、第1後端板につながってモルタルに当接する第2後端板と、モルタルに穿孔されたアンカーホールに挿入されて第2後端板をモルタルに固定する第3アンカーとから形成され、モルタル剥離方法では、装置固定工程において第3固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第3固定手段が取り外される。
本発明の他の一例としては、カッターがモルタルの外面から所定深さに位置する刃口とその刃口につながる取付座とから形成され、モルタル剥離方法では、取付座の頂部が案内部材に摺動可能に当接してカッターのモルタルの外面から離間する方向への移動が阻止されている。
本発明の他の一例として、モルタル剥離方法では、刃口の一方向と交差する方向の寸法を調節することで、コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離幅を調節可能である。
本発明の他の一例として、モルタル剥離方法では、モルタルの剥離時に発生する音圧レベルが50〜80dBの範囲にある。
本発明の他の一例としては、ジャッキが電動油圧ポンプに接続された油圧ジャッキである。
本発明にかかるモルタル剥離方法によれば、ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させることによって、カッターを一方向前方へ次第に前進させ、そのカッターを利用してコンクリート躯体から所定厚さのモルタルを剥離するモルタル剥離工程を実施するから、モルタルの切削面とカッターとが擦れ合うことによる大きな切削音の発生がなく、剥離作業において発生する音を許容可能な静かな音にしつつ、コンクリート躯体からモルタルを剥がし取ることができる。モルタル剥離方法は、ジャッキのピストンロッドからカッターに直線的に力(トルク)が伝達され、カッターの直進力をモルタルの剥離箇所に集中させることができ、それによってモルタルに大きな剥離力が作用するから、強固に施工されたモルタルであってもそのモルタルを円滑かつ確実に剥離することができる。モルタル剥離方法は、ジャッキとカッターとを利用することで、コンクリート躯体からモルタルをスムースに剥離することができるから、短期間に効率よく剥離作業を完了することができるのみならず、コンクリート躯体から一度に広い範囲にわたってモルタルの剥離を行うことができ、剥離作業を廉価に行うことができる。モルタル剥離方法は、モルタルの剥離作業中にコンクリート躯体に不要な振動が伝わることがないから、コンクリート躯体にダメージを与えることなく、モルタルを剥離することができる。また、コンクリート躯体からモルタルを高い精度で短期間に満遍なく剥離することができ、剥離作業において粉塵や塵埃の発生が少なく、良好な環境で剥離作業を行うことができる。
ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ伸長させてモルタルを剥離した後、ピストンロッドを一方向後方へ後退させることで1回毎のモルタル剥離工程が完了し、最初のモルタル剥離工程を実施した後、ジャッキと案内部材との連結を解除してそのジャッキを一方向前方へ移動させる移動工程を実施するとともに、ジャッキを一方向前方へ移動させた後、ジャッキを案内部材に再び連結し、ピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させるとともに、カッターを一方向前方へ次第に前進させ、コンクリート躯体からモルタルを剥離する次回のモルタル剥離工程を実施するモルタル剥離方法は、ピストンロッドのその伸長寸法の分の剥離を行った後、ジャッキを一方向前方へ移動させて再び案内部材に連結し、さらにピストンロッドのその伸長寸法の分の剥離を行うことができるから、モルタル剥離工程を繰り返し行うことができ、モルタルの剥離長さが長い場合であっても、コンクリート躯体から剥離対象の全てのモルタルを剥離することができる。モルタル剥離方法は、剥離工程を繰り返し行う作業としてジャッキを一方向前方へ移動させ、そのジャッキを案内部材に連結するだけであり、他の作業を伴うことがないから、手間がかからず短期間に効率よくモルタルの剥離作業を完了することができる。
最初のモルタル剥離工程を実施する前に、モルタルにその剥離幅の外縁に沿って一方向へ直状に延びる2本の案内溝を作る案内溝作成工程を実施するとともに、案内溝の間の箇所のモルタルをはつり、その箇所にカッターを設置するカッター設置部を穿つカッター設置部作成工程を実施するモルタル剥離方法は、案内溝作成工程によってモルタルの剥離幅の外縁に案内溝を作り、それら案内溝の内側に剥離装置を設置してモルタル剥離工程を実施するから、それら案内溝の内側に存在するモルタルのみを剥離することができ、コンクリート躯体からモルタルを部分的に剥離することができ、モルタル全体のうちの剥離が必要なモルタルのみを剥離することができる。モルタル剥離方法は、カッター設置部作成工程によって案内溝の間の箇所にカッターを設置する所定深さのカッター設置部を穿つから、カッターを所定深さのカッター設置部に設置してモルタルを剥離することにより、コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを確実に剥離することができる。
最初のモルタル剥離工程を実施する前に、カッター連結手段を介してピストンロッドの先端部にカッターを連結しつつ、ジャッキ連結手段を介してジャッキを案内部材の所定の箇所に連結してモルタル剥離装置を準備する装置準備工程を実施し、コンクリート躯体におけるモルタルの剥離箇所に固定手段を介してモルタル剥離装置を固定する装置固定工程を実施するモルタル剥離方法は、装置準備工程によってカッターとジャッキと案内部材とから形成されたモルタル剥離装置を先に準備し、装置固定工程によってモルタル剥離装置をモルタルの剥離箇所に固定するから、すでに準備したモルタル剥離装置を剥離箇所に固定するだけで、モルタルの剥離作業を行うことができ、モルタル剥離にかかる工期を大幅に短縮することができるとともに、剥離作業を廉価に行うことができる。モルタル剥離方法は、天井や壁、床スラブ等の他のあらゆる箇所のコンクリート躯体においてモルタル剥離を行うことができる。
移動工程と次回のモルタル剥離工程とを繰り返し、剥離対象の全てのモルタルをコンクリート躯体から剥離した後、モルタルの剥離箇所からモルタル剥離装置を取り外す装置取り外し工程を実施するモルタル剥離方法は、剥離対象の全てのモルタルを剥離した後、装置取り外し工程によってコンクリート躯体から剥離装置を取り外すことで、モルタルが剥離されたコンクリート躯体のみを残した状態にすることができ、その後のモルタルの改修工事やモルタルの増厚による耐震補強工事等を円滑に行うことができる。モルタル剥離方法は、取り外したモルタル剥離装置をコンクリート躯体の他の箇所や他のコンクリート躯体におけるモルタルの剥離に使用することができ、コンクリート躯体から一度に広い範囲にわたってモルタルの剥離を行うことができるのみならず、天井や壁、床スラブ等の他のあらゆる箇所のコンクリート躯体においてモルタル剥離を行うことができる。
第1固定手段が第1アンカーと第1アンカーの自由端部に着脱可能に固定されて案内部材をモルタルに向かって押圧する押さえ板とから形成され、装置固定工程において第1固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第1固定手段が取り外されるモルタル剥離方法は、カッター(ピストンロッド)を一方向前方へ移動させる剥離作業中に、案内部材をセメント硬化物の外面から離間する方向へ移動させる力がカッターから案内部材に作用するが、第1アンカーと押さえ板とによって案内部材のモルタルの外面から離間する方向への移動が阻止されるから、カッターをモルタルに確実に食い込ませることができ、コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを確実に剥離することができる。モルタル剥離方法は、剥離対象の全てのモルタルを剥離した後、装置取り外し工程において第1固定手段を取り外すことで、モルタルが剥離されたコンクリート躯体のみを残した状態にすることができ、その後のモルタルの改修工事やモルタルの増厚による耐震補強工事を円滑に行うことができる。
装置固定工程において案内部材の一方向前方への移動を阻止する第2固定手段が取り付けられ、装置固定工程において第2固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第2固定手段が取り外されるモルタル剥離方法は、カッター(ピストンロッド)を一方向後方へ移動させる作業中に、案内部材をその一方向前方へ移動させる力がカッターから案内部材に作用するが、装置固定工程において取り付けられた第2固定手段によって案内部材の一方向前方への移動が阻止されるから、剥離作業中における案内部材やカッターのコンクリート躯体に対するずれ動きを防ぐことができ、モルタル剥離工程を実施した後にカッターを一方向後方へスムースに後退させることができるとともに、次の剥離工程を円滑に実施ずることができる。モルタル剥離方法は、剥離対象の全てのモルタルを剥離した後、装置取り外し工程において第2固定手段を取り外すことで、モルタルが剥離されたコンクリート躯体のみを残した状態にすることができ、その後のモルタルの改修工事やモルタルの増厚による耐震補強工事等を円滑に行うことができる。
装置固定工程において案内部材の一方向後方への移動を阻止する第3固定手段が取り付けられ、装置取り外し工程において第3固定手段が取り外されるモルタル剥離方法は、カッター(ピストンロッド)を一方向前方へ移動させる剥離作業中に、案内部材をその一方向後方へ移動させる力がカッターから案内部材に作用するが、装置固定工程において取り付けられた第3固定手段によって案内部材の一方向後方への移動が阻止されるから、剥離作業中における案内部材やカッターのコンクリート躯体に対するずれ動きを防ぐことができるとともに、カッターをモルタルに確実に食い込ませることができ、コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを確実に剥離することができる。モルタル剥離方法は、剥離対象の全てのモルタルを剥離した後、装置取り外し工程において第3固定手段を取り外すことで、モルタルが剥離されたコンクリート躯体のみを残した状態にすることができ、その後のモルタルの改修工事やモルタルの増厚による耐震補強工事を円滑に行うことができる。
カッターがモルタルの外面から所定深さに位置する刃口とその刃口につながる取付座とから形成され、取付座の頂部が案内部材に摺動可能に当接してカッターのモルタルの外面から離間する方向への移動が阻止されているモルタル剥離方法は、カッター(ピストンロッド)を一方向前方へ移動させる剥離作業中に、カッターをモルタルの外面から離間する方向へ移動させる力がそのカッターに作用するが、第1固定手段によって固定された案内部材がカッターのモルタルの外面から離間する方向への移動を阻止するから、カッターの刃口をモルタルに確実に食い込ませることができ、コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを確実に剥離することができる。
刃口の一方向と交差する方向の寸法を調節することで、コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離幅を調節可能なモルタル剥離方法は、カッターの刃口の寸法を小さくすることで、コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離寸法を小さくすることができ、カッターの刃口の寸法を大きくすることで、コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離寸法を大きくすることができるから、コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離寸法(剥離面積)に対応することができ、コンクリート躯体からモルタルを所望の剥離寸法だけ剥離することができる。
モルタルの剥離時に発生する音圧レベルが50〜80dBの範囲にあるモルタル剥離方法は、剥離時に発生する音圧レベルが前記範囲にあるから、大きな騒音を発生させることなくコンクリート躯体からモルタルを剥離することができ、剥離作業時に発生する音を許容可能な静かな音にすることができる。モルタル剥離方法は、静寂な環境が要求される場所におけるコンクリート躯体に対してモルタルの剥離作業を行うことができ、剥離作業の作業時間帯が制限されることはなく、短い工期でモルタルの剥離を完了することができる。
ジャッキが電動油圧ポンプに接続された油圧ジャッキであるモルタル剥離方法は、ジャッキとして油圧で作動するそれを使用することで、ピストンロッドからカッターに大きな力(トルク)を伝達することができ、モルタルに大きな剥離力が作用するから、コンクリート躯体からモルタルを円滑かつ確実に剥離することができる。
一例として示すモルタル剥離装置の上面図。 モルタル剥離装置の斜視図。 モルタル剥離装置の側面図。 図1のL−L線矢視断面図。 カッターの拡大斜視図。 モルタル剥離装置を使用したモルタル剥離方法の一例を示す図。 図6から続くモルタル剥離方法を示す図。 図7から続くモルタル剥離方法を示す図。 図8から続くモルタル剥離方法を示す図。 図9から続くモルタル剥離方法を示す図。 他の一例として示すモルタル剥離装置の上面図。 図11のモルタル剥離装置の斜視図。 図11のモルタル剥離装置の側面図。 図11のM−M線矢視断面図。 モルタル剥離装置を使用したモルタル剥離方法の一例を示す図。 図15から続くモルタル剥離方法を示す図。 図16から続くモルタル剥離方法を示す図。 図17から続くモルタル剥離方法を示す図。
一例として示すモルタル剥離装置10Aの上面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかるモルタル剥離方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、モルタル剥離装置10Aの斜視図であり、図3は、モルタル剥離装置10Aの側面図である。図4は、図1のL−L線矢視断面図であり、図5は、カッター14の拡大斜視図である。
図1では、一方向(図1に示す建築物では前後方向)を矢印Aで示し、一方向と交差する幅方向(図1に示す建築物では上下方向)を矢印Bで示す。図1〜図4では、モルタル剥離装置10Aを建築物の内壁11の上部に設置した状態で示す。図2では、案内部材12の前後端部29,35や第1固定手段15の図示を省略し、図2,3では、油圧チューブ43の図示を省略している。図5では、案内部材12やピストンロッド42を一点鎖線で示す。
モルタル剥離方法は、モルタル剥離装置10Aや後記するモルタル剥離装置10Bを使用し、建築物のコンクリート躯体20に施工された所定厚さのモルタル21をそのコンクリート躯体20から剥がし取る。モルタル剥離方法は、装置準備工程、案内溝作成工程、カッター設置部作成工程、アンカー固定工程、装置固定工程、第1剥離工程(最初のモルタル剥離工程)、ジャッキ第1移動工程(ジャッキ移動工程)、第2剥離工程(次回のモルタル剥離工程)、ジャッキ第2移動工程(ジャッキ移動工程)・・・ジャッキ第n移動工程(ジャッキ移動工程)、第n剥離工程(次回のモルタル剥離工程)、装置取り外し工程、アンカー切断工程の各工程を実施する。なお、建築物には、オフィスビルやインテリジェントビル、集合住宅、病院、学校、原子力発電所、屋内駐車場、地下駐車場等のあらゆる建築物が含まれ、また、ダムや橋、道路、外壁等のあらゆる構築物も含まれる。
以下、モルタル剥離装置10Aが鉄筋コンクリート建築物の内壁11に設置された場合を例としてモルタル剥離方法を説明する。なお、モルタル剥離装置10Aは、建築物の内壁11のみならず、建築物の床スラブや片持ちスラブ、天井スラブ、柱、梁に設置し、それらに施工されたモルタル21の剥離に使用することもできる。それら図ではモルタル剥離装置10Aが建築物の内壁11において前後方向へ設置されているが、建築物の内壁11における装置10Aの設置方向(案内部材の延びる方向)について特に限定はなく、装置10Aを設置するスペースを確保することができれば、装置10Aをあらゆる方向に設置することができる。モルタル剥離装置10Aは、一方向へ延びる案内部材12と、油圧ジャッキ13およびカッター14と、第1〜第3固定手段15〜17および第1〜第2連結手段18,19とを備えている。
案内部材12は、一方向へ延びる中空筒状の金属パイプ(鉄パイプやアルミパイプ、ステンレスパイプ等)であり、その断面形状が円形に成形されている。なお、案内部材12は、円形のみならず、その断面形状が四角形に成型されていてもよい。案内部材12は、モルタル21の外面から所定寸法離間するとともにモルタル21の外面と並行するように建築物の内壁11に設置されている。案内部材12は、剥離するモルタル21のその剥離長さ以上の長さ寸法を有していればよく、その長さ寸法に特に限定はない。案内部材12には、それを貫通して一方向へ等間隔離間(所定寸法離間)して並ぶ複数の貫通孔22(第1連結手段18)が穿孔されている。案内部材12は、第1〜第3固定手段15〜17によって内壁11に設置、固定されている。
第1固定手段15は、一方向へ所定寸法離間して並び、モルタル21の外面から離間する方向への案内部材12の移動を阻止する。なお、図1では、第1固定手段15が2つ図示されているが、固定手段15の数に特に限定はなく、案内部材12の長さ寸法に応じて3つ以上の固定手段15が設置されていてもよい。第1固定手段15は、内壁11(コンクリート躯体20およびモルタル21)に穿孔されたアンカーホール23に挿入、固定された第1アンカー24と、アンカーホール23から露出するアンカー24の自由端部25に着脱可能に固定された押さえ板26とから形成されている。
第1アンカー24は、2本のそれが案内部材12を挟んだ状態で部材12の両側に配置されている。第1アンカー24としては、その詳細な図示はしていないが、カプセル式アンカーや樹脂注入アンカー、オールアンカー、カットアンカーのいずれかを使用することができる。第1アンカー24は、鋼から作られているが、鋼の他に、ステンレスやアルミ合金、チタン合金等の金属、または、合成樹脂から作られていてもよい。
押さえ板26は、幅方向へ長い金属板であり、その中央部に幅方向へ延びる開口27が形成されている。押さえ板26の開口27には、第1アンカー24の自由端部25が挿脱可能に挿通されている。第1アンカー24の自由端部25に形成された雄螺子には、六角ナット28が螺着されている。ナット28によって押さえ板26がモルタル21の外面に向かって押圧され、押さえ板26が第1アンカー24とナット28とによって固定されているとともに、押さえ板26によって案内部材12がモルタル21の外面に向かって押圧されている。
第2固定手段16は、案内部材12の前端部29に設置されている。第2固定手段16は、案内部材12の前端部29に当接する第1前端板30と、第1前端板30につながって内壁11(モルタル21)に当接する第2前端板31と、内壁11(コンクリート躯体20およびモルタル21)に穿孔されたアンカーホール32に挿入された第2アンカー33とから形成されている。第1前端板30と第2前端板31とは、鉄やアルミ、ステンレス等の金属から作られ、それら板30,31が一体となってL字状のストッパーを形成している。
第2前端板31の中央部には、板31を貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔には、アンカーホール32から露出する第2アンカー33の自由端部34が挿脱可能に挿通されている。貫通孔から露出する第2アンカー33の自由端部34に形成された雄螺子には、六角ナット28が螺着されている。なお、なお、第2アンカー33としては、第1アンカー24と同様に、カプセル式アンカーや樹脂注入アンカー、オールアンカー、カットアンカーのいずれかを使用することができる。第1および第2前端板30,31が第2アンカー33と六角ナット28とによって内壁11(モルタル21)に固定されるとともに、案内部材12の一方向前方への移動が第2固定手段16(第1前端板30)によって阻止される。
第3固定手段17は、案内部材12の後端部35に設置されている。第3固定手段17は、案内部材12の後端部35に当接する第1後端板36と、第1後端板36につながって内壁11(モルタル21)に当接する第2後端板37と、内壁11(コンクリート躯体20およびモルタル21)に穿孔されたアンカーホール38に挿入された第3アンカー39とから形成されている。第1後端板36と第2後端板37とは、鉄やアルミ、ステンレス等の金属から作られ、それら板36,37が一体となってL字状のストッパーを形成している。
第2後端板37の中央部には、板37を貫通する貫通孔が形成されている。貫通孔には、アンカーホール38から露出する第3アンカー39の自由端部40が挿脱可能に挿通されている。貫通孔から露出する第3アンカー39の自由端部40に形成された雄螺子には、六角ナット28が螺着されている。なお、第3アンカー39としては、第1アンカー24と同様に、カプセル式アンカーや樹脂注入アンカー、オールアンカー、カットアンカーのいずれかを使用することができる。第1および第2後端板36,37が第3アンカー39と六角ナット28とによって内壁11(モルタル21)に固定されるとともに、案内部材12の一方向後方への移動が第3固定手段17(第1後端板36)によって阻止される。
なお、図示はしていないが、建築物の柱や梁の外面に案内部材12の前端部29や後端部35を当接させ、柱や梁を第2固定手段16や第3固定手段17として利用し、柱や梁によって部材12の一方向前方や一方向後方への移動を阻止することができれば、第2固定手段16(第1前端板30、第2前端板31、第2アンカー33)や第3固定手段17(第1後端板36、第2後端板37、第3アンカー39)の設置を省くことができる。
油圧ジャッキ13は、案内部材12とモルタル21との間に位置している。図1において油圧ジャッキ13は、案内部材12の後端部に第1連結手段18を介して着脱可能に連結されている。油圧ジャッキ13は、円筒状の油圧シリンダー41と円柱状のピストンロッド42とを有する。油圧シリンダー41の前端部と中間部とにおける周壁には、油圧チューブ43が取り付けられている。油圧チューブ43は、電動油圧ポンプ44に接続されている。油圧ジャッキ13では、油圧ポンプ44から送出される油圧オイル(油圧作動油)によってピストンロッド42が一方向前方へ伸長(前進)するとともに一方向後方へ後退する。なお、ジャッキとして油圧ジャッキ13の他に、水圧ジャッキを使用することもできる。
第1連結手段18は、油圧ジャッキ13(油圧シリンダー41)の後端部に連結されたスライダー45と、案内部材12に穿孔された貫通孔22およびスライダー45(後記する筒部材48)に穿孔された貫通孔46と、それら貫通孔22,46に挿脱可能に挿入された連結ピン47とから形成されている。スライダー45は、鉄やアルミ、ステンレス等の金属から作られている。スライダー45は、案内部材12の外周面に着脱可能に嵌め込まれた円筒状の筒部材48と、筒部材48の後端部に連結された台座49とから形成されている。筒部材48と台座49とは、溶接によって固定され、一体になっている。筒部材48は、案内部材12の外周面において一方向前方と一方向後方とへ摺動可能である。
台座49は、四角柱状に成型され、両側壁と底壁とを有する。台座49の内側には油圧シリンダー41の後端部が収納され、溶接によってシリンダー41の後端部が台座49に固定されている。台座49の底壁(底面)は、内壁11(モルタル21)の外面に当接している。貫通孔46は、筒部材48の周面に形成され、幅方向へ貫通するとともに一方向へ所定寸法離間して並んでいる。連結ピン47は、鉄やアルミ、ステンレス等の金属から作られている。
筒部材48を案内部材12の外周面に嵌め込み、案内部材12に形成された貫通孔22と筒部材48に形成された貫通孔46とを一致させた後、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入することで、油圧ジャッキ13を案内部材12に連結することができる。逆に、連結ピン47をそれら貫通孔22,46から抜き取ることで、油圧ジャッキ13と案内部材12との連結を解除することができる。油圧ジャッキ13と案内部材12との連結を解除した後、スライダー45を一方向前方または一方向後方へスライドさせ、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入することで、ジャッキ13を案内部材12の所定の箇所に設置することができる。
カッター14は、鋼から作られ、図5に示すように、モルタル21を剥離する刃口50と、刃口50につながる取付座51とから形成されている。カッター14は、第2連結手段19を介してピストンロッド42の先端部に着脱可能に連結されている。第2連結手段19は、ピストンロッド42の先端部に穿孔された2つの貫通孔52と、カッター14の取付座51に穿孔された2つの貫通孔53と、それら貫通孔52,53に挿脱可能に挿入される連結ピン54とから形成されている。
連結ピン54は、鉄やアルミ、ステンレス等の金属から作られている。刃口50は、モルタル21の外面から所定深さに位置し、コンクリート躯体20の外面に当接している。なお、図5のカッター14では、刃口50と取付座51とが一体になっているが、刃口50を有する刃物と取付座51とが分離可能であって、取付座51に刃物を着脱可能に固定することもできる。
取付座51は、頂部55および底部57と、頂底部55,57の間に位置する中間部56とを有する。取付座51の頂部55は、案内部材12の外周面の形状と略同一の半円形状に成型され、案内部材12の外周面に摺動可能に当接している。取付座51の頂部55が案内部材12の外周面に当接することで、コンクリート躯体20の外面から離間する方向へのカッター14(刃口50)の移動が阻止されている。
取付座51の中間部56には、ピストンロッド42の先端部を挿脱可能に挿通する挿通孔58と、ロッド42の先端が当接する当接面59とが形成されている。挿通孔58は、一方向へ貫通している。なお、第2連結手段19を形成する貫通孔52は、取付座51の中間部56に形成され、幅方向へ貫通している。取付座51の底部57は、モルタル21の外面に当接している。
ピストンロッド42の先端部を取付座51の挿入孔58に挿入し、ロッド42の先端を取付座51の当接面59に当接させると、ロッド42の先端部に穿孔された貫通孔52と取付座51に穿孔された貫通孔53とが一致する。それら貫通孔52,53を一致させた状態で、それら貫通孔52,53に連結ピン54を挿入することで、カッター14をピストンロッド42の先端部に連結することができる。
逆に、連結ピン54をそれら貫通孔52,53から抜き取ることで、カッター14とピストンロッド42との連結を解除することができる。カッター14(刃口50)は、油圧ジャッキ13のピストンロッド42が一方向前方に伸長すると、それにともなって一方向前方へ移動し、ピストンロッド42が一方向後方に後退すると、それにともなって一方向後方へ移動する。
図6は、モルタル剥離装置10Aを使用したモルタル剥離方法の一例を示す図であり、図7は、図6から続くモルタル剥離方法を示す図である。図6では、一方向(図6に示す建築物では前後方向)を矢印Aで示し、一方向と交差する幅方向(図6に示す建築物では上下方向)を矢印Bで示す。
それら図に基づいてモルタル剥離方法を説明すると、以下のとおりである。最初にそれら工程を実施する事前準備として、モルタル21を剥離する内壁11の剥離箇所を決定し、モルタル21の剥離幅寸法(剥離するモルタル21の幅方向の寸法)を決定するとともに、モルタル21の剥離長さ寸法(剥離するモルタル21の一方向の寸法)を決定し、モルタル21の剥離深さ寸法(剥離するモルタル21のコンクリート躯体20に向かった深さ寸法)を決定する。
なお、モルタル21の剥離幅寸法によって、カッター14の刃口50の幅寸法が決定される。具体的には、モルタル21の剥離幅寸法が大きい場合、刃口50の幅寸法の大きなカッター14が使用され、モルタル21の剥離幅寸法が小さい場合、刃口50の幅寸法の小さなカッター14が使用される。剥離方法では、刃口50の幅寸法(一方向と交差する方向の寸法)を調節することで、コンクリート躯体20から剥離するモルタル21の剥離幅寸法(一方向と交差する方向の剥離寸法)を調節することができる。
それら寸法を決定した後、ピストンロッド42の先端部を取付座51の挿通孔58に挿入し、ロッド42の先端を取付座51の当接面59に当接させ、貫通孔52,53を一致させた状態で、それら貫通孔52,53に連結ピン54を挿入し、第2連結手段19によってロッド42の先端部にカッター14を連結する。剥離方法では、連結ピン54を介してピストンロッド42とカッター14とを容易に連結することができるとともに、連結ピン54を抜き取ることでロッド42とカッター14との連結を容易に解除することができ、長期間の使用によって痛んだカッター14(刃口50)を迅速に交換することができる。
次に、スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面に嵌め込み、貫通孔22,46を一致させた状態で、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入し、第1連結手段18によって案内部材12に油圧ジャッキ13を連結する(装置準備工程)。剥離方法では、スライダー45と連結ピン47とを介して油圧ジャッキ13と案内部材12とを容易に連結することができるとともに、連結ピン47を抜き取ることでジャッキ13と案内部材12との連結を容易に解除することができる。
装置準備工程と並行し、または、装置準備工程によってモルタル剥離装置10Aを準備した後、図6に示すように、モルタル21の剥離幅の外縁に沿って一方向へ直状に延びる2本の案内溝60を入れる(案内溝作成工程)。具体的には、コンクリートカッターを利用し、剥離幅の外縁に沿ってモルタル21を切削して案内溝60を作る。それら案内溝60の溝深さは、モルタル21の剥離深さと同一である。
案内溝60は、それら案内溝60の内側に施工されているモルタル21のみを剥離し、案内溝60の外側に施工されているモルタル21の剥離を防ぐために作られる。なお、内壁11の全域においてモルタル21を剥離する場合、案内溝60の作成を省くことができる。案内溝60を作った後、案内溝60の間の箇所のモルタル21をはつり、その箇所にカッター14が入るカッター設置部61を穿つ(カッター設置部作成工程)。具体的には、コアドリルを利用してカッター14の長さ寸法および幅寸法と略同一の長さおよび幅のカッター設置部61を作る。
案内溝60を作り、カッター設置部61を作った後、第1〜第3固定部材15〜17を設置する箇所に円筒状のアンカーホール23,32,38を穿孔し、図7に示すように、それらアンカーホール23,32,38に第1〜第3アンカー24,33,39を設置、固定する(アンカー固定工程)。それらアンカーホール23,32,38は、振動ドリル(電動工具)(図示せず)によって穿孔する。アンカーホール23,32,38は、モルタル21(モルタル層)を貫通し、コンクリート躯体20に達している。第1〜第3アンカー24,33,39を強固に固定することができれば、アンカーホール23,32,38の深さ寸法について特に限定はない。
第1〜第3アンカー24,33,39を各アンカーホール23,32,38に固定した後、油圧ジャッキ14を連結した案内部材12をそれら案内溝60の幅方向中央に第1〜第3固定手段15〜17を介して設置、固定する(装置固定工程)。案内部材12を案内溝60の幅方向中央に位置させ、カッター14をカッター設置部61に位置させるとともに、スライダー45の台座49の底壁を案内溝60の間のモルタル21に当接させる。次に、押さえ板26の開口27に第1アンカー24の自由端部25を挿通し、自由端部25に六角ナット28を螺着して押さえ板26を第1アンカー24およびナット28によって強固に固定する。
押さえ板26を固定すると、ナット28によって押さえ板26がモルタル21の外面に向かって押圧されるとともに、押さえ板26によって案内部材12がモルタル21の外面に向かって押圧され、部材12が押さえ板26によって固定される(第1固定手段による固定)。
カッター14を一方向前方へ移動させる剥離作業中に、案内部材12をモルタル21の外面から離間する方向へ移動させる力がカッター14から案内部材12に作用するが、第1アンカー24と押さえ板26とによって案内部材12のモルタル21の外面から離間する方向への移動が阻止されるから、カッター14の刃口50をモルタル21に確実に食い込ませることができる。
第1固定手段15によって案内部材12を固定した後、第2前端板31の貫通孔に第2アンカー33の自由端部34を挿通し、第1前端板30を案内部材12の前端部29(前端)に当接させ、貫通孔から露出する第2アンカー33の自由端部34に六角ナット28を螺着し、第2アンカー33および六角ナット28によって第1および第2前端板30,31をモルタル21の外面に固定する。案内部材12の前端部29は、第1および第2前端板30,31によって固定される(第2固定手段による固定)。
カッター14(ピストンロッド42)を一方向後方へ移動させる作業中に、案内部材12をその一方向前方へ移動させる力がカッター14から案内部材12に作用するが、第1および第2前端板30,31と第2アンカー33とによって案内部材12の一方向前方への移動が阻止されるから、案内部材12やカッター14のモルタル21に対するずれ動きを防ぐことができ、剥離工程を行った後にカッター14を一方向後方へスムースに後退させることができる。
第2固定手段16によって案内部材12の前端部29を固定した後、第2後端板37の貫通孔に第3アンカー39の自由端部40を挿通し、第1後端板36を案内部材12の後端部35(後端)に当接させ、貫通孔から露出する第3アンカー39の自由端部40に六角ナット28を螺着し、第3アンカー39および六角ナット28によって第1および第2後端板36,37をモルタル21の外面に固定する。案内部材12の後端部42は、第1および第2後端板36,37によって固定される(第3固定手段による固定)。
カッター14(ピストンロッド42)を一方向前方へ移動させる剥離作業中に、案内部材12をその一方向後方へ移動させる力がカッター14から案内部材12に作用するが、第1および第2後端板36,37と第3アンカー39とによって案内部材12の一方向後方への移動が阻止されるから、剥離作業中における案内部材12やカッター14のモルタル21に対するずれ動きを防ぐことができるとともに、カッター14の刃口50をモルタル21に確実に食い込ませることができる。
図8は、図7から続くモルタル剥離方法を示す図であり、図9は、図8から続くモルタル剥離方法を示す図である。図10は、図9から続くモルタル剥離方法を示す図である。装置固定工程が完了した後、第1剥離工程(最初のモルタル剥離工程)を実施する。第1剥離工程では、電動油圧ポンプ44のスイッチをONにし、図示しないリモートコントローラによって油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のピストンロッド42を図8に矢印A1で示す一方向前方へ伸長(前進)させる。ピストンロッド42を一方向前方へ伸長させると、それによってカッター14が一方向前方へ向かって次第に前進し、カッター14の刃口50がコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を次第に剥離する(第1剥離工程)。
油圧ジャッキ13のピストンロッド42を一方向前方へ最大に伸長させ、ロッド42が伸長した分のモルタル21を剥離した後、リモートコントローラによって油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のピストンロッド42を図8に矢印A2で示す一方向後方へ後退させる。ロッド42を後退させることで、第1剥離工程(1回の剥離工程)が完了する。なお、モルタル21の剥離時に発生する音圧レベルは、50〜80dBの範囲にある。その音圧レベルは、騒音計を使用し、その騒音計を剥離装置10Aから1.2m離して測定した値である。モルタル剥離装置10Aを使用したモルタル剥離方法では、カッター14の刃口50が一方向前方へ直進し、刃口50がモルタル21を剥がし取るように作用するから、モルタル21の切削面とカッター14(刃口50)とが擦れ合うことはなく、大きな切削音の発生もない。
第1剥離工程が完了した後、貫通孔22,46から連結ピン47を抜き取り、案内部材12と油圧ジャッキ13との連結を解除する。案内部材12と油圧ジャッキ13との連結を解除した後、スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面において図9に矢印A1で示す一方向前方へ移動させ、油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させる(ジャッキ第1移動工程)。ジャッキ13の一方向前方への最大移動距離は、カッター14の刃口50が次に剥離するモルタル21に当接するまでの距離である。
油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させた後、貫通孔22,46を一致させた状態で、それら貫通孔22,46に連結ピン47を再び挿入し、案内部材12に油圧ジャッキ13を再度連結して第2剥離工程を実施する。第2剥離工程では、電動油圧ポンプ44のスイッチをONにし、リモートコントローラによって油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のピストンロッド42を図10に矢印A1で示す一方向前方へ伸長(前進)させる。
ピストンロッド42を一方向前方へ伸長させると、それによってカッター14が一方向前方へ向かって次第に前進し、カッター14の刃口50がコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を次第に剥離する(第2剥離工程(次回のモルタル剥離工程))。油圧ジャッキ13のピストンロッド42を一方向前方へ最大に伸長させ、ロッド42が伸長した分のモルタル21を剥離した後、リモートコントローラによって油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のピストンロッド42を図10に矢印A2で示す一方向後方へ後退させる。ロッド42を後退押させることで、第2剥離工程(次の1回の剥離工程)が完了する。
第2剥離工程が完了した後、貫通孔22,46から連結ピン47を抜き取り、案内部材12と油圧ジャッキ13との連結を解除する。案内部材12と油圧ジャッキ13との連結を解除した後、スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面において一方向前方へ移動させ、油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させる(ジャッキ第2移動工程)。油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させた後、既述の手順で再びモルタル21の剥離作業を行う。モルタル21の剥離長さに応じてジャッキ移動工程とモルタル剥離工程とを繰り返し(ジャッキ第n移動工程、モルタル第n剥離工程(次回のモルタル剥離工程))、剥離対象のモルタル21の全てを剥離してジャッキ移動工程とモルタル剥離工程とが完了する。
ジャッキ移動工程とモルタル剥離工程とが完了した後、装置取り外し工程を実施する。第1アンカー24の自由端部25に螺着した六角ナット28を自由端部25から取り外し、第1アンカー24およびナット28による押さえ板26の固定を解除するとともに、第1アンカー24の自由端部25から押さえ板26を抜き取り、押さえ板26による案内部材12の固定を解除する(第1固定手段による固定の解除)。
次に、第2アンカー33の自由端部34に螺着した六角ナット28を自由端部34から取り外し、第2アンカー33および六角ナット28による第1および第2前端板30,31のモルタル21に対する固定を解除するとともに、第1および第2前端板30,31による案内部材12の前端部29の固定を解除する(第2固定手段による固定の解除)。
さらに、第3アンカー39の自由端部40に螺着した六角ナット28を自由端部40から取り外し、第3アンカー39および六角ナット28による第1および第2後端板36,37のモルタル21に対する固定を解除するとともに、第1および第2後端板36,37による案内部材12の後端部35の固定を解除する(第3固定手段による固定の解除)。第1〜第3固定手段15〜17による固定の解除した後、案内部材12を内壁11から降ろし、モルタル剥離装置10Aを剥離箇所から取り外す(装置取り外し工程)。
装置取り外し工程が完了した後、アンカー切断工程を実施する。アンカー切断工程では、アンカーホール23,32,38から露出する第1〜第3アンカー24,33,39の自由端部25,34,40をカッターを使用して切断する。以上の各工程を完了することでモルタル21の剥離作業が完了する。なお、1回目の剥離工程で剥離作業が完了する場合は、第1剥離工程完了後、直ちに装置取り外し工程を実施する。
モルタル剥離装置10Aを使用したモルタル剥離方法は、油圧ジャッキ13のピストンロッド42を一方向前方へ次第に伸長させることによって、カッター14の刃口50を一方向前方へ向かって次第に前進させ、刃口50を利用してコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を剥離するモルタル剥離工程を実施するから、モルタル21の切削面とカッター14(刃口50)とが擦れ合うことによる大きな切削音の発生がなく、剥離作業時に発生する音を許容可能な静かな音(音圧レベルが50〜80dBの音)にしつつ、コンクリート躯体20からモルタル21を剥がし取ることができる。
モルタル剥離方法は、油圧ジャッキ13のピストンロッド42からカッター14の刃口50に直線的に力(トルク)が伝達され、刃口50の直進力をモルタル21の剥離箇所に集中させることができ、それによってモルタル21に大きな剥離力が作用するから、剥離するモルタル21の剥離幅や剥離長さ、剥離深さが大きく、強固に施工されたモルタル21であってもそのモルタル21を円滑かつ確実に剥がし取ることができる。
モルタル剥離方法は、油圧ジャッキ13とカッター14とを利用することで、コンクリート躯体20からモルタル21をスムースに剥離することができるから、短期間(短い工期)に効率よく剥離作業を完了することができるのみならず、コンクリート躯体20から一度に広い範囲にわたってモルタル21の剥離を行うことができ、剥離作業を廉価に行うことができる。
モルタル剥離方法は、モルタル21の剥離作業中にコンクリート躯体20に不要な振動が伝わることがないから、コンクリート躯体20にダメージを与えることなく、モルタル21を剥離することができる。また、コンクリート躯体20からモルタル21を高い精度で短期間に満遍なく剥離することができ、剥離作業において粉塵や塵埃の発生が少なく、良好な環境で剥離作業を行うことができる。
モルタル剥離方法は、ピストンロッド42の最大伸長寸法の分の剥離を行った後、取り外した油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させて再び案内部材12に連結し、さらにピストンロッド42の最大伸長寸法の分の剥離を行うことができるから、モルタル剥離工程を繰り返して行うことができ、内壁11におけるモルタル21の剥離長さが長い場合であっても、コンクリート躯体20から全てのモルタル21を剥離することができる。モルタル剥離方法は、モルタル剥離工程を繰り返し行う作業として油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させ、ジャッキ13を案内部材12に連結させるだけであり、他の作業を伴うことがないから、手間がかからず短期間に効率よくモルタル21の剥離作業を完了することができる。
図11は、他の一例として示すモルタル剥離装置10Bの上面図であり、図112は、図11のモルタル剥離装置10Bの斜視図である。図13は、図11のモルタル剥離装置10Bの側面図であり、図14は、図11のM−M線矢視断面図である。図11では、一方向(図11示す建築物では上下方向)を矢印Aで示し、一方向と交差する方向(図11示す建築物では横方向)を矢印Bで示す。図11,12では、モルタル剥離装置10Bを内壁11に設置した状態で示す。図12では、第1固定手段15や案内部材12の前端部29の図示を省略している。
このモルタル剥離装置10Bは、鉄筋コンクリート建築物の内壁11のコンクリート躯体20の外面に施工されたモルタル21の剥離に使用される。モルタル剥離装置10Bは、一方向へ延びる2本の案内部材12と、2つの油圧ジャッキ13および2つのカッター14と、第1〜第2固定手段15,16および第1〜第2連結手段18,19とを備えている。
それら案内部材12は、横方向へ離間並行して並んでいる。案内部材12は、図1のそれと同様に、一方向へ延びる中空筒状の金属パイプ(鉄パイプやアルミパイプ、ステンレスパイプ等)であり、その断面形状が円形に成形されている。案内部材12は、モルタル21の外面から所定寸法離間するとともにモルタル21の外面と並行するように建築物の内壁11に設置されている。案内部材12は、剥離するモルタル21のその剥離長さ以上の長さ寸法を有する。それら案内部材12には、それを貫通して一方向へ等間隔離間(所定寸法離間)して並ぶ複数の貫通孔22(第1連結手段18)が穿孔されている。案内部材12は、第1および第2固定手段15,16によって内壁11に設置、固定されている。
第1固定手段15は、一方向へ所定寸法離間して並び、案内部材12のモルタル21の外面から離間する方向への移動を阻止する。第1固定手段15は、内壁11に穿孔されたアンカーホール23に挿入、固定された第1アンカー24と、アンカーホール23から露出するアンカー24の自由端部25に着脱可能に固定された押さえ板26とから形成されている。第1アンカー24は、1本のそれが案内部材12の間に配置されている。
押さえ板26は、図1の剥離装置10Aに使用したそれと同一であり、その開口27に第1アンカー24の自由端部25が挿通されている。第1アンカー24の自由端部25に形成された雄螺子には、六角ナット28が螺着されている。ナット28によって押さえ板26がモルタル21の外面に向かって押圧され、押さえ板26が第1アンカー24とナット28とによって固定されているとともに、押さえ板26によってそれら案内部材12がモルタル21の外面に向かって押圧されている。
第2固定手段16は、案内部材12の前端部29に設置され、案内部材12の一方向前方への移動を阻止する。第2固定手段16は、案内部材12の前端部29に当接する第1前端板30と、第1前端板30につながって内壁11(モルタル21)に当接する第2前端板31と、内壁11(コンクリート躯体20およびモルタル21)に穿孔されたアンカーホール32に挿入された第2アンカー33とから形成されている。第1および第2前端板30,31は、剥離装置10Aに使用したそれと同一であり、第2前端板31の貫通孔に第2アンカー33の自由端部34が挿通されている。
第2アンカー33の自由端部34に形成された雄螺子には、六角ナット28が螺着されている。第1および第2前端板30,31が第2アンカー33と六角ナット28とによって内壁11に固定されている。なお、案内部材12の後端部35(後端)が床スラブに当接しており、案内部材12の一方向後方への移動が床スラブによって阻止されているから、図1の剥離装置10Aと異なり、第3固定手段17の設置が省略されている。
それら油圧ジャッキ13は、案内部材12とモルタル21との間に位置し、案内部材12の後端部に第1連結手段18を介して着脱可能に連結されている。油圧ジャッキ13は、図1の剥離装置10Aに使用したそれと同一であるから、その説明は省略する。それら第1連結手段18は、油圧シリンダー41の後端部に連結されたスライダー45と、案内部材12に穿孔された貫通孔22およびスライダー45に穿孔された貫通孔46と、連結ピン47とから形成されている。
スライダー45は、案内部材12の外周面に着脱可能に嵌め込まれた円筒状の筒部材48と、筒部材48の後端部に連結された台座49とから形成されている。筒部材48は、案内部材12の外周面において一方向前方と一方向後方とへ摺動可能である。台座49の内側には油圧シリンダー41の後端部が収納され、溶接によってシリンダー41の後端部が台座49に固定されている。台座49の底壁は、モルタル21の外面に当接している。
スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面に嵌め込み、貫通孔22,46どうしを一致させた後、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入することで、油圧ジャッキ13を案内部材12に連結することができる。逆に、連結ピン47をそれら貫通孔22,46から抜き取ることで、油圧ジャッキ13と案内部材12との連結を解除することができる。油圧ジャッキ13と案内部材12との連結を解除した後、スライダー45を一方向前方または一方向後方へスライドさせ、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入することで、油圧ジャッキ13を案内部材12の所定の箇所に設置することができる。
カッター14は、刃口50および取付座51から形成され、第2連結手段19を介してピストンロッド42の先端部に着脱可能に連結されている(図5参照)。第2連結手段19は、ピストンロッド42の先端部に穿孔された2つの貫通孔52と、カッター14の取付座51に穿孔された2つの貫通孔53と、連結ピン54とから形成されている。刃口50は、モルタル21の外面から所定深さに位置し、コンクリート躯体20の外面に当接している。
取付座51の頂部55が案内部材12の外周面に摺動可能に当接し、それによって刃口50のコンクリート躯体20の外面から離間する方向への移動が阻止されている。取付座51の中間部56には、ピストンロッド42の先端部を挿脱可能に挿通する挿通孔58と、ロッド42の先端が当接する当接面59とが形成されている。取付座51の底部59は、モルタル21の外面に当接している。
ピストンロッド42の先端部を取付座51の挿入孔58に挿入し、ロッド42の先端を取付座51の当接面59に当接させ、貫通孔52,53どうしを一致させた状態で、それら貫通孔52,53に連結ピン54を挿入することで、カッター14をピストンロッド42の先端部に連結することができる。逆に、連結ピン54をそれら貫通孔52,53から抜き取ることで、カッター14とピストンロッド42との連結を解除することができる。カッター14(刃口50)は、油圧ジャッキ13のピストンロッド42が一方向前方に伸長すると、それにともなって一方向前方へ移動し、ロッド42が一方向後方に後退すると、それにともなって一方向後方へ移動する。
図15は、モルタル剥離装置10Bを使用したモルタル剥離方法の一例を示す図であり、図16は、図15から続くモルタル剥離方法を示す図である。図17は、図16から続くモルタル剥離方法を示す図であり、図18は、図17から続くモルタル剥離方法を示す図である。図15では、一方向(図15に示す建築物では上下方向)を矢印Aで示し、一方向と交差する方向(図15に示す建築物では横方向)を矢印Bで示す。それら図に基づいてモルタル剥離方法を説明すると、以下のとおりである。図1のモルタル剥離装置10Aを使用したモルタル剥離方法と同様に、事前にモルタル21を剥離する内壁11の剥離箇所を決定し、モルタル21の剥離幅寸法を決定するとともに、モルタル21の剥離長さ寸法を決定し、モルタル21の剥離深さ寸法を決定する。
それら寸法を決定した後、モルタル21の剥離箇所にそれらモルタル剥離装置10Bを設置する装置設置工程を実施する。ピストンロッド42の先端部を取付座51の挿通孔58に挿入し、ロッド42の先端を取付座51の当接面59に当接させ、貫通孔52,53を一致させた状態で、それら貫通孔52,53に連結ピン54を挿入し、第2連結手段19によってロッド42の先端部にカッター14を連結する。スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面に嵌め込み、貫通孔22,46を一致させた状態で、それら貫通孔22,46に連結ピン47を挿入し、第1連結手段18によって案内部材12に油圧ジャッキ13を連結する(装置準備工程)。
装置準備工程と並行し、または、装置準備工程によってモルタル剥離装置10Aを準備した後、図15に示すように、コンクリートカッターを利用し、モルタル21の剥離幅の外縁に沿って一方向へ直状に延びる2本の案内溝60を入れる(案内溝作成工程)。案内溝60を作った後、コアドリルを利用し、案内溝60の間の箇所のモルタル21をはつり、その箇所にそれらカッター14が入るカッター設置部61を穿つ(カッター設置部作成工程)。案内溝60を作り、カッター設置部61を作った後、第1および第2固定部材15,16を設置する箇所に円筒状のアンカーホール22,32を穿孔し、それらアンカーホール22,32に第1および第2アンカー24,33を設置、固定する(アンカー固定工程)。
アンカー24,33を各アンカーホール23,32に固定した後、油圧ジャッキ14を連結したそれら案内部材12を案内溝60の横方向中央に第1および第2固定手段15,16を介して設置、固定する(装置固定工程)。それら案内部材12を案内溝60の横方向中央に位置させ、カッター14をカッター設置部61に位置させるとともに、スライダー45の台座49の底壁を案内溝60の間のモルタル21に当接させる。
次に、押さえ板26の開口27に第1アンカー24の自由端部25を挿通し、自由端部25に六角ナット28を螺着して押さえ板26を第1アンカー24およびナット28によって強固に固定する。押さえ板26を固定すると、ナット28によって押さえ板26がモルタル21の外面に向かって押圧されるとともに、押さえ板26によって案内部材12がモルタル21の外面に向かって押圧され、部材12が押さえ板26によって固定される(第1固定手段による固定)。
第1固定手段15によって案内部材12を固定した後、第2前端板31の貫通孔に第2アンカー33の自由端部34を挿通し、第1前端板30を案内部材12の前端部29(前端)に当接させ、貫通孔から露出する第2アンカー33の自由端部34に六角ナット28を螺着し、第2アンカー33および六角ナット28によって第1および第2前端板30,31をモルタル21の外面に固定する。案内部材12の前端部29は、第1および第2前端板30,31によって固定される(第2固定手段による固定)。油圧ジャッキ13を連結した案内部材12を内壁11に固定した図16の状態では、それらジャッキ13に連結されたカッター14の各刃口57が横方向へ揃って並んでいる。
装置固定工程が完了した後、電動油圧ポンプ44のスイッチをONにし、リモートコントローラによってそれら油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のピストンロッド42を図16に矢印A1で示す一方向前方へ伸長(前進)させる。このとき、それらピストンロッド42が同期して伸長し、カッター13の各刃口50が横方向へ揃った状態でそれらカッター14が同一の速度で一方向前方へ伸長(前進)する。それによってそれらカッター14が同期して一方向前方へ向かって次第に前進し、カッター14の各刃口50がコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を次第に剥離する(第1剥離工程、最初のモルタル剥離工程)。
それら油圧ジャッキ13のピストンロッド42を同期させつつ一方向前方へ最大に伸長させ、それらロッド42が伸長した分のモルタル21を剥離した後、ジャッキ13のロッド42を同期させつつ図16に矢印A2で示す一方向後方へ後退させる。それらピストンロッド42を後退させることで、第1剥離工程(1回の剥離工程)が完了する。なお、モルタル21の剥離時に発生する音圧レベルは、50〜80dBの範囲にある。その音圧レベルは、騒音計を使用し、その騒音計を剥離装置10Bから1.2m離して測定した値である。モルタル剥離装置10Bを使用したモルタル剥離方法では、それらカッター14の刃口50が一方向前方へ同期して直進し、刃口50がモルタル21を剥がし取るように作用するから、モルタル21の切削面とカッター14(刃口50)とが擦れ合うことはなく、大きな切削音の発生もない。
第1剥離工程が完了した後、貫通孔22,46から連結ピン47を抜き取り、案内部材12と油圧ジャッキ13との連結を解除し、スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面において図17に矢印A1で示す一方向前方へ移動させ、油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させる(ジャッキ第1移動工程)。油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させた後、貫通孔22,46に連結ピン47を再び挿入し、案内部材12に油圧ジャッキ13を再度連結し、リモートコントローラによってジャッキ13を稼働させ、それらジャッキ13のピストンロッド42を図18に矢印で示す一方向前方へ伸長(前進)させる。
このとき、第1剥離工程と同様に、それらピストンロッド42が同期して稼働し、カッター14の各刃口50が横方向へ揃った状態でそれらカッター14が同一の速度で一方向前方へ伸長(前進)する。それによってそれらカッター14が同期して一方向前方へ向かって次第に前進し、カッター14の各刃口50がコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を次第に剥離する(第2剥離工程(次回のモルタル剥離工程))。
油圧ジャッキ13のピストンロッド42を一方向前方へ最大に伸長させ、それらロッド42が伸長した分のモルタル21を剥離した後、リモートコントローラによって油圧ジャッキ13を稼働させ、ジャッキ13のロッド42を同期させつつ図18に矢印A2で示す一方向後方へ後退させる。それらロッド42を後退させることで、第2剥離工程(次に1回の剥離工程)が完了する。
第2剥離工程が完了した後、貫通孔23,46から連結ピン47を抜き取り、それら案内部材12とそれら油圧ジャッキ13との連結を解除し、スライダー45の筒部材48を案内部材12の外周面において一方向前方へ移動させ、油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させる(ジャッキ第2移動工程)。それら油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させた後、既述の手順で再びモルタル21の剥離作業を行う。モルタル21の剥離長さに応じて移動工程と剥離工程とを繰り返し(ジャッキ第n移動工程、モルタル第n剥離工程(次回のモルタル剥離工程))、剥離対象のモルタル21の全てを剥離してジャッキ移動工程とモルタル剥離工程とが完了する。
ジャッキ移動工程とモルタル剥離工程とが完了した後、第1アンカー24の自由端部25に螺着した六角ナット28を取り外し、第1アンカー24およびナット28による押さえ板26の固定を解除するとともに、第1アンカー24の自由端部25から押さえ板26を抜き取り、押さえ板26による案内部材12の固定を解除する(第1固定手段による固定の解除)。
次に、第2アンカー33の自由端部34に螺着した六角ナット28を取り外し、第2アンカー33および六角ナット28による第1および第2前端板30,31のモルタル21に対する固定を解除するとともに、第1および第2前端板30,31による案内部材12の前端部29の固定を解除する(第2固定手段による固定の解除)。第1および第2固定手段15,16による固定の解除した後、それら案内部材12を内壁11から降ろし、剥離装置10Bを剥離箇所から取り外す(装置取り外し工程)。
装置取り外し工程が完了した後、アンカー切断工程を実施する。アンカー切断工程では、アンカーホール23,32から露出する第1〜第3アンカー24,33の自由端部25,34をカッターを使用して切断する。以上の各工程を完了することでモルタル21の剥離作業が完了する。なお、1回目の剥離工程で剥離作業が完了する場合は、第1剥離工程完了後、直ちに装置取り外し工程を実施する。
モルタル剥離装置10Bを使用したモルタル剥離方法は、それら油圧ジャッキ13のピストンロッド42を一方向前方へ同期させつつ次第に伸長させることによって、カッター14の各刃口50を一方向前方へ向かって次第に前進させ、それら刃口50を利用してコンクリート躯体20から所定厚さのモルタル21を剥離するモルタル剥離工程を実施するから、モルタル21の切削面とカッター14(刃口50)とが擦れ合うことによる大きな切削音の発生がなく、剥離作業時に発生する音を許容可能な静かな音にしつつ、コンクリート躯体20からモルタル21を剥がし取ることができる。
モルタル剥離方法は、それら油圧ジャッキ13のピストンロッド42からカッター14の各刃口50に直線的に力(トルク)が伝達され、それら刃口50の直進力をモルタル21の剥離箇所に集中させることができ、それによってモルタル21に大きな剥離力が作用するから、剥離するモルタル21の剥離幅や剥離長さ、剥離深さが大きく、強固に施工されたモルタル21であってもそのモルタル21を円滑かつ確実に剥がし取ることができる。
モルタル剥離方法は、各案内部材12に設置されたそれらカッター14の刃口50を同期させて一方向前方へ前進させるから、刃口50の直進力がそれら刃口50からモルタル21に満遍なく伝達され、横方向の広い範囲にわたってモルタル21を一度に剥離することができ、一度の剥離作業で多くのモルタル21を剥がし取ることができる。
モルタル剥離方法は、油圧ジャッキ13とカッター14とを利用することで、コンクリート躯体20からモルタル21をスムースに剥離することができるから、短期間(短い工期)に効率よく剥離作業を完了することができるのみならず、コンクリート躯体20から一度に広い範囲にわたってモルタル21の剥離を行うことができ、剥離作業を廉価に行うことができる。
モルタル剥離方法は、モルタル21の剥離作業中にコンクリート躯体20に不要な振動が伝わることがないから、コンクリート躯体20にダメージを与えることなく、モルタル21を剥離することができる。また、コンクリート躯体20から広い面積のモルタル21を高い精度で短期間に満遍なく剥離することができ、剥離作業において粉塵や塵埃の発生が少なく、良好な環境で剥離作業を行うことができる。
モルタル剥離方法は、それらピストンロッド42の最大伸長寸法の分の剥離を行った後、取り外したそれら油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させて再び案内部材12に連結し、さらにピストンロッド42の最大伸長寸法の分の剥離を行うことができるから、モルタル剥離工程を繰り返して行うことができ、内壁11におけるモルタル21の剥離長さが長い場合であっても、コンクリート躯体20から全てのモルタル21を剥離することができる。モルタル剥離方法は、モルタル剥離工程を繰り返し行う作業としてそれら油圧ジャッキ13を一方向前方へ移動させ、ジャッキ13を案内部材12に連結させるだけであり、他の作業を伴うことがないから、手間がかからず短期間に効率よくモルタル21の剥離作業を完了することができる。
10A 剥離装置
10B 剥離装置
11 内壁
12 案内部材
13 油圧ジャッキ(ジャッキ)
14 カッター
15 第1固定手段
16 第2固定手段
17 第3固定手段
18 第1連結手段
19 第2連結手段
20 コンクリート躯体
21 モルタル
22 貫通孔
23 アンカー穴
24 第1アンカー
25 自由端部
26 押さえ板
29 前端部
30 第1前端板
31 第2前端板
32 アンカーホール
33 第2アンカー
34 自由端部
35 後端部
36 第1後端板
37 第2後端板
38 アンカーホール
39 第3アンカー
40 自由端部
41 シリンダー
42 ピストンロッド
44 電動油圧ポンプ
45 スライダー
46 貫通孔
47 連結ピン
48 筒部材
49 台座
50 刃口
51 取付座
52 貫通孔
53 貫通孔
54 連結ピン
60 案内溝
61 カッター設置部

Claims (12)

  1. コンクリート躯体に施工されたモルタルを剥離するモルタル剥離装置を使用したモルタル剥離方法において、
    前記モルタル剥離装置が、前記モルタルの外面から所定寸法離間するとともに該モルタルの外面と並行して一方向へ延びる案内部材と、一方向前方へ伸縮可能なピストンロッドを有して前記モルタルと前記案内部材との間に位置するジャッキと、前記ピストンロッドの先端部に位置して前記コンクリート躯体からモルタルを剥離するカッターと、前記ジャッキを前記案内部材の所定の箇所に連結するジャッキ連結手段と、前記案内部材および前記ジャッキを前記モルタルの剥離箇所に固定する第1固定手段とから形成され、
    前記モルタル剥離方法が、前記ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させることによって、前記カッターを一方向前方へ次第に前進させ、前記カッターを利用して前記コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを剥離するモルタル剥離工程を実施することを特徴とするモルタル剥離方法。
  2. 前記モルタル剥離方法では、前記ジャッキのピストンロッドを一方向前方へ伸長させてモルタルを剥離した後、前記ピストンロッドを一方向後方へ後退させることで1回毎のモルタル剥離工程が完了し、前記モルタル剥離方法が、最初のモルタル剥離工程を実施した後、前記ジャッキと前記案内部材との連結を解除してそのジャッキを一方向前方へ移動させるジャッキ移動工程を実施するとともに、前記ジャッキを一方向前方へ移動させた後、該ジャッキを該案内部材に再び連結し、前記ピストンロッドを一方向前方へ次第に伸長させることによって、前記カッターを一方向前方へ次第に前進させ、前記カッターを利用して前記コンクリート躯体から所定厚さのモルタルを剥離する次回のモルタル剥離工程を実施する請求項1に記載のモルタル剥離方法。
  3. 前記モルタル剥離方法が、前記最初のモルタル剥離工程を実施する前に、前記モルタルにその剥離幅の外縁に沿って一方向へ直状に延びる2本の案内溝を作る案内溝作成工程を実施するとともに、前記案内溝の間の箇所のモルタルをはつり、その箇所に前記カッターを設置するカッター設置部を穿つカッター設置部作成工程を実施する請求項2に記載のモルタル剥離方法。
  4. 前記モルタル剥離装置が、前記カッターを前記ピストンロッドの先端部に着脱可能に連結するカッター連結手段を含み、前記モルタル剥離方法が、前記最初のモルタル剥離工程を実施する前に、前記カッター連結手段を介して前記ピストンロッドの先端部に前記カッターを連結しつつ、前記ジャッキ連結手段を介して前記ジャッキを前記案内部材の所定の箇所に連結して前記モルタル剥離装置を準備する装置準備工程を実施するとともに、前記コンクリート躯体におけるモルタルの剥離箇所に前記第1固定手段を介して前記モルタル剥離装置を固定する装置固定工程を実施する請求項2または請求項3に記載のモルタル剥離方法。
  5. 前記モルタル剥離方法が、前記移動工程と前記次回のモルタル剥離工程とを繰り返し、剥離対象の全てのモルタルを前記コンクリート躯体から剥離した後、前記モルタル剥離装置をモルタルの剥離箇所から取り外す装置取り外し工程を実施する請求項2ないし請求項4いずれかに記載のモルタル剥離方法。
  6. 前記第1固定手段が、前記モルタルに穿孔されたアンカーホールに固定された第1アンカーと、前記アンカーホールから露出する前記第1アンカーの自由端部に着脱可能に固定されて前記案内部材を前記モルタルに向かって押圧する押さえ板とから形成され、前記モルタル剥離方法では、前記装置固定工程において前記第1固定手段が取り付けられ、前記装置取り外し工程において前記第1固定手段が取り外される請求項5に記載のモルタル剥離方法。
  7. 前記モルタル剥離装置が、前記案内部材の前端部に設置されて該案内部材の一方向前方への移動を阻止する第2固定手段を含み、前記第2固定手段が、前記案内部材の前端部に当接する第1前端板と、前記第1前端板につながって前記モルタルに当接する第2前端板と、前記モルタルに穿孔されたアンカーホールに挿入されて前記第2前端板を該モルタルに固定する第2アンカーとから形成され、前記モルタル剥離方法では、前記装置固定工程において前記第2固定手段が取り付けられ、前記装置取り外し工程において前記第2固定手段が取り外される請求項5または請求項6に記載のモルタル剥離方法。
  8. 前記モルタル剥離装置が、前記案内部材の後端部に設置されて該案内部材の一方向後方への移動を阻止する第3固定手段を含み、前記第3固定手段が、前記案内部材の後端部に当接する第1後端板と、前記第1後端板につながって前記モルタルに当接する第2後端板と、前記モルタルに穿孔されたアンカーホールに挿入されて前記第2後端板を該モルタルに固定する第3アンカーとから形成され、前記モルタル剥離方法では、前記装置固定工程において前記第3固定手段が取り付けられ、前記装置取り外し工程において前記第3固定手段が取り外される請求項5ないし請求項7いずれかに記載のモルタル剥離方法。
  9. 前記カッターが、前記モルタルの外面から所定深さに位置する刃口と、前記刃口につながる取付座とから形成され、前記モルタル剥離方法では、前記取付座の頂部が前記案内部材に摺動可能に当接して前記カッターのモルタルの外面から離間する方向への移動が阻止されている請求項1ないし請求項8いずれかに記載のモルタル剥離方法。
  10. 前記モルタル剥離方法では、前記刃口の一方向と交差する方向の寸法を調節することで、前記コンクリート躯体から剥離するモルタルの剥離幅を調節可能である請求項9に記載のモルタル剥離方法。
  11. 前記モルタル剥離方法では、前記モルタルの剥離時に発生する音圧レベルが50〜80dBの範囲にある請求項1ないし請求項10いずれかに記載のモルタル剥離方法。
  12. 前記ジャッキが、電動油圧ポンプに接続された油圧ジャッキである請求項1ないし請求項11いずれかに記載のモルタル剥離方法。
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