JP2024025545A - 解体方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋等が埋設されたコンクリート部材を好適に解体できる解体方法等を提供する。【解決手段】鉄筋5が埋設されたコンクリート部材1を、コンクリート部材1の表面において設定された分断ライン6で分断して解体する。この際、上記表面の分断ライン6上に油圧破砕機を挿入する孔7を形成すると同時に、分断ライン6と交差する鉄筋5を切断する工程と、孔7に油圧破砕機を挿入し、油圧破砕機により圧力を加えることで分断ライン6と自由面4で囲まれたブロックを自由面4側に押し出し、分断ライン6に沿ってコンクリートを分断させる工程と、を実施する。【選択図】図4

Description

本発明は、コンクリート部材の解体方法等に関する。
建物の床躯体上の防水層を保護する押えコンクリートや、床躯体や壁躯体のコンクリートの表層部など、板状のコンクリートを解体する際は、電動ピックやハンドブレーカが一般的に用いられる。
しかしながら、電動ピックやハンドブレーカによる解体方法では騒音や振動、粉塵などが発生し、建物を利用しながら解体工事を行う際には、一部エリアの利用停止、厳重な養生、解体後の念入りな清掃等の必要があった。また、解体範囲外の躯体や仕上げを損傷する恐れもあった。
一方、特許文献1には、鉄筋コンクリートの壁や床スラブの破砕除去部分の中央部に連続孔を穿孔して自由面を形成し、破砕除去部分に埋設されている鉄筋の位置上に破砕剤充填用孔を穿孔した後、破砕剤充填用孔に膨張性破砕剤を充填し、膨張性破砕剤を用いて計画開口部を作成するコンクリートの破砕方法が記載されている。
特公平4-57830号公報
特許文献1の方法により、解体時の騒音や振動、粉塵の発生を抑制することが可能になる。しかしながら、特許文献1の方法では、コンクリート部材の内部の鉄筋が破砕の妨げとなる可能性があり、その場合は、別途鉄筋を切断する工程が必要となる。
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉄筋等が埋設されたコンクリート部材を好適に解体できる解体方法等を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、線材による補強材が埋設されたコンクリート部材を、コンクリート部材の前記線材の延伸方向に沿った表面において設定された分断ラインで分断して解体する解体方法であって、前記表面の前記分断ライン上に加圧機構を挿入する挿入部を形成すると同時に、前記分断ラインと交差する前記線材を切断する工程(a)と、前記挿入部に加圧機構を挿入し、前記加圧機構により圧力を加えることで前記分断ラインと自由面で囲まれたブロックを前記自由面側に押し出し、前記分断ラインに沿ってコンクリートを分断させる工程(b)と、を具備することを特徴とする解体方法である。
本発明では、コンクリートのブロックを自由面側に押し出し、分断ラインに沿ってコンクリートを分断することでコンクリート部材を解体するが、ブロックを押し出すための加圧機構の挿入部をコンクリート部材の表面に形成する際に、分断ラインと交差する鉄筋等の線材を切断する。これにより、ブロックを押し出す際に鉄筋等による抵抗を受けることなく、コンクリート部材を容易に解体できる。また加圧によりコンクリートを分断することで、解体時の騒音や振動、粉塵の発生を抑制できる。
前記補強材は例えば鉄筋であり、前記工程(a)の前に、鉄筋探査機を用い、前記鉄筋の前記表面からの深さ、および、前記鉄筋の前記表面上の位置を検出することも望ましい。
このように、鉄筋の配筋情報を事前に把握しておくことにより、挿入部を形成する際に、鉄筋を確実に切断できる。
前記コンクリート部材は、例えば水平方向の板状部材である。
本発明の解体方法は、コンクリート部材をブロック状に解体するので、ブロックの落下対策が不要となる水平方向の板状部材の解体に特に適している。
前記工程(a)において、前記分断ラインと交差する複数の前記線材のそれぞれに対応する位置に、前記挿入部として孔が設けられることが望ましい。
これにより、くさび型の油圧破砕機などを孔に挿入し、これを用いてコンクリート部材の解体を行うことができる。また加圧機構の挿入用の孔を形成すると同時に鉄筋等を切断することで、鉄筋等の切断作業を、別途コンクリート部材を穿孔等して行う必要が無くなる。
また、前記工程(a)において、前記分断ラインに沿ってスリットが設けられ、前記工程(b)において、前記スリットに挿入した板状の加圧機構を用いて圧力を加えてもよい。
これにより、板ジャッキなど、板状の加圧機構を用いてコンクリート部材の解体を行うことができる。この場合も、加圧機構の挿入用のスリットを形成すると同時に鉄筋等を切断することで、鉄筋等の切断作業を別途行う必要が無くなる。また、スリットの切断面は整っているため、解体後の残りのコンクリート部材における切断面の補修に手間がかからない。
本発明によれば、鉄筋等が埋設されたコンクリート部材を好適に解体できる解体方法等を提供できる。
コンクリート部材1を示す図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 くさび型の油圧破砕機8を示す図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 板ジャッキ10を示す図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。 コンクリート部材1の解体方法について説明する図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1(a)は、本発明の実施形態に係る解体方法により解体を行うコンクリート部材1の表面を示す図であり、図1(b)は図1(a)の線A-Aによるコンクリート部材1の厚さ方向の断面を示す図である。
本実施形態では、コンクリート部材1を、水平方向の板状部材である前記の押えコンクリートとし、その内部には、線材による補強材である鉄筋5が埋設される。鉄筋5は縦横の格子状に配置され、これらの鉄筋5の延伸方向は、コンクリート部材1の厚さ方向と直交する。鉄筋5は例えばワイヤーメッシュ筋であるが、これに限らない。
図1(a)の符号2は、コンクリート部材1の表面(鉄筋5の延伸方向に沿った面)におけるコンクリート部材1の解体範囲を示す。本実施形態では、解体範囲2が、コンクリート部材1の表面において矩形状である。
コンクリート部材1を解体する際は、まず、コンクリート部材1の表面で鉄筋探査機S(図1(b)参照)による探査を行い、鉄筋5の当該表面からの深さ、および、当該表面における鉄筋5の位置を検出する。鉄筋探査機Sは例えば電磁波レーダ方式によるものであるが、これに限ることはない。
その後、図2(a)に示すように、解体範囲2の外周に沿って自由面4を形成する。本実施形態では、解体範囲2の外周の隣り合う2辺に沿って、小径コアボーリング等でコンクリート部材1を連続して削孔し、連続孔3の壁面を自由面4とする。図2(b)に示すように、コンクリート部材1の削孔時、孔内の鉄筋5は切断される。図2(b)は図2(a)の線A-Aによる断面を示す図である。
次に、鉄筋探査機Sにより検出した配筋情報(鉄筋5の深さと位置)やコンクリート部材1の解体時のブロックサイズに基づき、図3に示すように、コンクリート部材1の表面においてコンクリートの分断ライン6を設定する。上記のブロックサイズは、例えば分断後のブロックを人力で運搬可能な大きさとする等、現場条件や施工条件によって定められる。図3の例では、解体範囲2のコンクリートを9つのブロックに分断できるよう、コンクリート部材1の表面において、縦方向の自由面4に平行な3本の分断ライン6と、横方向の自由面4に平行な3本の分断ライン6を格子状に設定している。
こうして分断ライン6を設定したら、図3の分断ライン6または自由面4で囲まれたブロックを順次分断する。本実施形態では自由面4に近いブロックから順次分断を行うものとし、まず2辺が自由面4となる図3の左上隅のブロックの分断作業を行う。
ブロックの分断は後述する油圧破砕機を用いて行い、ここではまず図4(a)に示すように、油圧破砕機を挿入する孔7(挿入部)を、コンクリート部材1の表面から穿孔を行うことで形成する。コンクリート部材1の表面における孔7の位置は、分断ライン6上であり、且つ当該分断ライン6と交差する鉄筋5の位置と重なるように決定される。
分断ライン6と交差する鉄筋5は、孔7の形成と同時に切断される。図4(b)は図4(a)の線B-Bによるコンクリート部材1の厚さ方向の断面を示す図であり、切断される鉄筋の位置Rを破線で示している。
孔7の穿孔には、小径コアボーリングなどの静音で鉄筋5を切断可能な手法が用いられる。孔7は、分断ライン6と交差する複数の鉄筋5のそれぞれに対応する位置で形成され、孔7の形成により、分断ライン6と交差する全ての鉄筋5が切断される。
孔7は、コンクリート部材1の表面からコンクリート部材1の厚さ方向に形成される。その深さDは、切断する鉄筋5の深さより大きく、且つ、後述するひび割れを発生させるため、解体を行うコンクリート部材1の厚さの1/2以上とすることが望ましい。孔7は、コンクリート部材1を厚さ方向に貫通するように形成することも可能である。
なお、分断ライン6は図4(a)の例に限らず、例えば鉄筋5の直上で鉄筋5の延伸方向に設定される場合もある。この場合も、孔7は、分断ライン6と交差する鉄筋5を切断できる位置に定められる。結果として、孔7は縦横の鉄筋5の交差部で形成されることになり、孔7の形成と同時に、交差する鉄筋5がともに切断される。
このようにコンクリート部材1に孔7を形成した後、図5(a)に示すくさび型の油圧破砕機8を用いてコンクリート部材1のコンクリートを分断する。油圧破砕機8は、くさび状のウェッジ部81と羽根部82を端部に有する棒状の小型の加圧機構であり、図5(b)に示すようにウェッジ部81を油圧により先端に向けて押し込むことで、ウェッジ部81の両側の羽根部82を外側に広げることができる。
この油圧破砕機8の端部を、分断ライン6上の孔7のそれぞれに挿入し、各油圧破砕機8のウェッジ部81を押し込んで羽根部82を広げる。これにより、図6に示すように、孔7から自由面4側および自由面4の反対側に矢印Cで示す圧力を加える。本実施形態では各孔7に挿入した油圧破砕機8から同時に圧力を加えるが、各油圧破砕機8から順次圧力を加えることも可能である。
すると、分断ライン6と自由面4で囲まれたコンクリートのブロックが、自由面4の反対側のコンクリートに反力を取って自由面4側へと押し出される。これにより、図7(a)に示すように、分断ライン6に沿って、コンクリート部材1を厚さ方向に貫通するひび割れ9が発生し、自由面4とひび割れ9に囲まれたブロックが残りのコンクリートから分断される。
本実施形態では孔7によって上記の分断ライン6と交差する方向の鉄筋5が事前に切断されているので、油圧破砕機8による加圧時に鉄筋5が抵抗とならず、十分な幅と深さを有するひび割れ9を発生させることができる。
こうして図7(a)に示すように自由面4に最も近いブロックを分断した後、ひび割れ部分の壁面を新たな自由面4aとして利用し、図4(a)以降の手順を繰り返す。これにより、本実施形態では、図7(b)に示すように、解体範囲2(図1(a)参照)を9つのブロックに分割することができる。これらのブロックは、ブロックの分断の都度撤去することもでき、全てのブロックを分断した後まとめて撤去することもできる。
このように、本実施形態では、コンクリートのブロックを自由面4側に押し出し、分断ライン6に沿ってコンクリートを分断することでコンクリート部材1を解体するが、油圧破砕機8を挿入する孔7をコンクリート部材1の表面に形成する際に、分断ライン6と交差する鉄筋5を切断する。これにより、ブロックを押し出す際に鉄筋5による抵抗を受けることなく、コンクリート部材1を容易に解体できる。また加圧によりコンクリートを分断することで、解体時の騒音や振動、粉塵の発生を抑制できる。
さらに本実施形態では、油圧破砕機8による加圧に用いる孔7を鉄筋5の切断にも用いることができるので、鉄筋5の切断作業を、別途コンクリート部材1を穿孔等して行う必要が無くなる。
また本実施形態では、鉄筋探査機Sを用いて鉄筋5の配筋情報を事前に把握しておくことにより、孔7を形成する際に、鉄筋5を確実に切断できる。
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば本実施形態では、解体対象のコンクリート部材1を防水層の押えコンクリートとしているが、これに限られることはなく、床躯体のスラブコンクリートや、設備、機械等の基礎コンクリートなど、その他の水平方向の板状部材であってもよい。またコンクリート部材1は水平方向の板状部材に限らず、壁など鉛直方向の板状部材であってもよい。ただし、この場合はブロックの落下対策が必要となり、押えコンクリート等の解体時にはこのような対策が不要であるという利点がある。また本実施形態ではコンクリート部材1の全厚を解体対象としたが、コンクリート部材1の厚さ方向の一部を解体する場合にも本実施形態の解体方法は適用可能である。
さらに、鉄筋5は上下2段に配置される場合もあり、この場合には、上下段の鉄筋5のそれぞれに対して、分断ライン6と交差する鉄筋5を切断できる位置および深さで孔7が形成される。各段の鉄筋5の深さと位置も、前記の鉄筋探査機Sにより検出できる。
また本実施形態では、分断ライン6と交差する全ての鉄筋5を孔7の形成時に切断するが、一部の鉄筋5を切断すれば十分な幅と深さのひび割れ9が発生すると見込まれる場合は、一部の鉄筋5のみを孔7の形成と同時に切断し、残りの鉄筋5はひび割れ9を発生させた後に切断する、といったことも可能である。
また本実施形態では、全ての孔7から油圧破砕機8による加圧を行ったが、解体範囲2のコンクリート部材1の厚さ等に応じて、一部の孔7から加圧を行っても良い。例えば、分断ライン6と交差する鉄筋5の間隔が小さく、孔7の間隔が小さい場合には、いくつかの孔7おきに油圧破砕機8による加圧を実施してもよい。また分断ライン6と交差する鉄筋5の間隔が大きい場合には、鉄筋5と重ならない位置に追加の孔を穿孔し、油圧破砕機8による加圧に用いてもよい。
また解体範囲2の形状、大きさも前記したものに限定されることはなく、解体範囲2の外周が既に自由面4となっている場合には、その部分については、連続孔3による自由面4の形成作業を省略することが可能である。さらに、自由面4の形成方法も、連続孔3によるものに限定されることはない。例えばコンクリートカッターでコンクリート部材1を切断し、自由面4を形成することも可能である。
また本実施形態では、鉄筋探査機Sを用いた事前の鉄筋探査により鉄筋5の位置や深さを検出しているが、これらの配筋情報が事前にわかっているケースなど、鉄筋探査が不要になる場合もある。
さらに、本実施形態では、コンクリート部材1に鉄筋5が埋設されているが、コンクリート部材1に埋設される補強材が鉄筋5に限ることもない。
また油圧破砕機8の構成も前記したものに限らず、孔7に挿入し加圧を行えるものであればよい。例えば特許第6411031号の図7に開示されているように、棒状の本体に設けた突出部を、油圧により本体の外側に突出させるものであってもよい。
さらに、コンクリートの分断に用いる加圧機構が、油圧破砕機に限定されることもない。以下、コンクリートの分断に用いる加圧機構が異なる本発明の別の例を、第2の実施形態として説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図8(a)に例示する板ジャッキ10を用いてコンクリート部材1の解体を行う点で第1の実施形態と異なる。板ジャッキ10は、2枚の金属板101の外周部同士を溶接して袋状に接合した板状の小型の加圧機構であり、その例が特開2007-8601号公報等に開示されている。
板ジャッキ10には、2枚の金属板101の内側に流体を送り込むための注入口102も設けられ、注入口102を介して水等の流体を送り込むことで図8(b)に示すように2枚の金属板101が外側に膨れて広がる。
コンクリート部材1を解体する際は、まず第1の実施形態と同様にコンクリート部材1の内部の配筋情報を把握し、自由面4を形成した後、分断ライン6を設定する。本実施形態でも、図3と同様に自由面4の形成と分断ライン6の設定を行い、まず、2辺が自由面4となる図3の左上隅のブロックの分断作業を行うものとする。
ここではまず、図9(a)に示すように、板ジャッキ10を挿入するスリット11(挿入部)を、コンクリート部材1の表面からコンクリートを切削して形成する。コンクリート部材1の表面におけるスリット11の位置は、分断ライン6に沿った位置とし、分断ライン6と交差する全ての鉄筋5が、スリット11の形成と同時に切断される。図9(b)は図9(a)の線E-Eによる鉛直断面を示す図であり、スリット11の形成と同時に切断される鉄筋5の位置Rを破線で示している。スリット11の形成には、コンクリートカッターなどの鉄筋5を切断可能な機械が用いられる。
スリット11はコンクリート部材1の表面からコンクリート部材1の厚さ方向に形成される。その深さDは、切断する鉄筋5の深さより大きく、且つ、後述するひび割れを発生させるため、解体を行うコンクリート部材1の厚さの3/10以上とすることが望ましい。
このようにコンクリート部材1のスリット11を形成した後、縦方向と横方向のスリット11に板ジャッキ10を挿入し、これらの板ジャッキ10を広げることで、図10(a)に示すように、スリット11から自由面4側および自由面4の反対側に矢印Cで示す圧力を加える。本実施形態では縦方向のスリット11と横方向のスリット11に挿入した板ジャッキ10から同時に圧力を加えるが、これらの板ジャッキ10から順次圧力を加えることも可能である。またスリット11の全長に亘って板ジャッキ10を挿入する必要はなく、スリット11の長さよりもより短い板ジャッキ10をスリット11の延伸方向に数回ずらしつつ、その都度加圧を行ってもよい。
これにより、分断ライン6と自由面4に囲まれたコンクリートのブロックが、自由面4の反対側のコンクリートに反力を取って自由面4側へと押し出され、図10(b)に示すようにスリット11が広がってコンクリート部材1を厚さ方向に貫通するひび割れが発生する。なお図10(b)は、スリット11の延伸方向と直交する断面を見た図である。図10(a)では板ジャッキ10の図示を省略している。
これにより、図11(a)に示すように、自由面4と、分断ライン6に沿って発生したひび割れ9とに囲まれたブロックが、残りのコンクリートから分断される。本実施形態ではスリット11によって上記の分断ライン6と交差する方向の鉄筋5が事前に切断されているので、板ジャッキ10による加圧時に鉄筋5が抵抗とならず、十分な幅と深さを有するひび割れ9を発生させることができる。
こうして図11(a)に示すように自由面4に最も近いブロックを分断した後、ひび割れ部分の壁面を新たな自由面4aとして利用し、図9(a)以降の手順を繰り返す。これにより、本実施形態でも、図11(b)に示すように、解体範囲2(図1(a)参照)を9つのブロックに分割することができる。
第2の実施形態でも、スリット11の形成と同時に分断ライン6と交差する鉄筋5を切断することで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、スリット11の切断面は整っているため、解体後の残りのコンクリート部材1における切断面の補修に手間がかからない。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:コンクリート部材
2:解体範囲
3:連続孔
4、4a:自由面
5:鉄筋
6:分断ライン
7:孔
8:油圧破砕機
9:ひび割れ
10:板ジャッキ
11:スリット

Claims (5)

  1. 線材による補強材が埋設されたコンクリート部材を、コンクリート部材の前記線材の延伸方向に沿った表面において設定された分断ラインで分断して解体する解体方法であって、
    前記表面の前記分断ライン上に加圧機構を挿入する挿入部を形成すると同時に、前記分断ラインと交差する前記線材を切断する工程(a)と、
    前記挿入部に加圧機構を挿入し、前記加圧機構により圧力を加えることで前記分断ラインと自由面で囲まれたブロックを前記自由面側に押し出し、前記分断ラインに沿ってコンクリートを分断させる工程(b)と、
    を具備することを特徴とする解体方法。
  2. 前記補強材は鉄筋であり、
    前記工程(a)の前に、鉄筋探査機を用い、前記鉄筋の前記表面からの深さ、および、前記鉄筋の前記表面上の位置を検出することを特徴とする請求項1記載の解体方法。
  3. 前記コンクリート部材が、水平方向の板状部材であることを特徴とする請求項1記載の解体方法。
  4. 前記工程(a)において、前記分断ラインと交差する複数の前記線材のそれぞれに対応する位置に、前記挿入部として孔が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の解体方法。
  5. 前記工程(a)において、前記分断ラインに沿ってスリットが設けられ、
    前記工程(b)において、前記スリットに挿入した板状の加圧機構を用いて圧力を加えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の解体方法。
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