JP7285184B2 - 鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法 - Google Patents

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Description

本開示は、鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法に関する。
例えば、特許文献1には、ワイヤーソーを用いて鉄骨鉄筋コンクリート構造物を解体する方法が記載されている。解体されたコンクリート構造物は、鋼材とコンクリートとを分離して廃棄することが求められているため、特許文献1に記載の方法で解体された鉄骨鉄筋コンクリート構造物は、更に鉄骨からコンクリートを分離する必要がある。従来、鉄骨からコンクリートを分離するために、ブレーカーによる打撃解体や、人力の電動ピックでコンクリートをはつることが行われていた。
特開2014-69529号公報
しかしながら、ブレーカーによる方法は、継続した打撃騒音が発生して環境負荷が大きい(10m離れた地点で90dB(A)程度)、解体効率が低い、粉塵が発生する、苦渋作業のため作業員の確保が難しい、という問題があった。また、電動ピックによる方法も、継続した打撃騒音が発生して環境負荷が大きく、苦渋作業であって施工効率が悪かった。
このような問題に鑑み、本発明は、継続的な騒音を抑制し、効率的にコンクリートを鉄骨から分離できる鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、鉄骨(2,22,32)、鉄筋(3)、並びに前記鉄骨及び前記鉄筋を埋設するコンクリート(4)を含む鉄骨鉄筋コンクリート構造物(1,21,31)の解体方法であって、前記鉄骨及び前記鉄筋の位置を確認するステップと、起爆材(11)が前記鉄骨の表面の近傍に配置されるとともに、前記コンクリートの2つの自由表面(4a)から前記起爆材までの距離(M)が互いに略等しくかつ前記起爆材の起爆距離(w)以下になるように、装薬孔(12)を削孔して、前記装薬孔に前記起爆材を装薬する削孔装薬ステップと、前記起爆材を起爆するステップとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、起爆材の起爆による瞬間的な騒音は発生するが、継続的な大きな騒音は発生しない。また、起爆材の起爆によって、コンクリートの鉄骨への付着を解消できるため、作業効率が高く、苦渋作業を軽減できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、上記構成において、前記起爆材と前記鉄骨の前記表面との距離(d)は、50mm以下であることを特徴とする。
この構成によれば、鉄骨に起爆材の起爆による応力波が伝わりやすく、コンクリートの鉄骨への付着の解消がより確実になる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、上記構成の何れかにおいて、前記コンクリートは、前記鉄骨の延在方向に直交する断面において矩形をなし、2つの前記自由表面は、互いに直角に交差する前記コンクリートの表面であり、前記削孔装薬ステップは、前記起爆材の中心が、所定の前記断面内において、前記矩形の対角線上、かつ前記矩形の中心に対して互いに反対側に位置するように行われることを特徴とする。
この構成によれば、鉄骨鉄筋コンクリート構造物の断面が大きくとも、対角線上の2箇所に起爆材を設置することによってコンクリートを破砕することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、上記構成において、前記鉄骨は、所定の方向に延在する主部材(7,25,35)と、前記自由表面をなす2つの前記コンクリートの前記表面のそれぞれに対して角度をなす方向に延在し、両端部が前記主部材に接合された平板状の補剛材(8)とを含み、前記鉄骨における前記起爆材が近接して配置される部分は、前記補剛材であることを特徴とする。
この構成によれば、起爆材が補剛材の近傍、かつコンクリートの表面から等距離に位置するように装薬孔を容易に削孔することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、上記構成の何れかにおいて、前記装薬孔の延在方向は、前記鉄骨における前記起爆材が近接する前記表面に平行であることを特徴とする。
この構成によれば、起爆材が鉄骨の表面に平行に配置されるため、起爆材の起爆によって生じる応力波が、鉄骨に伝わりやすくなる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る方法は、上記構成の何れかにおいて、前記コンクリートの表面に、所定の深さを有する1対のスリット(26)を形成するステップと、1対の前記スリット間の中央に第2装薬孔(27)を削孔し、前記第2装薬孔に第2起爆材(28)を装薬する第2削孔装薬ステップと、前記第2起爆材を起爆する第2起爆ステップとを更に備えることを特徴とする。
この方法によれば、第2起爆材を起爆することにより、装薬孔及び起爆材の配置条件を満たさない領域のコンクリートの表面をはつることができる。
本発明によれば、継続的な騒音を抑制し、効率的にコンクリートを鉄骨から分離できる鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法を提供できる。
第1実施形態に係る方法によって解体される鉄骨鉄筋コンクリート構造物を示す斜視図 第1実施形態に係る方法を説明するための鉄骨鉄筋コンクリート構造物の横断面図 第1実施形態に係る方法の変形例を説明するための鉄骨鉄筋コンクリート構造物の横断面図 第2実施形態に係る方法を説明するための鉄骨鉄筋コンクリート構造物の横断面図(A:起爆材の配置を示す図、B:1次起爆後、第2起爆材の配置を示す図、C:2次起爆後を示す図) 第2実施形態に係る方法を説明するための鉄骨鉄筋コンクリート構造物の横断面図(A:起爆材の配置を示す図、B:1次起爆後、第2起爆材の配置を示す図、C:2次起爆後を示す図)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る方法が適用される鉄骨鉄筋コンクリート構造物(以下、「SRC構造物」と記す)1を示す斜視図であり、図2は、起爆前のSRC構造物1を示す横断図である。SRC構造物1は、建物の中柱であって、鉄骨2と、鉄筋3と、鉄骨2及び鉄筋3を埋設するコンクリート4とを含む。
鉄骨2は、鉛直方向に延在して、横断面視で十字形状をなすウェブ5及びウェブ5の4つの先端に接合されたフランジ6を含む主部材7と、鉛直方向に所定の間隔で配置され、両端部が互いに隣り合うフランジ6の側縁に接合された複数の補剛材8とを含む。ウェブ5の横断面視における十字方向は、横断面視で矩形をなすコンクリート4の側面4aに対して平行又は垂直である。また、各々のフランジ6は、最も近接するコンクリート4の側面4aに平行に配置されている。補剛材8は、平板状の鋼材であって、コンクリート4の側面4aに対して角度をなしている。
鉄筋3は、横断面視で鉄骨2よりも外側に位置して、鉛直方向に延在する複数の主筋9と、複数の主筋9を包囲するようにコンクリート4の側面4aに沿って概ね水平方向に延在する帯筋10とを含む。
SRC構造物1の解体方法をその手順に沿って説明する。
まず、SRC構造物1の構造図及び配筋図等に基づき、起爆材11を選定し、各装薬孔12への装薬量を決定する等、基本的な装薬計画を作成する。更に、実際の鉄骨2及び鉄筋3の位置が図面と異なる可能性があるため、現地において、電磁レーダー法、電磁誘導法又はX線透過撮影法等の鉄骨2及び鉄筋3の公知の探査手段により実際の鉄骨2及び鉄筋3の位置を確認し、必要に応じて装薬計画を修正する。
次に、装薬位置をマーキングし、マーキングに従いハンドドリル等の工具により装薬孔12を削孔し、装薬孔12に起爆材11を装薬し、装薬孔12内の起爆材11の上に填塞材13を充填する。起爆材11として、火薬や放電破砕材を使用できる。装薬孔12は、鉛直方向に所定の間隔で複数設けられる。起爆材11を装薬孔12の底に配置できるように、装薬孔12は、有底孔であることが好ましい。
各々の装薬孔12の削孔及び起爆材11の装薬は、起爆材11の位置が次の条件を満たすように行われる。第1に、起爆材11の位置は、鉄骨2の表面の近傍であり、好ましくは、起爆材11の起爆による応力波が鉄骨2に伝わりやすくするために、起爆材11と鉄骨2との表面との距離dが約50mm以下である。なお、起爆材11が鉄骨2の表面に接触していてもよい。第2に、起爆材11からコンクリート4の2つの側面4aまでの距離Mが互いに略等しく、かつ、その距離Mが起爆材11の起爆距離w(抵抗線長)以下である。ここで、起爆距離wとは、使用する起爆材11が自由表面にひび割れを生成することのできる最大距離を意味し、起爆材11の種類や量ごとに指定されている。なお、コンクリート4の側面4aに代えて、スリット(図示せず)によって画成される表面等の他の自由表面に対して、第2の条件を満たすようにしてもよい。図示する例では、SRC構造物1は、横断面視で正方形をなし、各々のフランジ6は、コンクリート4の側面4aに対して45°の角度をなしているため、起爆材11を、補剛材8の外側の表面の近傍における延在方向の中央に配置することにより上記の条件が満たされる。
また、装薬孔12は、起爆材11を近接させる補剛材8に平行に延在するように設けられ、円柱形状の起爆材11の長手方向を補剛材8の表面に平行にすることが好ましい。
上記の装薬孔12及び起爆材11は、鉄骨2からコンクリート4を剥離するようにコンクリート4を破砕するために設けられるが、更に、鉄筋3からコンクリート4を剥離するため、主筋9の近傍に補助装薬孔14を削孔し、補助装薬孔14に補助起爆材15を装薬し、補助装薬孔14内の補助起爆材15の上に填塞材13を充填してもよい。補助起爆材15として、火薬や放電破砕材を使用できる。補助装薬孔14及び補助起爆材15は、横断面視において、装薬孔12及び起爆材11が設けられた隅部とは異なる隅部に設けられる。
次に、起爆によって破壊されるべき箇所に対して飛散防止及び防音養生を行った後、起爆材11及び補助起爆材15を起爆する。各々の起爆材11は、互いに同時に起爆してよく、順次に起爆してもよい。また、各々の補助起爆材15も、互いに同時に起爆してよく、順次に起爆してもよい。起爆材11と補助起爆材15とは、互いに同時に起爆してもよく、順次に起爆してもよい。起爆によって、コンクリート4が鉄骨2から剥離するように破砕される。飛散防止及び防音養生を撤去し、破砕ガラを撤去する。
理論的に拘束されるものではないが、コンクリート4が鉄骨2から剥離して破砕される理由は、以下のように説明できる。起爆材11の起爆により、起爆材11に近接する補剛材8を含む鉄骨2の全面に引張ひずみが生じる。すなわち、鉄骨2がわずかに膨らむ。この鉄骨2の膨張は、ひずみレベルとしては10μm程度と低いが、鉄骨2とコンクリート4間に相対変位が発生し、もともと低い鉄骨2に対するコンクリート4の付着が解消し、剥離する。
また、起爆材11の起爆による応力波は、圧縮波である。圧縮波が、コンクリート4の側面4aや鉄筋3で反射されると引張波となり、反射した引張波が互いに衝突することによりコンクリート4に引張力が加わってコンクリート4が破砕される。
コンクリート4における上下に隣り合う補剛材8間に位置する部分は、鉄骨2の内側から外側にかけて存在するため、鉄骨2におけるこの部分に覆われた部分を露出させることは難しいと考えられた。しかし、試験を行った結果、この部分のコンクリート4も容易に露出することができた。理論的に拘束されるものではないが、その理由は次のように説明できる。起爆材11の起爆によって、コンクリート4における上下に隣り合う補剛材8間に位置する部分には、補剛材8に発生するよりも大きなレベルの引張ひずみが、補剛材8の配置に平行に発生する。すなわち、補剛材8に沿って面状に破断面が形成される。このため、軽微なブレーカー打撃等でこの部分の鉄骨2とコンクリート4とを剥離することができる。
また、起爆材11の起爆により、高いレベルの引張ひずみがコンクリート4の側面4aと鉄筋3との間を伝播し、コンクリート4におけるこの領域に細かいひび割れを形成する。そのため、この領域のコンクリート4は人手で払いのけられる程度に破砕され、コンクリート4を払いのけて鉄筋3を露出させれば、ガスやカッター等で鉄筋3を切断できる状態となる。この傾向は、横断面視で起爆材11が設けられた側の隅部で顕著である。起爆材11による起爆だけでは、他の隅部のコンクリート4の破砕が不十分になるときは、補助起爆材15を設置する。補助起爆材15を起爆することにより、補助起爆材15の近傍において、コンクリート4が鉄筋3から剥離するように破砕される(例えば、特開2017-115324号公報参照)。
本実施形態の方法によれば、起爆の瞬間に騒音が発生するが、この騒音はブレーカーや電動ピックによる工法のように継続的に発生するものではないため、環境負荷を低減できる。起爆によってコンクリート4が破砕されるため、解体効率が高く、苦渋作業が軽減される。
図3は、第1実施形態の変形例を示す。この変形例では、起爆材11を設置する横断面において、2つの装薬孔12が設けられる。各々の装薬孔12に装薬された起爆材11は、横断面視で矩形のコンクリート4の対角線上に位置するとともに、コンクリート4の中心に対して互いに反対側に位置する。この変形例は、SRC構造物1の横断面積が大きく、起爆材11が設けられた部分の反対側に十分応力波が伝達しないと判断される場合に有効である。
次に図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。説明に当たって、第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付し、その説明を省略する。図4は、本発明の第2実施形態に係る方法が適用されるSRC構造物21を示す。SRC構造物21は、建物の隅柱である。SRC構造物21の鉄骨22は、鉛直方向に延在する平板状の第1ウェブ23、平面視で第1ウェブ23に直交するように幅方向の一方の端縁において第1ウェブ23の一方の端縁の近傍に接合されて、鉛直方向に延在する平板状の第2ウェブ24、並びに、幅方向の中央部分において第1ウェブ23の幅方向の両端縁及び第2ウェブ24の幅方向の他方の端縁のそれぞれに接合されて鉛直方向に延在する平板状のフランジ6を含む主部材25と、鉛直方向に所定の間隔で配置され、第1ウェブ23の他方の端縁に接合されたフランジ6及び第2ウェブ24に接合されたフランジ6に両端が接合された複数の平板状の補剛材8とを含む。第1ウェブ23及び第2ウェブ24は、それぞれ、横断面視でコンクリート4の側面4aに対して平行又は垂直である。横断面視で、補剛材8は、コンクリート4の側面4aに対して概ね45°の角度をなすように配置されている。
図4(A)に示すように、第1実施形態と同様に、第1及び第2の条件が満たされるように、鉛直方向に所定の間隔で補剛材8に沿って複数の装薬孔12を削孔し、装薬孔12に起爆材11を装薬し、装薬孔12内の起爆材11の上に填塞材13を充填する。飛散防止及び防音養生を行った後、起爆材11を起爆する。図4(B)に示すように、起爆材11の起爆によって、コンクリート4における補剛材8の近傍の部分が破砕されるとともに、コンクリート4の鉄骨22に対する付着が解消する。
次に、コンクリート4における、起爆材11から遠い側にある2つの側面4aのそれぞれに、ダイヤモンドカッター等により1対のスリット26を設ける。各々のスリット26は、主部材25の延在方向に沿って設けられる。スリット26を設ける位置に鉄筋3がある場合は、その鉄筋3は、コンクリート4と一緒に切断される。
一方の1対のスリット26は、コンクリート4における第2ウェブ24に対して補剛材8とは反対側の側面4aに設けられる。この1対のスリット26の一方は、第2ウェブ24に接合されたフランジ6の延長面上に設けられ、その深さは該フランジ6の側縁に至る。この1対のスリット26の他方は、第1ウェブ23に接合されたフランジ6の第2ウェブ24側の側縁に至るように設けられる。コンクリート4における1対のスリット26が設けられる側面4aから、この側面4aに近接する側の第1ウェブ23に接合されたフランジ6までの距離と、第2ウェブ24に接合されたフランジ6の側縁までの距離とは互いに略等しくなっているため、1対のスリット26の深さは互いに略等しい。
他方の1対のスリット26は、コンクリート4における第1ウェブ23に対して第2ウェブ24とは反対側の側面4aに設けられる。この1対のスリット26は、第1ウェブ23の両端縁に接合されたフランジ6の延長面上に設けられ、その深さは、互いに等しく該フランジ6の側縁に至る。
次に、2対のスリット26のそれぞれの中央に、第2装薬孔27を削孔し、第2装薬孔27に第2起爆材28を装薬し、第2装薬孔27内の第2起爆材28の上に填塞材13を充填する。第2装薬孔27は、鉛直方向に沿って所定の間隔で複数配置される。第2装薬孔27に装填される第2起爆材28の中心が対応するスリット26の深さに等しいか、それよりもわずかに深い位置に配置できるように、第2装薬孔27は、スリット26の深さよりも深く形成される。第2起爆材28として、火薬や放電破砕材を使用できる。
一方の1対のスリット26間の距離をJとすると、このスリット26間に配置される第2起爆材28からスリット26までの距離はJ/2であり、他方の1対のスリット26間の距離をKとすると、このスリット26間に配置される第2起爆材28からスリット26までの距離はK/2となる。J/2及びK/2は、第2起爆材28の起爆距離w以下である。また、互いに隣り合う2つの第2装薬孔27間の距離は、使用される第2起爆材28の起爆距離wの2倍以下、好ましくは、起爆距離w以下に設定される。
飛散防止及び防音養生を行った後、第2起爆材28を起爆し、飛散防止及び防音養生を取り外し、破砕されたコンクリート4を取り除くと、図4(C)に示すように、2対のスリット26間のコンクリート4がはつられる。第2起爆材28の起爆は、互いに同時に行ってもよく、順次に行ってもよい。
理論的に拘束されるものではないが、2対のスリット26間のコンクリート4がはつられる理由は、以下のように説明できる。第2起爆材28の中心は、対応するスリット26の深さに等しいかそれよりもわずかに深い位置にある。第2起爆材28を起爆すると、第2起爆材28の中心から圧縮の応力波が球状に伝播する。そのため、応力波は、最初に、対応するスリット26における第2起爆材28の中心に最も近接する位置、すなわち、対応するスリット26の下端で、最も強く反射する。圧縮波は、対応するスリット26の下端で反射して引張波に相変化し、コンクリート内を球状に伝播する。第2起爆材28を挟んで互いに対向するスリット26で反射した引張の応力波は、スリット26の下端の深さで最初に重なり合うため、この深さで破壊面が形成される。このため、破壊面よりも上の部分をはつることができる。
スリット26及び第2装薬孔27を設け、第2起爆材28を起爆することにより、装薬孔12及び起爆材11の配置条件を満たさない領域のコンクリート4をはつることができる。起爆材11の起爆によって、コンクリート4の鉄骨2への付着は解消されているため、フランジ6の端縁の近傍までコンクリート4をはつるだけでも、コンクリート4を鉄骨2から容易に取り除くことができる。よって、SRC構造物21の解体を低騒音かつ高効率に実施でき、苦渋作業が軽減される。
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。説明に当たって、第2実施形態と共通する構成は、同じ符号を付し、その説明を省略する。図5は、本発明の第3実施形態に係る方法が適用されるSRC構造物31を示す。SRC構造物31は、建物の側柱である。SRC構造物31の鉄骨32は、鉛直方向に延在する平板状の第1ウェブ33、幅方向の一方の端縁において第1ウェブ33の幅方向の中央に接合されて、鉛直方向に延在する平板状の第2ウェブ34、並びに、幅方向の中央部分において第1ウェブ33の幅方向の両端縁及び第2ウェブ34の幅方向の他方の端縁のそれぞれに接合されて鉛直方向に延在する平板状のフランジ6を含む主部材35と、鉛直方向に所定の間隔で配置され、第2ウェブ34に接合されたフランジ6の両端からそれぞれ第1ウェブ33の端縁に接合されたフランジ6の端縁に至るように接合された平板状の補剛材8とを含む。横断面視で、第1ウェブ33及び第2ウェブ34はT字状に交差しており、鉄骨2は、横断面視で、第2ウェブ34を軸として左右対称形をなしている。第1ウェブ33及び第2ウェブ34は、それぞれ、横断面視でコンクリート4の側面4aに対して平行又は垂直である。
図5(A)に示すように、第1実施形態と同様に、第1及び第2の条件が満たされるように、鉛直方向に所定の間隔で補剛材8に沿って複数の装薬孔12を削孔し、装薬孔12に起爆材11を装薬し、装薬孔12内の起爆材11の上に填塞材13を充填する。第3実施形態では、平面視で、第2ウェブ34に対して左右両側に装薬孔12を設け、起爆材11が配置される。飛散防止及び防音養生を行った後、起爆材11を起爆する。図5(B)に示すように、起爆材11の起爆によって、コンクリート4における補剛材8の近傍の部分が破砕されるとともに、コンクリート4の鉄骨32に対する付着が解消する。なお、補剛材8の延在方向が、コンクリート4の側面4aに対して45°ではないため、起爆材11から互いに直角に交差するコンクリート4の2つの側面4aまでの距離を等しくすると、起爆材11は、補剛材8の延在方向の中央からずれて配置される。
次に、起爆材11から遠い側に位置する側面4aに、ダイヤモンドカッター等により1対のスリット26を設け、1対のスリット26の中央に、第2装薬孔27を削孔し、第2装薬孔27に第2起爆材28を装薬し、第2装薬孔27内の第2起爆材28の上に填塞材13を充填する。この1対のスリット26、第2装薬孔27及び第2起爆材28の構成は、第2実施形態における第1ウェブ23の両端に接合ざれたフランジ6間に設けられた1対のスリット26、第2装薬孔27及び第2起爆材28と同様である。
飛散防止及び防音養生を行った後、第2起爆材28を起爆し、飛散防止及び防音養生を取り外し、破砕されたコンクリート4を取り除くと、図5(C)に示すように、1対のスリット26間のコンクリート4がはつられる。第2起爆材28の起爆は、同時に行っても、順次に行ってもよい。
スリット26及び第2装薬孔27を設け、第2起爆材28を起爆することにより、装薬孔12及び起爆材11の配置条件を満たさない領域のコンクリート4をはつることができる。起爆材11の起爆によって、コンクリート4の鉄骨2への付着は解消されるため、フランジ6の端縁の近傍までコンクリート4をはつるだけでも、コンクリート4を鉄骨2から容易に取り除くことができる。よって、SRC構造物31の解体を低騒音かつ高効率に実施でき、苦渋作業が軽減される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本発明は、建物の柱以外のSRC構造物の解体にも適用できる。第2及び第3実施形態において、スリットの形成、第2装薬孔の削工、第2起爆材の装薬及び第2装薬孔への填塞材の充填は、起爆材の起爆前に行ってもよい。また、起爆材と第2起爆材とを同時に起爆してもよい。
1,21,31:鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造物
2,22,32:鉄骨
3:鉄筋
4:コンクリート
4a:側面
7,25,35:主部材
8:補剛材
11:起爆材
12:装薬孔
26:スリット
27:第2装薬孔
28:第2起爆材
d:起爆材から補剛材までの距離
M:起爆材からコンクリートの側面までの距離

Claims (5)

  1. 鉄骨、鉄筋、並びに前記鉄骨及び前記鉄筋を埋設するコンクリートを含む鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法であって、
    前記鉄骨及び前記鉄筋の位置を確認するステップと、
    起爆材が前記鉄骨の表面の近傍に配置されるとともに、前記コンクリートの2つの自由表面から前記起爆材までの距離が互いに略等しくかつ前記起爆材の起爆距離以下になるように、装薬孔を削孔して、前記装薬孔に前記起爆材を装薬する削孔装薬ステップと、
    前記起爆材を起爆するステップと
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記起爆材と前記鉄骨の前記表面との距離は、50mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記鉄骨は、所定の方向に延在する主部材と、前記自由表面をなす2つの前記コンクリートの表面のそれぞれに対して角度をなす方向に延在し、両端部が前記主部材に接合された平板状の補剛材とを含み、
    前記鉄骨における前記起爆材が近接して配置される部分は、前記補剛材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記装薬孔の延在方向は、前記鉄骨における前記起爆材が近接する前記表面に平行であることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記コンクリートの表面に、所定の深さを有する1対のスリットを形成するステップと、
    1対の前記スリット間の中央に第2装薬孔を削孔し、前記第2装薬孔に第2起爆材を装薬する第2削孔装薬ステップと、
    前記第2起爆材を起爆する第2起爆ステップとを更に備えることを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の方法。
JP2019175560A 2019-09-26 2019-09-26 鉄骨鉄筋コンクリート構造物の解体方法 Active JP7285184B2 (ja)

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