JP6310181B2 - 解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート部材を解体する解体方法に関する。
近年増加した都市部での大規模再開発工事では、現場造成杭など新設の大型地下構造物を構築する際に、耐圧盤など既存の地下構造物の大型コンクリート部材を局所的に解体する場合がある。
このようなケースでは、既存の地下構造物が存在する状態で工事を行うので、狭所での作業となり大型の解体重機が使用できないため、連続コアボーリングにより部材を切断する方法を用いることが多い。この方法は、コンクリート部材を、揚重、搬出可能な最大の部材寸法となるように、連続する複数のボーリング孔によって複数の部材に切断するものである。
コンクリート部材の解体方法としては、その他、従来の土木工事に用いられるような、発破による解体方法も考えられる。例えば、地盤にトンネルを構築する工事では、周囲が拘束された地盤内の掘削領域にて発破を行い、掘削領域内の岩盤のみの破砕を行っている。トンネル工事では、掘削領域中央部に芯抜き発破を行って岩盤にV字型開口部を設けた後、発破によって開口部周囲の岩盤を順次開口部側に剥離させてゆき、周囲を拘束された岩盤中にトンネル開口部を形成している。
また、地上のコンクリート構造物の解体工事では、部材を部分的に発破し解体する場合もある。例えば特許文献1には、橋脚の下部に、崩壊方向に面した切欠き部を発破により形成し、発生する転倒モーメントを利用して橋脚を倒壊させることが記載されている。特許文献2には、柱等の発破対象部材に装薬孔を穿孔し、この装薬孔内に、爆薬包を内部に装填した開口を有する筒状体を設置して、発破時に生じるエネルギーを開口から発破対象部材に伝達させることで、所定の指向性破壊を生じさせることが記載されている。
特開昭59−145805号公報 特開2007−332669号公報
しかしながら、連続コアボーリングによる解体方法は、多数のボーリング孔を穿設するので、作業に多大な時間と費用を必要とし、切断後の部材の搬出にも多くの手間を要する。
また、従来のトンネル工事のような発破による解体方法も、耐圧盤のように部材の周囲が拘束されているケースでは大量の穿孔と装薬が必要となり、発破による衝撃振動などの問題もあって都市部の建築工事では適用が難しい。
さらに、従来の発破方法では、穿孔深さまでのコンクリートを粉々に破砕するために、図9(a)に示すように装薬孔107のほぼ全長に渡って爆薬108を配置し、コンクリート部材101の発破を行うことが多い。そのため装薬量が多くなり、発破時の飛散物の数も非常に多く安全性や騒音、振動の面でも問題が多かった。
また、図9(b)に示すように、コンクリート部材101の外面近傍に鉄筋111がある場合、装薬孔107のほぼ全長に爆薬108が装薬されていても、発破時のエネルギーが分散するため鉄筋111の拘束によって破壊が外面近傍に抑えられる。従って、破壊量が少なくなるうえ、発破時のエネルギーが鉄筋111の外側部分に集中して作用するため、コンクリートガラが遠くまで飛散する問題もあった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、少量の装薬で好適にコンクリート部材の解体を行うことができる解体方法を提供することである。
前述した目的を達成するための発明は、コンクリート部材を解体する解体方法であって、前記コンクリート部材に装薬孔を形成する工程(a)と、前記装薬孔内の装薬点で、所定の装薬量にて集中装薬を行う工程(b)と、発破により、前記装薬点を頂点とし前記コンクリート部材の外面に向かってコーン状に拡がる分断面でコンクリートを分断する工程(c)と、を具備し、前記コンクリート部材は、前記外面の近傍に鉄筋が配置された鉄筋コンクリート部材であり、前記工程(a)において複数の装薬孔を形成し、前記工程(b)において各装薬孔のそれぞれに装薬し、前記工程(c)において各装薬孔での発破を行い、前記複数の装薬孔は、前記コンクリート部材の同一面から形成されており、各装薬孔の装薬点は、前記鉄筋より内側に位置し、隣り合う前記装薬孔の間隔が、それぞれの装薬孔の前記装薬点の前記外面からの深さの和以下であり、前記工程(c)において、隣り合う前記装薬孔の装薬点についての前記分断面が連続した連続分断面が、前記鉄筋より内側で形成され、前記所定の装薬量を、前記コンクリートの設計基準強度の1/2乗、および、前記分断面の、前記外面上での投影面積に基づいて算出することを特徴とする解体方法である。
本発明では、装薬点で所定の装薬量にて集中装薬し発破を行うことで、装薬点を頂点とするコーン状の分断面(亀裂)を発生させ、これによりコンクリートを分断することができる。装薬量は、アンカーボルト引抜時のコーン状破壊荷重に関する既往の知見を適用して定めることができ、この観点から分断面を発生させるのに適正な装薬量を容易に設計できる。コーン状破壊時には、分断面の傾斜角がほぼ45°になるため、複数箇所の発破を行う場合は、隣り合う装薬孔の間隔をそれぞれの装薬孔の装薬深さの和以下とすることにより、各装薬孔の装薬点からの分断面を連続させることができる。このようにして分断面を一続きに連続させると、広範囲のコンクリートを大きな塊として効率良く分断できる。コンクリート部材の外面近傍に鉄筋が配置されている場合でも、本発明では分断面がほとんど鉄筋の内側に位置することになるので、鉄筋の影響を大きく受けることなくコンクリートを破壊できて好ましい。また、分断したコンクリートの飛散が鉄筋によって拘束され安全性の高い発破となる。
装薬量を適正に設計することで最小限の装薬量とでき、多量の爆薬を用いて粉々にコンクリートを破砕する場合に比べ飛散物の数も少なくなる。従って、比較的簡易な養生方法で発破作業を行うことができ、安全面でも好適である。また、分断面のコントロールもできるので、想定した領域のみコンクリートが分断でき計画的な解体作業が行える。さらに、コンクリートの分断方向は、周囲のコンクリート部材の拘束に対し直交する面外方向になるので、発破による振動も周囲に伝達されにくく、装薬量を最小限にできる点とあわせて振動、騒音も少なくなり、都市部での適用も可能になる。
発明では、前記したようにコーン状破壊荷重に関する知見を適用して装薬量を定めることができる。具体的には、例えば上記の投影面積に基づいて、分断面を発生させるのに必要な装薬量の設計が可能である。
コンクリート塊を外面側に分断させる場合は、前記装薬点は、前記外面から、前記コンクリート部材の部材厚の1/2以下の深さにあることが望ましい。
これにより、コンクリート部材の外面に向かって確実に分断面を発生させることができる。
本発明によれば、少量の装薬で好適にコンクリート部材の解体を行うことができる解体方法を提供することができる。
発破によるコーン状破壊について示す図 アンカーボルト6によるコーン状破壊について示す図 複数箇所のアンカーボルト6を同時に引き抜くケースを示す図 コンクリート部材1aに装薬を行った状態を示す図 発破後の状態を示す図 コンクリート部材1aに装薬を行った状態を示す図 上段爆薬5aおよび下段爆薬5bを示す図 発破後の状態を示す図 爆薬108によるコンクリート部材の破壊を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
(1.コーン状破壊)
本発明の解体方法では、発破によりコンクリート部材に円錐状(コーン状)の分断面を発生させ、これによりコンクリートを分断してコーン状破壊を生じさせる。そこで、このコーン状破壊について図1等を参照して説明する。
コンクリート部材にコーン状破壊を生じさせるには、まず図1(a)に示すように、コンクリート部材1の外面11から内部へと向かって穿孔し装薬孔3を形成する。そして、外面11から所定の装薬深さの位置にある装薬点14にて、含水爆薬等の爆薬5を点状に集中配置する。装薬量は後述する方法で適正な値に定められる。爆薬5には、装薬孔3の外部へ延びる点火信号線(不図示)が接続され、装薬孔3において爆薬5から開口側には込物(不図示)が配置される。
この後爆薬5の発破を行うと、自由面(外界に接する面)である外面11の方向に発破時のエネルギーが集中して作用し、図1(b)に示すように装薬点14を頂点とし外面11に向かって拡がるコーン状の分断面4(亀裂)が発生する。これによってコンクリート部材1の外面11近傍のコンクリートが分断される。
このようなコーン状破壊は、コンクリートに埋設したアンカーボルトを引き抜いた際の破壊状態と同様であり、この破壊状態についての既往の知見を、装薬量等の設計に適用することができる。
これを図2を参照して説明する。図2はアンカーボルト6によるコーン状破壊について説明する図である。図2(a)は、アンカーボルト6が埋設されたコンクリート部材1を示す図であり、上図は鉛直方向の断面図、下図は分断面8の水平投影面10を示す図である。また、図2(b)はアンカーボルト6を引き抜いた状態を示す図である。
図2(a)では、アンカーボルト6が直径Dの円板状の定着板16を用いてコンクリート部材1に埋設されている。この時、矢印に示すようにアンカーボルト6に引抜力(コーン状破壊荷重)Paを作用させると、周囲の拘束力の有無に関わらず、定着板16の位置を頂点とするコーン状の分断面8に沿ってコンクリートが分断され、図2(b)に示すように抜出破壊が生じることが知られている。
この時、分断面8の傾斜角はほぼ45°になるとともに、引抜力Paは、以下の式(1)を用いてほぼ妥当な評価が行える(例えば、日本建築学会「各種合成構造設計指針・同解説」参照)。
Pa=φ・(Fc)1/2・Ac…(1)
ここで、φは低減係数であり、長期荷重用φ=0.4、短期荷重用φ=0.6である。Fcはコンクリートの設計基準強度である。
Acは、図2(a)の下図の斜線部で示す、分断面8のコンクリート部材1の外面11上の水平投影面10の面積である。Acは、アンカーボルト6の埋設深さをLcとすると、以下の式(2)
Ac=πLc(Lc+D)…(2)
で表すことができる。
このように、引抜力Paは、式(1)に基づいて、分断面8の投影面積に比例して概略算出が可能である。
図3は、複数箇所のアンカーボルト6を引抜力Paで同時に引き抜くケースを示す図であり、上図は鉛直方向の断面図、下図は分断面8の水平投影面10を示す図である。
図3のように、各アンカーボルト6による分断面8が交わる場合は、下図の斜線部で示す、少なくとも1つの分断面8の水平投影面10が存在する面積(有効水平投影面積)ΣAcを、式(1)のAcの代わりに用いて、以下の式(3)にて引抜力Paを算出できる。
n・Pa=φ・(Fc)1/2・ΣAc…(3)
ここで、nはアンカーボルト6の本数である。
図1で説明した発破によるコーン状破壊に戻って考えると、上記したアンカーボルト6の引抜力Paは、発破時に生じるエネルギー、すなわち装薬量に対応すると考えられる。従って、予め発破対象と同様の強度のコンクリートにつき発破試験を行って、発生した分断面のコンクリート部材の外面上の投影面積と、装薬量との関係式を求めておけば、この関係式を用いて、発破時に想定される分断面のコンクリート部材の外面上の投影面積に基づいて、コーン状の分断面を発生させるのに必要な装薬量を正確に把握できる。
(2.解体方法)
次に、図4等を参照して本実施形態の解体方法について説明する。図4はコンクリート部材1aに装薬を行った状態を示す図である。図4(a)はコンクリート部材1aの平面図、図4(b)は図4(a)の線B−Bに沿った鉛直方向の断面図である。
本実施形態では、複数箇所で同時に発破を行い広範囲のコンクリートを分断する例を説明する。発破対象のコンクリート部材1aは、例えば周囲が拘束された耐圧盤等の大型部材であり、上下両面の近傍にそれぞれ鉄筋(不図示)が配置された鉄筋コンクリート部材である。
ここでは、図4に示すように、まずコンクリート部材1aを上面11aから内部に向けて穿孔し、複数の装薬孔3を形成する。そして、各装薬孔3において、前記と同様、上面11aから所定の装薬深さ13の位置にある装薬点14に、爆薬5を集中配置する。
装薬深さ13は、部材厚9の1/2以下とする。これにより、発破時のエネルギーは、最も近い自由面である上面11aの方向に集中して作用し、各装薬点14を頂点として拡がる分断面4が、上面11aの方向に発生する。
また、隣り合う装薬孔3の間隔12は、それぞれの装薬孔3の装薬深さ13の和以下とする。前記したようにコーン状の分断面4の傾斜角はほぼ45°になるため、上記のように間隔12を定めることで、隣り合う装薬孔3の各装薬点14から広がる分断面4同士が交わり連続する。
このように複数の装薬孔3に装薬する場合、各装薬孔3に装薬する爆薬5の総量は、図4(a)の斜線部に示す、連続した分断面4の有効水平投影面積ΣAcに比例し、前記のように予め求めた関係式を用いて有効水平投影面積ΣAcから算出できる。個々の装薬孔3の装薬量は、例えば爆薬5の総量を装薬孔3の数で平均した値とできる。あるいは装薬孔3の位置に応じて配分を変えてもよい。
その後、各爆薬5を同時に発破する。すると、図5に示すように、コンクリート部材1aの上面11a付近において、前記の分断面4が連続した連続分断面21にてコンクリートが分断、剥離される。
なお、図5では説明のためコンクリート部材1a内部の鉄筋23を図示している。後述の図8でも同様である。発破時には、鉄筋23の内側で連続分断面21が形成されるため、分断面の形成に鉄筋23の影響が少ない。連続分断面21の両端部では鉄筋23の影響があるが、コンクリートは大きな塊として分断され、全ての爆薬5の発破時のエネルギーで鉄筋23を押すことになるため、鉄筋23の影響は相対的に小さくなる。
解体作業時には、図5に示すようにコンクリートを分断した後、鉄筋23を切断して分断したコンクリートガラを撤去する。本実施形態ではコンクリートが大きな塊として分断されるので、鉄筋23の切断作業も容易である。
このように、第1の実施形態では、装薬点14で所定の装薬量にて集中装薬し発破を行うことで、装薬点14を頂点とするコーン状の分断面4を発生させ、これによりコンクリートを分断することができる。装薬量は、アンカーボルト引抜時のコーン状破壊荷重に関する既往の知見を適用し、例えば分断面4の水平投影面積Acに基づいて定めることで、分断面4を発生させるのに必要な装薬量を容易に設計できる。
装薬量を適正に設計することで最小限の装薬量とでき、多量の爆薬を用いて粉々にコンクリートを破砕する場合に比べ飛散物の数も少なくなる。従って、比較的簡易な養生方法で発破作業を行うことができ、安全面でも好適である。また、分断面4のコントロールもできるので、想定した領域のみコンクリートが分断でき計画的な解体作業が行える。さらに、コンクリートの分断方向は、周囲の拘束に対し直交する面外方向になるので、発破による振動も周囲に伝達されにくく、装薬量を最小限にできる点とあわせて振動、騒音も少なくなり、都市部での適用も可能になる。
また、コーン状破壊時には、分断面4の傾斜角がほぼ45°になるため、複数箇所の発破を行う場合は、隣り合う装薬孔3の間隔をそれぞれの装薬孔3の装薬深さ13の和以下とすることにより、各装薬孔3の装薬点14からの分断面4を連続させることができる。このようにして分断面4を一続きに連続させると、広範囲のコンクリートを大きな塊として効率良く分断できる。
また、本実施形態では、装薬点14が、コンクリート部材1aの外面から、コンクリート部材1aの部材厚9の1/2以下の深さにあるので、コンクリート部材1aの外面に向かって確実に分断面4を発生させることができる。
本実施形態では、コンクリート部材1aの外面近傍に鉄筋23が配置されているが、上記の解体方法では、連続分断面21がほとんど鉄筋23の内側に位置することになるので、鉄筋23の影響を大きく受けることなくコンクリートを破壊できて好ましい。また、分断したコンクリートの飛散が鉄筋によって拘束され安全性の高い発破となる。さらに、コンクリートは大きな塊として分断されるので、コンクリートガラ撤去時の鉄筋23の切断作業も容易である。
しかしながら、本発明は上記の実施形態で説明したものに限ることはない。例えば、上記の実施形態ではコンクリート部材1aとして耐圧盤を例示したが、本発明の解体方法は、耐圧盤以外のコンクリート部材にも適用できる。また、コンクリート部材1aは鉄筋を含んだ鉄筋コンクリート部材としたが、無筋のコンクリート部材でもよい。さらに、上記の実施形態では複数箇所で発破を行う解体方法について説明したが、図1等で示したように1箇所のみ装薬を行い発破するケースも考えられる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の解体方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、複数の装薬孔のそれぞれで2段に装薬し、これによりコンクリート部材の両面でコンクリートの分断を行う例である。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点は図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
第2の実施形態では、まず、図6に示すように、コンクリート部材1aを上面11aから内部に向けて穿孔し、複数の装薬孔27を形成する。
そして、装薬孔27内の上段装薬点14a、下段装薬点14bにそれぞれ上段爆薬5a、下段爆薬5bを集中配置する。上段装薬点14aは、コンクリート部材1aの上面11aから所定の装薬深さ13aの位置にある。また、下段装薬点14bは、コンクリート部材1aの下面11bから所定の装薬深さ13bの位置にある。
上段爆薬5aの装薬深さ13aや装薬量は、第1の実施形態と同様に定められる。すなわち、装薬深さ13aはコンクリート部材1aの部材厚9の1/2以下とし、上段爆薬5aの総量は、連続する分断面4aの、コンクリート部材1aの上面11a上の有効水平投影面積から、前記の関係式を用いて算出できる。個々の装薬量は、上段爆薬5aの総量を装薬孔27の数で平均したり、あるいは装薬孔27の位置に応じて配分を変えてもよい。
これは下段爆薬5bについても同様である。すなわち、装薬深さ13bは部材厚9の1/2以下とする。これによって、発破時のエネルギーを最も近い自由面である下面11bの方向に集中して作用させ、各装薬点14bを頂点として拡がる分断面4bを、下面11bの方向に発生させる。
下段爆薬5bの総量も、連続する分断面4bの、コンクリート部材1aの下面11b上の有効水平投影面積から、前記の関係式を用いて算出できる。個々の装薬量は、上記と同じく下段爆薬5bの総量を装薬孔27の数で平均したり、あるいは装薬孔27の位置に応じて配分を変えてもよい。
隣り合う装薬孔27の間隔12は、それぞれの装薬孔27の装薬深さ13aの和と、装薬深さ13bの和のどちらか小さい方以下となるように定めればよい。想定されるコーン状の分断面4a、4bの傾斜角はほぼ45°になるため、上記のように間隔12を定めることで、隣り合う装薬孔27の上段装薬点14aから広がる分断面4a同士、および下段装薬点14bから広がる分断面4b同士が交わり連続するようになる。
図7は、上段爆薬5aおよび下段爆薬5bを示す図である。装薬孔27に上段爆薬5aおよび下段爆薬5bを装薬する際は、例えば、上段爆薬5aと下段爆薬5bとの設置間隔を竹ひご等の間隔保持材47によって保持した状態で配置する。点火信号線19は上段爆薬5aに接続される。前記の図6では図示を省略したが、点火信号線19は装薬孔27の外部に引き出され、装薬孔27の上段爆薬5aより開口側には込物(不図示)が設けられる。
点火信号線19を介して上段爆薬5aの発破を行うと、下段爆薬5bは、上段爆薬5aの発破時の衝撃によりほぼ同じタイミングで発破される。こうして各装薬孔27の爆薬を同時に発破する。
図8は、発破後のコンクリート部材1aを示す図である。上記のようにして発破を行うと、各上段装薬点14aからの分断面4aが連続した連続分断面21aで、上面11a近傍のコンクリートが分断、剥離される。これと同時に、各下段装薬点14bからの分断面4bが連続した連続分断面21bで、下面11b近傍のコンクリートが分断、剥離される。この後分断したコンクリートガラを撤去し、解体作業が行われる。
以上説明した第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、コンクリート部材1aの両面にてコンクリートの分断を同時に行うことができ効率が良く、コンクリート部材1aの大半のコンクリートが一度に分断されるので、コンクリートガラ等の撤去作業も比較的小型の重機で簡単に行える。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、101………コンクリート部材
3、27、107………装薬孔
4、4a、4b、8………分断面
5、108………爆薬
5a………上段爆薬
5b………下段爆薬
11………外面
11a………上面
11b………下面
9………部材厚
10………水平投影面
13、13a、13b………装薬深さ
14、14a、14b………装薬点
21、21a、21b………連続分断面
23、111………鉄筋

Claims (2)

  1. コンクリート部材を解体する解体方法であって、
    前記コンクリート部材に装薬孔を形成する工程(a)と、
    前記装薬孔内の装薬点で、所定の装薬量にて集中装薬を行う工程(b)と、
    発破により、前記装薬点を頂点とし前記コンクリート部材の外面に向かってコーン状に拡がる分断面でコンクリートを分断する工程(c)と、
    を具備し、
    前記コンクリート部材は、前記外面の近傍に鉄筋が配置された鉄筋コンクリート部材であり、
    前記工程(a)において複数の装薬孔を形成し、
    前記工程(b)において各装薬孔のそれぞれに装薬し、
    前記工程(c)において各装薬孔での発破を行い、
    前記複数の装薬孔は、前記コンクリート部材の同一面から形成されており、各装薬孔の装薬点は、前記鉄筋より内側に位置し、隣り合う前記装薬孔の間隔が、それぞれの装薬孔の前記装薬点の前記外面からの深さの和以下であり、
    前記工程(c)において、隣り合う前記装薬孔の装薬点についての前記分断面が連続した連続分断面が、前記鉄筋より内側で形成され
    前記所定の装薬量を、前記コンクリートの設計基準強度の1/2乗、および、前記分断面の、前記外面上での投影面積に基づいて算出することを特徴とする解体方法。
  2. 前記装薬点が、前記外面から、前記コンクリート部材の部材厚の1/2以下の深さにあることを特徴とする請求項1に記載の解体方法。
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