JP3406251B2 - モルタル剥離用コンクリートカッター - Google Patents
モルタル剥離用コンクリートカッターInfo
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Description
物の仕上げ改修工事や壁体を増厚して耐震補強を図るな
どの際に使用される、コンクリート表層のモルタルを剥
離するためのコンクリートカッターに関する。
ンクリートの躯体表面にモルタルを金鏝によって塗り付
けることによって仕上げが行われているが、経年後の仕
上げの改修工事や壁体の増厚による耐震補強工事が発生
した場合、新たな仕上げ塗りや躯体増厚に先立って前記
コンクリート躯体表面に積層されたモルタルの剥離が行
われる。
ー」と呼ばれる削岩機状の小型重機を使用したり、ハン
マードリルを使用して作業員が直接ハツリ作業を行って
モルタル層の解体を行っていた。
「チッパー」またはハンマードリル等のハツリ機械は、
コンプレッサーによる圧縮空気を送り込んで、モルタル
面に振動および打撃を加えることにより破壊を行うもの
であるため、打撃音が大きく、作業効率が非常に悪いな
どの問題があった。特に、工事対象の建物が24時間営
業の業務内容であったり、静かさが要求される病院等で
ある場合には、騒音のために作業時間帯が大幅に制限さ
れるため、工期が長期化するなどの問題が発生してい
た。
の場合には、打撃および振動が躯体にも伝達されるた
め、躯体にクラックなどの損傷が誘発される虞がある、
また特に耐震補強工事では、強度の期待できないモルタ
ルを完全に除去しコンクリート面を露出させる必要があ
るが、ポイント的にハツリを行う前記ハツリ装置では綺
麗にモルタルを解体するのに時間が掛かり過ぎるなどの
問題があった。
粉塵の発生が多く作業環境が悪化するとともに、解体さ
れたモルタルは細かな破砕片となるため、ハツリガラの
処理に手間が掛かるなどの問題もあった。
く、かつ短い工期でコンクリート躯体表面に積層された
モルタルを綺麗に解体できるようにしたモルタル剥離用
コンクリートカッターを提供することにある。
の請求項1記載の本発明として、コンクリート躯体の表
面にモルタルが所定厚で積層されたモルタル仕上げ面を
対象として、回転軸をコンクリート躯体面に対して直交
的に保持し、前記コンクリート躯体とモルタルとの境界
部に前記コンクリートカッターを挿入し、コンクリート
カッターをコンクリート躯体面に対して平行的に移動さ
せることにより前記モルタルを切削分離するコンクリー
トカッターであって、前記コンクリートカッターを保持
する回転ヘッドの周面に1または複数の楔状チップ片を
固設し、コンクリートカッターの平行移動に伴い、切削
後のモルタル薄片を前記楔状チップ片により割り取るよ
うにしたことを特徴とするモルタル剥離用コンクリート
カッターが提供される。
ト躯体の表面にモルタルが所定厚で積層されたモルタル
仕上げ面を対象として、回転軸をコンクリート躯体面に
対して直交的に保持し、前記コンクリート躯体とモルタ
ルとの境界部に前記コンクリ ートカッターを挿入し、コ
ンクリートカッターをコンクリート躯体面に対して平行
的に移動させることにより前記モルタルを切削分離する
コンクリートカッターであって、前記コンクリートカッ
ターのカッター基板面に傾斜面を形成し、コンクリート
カッターの平行移動に伴い、切削後のモルタル薄片を前
記傾斜面により割り取るようにしたことを特徴とするモ
ルタル剥離用コンクリートカッターが提供される。
リートカッターの周縁に固設される切削用セグメント
を、コンクリートカッター基板の厚み中心よりコンクリ
ート躯体側に偏心させてある請求項1,2いずれかに記
載のモルタル剥離用コンクリートカッターが提供され
る。
ッドは、ヘッド本体と、このヘッド本体の外面に形成さ
れたボス部とからなり、前記ボス部をコンクリートカッ
ターの中心に形成された取付用嵌合孔に嵌合し、裏面よ
りビスにより固定する構造とし、かつ前記ボス部の周面
に高さ方向に沿って形成される第1の溝と、この第1の
溝から連続してコンクリートカッターとの密着面となる
ヘッド本体面に半径方向に沿って形成された第2の溝と
からなる冷却水供給溝を回転ヘッドの周回りに1または
複数形成し、かつこれら冷却水供給溝に対して回転ヘッ
ドの内部を通じて冷却水を供給可能としてある請求項1
〜3いずれかに記載のモルタル剥離用コンクリートカッ
ターが提供される。
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係るコ
ンクリート表面のモルタル剥離要領を示す斜視図であ
り、図2はその断面図である。
モルタル2が所定厚で積層された壁面を対象として前記
モルタル2を除去するために、回転軸Lに保持された円
板状のコンクリートカッター3を持ち込み、モルタル2
をコンクリート躯体1から切削分離し解体するようにし
ている。すなわち、前記回転軸Lをコンクリート躯体1
面に対して直交的に保持し、前記コンクリート躯体1と
モルタル2との境界部に前記コンクリートカッター3を
挿入し、コンクリートカッター3をコンクリート躯体1
面に対して平行的に移動させることにより前記モルタル
2を切削分離するようにしている。
示されるように、カッター基板4の中心部に回転ヘッド
6のボス6aが嵌合される取付用嵌合孔4aを有すると
ともに、この取付用嵌合孔4aの外側周囲に所定の角度
間隔で複数個の取付ビス孔4b、4b…が形成され、か
つカッター基板4の周縁に沿ってモルタル類を切削し得
る超硬合金からなる切削用セグメント5を鑞付け溶接に
よって固設した構造の円板状カッターである。前記切削
用セグメント5は本例では、周縁に沿って連続して設け
ているが、所定の間隔をおいて断続的に設けるようにし
てもよい。また、近年は基板の振動および発生音を抑え
るために、基板面にレーザーによって異形形状のスリッ
トや溝模様を形成したものも提供されているが、コンク
リート躯体8面に沿って移動させ、モルタルを精度良く
切削除去するためにはカッター基板自体が高い剛度を有
するようにし基板の変形(反り)を抑える必要があるた
め、無垢のカッター基板とし、かつ発生音を抑えるため
には中間層に樹脂板を介在させ両面に基板用鋼板を積層
した、所謂サンドイッチパネル式カッター板を使用する
ことが望ましい。このサンドイッチパネル式カッター板
を使用することにより、単に鋼材よりなるカッター基板
を用いた場合と比較すると騒音が約40%程度低減され
るようになる。
直径が大きければ角速度が同じでも周速度が大きくなる
ため切削効率は向上するが、反面反りによる変形が大き
くなるためコンクリート躯体1とモルタル2との境界面
を綺麗に切削することができなくなるなどの問題が発生
する。したがって、これら相反関係にある二つの要素
を、使用する電動機やアクチェータ等の能力を十分に考
慮した上でカッター基板4の径を決定する必要がある。
本発明者等による実験によれば、400〜250mmφの
カッター基板4が両者のバランスが良いことが知見され
ている。
外面に形成されたボス6aを前記コンクリートカッター
3の取付用嵌合孔4aに嵌合させ、取付ビスをビス孔4
b、4b…に挿通し、回転ヘッド6のカッター基板密着
面に形成されたビス孔6b、6b…に螺入させることに
より固定するようにしている。このような取付構造を採
用することによりコンクリートカッター3のコンクリー
ト躯体側の面(以下、外側面という。)に突起物を出さ
ずに回転ヘッド6に固定することができるようになる。
ト躯体1面に沿って平行に移動させ、コンクリート躯体
1の表面に積層されたモルタル2層をスライス状に切削
除去しようとした場合、回転軸部(回転ヘッド6に相
当)が移動過程でモルタル薄片2aに衝突し運行の障害
となるため、コンクリートカッタ3が移動できるように
するには少なくとも回転ヘッド6の移動ラインに沿って
切削後のモルタル薄片2aを除去することが必要とな
る。そこで、本発明では前記回転ヘッド6の周面に1ま
たは複数の、本例では一対の楔状チップ片7,7を固設
し、コンクリートカッター3の平行移動に伴って、切削
後のモルタル薄片2aを前記楔状チップ片7、7により
割り取るようにしている。
10に示されるように、回転ヘッド6の周面にカッター
基板4と同様に、切削用セグメント50を固設し運行過
程で回転ヘッド6部についても同様の切削を行うことを
考えたが、回転ヘッド6部による切削は必要な周速度が
確保されずに切削が困難になるとともに、切削部が開放
されているため切削音が大きくなる、さらにモルタルの
削りカスが粉塵となって舞い上がり作業環境が悪化する
など現実的でないことが判明した。
たは複数の楔状チップ片7,7を固設しておけば、図2
に示されるように、コンクリートカッター3が移動する
過程で、スライス状に切断されコンクリート躯体1から
分離しているモルタル薄片2aの下側に前記楔状チップ
片7の先端が潜り込み、楔状チップ片7の傾斜面7aに
沿ってモルタル薄片2aを外方側に起こして順次割り取
るようになる。前述した回転ヘッド6部において同様の
切削を行う場合と比較すると、騒音が小さくて済むとと
もに、回転駆動源に対する負荷が小さくなり、さらに割
り取られたモルタル薄片2a、2a…がガラ状のカケラ
となって床側に落下するようになるため、モルタル破砕
片の回収も容易に行えるようになるなどの利点がもたら
されるようになる。
度θは、傾斜角度θが起立し過ぎると衝突音や抵抗が大
きくなるため、スムーズにモルタル薄片2aの下側に潜
り込んで大きな衝突音もなく割り取ることができるよう
にするには、前記傾斜角度θは概ね15〜40°程度と
するのがよい。
いるモルタル2をスライス状に切削する場合には、幾度
かの実験によって図5に示されるように、カッター基板
4がコンクリート躯体1から逃げるように反る傾向にあ
るとともに、カッター基板4の外側面とコンクリート躯
体1とが密着または頻繁に接触を繰り返すことにより摩
擦熱の発生が予想以上に大きいことが判明した。この2
つの問題を一挙に解決するために本発明では、図6に示
されるように、切削用セグメント5の厚み中心S2をカ
ッター基板4の厚み中心S1よりコンクリート躯体1側
に偏心させて固定するようにしている。これにより、カ
ッター基板4の内側面(外側に露出している側の面)が
回転中にモルタル薄片2aの内面と接触しまたは頻繁に
接触が繰り返されることによりカッター基板4がコンク
リート躯体1側に押し付けられ、モルタル2側への逃げ
が無くなるようになる。なお、カッター基板4の内側面
からの切削用セグメント5の突出量ΔSは概ね1〜2mm
となるようにするのがよい。
りカッター基板4とコンクリート躯体1との間に隙間が
形成されるようになり、後述の冷却水供給構造によりカ
ッター基板4とコンクリート躯体1との間に供給された
冷却水が回り易くなり、冷却効果を高めることができる
ようになる。
給構造は、図4に示されるように、回転ヘッド6に対し
て冷却水供給溝Mを形成し回転ヘッド6の内部を通じて
送られた冷却水をカッター基板4の外側面および内側面
に対して供給するようにしている。具体的には、図3に
示されるように、前記回転ヘッド6は、ヘッド本体6B
と、このヘッド本体6Bの外面に形成されたボス部6a
とから構成されており、前記ボス部6aの周面に高さ方
向に沿って第1の溝6cを形成するとともに、この第1
の溝6cから連続してコンクリートカッター3との密着
面となるヘッド本体6B面に半径方向に沿って第2の溝
6dを形成することにより冷却水供給溝Mを形成する。
この冷却水供給溝Mを前記回転ヘッド6の周回りに1ま
たは複数、図示の例では8本形成し、これら冷却水供給
溝Mに対して回転ヘッド6の内部に形成された冷却水供
給路8を通じて冷却水を供給可能としてある。
に楔状チップ片7,7を固設してモルタル薄片2aを割
り取るようにしたが、図7および図8に示されるよう
に、カッター基板4の内側面に傾斜面9を形成し、コン
クリートカッター3の移動に伴ってモルタル薄片2aを
前記傾斜面9による楔作用によって割り取るようにして
もよい。
いてモルタル2の解体を行うには、コンクリート躯体1
面に対して平行に移動させる必要がある。そこで、たと
えば図11に示されるように、同じ高さ位置に一対のレ
ール架台10、10を夫々、アンカーボルト11,11
によってコンクリート躯体1に固定するとともに、レー
ル架台10,10間にラックギアが形成されたレール部
材12を横架し、このレール部材12にコンクリートカ
ッター3を保持した駆動装置13を搭載する。この駆動
装置13は下面側に前記レール部材12に係合するレー
ル嵌合凹部を備えるとともに、レール部材12に沿って
移動可能なように、レール部材12のラックギアと噛合
するピニオンギアを備えており、レール部材12に沿っ
て任意速度で移動可能となっている。前記レール部材1
2に沿って水平移動し、水平ラインに沿ったモルタル剥
離が完了したならば、前記レール架台10,10を盛替
えし、次の上段ラインのモルタル剥離を順次行うように
する。
が小さく、かつ短い工期でコンクリート躯体の表面に積
層されたモルタルを綺麗に解体できるようになる。
要領を示す斜視図である。
解図である。
状態を示す横断面図である。
取付要領を示す要部拡大図である。
面図である。
である。
る。
薄片、3…コンクリートカッター、4…カッター基板、
5…切削用セグメント、6…回転ヘッド、7…楔状チッ
プ片、9…傾斜面
Claims (4)
- 【請求項1】コンクリート躯体の表面にモルタルが所定
厚で積層されたモルタル仕上げ面を対象として、回転軸
をコンクリート躯体面に対して直交的に保持し、前記コ
ンクリート躯体とモルタルとの境界部に前記コンクリー
トカッターを挿入し、コンクリートカッターをコンクリ
ート躯体面に対して平行的に移動させることにより前記
モルタルを切削分離するコンクリートカッターであっ
て、 前記コンクリートカッターを保持する回転ヘッドの周面
に1または複数の楔状チップ片を固設し、コンクリート
カッターの平行移動に伴い、切削後のモルタル薄片を前
記楔状チップ片により割り取るようにしたことを特徴と
するモルタル剥離用コンクリートカッター。 - 【請求項2】コンクリート躯体の表面にモルタルが所定
厚で積層されたモルタル仕上げ面を対象として、回転軸
をコンクリート躯体面に対して直交的に保持し、前記コ
ンクリート躯体とモルタルとの境界部に前記コンクリー
トカッターを挿入し、コンクリートカッターをコンクリ
ート躯体面に対して平行的に移動させることにより前記
モルタルを切削分離するコンクリートカッターであっ
て、 前記コンクリートカッターのカッター基板面に傾斜面を
形成し、コンクリートカッターの平行移動に伴い、切削
後のモルタル薄片を前記傾斜面により割り取るようにし
たことを特徴とするモルタル剥離用コンクリートカッタ
ー。 - 【請求項3】前記コンクリートカッターの周縁に固設さ
れる切削用セグメントを、コンクリートカッター基板の
厚み中心よりコンクリート躯体側に偏心させてある請求
項1,2いずれかに記載のモルタル剥離用コンクリート
カッター。 - 【請求項4】前記回転ヘッドは、ヘッド本体と、このヘ
ッド本体の外面に形成されたボス部とからなり、前記ボ
ス部をコンクリートカッターの中心に形成された取付用
嵌合孔に嵌合し、裏面よりビスにより固定する構造と
し、かつ前記ボス部の周面に高さ方向に沿って形成され
る第1の溝と、この第1の溝から連続してコンクリート
カッターとの密着面となるヘッド本体面に半径方向に沿
って形成された第2の溝とからなる冷却水供給溝を回転
ヘッドの周回りに1または複数形成し、かつこれら冷却
水供給溝に対して回転ヘッドの内部を通じて冷却水を供
給可能としてある請求項1〜3いずれかに記載のモルタ
ル剥離用コンクリートカッター。
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JP25573799A JP3406251B2 (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | モルタル剥離用コンクリートカッター |
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JP25573799A JP3406251B2 (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | モルタル剥離用コンクリートカッター |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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