JP5631625B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)に係わり、特に、SOFCに使用される積層体に関する。
従来から、内部に燃料ガス(例えば、水素等)の流路(燃料流路)が形成され且つ燃料流路内を流通する燃料ガスと接触して燃料ガスを反応させる燃料極層と、前記燃料極層の上面及び下面の少なくとも1面に形成され固体電解質からなる電解質層と、前記電解質層の表面に形成され酸素を含むガス(例えば、空気等)と接触して酸素を含むガスを反応させる空気極層と、を備えたSOFCの積層体が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
係る積層体を用いて構成されるSOFCに関し、本出願人は、例えば、特願2007−324508号にて、複数の積層体と、導電体からなる集電固定部材(「インターコネクタ」とも称呼される)と、からなるスタック構造体を備えたSOFCを提案している。このスタック構造体では、隣り合う2つの積層体が積層体の厚さ方向に離間した状態で積み重なっている。また、隣り合う一方の積層体の燃料極層の接続部と隣り合う他方の積層体の空気極層の接続部とが集電固定部材を介して電気的に接続されている。より具体的には、隣り合う一方の積層体の燃料極層の接続部が集電固定部材の第1接続部と電気的に接続固定され、且つ、隣り合う他方の積層体の空気極層の接続部が集電固定部材の第2接続部(第1接続部とは異なる)と電気的に接続固定されている。これにより、複数の積層体が電気的に直列に接続されている。
そして、隣り合う2つの積層体の間に形成されたそれぞれの空間に酸素を含むガスの流路(空気流路)が区画・形成されている。この空気流路内の酸素を含むガスと燃料流路内の燃料ガスとが混ざらないように、空気流路と燃料流路とは電解質層(及びその他の部材)により区画されている。
このスタック構造体をSOFCの作動温度(例えば、800℃、以下、単に「作動温度」と称呼する。)まで加熱した状態で、燃料流路及び空気流路に燃料ガス及び酸素を含むガスがそれぞれ供給される。これにより、燃料極層及び空気極層に燃料ガス及び酸素を含むガスがそれぞれ接触し、この結果、各積層体にて発電反応が発生する。その際、上述のように複数の積層体が電気的に直列に接続されたスタック構造体を採用することで、1つのみの積層体が使用される場合と比べて、より大きい出力を得ることができる。
国際公開第2007/029860号パンフレット
ところで、上記積層体として焼成体が使用される場合、燃料極層をSOFCの燃料極電極(アノード電極)として機能させるためには、焼成後の積層体の燃料極層に対して還元処理を行う必要がある。この還元処理は、上記燃料極層の表面に還元ガス(例えば、水素)を供給することで実行される。このとき、上記空気極層の表面に還元ガスが供給されないような処置を併せて施す必要がある。空気極層に還元ガスが供給されると、空気極層を構成する材料が分解して空気極としての機能が達成されなくなるからである。
ここで、組み立て完了後の上記のスタック構造体では、上述のように燃料流路と空気流路とが区画されている。従って、この組み立て完了後のスタック構造体における各燃料流路に還元ガスを供給して上記還元処理を行うと、上記空気極層の表面への還元ガスの供給を防止するための特別の処置を施すことなく上記空気極層の表面への還元ガスの供給を防止することができる。
以下、組立完了後の上記スタック構造体における各燃料流路に還元ガスを供給して上記還元処理が行われる場合を考える。一般に、上記燃料極層に対して上記還元処理を実行すると、上記燃料極層が収縮し、この結果、積層体全体も収縮する。以下、この収縮を「還元収縮」と呼ぶ。この還元収縮に起因して積層体の寸法が減少する。積層体の大きさが大きいほどこの寸法減少量が大きい。
この還元収縮に起因する積層体の寸法減少により、互いに電気的に接続固定されていた積層体の燃料極層の接続部と集電固定部材の第1接続部との相対位置関係、並びに、互いに電気的に接続固定されていた積層体の空気極層の接続部と集電固定部材の第2接続部との相対位置関係にずれが生じる。これらの相対位置関係のずれが大きいと、積層体と集電固定部材との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われることで積層体と集電固定部材との間の電気抵抗が増大し得る。この結果、SOFC全体としての出力が低下する事態が発生し得る。係る事態の発生を抑制するため、還元収縮の程度を抑制することが望まれている。
以上より、本発明の目的は、内部に燃料流路が形成された焼成体である燃料極層と、電解質層と、空気極層とを備えた固体酸化物形燃料電池の積層体において、焼成後の積層体の燃料極層に対して還元処理を施す際に発生する還元収縮の程度を抑制し得るものを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による固体酸化物形燃料電池の積層体は、内部に燃料ガスの流路(燃料流路)が形成されるとともに前記燃料ガスの流路内を流通する燃料ガスと接触して前記燃料ガスを反応させる燃料極層と、前記燃料極層の上面及び下面の少なくとも1面に形成され固体電解質からなる電解質層と、前記電解質層の表面に形成され酸素を含むガスと接触して前記酸素を含むガスを反応させる空気極層とを備えている。なお、本発明に係る「積層体」には、単独で存在する「積層体」も、全体の一部として存在する「積層体」も含まれる。
この本発明に係る積層体を用いて構成されるSOFCは、例えば、本発明に係る複数の積層体と、前記複数の積層体を配置・固定する導電体からなる集電固定部材と、からなるスタック構造体を備える。このスタック構造体では、隣り合う2つの前記積層体が前記積層体の厚さ方向に離間した状態で積み重なり、且つ、前記隣り合う一方の積層体の前記燃料極層の接続部と前記隣り合う他方の積層体の前記空気極層の接続部とが前記集電固定部材を介して電気的に接続される。そして、前記隣り合う2つの積層体の間に形成された空間に前記酸素を含むガスの流路(空気流路)が区画・形成される。
係るスタック構造体に使用される積層体では、前記電解質層が前記燃料極層の周囲を囲むように前記燃料極層の表面に形成され、前記空気極層が前記電解質層における前記燃料極層の上面に形成された部分の上面(即ち、積層体の上面)及び前記電解質層における前記燃料極層の下面に形成された部分の下面(即ち、積層体の下面)にそれぞれ形成されることが好適である。
このように電解質層が燃料極層の周囲を囲むように燃料極層の表面に形成されることで、空気流路と燃料流路との区画が電解質層のみにより達成され得る。加えて、空気極層が積層体の上下面にそれぞれ形成されることで、空気極層が積層体の上下面の何れか1面にのみ形成される場合に比して、空気極層と電解質層との間の接触面積を大きくすることができる。この結果、酸素を含むガスの反応(具体的には、酸素を含むガスがイオン化する反応)が活発となり、SOFC全体としての出力が向上し得る。
上記本発明に係る積層体の特徴は、前記燃料極層が、酸素イオンを通すための第1物質の粒子と、電子を通すための第2物質の粒子と、ジルコンの粒子とを少なくとも含む焼成体であることにある。ここにおいて、前記「酸素イオンを通すための第1物質」とは、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等であり、前記「電子を通すための第2物質」とは、例えば、ニッケル(Ni)等である。
このように、焼成体である燃料極層にジルコンが含まれることにより、ジルコンが含まれない場合(即ち、燃料極層が、第1、第2物質の粒子のみからなる焼成体である場合)に比して、還元収縮の程度が抑制されることが判明した。従って、組立完了後の上記スタック構造体における各燃料流路に還元ガスを供給して上記還元処理が行われる場合において、上述した「積層体の燃料極層の接続部と集電固定部材の第1接続部との相対位置関係」のずれ量、並びに、「積層体の空気極層の接続部と集電固定部材の第2接続部との相対位置関係」のずれ量が小さい。この結果、積層体と集電固定部材との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われる事態が発生し難くなる。この結果、積層体と集電固定部材との間の電気抵抗の増大が抑制されて、SOFC全体としての出力が低下する事態の発生が抑制され得る。
上記本発明に係る積層体においては、前記燃料極層は、前記燃料極層の基体である第1燃料極層と、前記第1燃料極層と前記電解質層との間に積層(介装)されるとともに前記第1燃料極層に比して前記第1物質の含有割合が大きい第2燃料極層と、を含んで構成され得る。この構成では、前記第1燃料極層は、前記第1物質の粒子と、前記第2物質の粒子と、前記ジルコンの粒子とから構成されるとともに前記第1燃料極層の内部に亘って前記ジルコン粒子が均一に分布し、前記第2燃料極層は、前記第1物質の粒子と前記第2物質の粒子のみから構成される。
この構成では、第1燃料極層は、後述する(2)式で表わされる反応で得られた電子を運搬するために主として使用され、第2燃料極層は、後述する(2)式で表わされる反応の速度を高めるために主として使用される。これらの観点において、第1燃料極層は燃料極集電層と呼ばれ、第2燃料極層は燃料極活性層とも呼ばれる。
この構成において、第2燃料極層においてジルコン粒子が含まれていないのは、第2燃料極層と電解質層との界面近傍において絶縁体であるジルコンが存在すると、後述する(2)式で表わされる反応の速度が低下する恐れがあるからである。なお、この構成でも、第2燃料極層の厚さを第1燃料極層の厚さに比して十分に小さくする(即ち、燃料極層全体の内部においてジルコンが含まれる領域を大きくする)ことで、燃料極層全体について上述した「還元収縮の抑制効果」が十分に発揮され得る。
また、この構成において、第1燃料極層の内部に亘ってジルコン粒子が均一に分布するように構成されているのは以下の理由に基づく。即ち、ジルコンは電子伝導的には絶縁体である。従って、第1燃料極層内部においてジルコン粒子を不均一に分布させると、ジルコン粒子が密集した領域について電気抵抗が極端に大きくなる。このように電気抵抗が極端に大きい領域が発生すると、積層体全体の電気抵抗が増大することに加え、発電時に発生するジュール熱によりその領域が高温化して積層体が破損するという問題が発生し得る。これに対し、上記のように、前記第1燃料極層の内部に亘ってジルコン粒子を均一に分布させることで、電気抵抗が極端に大きくなる領域が発生しない。この結果、燃料極層全体としての平均的な電気抵抗の増大が抑制され得る。
また、燃料極層にジルコンを含ませることにより、還元収縮の抑制以外にも、以下のような更なる効果も発生し得る。
1.ジルコンは、燃料極層を構成する上記第1、第2物質(例えば、NiO、YSZ等)と反応しない性質を有する。従って、燃料極層内の上記第1、第2物質の変質を抑制できる。
2.ジルコンのヤング率は約300GPaと非常に大きい。従って、燃料極層が積層体の支持層として機能する場合、支持層としての燃料極層の剛性を高めることができる。この結果、積層体の平坦化、薄板化に有利となる。
3.SOFC使用中においては、上記還元処理後の燃料極層内の上記第2物質(Ni等)の粒成長(シンタリング)が発生し得る。この粒成長により、燃料極層内において上記第2物質(Ni等)同士の接触により接続・形成される導電経路(具体的には、電子が通る経路)が変化することで、一般には燃料極層の導電率が低下する。燃料極層にジルコンを含ませることで、この粒成長が抑制される効果が発生し得る。即ち、粒成長による燃料極層の導電率の低下が抑制される効果が発生し得る。
4.SOFC使用中において、ジルコンそのものが燃料極層の被毒源となることはない。
上記本発明に係る積層体においては、前記積層体の厚さ方向から前記積層体を視たときの前記積層体の形状は、円形、楕円形、正方形、又は長方形であり、前記円形の直径、前記楕円形の長径、前記正方形の1辺の長さ、又は前記長方形の長辺の長さは、3cm以上であることが好適である。また、前記第1燃料極層、前記第2燃料極層、前記電解質層、及び前記空気極層の厚さはそれぞれ、500〜3000μm、3〜30μm、1〜20μm、及び3〜50μmであることが好ましい。
加えて、前記燃料極層において、前記ジルコン粒子の含有割合は3〜30体積%であることが好適である。更には、前記第1燃料極層に含まれる前記第1物質の粒子、前記第2物質の粒子、及び前記ジルコン粒子の粒径はそれぞれ、0.3〜1.5μm、0.5〜2μm、及び0.7〜2.5μmであることが好ましい。
また、前記第1燃料極層において、前記第1物質(イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等)に代えて、イットリア(Y)が含まれていてもよい。この場合、前記第1燃料極層は、イットリア(Y)の粒子と、前記第2物質(Ni等)の粒子と、前記ジルコンの粒子とから構成される。
本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の斜視図である。 図1に示した燃料電池をy方向からみた図である。 図1に示した3−3線を含むとともにx−z平面と平行な平面に沿って図1に示した燃料電池を切断した燃料電池の断面図である。 図1に示した4−4線を含むとともにx−z平面と平行な平面に沿って図1に示した燃料電池を切断した燃料電池の断面図である。 図1に示した積層体の斜視図である。 図5に示した積層体をx,y,及びz方向からみたそれぞれの図である。 図5に示した7−7線を含むとともにx−y平面と平行な平面に沿って図5に示した積層体を切断した燃料極集電層の斜視図である。 図1に示したインターコネクタの斜視図である。 図8に示したインターコネクタをx,y,及びz方向からみたそれぞれの図である。 図1に示した燃料電池における燃料と空気の流通を説明する図である。 燃料極集電層の内部に燃料流路を形成するために使用される流路形成部材の斜視図である。 後に燃料極集電層となる圧粉体をプレス成形する際の様子を説明するための図である。 内部に流路形成部材が埋設された圧粉体の斜視図である。 図13に示した14−14線を含むとともにx−z平面と平行な平面に沿って図13に示した圧粉体を切断した圧粉体の断面図である。 図13に示した圧粉体の上下面に後に燃料極活性層となるペーストが塗布され且つその圧粉体の周囲に後に電解質層となるペーストが塗布された物体における図14に対応する断面図である。 図15に示した物体を焼成することで流路形成部材の焼失により内部に燃料流路が形成された焼成体における図14に対応する断面図である。 図16に示した焼成体の上下面に空気極層が形成された焼成体の斜視図である。 図17に示した焼成体に対して導電部及び貫通孔が形成されることで完成された積層体の斜視図である。 図18に示した積層体の貫通孔に対応する部分に流路連結部材が固設された状態を示した斜視図である。 図19に示した積層体がインターコネクタ内に収容された状態を示した斜視図である。 図2に示した積層体の拡大側面図である。 還元収縮に起因して、積層体とインターコネクタとの間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われる様子を示した図である。 比較例に係る積層体の図21に対応する拡大側面図である。 燃料極層が1層からなる場合における図3に対応する断面図である。 内部に埋設された流路形成部材の形状に対応して圧粉体の上下面に凹凸が形成される場合における図14に対応する断面図である。 図13に示した26−26線を含むとともにy−z平面と平行な平面に沿って図25に示した圧粉体を切断した圧粉体の断面図である。 図25、図26に示した圧粉体を利用して形成された電解質層を含む焼成体における図26に対応する断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池について説明する。
(燃料電池の全体構造)
図1は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(以下、単に「燃料電池」と称呼する。)10の斜視図である。図2は、燃料電池10をy軸方向からみた部分図であり、図3は、図1に示した3−3線を含むx−z平面と平行な平面に沿って燃料電池を切断した図2に対応する部分断面図であり、図4は、図1に示した4−4線を含むx−z平面と平行な平面に沿って燃料電池を切断した図2に対応する部分断面図である。なお、x軸及びy軸は互いに直交する軸であり、z軸は、x−y平面に垂直な軸である。以下、z軸正方向を「上」方向、z軸負方向を「下」方向と呼ぶこともある。
図1〜図4から理解できるように、燃料電池10は、複数の同型の積層体と20と、複数の同形のインターコネクタ30とを備えている。各積層体20は、対応する1つのインターコネクタ30にそれぞれ収容・固定されている。燃料電池10は、積層体20を収容した状態にある複数のインターコネクタ30が積層されることにより形成されている。即ち、燃料電池10は、スタック構造を備えている。ここで、複数のインターコネクタ30の積層体が前記「集電固定部材」に対応する。
以下、先ず、図2〜図4、並びに図5〜図7を参照しながら、積層体20について説明する。積層体20は、大略的にはx,y,z軸の方向に沿う辺を有する直方体状(z軸方向に厚さ方向を有する薄板状)を呈していて、x軸方向に沿う辺(長辺)の長さA1、y軸方向に沿う辺(短辺)の長さB1、厚さZ1はそれぞれ、本例では、30〜300mm、15〜150mm、0.5〜5mmである(図6を参照)。
積層体20は、燃料極層21と、電解質層22と、一対の空気極層23とを備える。燃料極層21は、x,y,z軸の方向に沿う辺を有する直方体状(z軸方向に厚さ方向を有する薄板状)を呈する。燃料極層21は、基板である燃料極集電層21aと、燃料極集電層21aの上下面にそれぞれ形成された燃料極活性層21bとから構成される。燃料極集電層21aの内部には、燃料ガス(例えば、水素ガス)が流通する燃料流路24が形成されている(特に、図7を参照)。
電解質層22は、燃料極層21の周囲(上下面及び側面)を囲むように燃料極層21の表面に形成された薄膜である。一対の空気極層23は、電解質層22における燃料極層21の上面(より具体的には、燃料極集電層21aの上面に形成された燃料極活性層21bの上面)に形成された部分の上面及び電解質層22における燃料極層21の下面(より具体的には、燃料極集電層21aの下面に形成された燃料極活性層21bの下面)に形成された部分の下面にそれぞれ形成されている。一対の空気極層23,23は、z軸方向に厚さ方向を有する同形の薄板状を呈する。各空気極層23には、後述する一対の貫通孔25,25との干渉を回避するために一対の切り欠き部23a,23aが形成されている。
本例において、燃料極集電層21aは、(後述する還元処理後において)Ni、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、及びジルコン(ZrSiO)からなる多孔質の焼成体である。燃料極活性層21bは、(後述する還元処理後において)Ni及びYSZからなる多孔質の焼成体である。燃料極層21は、燃料極電極(アノード電極)として機能する。電解質層22はYSZからなる緻密な焼成体である。各空気極層23は、LSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3:ランタンストロンチウムコバルトフェライト)からなる多孔質の焼成体であり、空気極電極(カソード電極)として機能する。なお、電解質層22と空気極層23との間に、セリア(CeO2)などの反応防止層が設けられても良い。セリアとしては、具体的には、GDC(ガドリニウムドープセリア)、SDC(サマリウムドープセリア)等が挙げられる。積層体20の全体としての常温から1000℃での平均熱膨張率は、約12.8ppm/Kである。
積層体20は、一対の貫通孔25,25を備えている。各貫通孔25は、積層体20の対応する短辺の近傍であってその辺の中央部領域にそれぞれ形成されていて、各貫通孔25は電解質層23及び燃料極層22を貫通している。一対の貫通孔25,25は、燃料極層21の内部において燃料流路24を介して連通している(特に、図7を参照)。
また、積層体20の上面の4隅には、積層体20の内部の燃料極層21と電気的に接続された導体からなる導電板26がそれぞれ配設されている。導電板26の材質としては、例えば、耐熱金属が使用される。耐熱金属としては、燃料電池用のフェライト系ステンレスであるZMG材料(日立金属(株)製)等が好適である。或いは、導電板26の材質として、導電性セラミックが使用される。導電性セラミックとしては、ランタンクロマイト等が好適である。
各導電板26の上面(即ち、導体の上面)は、外部に露呈している。後述するように、上述したスタック状態において、これらの導電板26は、自身を収容するインターコネクタ30の上方に隣接するインターコネクタ30の後述する脚部34との電気的接続部として機能する。なお、積層体20の更なる詳細については後述する。
次に、図2〜図4、並びに図8、図9を参照しながら、インターコネクタ30について説明する。インターコネクタ30は、本例では、y軸方向中央のx−z平面に平行な平面に対して対称な形状を有する第1部分30A及び第2部分30Bに分割されている。以下、説明の便宜上、インターコネクタ30が第1、第2部分30A,30Bからなる一体物として扱われる場合もある。
インターコネクタ30は、大略的にはx,y,z軸の方向に沿う辺を有する直方体状(z軸方向に厚さ方向を有する薄板状)を呈した導電体からなる枠体(筺体)である。x軸方向に沿う辺(長辺)の長さA2、y軸方向に沿う辺(短辺)の長さB2、高さZ2はそれぞれ、本例では、40〜310mm、25〜160mm、3〜8mmである(図9を参照)。
本例では、インターコネクタ30は、燃料電池用のフェライト系ステンレスであるZMG材料(日立金属(株)製)等から構成されている。インターコネクタ30の常温から1000℃での平均熱膨張率は、約12.5ppm/Kである。従って、インターコネクタ30の熱膨張率は、積層体20の熱膨張率と略等しい。この結果、燃料電池10の温度が変化しても、積層体20とインターコネクタ30との間にて伸縮量差が生じ難い。
インターコネクタ30(即ち、枠体)の内部には、積層体20を収容するためのy軸方向に開口する(貫通する)空間が形成されている。インターコネクタ30には、積層体20が収容された状態において後述する一対の連結部材40との干渉を回避するために一対の切り欠き部31,31が形成されている。
インターコネクタ30を構成する枠における上面及び下面に対応する部分にはそれぞれ、小窓(貫通孔)の縁から下方及び上方に向けて突出する複数の突起部32が形成されている。後述するように、これらの突起部32は、インターコネクタ30の内部に収容された積層体20の空気極層23との電気的接続部として機能する。
インターコネクタ30を構成する枠における上面に対応する部分の4隅であって、積層体20が収容された状態においてx−y平面上にて上述の導電板26の位置に対応する位置には、窓33(貫通孔)がそれぞれ形成されている。また、インターコネクタ30を構成する枠における下面に対応する部分の4隅であって、x−y平面上にて窓33の位置に対応する位置には、下方に突出する脚部34がそれぞれ形成されている。z軸方向からみたとき、脚部34全体が窓33に含まれる。後述するように、上述したスタック状態において、これらの脚部34は、下方に隣接するインターコネクタ30内に収容される積層体20の導電板26との電気的接続部として機能する。
燃料電池10は、上記の構成を有する積層体20を収容・固定した上記の構成を有する複数のインターコネクタ30が積層されたスタック構造を有する。このスタック構造を有する燃料電池10では、隣り合う2つの積層体20の間におけるx−y平面上にて一対の貫通孔25,25の位置に対応する位置にそれぞれ、貫通孔41を備えた円筒状の連結部材40,40が介装されている。これにより、隣り合う2つの積層体20が連結部材40の高さに相当する距離だけz軸方向に離間した状態で連結部材40を介して積み重なっている(特に、図4を参照)。
また、隣り合う2つの積層体20におけるx−y平面上にて同じ位置にある貫通孔25同士が連結部材40の貫通孔41を介して接続・連通している。これにより、図4に示すように、貫通孔41と貫通孔25とが交互に接続されることで、z軸方向に連続的に延びる1本の燃料供給路と、z軸方向に連続的に延びる1本の燃料排気路とが形成されている。この燃料供給路と燃料排気路とは、各積層体20内の燃料流路24を介して連通している。
また、各積層体20の一対の空気極層23,23と、その積層体20を収容するインターコネクタ30の複数の突起部32とが、導電性の接着剤51(導電性ペースト)により電気的に接続・固定されている(特に、図3を参照)。また、或るインターコネクタ30の4つの窓33にそのインターコネクタ30の上方に隣接するインターコネクタ30の4つの脚部34がそれぞれ挿入されている。そして、或る積層体20の導電板26(の上面)と、その積層体20を収容するインターコネクタ30の上方に隣接するインターコネクタ30の脚部34(の下面)とが、導電性の接着剤52(導電性ペースト)により電気的に接続・固定されている(特に、図3を参照)。
これにより、隣り合う2つの積層体20のうち上側の積層体20の空気極層23と下側の積層体20の燃料極層21とが上側の積層体20を収容するインターコネクタ30を介して電気的に接続されている。即ち、燃料電池10全体において、複数の積層体20が電気的に直列に接続されている。
また、隣り合う2つの積層体20の間に形成された空間は、酸素を含むガス(例えば、空気)が流通する空気流路Sとして利用される。上述のように、積層体20の電解質層22が燃料極層21の周囲を囲んでいる。従って、この空気流路Sと燃料流路24とは、電解質層22のみにより区画されている。
以上の構成を有する燃料電池10に対して、図10に示すように、y軸方向から空気が供給されるとともに、燃料供給路から燃料ガスが供給される。供給された空気は、空気流路Sを流通し、各積層体20の一対の空気極層23,23と接触する。一方、供給された燃料ガスは、各積層体20内の燃料流路24をそれぞれ通過し、燃料排気路から排気される(図4の矢印を参照)。このように、燃料流路24に燃料ガスが供給され、且つ、空気流路Sに空気が供給されることで、燃料電池10は、以下に示す化学反応式(1)及び(2)に基づく発電を行う。
(1/2)・O+2e−→O2− (於:空気極層23) …(1)
+O2−→HO+2e− (於:燃料極層21) …(2)
燃料電池(SOFC)10は、電解質層22の酸素伝導度を利用して発電するので、燃料電池10としての作動温度は最低600℃以上であることが一般的である。このため、燃料電池10は、常温から作動温度(例えば800℃)まで外部の加熱機構(例えば、抵抗加熱ヒータ方式の加熱機構、或いは、燃料ガスを燃焼して得られる熱を利用する加熱機構等)により昇温された状態で使用される。
(製造方法の一例)
以下、燃料電池10の製造方法の一例について説明する。先ず、積層体20の製造方法について説明する。燃料極層21内に燃料流路24を形成するため、燃料流路24と同形の図11に示す流路形成部材61が準備される。この流路形成部材61は、造孔剤(例えば、セルロース)を用いて周知の手法の1つにより形成される。また、燃料極集電層21aの原料となる粉末62が準備される。この粉末62には、NiO、YSZ、ジルコン、及び造孔剤(例えば、セルロース)のそれぞれの粒子が均一に含まれる。粉末62に造孔剤が含まれているのは、燃料極層21を多孔質とするためである。
次に、図12に示すように、(1軸)プレス機を利用して、流路形成部材61が埋設されるように、粉末62が燃料極集電層21aに対応する形状にプレス成形される。これにより、図13に示すように、流路形成部材61が埋設された直方体状の圧粉体21azが形成される。図14は、図13に示した14−14線を含むx−z平面と平行な平面に沿って圧粉体21azを切断した断面図である。
次いで、図15に示すように、この圧粉体21azの上下面に、後に燃料極活性層21bとなるYSZ−NiOペースト膜21bzが形成されるとともに、膜21bzが形成された圧粉体21azの周囲(上下面及び側面)に、後に電解質層22となるYSZペースト膜22zが形成される。膜21bzの形成は、圧粉体21azの上下面にペーストが塗布されることで達成されてもよいし、圧粉体21azの上下面にセラミックグリーンシートが貼り付けられることで達成されてもよい。
同様に、膜22zの形成は、膜21bzが形成された圧粉体21azの周囲(上下面及び側面)にペーストが塗布されることで達成されてもよいし、膜21bzが形成された圧粉体21azの周囲(上下面及び側面)をセラミックグリーンシートで覆うことで達成されてもよい。膜21bzが形成された圧粉体21azのセラミックグリーンシートによる被覆は、上下面に対してはグリーンシートを貼り付けられることで達成され得、側面に対してはグリーンシートを巻き付けるように接着することで達成され得る。また、熱応力が高くなる膜22zの側面部には、補強のため、セラミックペーストが更に塗布されてもよい。
このように膜21bz,22zが形成された物体が所定温度・所定時間(例えば、1400℃・1時間)にて焼成される。これにより、図16に示すように、流路形成部材61が焼失し、内部に燃料流路24が形成された燃料極層21(燃料極集電層21aと、その上下面にそれぞれ形成された燃料極活性層21bとからなる)と、燃料極層21の周囲を囲む電解質層22とを備えた焼成体が形成される。また、粉末62に含まれていた造孔剤が焼失することで、燃料極層21が多孔質となる。
また、上述のように、電解質層22と空気極層23との間に、セリア(CeO2)からなる反応防止層が介装される場合、焼成前に、圧粉体21azの周囲に形成されたYSZペースト膜22zの全面(上下面及び側面)に対して、後に反応防止層となるペースト膜が更に形成される。この膜の形成も、YSZペースト膜22zの場合と同様、ペーストの塗布、セラミックグリーンシートの利用等により達成され得る。そして、この膜とYSZペースト膜22zとが共に焼成に供される。
或いは、YSZペースト膜22zが焼成された後、この焼成体の上下面のみに、後に反応防止層となるペースト膜が印刷法等によりそれぞれ形成され、その後に、この膜が焼成されてもよい。この場合、z軸方向からみた場合において、反応防止層の輪郭全体が空気極層23の輪郭全体の外側に存在するように、この膜のパターンが設定されることが好適である。例えば、この膜の輪郭が、後述する「後に空気極層23となるシート23z」の輪郭に対して1mm程度外側に存在するように調整される。
次に、図17に示すように、この焼成体の上下面に、後に空気極層23となるシート23zが印刷法によりそれぞれ形成され、そのシート23zが所定温度・所定時間(例えば、1000℃・1時間)にて焼成される。これにより、焼成体の上下面に空気極層23,23が形成される。そして、図18に示すように、この焼成体に対して、周知の加工手法の1つを利用して、1対の貫通孔25,25が形成される。また、この焼成体に対して、内部の燃料極層21(より具体的には、燃料極活性層21b)と電気的に接続されるように4つの導電板26が配設される。以上により、積層体20が完成される。完成された積層体20が必要な個数だけ準備される。
次に、インターコネクタ30の製造方法について説明する。インターコネクタ30(実際には、第1、第2部分30A,30B)は、燃料電池用のフェライト系ステンレスであるZMG材料(日立金属(株)製)等からなる薄板を、周知の手法(エッチング、切削、プレス等)により図8、図9に示す形状に加工することで完成される。完成されたインターコネクタ30(実際には、第1、第2部分30A,30B)が必要な個数だけ準備される。
次に、図19に示すように、準備された複数の積層体20のそれぞれの上面に対して、一対の貫通孔25,25の位置に対応する位置に、連結部材40が接着剤(例えば、ガラスペースト)によりそれぞれ接着固定される。また、各インターコネクタ30(実際には、第1、第2部分30A,30B)の複数の突起部32に導電性ペースト(導電性の接着剤51)が塗布される。
次いで、図20に示すように、連結部材40が接着固定された各積層体20が、導電性接着剤51が塗布されたインターコネクタ30(実際には、第1、第2部分30A,30B)に収容される。これにより、各積層体20の一対の空気極層23,23と、その積層体20を収容するインターコネクタ30の複数の突起部32とが、導電性の接着剤51により電気的に接続・固定される(図3を参照)。
次に、各インターコネクタ30の脚部34(の下面)に導電性ペースト(導電性の接着剤52)が塗布される。そして、或るインターコネクタ30の4つの窓33にそのインターコネクタ30の上方に隣接するインターコネクタ30の4つの脚部34がそれぞれ挿入されように、複数のインターコネクタ30が積層される。これにより、スタック構造体が形成される。加えて、或る積層体20の導電板26(の上面)と、その積層体20を収容するインターコネクタ30の上方に隣接するインターコネクタ30の脚部34(の下面)とが、導電性の接着剤52により電気的に接続・固定される(図3を参照)。即ち、複数の積層体20が電気的に直列に接続される。更には、燃料ガスと空気とを完全に区画するため、種々の連結部品間の接合(シール)も併せて実行される。
次に、このスタック構造体における各積層体20の燃料極層21に対して、還元処理が行われる。この還元処理では、このスタック構造体に熱処理が施されて、このスタック構造体の温度が所定温度(例えば、800℃)に所定時間だけ維持される。これと同時に、燃料供給路を介して各燃料流路24内に還元ガス(本例では、水素ガス)が流入させられる。なお、上述のように、燃料流路24と空気流路Sとは電解質層22により区画されている。従って、還元処理中において、空気極層23の表面への還元ガスの供給を防止するための特別の処置を施すことなく空気極層23の表面への還元ガスの供給を防止することができる。
この還元ガスの流入により、燃料極層21を構成するNiO、YSZ、ジルコンのうちNiOが還元される。この結果、燃料極層21がNi−YSZ―ジルコンのサーメットとなって燃料極電極(アノード電極)として機能し得るようなる。以上にて、燃料電池10の組立が完了する。
(積層体の詳細)
以下、積層体20の詳細について説明する。積層体20の部分側面図である図21に示すように、燃料極層21は、燃料極集電層21aと、その上下にそれぞれ形成された燃料極活性層21bとからなる。燃料極集電層21a(上記還元処理後)は、Ni、YSZ、及びジルコン(ZrSiO)の微細な粒子からなる多孔質層である。燃料極集電層21aに含まれるNi、YSZ、及びZrSiOの粒子の粒子径はそれぞれ、本例では、0.3〜1.5μm、0.5〜2μm、及び0.7〜2.5μmである。燃料極活性層21b(上記還元処理後)は、Ni、及びYSZの微細な粒子からなる多孔質層である。燃料極活性層21bに含まれるNi、及びYSZの粒子の粒子径はそれぞれ、本例では、0.3〜1.5μm、及び0.5〜2μmである。燃料極活性層21bでは、燃料極集電層21aと比べて、YSZの含有割合(体積%)が大きい。
燃料極集電層21aは、上述の(2)式で表わされる反応で得られた電子を導電板26に運ぶために主として使用され、燃料極活性層21bは、上述の(2)式で表わされる反応の速度を高めるために主として使用される。燃料極活性層21bにおいてジルコン粒子が含まれていないのは、燃料極活性層21bと電解質層22との界面近傍において絶縁体であるジルコンが存在すると、上述の(2)式で表わされる反応の速度が低下する恐れがあるからである。
燃料極集電層21a内では、x−y平面方向及びz軸方向において、ジルコン粒子が均一に分布している(ジルコン粒子の分布状態が均質である)。ここで、「x−y平面方向において均一に分布(ジルコン粒子の分布状態が均質)」とは、z軸方向のいかなる位置においても、単位体積当たりのジルコン粒子の含有量がx−y平面方向に亘って均一であることを意味する。「z軸方向において均一に分布(ジルコン粒子の分布状態が均質)」とは、x−y平面方向のいかなる位置においても、単位体積当たりのジルコン粒子含有量がz軸方向に亘って均一であることを意味する。即ち、燃料極集電層21aにおける単位体積当たりのジルコン粒子含有量は内部に亘って均一であり、本例では、燃料極集電層21aにおけるジルコンの含有割合は、3〜30体積%である。なお、燃料極集電層21aにおけるNi、YSZの含有割合はそれぞれ、35〜55体積%、15〜62体積%である。これに対し、燃料極活性層21bにおけるNi、YSZの含有割合はそれぞれ、25〜45体積%、55〜75体積%である。
電解質層22は、YSZの微細な粒子からなる緻密層である。電解質層22に含まれるYSZの粒子の粒子径は、本例では、0.3〜3μmである。この粒子径は、YSZに対するY2O3の添加量や焼成温度で調整可能である。空気極層23は、LSCFの微細な粒子からなる多孔質層である。空気極層23に含まれるLSCFの粒子の粒子径は、本例では、0.2〜2μmである。
積層体20の厚さZ1は、全体に渡って均一であり、本例では、上述したように、0.5〜5mmである。また、燃料極層21、電解質層22、及び空気極層23の厚さZa,Zb,Zcはそれぞれ、例えば、500〜3000μm、1〜20μm、及び3〜50μmである。燃料極集電層21a、及び燃料極活性層21bの厚さZa1,Za2はそれぞれ、例えば、500〜3000μm、及び3〜30μmである。
燃料極層21、電解質層22、及び空気極層23の常温から1000℃での平均熱膨張率はそれぞれ、本例では、11.5〜13ppm/K、10〜11.5ppm/K、及び10〜14ppm/Kである。
(作用・効果)
以下、上述のように、燃料極層21(燃料極集電層21a)内にジルコンが含有されたことによる作用・効果について述べる。
燃料極層21に対して上述した還元処理が実行されると、燃料極層21中のNiOがNiに変換される際に燃料極層21から離脱するO(酸素)の量に応じた分だけ燃料極層21が収縮する。この結果、積層体20全体も収縮する。以下、この収縮を「還元収縮」と呼ぶ。この還元収縮に起因して積層体20の寸法が減少する。
上述のように、組立完了後の上記スタック構造体における各燃料流路24に還元ガスを供給して上記還元処理が行われた場合を考える。この場合、還元収縮に起因する積層体20の寸法減少により、互いに電気的に接続固定されていた積層体20の導電板26とインターコネクタ30の脚部34とのx−y平面上での相対位置関係、並びに、互いに電気的に接続固定されていた積層体20の空気極層23の部分とインターコネクタ30の突起部32とのx−y平面上での相対位置関係にずれが生じる。
これらの相対位置関係のずれが大きいと、積層体20とインターコネクタ30との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われ得る。例えば、図22では、インターコネクタ30の複数の突起部32の一部が導電体接着剤51から離れることにより、その一部の突起部32と空気極層23との電気的接続が失われる場合の例が示されている(図22における破線で囲んだ箇所を参照)。
このように、積層体20とインターコネクタ30との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われると、積層体20とインターコネクタ30との間の電気抵抗が増大し、この結果、燃料電池10全体としての出力が低下する事態が発生し得る。係る事態の発生を抑制するため、還元収縮の程度を抑制することが望まれる。
他方、燃料極層21(燃料極集電層21a)にジルコンが含まれることにより、ジルコンが含まれない場合(即ち、燃料極集電層21a及び燃料極活性層21bが共にNiとYSZのみからなる場合)に比して、還元収縮の程度が抑制されることが判明した。従って、本例のように燃料極層21(燃料極集電層21a)にジルコンが含まれる場合、ジルコンが含まれない場合に比して、上述の相対位置関係のずれが小さくなり、積層体20とインターコネクタ30との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われる事態が発生し難くなる。この結果、燃料電池10全体としての出力が低下する事態の発生が抑制され得る。係る「還元収縮の抑制効果」は、「ジルコンを含まない燃料極活性層21b」の厚さを「ジルコンを含む燃料極集電層21a」の厚さに比して十分に小さくする(即ち、燃料極層21全体の内部においてジルコンが含まれる領域を大きくする)ことで、より確実に発揮され得る。
以下、このことを確認した実験について説明する。この実験では、図23に示すように、図21に示した上記実施形態において燃料極集電層21a中の全てのジルコンをYSZに置き換えて得られる積層体が比較例として導入された。即ち、図21に示した実施形態と図23に示した比較例とでは、Niの含有量が同じである。換言すれば、上述した還元処理の実行によるNiOからNiへの変換により燃料極層21から離脱するO(酸素)の量は同じである。
この実験では、図21に示した上記実施形態に対応するジルコンの含有割合が異なる複数種類の積層体と、図23に示した比較例に対応する積層体とが、上述した製造方法を利用してそれぞれ作製・準備された。そして、上記スタック構造体が準備された積層体の種類毎に作製され、それぞれのスタック構造体に対して各燃料流路24に還元ガスを供給して上記還元処理が行われた。そして、それぞれのスタック構造体に対して、抵抗値、出力密度、及び上述した電気的接続部位の電気的接続状態が評価された。この評価結果を表1に示す。
Figure 0005631625
表1において、水準1が比較例(ジルコンの含有割合=0)に対応し、水準2〜が実施例(ジルコンの含有割合>0)に対応する。表1に示すように、水準1〜において、Niの含有割合は45体積%で一定である。一方、水準1〜において、ジルコンの含有割合は、YSZの含有割合とジルコンの含有割合との和が55体積%で一定となる条件下で、0〜40体積%の範囲内で種類の異なる値に調整されている。
この実験について付言する。この実験に使用された積層体は直方体を呈していて、長辺の長さA1、短辺の長さB1、及び厚さZ1はそれぞれ、120mm、60mm、及び1.5mmであった(図6を参照)。電解質層は、燃料極層(圧粉体)の表面に厚さ5μmの3YSZの膜が形成され、この膜が1400℃、1hrの条件で焼成されることで形成された。また、電解質層と空気極層との間にGDCからなる反応防止層が介装された。反応防止層は、電解質層の表面に厚さ5μmのGDCの膜が印刷法等により形成され、この膜が1350℃、1hrの条件で焼成されることで形成された。空気極層は、反応防止層の表面に厚さ30μmのLSCFの膜が印刷法等により形成され、この膜が1000℃、1hrの条件で焼成されることで形成された。
抵抗値としては、周知のインピーダンス解析手法の1つを用いて得られる750℃における値が使用された。出力密度としては、電流−電圧特性(I−V特性)から得られる705℃、電圧0.8(V)における値が使用された。電気的接続部位の電気的接続状態は以下の手法で確認された。先ず、降温後のスタック構造体がジルコニアスラリーの中に浸漬された。その後、そのスタック構造体が120℃で乾燥された。乾燥後、スタック構造体が解体され、電気的接続部位に白色のスラリーが浸入しているか否かが観察された。スラリーが浸入していないことは接続状態が正常なことを意味し、スラリーが浸入していることは接続状態が異常なことを意味する。
表1に示すように、図21に示した上記実施形態のうちでジルコンの含有割合が3〜30体積%のもの(即ち、水準3〜)は、その他のもの(即ち、水準1,2,6,7)に比して、抵抗値が明らかに小さく、且つ出力密度が明らかに大きい。加えて、電気的接続部位の接続状態も正常である。これは、燃料極層21(燃料極集電層21a)にジルコンが適切な割合で含まれることにより、ジルコンが含まれない場合に比して、燃料極層21から離脱するO(酸素)の量が同じであっても、還元収縮の程度が小さくなることを意味する。
なお、水準1,2において抵抗値が大きく且つ出力密度が小さいのは、電気的接続部位の一部において電気的接続が失われていたことに起因する。これは、ジルコンの含有割合が小さすぎて還元収縮の程度が小さくならなかったことを意味する。また、水準6,7において抵抗値が大きく且つ出力密度が小さいのは、ジルコンの含有割合が大きすぎて燃料極層そのものの電気抵抗が大きいことに起因する。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るスタック構造を有する固体酸化物形燃料電池(SOFC)10は、それぞれが積層体20を収容した状態にある複数のインターコネクタ30が積層されたスタック構造体を有する。各積層体20は、内部に燃料流路24が形成されたアノード電極として機能する燃料極層21と、電解質層22と、カソード電極として機能する空気極層23とを備える。燃料極層21には、ジルコン(ZrSiO)が含まれる。これにより、燃料極層21をアノード電極として機能させるために燃料極層21に対して還元処理が実行される際の燃料極層21の収縮の程度が減少する。従って、組立完了後のスタック構造体における各燃料極層21に対して還元処理が行われる場合において、上記収縮に起因して積層体20とインターコネクタ30との間の電気的接続部位の一部において電気的接続が失われる事態の発生が抑制され得る。
以下、還元収縮の抑制以外の、燃料極層21にジルコンを含ませることによる他の効果について述べる。
1.ジルコンは、NiO及びYSZと反応しない性質を有する。従って、燃料極層21内のNiO及びYSZの変質を抑制できる。
2.ジルコンのヤング率は約300GPaと非常に大きい。従って、積層体の支持層として機能する燃料極集電層21aの剛性を高めることができる。この結果、積層体の平坦化、薄板化に有利となる。
3.SOFC使用中においては、燃料極層21内のNiの粒成長(シンタリング)が発生し得る。この粒成長により、燃料極層21内においてNi粒子同士の接触により接続・形成される導電経路(具体的には、電子が通る経路)が変化することで、一般には燃料極層21の導電率が低下する。燃料極層21にジルコンを含ませることで、この粒成長が抑制される効果が発生し得る。即ち、粒成長による燃料極層21の導電率の低下が抑制される効果が発生し得る。
4.SOFC使用中において、ジルコンそのものが燃料極層21の被毒源となることはない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、燃料極層が、ジルコンを含まない層(燃料極活性層)とジルコンを含む層(燃料極集電層)とを含む2層以上の複数層で構成されているが、燃料極層が、ジルコンを含むとともにジルコン含有割合が異なる2層以上の複数層から構成されてもよい。また、ジルコンを含む各層の内部では、ジルコン粒子が均一に分布していてもよいし、ジルコン粒子が、x−y平面方向において均一に、且つ単位体積当たりのジルコン粒子含有量(ジルコン含有割合)がz軸方向において徐々に変化していくように分布していてもよい。
また、図24に示すように、燃料極層21がジルコンを含む1層のみから構成されてもよい。この燃料極層21の内部では、ジルコン粒子が均一に分布していても、不均一に分布していてもよい。
また、上記実施形態においては、積層体20において、電解質層22が、燃料極層21の周囲の全て(上下面及び側面)を囲むように燃料極層21の表面に形成されているが、電解質層が、燃料極層21の上下面のみに形成され、燃料極層の側面(4面)に形成されなくてもよい。この場合、空気流路Sと燃料流路24とを区画するため、燃料極層21の側面(或いは、積層体20の側面全体)が、電解質層に代えて、空気流路Sと燃料流路24とを区画する機能を発揮する側壁で覆われる必要がある。この場合、側壁としては、例えば、ガラス材料が使用され得る。
また、上記実施形態においては、燃料極層21の内部におけるジルコン以外の部分は、白金、白金−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニアサーメット等から構成することができる。
また、空気極層23は、例えば、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物(例えば、上述のランタンストロンチウムコバルトフェライトのほか、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイト、ランタンフェライト)から構成することができる。これらは、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。また、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ルテニウム−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム−酸化セリウムサーメットであってもよい。
また、上記実施形態においては、積層体20のx−y平面形状は長方形であるが、正方形、円形、楕円形等であってもよい。これらの場合において、円形の場合の直径、楕円形の場合の長径、正方形の場合の1辺の長さは、3cm以上であることが好適である。
また、上記実施形態においては、燃料極集電層21aは、(還元処理後において)Ni、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、及びジルコン(ZrSiO)からなる多孔質の焼成体であるが、燃料極集電層21aは、(還元処理後において)Ni、Y(イットリア)、及びジルコン(ZrSiO)からなる多孔質の焼成体であってもよい。
ところで、上記実施形態においては、図13、図14に示すように、後に燃料極集電層21aとなる圧粉体21azの上下面が平面で示されている。しかしながら、プレス成形時における流路形成部材61と粉末62との圧縮特性の相違により、実際には、図25、図26に示すように、圧粉体21azの上下面には、z軸方向からみて流路形成部材61が存在する領域に対応する部分の厚さがその他の領域に対応する部分の厚さに対して大きくなるように、流路形成部材61の形状に対応した凹凸が形成される。この結果、図27に示すように、上下面に凹凸が形成された圧粉体21azを用いて製造された積層体の上下面にも同様の凹凸が形成される。図27に示した積層体の一例として、燃料流路24の高さZ3は100〜500μm、z軸方向からみて流路流路24が存在しない領域に対応する部分の厚さZ4は1000〜1500μm、z軸方向からみて流路流路24が存在する領域に対応する部分の厚さZ5は1100〜2000μmである。
この図27に示した積層体は、厚さ方向からみた場合において、燃料極層について、燃料ガスの流路が存在する領域に対応する部分の厚さが燃料ガスの流路が存在しない領域に対応する部分の厚さに対して大きく、且つ、積層体について、燃料ガスの流路が存在する領域に対応する部分の厚さが燃料ガスの流路が存在しない領域に対応する部分の厚さに対して大きい、という特徴を有する。このように積層体の上下面に凹凸が形成されることによる作用・効果について以下に付言する。
先ず、燃料極層21の周囲を覆う電解質層22における積層体の上下面に対応する部分にも同様の凹凸が形成される。このように電解質層22に凹凸が形成されることで、凹凸が形成されない場合に比して、電解質層22の変形に対する剛性が高くなる。この結果、電解質層22が覆う燃料極層21が上述した還元処理により収縮しようとしても、この収縮(即ち、還元収縮)が抑制され得る。
また、積層体が極めて薄い場合において、積層体の上下面に凹凸が形成されていない場合、燃料極集電層21aにおけるz軸方向からみて燃料流路24が形成されている領域に対応する部分の肉厚が小さくなり易い。この結果、積層体全体の強度が不足し易い。これに対し、積層体の上下面に上述の凹凸が形成されていると、積層体全体の変形に対する剛性が高くなる。この結果、積層体の強度が維持される。
10…燃料電池、20…積層体、21…燃料極層、21a…燃料極集電層、21b…燃料極活性層、22…電解質層、23…空気極層、24…燃料流路、26…導電板、30…インターコネクタ、32…突起部、34…脚部、S…空気流路

Claims (6)

  1. 内部に燃料ガスの流路が形成されるとともに前記燃料ガスの流路内を流通する燃料ガスと接触して前記燃料ガスを反応させる燃料極層と、
    前記燃料極層の上面及び下面の少なくとも1面に形成され固体電解質からなる電解質層と、
    前記電解質層の表面に形成され酸素を含むガスと接触して前記酸素を含むガスを反応させる空気極層と、
    を備えた固体酸化物形燃料電池の積層体であって、
    前記燃料極層は、酸素イオンを通すための第1物質の粒子と、電子を通すための第2物質の粒子と、ジルコンの粒子とを少なくとも含む焼成体であり、
    前記燃料極層は、前記燃料極層の基体である第1燃料極層と、前記第1燃料極層と前記電解質層との間に積層されるとともに前記第1燃料極層に比して前記第1物質の含有割合が大きい第2燃料極層と、を含んで構成されていて、
    前記第1燃料極層は、前記第1物質の粒子と、前記第2物質の粒子と、前記ジルコンの粒子とから構成されるとともに前記第1燃料極層の内部に亘って前記ジルコン粒子が均一に分布し、
    前記第2燃料極層は、前記第1物質の粒子と前記第2物質の粒子のみから構成され、
    前記第1燃料極層において、前記ジルコン粒子の含有割合は3〜30体積%である、固体酸化物形燃料電池の積層体。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の積層体において、
    前記積層体の厚さ方向から前記積層体を視たときの前記積層体の形状は、円形、楕円形、正方形、又は長方形であり、前記円形の直径、前記楕円形の長径、前記正方形の1辺の長さ、又は前記長方形の長辺の長さは、3cm以上である、固体酸化物形燃料電池の積層体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池の積層体において、
    前記第1燃料極層、前記第2燃料極層、前記電解質層、及び前記空気極層の厚さはそれぞれ、500〜3000μm、及び3〜30μm、1〜20μm、及び3〜50μmである固体酸化物形燃料電池の積層体。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の積層体において、
    前記第1燃料極層に含まれる前記第1物質の粒子、前記第2物質の粒子、及び前記ジルコン粒子の粒径はそれぞれ、0.3〜1.5μm、0.5〜2μm、及び0.7〜2.5μmである固体酸化物形燃料電池の積層体。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池の積層体において、
    前記電解質層が前記燃料極層の周囲を囲むように前記燃料極層の表面に形成され、前記空気極層が前記電解質層における前記燃料極層の上面に形成された部分の上面及び前記電解質層における前記燃料極層の下面に形成された部分の下面にそれぞれ形成された固体酸化物形燃料電池の積層体。
  6. 複数の請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の積層体と、前記複数の積層体を配置・固定する導電体からなる集電固定部材と、からなるスタック構造体を備え、
    隣り合う2つの前記積層体が前記積層体の厚さ方向に離間した状態で積み重なり、且つ、前記隣り合う一方の積層体の前記燃料極層の接続部と前記隣り合う他方の積層体の前記空気極層の接続部とが前記集電固定部材を介して電気的に接続されていて、
    前記隣り合う2つの積層体の間に形成された空間に前記酸素を含むガスの流路が区画・形成された固体酸化物形燃料電池。
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