JP5625904B2 - 拡大投影光学系及びデジタル式プラネタリウム装置 - Google Patents

拡大投影光学系及びデジタル式プラネタリウム装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶素子や、デジタルマイクロデバイスといった表示素子から出力される画像をスクリーンに投影する投影光学系に関するものである。
近年、アミューズメント施設等において、デジタル画像を大型スクリーンや、ドーム型スクリーンに投影することが行われている。これを実現する表示装置として、フィルムをスクリーンに投影する表示装置に代わって、近年、液晶素子や、デジタルマイクロデバイス等の表示素子を用いた表示装置が知られている。この種の表示装置は、例えば、R,G,Bの画像をそれぞれ出力する表示素子と、各表示素子から出力された画像を色合成するプリズムと、プリズムにより色合成された画像を拡大投影する投影光学系と、拡大投影された画像を表示するスクリーンとを備えている。
そして、この種の表示装置に採用される表示素子は、年々、高密度化が進み、それに伴い、素子全体の大型化が進んでいる。表示素子が大型化すると、プリズムを大型化する必要があり、大型化したプリズムの設置スペースを確保するためには、非常に長いバックフォーカスを有する投影光学系が要求される。特に、色合成を色合成プリズムで行う場合、表示素子が大型化すると色合成プリズムをより大きく(長く)する必要があり、大型化した色合成プリズムの設置スペースを確保するためには、非常に長いバックフォーカスが必要になった。
また、近年、スクリーンに投影される画像をより明るくするために、照明系が大型化してきており、これによってもプリズムを大型化する必要があり、非常に長いバックフォーカスを有する投影光学系が要求される。
また、近年、表示素子から出力された画像を短距離でより大きくスクリーンに投影することが要求されており、これを実現するために、投影光学系の広角化(短焦点化)が求められている。
また、近年の表示素子の細密化により、色収差が小さく解像度力の高い投影光学系が要求されている。すなわち表示素子の細密化により、投影光学系には、より高い投影性能が要求されている。特に、投影光学系の色収差を小さく抑えないと、高い性能が確保できず、きれいな投影像を得ることができない。
尚、本発明に関連する投影光学系として下記の特許文献1〜3が知られている。特許文献1には、フィルムの画像をドーム状のスクリーンに投影するための魚眼投影光学系が開示されている。特許文献2には、液晶型プロジェクタにおける魚眼投影光学系が開示されている。特許文献3には、撮像装置において、ある程度の長さのバックフォーカスを確保する魚眼投影光学系が開示されている。
特開平4−69611号公報 特開2005−221955号公報 特開2005−128286号公報
しかしながら、広角化とバックフォーカスの確保とはトレードオフの関係にあり、両要求を満たすような投影光学系を実現することは容易ではない。また、特許文献1〜3に示された投影光学系のバックフォーカスは、それぞれ、焦点距離の3倍、7倍、10倍程度確保されているものの、収差を補正することについての記載がなされておらず、この点、改良の余地がある。
本発明の目的は、焦点距離が短いにも関わらず、非常に長いバックフォーカスを確保することができ、且つ、色収差の非常に小さい拡大投影光学系を提供することである。
上記目的は、下記の1から16のいずれか1項に記載の発明によって達成される。尚、以下の説明において使用される用語は、本明細書において、次のとおり定義されているものとする。
(a)屈折率は、d線の波長(587.56nm)に対応する屈折率である。
(b)アッベ数は、d線、F線(486.13nm)、C線(656.28nm)に対する屈折率を各々、nd、nF、nC、アッベ数をvdとした場合に、
vd=(nd−1)/(nF−nC)
の定義式で求められるアッベ数をいうものとする。
(c)レンズについて、「凹」、「凸」または「メニスカス」という表記を用いた場合、これらは光軸近傍(レンズの中心付近)でのレンズ形状を表しているもの(近軸曲率に基づいた表記)とする。
1.表示素子から出力される画像をスクリーンへ拡大投影する拡大投影光学系であって、
前記スクリーン側から光軸に沿って順番に配列された投影光学系、リレー光学系、及び表示素子を含み、
前記リレー光学系は、前記表示素子の画像を1次結像し、
前記投影光学系は、前記リレー光学系により1次結像された画像を前記スクリーンに拡大投影するものであり、前記スクリーン側から順番に配列された負の光学的パワーを有する負の群と、正の光学的パワーを有する正の群と、前記正の群に続くレンズ群とから成り、
前記負の群は、
前記スクリーン側に配列された少なくとも1枚の負メニスカスレンズと、
最も前記表示素子側にあり、最外画角の7割の主光線の軸外近軸追跡による光線高が、前記負の群を構成する負レンズが配列された領域内において最小値となる負レンズとから成り、
前記正の群は、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸光線追跡による光線高が、前記正の群において最大値となる正レンズを含み、且つ、全体的に正の光学的パワーを持つように構成され、
前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズを通過する最大画角の主光線と、前記投影光学系の負の群の最もスクリーン側のレンズを通過する最大画角の主光線とは、光軸に対して同じ方向であり、
前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(1)、(2)、(B1a)を満足し、
前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(4)を満足し、
前記正の群のうち最も前記表示素子側に配置されたレンズは、正レンズであって、前記正レンズは、前記投影光学系を構成する正レンズのうち、絞りより前記スクリーン側に配置され、条件式(4)を満足する正レンズのうち、最も前記表示素子側に配置されたレンズであることを特徴とする拡大投影光学系。
|Fb/F|>10 (1)
0.5<|F/Fp|<2 (2)
0.7>φRp/φRn>0.4・・・(B1a)
Yp/Ym>0.8 (4)
但し、
Fb:投影光学系及びリレー光学系を含む全光学系のバックフォーカス
F:全光学系の焦点距離
Fp:投影光学系の焦点距離
φRp:投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち最大の有効径
φRn:投影光学系の最もスクリーン側の負レンズのスクリーン側の有効径
Yp:投影光学系の正の群のうち、最もスクリーン側で軸外主光線が光軸と交わる位置よりもスクリーン側に配列された正レンズのうち、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による正レンズのレンズ面での光線高の最大値
Ym:投影光学系の負の群を構成する負レンズが配列された領域内において、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による負レンズのレンズ面での光線高の最小値
|Fb/F|>10 (1)
0.5<|F/Fp|<2 (2)
但し、
Fb:投影光学系及びリレー光学系を含む全光学系のバックフォーカス
F:全光学系の焦点距離
Fp:投影光学系の焦点距離
2.前記全光学系の画角は、以下の条件式(A1)を満足することを特徴とする前記第1項に記載の拡大投影光学系。
240度>W>100度 (A1)
但し、
W:全光学系の画角
3.前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする前記第1項または第2項に記載の拡大投影光学系。
0.3<|Fp/Fm|<3 (3)
但し、
Fm:投影光学系の負の群の焦点距離
Fp:投影光学系の焦点距離
4.前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズは、軸外主光線が最もスクリーン側で前記光軸と交わる位置よりも前記スクリーン側に配列されていることを特徴とする前記第1項から第3項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
.前記投影光学系の正の群は、以下の条件式(5)を満足する正レンズを少なくとも
1枚含むことを特徴とする前記第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系
20<νpm−νpp<65 (5)
但し、
νpm:投影光学系の負の群においてアッベ数が最大のレンズのアッベ数
νpp:正レンズのアッベ数
.前記リレー光学系は、前記表示素子側が略テレセントリック光学系であり、該略テレセントリック光学系は、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする前記第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
|θmax|<5 (6)
但し、
θmax:表示素子の法線と表示素子からリレー光学系へ向かう主光線とのなす最大角度
.前記リレー光学系は、略両テレセン光学系であり、該略両テレセントリック光学系は、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする前記第項に記載の拡大投影光学系。
|θ′max|<5 (7)
但し、
θ′max:一次結像面の法線と一次結像面を表示素子側から通過する主光線とのなす最大角度
.前記略両テレセン光学系は、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする前記第項に記載の拡大投影光学系。
|φr×Tr|<0.2 (8)
但し、
φr:リレー光学系の光学的パワー
Tr:リレー光学系の最もスクリーン側のレンズのスクリーン側の面頂点から、最も表示素子側のレンズの表示素子側の面頂点までの距離
.前記投影光学系の入射瞳位置と該投影光学系の全長は、以下の条件式(A3)を満足することを特徴とする前記第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
Le/TLp>0.02 (A3)
但し、
Le:投影光学系の最もスクリーン側のレンズの面頂点から投影光学系のスクリーン側から表示素子に向かって光線トレースする場合の入射瞳位置までの距離
TLp:投影光学系の全長(投影光学系の最もスクリーン側のレンズの面頂点から最もリレー光学系側のレンズの面頂点までの距離)
10.前記投影光学系の最もスクリーン側のレンズの有効直径と該投影光学系の焦点距離は、以下の条件式(A4)を満足することを特徴とする前記第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
D1/Fp<40 (A4)
但し、
D1:投影光学系の最もスクリーン側のレンズの有効直径
Fp:投影光学系の焦点距離
11.前記リレー光学系の前群と後群の焦点距離は、以下の条件式(A8)を満足することを特徴とする前記第1項から第10項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
2>|Frf/Frr|>0.5 (A8)
但し、
Frf:リレー光学系の前群の焦点距離
Frr:リレー光学系の後群の焦点距離
12.前記リレー光学系は、低分散レンズを少なくとも2枚備え、以下の条件式(A11)、(A12)を満足することを特徴とする前記第1項から第11項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
120>νdr>65 (A11)
Pgfr<0.55 (A12)
但し、
νdr:リレー光学系の低分散レンズのアッベ数
Pgfr:リレー光学系の低分散レンズの2次分
0.8>φRp/φRn>0.3 (B1)
但し、
φRp:投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち最大の有効径
φRn:投影光学系の最もスクリーン側の負レンズのスクリーン側の有効径
13.前記投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち、最大の有効径と、前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離は、以下の条件式(B2)を満足することを特徴とする前記第2項に記載の拡大投影光学系。
4>φRp/fp>0.05 (B2)
但し、
φRp:投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち、最大の有効径
φfp:投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離
14. 前記第1項から第13項のいずれか1項に記載された拡大投影光学系を備えたことを特徴とするデジタル式プラネタリウム装置。
本発明によれば、焦点距離が短いにも関わらず、非常に長いバックフォーカスを確保することができ、且つ、色収差の小さい高性能な拡大投影光学系を提供することができる。
デジタル式プラネタリウム装置のスクリーンの全体構成図を示している。 実施例1の拡大投影光学系の全体構成図を示している。 実施例1の投影光学系の全体構成図を示している。 リレー光学系の全体構成図を示している。 実施例1の収差図である。 実施例1の倍率色収差である。 実施例2の拡大投影光学系の全体構成図を示している。 実施例2の投影光学系の全体構成図を示している。 実施例2によるリレー光学系の全体構成図を示している。 実施例2の収差図である。 実施例2の倍率色収差である。
符号の説明
1 スクリーン
2 再生部
3 投影部
4 拡大投影光学系
5 操作部
6 スピーカ
10 投影光学系
20 リレー光学系
30 表示素子
G1 負の群
G2 正の群
PR1 プリズム
以下、本発明の実施の形態による拡大投影光学系をデジタル式プラネタリウム装置に適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、デジタル式プラネタリウム装置の全体構成図を示している。図1に示すデジタル式プラネタリウム装置は、スクリーン1、再生部2、投影部3、拡大投影光学系4、操作部5、及びスピーカ6を備えている。
スクリーン1は、半球状のドームスクリーンである。再生部2は、スクリーン1上に投影するビデオ映像や、プラネタリウム施設内に放送する音声等の再生を行う。投影部3は、再生部2から出力された信号を用いてビデオ映像を生成する。拡大投影光学系4は、投影部3により生成されたビデオ映像をスクリーン1の全天周に投影する。操作部5は、ユーザからの操作入力を受け付ける。
図2は、拡大投影光学系4の全体構成図を示している。拡大投影光学系4は、スクリーン側から光軸K1に沿って順番に配列された投影光学系10、リレー光学系20、及び表示素子30を備え、表示素子30から出力される画像をスクリーンに拡大投影する。
図3は、投影光学系10の全体構成図を示している。投影光学系10は、リレー光学系により1次結像された画像をスクリーン1に拡大投影するものであり、スクリーン1側から順番に配列された、負の光学的パワーを有する負の群G1と、正の光学的パワーを有する正の群G2と、7枚のレンズL9〜L15と、レンズL9,L10間に配列された絞りS1とを含む。
負の群G1は、スクリーン側から順番に配列されたレンズL1〜L4を含む。レンズL1〜L3は、スクリーン1側が凸の負メニスカスレンズである。レンズL4は、表示素子30側が凸の負メニスカスレンズである。尚、レンズL1〜L3は負の群G1が備える少なくとも1枚の負メニスカスレンズの一例に相当し、レンズL4は負の群G1が備える少なくとも1枚の負レンズの一例に相当する。
正の群G2は、4枚のレンズL5〜L8を含む。レンズL5は両凹レンズであり、レンズL6〜L7は両凸レンズである。レンズL9はスクリーン1側が凸のメニスカスレンズである。レンズL10は両凹レンズである。レンズL11は両凸レンズである。レンズL12は両凸レンズである。レンズL13は両凹レンズである。レンズL14,L15は両凸レンズである。
尚、図3では、負の群G1に含まれるスクリーン1側が凸の負メニスカスレンズを3枚としたが、これに限定されず、スクリーン1側に少なくとも1枚の負メニスカスレンズが配列されていればよい。また、図3では負の群G1に含まれる負レンズとしてレンズL4としたが、これに限定されず、少なくとも1枚の負レンズが含まれていればよく、2枚以上の負レンズを設けてもよい。
また、図3では、レンズL1〜L4を負の群G1としたが、これに限定されず、全体的に負の光学的パワーを持っていれば、他のレンズを含めても良い。また、レンズL5〜L8を正の群G2としたが、これに限定されず、全体的に正の光学的パワーを持っていれば、他のレンズを含めても良い
図4は、リレー光学系20の全体構成図を示している。リレー光学系20は、スクリーン1側から順番に配列されたレンズL16〜L27を含み、表示素子30から出力され、且つ、プリズムPR1により色合成された画像を1次結像して、投影光学系10に出力する。
レンズL16,L17,L19,L24,L26,L27は両凸レンズであり、レンズL20はスクリーン1側が凸のメニスカスレンズであり、レンズL23は表示素子30側が凸のメニスカスレンズであり、レンズL18,L21,L22,L25は両凹レンズである。尚、レンズL16〜L27は、ダミー面を示すr44を中心に対称となっている。
プリズムPR1はレンズL27及び表示素子30間に配列され、表示素子30から出力される画像を色合成し、リレー光学系20に出力する。
ここで、通常、拡大投影光学系において、より大型のスクリーンやドームの広い範囲に投影するためには、より広角系の投影光学系、つまり、焦点距離の短い投影光学系が必要となる。また、該投影光学系は、以下の理由により、より長いバックフォーカスが必要となる。
1.表示素子の高密度化が進展するに伴い、表示素子全体が大型化している。
2.明るい画像が求められ、照明系が高出力化、大型化している。例えば、反射表示素子を用いた場合、照明光を表示素子に導く部分が大型化している。
3.高精細な画像を得るために、3枚の色表示素子を用い、各表示素子からの画像を合成する、所謂3板式のプロジェクタが求められている。このため、色合成プリズムが必要となり、表示素子の大型化に伴い、この色合成プリズムを大型化する必要がある。
また、表示素子の高密度化が進展するに伴い、より高精細な画像が求められるようになり、投影光学系のさらなる高性能化が必要となる。高性能化のためには、MTF性能を高める必要があり、高精細化とともに高いMTF性能を確保するためには、特に色収差を小さくする必要がある。そして広い範囲を投影するためには、特に倍率色収差がよく補正されていることが必要となる。
しかしながら、バックフォーカスが長く、且つ、焦点距離の短い投影光学系を実現することは非常に困難である。短い焦点距離で、長いバックフォーカスを確保するには、レトロフォーカスタイプが適している。そして長いバックフォーカスを実現するためには、前群の負の光学的パワーを強くするとよい。しかしながら、強い負の光学的パワーのために、大きな倍率色収差が発生する。
そこでこのような問題に対応するため、本発明の実施形態に係る拡大投影光学系4においては、スクリーン1側から、投影光学系10、リレー光学系20、表示素子30を備える構成とし、表示素子30からの画像をリレー光学系20によって1次結像させ、その1次結像された像を投影光学系10で拡大投影するものである。
このように、投影光学系10と表示素子30との間にリレー光学系20が配列されているため、全光学系のバックフォーカスFbを長くしても、長いバックフォーカスは、リレー光学系20により確保することで、投影光学系10のバックフォーカスを短くして広画角を確保することが可能となる。よって、広画角ながら全光学系のバックフォーカスFbの長い拡大投影光学系4を提供することができる。
投影光学系10は、短いバックフォーカスで構成できるため、スクリーン1側の投影光学系10の径方向の大きさを小さくすることができる。尚、全光学系のバックフォーカスFbは、具体的にはリレー光学系20の最も表示素子30側のレンズL27の表示素子30側の面頂点P3から表示素子30までの光軸上の空気換算距離とする。
このように、投影光学系10は、短いバックフォーカス、且つ、広画角の投影系でもある。広い画角へ投影するために、最もスクリーン1側を負の光学的パワーを有する負の群G1で構成することにより、より広い範囲への投影を行うことができる。また、スクリーン1側から、投影光学系10、リレー光学系20、表示素子30を備える構成とすることにより、スクリーン1側から光線トレースを行った場合の、入射瞳位置が、投影光学系のみで構成された光学系よりスクリーン側に配置することができるため、最もスクリーン1側のレンズの有効径を小さくすることができ、光学系全体の径方向の大きさを小さくすることができる。
尚、負の群G1の最もスクリーン1側のレンズは、軸外光線高さが非常に高いため、歪曲収差、倍率色収差などの軸外性能に大きな影響を与える。そのため、負の群G1の最もスクリーン1側のレンズは、できるだけ軸外主光線との偏角を小さくした負メニスカスレンズとすることが望ましい。また、負の群G1の最もスクリーン1側のレンズは、少なくとも2枚の負のレンズで構成することにより、負の光学的パワーが分散され、収差の発生を抑えることができる。
また、最もスクリーン1側の負の群G1で倍率色収差が発生する。そこでこの倍率色収差を補正するため、負の光学的パワーを有する負の群G1の1次結像面側に正の光学的パワーを有する正の群G2を配置することが望ましい。負の群G1で発生する倍率色収差が、正の群G2で発生する逆方向の倍率色収差によって打ち消され、倍率色収差の少ない高性能な拡大投影光学系4を実現することができる。
そして、拡大投影光学系4は、以下の条件式(1)、(2)を満足することが好ましい。
|Fb/F|>10 (1)
0.5<|F/Fp|<2 (2)
但し、
Fb:投影光学系10及びリレー光学系20を含む全光学系のバックフォーカス
F:全光学系の焦点距離
Fp:投影光学系10の焦点距離
条件式(1)は、全光学系のバックフォーカスFbの長さを規定するものである。バックフォーカスを確保するためには、投影光学系のレトロフォーカスの負の群の光学的パワーを強くするとよいが、強い負の光学的パワーにより倍率色収差が大きく発生し、全光学系の倍率色収差補正が困難となる。このような場合、リレー光学系20を備えた、本発明の実施形態に係る拡大投影光学系4の構成が有効となる。条件式(1)は、倍率色収差が補正された拡大投影光学系4を構成する場合、リレー光学20系を用いた構成が適している範囲を規定するものである。条件式(1)を満足することで、倍率色収差を抑えるとともに、投影光学系10を小型化することができる。尚、条件式(1)としては、|Fb/F|>12・・・(1a)がより好ましい。
また、条件式(2)は、リレー光学系20の倍率を規定するものである。条件式(2)のF/Fpは、リレー光学系20の倍率を示しており、リレー光学系20の一次結像の像に対する表示素子30の比である。リレー光学系20の倍率が条件式(2)を満足することで、スクリーン1に投影される画像の明るさと画角とのバランスを良好に保つことができる。
条件式(2)において、リレー光学系20の倍率を大きくすると、投影光学系10の画角を同じとすると、投影光学系10の焦点距離Fpを長くすることができる点で、投影光学系10に有利になり性能確保が容易になる。しかしながら、投影光学系10での必要光量を確保するためには、リレー光学系20の明るさを明るくする必要があり、リレー光学系20のFnoを小さくしなければならず、リレー光学系20が大きくなる。一方、条件式(2)において、リレー光学系20の倍率を小さくすると、投影光学系10のFnoを大きくすることができる点で有利であるが、1次結像の像高が低くなるため、投影光学系10の画角を同じにするためには、投影光学系10の焦点距離Fpを短くする必要があり、投影光学系10に不利になり性能確保が困難になる。条件式(2)は、これらのバランスを取るものであり、条件式(2)を満足することで、拡大投影光学系4の小型化を阻害することなく性能を確保することが可能となる。
尚、条件式(2)としては、0.8<|F/Fp|<1.1・・・(2a)がより好ましい。この場合、リレー光学系20の倍率が等倍に近づくため、リレー光学系20を対称か略対称の光学系で構成することができ、倍率色収差、コマ収差を小さくすることができる。また、リレー光学系20と投影光学系10の明るさのバランスが最適化される。また、リレー光学系20を対称の光学系で構成することができるため、リレー光学系20を構成するレンズのガラス材料の調達、加工コストを削減することができる。
また、投影光学系10及びリレー光学系20は、以下の条件式(3)を満たすことが好ましい。
0.3<|Fp/Fm|<3 (3)
但し、
Fm:投影光学系10の負の群G1の焦点距離
投影光学系10の最もスクリーン1側の負の群G1の光学的パワーは、投影画角を広げることと、歪曲の補正に重要である。最もスクリーン1側に負の群G1を配置すると、軸外の主光線を中心から外側へ曲げるため、光学的パワーが強い程、広角化には有利である。一方、負の群G1は、絞りS1より遠く離れて配置されており、負の歪曲を大きく発生する要因となる。
条件式(3)のFp/Fmは、投影光学系10の負の群G1の焦点距離Fmを規定するものである。よって、条件式(3)の上限値を上回ると、負の群G1の負の光学的パワーが強くなり、広角投影には有利であるが、歪曲収差及び倍率色収差が大きくなる。一方、条件式(3)の下限値を下回ると、負の群G1の負の光学的パワーが弱くなり、広角投影が実現できなくなる。条件式(3)を満足することで、歪曲収差及び倍率色収差の発生を抑制し、且つ、広角投影を実現することができる。
尚、条件式(3)としては、望ましくは0.6<|Fp/Fm|<1.5・・・(3a)である。これにより、歪曲収差及び倍率色収差の発生をより抑制し、且つ、広角投影を実現することができる。
また、正の群G2のうち、少なくとも1枚の正レンズ(図3に示すレンズL6〜L8)は、軸外主光線K2が最もスクリーン1側で光軸K1と交わる位置P1よりもスクリーン1側に配列されていると好ましい。
また、投影光学系10及びリレー光学系20は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
Yp/Ym>0.8 (4)
但し、Yp:投影光学系10の正の群G2のうち、最もスクリーン1側で軸外主光線K2が光軸K1と交わる位置よりもスクリーン1側に配列された正レンズ(レンズL6〜L8)のうち、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による正レンズのレンズ面での光線高の最大値
Ym:投影光学系10の負の群G1を構成する負レンズが配列された領域内において、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による負レンズのレンズ面での光線高の最小値
尚、最外画角の7割の画角の主光線の光線高は、当該主光線とレンズ面とが交わる位置の光軸K1からの距離を指す。
また、正の群G2は、以下の条件式(5)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
20<νpm−νpp<65 (5)
但し、
νpm:投影光学系10の負の群G1においてアッベ数が最大のレンズのアッベ数
νpp:正レンズのアッベ数
すなわち、レンズL6〜L8のうち少なくとも1枚のレンズのアッベ数が条件式(5)を満たす。
本発明の実施形態に係る拡大投影光学系4においては、リレー光学系20からの像を投影光学系10で拡大するため、高性能な投影像を得るためには、投影光学系10の倍率色収差を小さくすることが望ましい。
本発明の構成を用いれば、投影光学系10のバックフォーカスが短くてよいため、投影光学系10の最もスクリーン1側の負の群G1の後に正の群G2を配し、その正の群G2を構成する正の光学的パワーを有する正のレンズにより、投影光学系10の最もスクリーン1側の負の群G1内の負のレンズで発生する倍率色収差をかなり打ち消すことができる。
色収差補正のためには、負の群G1内の負のレンズで発生する色収差を正の群G2内の正のレンズで逆方向の色収差を発生させて補正する。倍率色収差の補正についても、最もスクリーン1側の負の群G1内の負のレンズで発生する倍率色収差を正の群G2を構成する正の光学的パワーを有する正のレンズにより補正するとよい。そのためには、負の群G1で発生する倍率色収差の方向と正の群G2の正のレンズで補正する方向の倍率色収差の発生する方向を同じにしておく必要がある。そのためには、正の群G2の内、少なくとも1枚の正のレンズは、軸外主光線K2が光軸K1と交わる位置よりもスクリーン1側にあることが望ましい。これは、最もスクリーン1側の負の群G1を通る主光線と、正の群G2の内、少なくとも1枚のレンズを通過する主光線が、光軸K1に対し、同じ方向にあることを意味し、少なくとも、この1枚の正レンズにより、倍率色収差を補正することが可能となる。
正の群G2の正のレンズにより、倍率色収差をよく補正するためには、この正のレンズのパワーを強くするとよい。パワーを強くすることにより、負の群G1の負のレンズで発生した倍率色収差に対し、発生方向が逆の倍率色収差を発生し、その絶対値を負の群G1の負のレンズで発生する倍率色収差に近づけることが可能となるためである。本実施形態による光学系は、スクリーン1側から、投影光学系10とリレー光学系20からなる構成としている。このため、スクリーン1側から光線を追跡した場合の投影光学系10のバックフォーカスを短くすることが可能である。これにより、正の群G2の光学的パワーを比較的大きくすることが可能であり、正のレンズの光学的パワーを強く構成することができる。その結果、投影光学系10とリレー光学系20からなる構成とすることにより、倍率色収差を補正するのに有利となる。しかしながら、正のレンズの光学的パワーを強くしすぎると、正のパワーにより、球面収差の影響が大きくなりすぎ、高性能を維持できない。このため、正の光学的パワーを強くするにも限界がある。しかしながら、その限界のパワーでは、高性能な倍率色収差補正を行うには不充分である。つまり、投影光学系10とリレー光学系20からなる構成とするだけでは、倍率色収差と球面収差等の収差の、どちらもよく補正された光学系を実現するのは非常に困難である。倍率色収差が小さく、且つ、球面収差などの他の収差の発生も小さい高性能な光学系を実現するには、正の光学的パワーをそれほど強くせずに倍率色収差補正能力を高めることができれば実現できる。
通常、光学的パワーが同じとした場合、その光線高が高いレンズの方が同じ光学的パワーでも影響が大きい。つまり、同じ正レンズの光学的パワーでも、光線高を高くすることができれば、色収差補正能力を高めることができる。倍率色収差補正の目安を表す式に、T=Σφj/νj・hj・hj・・・(B1)がある。ここで、φjは、j番目のレンズのパワー、νjは、j番目のレンズの材質の分散(アッベ数)、hj、hjは、それぞれ、近軸光線追跡を行った場合の、軸上、軸外の光線高である。式(B1)より、近軸光線追跡において、光線高さが高いものは、同じ光学的パワーでも、色収差の発生を大きくすることができる。つまり、正の群G2を構成する正のパワーを有するレンズの光線高を高くすることができれば、倍率色収差の補正能力を高めることができる。すなわち、正の光学的パワーを有する正の群G2の正のレンズの光線高さが適切になるように配置をすることにより、倍率色収差を非常に小さく補正することが可能となり、高性能な光学系を実現することができる。条件式(4)は、倍率色収差を適切に補正するための光線高さを規定するものであり、条件式(4)を満足するように配置することで、倍率色収差を非常に小さく補正することができる。前述のように、光学系をスクリーン1側から投影光学系10とリレー光学系20で構成し、投影光学系10が条件式(1)と(2)を満足することにより、投影光学系10のスクリーン1側から光線追跡をした場合のバックフォーカスを短くすることが可能となる。その結果、条件式(4)を満足する構成が実現可能となる。
条件式(4)の下限値を上回ることで正の群G2の正のレンズの軸外光の光線高さを確保することができ倍率色収差の補正が十分となる。条件式(4)の値が小さいと、正のレンズの光学的パワーを強くしなければならず、球面収差が悪化する傾向にある。
さらに、倍率色収差補正の目安の式(B1)からも分かるように、倍率色収差補正には、レンズの分散が重要である。条件式(5)は、倍率色収差補正を最適にするための、ガラス材料の選択範囲、分散の範囲を規定するものであり、具体的には、ガラスのアッベ数を規定するものである。条件式(5)の上限値を上回り、正のレンズのアッベ数が小さくなりすぎると分散による色収差の打ち消しが弱くなり色収差の補正能力が低下する。一方、条件式(5)の下限値を下回り、正のレンズのアッベ数が大きくなりすぎると色収差の補正能力が必要以上に大きくなる。よって、条件式(5)を満足することで、色収差補正を最適化することができる
また、リレー光学系20は、表示素子30側が略テレセントリック光学系であり、該略テレセントリック光学系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
|θmax|<5 (6)
但し、
θmax:表示素子30の法線と表示素子30からリレー光学系20へ向かう主光線のなす最大角度
表示素子30からの光を有効に利用するためには、リレー光学系20の表示素子30側の開口を大きくすると有利であるが、開口を大きくしすぎると、大きな光学系となり、また、収差補正も困難となる。さらには、表示素子30側の光の開き角以上の部分は、投影する光量には寄与しないため、無駄となる。また、リレー光学系20の表示素子30側の軸外主光線が、表示素子30に対して傾いていた場合、表示素子30からの光を十分に受けるには、より大きな開口が必要となるため、リレー光学系20が大きくなってしまう。また、軸外で主光線が表示素子30に対して傾くと、軸上に対して入射する光量が少なくなり、画面全体にムラが生ずる。これを避けるために、リレー光学系20は、表示素子30側をテレセントリックとするとよい。
条件式(6)は、そのテレセントリックの度合いを規定するものである。条件式(6)を満足することで、光量ムラ、及び光量ロスを大きく低減することができる。尚、条件式(6)としては、さらに望ましくは|θmax|<1.5・・・(6a)である。これにより、光量ムラ、及び光量ロスをさらに低減することができる。
また、リレー光学系20は、略両テレセントリック光学系であり、該略両テレセントリック光学系は、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
|θ′max|<5 (7)
但し、
θ′max:一次結像面の法線と一次結像面を表示素子30側から通過する主光線とのなす最大角度
また、両テレセントリック光学系(リレー光学系20)は、以下の条件式を満足することが好ましい。
|φr×Tr|<0.2 (8)
但し、
φr:リレー光学系20の光学的パワー
Tr:リレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16のスクリーン側1の面頂点P2から、最も表示素子1側のレンズL27の表示素子30側の面頂点P3までの距離(但し、色合成プリズムなどのプリズム類は含めない。)
投影光学系10のリレー光学系20側をテレセントリックにしておき、リレー光学系20のスクリーン1側の開口と、投影光学系10のリレー光学系20側の開口とを同じにしておけば、リレー光学系20から投影光学系10への光を無駄なく伝えることができる。また、投影の拡大率を変更したい場合、通常はズーム光学系を用いるとよい。
しかしながら、投影の拡大率を大きく変化させたいとき、投影光学系10のリレー光学系20側の開口を一定にしたままのズーム光学系は、非常に大きく、高価なものとならざるを得ない。この時、投影光学系10をテレセントリックで、投影光学系10のリレー光学系20側の開口が同じ焦点距離の異なる単焦点光学系を複数用意し、その投影光学系10を交換することにより、安価に、しかも、光量のロスをすることなく投影倍率を変更することができる。
尚、この構成にすれば、投影光学系10を複数の焦点距離の光学系として、交換することも可能となり、コストと性能のバランスをとることができる。
条件式(7)は、前述の条件式(6)と合わせてリレー光学系20の両テレセントリック度合いを規定するものである。条件式(7)を満足することで、光量ムラ、及び光量ロスを大きく低減することができる。尚、条件式(7)としては、望ましくは|θ′max|<1.5・・・(7a)である。これにより、光量ムラ、及び光量ロスをさらに低減することができる。
また、条件式(8)は、リレー光学系の両テレセントリック度合いを規定するものである。投影光学系10を交換可能にする場合、条件式(8)を満たせば、投影光学系10側のテレセントリック度合いの製造ばらつきの範囲を通常の範囲で設定することができ、投影光学系10をコストアップすることなく、安価に製造できる。尚、Trは、リレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16のスクリーン1側の面頂点P2から表示素子30側のレンズL27の表示素子30側の面頂点P3までの距離である。尚、条件式(8)としては、望ましくは|φr×Tr|<0.05・・・(8a)である。これにより、投影光学系10をコストアップすることなく、より安価に製造できる。
また、全光学系の画角は、以下の条件式(A1)を満足することが好ましい。
240度>W>100度 (A1)
但し、
W:全光学系の画角
スクリーンに投影する場合、広い画角の方が広く投影でき、表示素子サイズを同じとすると、より拡大して投影できる。より大きく投影できると臨場感も高まる。また、同じ投影倍率が必要な場合も、より短い投影距離で済み、スペースの有効活用が可能となる。これらの点では、画角は広い方がよいが、同じ表示素子を広い画角で投影しようとすると、より短い焦点距離が必要となる。短い焦点距離で光学系を構成しようとすると、中帯より最終辺の性能の確保が難しくなるため、高性能を確保しようとすると、レンズ枚数をより多くしたり、より大きな光学系で構成する必要があり、コストアップにつながる。そのため、全光学系の画角は適度な値がよく、条件式(A1)を満足すると好ましい。また、ドームのようなスクリーンへ投影する場合は、画角は、180度近くあるほうがよく、1本でドームのようなスクリーンへ投影しようとすると、画角は150度以上ある方が望ましい。また、条件式(A1)の上限値は、投影光学系10の最もスクリーン1側のレンズL1の曲率をコストと加工のし易さの点から考えると、望ましくは200度とする。
また、投影光学系10の画角は、以下の条件式(A2)を満足することが好ましい。
240度>Wp>100度 (A2)
但し、
Wp:投影光学系10の画角
条件式(A2)は、全光学系の画角が前述の条件式(A1)を満足するために必要な投影光学系10の画角を規定するものである。また、条件式(A2)の下限値は、望ましくは140度、さらに望ましくは155度とする。
また、投影光学系10は、魚眼光学系が好ましく、さらには等距離射影方式(f・θ)がより好ましい。
例えば、ドームのような全天のスクリーンへ投影する場合、その画角は、約150度以上必要となる。この場合、投影光学系10は、魚眼光学系とすることが好ましい。魚眼光学系とすることにより、全天など、より広い範囲に投影することが可能となる。さらには等距離射影方式(f・θ)とすることで、表示素子30上の距離と投影でのスクリーン1での距離が比例することにより、表示素子30をドームなどのスクリーンに投影する場合、より自然な投影が可能となる。
また、投影光学系10の入射瞳位置と投影光学系10の全長は、以下の条件式(A3)を満足することが好ましい。
Le/TLp>0.02 (A3)
但し、
Le:投影光学系10の最もスクリーン1側のレンズL1の面頂点から投影光学系10のスクリーン1側から表示素子30に向かって光線トレースする場合の入射瞳位置までの距離
TLp:投影光学系10の全長(投影光学系10の最もスクリーン1側のレンズL1の面頂点から最もリレー光学系20側のレンズL15の面頂点までの距離)
条件式(A3)は、投影光学系10の入射瞳位置を規定するものである。本実施形態による光学系の構成は、投影光学系10とリレー光学系20からなり、投影光学系10の1次像距離とリレー光学系10のスクリーン1側の物点位置がほぼ等しい構成となる。リレー光学系を用いず、1次像点を作らない、通常の投影光学系の場合、長いバックフォーカスを確保する必要があるが、本実施形態の場合のように、リレー光学系20を用いた構成では、投影光学系10は、それほど長いバックフォーカスを確保する必要がないため、その入射瞳位置は、より表示素子30側に設定することができる。よって、条件式(A3)を満足することで、最もスクリーン1側のレンズL1から射出される光線のレンズL1での光軸からの位置は、より低い位置を通すことが可能となり、最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径を小さくすることができる。尚、条件式(A3)としては、望ましくはLe/TLp>0.1・・・(A3a)、さらに望ましくはLe/TLp>0.15・・・(A3b)である。これにより、最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径をより小さくすることができる。
また、投影光学系10の最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径と投影光学系10の焦点距離は、以下の条件式(A4)を満足することが好ましい。
D1/Fp<40 (A4)
但し、
D1:投影光学系10の最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径
Fp:投影光学系10の焦点距離
前述のように条件式(A3)を満足することで、入射瞳位置がよりスクリーン1側へ近づき、最もスクリーン1側のレンズL1から射出される光線のレンズL1での光軸からの位置は、より低い位置を通すことが可能となり、最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径を小さくすることができる。条件式(A4)は、その効果を規定する条件式である。条件式(A3)の下限値を下回り、入射瞳位置が1次結像側に近くなると、最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径が大きくなりすぎるため、レンズL1が非常に大きくなり、加工が容易ではなく、コストが非常に高くなる。よって、条件式(A3)を満足することで、最もスクリーン1側のレンズL1の有効直径を小さくすることができる。尚、条件式(A4)としては、望ましくはD1/Fp<20・・・(A4a)である。
また、投影光学系10の最もリレー光学系20側のレンズL15の面頂点から1次結像位置までの距離(投影光学系10のバックフォーカス)と投影光学系10の焦点距離は、以下の条件式(A5)を満足することが好ましい。
10>Fbp/Fp>0.5 (A5)
但し、
Fbp:投影光学系10の最もリレー光学系20側のレンズL15の面頂点から1次結像位置までの距離
Fp:投影光学系10の焦点距離
1次結像の像高が同じとした場合、より広い画角へ投影するためには、投影光学系10の焦点距離Fpをより短くする必要がある。投影光学系10のバックフォーカスFbpを同じとした場合、焦点距離が短くなると、性能の確保がより難しくなる。それは、焦点距離に対し、長いバックフォーカスを確保するために、投影光学系をレトロフォーカスとした場合、スクリーン1側に強い負の光学的パワーを配置する必要があり、それにより、投影光学系10が、より非対称な構成となるためである。しかしながら、この距離が短すぎると、例えば、1次結像位置に視野絞りや、フレアーカッターなどの部材が入り難くなり、コストアップの要因となる。そのため、条件式(A5)を満足するように投影光学系10のバックフォーカスFbpを適度に設定することが望ましい。尚、条件式(A5)としては、望ましくは5>Fbp/Fp>2・・・(A5a)である。
また、投影光学系10の1次結像側は、略テレセントリック光学系であり、該略テレセントリック光学系は、以下の条件式(A6)を満足することが好ましい。
|θ′′max|<5 (A6)
但し、
θ′′max:一次結像面の法線と一次結像面をスクリーン1側から通過する主光線とのなす最大角度
条件式(A6)は、投影光学系10のテレセントリック度合いを規定するものである。前述の条件式(6)、条件式(7)の場合と同様に、投影光学系10のリレー光学系20側をテレセントリックにしておき、リレー光学系20のスクリーン1側の開口と、投影光学系10のリレー光学系20側の開口とを同じにしておけば、リレー光学系20から投影光学系10への光を無駄なく伝えることができる。また、投影光学系10のリレー光学系20側の開口が同じ焦点距離の異なる単焦点光学系を複数用意し、その投影光学系10を交換することにより、安価に、しかも、光量をロスすることなく投影倍率を変更することができる。尚、この構成にすれば、投影光学系10を複数のズーム比の光学系として、交換することも可能となり、コストと性能のバランスをとることができる。よって、条件式(A6)を満足することで、光量ムラ、及び光量ロスを大きく低減することができる。
また、投影光学系10の負の群G1の内最もスクリーン1側の負のレンズL1の焦点距離と投影光学系10焦点距離は、以下の条件式(A7)を満足することが好ましい。
100>|Fpm/Fp|>2 (A7)
但し、
Fpm:投影光学系10の負の群G1の内最もスクリーン1側の負のレンズL1の焦点距離
Fp:投影光学系10焦点距離
また、投影光学系10の負の群G1の内最もスクリーン1側の負のレンズL1は、スクリーン1側に凸面を向けたメニスカスレンズであることが望ましく、さらに、球面系のレンズであることが望ましい。
条件式(A7)は、投影光学系10の負の群G1の内最もスクリーン1側の負のレンズL1の負の光学的パワーを規定するものである。最も、スクリーン1側のレンズを正の光学的パワーを有するレンズとすると、歪曲収差には有利であるが、その有効直径が大きくなりすぎる。また、このレンズの負の光学的パワーが強ければ、投影画角を大きくすることにとって有利になるが、光学的パワーが大きくなりすぎると、負の歪曲、倍率色収差が大きくなりすぎる。よって、条件式(A7)を満足することで、負の歪曲、倍率色収差を抑えることができる。そして、負レンズL1は、スクリーン1側に凸面を向けたメニスカスレンズとすることにより、同じ光学的パワーでも非点収差、歪曲収差に有利となる。また、投影光学系10は広角光学系となるため、この負レンズL1の径は比較的に大きくなる。そのため、球面系で加工する方が精度よく製作することができる。尚、条件式(A7)としては、望ましくは50>|Fpm/Fp|>5・・・(A7a)である。
また、リレー光学系20の前群と後群の焦点距離は、以下の条件式(A8)を満足することが好ましい。
2>|Frf/Frr|>0.5 (A8)
但し、
Frf:リレー光学系20の前群の焦点距離
Frr:リレー光学系20の後群の焦点距離
高性能の光学系を構成するために、リレー光学系20の構成は、できるだけ対称性のある形が望ましい。そのため、非対称な構成をできるだけ避けるのが望ましい。条件式(A8)は、リレー光学系20の構成の対称性の崩れを表すものでもある。条件式(A8)を満足することで、対称性を維持し、前群と後群の光学的パワーのバランスがとれ、倍率色収差等の補正が容易になる。尚、条件式(A8)としては、望ましくは1.2>|Frf/Frr|>0.8・・・(A8a)である。
また、リレー光学系20の最も表示素子1側の負のレンズの焦点距離と全光学系の焦点距離は、以下の条件式(A8)を満足することが好ましい。
2>|Frm/F|>0.5 (A9)
但し、
Frm:リレー光学系20の最も表示素子1側の負のレンズの焦点距離
F:全光学系の焦点距離
条件式(A9)は、リレー光学系20の最も表示素子1側の負のレンズの光学的パワーを規定するものである。尚、リレー光学系20の最も表示素子1側の負のレンズとは、この負のレンズが、リレー光学系20の中で最もスクリーン1側に位置していることを意味しているものではなく、この負のレンズのスクリーン1側に正のレンズがあってもよい。リレー光学系20は、略両テレセントリックの方が望ましい。テレセントリックにするためには、途中に、光線を高い位置へ導く強い負の光学的パワーを有するレンズが必要となる。また、ペッツバールの補正のために、強い負の光学的パワーを有するレンズが必要となる。しかしながら、このレンズの光学的パワーが強くなりすぎると、逆に像面を補正しすぎとなる。一方、このレンズの光学的パワーが弱くなりすぎると、十分なテレセントリックを構成しようとすると、レンズ位置を十分に高くするために、大きな間隔が必要となるため、リレー光学系20の全長が長くなる。よって、条件式(A9)を満足することで、テレセントリックを構成するのに有利となり、またペッツバールの補正に有利となり、小型のリレー光学系を実現することが可能となる。
また、リレー光学系20の最も表示素子30側の負のレンズのアッベ数は、以下の条件式(A10)を満足する満足することが好ましい。
55>νrm>20 (A10)
但し、
νrm:リレー光学系20の最も表示素子30側の負のレンズのアッベ数
条件式(A10)は、リレー光学系20の最も表示素子30側の負のレンズの分散を規定する条件式である。高性能を確保するためには、色収差が非常に小さい必要がある。そのため、負レンズは、ある程度の分散がないと、正レンズで発生する色収差を補正できなくなる。条件式(A10)の上限値を上回り分散が小さくなると、色収差の補正能力が低下し、条件式(A10)の下限値を下回り分散が大きくなると、色収差の補正能力が必要以上に大きくなる。よって、条件式(A10)を満足することで、適切な色収差補正を行うことができる。尚、条件式(A10)としては、望ましくは55>νrm>35・・・(A10a)である。
また、リレー光学系20は、低分散レンズを少なくとも2枚備え、以下の条件式(A11)、(A12)を満足することが好ましい。
120>νdr>65 (A11)
Pgfr<0.55 (A12)
但し、
νdr:リレー光学系20の低分散レンズのアッベ数
Pgfr:リレー光学系20の低分散レンズの2次分散
高性能の光学系を構成するためには、色収差の小さい構成が望ましい。色収差を小さくするためには、正レンズに低分散ガラスを使用することにより、色収差を小さく補正することが可能となる。さらに、2次色収差が補正されていることが望ましく、そのためには、正レンズは、異常分散ガラスであることが望ましい。しかしながら、このガラスは、通常のガラスより幾分高価であることから、費用対効果を考慮して用いることにより、コストに見合った効果を得ることができる。また、温度変化により、通常のガラスより大きく形状が変化するため、性能変動が大きくなる。これらの理由から、使用枚数は、少なくとも2枚、望ましくは6枚、さらに望ましくは8枚以上である。
条件式(A11)は、このレンズの分散の度合いを規定する条件式であり、条件式(A11)の下限値を下回ると分散の度合いが大きくなりすぎ、色収差の補正能力が低下する。また、上限値を上回るような材料は、未知であり高価なものとなると予測される。よって、条件式(A11)を満足することで、適切な色収差補正を行うことができる。
条件式(A12)は、このレンズの異常分散性を規定する条件式である。条件式(A12)の上限値を上回ると異常分散性が小さくなり、2次色収差を充分に補正することができなくなる。よって、条件式(A12)を満足することで、2次色収差を充分に補正することができる。
また、リレー光学系20の1次結像点より表示素子30までの距離と全光学系の全長は、以下の条件式(A13)を満足することが好ましい。
0.8>TLr1/TL>0.4 (A13)
但し、
TLr1:リレー光学系20の1次結像点より表示素子30までの距離
TL:全光学系の全長(但し、プリズムは空気換算せずに実寸法とする。)
また、リレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16の面頂点P2から最も表示素子30側のレンズL27の面頂点P3までの距離と全光学系の全長は、以下の条件式(A14)を満足する満足することが好ましい。
0.6>TLr2/TL>0.05 (A14)
但し、
TLr2:リレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16の面頂点P2から最も表示素子30側のレンズL27の面頂点P3までの距離
TL:全光学系の全長(但し、プリズムは空気換算せずに実寸法とする。)
また、リレー光学系20の1次結像点より表示素子30までの距離とリレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16の面頂点P2から最も表示素子30側のレンズL27の面頂点P3までの距離は、以下の条件式(A15)を満足することが好ましい。
0.8>TLr2/TLr1>0.2 (A15)
但し、
TLr1:リレー光学系20の1次結像点より表示素子30までの距離
TLr2:リレー光学系20の最もスクリーン1側のレンズL16の面頂点P2から最も表示素子30側のレンズL27の面頂点P3までの距離
全光学系をコンパクトに構成するためには、リレー光学系20の全長も抑える必要がある。条件式(A13)〜(A15)は、その目安である。この値が大きくなりすぎると、全光学系の中でのリレー光学系20の占める割合が大きくなるため、全光学系の大きさを目標に入れようとすると、投影光学系10を小さくする必要がある。このため、投影光学系20の収差補正が困難となり、高性能が達成し辛くなる。また、条件式(A13)〜(A15)の下限値を下回り、リレー光学系20が小さくなると、リレー光学系20での収差補正が困難となり、高性能が達成し辛くなる。よって、条件式(A13)〜(A15)を満足することで、投影光学系20、リレー光学系20ともにバランスよく適切な色収差補正を行うことができ、高性能を達成することができる。尚、条件式(A13)としては、望ましくは0.7>TLr1/TL>0.5・・・(A13a)である。また、条件式(A14)としては、望ましくは0.4>TLr2/TL>0.1・・・(A14a)である。また、条件式(A15)としては、望ましくは0.6>TLr2/TL1>0.3・・・(A15a)である。
また、投影光学10は、スクリーン1側から順に、負メニスカスレンズ、負メニスカスレンズ、負レンズの構成(L1〜L4)とし、絞りS1の表示素子30側に接合レンズも含む正のパワーを有するレンズが2枚以上、望ましくは3枚以上(L11、L12、L14、L15)を有する構成とすることが好ましい。
スクリーン1側から順に、負メニスカスレンズ、負メニスカスレンズ、負レンズの構成(L1〜L4)とすると、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の補正に望ましい。また、絞りS1の表示素子30側に接合レンズも含む正のパワーを有するレンズが2枚以上、望ましくは3枚以上(L11、L12、L14、L15)を有する構成とすると、コマ収差の補正、テレセントリック性の確保に望ましい。
また、リレー光学系20は略対称形とし、リレー倍率を等倍とすることが好ましい。
リレー光学系20系の倍率を等倍とし、対称形とすると、コマ収差、倍率色収差を非常に小さくすることができ、また、部品を共通化でき、製作コストを安く抑えられる等、多くのメリットが得られる。
また、リレー光学系20は、パワー配置として、正、負、正、負、正、負、正の構成とし、最もスクリーン1側から、正、正、負、正、正、負、負、正、正、負、正、正のレンズ構成(L16〜L27)とすると好ましい。
リレー光学系20の最もスクリーン1側と、最も表示素子30側にそれぞれ正レンズ(L16、L27)を配置すると、テレセントリック性を確保しやすくなる。また、前群と後群のそれぞれの中に負レンズ(L21、L22)があると、テレセントリック性、ペッツバール補正に有利となる。その結果、リレー光学系20を小さく構成できる。
また、投影光学系10は、13枚構成(但し、接合は、分解して枚数を数える)、リレー光学系20は、12枚構成とすると好ましい。
光学系を高性能で構成するためには、レンズ枚数が多いほうが望ましい。しかしながら、レンズ枚数が多すぎると各々のレンズ面での反射により透過率が低下し実用化できなくなる。そのため、前述のように、投影光学系10とリレー光学系20のレンズ枚数を略同数にすることが望ましい。
また、投影光学系10の正の群G2のうち、少なくとも1枚の正レンズを通過する最大画角の主光線と、投影光学系10の負の群G1の最もスクリーン1側のレンズを通過する最大画角の主光線は、光軸に対して同じ方向であり、以下の条件式(B1)を満足することが好ましい。
0.8>φRp/φRn>0.3 (B1)
但し、
φRp:投影光学系10の正の群G2の正レンズの有効径のうち最大の有効径(直径)
φRn:投影光学系10の最もスクリーン1側の負レンズのスクリーン1側の有効径(直径)
また、投影光学系10の正の群G2の正レンズの有効径のうち、最大の有効径(直径)と、投影光学系10の正の群G2のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離は、以下の条件式(B2)を満足することが好ましい。
4>φRp/fp>0.05 (B2)
但し、
φRp:投影光学系10の正の群G2の正レンズの有効径のうち、最大の有効径(直径)
φfp:投影光学系10の正の群G2のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離
高性能な画像を投影するためには、諸収差がよく補正されている必要がある。とりわけ、色収差を小さくすることは、カラー画像の映像の色にじみを小さくし、高い解像力を確保するために必須である。条件式(B1)は、この色収差、特に、倍率色収差をよりよく補正するための最適な条件を規定するものである。尚、以下の説明では、光線が、スクリーン1側から入射して表示素子30へと向かうような方向のトレースに従って説明する。
通常、色収差補正は、正レンズと、負レンズで発生する逆の方向の色収差を、互いに打ち消しあうことにより行う。倍率色収差の補正も同じであるが、通過する軸外光線の、軸上光線に対する方向を考慮する必要がある。軸外光線が、光軸に対して同じ方向にある場合、負レンズで発生する倍率色収差を正レンズにより逆方向に発生する倍率色収差により補正することが可能となる。倍率色収差の発生量は、通常、光学的パワーが大きければ大きいほど、発生量が大きくなる。そのため、最もスクリーン1側の負の群G1の負レンズにより発生する倍率色収差を、より補正しようとすると、正の群G2の正レンズの光学的パワーを大きくするとよい。つまり、この正レンズの光学的パワーを大きくすれば、倍率色収差補正には有利である。投影光学系10とリレー光学系20とからなる本実施形態の構成であれば、前述のように、投影光学系10でのバックフォーカスFbpを短くすることが可能であり、正の群G2の正レンズの光学的パワーを比較的強くできる。しかしながら、光学的パワーが大きくなりすぎると、他の収差、特に、球面収差、非点収差などが大きくなり、像性能が悪化するため、光学的パワーを適度に設定する必要がある。
また、光軸に対し、軸外の光線が逆の方向にある場合、同じ正レンズでも、その倍率色収差発生の方向は異なる。本実施形態おける投影光学系10では、非常に広い画角を確保する必要があり、基本構成としては、投影光学系10は、スクリーン1側に負の光学的パワー、表示素子1側に正の光学的パワーを持つ、所謂、レトロフォーカスタイプを採用している。そして、球面収差、非点収差等の他の収差補正のため、光学系の途中に絞りP1を設け、表示素子30側が正の光学的パワーとする。そうすると、絞りP1より表示素子30側の正レンズで発生する倍率色収差の方向と、絞りP1より前の正の群G2で発生する倍率色収差の方向は異なる。絞りP1より表示素子30側の正レンズの軸外光線は、スクリーン1側の負レンズと逆の方向に軸外光線を持つ。そのため、絞りP1より表示素子30側の正レンズは、最もスクリーン1側の負の群G1の負レンズで発生する倍率色収差を大きくする方向に色収差を発生させる。そのため、投影光学系10の倍率色収差をよく補正するためには、軸外光線が、軸上光線に対し、最もスクリーン1側の負レンズを通過する方向と、これと同じ方向の軸外光線が通過する、正の群G2のうちの少なくとも1枚の正レンズで、大きく逆の倍率色収差を発生させる必要がある。
また、軸上色収差の補正も必要である。一般に、軸上色収差の発生方向は、正レンズであれば、同じ方向に発生する。つまり、倍率色収差のように、スクリーン1に対して、絞りP1の前と後の正レンズで発生する軸上色収差は同じ方向のため、この正レンズの光学的パワーを大きくしすぎると、軸上色収差が大きく発生し、高性能の投影像を確保することが困難となる。
そのため、倍率色収差を、より効果的に補正する方法が必要となる。同じ光学的パワーで、同じ分散のレンズであれば、より光軸より離れた位置でレンズ面と交わる光線の方が、倍率色収差の発生量が大きくなる。そこで、この正レンズの有効径φRpを大きくするようにすれば、軸外の光線がより、光軸K1より離れた位置を通過することができるようになる。その結果、この正レンズの倍率色収差の発生量が大きくなる。
有効径φRpを大きく設計する方法としては、いくつかの方法がある。例えば、負の群G1の最も表示素子30側、または、正の群G2の最もスクリーン1側に、強い光学的パワーの負レンズを配置することで、正レンズに入射する軸外の光線を、より光軸K1より離れた方向へと向かわせることができるため、正レンズの有効径φRpを大きくすることが可能となる。また、この負レンズの代わりに、スクリーン1側に凹の面を向けた負のメニスカスレンズとすると、負の光学的パワーをそれほど大きくすることなく、正レンズの有効径φRpを大きくすることができる。いずれにせよ、正レンズの有効径φRpを大きくすることが可能となり、倍率色収差をよりよく補正することが可能となる。
条件式(B1)は、その有効径φRpの大きさを規定するものであり、倍率色収差が、非常に良く補正されるための条件である。特に、最もスクリーン1側の負レンズの有効径φRnに対し、本正レンズの有効径φRpを規定している。それは、最もスクリーン1側の負の群G1で、発生する倍率色収差に対し、本正レンズで、より倍率色収差を補正するための条件である。条件式(B1)の下限値を下回り、正レンズの有効径φRpが小さいと、倍率色収差の補正が不十分となる。また、上限値を上回り、正レンズの有効径φRpが大きくなりすぎると、周辺での倍率色収差が補正過剰となったり、非点収差が大きく発生してしまうことになり、どちらも、高性能の投影像を得るには至らない。よって条件式(B1)を満足することで、倍率色収差や非点収差の補正を最適化することができる。尚、条件式(B1)としては、望ましくは、0.7>φRp/φRn>0.4・・・(B1a)である。
また、正の群G2の正レンズにより、倍率色収差補正を行う場合、有効径φRpを大きくする方法と、正レンズの光学的パワーを大きくすることが望ましい。この正レンズの光学的パワーと有効径φRpの関係を、適切にすることにより、どちらも大きくしすぎることなく、収差補正や加工のし易い構成とすることができる。条件式(B2)は、この正レンズの光学的パワーと有効径φRpの関係を規定するものであり、光学的パワーとして焦点距離を用いている。条件式(B2)の下限値を下回り、正レンズの焦点距離fpが長くなり、つまり、光学的パワーが弱くなり、有効径φRpが大きくなりすぎると、より大きなレンズが必要となり、加工が困難となり、また、周辺での非点収差などの発生が大きくなりすぎる。また、下限値を下回り、焦点距離fpが短く、つまり、正の光学的パワーが強くなりすぎると、レンズの曲率がきつくなり、非点収差などの収差が大きくなり、また、加工も困難になる。よって条件式(B2)を満足することで、収差補正や加工のし易い構成とすることができる。尚、条件式(B2)としては、望ましくは、2>φRp/fp>0.2・・・(B2a)である。
以上述べてきたように、拡大投影光学系4を前述のような構成にすると、バックフォーカスが長いので、表示素子の大型化、照明系の大型化に対応し易く、且つ、広角な映像を投影することができる。さらに、色収差を小さくすることができる。その結果、高性能なデジタル式プラネタリウム装置を実現することが可能となる。
[実施例1]
次に、本発明による拡大投影光学系の実施例1について説明する。尚、実施例1の構成は図2〜4と同一である。
実施例1における各レンズのコンストラクションデータは、以下の通りである。
数値実施例1
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
スクリーン 6250.000 6250.00
1 116.336 6.00 1.51680 64.20
2 43.902 13.95
3 110.039 3.34 1.62041 60.34
4 26.322 14.45
5 363.038 2.60 1.65844 50.85
6 23.891 14.50
7 -26.799 2.30 1.74400 44.90
8 -82.792 12.05
9 -52.611 2.23 1.80518 25.46
10 457.099 1.60
11 554.594 10.80 1.60342 38.01
12 -35.417 0.20
13 2085.784 6.15 1.60342 38.01
14 -69.000 0.20
15 50.030 7.60 1.51680 64.20
16 -498.560 31.30
17 13.444 2.30 1.75520 27.53
18 10.311 10.40
19(絞り) ∞ 1.80
20 -141.634 1.86 1.74400 44.90
21 16.011 2.83 1.51680 64.20
22 -31.425 8.02
23 28.164 5.00 1.49700 81.61
24 -25.092 0.25
25 -194.558 2.40 1.80610 40.73
26 20.703 2.60
27 38.207 4.90 1.49700 81.61
28 -32.563 0.40
29 39.116 5.50 1.49700 81.61
30 -43.053 19.25
31(dummy) 91.51
32 90.371 10.50 1.49700 81.61
33 -77.948 3.50
34 76.255 7.80 1.49700 81.61
35 -186.743 5.00
36 -58.600 5.20 1.74330 49.22
37 108.622 1.20
38 67.212 10.40 1.49700 81.61
39 -60.485 0.30
40 34.255 8.50 1.49700 81.61
41 191.463 9.40
42 -314.203 6.70 1.56883 56.04
43 18.876 7.58
44(dummy) 7.58
45 -18.876 6.70 1.56883 56.04
46 314.203 9.40
47 -191.463 8.50 1.49700 81.61
48 -34.255 0.30
49 60.485 10.40 1.49700 81.61
50 -67.212 1.20
51 -108.622 5.20 1.74330 49.22
52 58.600 5.00
53 186.743 7.80 1.49700 81.61
54 -76.255 3.50
55 77.948 10.50 1.49700 81.61
56 -90.371 2.00
57 ∞60.00 1.51680 64.20
58 ∞50.00
表示素子 ∞
各種データ
主波長 546nm(620nm 546nm 460nm)
Fl(focal length) −5.73
Fno. 3.2
画角 160°
条件式
(1)|Fb/F|:−15.97
(2)|F/Fp|:−1.0
(3)|Fp/Fm|:L1−L4:−0.63
(4)Yp/Ym:1.27
(5)νpm−νpp:26.3
(6)|θmax|:0.3
(8)|φr×Tr|:0.032
(A1)240度>W>100度:160度
(A2)240度>Wp>100度:160度
(A3)Le/TLp>0.02:0.2
(A4)D1/Fp<40:17.9
(A5)10>Fbp/Fp>0.5:3.4
(A7)100>|Fpm/Fp|>2:24.4
(A8)2>|Frf/Frr|>1:1
(A9)2>|Frm/F|>0.5:8.8
(A10)55>νrm>20:49.2
(A11)120>νdr>65:81.6
(A12)Pgfr<0.55:0.5
(A13)0.8>TLr1/TL>0.4:0.64
(A14)0.6>TLr2/TL>0.05:0.28
(A15)0.8>TLr2/TLr1>0.2:0.43
(B1)φRp/φRn:0.47
(B2)φRp/fp:0.44
図3及び図4において、各レンズ面に付されている番号ri(i=1,2,3,・・・)は、スクリーン1側から数えた場合のi番目のレンズ面(ただし、レンズの接合面は1つの面として数えるものとする。)である。
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例1の拡大投影光学系の収差図を図5に示す。また、実施例1の拡大投影光学系の倍率色収差を図6に示す。尚、図5(a)は球面収差(SA)を示し、(b)は非点収差(DS−DM)を示している。また、図5、図6に示す収差図は、表示素子30側の値を示し、主波長が546nmに対するものである。
[実施例2]
以下、実施例2による拡大投影光学系について説明する。図7は、実施例2の拡大投影光学系の全体構成図を示している。図7に示すように、実施例2の拡大投影光学系4は、図2と同様、スクリーン1から光軸K1に沿って順番に配列された投影光学系10、リレー光学系20、及び表示素子30を備える。
図8は、投影光学系10の全体構成図を示している。図9は、実施例2によるリレー光学系20の全体構成図を示している。図4と比較すれば分かるように図9に示すリレー光学系20は、プリズムPR1の光軸K1方向の長さが図4に比べて長くなっている。
実施例2における各レンズのコンストラクションデータは、以下の通りである。
数値実施例2
単位 mm
面データ
面番号 r d nd vd
スクリーン 6250.000 6250.00
1 95.304 5.37 1.51680 64.20
2 37.873 12.88
3 88.754 3.02 1.62041 60.34
4 24.357 12.79
5 182.335 2.35 1.65844 50.85
6 20.257 12.93
7 -24.875 2.01 1.74400 44.90
8 -281.494 10.53
9 -79.050 2.01 1.80518 25.46
10 219.537 1.37
11 240.395 10.17 1.60342 38.01
12 -31.592 0.07
13 243.462 4.92 1.60342 38.01
14 -93.196 0.07
15 38.484 6.90 1.51680 64.20
16 718.601 23.83
17 13.942 2.01 1.75520 27.53
18 10.166 9.45
19(絞り) ∞ 1.33
20 2872.660 1.68 1.74400 44.90
21 14.802 2.93 1.51680 64.20
22 -37.436 6.87
23 30.428 4.95 1.49700 81.61
24 -21.769 0.20
25 -136.321 2.01 1.80610 40.73
26 20.512 2.35
27 38.830 4.46 1.49700 81.61
28 -33.882 0.20
29 28.787 5.30 1.49700 81.61
30 -39.263 6.78
31 ∞4.03 1.51680 64.17
32 ∞8.39
33(dummy) 76.47
34 49.676 8.00 1.49700 81.61
35 -64.928 0.30
36 55.221 6.00 1.49700 81.61
37 -256.735 3.90
38 -46.785 4.00 1.74330 49.22
39 108.213 3.50
40 59.460 8.00 1.49700 81.61
41 -48.172 0.30
42 26.624 6.50 1.49700 81.61
43 68.863 5.06
44 -173.041 5.20 1.56883 56.04
45 15.532 7.45
46(dummy) 7.45
47 -15.532 5.20 1.56883 56.04
48 173.041 5.06
49 -68.863 6.50 1.49700 81.61
50 -26.624 0.30
51 48.172 8.00 1.49700 81.61
52 -59.460 3.50
53 -108.213 4.00 1.74330 49.22
54 46.785 3.90
55 256.735 6.00 1.49700 81.61
56 -55.221 0.30
57 64.928 8.00 1.49700 81.61
58 -49.676 13.50
59 ∞88.00 1.51680 64.20
60 ∞5.50
表示素子 ∞
各種データ
主波長 546nm(620nm 546nm 460nm)
Fl −5.18
Fno. 2.5
画角 160°
条件式
(1)|Fb/F|:−13.88
(2)|F/Fp|:−1.0
(3)|Fp/Fm|:L1−L4:−0.71
(4)Yp/Ym:1.26
(5)νpm−νpp:26.3
(6)|θmax|:0.6
(8)|φr×Tr|:0.021
(A1)240度>W>100度:160度
(A2)240度>Wp>100度:160度
(A3)Le/TLp>0.02:0.2
(A4)D1/Fp<40:17.9
(A5)10>Fbp/Fp>0.5:3.4
(A7)100>|Fpm/Fp|>2:24.2
(A8)2>|Frf/Frr|>1:1
(A9)2>|Frm/F|>0.5:8.3
(A10)55>νrm>20:49.2
(A11)120>νdr>65:81.6
(A12)Pgfr<0.55:0.5
(A13)0.8>TLr1/TL>0.4:0.63
(A14)0.6>TLr2/TL>0.05:0.25
(A15)0.8>TLr2/TLr1>0.2:0.39
(B1)φRp/φRn:0.42
(B2)φRp/fp:0.35
以上のようなレンズ配置、構成のもとでの、実施例2の拡大投影光学系の収差図を図10に示す。また、実施例2の拡大投影光学系の倍率色収差を図11に示す。尚、図10(a)は球面収差(SA)を示し、(b)は非点収差(DS−DM)を示している。また、図10、図11に示す収差図は、表示素子30側の値を示し、主波長が546nmに対するものである。

Claims (14)

  1. 表示素子から出力される画像をスクリーンへ拡大投影する拡大投影光学系であって、
    前記スクリーン側から光軸に沿って順番に配列された投影光学系、リレー光学系、及び表示素子を含み、
    前記リレー光学系は、前記表示素子の画像を1次結像し、
    前記投影光学系は、前記リレー光学系により1次結像された画像を前記スクリーンに拡大投影するものであり、前記スクリーン側から順番に配列された負の光学的パワーを有する負の群と、正の光学的パワーを有する正の群と、前記正の群に続くレンズ群とから成り、
    前記負の群は、
    前記スクリーン側に配列された少なくとも1枚の負メニスカスレンズと、
    最も前記表示素子側にあり、最外画角の7割の主光線の軸外近軸追跡による光線高が、前記負の群を構成する負レンズが配列された領域内において最小値となる負レンズとから成り、
    前記正の群は、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸光線追跡による光線高が、前記正の群において最大値となる正レンズを含み、且つ、全体的に正の光学的パワーを持つように構成され、
    前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズを通過する最大画角の主光線と、前記投影光学系の負の群の最もスクリーン側のレンズを通過する最大画角の主光線とは、光軸に対して同じ方向であり、
    前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(1)、(2)、(B1a)を満足し、
    前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(4)を満足し、
    前記正の群のうち最も前記表示素子側に配置されたレンズは、正レンズであって、前記正レンズは、前記投影光学系を構成する正レンズのうち、絞りより前記スクリーン側に配置され、条件式(4)を満足する正レンズのうち、最も前記表示素子側に配置されたレンズであることを特徴とする拡大投影光学系。
    |Fb/F|>10 (1)
    0.5<|F/Fp|<2 (2)
    0.7>φRp/φRn>0.4・・・(B1a)
    Yp/Ym>0.8 (4)
    但し、
    Fb:投影光学系及びリレー光学系を含む全光学系のバックフォーカス
    F:全光学系の焦点距離
    Fp:投影光学系の焦点距離
    φRp:投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち最大の有効径
    φRn:投影光学系の最もスクリーン側の負レンズのスクリーン側の有効径
    Yp:投影光学系の正の群のうち、最もスクリーン側で軸外主光線が光軸と交わる位置よりもスクリーン側に配列された正レンズのうち、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による正レンズのレンズ面での光線高の最大値
    Ym:投影光学系の負の群を構成する負レンズが配列された領域内において、最外画角の7割の画角の主光線の軸外近軸追跡による負レンズのレンズ面での光線高の最小値
  2. 前記全光学系の画角は、以下の条件式(A1)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の拡大投影光学系。
    240度>W>100度 (A1)
    但し、
    W:全光学系の画角
  3. 前記投影光学系及び前記リレー光学系は、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の拡大投影光学系。
    0.3<|Fp/Fm|<3 (3)
    但し、
    Fm:投影光学系の負の群の焦点距離
    Fp:投影光学系の焦点距離
  4. 前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズは、軸外主光線が最もスクリーン側で前記光軸と交わる位置よりも前記スクリーン側に配列されていることを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
  5. 前記投影光学系の正の群は、以下の条件式(5)を満足する正レンズを少なくとも1枚含むことを特徴とする請求の範囲第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    20<νpm−νpp<65 (5)
    但し、
    νpm:投影光学系の負の群においてアッベ数が最大のレンズのアッベ数
    νpp:正レンズのアッベ数
  6. 前記リレー光学系は、前記表示素子側が略テレセントリック光学系であり、該略テレセントリック光学系は、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    |θmax|<5 (6)
    但し、
    θmax:表示素子の法線と表示素子からリレー光学系へ向かう主光線とのなす最大角度
  7. 前記リレー光学系は、略両テレセン光学系であり、該略両テレセントリック光学系は、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求の範囲第項に記載の拡大投影光学系。
    |θ′max|<5 (7)
    但し、
    θ′max:一次結像面の法線と一次結像面を表示素子側から通過する主光線とのなす最大角度
  8. 前記略両テレセン光学系は、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求の範囲第項に記載の拡大投影光学系。
    |φr×Tr|<0.2 (8)
    但し、
    φr:リレー光学系の光学的パワー
    Tr:リレー光学系の最もスクリーン側のレンズのスクリーン側の面頂点から、最も表示素子側のレンズの表示素子側の面頂点までの距離
  9. 前記投影光学系の入射瞳位置と該投影光学系の全長は、以下の条件式(A3)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    Le/TLp>0.02 (A3)
    但し、
    Le:投影光学系の最もスクリーン側のレンズの面頂点から投影光学系のスクリーン側から表示素子に向かって光線トレースする場合の入射瞳位置までの距離
    TLp:投影光学系の全長(投影光学系の最もスクリーン側のレンズの面頂点から最もリレー光学系側のレンズの面頂点までの距離)
  10. 前記投影光学系の最もスクリーン側のレンズの有効直径と該投影光学系の焦点距離は、以下の条件式(A4)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    D1/Fp<40 (A4)
    但し、
    D1:投影光学系の最もスクリーン側のレンズの有効直径
    Fp:投影光学系の焦点距離
  11. 前記リレー光学系の前群と後群の焦点距離は、以下の条件式(A8)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第10項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    2>|Frf/Frr|>0.5 (A8)
    但し、
    Frf:リレー光学系の前群の焦点距離
    Frr:リレー光学系の後群の焦点距離
  12. 前記リレー光学系は、低分散レンズを少なくとも2枚備え、以下の条件式(A11)、(A12)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第11項のいずれか1項に記載の拡大投影光学系。
    120>νdr>65 (A11)
    Pgfr<0.55 (A12)
    但し、
    νdr:リレー光学系の低分散レンズのアッベ数
    Pgfr:リレー光学系の低分散レンズの2次分散
  13. 前記投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち、最大の有効径と、前記投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離は、以下の条件式(B2)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第12項のいずれか1項記載の拡大投影光学系。
    4>φRp/fp>0.05 (B2)
    但し、
    φRp:投影光学系の正の群の正レンズの有効径のうち、最大の有効径
    φfp:投影光学系の正の群のうち、少なくとも1枚の正レンズの焦点距離
  14. 請求の範囲第1項から第13項のいずれか1項に記載された拡大投影光学系を備えたことを特徴とするデジタル式プラネタリウム装置。
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