JP2009222982A - ズームレンズ及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】広画角、高変倍比、及び小さなFナンバーの要求に対応でき、小型化や低コスト化を簡易に達成できるズームレンズを提供すること。
【解決手段】広角側から望遠側に変倍する際に、第1レンズ群10から第4レンズ群40までが移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、広角側から望遠側に変倍するに当たり縮小側から拡大側に移動するので、構成レンズの枚数を抑えつつ、収差を抑えつつ比較的大きな画角を実現し高変倍比を達成することができ、Fナンバーの小さいすなわち明るい画像の投射が可能になる。
【選択図】図1
【解決手段】広角側から望遠側に変倍する際に、第1レンズ群10から第4レンズ群40までが移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、広角側から望遠側に変倍するに当たり縮小側から拡大側に移動するので、構成レンズの枚数を抑えつつ、収差を抑えつつ比較的大きな画角を実現し高変倍比を達成することができ、Fナンバーの小さいすなわち明るい画像の投射が可能になる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネル等によって形成された画像をスクリーンに投射するためのズームレンズ、及び、これを組み込んだプロジェクタに関する。
画像投射用のズームレンズのうち、5つのレンズ群からなり比較的高変倍比を達成できるものとして、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に開示されたものが存在する。
特許文献1のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、及び正の屈折力の第5レンズ群で構成され、望遠側への変倍時に第2〜第4レンズ群を光軸上で拡大側に移動させる。
特許文献2のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、及び正の屈折力の第5レンズ群で構成され、望遠側への変倍時に第2〜第4レンズ群を光軸上で拡大側に移動させる。
特許文献3のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、及び正の屈折力の第5レンズ群で構成され、望遠側への変倍時に第2及び第3第4レンズ群を光軸上で拡大側に移動させ、第4第5レンズ群を光軸上で縮小側に移動させ、第3レンズ群は拡大側または縮小側に移動する。
特許文献4のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、及び正の屈折力の第5レンズ群で構成され、望遠側への変倍時に第2及び第3レンズ群を光軸上で拡大側に移動させ、第4レンズ群を光軸上で縮小側に移動させる。
特2000−137165号公報
特2000−292701号公報
特2001−337275号公報
特2001−324677号公報
近年、様々な場所に設置できるという設置の自由度を高めるため、広画角化に対応し、高変倍比を有し、かつ、明るい場所でも十分なコントラストが得られるようにレンズのFナンバーの小さいすなわち明るい画像が得られるズームレンズが望まれるようになってきている。また、投射装置全体としての小型化や低コスト化のため、ズームレンズの小型化や構成枚数の低減が重要な課題となっている。
しかしながら、上記特許文献1〜4のズームレンズは、いずれも、広画角、高変倍比、及び小さなFナンバーの3つの条件を全て満足するものとなっていない。また、レンズ枚数も、一般的に多い構成となっている。
例えば、上記特許文献1のズームレンズは、第1の実施例では、口径比が1:1.7と比較的明るいが、変倍比が1:1.3と小さい、第2の実施例ではこの種の中では比較的高変倍比と言える変倍比1:1.5を達成しているが、口径比1:2とFナンバーが比較的大きく暗く、また半画角25°程度までしか対応していない。また、レンズ枚数も、例えば12〜13枚と比較的多くなっている。
また、上記特許文献2のズームレンズは、口径比が1:1.7と比較的明るいが、変倍比が1:1.2〜1:2.5と小さく、半画角25°程度までしか対応していない。また、レンズ枚数も、例えば13枚と比較的多くなっている。
また、上記特許文献3のズームレンズにおいて、第1から第4の実施例では、変倍比が1:1.6で口径比が1:2.3であり、かなり大きな変倍比を達成しているが、Fナンバーが大きくかなり暗い。また、レンズ枚数も、12枚と少ないとはいえない。
また、上記特許文献4のズームレンズは、変倍比が1:1.4で口径比が1:1.5であり、変倍比が比較的大きくFナンバーが小さいが、半画角25°程度までしか対応していない。また、レンズ枚数も、14枚と比較的多くなっている。
そこで、本発明は、広画角、高変倍比、及び小さなFナンバーの要求に対応でき、小型化や低コスト化を簡易に達成できるズームレンズを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のようなズームレンズを備えたプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るズームレンズは、(a)拡大側より順に、負のパワーを有し少なくとも3枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを有する第1レンズ群と、正のパワーを有する第2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワーを有する第4レンズ群と、正のパワーを有する第5レンズ群とにより、全体として構成されるズームレンズであって、(b)変倍に際して、第1レンズ群から第4レンズ群までが移動し、(c)第2、第3、及び第4レンズ群は、広角側から望遠側に変倍するに当たり縮小側から拡大側に移動し、第5レンズ群は、固定である。
上記ズームレンズでは、上記のようなレンズ構成の第1レンズ群から第5レンズ群までを備え、広角側から望遠側に変倍する際に、第1レンズ群から第4レンズ群までが移動し、第2、第3、及び第4レンズ群は、広角側から望遠側に変倍するに当たり縮小側から拡大側に移動するので、収差を抑えつつ比較的大きな画角を実現し高変倍比を達成した場合であっても、Fナンバーの小さいすなわち明るい画像の投射が可能になる。このように、広画角化、高変倍比、小Fナンバーの実現が容易になることにともなって、例えば構成レンズの枚数を少なくしサイズを小さくすることも容易になり、ズームレンズの小型化や低コスト化も比較的達成し易くなる。
また、本発明の具体的な側面又は態様によれば、上記ズームレンズにおいて、第1レンズ群が、広角側から望遠側に変倍するに当たり拡大側から縮小側に移動する。この場合、Fナンバーの小さい明るい画像の形成が容易になる。
また、本発明の別の態様によれば、第1レンズ群は、広角側から望遠端に変倍するときのうち、広角側から中間焦点距離に変倍するに当たり縮小側に移動し、中間焦点距離から望遠端に変倍するに当たり拡大側に移動する。
また、本発明の別の態様によれば、第1レンズ群が、拡大側より順に、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(第1レンズ)と、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(第2レンズ)と、縮小側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(第3レンズ)と、縮小側に凸面を向けた凸レンズ(第4レンズ)とにより4群4枚のレンズで構成され、少なくとも1面の凹面に非球面が施され、広角端における全系の焦点距離をFw、第1レンズ群の焦点距離をF1とするとき、次の条件式
0.35<|Fw/F1|<0.65 … (1)
を満足する。この場合、第1レンズ群の最も拡大側に配置される第1レンズは、拡大側に凸面をむけた深いメニスカス形状の負レンズとすることにより、広い画角をカバーする軸外光線を十分屈折させることができ、続く第2レンズ以後のレンズ径を小さくする役割を有する。なお、第2レンズは、例えばやや弱い負のパワーを有し、非球面を施すことにより、第1レンズで発生する非点収差や歪曲収差を効率よく補正することが可能となる。また第2レンズの負のパワーを弱くしておくことにより、温度、湿度等の環境変化の影響を受けやすい樹脂材料その他の材料を使用し易くすることも可能としている。続く負の第3レンズと正の第4レンズとは、第1レンズ群内で発生する色収差を小さく抑える役割をする。また、第3レンズは、拡大側に凹面を向けた負レンズとすることにより、第1レンズ及び第2レンズのレンズ外径をより小さくする効果がある。
0.35<|Fw/F1|<0.65 … (1)
を満足する。この場合、第1レンズ群の最も拡大側に配置される第1レンズは、拡大側に凸面をむけた深いメニスカス形状の負レンズとすることにより、広い画角をカバーする軸外光線を十分屈折させることができ、続く第2レンズ以後のレンズ径を小さくする役割を有する。なお、第2レンズは、例えばやや弱い負のパワーを有し、非球面を施すことにより、第1レンズで発生する非点収差や歪曲収差を効率よく補正することが可能となる。また第2レンズの負のパワーを弱くしておくことにより、温度、湿度等の環境変化の影響を受けやすい樹脂材料その他の材料を使用し易くすることも可能としている。続く負の第3レンズと正の第4レンズとは、第1レンズ群内で発生する色収差を小さく抑える役割をする。また、第3レンズは、拡大側に凹面を向けた負レンズとすることにより、第1レンズ及び第2レンズのレンズ外径をより小さくする効果がある。
以上の条件式(1)は、第1レンズ群のパワーに関する条件であり、広角レンズで特に問題となりやすい非点収差や歪曲収差の発生を抑えながら小型化を達成するとともに、3板式プロジェクタに必要な合成プリズム等を配置するために十分なバックフォーカスを確保するための条件である。条件式(1)の下限を超えて第1レンズ群の負のパワーが弱くなりすぎると、広い角度から入射してくる軸外光線を十分に屈折させることができなくなり第1レンズ群全体が大きくなる。また、第1レンズ群の負のパワーが弱くなりすぎるとレトロフォーカス性が弱くなり、最終レンズと縮小側共役面との間に合成プリズム等を入れるための十分なバックフォーカスを確保することが難しくなる。逆に、条件式(1)の上限を超えて第1レンズ群の負のパワーが強くなりすぎると、第1レンズ群内での非点収差や歪曲収差の発生が激しくなり、レンズ構成枚数を増やす必要が生じコスト的に不利となり、第2レンズ群以後のレンズ群での収差補正が困難になる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第2レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の正レンズにより構成され、第3レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズにより構成され、第2レンズ群の焦点距離をF2、第3レンズ群の焦点距離をF3とするとき、次の条件式
0.2<F2/F3<0.4 … (2)
を満足する。第2レンズ群から第4レンズ群までは、ズーミング時の変倍に寄与するが、第2レンズ群と第3レンズ群とに正のパワーを適切に配分することにより、球面収差の発生および非点収差の発生を抑えると同時に、変倍時のレンズ群の移動量をコントロールしてレンズ全体を小型化することが可能となる。上記条件式(2)の下限を超えて第2レンズ群の正のパワーが強まり、第3レンズ群の正のパワーが弱くなりすぎると、球面収差の発生を小さく抑えることが困難となるとともに、軸外コマ収差も大きくなり好ましくない。逆に、条件式(2)の上限を超えて第2レンズ群の正のパワーが弱まり、第3レンズ群の正のパワーが強くなりすぎると、変倍時の非点収差とコマ収差のバランスを良好に補正することが困難になる。なお、以上において、第1レンズ群中で最も弱い負のパワーを有するレンズ等に非球面を施すことができる。
0.2<F2/F3<0.4 … (2)
を満足する。第2レンズ群から第4レンズ群までは、ズーミング時の変倍に寄与するが、第2レンズ群と第3レンズ群とに正のパワーを適切に配分することにより、球面収差の発生および非点収差の発生を抑えると同時に、変倍時のレンズ群の移動量をコントロールしてレンズ全体を小型化することが可能となる。上記条件式(2)の下限を超えて第2レンズ群の正のパワーが強まり、第3レンズ群の正のパワーが弱くなりすぎると、球面収差の発生を小さく抑えることが困難となるとともに、軸外コマ収差も大きくなり好ましくない。逆に、条件式(2)の上限を超えて第2レンズ群の正のパワーが弱まり、第3レンズ群の正のパワーが強くなりすぎると、変倍時の非点収差とコマ収差のバランスを良好に補正することが困難になる。なお、以上において、第1レンズ群中で最も弱い負のパワーを有するレンズ等に非球面を施すことができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第2レンズ群が、拡大側に凸面を向けた1枚の単レンズにより構成され、広角端における全系の焦点距離をFw、第2レンズ群の拡大側の面の曲率半径をR2とするとき、次の条件式
0.3<Fw/R2<0.6 … (3)
を満足する。条件式(3)は、第2レンズ群を1枚の正レンズで構成するためのレンズ形状に関する条件であり、変倍時の球面収差を小さく抑えるための条件である。本条件式(3)の下限を超えて、正単レンズの拡大側の面の曲率半径が大きくなりすぎると、球面収差が補正不足となりフレアーの発生が大きくなって好ましくない。逆に、条件式(3)の上限を超えて正単レンズの曲率半径が小さくなり過ぎると、変倍時の球面収差の変動が大きくなり各焦点位置でのコントラストが変動する原因となる。
0.3<Fw/R2<0.6 … (3)
を満足する。条件式(3)は、第2レンズ群を1枚の正レンズで構成するためのレンズ形状に関する条件であり、変倍時の球面収差を小さく抑えるための条件である。本条件式(3)の下限を超えて、正単レンズの拡大側の面の曲率半径が大きくなりすぎると、球面収差が補正不足となりフレアーの発生が大きくなって好ましくない。逆に、条件式(3)の上限を超えて正単レンズの曲率半径が小さくなり過ぎると、変倍時の球面収差の変動が大きくなり各焦点位置でのコントラストが変動する原因となる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第3レンズ群が、拡大側に凸面を向けた1枚の単レンズにより構成され、広角端における全系の焦点距離をFw、第3レンズ群の拡大側の面の曲率半径をR3とするとき、次の条件式
0.2<Fw/R3<0.5 … (4)
を満足する。条件式(4)は、第3レンズ群を1枚の正レンズで構成するためのレンズ形状に関する条件であり、変倍時の非点収差とコマ収差をバランスよく補正するための条件である。本条件式(4)の下限を超えて、正単レンズの拡大側の面の曲率半径が大きくなりすぎると、変倍時の非点収差の変化が大きくなり、変倍域全体で平坦な像面を得ることが困難になる。逆に、条件式(4)の上限を超えて正単レンズの曲率半径が小さくなり過ぎると、特に望遠側においてコマ収差の発生が著しくなり好ましくない。
0.2<Fw/R3<0.5 … (4)
を満足する。条件式(4)は、第3レンズ群を1枚の正レンズで構成するためのレンズ形状に関する条件であり、変倍時の非点収差とコマ収差をバランスよく補正するための条件である。本条件式(4)の下限を超えて、正単レンズの拡大側の面の曲率半径が大きくなりすぎると、変倍時の非点収差の変化が大きくなり、変倍域全体で平坦な像面を得ることが困難になる。逆に、条件式(4)の上限を超えて正単レンズの曲率半径が小さくなり過ぎると、特に望遠側においてコマ収差の発生が著しくなり好ましくない。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第4レンズ群が、拡大側より順に、負レンズ及び正レンズからなる一組の接合レンズと、少なくとも1枚の縮小側に凸面を向けた正レンズとにより構成され、少なくとも1面の凸面に非球面を有する。第4レンズ群は、第1レンズ群から第3レンズ群で残存した諸収差を補正しつつ、絞りを通過した光線を徐々に光軸から離していき最終的に良好なテレセントリック特性を得られるように、第5レンズ群に入射する光線をコントロールする役割をする。そのためには、例えば最も拡大側に凹面を配置するのが良く、拡大側から順に負レンズと正レンズから構成され縮小側に凸面を向けたメニスカス形状の少なくとも一組の接合レンズと、縮小側に凸面を向けた正レンズとの少なくとも3枚の構成とし、かつ少なくとも1面の凸面を非球面とすることにより効果的に球面収差や非点収差を補正することが可能となる。また第4レンズ群の最も拡大側に配置される負レンズは、単体では強いパワーを持つため、続く正レンズと接合レンズとすることにより組み立て時のばらつきの発生を少なくすることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、第5レンズ群が、拡大側に凸面を有する正の単レンズにより構成され、広角端における全系の焦点距離をFw、第5レンズ群の焦点距離をF5とするとき、次の条件式
0.1<Fw/F5<0.3 … (5)
を満足する。条件式(5)は、第5レンズ群を1枚の正レンズで構成するための条件であり、第1レンズ群から第4レンズ群までによって変倍する際にも良好に補正された諸収差を悪化させることなく、良好なテレセントリック特性を得るための役割をする。本条件式(5)の下限を超えて第5レンズ群の正のパワーが弱くなりすぎると、十分なテレセン性を確保することが困難になる。ここで、テレセントリック特性を満足するためには、第5レンズ群の正のパワーを補う為に、第4レンズ群の正のパワーが増大し、球面収差、像面湾曲をバランスよく補正することができなくなる。逆に、条件式(5)の上限を超えて、第5レンズ群の正のパワーが強くなりすぎると、特に画面周辺部における収差発生を小さく抑えることが困難になり、第5レンズ群を1枚の正レンズで構成することが困難になる。
0.1<Fw/F5<0.3 … (5)
を満足する。条件式(5)は、第5レンズ群を1枚の正レンズで構成するための条件であり、第1レンズ群から第4レンズ群までによって変倍する際にも良好に補正された諸収差を悪化させることなく、良好なテレセントリック特性を得るための役割をする。本条件式(5)の下限を超えて第5レンズ群の正のパワーが弱くなりすぎると、十分なテレセン性を確保することが困難になる。ここで、テレセントリック特性を満足するためには、第5レンズ群の正のパワーを補う為に、第4レンズ群の正のパワーが増大し、球面収差、像面湾曲をバランスよく補正することができなくなる。逆に、条件式(5)の上限を超えて、第5レンズ群の正のパワーが強くなりすぎると、特に画面周辺部における収差発生を小さく抑えることが困難になり、第5レンズ群を1枚の正レンズで構成することが困難になる。
本発明に係るプロジェクタは、(a)画像を形成する画像形成装置と、(b)前記画像形成装置によって形成された画像を投射する上述のズームレンズとを備える。
上記プロジェクタでは、構成レンズの枚数増加を抑えつつ、広画角化、高変倍比、及び小Fナンバーを達成できるズームレンズを用いているので、小型で安価でありながら、様々な設置場所で明るく大きな画像を投射することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示し、図2は、ズーミング動作を説明するものである。図2(A)、2(B)、及び2(C)は、それぞれ広角端(wide)、中焦点距離(middle)、及び望遠端(tele)におけるズームレンズ2の状態を示す。
図1は、本発明の第1実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示し、図2は、ズーミング動作を説明するものである。図2(A)、2(B)、及び2(C)は、それぞれ広角端(wide)、中焦点距離(middle)、及び望遠端(tele)におけるズームレンズ2の状態を示す。
図1に示すズームレンズ2は、物面OS上の画像を不図示のスクリーン上に拡大投射するためのものであり、拡大側であるスクリーン側(図1における左側)より縮小側である物面OS側(図1における右側)に向かって順に配設された負のパワーの第1レンズ群10と、正のパワーの第2レンズ群20と、正のパワーの第3レンズ群30と、正のパワーの第4レンズ群40と、正のパワーの第5レンズ50とを備えている。ここで、レンズ群という用語は、1枚のレンズから構成されている場合も含めて、1枚以上のレンズからなることを意味するものとする。したがって、以下の説明において、第2レンズ群20、第3レンズ群30、及び第5レンズ群50は、それぞれ単一のレンズから構成されているが、便宜的に「レンズ群」という名称を用いることにする。なお、このズームレンズ2では、第3レンズ群30の物面OS側に絞りSTが設けられている。
ズームレンズ2は、物面OS側がほぼテレセントリックになるように構成されている。また、ズームレンズ2の後端である第5レンズ群50と、液晶表示パネルが配置される物面OSとの間には、3色の像を合成するための合成プリズム90が配置されている。なお、他の2色の液晶表示パネルを配置すべき物面については、図示を省略しているが、図示の物面OSと等価な配置となっている。図1において、物面OS上の各物点からは、物面OSに垂直で光軸OAに平行な主光線を中心として一定の広がりを有する光束が射出し、左側に進み、ズームレンズ2を通過してスクリーン上に投影される。
このズームレンズ2において、ズーミングすなわち変倍を行う際には、第5レンズ群50を固定した状態で、第1、第2、第3、及び第4レンズ群10,20,30,40が光軸OA上で移動させられる。広角端側から望遠端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。逆に、望遠端側から広角端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動する。なお、スクリーンまでの距離が変化した場合のフォーカシングは、第1レンズ群10を光軸OA方向に移動させることによって行うことができる。
第1レンズ群10は、スクリーン側(拡大側)から物面OS側(縮小側)にかけての順に、スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ11と、スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ12と、物面OS側に凸面を向けた負メニスカスレンズ13と、物面OS側に凸面を向けたメニスカスの正レンズ14とを含む4群4枚のレンズで構成され、変倍に際してこれらが光軸OAに沿って一体的に移動する。そして、これらのレンズ11,12,13,14を構成する少なくとも1つの凹面には、非球面が施されている。
第1レンズ群10の最もスクリーン側に配置される負メニスカスレンズ11は、スクリーン側に凸面をむけた深いメニスカス形状の負レンズとすることにより、広い画角をカバーする軸外光線を十分屈折させることができ、続く負メニスカスレンズ12以後のレンズ径を小さくする役割を有する。負メニスカスレンズ12は、やや弱い負のパワーを有し、非球面を施すことにより、負メニスカスレンズ11で発生する非点収差や歪曲収差を効率よく補正する。また、負メニスカスレンズ12の負のパワーを弱くしておくことにより、温度、湿度等の環境変化の影響を受けやすい樹脂材料その他の材料を使用し易くしている。負メニスカスレンズ13と正レンズ14とは、第1レンズ群内で発生する色収差を小さく抑える役割を有する。また、負メニスカスレンズ13は、スクリーン側に凹面を向けた負レンズとすることにより、負メニスカスレンズ11,12のレンズ外径をより小さくする効果がある。
この第1レンズ群10については、広角端における全系の焦点距離をFw、第1レンズ群10の焦点距離をF1とするとき、次の条件式
0.35<|Fw/F1|<0.65 … (1)
を満足する。つまり、第1レンズ群10は、条件式(1)の下限を下回らない程度に負のパワーを強くしているので、広い角度から入射してくる軸外光線を十分に屈折させることができ、第1レンズ群10全体が大きくなることを防止できる。また、第1レンズ群10の負のパワーを適宜強くしているので、レトロフォーカス性が高まり、合成プリズム90を配置するためバックフォーカスを十分に確保することができる。一方、第1レンズ群10は、条件式(1)の上限を上回らない程度に負のパワーを抑えているので、第1レンズ群10内での非点収差や歪曲収差の発生を低減でき、レンズ構成枚数を増やすことなく、第2レンズ群20以後のレンズ群での収差補正が可能になる。
0.35<|Fw/F1|<0.65 … (1)
を満足する。つまり、第1レンズ群10は、条件式(1)の下限を下回らない程度に負のパワーを強くしているので、広い角度から入射してくる軸外光線を十分に屈折させることができ、第1レンズ群10全体が大きくなることを防止できる。また、第1レンズ群10の負のパワーを適宜強くしているので、レトロフォーカス性が高まり、合成プリズム90を配置するためバックフォーカスを十分に確保することができる。一方、第1レンズ群10は、条件式(1)の上限を上回らない程度に負のパワーを抑えているので、第1レンズ群10内での非点収差や歪曲収差の発生を低減でき、レンズ構成枚数を増やすことなく、第2レンズ群20以後のレンズ群での収差補正が可能になる。
第2レンズ群20は、スクリーン側に凸面を向けた1枚の正レンズからなり、変倍に際して光軸OAに沿って移動する。
第3レンズ群30は、スクリーン側に凸面を向けた1枚の正レンズからなり、変倍に際して光軸OAに沿って移動する。
第2レンズ群20と第3レンズ群30とに正のパワーを適切に配分することにより、球面収差の発生及び非点収差の発生を抑えることが可能になる。また、両レンズ群20,30にパワーを適切に配分することにより、変倍時のレンズ群10,20,30,40の移動量をコントロールしてズームレンズ2全体を小型化することが可能となる。
具体的には、これら第2及び第3レンズ群20,30は、第2レンズ群の焦点距離をF2、第3レンズ群の焦点距離をF3とするとき、次の条件式
0.2<F2/F3<0.4 … (2)
を満足する。つまり、上記条件式(2)の下限を満たす程度に、第2レンズ群20の正のパワーを抑え、第3レンズ群30の正のパワーを強めているので、球面収差の発生を小さく抑えることができ、軸外コマ収差も低減することができる。一方、上記条件式(2)の上限を満たす程度に、第2レンズ群20の正のパワーを強め、第3レンズ群30の正のパワーを抑えているので、変倍時の非点収差とコマ収差のバランスを良好に補正することが可能になる。
0.2<F2/F3<0.4 … (2)
を満足する。つまり、上記条件式(2)の下限を満たす程度に、第2レンズ群20の正のパワーを抑え、第3レンズ群30の正のパワーを強めているので、球面収差の発生を小さく抑えることができ、軸外コマ収差も低減することができる。一方、上記条件式(2)の上限を満たす程度に、第2レンズ群20の正のパワーを強め、第3レンズ群30の正のパワーを抑えているので、変倍時の非点収差とコマ収差のバランスを良好に補正することが可能になる。
また、以上のうち前者の第2レンズ群20については、スクリーン側の面の曲率半径をR2とするとき、次の条件式
0.3<Fw/R2<0.6 … (3)
を満足する。つまり、第2レンズ群20の正単レンズは、条件式(3)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、球面収差が補正不足となることを回避できフレアーの発生が大きくなることを回避できる。一方、第2レンズ群20の正単レンズは、条件式(3)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、変倍時の球面収差の変動を抑えることができ、各焦点位置でのコントラストが変動する現象を低減できる。
0.3<Fw/R2<0.6 … (3)
を満足する。つまり、第2レンズ群20の正単レンズは、条件式(3)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、球面収差が補正不足となることを回避できフレアーの発生が大きくなることを回避できる。一方、第2レンズ群20の正単レンズは、条件式(3)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、変倍時の球面収差の変動を抑えることができ、各焦点位置でのコントラストが変動する現象を低減できる。
また、以上のうち後者の第3レンズ群30については、スクリーン側の面の曲率半径をR3とするとき、次の条件式
0.2<Fw/R3<0.5 … (4)
を満足する。つまり、第3レンズ群30の正単レンズは、条件式(4)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、変倍時の非点収差の変化を小さくすることができ、変倍域全体で平坦な像面を得ることが容易になる。一方、第3レンズ群30の正単レンズは、条件式(4)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、望遠側においてコマ収差の発生が著しくなることを防止できる。
0.2<Fw/R3<0.5 … (4)
を満足する。つまり、第3レンズ群30の正単レンズは、条件式(4)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、変倍時の非点収差の変化を小さくすることができ、変倍域全体で平坦な像面を得ることが容易になる。一方、第3レンズ群30の正単レンズは、条件式(4)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、望遠側においてコマ収差の発生が著しくなることを防止できる。
第4レンズ群40は、スクリーン側(拡大側)から物面OS側(縮小側)にかけての順に、両凹の負レンズ41aと両凸の正レンズ41bからなる一組の接合レンズ41と、1枚の物面OS側に凸面を向けた正レンズ(具体例では両凸の正レンズ)42とを含む2群3枚のレンズで構成され、変倍に際してこれらが光軸OAに沿って一体的に移動する。そして、これらのレンズ41a,41b,42を構成する少なくとも1つの凸面には、非球面が施されている。
第4レンズ群40は、第1レンズ群10から第3レンズ群30で残存した諸収差を補正しつつ、絞りを通過した光線を徐々に光軸から離していき最終的に良好なテレセントリック特性を得られるように、第5レンズ群50に入射する光線をコントロールする役割をする。そのためには、最も拡大側に凹面を配置するのが良く、上記のようなレンズ41a,41b,42の構成とし正レンズ41bの物面OS側の凸面を非球面とすることにより、効果的に球面収差や非点収差を補正することできる。また第4レンズ群40の最もスクリーン側に配置される負レンズ41aは、単体では強いパワーを持つため、続く正レンズ41bと組み合わせて接合レンズ41とすることにより組み立て時のばらつきの発生を少なくすることができる。
第5レンズ群50は、スクリーン側に凸の1枚の正レンズからなり、変倍に際して固定されている。第5レンズ群50の正単レンズは、第5レンズ群の焦点距離をF5とするとき、次の条件式
0.1<Fw/F5<0.3 … (5)
を満足する。条件式(5)は、第1レンズ群10から第4レンズ群40までによって変倍する際にも良好に補正された諸収差を悪化させることなく、良好なテレセントリック特性を得るための役割を有する。第5レンズ群50の正単レンズは、条件式(5)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、十分なテレセン性を確保することができる。また、テレセントリック特性を満足するために第5レンズ群に適度な正のパワーを持たせることにより、第4レンズ群40の正のパワーを過剰に増大させる必要がなく、球面収差、像面湾曲をバランスよく補正することができる。一方、第5レンズ群50の正単レンズは、条件式(5)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、画面周辺部における収差発生を小さく抑えることが容易になり、第5レンズ群50を1枚の正レンズで構成することが容易になる。
0.1<Fw/F5<0.3 … (5)
を満足する。条件式(5)は、第1レンズ群10から第4レンズ群40までによって変倍する際にも良好に補正された諸収差を悪化させることなく、良好なテレセントリック特性を得るための役割を有する。第5レンズ群50の正単レンズは、条件式(5)の下限を下回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を小さくしているので、十分なテレセン性を確保することができる。また、テレセントリック特性を満足するために第5レンズ群に適度な正のパワーを持たせることにより、第4レンズ群40の正のパワーを過剰に増大させる必要がなく、球面収差、像面湾曲をバランスよく補正することができる。一方、第5レンズ群50の正単レンズは、条件式(5)の上限を上回らない程度にスクリーン側の面の曲率半径を大きくしているので、画面周辺部における収差発生を小さく抑えることが容易になり、第5レンズ群50を1枚の正レンズで構成することが容易になる。
〔実施例1〕
以下に、図1に示すズームレンズ2を数値的に規定した実施例1について説明する。以下の表1及び表2は、実施例1のズームレンズ2のレンズデータを示す。
表1の上欄において、「面番号」は、スクリーン側から順に各レンズの面に付した番号である。また、「r」は、曲率半径を示し、「d」は、次の面との間のレンズ厚み或いは空気空間を表している。さらに、「nd」は、レンズ材料のd線における屈折率を示し、「vd」は、レンズ材料のd線におけるアッベ数を示す。なお、「d」の欄において、距離D0,D8,D10,D12,D18は、可変間隔を示しており、表2の下欄に、「広角端」、「中焦点距離」、及び「望遠端」における各距離D0,D8,D10,D12,D18の値が示されている。
以下に、図1に示すズームレンズ2を数値的に規定した実施例1について説明する。以下の表1及び表2は、実施例1のズームレンズ2のレンズデータを示す。
本実施例1において、第1〜第5レンズ群10〜50は、基本的に球面で形成されているが、既述のように負メニスカスレンズ12の入出射面(表1の3面及び4面)と、接合レンズ41を構成する正レンズ41bの入射面を(表1の16面)とが非球面となっている。これらの非球面形状の光軸方向の面頂点からの変位量xは、cを近軸曲率半径の逆数、hを光軸からの高さ、kを円錐係数、A04〜A12を高次非球面係数とするとき、次式
で表される。本実施例1の場合、上記非球面式における各係数「k」、「A04」〜「A12」の値については、表1の下欄に示した通りである。
本実施例1のズームレンズ2の結果的な仕様は、表2の上欄に示すように、焦点距離fがf=18.2〜29.2であり、Fナンバーが、Fno=1.58〜1.97であり、この際の半画角ωは、ω=31.7°〜21.3°となった。
また、本実施例1のズームレンズ2において、上記条件式(1)の値Fw/F1は、−0.496であり、上記条件式(2)のF2/F3は、0.498であり、上記条件式(3)の値Fw/R2は、0.376であり、上記条件式(4)の値Fw/R3は、0.349であり、上記条件式(5)の値Fw/F5は、0.165である。
図3は、本実施例1の広角端における諸収差図であり、拡大側(スクリーン側)距離を1.7mとした場合における縮小側(物面OS側)での諸収差を示す。諸収差図の左端は、基準波長550nmと他の波長610nm,460nmとにおける各色の球面収差を示し、諸収差図の中央は、波長550nmにおける非点収差を示し、諸収差図の右端は、波長550nmにおける歪曲収差を示す。
図4は、本実施例1の中間焦点距離における諸収差図であり、図3と対応しており、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
図5は、本実施例1の望遠端における諸収差図であり、図3と対応しており、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
〔第2実施形態〕
図6は、第2実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ102が示されている。本実施形態のズームレンズ102は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図6は、第2実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ102が示されている。本実施形態のズームレンズ102は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図6に示すズームレンズ102は、スクリーン側より物面OS側に向かって順に配設された負のパワーの第1レンズ群10と、正のパワーの第2レンズ群20と、正のパワーの第3レンズ群30と、正のパワーの第4レンズ群40と、正のパワーの第5レンズ群50とを備えている。ズームレンズ102は、物面OS側が略テレセントリックになっており、第4レンズ群40と物面OSとの間に、合成プリズム90が配置されている。
広角端側から望遠端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。逆に、望遠端側から広角端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第3レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動する。なお、スクリーンまでの距離が変化した場合のフォーカシングは、第1レンズ群10を光軸OA方向に移動させることによって行う。
本実施形態において、第1レンズ群10の構成は、第1実施形態のズームレンズ2の場合と略同じであるが、負メニスカスレンズ12は、物面OS側に薄い樹脂からなる非球面層12cを接合した複合非球面レンズとなっている。また、正レンズ14は、正の両凸レンズとなっている。
このズームレンズ102においても、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2の場合と同様に、条件式(1)〜(5)が満たされており、第1実施形態のズームレンズ2と同様の特性が得られる。
〔実施例2〕
以下に、図6に示すズームレンズ102を数値的に規定した実施例2について説明する。以下の表3及び表4は、実施例2のズームレンズ102のレンズデータを示す。
表3の上欄において、「面番号」、「r」、「d」、「nd」、「vd」等の諸元が示されている。また、表4の下欄に、本実施例2の「広角端」、「中焦点距離」、及び「望遠端」における各距離D0,D9,D11,D13,D19の値が示されている。本実施例2は、5面、及び17面が非球面となっており、表3の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
以下に、図6に示すズームレンズ102を数値的に規定した実施例2について説明する。以下の表3及び表4は、実施例2のズームレンズ102のレンズデータを示す。
本実施例2の結果的な仕様は、表4の上欄に示すように、焦点距離fがf=18.2〜29.2であり、Fナンバーが、Fno=1.55〜2.00であり、この際の半画角ωは、ω=31.7°〜20.9°となった。
また、本実施例2のズームレンズ102において、上記条件式(1)の値Fw/F1は、−0.491であり、上記条件式(2)のF2/F3は、0.413であり、上記条件式(3)の値Fw/R2は、0.449であり、上記条件式(4)の値Fw/R3は、0.324であり、上記条件式(5)の値Fw/F5は、0.201である。
図7は、本実施例2の広角端における諸収差図であり、拡大側距離1.7mにおける縮小側での諸収差を示す。諸収差図の左端は、基準波長550nmと他の波長610nm,460nmとにおける各色の球面収差を示し、諸収差図の中央は、波長550nmにおける非点収差を示し、諸収差図の右端は、波長550nmにおける歪曲収差を示す。
図8は、本実施例2の中間焦点距離における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
図9は、本実施例2の望遠端における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
〔第3実施形態〕
図10は、第3実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ202が示されている。本実施形態のズームレンズ202は、図6に示す第2実施形態のズームレンズ102を変形したものであり、特に説明しない部分については第2実施形態のズームレンズ102と同一の構造を有する。
図10は、第3実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ202が示されている。本実施形態のズームレンズ202は、図6に示す第2実施形態のズームレンズ102を変形したものであり、特に説明しない部分については第2実施形態のズームレンズ102と同一の構造を有する。
図10に示すズームレンズ202は、スクリーン側より物面OS側に向かって順に配設された負のパワーの第1レンズ群10と、正のパワーの第2レンズ群20と、正のパワーの第3レンズ群30と、正のパワーの第4レンズ群40と、正のパワーの第5レンズ群50とを備えている。このズームレンズ202は、物面OS側が略テレセントリックになっており、第4レンズ群40と物面OSとの間に、合成プリズム90が配置されている。
広角端側から望遠端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。逆に、望遠端側から広角端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第3レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動する。なお、スクリーンまでの距離が変化した場合のフォーカシングは、第1レンズ群10を光軸OA方向に移動させることによって行う。
本実施形態において、第4レンズ群40の構成は、第2実施形態のズームレンズ102の場合と略同じであるが、正レンズ42の両面を非球面としており、これに対応して、正レンズ41bの物面OS側を非球面でなく物面OS側に凹の球面としている。
このズームレンズ202においても、図6に示す第2実施形態のズームレンズ102の場合と同様に、条件式(1)〜(5)が満たされており、第2実施形態のズームレンズ102と同様の特性が得られる。
〔実施例3〕
以下に、図10に示すズームレンズ202を数値的に規定した実施例3について説明する。以下の表5及び表6は、実施例3のズームレンズ102のレンズデータを示す。
表5の上欄において、「面番号」、「r」、「d」、「nd」、「vd」等の諸元が示されている。また、表6の下欄に、本実施例3の「広角端」、「中焦点距離」、及び「望遠端」における各距離D0,D9,D11,D13,D19の値が示されている。本実施例3は、5面、18面、及び19面が非球面となっており、表5の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
以下に、図10に示すズームレンズ202を数値的に規定した実施例3について説明する。以下の表5及び表6は、実施例3のズームレンズ102のレンズデータを示す。
本実施例3の結果的な仕様は、表6の上欄に示すように、焦点距離fがf=18.2〜29.2であり、Fナンバーが、Fno=1.53〜1.95であり、この際の半画角ωは、ω=31.7°〜21.0°となった。
また、本実施例3のズームレンズ202において、上記条件式(1)の値Fw/F1は、−0.457であり、上記条件式(2)のF2/F3は、0.614であり、上記条件式(3)の値Fw/R2は、0.396であり、上記条件式(4)の値Fw/R3は、0.433であり、上記条件式(5)の値Fw/F5は、0.235である。
図11は、本実施例3の広角端における諸収差図であり、拡大側距離1.7mにおける縮小側での諸収差を示す。諸収差図の左端は、基準波長550nmと他の波長610nm,460nmとにおける各色の球面収差を示し、諸収差図の中央は、波長550nmにおける非点収差を示し、諸収差図の右端は、波長550nmにおける歪曲収差を示す。
図12は、本実施例3の中間焦点距離における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
図13は、本実施例3の望遠端における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
〔第4実施形態〕
図14は、第4実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ302が示されている。本実施形態のズームレンズ302は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図14は、第4実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。この場合、広角端におけるズームレンズ302が示されている。本実施形態のズームレンズ302は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図14に示すズームレンズ302は、スクリーン側より物面OS側に向かって順に配設された負のパワーの第1レンズ群10と、正のパワーの第2レンズ群20と、正のパワーの第3レンズ群30と、正のパワーの第4レンズ群40と、正のパワーの第5レンズ群50とを備えている。このズームレンズ302は、物面OS側が略テレセントリックになっており、第4レンズ群40と物面OSとの間に、合成プリズム90が配置されている。
広角端側から望遠端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。逆に、望遠端側から広角端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動し、第2、第3、及び第3レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動する。なお、スクリーンまでの距離が変化した場合のフォーカシングは、第1レンズ群10を光軸OA方向に移動させることによって行う。
本実施形態において、第4レンズ群40は、2群4枚構成であり、具体的には、スクリーン側から物面OS側にかけての順に、両凹の負レンズ41a及び両凸の正レンズ41bからなる一組の接合レンズ41と、スクリーン側に凸の正レンズ42a及び両凸の正レンズ42bからなる一組の接合レンズ42とを備え、変倍に際してこれらが光軸OAに沿って一体的に移動する。そして、接合レンズ42を構成する少なくとも1つの凸面には、非球面が施されている。
このズームレンズ302においても、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2の場合と同様に、条件式(1)〜(5)が満たされており、第1実施形態のズームレンズ2と同様の特性が得られる。
〔実施例4〕
以下に、図14に示すズームレンズ302を数値的に規定した実施例4について説明する。以下の表7及び表8は、実施例4のズームレンズ302のレンズデータを示す。
表7の上欄において、「面番号」、「r」、「d」、「nd」、「vd」等の諸元が示されている。また、表8の下欄に、本実施例4の「広角端」、「中焦点距離」、及び「望遠端」における各距離D0,D8,D10,D12,D19の値が示されている。本実施例4は、3面、4面、及び19面が非球面となっており、表7の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
以下に、図14に示すズームレンズ302を数値的に規定した実施例4について説明する。以下の表7及び表8は、実施例4のズームレンズ302のレンズデータを示す。
本実施例4の結果的な仕様は、表8の上欄に示すように、焦点距離fがf=18.2〜29.2であり、Fナンバーが、Fno=1.57〜2.05であり、この際の半画角ωは、ω=31.7°〜21.1°となった。
また、本実施例4のズームレンズ302において、上記条件式(1)の値Fw/F1は、−0.430であり、上記条件式(2)のF2/F3は、0.277であり、上記条件式(3)の値Fw/R2は、0.362であり、上記条件式(4)の値Fw/R3は、0.251であり、上記条件式(5)の値Fw/F5は、0.242である。
図15は、本実施例4の広角端における諸収差図であり、拡大側距離1.7mにおける縮小側での諸収差を示す。諸収差図の左端は、基準波長550nmと他の波長610nm,460nmとにおける各色の球面収差を示し、諸収差図の中央は、波長550nmにおける非点収差を示し、諸収差図の右端は、波長550nmにおける歪曲収差を示す。
図16は、本実施例4の中間焦点距離における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
図17は、本実施例4の望遠端における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
〔第5実施形態〕
図18は、第5実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。図19は、ズーミング動作を説明するものである。図19(A)、19(B)、及び19(C)は、それぞれ広角端、中焦点距離、及び望遠端におけるズームレンズ2の状態を示す。本実施形態のズームレンズ402は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図18は、第5実施形態に係るズームレンズのレンズ構成を示す。図19は、ズーミング動作を説明するものである。図19(A)、19(B)、及び19(C)は、それぞれ広角端、中焦点距離、及び望遠端におけるズームレンズ2の状態を示す。本実施形態のズームレンズ402は、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2を変形したものであり、特に説明しない部分については第1実施形態のズームレンズ2と同一の構造を有する。
図18等に示すズームレンズ402は、スクリーン側より物面OS側に向かって順に配設された負のパワーの第1レンズ群10と、正のパワーの第2レンズ群20と、正のパワーの第3レンズ群30と、正のパワーの第4レンズ群40と、正のパワーの第5レンズ群50とを備えている。このズームレンズ402は、物面OS側が略テレセントリックになっており、第4レンズ群40と物面OSとの間に、合成プリズム90が配置されている。
第5実施形態のズーミングすなわち変倍動作は、他の実施形態の変倍動作と異なっている。広角端側から望遠端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、広角端から中焦点距離前後にかけて、光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動し、中焦点距離前後から望遠端にかけて、光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。一方、第2、第3、及び第4レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿ってスクリーン側に向かって徐々に移動する。逆に、望遠端側から広角端側への変倍について説明すると、4つの可動レンズ群10,20,30,40のうち、第1レンズ群10は、光軸OAに沿って一旦スクリーン側に向かって徐々に移動するとともに途中で物面OS側に向かってUターンし、第2、第3、及び第3レンズ群20,30,40は、相互の間隔を変化させつつ光軸OAに沿って物面OS側に向かって徐々に移動する。なお、スクリーンまでの距離が変化した場合のフォーカシングは、第1レンズ群10を光軸OA方向に移動させることによって行う。
このズームレンズ402においても、図1に示す第1実施形態のズームレンズ2の場合と同様に、条件式(1)〜(5)が満たされており、第1実施形態のズームレンズ2と同様の特性が得られる。
〔実施例5〕
以下に、図18に示すズームレンズ402を数値的に規定した実施例5について説明する。以下の表9及び表10は、実施例5のズームレンズ402のレンズデータを示す。
表9の上欄において、「面番号」、「r」、「d」、「nd」、「vd」等の諸元が示されている。また、表10の下欄に、本実施例5の「広角端」、「中焦点距離」、及び「望遠端」における各距離D0,D8,D10,D12,D18の値が示されている。本実施例5は、3面、4面、及び19面が非球面となっており、表9の下欄に示した各係数「k」、「A04」〜「A12」に対応する非球面形状を有する。
以下に、図18に示すズームレンズ402を数値的に規定した実施例5について説明する。以下の表9及び表10は、実施例5のズームレンズ402のレンズデータを示す。
本実施例5の結果的な仕様は、表10の上欄に示すように、焦点距離fがf=18.2〜29.2であり、Fナンバーが、Fno=1.60〜2.12であり、この際の半画角ωは、ω=31.7°〜21.0°となった。
また、本実施例5のズームレンズ402において、上記条件式(1)の値Fw/F1は、−0.572であり、上記条件式(2)のF2/F3は、0.533であり、上記条件式(3)の値Fw/R2は、0.551であり、上記条件式(4)の値Fw/R3は、0.429であり、上記条件式(5)の値Fw/F5は、0.202である。
図20は、本実施例5の広角端における諸収差図であり、拡大側距離1.7mにおける縮小側での諸収差を示す。諸収差図の左端は、基準波長550nmと他の波長610nm,460nmとにおける各色の球面収差を示し、諸収差図の中央は、波長550nmにおける非点収差を示し、諸収差図の右端は、波長550nmにおける歪曲収差を示す。
図21は、本実施例5の中間焦点距離における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
図22は、本実施例5の望遠端における諸収差図であり、左端は、各色の球面収差を示し、中央は、非点収差を示し、右端は、歪曲収差を示す。
〔第6実施形態〕
次に、図23を参照して、上述のズームレンズ2,102,202,302,402を備えたプロジェクタ660を説明する。
次に、図23を参照して、上述のズームレンズ2,102,202,302,402を備えたプロジェクタ660を説明する。
このプロジェクタ660は、システム光軸SAに沿って、均一化した光源光を射出する光源装置61と、光源装置61から射出された照明光を赤・緑・青の3色に分離する分離照明系63と、分離照明系63から射出された各色の照明光によって照明される光変調部65と、光変調部65を経た各色の変調光を合成するクロスダイクロイックプリズム67と、クロスダイクロイックプリズム67から射出された像光を投射するための投射レンズ69とを備える。
ここで、光源装置61は、光源光を射出する光源ユニット61aと、この光源ユニット61aから射出された光源光を均一で所定の偏光方向の照明光に変換する均一化光学系61cとを備える。光源ユニット61aは、光源ランプ61mやリフレクタ61nを有する。また、均一化光学系61cは、光源光を部分光束に分割するための第1レンズアレイ61dと、分割後の部分光束の広がりを調節する第2レンズアレイ61eと、各部分光束の偏光方向を揃える偏光変換装置61gと、各部分光束を対象とする照明領域に重畳して入射させる重畳レンズ61iとを備えている。
分離照明系63は、第1及び第2ダイクロイックミラー63a,63bと、光路折曲用のミラー63m,63n,63oとを備え、システム光軸SAを3つの光路OP1〜OP3に分岐することによって、照明光を青色光LR、緑色光LG、及び赤色光LBの3つの光束に分離する。なお、リレーレンズLL1,LL2は、入射側の第1のリレーレンズLL1の直前に形成された像を、ほぼそのまま射出側のフィールドレンズ63hに伝達することにより、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止している。
光変調部66は、3色の照明光LB,LR,LGがそれぞれ入射する3つの液晶ライトバルブ65a,65b,65cを備え、フィールドレンズ63f,63g,63hを経て各液晶ライトバルブ65a,65b,65cに入射した各色光LB,LG,LRを、駆動信号に応じて画素単位で強度変調する。なお、各液晶ライトバルブ65a,65b,65cは、液晶表示パネルを一対の偏光板で挟んだ構造を有している。
クロスダイクロイックプリズム67は、交差するダイクロイック膜67a,67bを備えており、各液晶ライトバルブ65a,65b,65cからの変調光を合成した像光を射出する。なお、クロスダイクロイックプリズム67は、図1等に示す合成プリズム90に相当するものである。
投射レンズであるズームレンズ2,102,202,302,402は、クロスダイクロイックプリズム67で合成された像光を適当な拡大率で不図示のスクリーン上にカラー画像として投射する。
なお、各液晶ライトバルブ65a,65b,65cを構成する液晶パネルの液晶表示層は、図1等に示す物面OSに対応するものとなっている。
上記実施形態のプロジェクタ660において、ズームレンズ2,102,202,302,402は、物面OSで略テレセントリックであるので、液晶表示パネルの画質の角度依存性に左右されずに、鮮明な画像をスクリーン上に投影することを可能にする。さらに、ズームレンズ2,102,202,302,402は、第1〜第5実施形態の説明からも明らかなように、少ないレンズで収差を抑えつつ比較的大きな画角や高変倍比を達成するものであり、Fナンバーの小さいすなわち明るい画像の投射を可能にする。よって、このようなズームレンズ2,102,202,302,402をプロジェクタ660に組み込んだ場合、プロジェクタ660を比較的小型で安価に維持しつつ、様々な設置場所で明るく大きな画像を投射できるものとすることができる。
なお、各液晶ライトバルブ65a,65b,65cに代えて、画素がマイクロミラーによって構成されたデバイスのような光変調装置や、フィルム又はスライドのような画像形成装置を用いることも可能である。
2,102,202,302,402…ズームレンズ、 10…第1レンズ群、 11…負メニスカスレンズ 12…負メニスカスレンズ、 13…負メニスカスレンズ、 14…正レンズ、 20…第2レンズ群、 30…第3レンズ群、 40…第4レンズ群、 41…接合レンズ、 41a…負レンズ、 41b…正レンズ、 42…正レンズ、 50…第5レンズ群、 90…合成プリズム、 61…光源装置、 63…分離照明系、 65…光変調部、 65a,65b,65c…液晶ライトバルブ、 67…クロスダイクロイックプリズム、 69…投射レンズ、 660…プロジェクタ、 OA…光軸、 ST…絞り、 OS…物面、 OP1〜OP3…光路、 SA…システム光軸
Claims (10)
- 拡大側より順に、負のパワーを有し少なくとも3枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを有する第1レンズ群と、正のパワーを有する第2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワーを有する第4レンズ群と、正のパワーを有する第5レンズ群とにより、全体として構成されるズームレンズであって、
変倍に際して、前記第1レンズ群から前記第4レンズ群までが移動し、
前記第2、第3、及び第4レンズ群は、広角側から望遠側に変倍するに当たり縮小側から拡大側に移動し、第5レンズ群は、固定である、ズームレンズ。 - 前記第1レンズ群は、広角側から望遠側に変倍するに当たり拡大側から縮小側に移動する、請求項1に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群は、広角側から中間焦点距離に変倍するに当たり縮小側に移動し、中間焦点距離から望遠端に変倍するに当たり拡大側に移動する、請求項1に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群は、拡大側より順に、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、拡大側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、縮小側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、縮小側に凸面を向けた両凸レンズとにより4群4枚のレンズで構成され、少なくとも1面の凹面に非球面が施され、
広角端における全系の焦点距離をFw、第1レンズ群の焦点距離をF1とするとき、次の条件式
0.35<|Fw/F1|<0.65 … (1)
を満足する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のズームレンズ。 - 前記第2レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の正レンズにより構成され、
前記第3レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズにより構成され、
前記第2レンズ群の焦点距離をF2、前記第3レンズ群の焦点距離をF3とするとき、次の条件式
0.2<F2/F3<0.4 … (2)
を満足する、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のズームレンズ。 - 前記第2レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の単レンズにより構成され、
広角端における全系の焦点距離をFw、前記第2レンズ群の拡大側の面の曲率半径をR2とするとき、次の条件式
0.3<Fw/R2<0.6 … (3)
を満足する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のズームレンズ。 - 前記第3レンズ群は、拡大側に凸面を向けた1枚の単レンズにより構成され、
広角端における全系の焦点距離をFw、前記第3レンズ群の拡大側の面の曲率半径をR3とするとき、次の条件式
0.2<Fw/R3<0.5 … (4)
を満足する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のズームレンズ。 - 前記第4レンズ群は、拡大側より順に、負レンズ及び正レンズからなる一組の接合レンズと、少なくとも1枚の縮小側に凸面を向けた正レンズとにより構成され、少なくとも1面の凸面に非球面を有する、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のズームレンズ。
- 前記第5レンズ群は、拡大側に凸面を有する正の単レンズにより構成され、広角端における全系の焦点距離をFw、前記第5レンズ群の焦点距離をF5とするとき、次の条件式
0.1<Fw/F5<0.3 … (5)
を満足する、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のズームレンズ。 - 画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって形成された画像を投射する請求項1から請求項9のいずれか一項記載のズームレンズと
を備えるプロジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008067213A JP2009222982A (ja) | 2008-03-17 | 2008-03-17 | ズームレンズ及びプロジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008067213A JP2009222982A (ja) | 2008-03-17 | 2008-03-17 | ズームレンズ及びプロジェクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009222982A true JP2009222982A (ja) | 2009-10-01 |
Family
ID=41239827
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JP2008067213A Withdrawn JP2009222982A (ja) | 2008-03-17 | 2008-03-17 | ズームレンズ及びプロジェクタ |
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JP (1) | JP2009222982A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105334684A (zh) * | 2014-08-06 | 2016-02-17 | 林伊柔 | 投影机及其投影镜头 |
CN107632369A (zh) * | 2017-10-16 | 2018-01-26 | 浙江大华技术股份有限公司 | 一种定焦镜头及摄像设备 |
-
2008
- 2008-03-17 JP JP2008067213A patent/JP2009222982A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105334684B (zh) * | 2014-08-06 | 2017-06-27 | 林伊柔 | 投影机及其投影镜头 |
CN107632369A (zh) * | 2017-10-16 | 2018-01-26 | 浙江大华技术股份有限公司 | 一种定焦镜头及摄像设备 |
CN107632369B (zh) * | 2017-10-16 | 2019-12-20 | 浙江大华技术股份有限公司 | 一种定焦镜头及摄像设备 |
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