JP2011069959A - ズームレンズ及びそれを用いた投射型表示装置 - Google Patents

ズームレンズ及びそれを用いた投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 DMD等の光の反射方向を変えて画像を形成するライトバルブからの画像をスクリーンその他に拡大投射する高性能でレンズ口径が小さく、コストが安く、薄型の投射表示装置に最適なズームレンズを提供する。
【解決手段】 本発明のズームレンズは、拡大側から順に、全体で負の屈折力を有するか又は略アフォーカルである第1レンズ群、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群、全体で正の屈折力を有する第3レンズ群、全体で負の屈折力を有する第4レンズ群及び全体で正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群及び前記第5レンズ群は変倍動作中固定されており、前記第2レンズ群及び前記第4レンズ群を拡大側から縮小側方向へ一体として光軸に沿って移動させ変倍を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像をスクリーンその他に拡大投射する高性能でレンズ口径が小さい、薄型の投射型表示装置に最適なズームレンズ及びそれを用いた投射型表示装置に関するものである。
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、更にメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する投射型表示装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このような投射型表示装置においてライトバルブとしてDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を用いる場合、使用する投射用レンズに関して、幾つかのDMD特有の制約が発生する。第1の制約は小型の投射型表示装置を開発する上で最大の制約とも考えられる投射用レンズのF値に関するものである。現在、DMDにおいて、画像を生成する際にマイクロミラーのON及びOFFを表現するために旋回する角度は±12°であり、これにより有効な反射光(有効光)と無効な反射光(無効光)とを切り替えている。従って、DMDをライトバルブとした投射型表示装置においては有効光をとらえる必要があると共に無効光を捉えないことが条件となり、この条件から投射用レンズのF値を導くことが出来る。また、この様な条件は投射用レンズのライトバルブ側の瞳の位置が一定という条件のもとで成立しているため、ズームレンズなどの瞳位置が移動する場合は、移動した分、光量のロスなどが生ずるため、一般的には明るさが問題となりやすい広角端で瞳位置を最適化するなどの配慮も必要となる。
第2の制約は光源系との配置に関するものである。小型化の為には投射用レンズのイメージサークルはなるべく小さくしたい為に、DMDに投射用の光束を入力する光源系の配置は限られてしまう。前述のDMDからの有効光を投射用レンズに入力するには、光源系を投射用レンズとほぼ同じ方向(隣り合わせ)に設置することとなる。また投射用レンズの最もライトバルブ側レンズとライトバルブとの間(すなわち一般的にはバックフォーカス)を投射系と光源系との両光学系で使用することになり、投射用レンズには大きなバックフォーカスを設けなければならないと同時に、光源からの導光スペースを確保するために、ライトバルブ側のレンズ系を小さく設計する必要が生ずる。このことは投射用レンズの光学設計の立場から考えると、投射用レンズの後方付近にライトバルブ側の瞳位置が来るように設計するという制約となる。その一方で、投射用レンズの性能を向上するためには、何枚ものレンズを組み合わせる必要があり、したがってレンズを配置すると投射用レンズの全長は有る程度の長さが必要となり、投射用レンズの全長が長くなれば、入射瞳位置が後方にあるレンズでは当然のことながら前方のレンズ径が大きくなってしまうという小型化とは相反する問題となる。
この様に、開発を行う上の大きな制約はあるものの、ライトバルブとしてDMDを採用する投射型表示装置は、小型化の上で他の方式よりも有利とされており、現在ではプレゼンテーションを行う際に便利なデータプロジェクタを中心として、携帯可能なコンパクトなものが広く普及してきている。また装置自体をコンパクトに構成するためには、当然のことながら使用される投射用レンズに関しても、コンパクト化の要望は非常に強く、さらにズーム構成による変倍が可能というだけではなく、DMDの中心と投射レンズの光軸をずらして配設する、いわゆるシフト光学系を採用するためにイメージサークルが大きいものを要求するようになりレンズのその広角端の画角の大きい投射レンズが要望されている。またコスト面や生産面を考慮すると非球面レンズをなるべく採用したくない。しかしながら、携帯可能であることを前提とした投射型表示装置において厚さ寸法を小さくすることはノート型パーソナルコンピュータなどと共に持ち歩くことの多い使われ方をする投射型表示装置では、最も重要な要素であるとも言える。この問題を解決する手段として、例えば特開2007−140474号公報(特許文献1)に開示されているような投射用レンズのコンパクト化設計方法の一例があり、投射型表示装置の小型化に効果的であることが既に知られている。
光学補正型ズームレンズは当初35mmスチルカメラ用望遠ズームとして、例えば特開昭56−114919号公報(特許文献2)で開示されている例があり、焦点距離100から200mmでF4.5の中望遠から望遠クラスのズームレンズとして設計されている。また、用途が異なるが広角化を実施し設計されて35mmスチルカメラに換算すると50から100(150)mmで標準から中望遠(望遠)域の設計例が開示されている、ビデオカメラ若しくはスチルビデオカメラ用としての特開昭63−210812号公報(特許文献3)、さらに、特開平5−249377号公報(特許文献4)の例では35mmスチルカメラ用として35(40)から135mmでF4のものが設計されており、一段の広角化と高変倍化がなされている。
特開2007−140474号公報 特開昭56−114919号公報 特開昭63−210812号公報 特開平5−249377号公報
しかしながら、特許文献1の提案では、この発明の実施例によれば非球面レンズを2枚使用しており、コスト面や生産性を考慮に入れると、製品を提供する上で全てに有効な設計手段であるとは言い難い。また特許文献4の提案では、これは撮影用のズームレンズとして広角化、高変倍化、明るい光学系が要望されているからであるが、ズームカムを使用前提として設計された同技術分野のズームレンズに勝るものとはなっていない。光学系とそれを保持し、フォーカスや変倍動作を実現する鏡枠機構を含めた範囲でコストを考えた場合、機構部品として高価なズームカムの必要のない光学補正型ズームレンズの採用は有利である。しかしながら、薄型投射装置への採用は、特許文献2の例では画角及びF値が達成できず、特許文献3の例では画角が達成できず、特許文献4の例ではF値が達成できない。また、前記各例を通じて、変倍比はより少なくとも良いのであるが、より高解像でなければならず、また前玉径が大きすぎてこれらの開示例の範囲で設計されたレンズは薄型投射装置用の投射レンズとして採用できるものではない。さらに、前記開示例の全てが正パワーを有するレンズ群を移動群とし、これらの移動群に挟まれて負パワーを有するレンズ群を固定配置して変倍を成す構成となっており、本願の構成である負パワーを有するレンズ群を移動群とし、これら移動群に挟まれた正パワーを有するレンズ群を固定群とした開示例ではない。
本発明は、前述した事情に鑑み、DMDなどの光の反射方向を変えて画像を形成するライトバルブの特性に適しており、ライトバルブからの画像をスクリーン上或いはその他の壁面等に拡大投射する用途において結像性能が高く、さらにレンズ口径が小さくコンパクトなズームレンズを安価に実現し、コンパクトで明るく、小さな会議室等の限られたスペースでも大きな画面を投射可能で高画質でありながら高価な非球面レンズや光学補正型を採用することによりズームカムを使用せずにコストや生産性をも考慮した薄型の投射型表示装置を安価に提供することを目的としている。
本発明のズームレンズは、拡大側から順に、全体で負の屈折力を有するか又は略アフォーカルである第1レンズ群、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群、全体で正の屈折力を有する第3レンズ群、全体で負の屈折力を有する第4レンズ群及び全体で正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、広角端から望遠端への変倍に際して前記第1レンズ群、前記第3レンズ群及び前記第5レンズ群は変倍動作中固定されており、前記第2レンズ群及び前記第4レンズ群は変倍動作に応じて拡大側から縮小側方向へ一体として光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群のパワーに関して下記条件式(1)を満足し、前記第3レンズ群の広角端における倍率に関して下記条件式(2)を満足し、光学系全体の大きさが下記条件式(3)を満足し、前記第5レンズ群の縮小側に設定される空間に関して下記条件式(4)を満足していることを特徴とする。(請求項1)
(1) −0.1 ≦ fw / fI ≦ 0.05
(2) −0.75 ≦ mIIIw ≦ −0.55
(3) TL / fw ≦ 8.0
(4) 1.75 ≦ bw / fw
ただし、
w :広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離
(第1レンズ群の最も拡大側の面からの物体距離1700mmに合焦の状態)
I :第1レンズ群の合成焦点距離
IIIw:広角端における第3レンズ群の合成倍率
TL :第1レンズ群の最も拡大側の面から像面までの距離
(ただし、第6レンズ群及び平行平面のカバーガラス部分は空気換算距離)
w :第5レンズ群の最も縮小側の面から像面までの距離
(ただし、第6レンズ群及び平行平面のカバーガラス部分は空気換算距離)
条件式(1)は、第1レンズ群のパワーに関する条件であるが、バックフォーカスを維持しつつ画角を大きくするためにはレンズの拡大側に負パワーを投入するのが良い。従がって、第1レンズ群を負パワーとすることは広角化に有効である。しかしながら本発明のズームレンズにおいては第2レンズ群も負パワーを有している。第2レンズ群の負パワーは変倍として必要とするものであるため、第1レンズ群及び第2レンズ群の負パワーのバランスは、収差に対して変倍による定常要素と変動要素として配分されていると考えることが出来る。すなわち第1レンズ群のパワーは定常要素であり、条件式(1)において上限を超えると、負パワーが不足し、画角を大きくすることが困難となり、逆に下限を超えると第2レンズ群とのパワー配分が旨くいかなくなり、第2レンズ群のパワーを小さくすると変倍比を小さくしなければならず、第1レンズ群、第2レンズ群ともに負パワーを増大させると諸収差の悪化を招くことになる。条件式(2)は、本発明のズームレンズにあって最も特徴のある変倍を司る第3レンズ群の広角端配置における合成倍率に関する条件式である。本発明のズームレンズの変倍を担っているレンズ群は第2レンズ群乃至第4レンズ群で、正パワーの第3レンズ群を変倍中の固定群として当該レンズ群を挟んで負パワーを有する第2レンズ群及び第4レンズ群を一体で、拡大側(広角端)から縮小側(望遠端)へと光軸上を移動させることで実現している。従がって、広角端配置の場合第2レンズ群と第3レンズ群の間には少なくとも変倍時に移動する為に使用する空気間隔が必要である。この空気間隔に関する設定は条件式(2)の数値と密接に関係する。この空気間隔の量は、変倍に関係する各レンズ群のパワー、倍率、収差変動などを考慮しバランスの上で決まるが、条件式(2)の上限を超えると(絶対値が小さいと)空気間隔としては大きく設定可能となるが、一方では光学系全体の大きさに影響を及ぼすため限界値はこれらのバランスで決まってくる。逆に下限を超えると(絶対値が大きいと)空気間隔が大きくとれず、倍率の低下を招き、或いは各群パワーを上げなければならず、諸収差が悪化する。条件式(3)は、光学系の全長に関する条件であり、すなわち小径化の条件となる。上限を超えると全長が大きくなり、したがってレンズが大口径になり、小型、薄型化を損ねてしまう。下限を超えると、諸収差のバランスを取ることが困難となる。条件式(4)は、第5レンズ群の縮小側に設定される空気間隔に関する条件である。いわゆるバックフォーカスに相当する部分であるがライトバルブを照明するための光学系との共用スペースである為、この間隔を確保することが必要となる。従って下限を超えると照明系のスペースが不足し投射型表示装置として設計困難となる。
また、前記第1レンズ群は拡大側から順に、全体で負の屈折力を有する第1aレンズ群及び全体で正の屈折力を有する第1bレンズ群から構成され、前記第1aレンズ群は拡大側から順に拡大側に凸のメニスカス形状で負の屈折力を有するレンズ(以下負レンズ)、正の屈折力を有するレンズ(以下正レンズ)、負レンズにて構成され、前記第1bレンズ群は第1の構成方法として縮小側に凸のメニスカス形状の負レンズ及び正レンズにて構成されるか又は第2の構成方法として正レンズ一枚にて構成され、前記第1レンズ群をアフォーカルコンバータと見なした場合のアフォーカル倍率に関して下記条件式(5)を満足し、前記第1レンズ群の光軸上の長さに関して下記条件式(6)を満足し、負レンズのうち最も拡大側に配置されるレンズの形状に関して下記条件式(7)を満足し、最も縮小側に配置される正レンズの屈折率と分散特性に関して各々下記条件式(8)及び下記条件式(9)を満足していることが望ましい。(請求項2)
(5) 1.7 ≦ hIL / hIF ≦ 2.8
(6) 1.7 ≦ LI / fw ≦ 2.3
(7) 0.2 ≦ fw / rInF ≦ 0.45
(8) nIbL ≦ 1.65
(9) 55 ≦ vIbL
ただし、
IL :第1レンズ群の最も縮小側の面を射出する近軸光線高さ
IF :第1レンズ群の最も拡大側の面に入射する近軸光線高さ
I :第1レンズ群の最も拡大側の面から最も縮小側の面までの光軸上の長さ
(第1レンズ群の最も拡大側の面からの物体距離1700mmに合焦の状態)
InF:第1レンズ群において最も拡大側に配置される負レンズの拡大側面の曲率半径
IbL:第1レンズ群において最も縮小側に配置される正レンズのd線における屈折率
IbL:第1レンズ群において最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
前述のように第1レンズ群は最も拡大側に配設されており負のパワー或いは略アフォーカルでワイドコンバータとして機能している。条件式(5)は、第1レンズ群のワイドコンバータとしての作用であるアフォーカル倍率を規定しており、上限を超えると倍率が高くなりすぎて前群の収差負担が過大となり性能が劣化してしまい、下限を超えると倍率が低下して広角化に不利となる。条件式(6)は、第1レンズ群の全長に関するもので、相反する課題を解決するための、すなわち広角端で大きな画角を維持しつつ外径を小さくするための条件式である。レンズ系をコンパクト化するためには、適切なレンズエレメントの数、厚さで分担することで第1レンズ群の有口径の増大を防がなければならず、そのために第1レンズ群はある程度の軸上寸法を必要とする。条件式(6)で表現される範囲の上限を超えると第1レンズ群自体の長さが増大してレンズ系全長が大きくなり、下限を超えると第1レンズ群の各レンズエレメントに対するパワーが過大となり性能が低下する。条件式(7)は、最も拡大側に配置されるメニスカスタイプの負レンズの形状に関してのものであり、広角端におけるレンズ全系の歪曲収差とコマ収差補正のための条件式である。強いパワーを持たせつつも、拡大側の光線束に対して概ね同心的形状とすることで、根本的に収差の発生を抑えた形状としている。したがって上限を超えると、収差成分の発生は少なく出来るが、バックフォーカスを維持しつつ必要な画角を実現することが出来なくなり、逆に下限を超えると収差発生量が多くなり良好に補正出来なくなる。条件式(8)は、第1レンズ群において最も縮小側に配置される正レンズに使用される硝材の屈折率の選択範囲を示している。拡大側に配置される第1aレンズ群が極めて強い発散群である為に発生している様々な収差を出来るだけ第1レンズ群内でキャンセルすることが望ましく、当該レンズは第1bレンズ群において支配的なパワーを有するレンズであり、重要な役割を有している。その中で硝材の屈折率は第1aレンズ群で発生している負のペッツバール係数をキャンセルするために条件式(8)で示される範囲の硝材を使用することが望ましい。条件式(8)の上限を超えるとペッツバール和が負に傾くことにより周辺の性能が悪化する。条件式(9)は、第1レンズ群の最も縮小側に配置される強いパワーを有する正レンズのアッベ数の選択範囲を制限しているものであるが、当該レンズのパワーが強いため諸収差に影響が大きく、その分散特性は第1レンズ群としての色収差補正に大きな影響を及ぼす。最も拡大側に配置されることもあってセパレート・アクロマティズムを適用するのが、光学系全体の色収差補正を良好に維持する為にも重要となる。条件式(9)に基づきアッベ数を設定するのが望ましく、条件を外れると第1レンズ群としての色収差補正が不十分となるが、ひいてはレンズ系全体の色収差補正を困難とする。
また、前記第2レンズ群は拡大側から順に正レンズ及び負レンズにて構成され、前記第2レンズ群の有するパワーに関して下記条件式(10)を満足し、拡大側に配置される正レンズの有するパワー及び屈折率に関して各々下記条件式(11)及び下記条件式(12)を満足し、前記第2レンズ群を構成する正レンズ及び負レンズの分散特性の関係に関して下記条件式(13)を満足していることが望ましい。(請求項3)
(10) −0.2 ≦ fw / fII ≦ −0.05
(11) 0.2 ≦ fw / fII1 ≦ 0.4
(12) 1.75 ≦ nII1
(13) 8 ≦ vII2 − vII1
ただし、
II :第2レンズ群の合成焦点距離
II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズの焦点距離
II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズのd線における屈折率
II2:第2レンズ群の縮小側に配置される負レンズのアッベ数
II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズのアッベ数
条件式(10)は、第2レンズ群のパワーに関する条件である。本発明のズームレンズにおける第2レンズ群の負パワーは、前述のように第1レンズ群の有するパワーとの配分にて決まる。第2レンズ群は変倍において光軸上を移動する構成要素となっており重要な役割を担っている。また、上限を超えると、第2レンズ群の負のパワーが小さくなり変倍能力が低下し、下限を超えると負のパワーが大きくなり第3レンズ群以降の正レンズ群のパワーを強めなければならず、諸収差のバランスを取ることが困難となる。条件式(11)及び条件式(12)は、第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズのパワーと使用する硝材の屈折率の選択範囲を示している。当該レンズは全体で負パワーを有するレンズ群の中の正レンズであるから、正レンズのパワーを強くすることは、それに伴って群内の負レンズのパワーも強くすることになってしまうため、色収差等の収差発生を考慮するとパワーは小さい方が有利である。その一方で、レンズ系全体のペッツバール和を適正に維持するためには正のペッツバール係数を大きくすることが必要となり、すなわちペッツバール和を適正に維持しつつ色収差を良好に保つためのバランスを決めるのが条件式(11)で示される当該レンズのパワーである。従がって上限を超えると、収差バランスが崩れて色収差を含む諸収差が悪化し、下限を超えると、像面湾曲が悪化し周辺を含めて良好な画質を維持することが出来ない。加えてペッツバール和を適正に維持するためには硝材の屈折率が高いことが有効で、条件式(12)の下限を超えてしまうと像面湾曲によりやはり周辺性能が低下する。条件式(13)は第2レンズ群としての色消し条件である。群単位での適切な色消しを施す必要があり、条件式の下限を超えると第2レンズ群としての色消しが不十分となり、ひいては全ズーム域を通しての色収差補正を完全にすることが出来ない。
また、前記第3レンズ群は拡大側から順に正レンズ及び負レンズにて構成され、これらのレンズの分散特性の関係に関して下記条件式(14)を満足し、拡大側に配置される前記正レンズの形状に関して下記条件式(15)を満足していることが望ましい。(請求項4)
(14) 20 ≦ vIII1 − vIII2
(15) 0.6 ≦ fw / rIII1 ≦ 0.8
ただし、
III1:第3レンズ群の拡大側に配置される正レンズのアッベ数
III2:第3レンズ群の拡大側から二番目に配置される負レンズのアッベ数
III1:第3レンズ群の拡大側に配置される正レンズの拡大側面の曲率半径
条件式(14)は第3レンズ群としての色消し条件である。ズームレンズの場合セパレート・アクロマティズムに基づいて群単位での適切な色消しを施す必要があり、条件式の下限を超えると第3レンズ群としての色消しが不十分となり、全ズーム域を通しての色収差補正を完全にすることが出来なくなる。条件式(15)は、第3レンズ群で拡大側に配置される正レンズの拡大側面の形状に関する制限条件となっている。当該面の配置は、周辺光束の主光線が第3レンズ群の直ぐ後ろ(縮小側)で光軸と交わっているため変倍を行っても当該面に入射する主光線の状態の変化が少なく、球面収差等の変倍によって変化する定常成分を良好に補正するのに都合が良い。従がって条件式(15)では、上限を超えても、下限を超えても全ズーム域における球面収差、コマ収差をバランス良く補正することが困難となる。
また、前記第4レンズ群は負レンズ一枚にて構成され、前記第4レンズ群として有するパワーに関して下記条件式(16)を満足し、当該負レンズの形状に関して下記条件式(17)を満足し、分散特性に関して下記条件式(18)を満足していることが望ましい。(請求項5)
(16) −0.6 ≦ fw / fIV ≦ −0.4
(17) −2.0 ≦ rIV1 / rIV2 ≦ −0.08
(18) 60 ≦ vIV
ただし、
IV :第4レンズ群の合成焦点距離
IV1:第4レンズ群を構成する負レンズの拡大側面の曲率半径
IV2:第4レンズ群を構成する負レンズの縮小側面の曲率半径
IV :第4レンズ群を構成する負レンズのアッベ数
条件式(16)は、第4レンズ群のパワーに関するものである。第4レンズ群は変倍を主に担っているために強い負のパワーが付与されている。従がって上限を超えるような(絶対値の小さい)パワーでは変倍量を小さくするか或いは光学系全体の大きさも大きくなるためコンパクトなズームレンズとはならない。逆に下限を超えるような(絶対値の大きい)パワーを与えてしまうと、単レンズで構成されるため変倍による諸収差の変動が大きくなり、続く第5レンズ群の正のパワーも増大しなければならなくなるため、全体の収差バランスも悪化してしまう。一方本来このような光学補正型の変倍光学系では移動群となるレンズ群のパワーが略等しいことが変倍中のフォーカス移動を無くする(無視しうる量とする)ための条件であるが、このことはカメラなどの交換レンズにおいて変倍時のフォーカス移動量が最大でも焦点深度内に収めなければならないための条件であり、本発明のズームレンズのように投射型表示装置に採用する場合には必ずしもそのような制約を設ける必要はない。投射型表示装置用の光学系としてはフォーカス移動を必ずしも無視し得る量にする必要はなく、変倍によるフォーカス移動での投射画像のボケが微小であれば、再度フォーカス調整をすること至極簡単であるため問題にはならない。それよりもズームカムを省略できるというコスト的な利点、サイズ的な利点の方が優位な条件である。このような制約の中では条件式(10)で表現されている第2レンズ群のパワー、条件式(16)で表現されている第4レンズのパワーの関係は問題ではなくフォーカス移動を良好な範囲で維持することが可能である。条件式(17)は、第4レンズ群を一枚で構成する負レンズの形状に関する要件である。対称に近い両凸レンズとなっているが、広角端における周辺の主光線が当該レンズの近傍で光軸と交差するため、このような形状は周辺に対する発生収差が当該レンズの拡大側面と縮小側面でキャンセルされる。従がって最も大きく影響を及ぼすのは球面収差及びコマ収差である。一方で、第4レンズ群は変倍時の移動群であり、望遠端では縮小側に移動し、周辺の主光線の当該レンズでの通過位置も光軸近傍から離れることになり周辺画像への影響を持つことになる。これらの収差のバランスにより条件式(17)の範囲で形状を決めることが望ましく。この範囲を逸脱することは、上限を超えても下限を超えても、広角端の中心性能及び周辺を含めた望遠端の画質をバランス良く収差補正することが困難となる。条件式(18)は、第4レンズ群としての色消し条件であり、下限を超えると条件式(14)同様変倍時における色収差変動が大きくなりズーム全域について良好な性能を維持することが出来ない。
また、前記第5レンズ群は、拡大側から順に正レンズ、負レンズ、正レンズ及び負レンズを配して構成され、拡大側から三番目の正レンズの有するパワーに関して下記条件式(19)を満足し、当該正レンズと前記第5レンズ群を構成する負レンズとの分散特性の関係が下記条件式(20)を満足し、前記第5レンズ群を構成する負レンズの屈折率に関して下記条件式(21)を満足していることが望ましい。(請求項6)
(19) 0.74 ≦ fw / fV3 ≦ 1.0
(20) 40 ≦ vV3 − VVn
(21) 1.75 ≦ NVn
ただし、
V3 :第5レンズ群の拡大側から三番目の正レンズの焦点距離
V3 :第5レンズ群の拡大側から三番目の正レンズのアッベ数
Vn :第5レンズ群を構成する負レンズのアッベ数の平均値
Vn :第5レンズ群を構成する負レンズのd線における屈折率の平均値
条件式(19)は、第5レンズ群の拡大側から三番目の2枚の負レンズに挟まれて配置される正レンズのパワーに関するものである。次の条件式(20)及び条件式(21)の制約を実現し易くするためには当該レンズの硝材として屈折率が小さくアッベ数の大きい材料を選択するのが良い。その上で本条件を適用すると自ずと曲率の大きな形状の正レンズとなる。こうした形状のレンズにおいて有効径の大きい部分を通過する光線は高次の収差を発生する。当該レンズはこのような特性を利用し倍率の色収差の補正に特に有効であり、下限を超えた設定であると効果が不十分であり、上限を超えると他の収差バランスを悪化させてしまう。条件式(20)は、第5レンズ群の色補正条件である。単色収差を補正するには、各レンズのパワーが過大とならないことが必要で、そのためには条件式(14)を満たす正レンズ、負レンズのアッベ数であることが必要な条件となり、下限を超えると色収差の補正が困難となる。条件式(21)は、第5レンズ群を構成する負レンズに用いられる硝材の屈折率に関する条件である。第5レンズ群を構成する2枚の負レンズは、その間にある正レンズと接合の状態で用いるのが望ましい。これはこの部分系において、接合レンズに屈折率差をあたえることで、接合面での球面収差補正能力を維持しつつ像面湾曲補正の効果をも期待できるからである。従がって条件式(21)で下限を超える硝材の選択をするとこのような効果を期待出来なくなり、像面湾曲が過剰補正され、さらに球面収差がアンダーとなり易い。
このように本発明によるズームレンズを投射型表示装置に搭載することにより装置全体を小型化することが可能となり(請求項7)、携帯にも便利な薄型の投射型表示装置を提供することが出来、さらにコストを低く維持することに効果的である。
本発明によれば、DMDなどのライトバルブの特性に適した結像性能が高くコンパクトでコスト面や生産面でも効果的なズームレンズを実現し、コンパクトで高画質の投射型表示装置を安価に提供することが出来る。
本発明によるズームレンズの第1実施例のレンズ構成図である。 第1実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第2実施例のレンズ構成図である。 第2実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第3実施例のレンズ構成図である。 第3実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第4実施例のレンズ構成図である。 第4実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第5実施例のレンズ構成図である。 第5実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第6実施例のレンズ構成図である。 第6実施例のレンズの諸収差図である。 本発明によるズームレンズの第7実施例のレンズ構成図である。 第7実施例のレンズの諸収差図である。
以下、具体的な数値実施例について、本発明を説明する。以下の第1実施例から第7実施例のズームレンズでは拡大側から順に、全体で負の屈折力を有するか又は略アフォーカルである第1レンズ群(各図におけるレンズ群名称LG1)、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群(レンズ群名称LG2)、全体で正の屈折力を有する第3レンズ群(レンズ群名称LG3)、全体で負の屈折力を有する第4レンズ群(レンズ群名称LG4)及び全体で正の屈折力を有する第5レンズ群(レンズ群名称LG5)から構成され、前記第1レンズ群LG1は拡大側から順に、全体で負の屈折力を有する第1aレンズ群(レンズ群名称LG1a)及び全体で正の屈折力を有する第1bレンズ群(レンズ群名称LG1b)から構成され、前記第1aレンズ群LG1aは拡大側から順に拡大側に凸のメニスカス形状の負レンズ(レンズ名称をL11、拡大側面の面番号を101、縮小側面の面番号を102とする)、正レンズ(レンズ名称をL12、拡大側面の面番号を103、縮小側面の面番号を104とする)、負レンズ(レンズ名称をL13、拡大側面の面番号を105、縮小側面の面番号106とする)にて構成され、前記第1bレンズ群LG1bは第1の構成方法として縮小側に凸のメニスカス形状の負レンズ(レンズ名称をL14、拡大側面の面番号を107、縮小側面の面番号を108とする)及び正レンズ(レンズ名称をL15、拡大側面の面番号を109、縮小側面の面番号を110とする)にて構成されるか又は第2の構成方法として正レンズ(レンズ名称をL15、拡大側面の面番号を109、縮小側面の面番号を110とする)一枚にて構成され、前記第2レンズ群LG2は拡大側から順に正レンズ(レンズ名称をL21、拡大側面の面番号を201、縮小側面の面番号を202とする)及び負レンズ(レンズ名称をL22、拡大側面の面番号を203、縮小側面の面番号を204とする)にて構成され、前記第3レンズ群LG3は拡大側から順に正レンズ(レンズ名称をL31、拡大側面の面番号を301、縮小側面の面番号を302とする)及び負レンズ(レンズ名称をL32、拡大側面は接合のため面番号を同じく302、縮小側面の面番号を303とする)にて構成され、前記第4レンズ群LG4は負レンズ(レンズ名称をL41、拡大側面の面番号を401、縮小側面の面番号を402とする)一枚にて構成され、前記第5レンズ群LG5は、拡大側から順に正レンズ(レンズ名称をL51、拡大側面の面番号を501、縮小側面の面番号を502とする)、負レンズ(レンズ名称をL52、拡大側面の面番号を503、縮小側面の面番号を504とする)、正レンズ(レンズ名称をL53、拡大側面は接合のため面番号を同じく504、縮小側面の面番号を505とする)及び負レンズ(レンズ名称をL54、拡大側面は接合のため面番号を同じく505、縮小側面の面番号を506とする)を配して構成されており、前記第5レンズ群LG5の縮小側には、大きな空気間隔を設け、その後に照明光学系との関連において第6レンズ群(レンズ群名称LG6)を、正レンズ(レンズ名称をL61、拡大側面の面番号を601、縮小側面の面番号を602とする)にて構成しても良く、続いて前記第6レンズ群LG6の縮小側とライトバルブ面との間には僅かな空気間隔をおいて配置されるDMD等のライトバルブの構成部品であるカバーガラスCG(拡大側面をC01、縮小側面をC02)を配置し構成される。広角端から望遠端への変倍動作は、前記第1レンズ群LG1、前記第3レンズ群LG3及び前記第5レンズ群LG5は変倍動作中固定されており、前記第2レンズ群LG2及び前記第4レンズ群LG4を拡大側から縮小側方向へ一体として光軸に沿って移動させ変倍を行う。
[実施例1]
本発明のズームレンズの第1実施例について数値例を表1に示す。また図1は、そのレンズ構成図、図2はその諸収差図である。表中の上段で、fはズームレンズ全系の焦点距離、FnoはFナンバー、2ωはズームレンズの全画角を表し、dと括弧付の数値で表している、例えばd(110)であるが、これは110面が変倍に伴い空気間隔が変化する面であり、その変化する数値を表すものである。また下段のrは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、nはd線に対する屈折率、νはd線のアッベ数を示す。諸収差図中の球面収差図におけるCA1、CA2、CA3はそれぞれCA1=550nm、CA2=450nm、CA3=620nmの波長における収差曲線である。非点収差図におけるSはサジタル、Mはメリディオナルを示している。また、全般に亘り特別に記載のない限り、諸値の計算に使用している波長はCA1=550.0nmである。また、物体及び像の関係は101面からの物体距離を1700mmとした合焦状態を表しているものとする。
Figure 2011069959
[実施例2]
本発明のズームレンズの第2実施例について数値例を表2に示す。また図3は、そのレンズ構成図、図4はその諸収差図である。
Figure 2011069959
[実施例3]
本発明のズームレンズの第3実施例について数値例を表3に示す。また図5は、そのレンズ構成図、図6はその諸収差図である。
Figure 2011069959
[実施例4]
本発明のズームレンズの第4実施例について数値例を表4に示す。また図7は、そのレンズ構成図、図8はその諸収差図である。
Figure 2011069959
[実施例5]
本発明のズームレンズの第5実施例について数値例を表5に示す。また図9は、そのレンズ構成図、図10はその諸収差図である。
Figure 2011069959
[実施例6]
本発明のズームレンズの第6実施例について数値例を表6に示す。また図11は、そのレンズ構成図、図12はその諸収差図である。
Figure 2011069959
[実施例7]
本発明のズームレンズの第7実施例について数値例を表7に示す。また図13は、そのレンズ構成図、図14はその諸収差図である。
Figure 2011069959
次に第1実施例から第7実施例に関して条件式(1)から条件式(21)に対応する値を、まとめて表8に示す。
Figure 2011069959
表8から明らかなように、第1実施例から第7実施例の各実施例に関する数値は条件式(1)から条件式(21)の条件式を満足しているとともに、各実施例における収差図からも明らかなように、各収差とも良好に補正されている。

Claims (7)

  1. 拡大側から順に、全体で負の屈折力を有するか又は略アフォーカルである第1レンズ群、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群、全体で正の屈折力を有する第3レンズ群、全体で負の屈折力を有する第4レンズ群及び全体で正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、広角端から望遠端への変倍に際して前記第1レンズ群、前記第3レンズ群及び前記第5レンズ群は変倍動作中固定されており、前記第2レンズ群及び前記第4レンズ群は変倍動作に応じて拡大側から縮小側方向へ一体として光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群のパワーに関して下記条件式(1)を満足し、前記第3レンズ群の広角端における倍率に関して下記条件式(2)を満足し、光学系全体の大きさが下記条件式(3)を満足し、前記第5レンズ群の縮小側に設定される空間に関して下記条件式(4)を満足していることを特徴とするズームレンズ。
    (1) −0.1 ≦ fw / fI ≦ 0.05
    (2) −0.75 ≦ mIIIw ≦ −0.55
    (3) TL / fw ≦ 8.0
    (4) 1.75 ≦ bw / fw
    ただし、
    w :広角端におけるレンズ全系の合成焦点距離
    (第1レンズ群の最も拡大側の面からの物体距離1700mmに合焦の状態)
    I :第1レンズ群の合成焦点距離
    IIIw:広角端における第3レンズ群の合成倍率
    TL :第1レンズ群の最も拡大側の面から像面までの距離
    (ただし、第6レンズ群及び平行平面のカバーガラス部分は空気換算距離)
    w :第5レンズ群の最も縮小側の面から像面までの距離
    (ただし、第6レンズ群及び平行平面のカバーガラス部分は空気換算距離)
  2. 前記第1レンズ群は拡大側から順に、全体で負の屈折力を有する第1aレンズ群及び全体で正の屈折力を有する第1bレンズ群から構成され、前記第1aレンズ群は拡大側から順に拡大側に凸のメニスカス形状で負の屈折力を有するレンズ(以下負レンズ)、正の屈折力を有するレンズ(以下正レンズ)、負レンズにて構成され、前記第1bレンズ群は第1の構成方法として縮小側に凸のメニスカス形状の負レンズ及び正レンズにて構成されるか又は第2の構成方法として正レンズ一枚にて構成され、前記第1レンズ群をアフォーカルコンバータと見なした場合のアフォーカル倍率に関して下記条件式(5)を満足し、前記第1レンズ群の光軸上の長さに関して下記条件式(6)を満足し、負レンズのうち最も拡大側に配置されるレンズの形状に関して下記条件式(7)を満足し、最も縮小側に配置される正レンズの屈折率と分散特性に関して各々下記条件式(8)及び下記条件式(9)を満足していることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    (5) 1.7 ≦ hIL / hIF ≦ 2.8
    (6) 1.7 ≦ LI / fw ≦ 2.3
    (7) 0.2 ≦ fw / rInF ≦ 0.45
    (8) nIbL ≦ 1.65
    (9) 55 ≦ vIbL
    ただし、
    IL :第1レンズ群の最も縮小側の面を射出する近軸光線高さ
    IF :第1レンズ群の最も拡大側の面に入射する近軸光線高さ
    I :第1レンズ群の最も拡大側の面から最も縮小側の面までの光軸上の長さ
    (第1レンズ群の最も拡大側の面からの物体距離1700mmに合焦の状態)
    InF:第1レンズ群において最も拡大側に配置される負レンズの拡大側面の曲率半径
    IbL:第1レンズ群において最も縮小側に配置される正レンズのd線における屈折率
    IbL:第1レンズ群において最も縮小側に配置される正レンズのアッベ数
  3. 前記第2レンズ群は拡大側から順に正レンズ及び負レンズにて構成され、前記第2レンズ群の有するパワーに関して下記条件式(10)を満足し、拡大側に配置される正レンズの有するパワー及び屈折率に関して各々下記条件式(11)及び下記条件式(12)を満足し、前記第2レンズ群を構成する正レンズ及び負レンズの分散特性の関係に関して下記条件式(13)を満足していることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    (10) −0.2 ≦ fw / fII ≦ −0.05
    (11) 0.2 ≦ fw / fII1 ≦ 0.4
    (12) 1.75 ≦ nII1
    (13) 8 ≦ vII2 − vII1
    ただし、
    II :第2レンズ群の合成焦点距離
    II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズの焦点距離
    II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズのd線における屈折率
    II2:第2レンズ群の縮小側に配置される負レンズのアッベ数
    II1:第2レンズ群の拡大側に配置される正レンズのアッベ数
  4. 前記第3レンズ群は拡大側から順に正レンズ及び負レンズにて構成され、これらのレンズの分散特性の関係に関して下記条件式(14)を満足し、拡大側に配置される前記正レンズの形状に関して下記条件式(15)を満足していることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    (14) 20 ≦ vIII1 − vIII2
    (15) 0.6 ≦ fw / rIII1 ≦ 0.8
    ただし、
    III1:第3レンズ群の拡大側に配置される正レンズのアッベ数
    III2:第3レンズ群の拡大側から二番目に配置される負レンズのアッベ数
    III1:第3レンズ群の拡大側に配置される正レンズの拡大側面の曲率半径
  5. 前記第4レンズ群は負レンズ一枚にて構成され、前記第4レンズ群として有するパワーに関して下記条件式(16)を満足し、当該負レンズの形状に関して下記条件式(17)を満足し、分散特性に関して下記条件式(18)を満足していることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    (16) −0.6 ≦ fw / fIV ≦ −0.4
    (17) −2.0 ≦ rIV1 / rIV2 ≦ −0.08
    (18) 60 ≦ vIV
    ただし、
    IV :第4レンズ群の合成焦点距離
    IV1:第4レンズ群を構成する負レンズの拡大側面の曲率半径
    IV2:第4レンズ群を構成する負レンズの縮小側面の曲率半径
    IV :第4レンズ群を構成する負レンズのアッベ数
  6. 前記第5レンズ群は、拡大側から順に正レンズ、負レンズ、正レンズ及び負レンズを配して構成され、拡大側から三番目の正レンズの有するパワーに関して下記条件式(19)を満足し、当該正レンズと前記第5レンズ群を構成する負レンズとの分散特性の関係が下記条件式(20)を満足し、前記第5レンズ群を構成する負レンズの屈折率に関して下記条件式(21)を満足していることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
    (19) 0.74 ≦ fw / fV3 ≦ 1.0
    (20) 40 ≦ vV3 − VVn
    (21) 1.75 ≦ NVn
    ただし、
    V3 :第5レンズ群の拡大側から三番目の正レンズの焦点距離
    V3 :第5レンズ群の拡大側から三番目の正レンズのアッベ数
    Vn :第5レンズ群を構成する負レンズのアッベ数の平均値
    Vn :第5レンズ群を構成する負レンズのd線における屈折率の平均値
  7. 請求項1乃至6いずれか1項に記載されるズームレンズを搭載していることを特徴とした投射型表示装置。
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